今回の旅は、昨年に引き続き、フランスでした。 ブルゴーニュとオーヴェルニュをメインに、周辺地域も含めて回り、リムーザン及びサントル地域、初上陸も果たしました。
6年ほど前のイースター時期に、駆け足で回ったブルゴーニュですが、今回は、マコンやトゥルニューなど、南部地域を、マイナー教会も含めて、丹念に回りました。また、その時に縁のなかった場所の再訪も、いくつかかないました。
その後、オーベルニュに移動して、ロマネスク病仲間である友人宅に居候しつつ、彼らのアドバイスに従って、オーベルニュは勿論として、サントル地方やリムーザン地方にまで足を延ばすこととなったのでした。
目的地の選択として、州や県で区切って調べることが基本となってしまうので、なかなか複数の土地を同時に目的とすることが難しいのですが、仲間のおかげで、自分ではこの行程の中で訪ねようという発想すらない素晴らしい場所を、たくさん訪ねることができました。持つべきものは、病気仲間です、笑。
本日、やっと写真をパソコンに取り込みましたが、あまりの数に、まだ全部を見ることができない状態です。そして、前半に回ったミクロな地味な教会については、すでに訪問した事実が思い出せないような状況で…。自分の海馬が心配になる始末です。
ミラノから飛行機でリヨンに入り、レンタカーで、走行距離は、約1700キロ。数日は、友人の車で移動したので、それも含めると、2000キロは超える移動距離になりそうです。 訪ねた教会は、80を超えるくらいです。
このところ、2年前のオーベルニュの旅をアップしている最中ですが、その時に訪問しなかったところ、できなかったところ、またクローズだった場所への再訪もかないました。 その旅のアップが終了しないうちの出発となり、ちょっと複雑な気持ちです。
結論としては、やはりフランス・ロマネスクはすごいです。建物的には、どうしてもゴシック・テイストが強くて、全体が好ましい教会は少ないのですが、タンパンや柱頭などのディテールにおいては、やはり敵なし。衝撃的なものが山ほどあります。
おそらく、この旅のアップは、相当先の話となってしまうことと思いますが、どうぞ、お楽しみに。 当面は、2年前の旅のアップを継続することとします。 アップしながら、改めて思うところもあるかと、その辺も楽しみなんです。
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2018/08/27(月) 02:39:18 |
フランス・ロマネスク
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2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュ、カンタルの旅、プロローグ
残暑お見舞い申し上げます。 夏休み第二弾も、いよいよ今夜で終了で、切ない気持ちでいっぱいです。が、よいお休みだったので、充実感や達成感もいっぱいあり、またこうやってお休みを満喫するために、仕方ない、また頑張って働きますか、という気持ちもちょっぴりは感じられるのが、長期休暇の良いところ。というか、このままお休み続けていると、廃人になりかねない、という危惧も出てくるんですよねぇ、易きに流れるタイプなんで。
さて、今回は、昨年に引き続き、フランスのロマネスクを巡る旅でした。
ミラノから直行便でトゥールーズに入り、ミディピレネーの町村を巡りました。
一番暑い時期からの旅だったかもしれません。到着日のトゥールーズは、夜になっても30度以上の気温だったと思います。しかし、山間部に入ると、朝晩10度まで下がるという恐ろしい気温差を体験しました。
例によって、事前調査は、詳細に踏み込めず、という状態でしたが、この時期は、通常よりも開いている確率が高く、またフランスでは、イタリアやスペインのように昼休みが長いこともないので、目的的に訪ねた教会のほとんどで、中に入ることができたのは、幸いです。
ミディピレネーから、昨年行けなかった、オーベルニュのカンタル地方も回りました。地味ですが、珠玉のロマネスクに出会える土地です。
10日間のドライブで、約1800キロの走行距離。60余の教会を訪ねることができました。 写真は、4000枚ほど撮影したようなんですが、昨日、パソコンに取り込んで、眺めたところ、残念ながら、失敗作の方が多い…。
というのも、暗いところが多く、フラッシュは届かない高さですから、やはりコンパクト・カメラでは限界があります。でも、今回は、オペラ・グラスを駆使して、肉眼できっちり見る、ということは頑張りました。それでも、これだけの数を見ると、片っ端から忘れていくから、恐ろしいことです。
事前準備で、唯一成功したのは、訪ねる予定の町村の地図を、グーグルマップからプリントアウトしていく、という新機軸。事前にストリートビューをじっくり見て、山道度を確認するなどはよくしていましたが、この、マップ印刷は、非常に役立ちました。
そうは言いながら、全体を把握していないので、ある日など、まさかの1700メートル峠越えとなりました。これは怖かった。
そんなこんな、記憶が薄れないうちに、書き留めておきたいものですが、さて、いつになることやら。どうぞ、気長にお楽しみにお待ちくださいね、フランス・ロマネスク・ファンの皆様。
もし、ミディピレネーの西側及びカンタルを訪問しようとされている方には、どうぞご遠慮なく、必要に応じてご照会ください。今なら、かなりホットな情報がお届けできると思います。
さて、次回からは、昨年のオーベルニュですかね? 昔過ぎると、鬼が泣いちゃったりするのかな。
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2017/08/28(月) 02:17:39 |
フランス・ロマネスク
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夏休み第二弾は、久しぶりのフランス、そして、初めてのオーヴェルニュに行ってきました。10日ほどの旅でしたが、例によっての修行状態のスケジュール、そして、世界的な異常気象の一端なのか、異常な暑さに見舞われて、最後はヘロヘロでした。
オーヴェルニュ地方は、ロマネスクを趣味としている以上、フランスの中でも、必ず行かねばならない土地です。そのため、私の中では、ブルゴーニュ地方と同程度の重要度があり、そういうレベルの観光地と勝手に思い込んでいたのですが、実は、一般的な観光地としては、売りが少ない。 基本的に、丘や山が続く土地で、その中に、小さな町村が散在しています。そして、そういった町村の多くに、ロマネスク教会があるという土地。
比較的大きな町でも、旧市街は、のんびりと歩いて回れる規模に過ぎません。想像以上の田舎でした。
そのため、7月のスペイン同様に、店が一切ないために、ランチが取れなかったり、ということが簡単に発生します。私の場合は、ランチ抜きの理由は、時間節約のケースがほとんどでしたけれど。
小さな町村の教会ばかりですから、普段は、閉まっていることも多いようなのですが、観光客が多い7月8月は、一日中オープンしている場所も多いのです。そうすると、ランチを抜くことで、二つくらい余計に訪ねることができたりするもので、もうノン・ストップにならざるを得ない、というわけです。
結果として、毎日、9時前後から19時ごろまでぶっ続けでうろうろ、というスケジュール。それが熱波の中ですから、疲れは半端なかったです。 が! 今回は、実はブログのおかげで知遇を得た、同じロマネスク病の方のお宅に、旅の最後の数日寄せていただいたので、そのシャカリキ病気旅の疲れを、癒していただく機会を得ました。
言葉の不自由な旅の後、思いっきり日本語で話せる喜び。同じ趣味(病気)を分かち合える喜び。本当に嬉しかったです。
先週金曜日の夜に帰宅し、やっと写真だけは、きちんとフォルダに収めましたので、いくつか、アップしています。改めて、実に多彩なディテールに会ったものだ、と感心しています。さて、これらの写真を見て、どこだかわかりますか。わかったらすごいです!おそらく私以上の病気です!
ちなみに、ざっと整理しただけですが、回った町村が78、町によって複数の目的地があるケースを考えると、教会の数としては、80を超えていることになります。正味9日間という感じなので、毎日9か所ほど回っていたということになりますね。 リストアップした全部を回ることは絶対に無理、と旅の当初は思っていたのですが、結果的には、ほとんど回ることとなりました。疲れるわけですね。
とりあえず、おそらく間違いなく三日坊主で終わるとは思っていますが、フランス語独習、再開の予感だけはあります。やはりあまりに言葉に不自由で、辛いし、残念なことも多かったので、せめて、スペイン語程度にはできるようになりたい、と切実に思いました。 フランスでは、相変わらず、英語の通じなさが、半端ないし。
というわけで、お休みがずいぶんと長くなってしまいましたが、これからしばらくは、長期の旅もないので、頑張ってアップしていきたいと思います。なんせ、たった今終わったばかりの旅でも、これだけの数回ると、にわかに思い出せなかったりもしますので、写真を見ることで、記憶を改めていかないと。
7月のスペインも、去年のスペインも、またサルデーニャやモンテピサーノなど、アップしたい写真がたまっていますので、いつ、これらがアップできるのかわかりませんが、長い目で、お楽しみにしてくださるよう、お願いします。
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2016/08/30(火) 06:23:16 |
フランス・ロマネスク
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帰宅するなりネット接続の調子が悪くて、報告が遅くなりましたが…、ブルゴーニュ・ツアー、というか、例によって修行でしたけれど、完遂!何事もなく、無事にミラノに戻っております。 いやはや、我ながら呆然としますけれど、やっぱり修行旅になってしまうのですね、わたし。たった3日間、と思うと、ますますあせる気持ちになって、次へ次へ、と停まることができない。同病の方には、きっと分かっていただけると思うけれど、このロマネスク病、本気で怖いです~。 金曜日の夕方にリヨン空港に入り、17時過ぎから旅の始まり。 1日目:リヨンから、アヴァロンまで270キロくらいかっ飛ばし、アヴァロン泊。 2日目:ブルゴーニュ北部の、比較的著名なカテドラルめぐり(ヴェズレイ、オーセール、ソーリュウ、オウタン、アヴァロン)。アヴァロン泊 3日目:一気にブリオネ地方に南下して、小聖堂巡り(ブリオネ13教会)。パレ・ル・モニアル泊。 4日目:クリュニー地方に移動して、クリュニーと地域の小聖堂巡り(6教会)。 そして午後半ばの飛行機で、リヨンからミラノに戻りました。トータルの走行距離は、なんと、1080キロ。おいおい、大丈夫かよ! 確かに無駄な移動は多かったんですよね。でも、イースター当日は、特に有名どころの大聖堂など、ミサで入れない可能性も考えると、オータンなどは、3日目に立ち寄るのがベストだったのを、わざわざ2日目に無理に行ったりしたわけです。 わたしが勝手に、師匠と仰いでいる、(同病の)大先輩からは、たびたびフランス行きを勧められていたのですが、確かに、行くべき場所だということが分かりました。おそらく、特にこのブルゴーニュにおけるロマネスクの密度はすごいものがあります。ブリオネやクリュニーでは、通り過ぎる村のすべてに、ロマネスクの教会があるといってもいいくらいの密度。そしてまた嬉しいことに、大体開いているんですよね。イタリアでは考えられないことです。 自分なりに想像はしていましたが、やはり私の好みは、ブリオネやクリュニー地域に点在する小聖堂たちでした。ヴェズレイやオータンは、素晴らしい芸術品を持っていますが、教会の建物がもうゴシックになってしまっているので、どうしても、納得できなくて、気持ちが入り込めなかったです。もうまったく好みの問題です。 それにしても、寒いイースターでした。 アヴァロンの早朝、車が霜に覆われて真っ白になっていて、気温が0度、には、まったくまいりました。出発前の天気予報は悪かったものの、ミラノは晴れだし、リヨンも春の陽気だったので、びっくりです。どこでも、ぶるぶると震えながら歩いていました。車だったからよかったけれど、バスや列車で移動していたら、大変なことになっていました。 そしてまた驚いたのが、英語の流通度の低さ! はっきり言って、イタリアの方がかなりマシ、という状態です。ここまで通じないとは。 言葉が通じない面白さってあるのですけれど、でも、数字すら通じないとなると、こういうハードな旅をするにあたってはかなり辛い。というわけで、フランス語、どうしても学ぶしかないみたいです。 早ければ、7月に、また戻るかもしれません。 久しぶりのレンタカーだったけれど、問題は一切なかったし。あ、ちなみに、もらった車がコルサでしたとさ!新車ですから、自分のコルサより百倍も運転が楽でした。 おいおい、写真をアップしていきますね。記憶が混乱しないうちに、と思っています。 お楽しみに。 (ただし、接続の問題が解決していないみたいなので、写真のアップはいつになることやら。今回も、ブルゴーニュの美しい緑の風景をアップしたかったのですが…。) イタリア・ロマネスクは、こちらでどうぞ~! [http://www.geocities.jp/notaromanica/ ロマネスクのおと] ブログ・ランキングに参加してます。よろしかったら、ポチッとお願いします。 [[img(https://art.blogmura.com/img/art88_31.gif )]] [https://art.blogmura.com/ にほんブログ村 美術ブログへ(文字をクリック)] ブログ村美術ブログ
2012/04/13(金) 04:58:38 |
フランス・ロマネスク
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シャイヨー宮続きです。 ここって、構造がめちゃくちゃというか、展示が入り混じっているので、館内図なしには多くを見逃してしまいますね。 地上階に、昨日紹介したフランス各地のロマネスク教会の彫刻レプリカがずらずらと並んでいるのですが、中世はそれで終わりではなくて、上の方の階の、奥の方、近現代の部屋を通り抜けていくような場所に、また素敵な一角があるのですね。何で、こんな分かりにくい構造にしちゃったんですかねぇ。レプリカの展示なんだから、うまくあわせられなかったのでしょうか。
それにしても、この一角はすごかったです。
Tavantのクリプタ。
なんかまるで本物状態ですよね。ここは好きでした。ちゃんと全部再現されているので、中に入ると、もうそのまま本物のクリプタにいるような雰囲気です。他には来る人もいなかったし、完全な貸切状態で、かなりトリップできました。
こちらは、Saint-Chefというところの古い修道院のもの。
これはAuxerre、オーゼールかな?きいたことのあるような。カテドラルのクリプタかな。フランス語の説明がほとんどだし、なんせ暗くて、よく見えない…。
こちらはAreines、どこにあるのかも分からないけれど、ノートルダム教会の後陣。
多分本物よりも背が低いし、すぐそばに近寄れるので、細部の観察には最適の環境です。
ここで、やっとイタリア語の解説を見つけました。多分、Fenollar a Maureillasというところのサン・マルティン礼拝堂らしいんですが、その解説によれば、1939年、研究者によって、この教会の傷みが報告され、このままでは失われてしまう危険があるということで、大慌てでコピーが作られたということなんです。
それって、ちょうどカタルーニャはボイ谷の数々のフレスコ画が、やはり保存のために、剥ぎ取られてバルセロナに運ばれたのと同じ頃ではないかとも思うんですが、どうでしょう。ボイは、もっと前かな。
オリジナルは今も現地にちゃんとあって、こういう素晴らしい状態で保存されているということだとしたら、やはり行かねばならないと思っていましたが、実際のところ現地の状態はどうなのでしょうか。
オリジナルを大切に保存するのも確かに重要だけれど、やはりオリジナルは現場にほしいですよね。現場だって、管理さえすれば、それなりに保存できるのではないかとも思うのですが、どうなのでしょう。何でもかんでも美術館、という時代があったのでしょうから、こういうことになるのでしょうけれど。
いずれにしても、このシャイヨー宮。もしパリに住んでいたら、時々トリップしに通ってしまいそうな空間でした。中世好きの方は、是非足を運ばれるべき場所と思います。
例によって、ショップも充実していました。ロマネスク関連も結構あり、皆さんがよく参考にされているゾディアックが何冊かあったので、初めて手にとって見ました。確かに百科事典、これは役立ちそうな本です。写真も豊富な割には、お値段は良心的だと思いましたが、なんせ重い!その上フランス語!で、あっさり諦めがついてよかったです。
パリ特集、ここでおしまいです。長々とお付き合いありがとうございました。
2011/06/15(水) 04:52:58 |
フランス・ロマネスク
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