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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

山のようなローマの骨壷…

フリウリの中世その17(最終回)
アクイレイアで、最後に訪ねたのは、中世ではなく、ローマ中心の考古学博物館Museo Archeologico。




ここも、以前は訪ねられなかった場所。カテドラルのすぐ近くで、地味ですが、素晴らしい趣のある博物館です。かつては誰かのお屋敷だったらしい建物と庭を、そのまま使っていて、雰囲気があるんです。
入り口はこんな感じ。藤棚みたいでしたから、花の季節はさぞやきれいでしょう。




庭は、広々とした回廊になっていて、考古学的なものがてんこ盛り。




掘ったらとにかく出てきちゃうし、整理間に合わないし、展示場所足りないし状態で、ローマ時代のものであろう円柱の一部や墓石や石棺、実に様々な石ものが、惜しげもなく山積みになっているのが印象的でした。
また、修復されたモザイクのじゅうたんがあちこちに広がって、多様なモチーフを楽しめます。





多色のフィギュアものも華やかでいいですが、こういった白黒の幾何学系は、そのシンプルさとはっきりくっきりとしたデザイン性にとても惹かれます。びっくりするくらいモダンですよね。





白黒の、スタイリッシュな幾何学系が、実にたくさんありました。ローマの人たちのこういうところはすごいな~。
これも気に入った作品。





骨壷だったと思いますけれど、犬やライオンが蓋を守っているんですねぇ。このまま置くようなスタイルなので、簡易型墓石一体型墓碑みたいなものだったのかなぁ。
多色のフィギュア系モザイク。




細かくてうまい~。ほとんど絵画レベルの表現力です。そして、なんか顔が結構平たい系で、薄めで、オリエントの血が入った人たちがモデル?って感じも面白い肖像でした。有名な剣闘士(つまりグラディエーター)、とありましたので、人気スポーツ選手のブロマイド的な肖像画ですかね。グラディエーターって、きっと帝国各地から来ていたから、いろいろな民族がいたのでしょうねぇ。そういう風にモザイクの肖像を見たことがなかったので、面白くて見入ってしまいました。

剣闘士といえば、こんな分かりやすい墓碑もありました。




おお、なんだかかっこいい!こんなの見るのは初めてです。

入るときに気になっていた、庭のモニュメント。




これも、よく見ると骨壷らしいのです。あちこちに、こうやってピラミッド状に積まれていたり、横一列にびっしり並べて柵のようになっていたり。どういうことか尋ねてみたら、単純に展示の場所を節約するため、勝手に並べた、ということでした。骨壷ピラミッド、それっていいのか、という発想ですが、ま、いいんでしょうねぇ。

ここも、初期キリスト教博物館同様、訪れる人はさほどいなくて、静かで地味な場所ですが、ローマ好き、およびモザイク好きの方は、必見と思います。

ということで、フリウリ中世+ちょっとローマの旅は、おしまい。
イタリア人にすら、余り知られていないフリウリ地方、興味を持っていただければ、嬉しいです。情報が必要であれば、ご遠慮なくご照会くださいね。
そうそう、フリウリはご飯もおいしいので、番外編でご飯特集もアップしますので、お楽しみに。
長らくお付き合いありがとうございました。

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  1. 2013/12/10(火) 06:49:18|
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鐘楼に隠されたお宝。

フリウリの中世その16

アクイレイア、続きです。
カテドラルの正面向かって左側に、教会とはずいぶんと離れて、一人建っている鐘楼。




堂々と立派な、実に巨大な塔です。カテドラルも相当巨大なので、バランスが悪いということはないのですが、それにしても「存在感主張しすぎ」感は、若干あるかも。いや、塔を下に見るわけじゃないけど、所詮塔は塔だしねぇ。
ここ、前回はクローズしていたので近寄りもせずでしたし、今回も、ま、塔だし、どっちかといえば外から見てもう十分と思ってはいたのですが、なんせ共通入場券買ってしまったし(もったいない病)、次回はいつになるか分からないし(貧乏性)、当然階段で登るわけだから、体力ないと上れないし、ということは、もう一生登れないかもしれないし、とどうでもいいことを考えて、結局入ってみることにしました。
また戻ってくるために見残しをとっとくのもひとつですが、同時に、必ずしも次あることに期待してはいけない、というのも現実です。
って、そこまで深刻になることもないのですが、要はちょっと疲れていたし、階段辛いなぁ、と言うことで、登らない言い訳を考えていたわけなんです。

まず、塔の入り口までの階段が、既に体力というより気力を奪う迫力。




一段が30センチくらいあって、足を置くスペースは、極狭…。バランス崩したら派手な階段落ちで確実に怪我する…。
場をわきまえないイタリア人のおばちゃんとかが、サンダルでふらふら登るのを、阻止したい気持ちになりました。
実際、本堂を訪れる観光客の数に比べると、鐘楼に来る人はわずかでしたが。

しかし、ここもやっぱり、登ってよかったです。
いきなりこれ。




塔の下部には、古い時代の教会や住居の遺構があって、床モザイクがびっしりなのを紹介していますが、どうもその一部が見えるようになっているんです。高いところから全体を見下ろすので、モザイクがより印象的。
この塔は、このモザイクがあることで、一応「ポッポーネ鐘楼博物館」という博物館の位置づけになっているんです。ちなみに、ポッポーネは当時の司教さんの名前。
このモザイク、発見は1962年だけど、整備されて修復されて、今の姿で公開されているのは2012年から、とあったので、このアクイレイアの考古学地域でも、最も新しい展示物のひとつ、ということになるようです。階段登り嫌さに、危うく見逃すところ!
動物の姿が生き生きしていて、素晴らしいものです。

しかし、このモザイクのあとは、狭い石の階段をひたすら登るのみ。途中辛くて、写真を撮る余裕もゼロ、ぜえぜえで天辺にたどり着きました。
遠くに海!




おそらく、古い教会の建てられた4世紀頃、海はもっと近くにあったのです。そう遠くない場所に、港の遺跡とかありますからね。家が立ち並んでいるあたりは、もう海だったのかもしれない。海のそんな近くに建てられたということは、穏やかな海だったのでしょう。灯台的な役目もになっていたかも。
遺跡発掘現場、発見!




全体、教会っぽいですね。もしくは住居?どうやらモザイクがあるようです。
野ざらしで公開されているモザイクも。




考古学地域は、今回も全部は回っていませんが、あちこちにこういうものがあるようです。地域一帯、もしかすると歴史地区ということで、今後の発掘を待っているのか、空き地がたくさんで、緑が多いです。掘れば絶対に何か出てきちゃうんでしょうから、そりゃ開発はできませんね。

足がくがくしながら地上に戻り、教会の後陣の姿もチェック。




修復や再建は激しいですが、再建にしても、アーチや付け柱など、ちゃんと古い姿を残しているのが、好感持てました。




やっぱり世界遺産。整備は素晴らしいし、見せるものを持っているし、進化しているのがいいですね。次回があったとしたら、またきっと何か違うものがありそうな。そういえば、初期キリスト教博物館も、修復直後で組織がちゃんとしてないとかそういう理由で、今は木曜日の午前中だけ、という非常にリミテッドな公開ですが、おそらく近い将来はもう少しまっとうな公開になるんじゃないでしょうか。




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  1. 2013/12/09(月) 03:34:48|
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地下の遺跡を守る技術って。

フリウリの中世その15

アクイレイア、モザイクだけじゃないって言っても、やっぱりモザイク、すごいです。




本堂床に広がる無限のモザイクは、どんだけ見ても飽きることがないのです。上を歩けないのが残念だな~。きっと世界遺産になる前に来ていたら、どかどかと歩けたんだろうなぁ、と残念に思います。遺産を守るのは確かに重要ですし、ここの場合は軽く千年超える話ですから、もはや、踏みしめるわけにもいかないでしょうけれどもね~。でも、モザイクは丈夫なんだから、踏みしめさせてもらいたい、と思ってしまいます。
グラードの本堂は、確か踏みしめられたし、平気でフツーに使っている場所って、結構ありますよね。





鐘楼の下部に広がる、古い教会の遺構となる部分のモザイクも、しっかり再訪、鑑賞。ここは、有料となりますが、絶対に訪問すべき場所ですが、有料というだけで、結構訪問者は減ります。
つまり入場料収入も意外と少ないせいか、資料も、こういうしょぼい紙を、見学中に貸してくれるだけです。




この古い遺構に入る面白味は、鐘楼の基部を近くから見られること。これは、他ではめったに見ることのできない貴重な建築資料と思います。




現在、上ものがある場所の地下を発掘して、それを公開する技術って大変なものだと思いますが、歴史の長いイタリアには、そういう場所がたくさんあります。絵画等の修復技術も、相当レベルが高いもので、教育機関もすごいらしいですが、建物そのもののこういう特殊な技術というのも、すごいものがあるのではないかと思います。少なくともわたしは、こういう場所に出会うと、毎回感動しちゃうんです。
日本だと、たとえば地下鉄工事とかですごい技術を持っているけれど、文化歴史的なものに、そういう技術を余り生かしてなかったりするじゃないですか。予算の都合か何か分かりませんけれど。イタリアでは逆って言う感じなんですよね。どっちがいいかというと、日々生活にかかわる地下鉄の方が重要かもしれないんですけれども~。でも~。

ここでもまさに、そういう技術の粋を生かした構造物となっていて、なんだか妙に現代的な空気もあって、それに守られているのが二千年近くも昔の風景だったりする妙。そこに感動しちゃったりします。
鐘楼基部は、奥の方に見える階段状のもの。

ここの鐘楼は、かなりでかいんですが、それにしても基部のでかさにはびっくりします。




古代ピラミッド状態の階段状建築。確かにそれくらい基礎をしっかり作らないと、あれだけの塔は建てられないのでしょう。
そして、時代が激しく交錯しています。これほどの素晴らしいモザイクを踏みにじるように、鐘楼の基部がドカンとあるのもまた、時代の推移を目の当たりにする面白さがあります。

ああ~、そういう素晴らしい場所に、わずかな入場料を惜しんでなのか、または興味ないからなのか、入らない人たちの気持ちが分からない~!





モザイクも、こちらの方がテーマが面白くて、それも身近に見られるものが多いので、価値が高いのです。いろいろ寓意の入った絵がたくさんで、昔は全然分からなかったんですよねぇ。今はちょっとだけ分かるものもでてきましたけれど。

ということで、アクイレイアに行ったら、是非、カテドラル関連は、全部訪ねてくださいねぇ。って言うか、ここに来て無料のカテドラルだけ見て帰る日本人はいないだろうな。
そういえば、今回訪問したとき、日本人の団体がいました。こんなところにまで団体が!とすごくびっくりしましたが、今は世界遺産を訪ねるツアーみたいのがあるらしいですね。日本人の好奇心には、誰にもかなわないな~。

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  1. 2013/12/07(土) 06:44:11|
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フレスコもナイス。アクイレイア。

フリウリの中世その14

初期キリスト教博物館を堪能した後、アクイレイアのメイン会場(?)、カテドラルCatedraleにやってきました。博物館とカテドラルはずいぶんと離れているし、遺跡もあちこちに散らばっているので、この土地は、車じゃないと、一気に全部見学するのは結構大変そうです。




カテドラルは、以前訪問していますが、そのときは後陣にあるフレスコ画が全面修復で、まったく見ることができなかったのです。それで、ここは絶対に再訪しなければ、と思っていた場所。わたし的には、結構早く戻ってこられたなって感覚だったんですが、あれから6年もたっているとはびっくりです。

6年前に比べると、ずいぶんと観光地化が激しく、観光客が増えていて、有料の立派な駐車場ができていて驚きました。なんだかひなびた感じで、駐車も、その辺の路肩に適当にした記憶があるんですけれどもねぇ。
でも、観光地化について来ていない感じで、観光案内所のお姉さんたちの態度はいまひとつ、だめでした。チヴィダーレよりも全然だめ。資料もほとんど置いてないし、すごいものを持っているだけに、がっかりします。

ま、気を取り直して、カテドラル。
まずはファサード前に堂々と建っている洗礼堂。




外観でも分かりますが、この洗礼堂、とても立派な建物なのですが、残念ながら、屋根が落ちちゃっているんですよね。オリジナルのままだったら、カテドラルがすっぽり隠れちゃう状態かもしれないけれど、でも、とりあえず状態の屋根っていうのは寂しいです。
時代が古いので、全身すっぽり浸かるタイプの浴槽が、真ん中にどーんとあります。




周りには、太い円柱が建っていて、かつては建物の中に建物、みたいな感じだったのかな。とにかくでかい浴槽です。一番低いところに立ったら、浴槽の縁が肩くらい。こういう全身型洗礼って、実際のところはどうやって洗礼していたんでしょう。お水も半端ない量必要ですから、排水設備もしっかりしていたんでしょうね。
洗礼堂の床が新しくなっているのが残念。かつてはきっとモザイクがびっしりだったと思います。
そういえば、この近所のグラードでは、古いモザイクが一部残っていましたが、なんとなく湿気があって、コケなんかがありましたから、古い排水設備はしっかりと撤去した方がよいのかもしれません。海の側ということでは、アルベンガの洗礼堂も、今でも洗礼盤のところに水がたまっていて、全体ぐずぐずしていましたねぇ。雨が降り続くと水位が上がると言ってました。ここは、床を張り替えちゃっていますから、まったくすっきり乾いています。

修復は地道に進んでいるようで、この洗礼堂のお隣に、以前にはなかったスペースがありました。




この場所で発見された多くのモザイクの中でも、おそらく最も遅い時期に発見されたものなんではないでしょうか。ずっと修復していたのが、近年公開の運びになった、ということらしいです。
有料ですが、カテドラルのクリプタ等と共通券だったので、入りました。でもたいしたことなかったです…。ちょっとだまされた気分。

いよいよ、懐かしい教会へ。




おお!期待の後陣フレスコ画、すっかり修復終わっています。
ちなみに、カテドラルに入るのは無料。この辺はまだ太っ腹。でも、これが有料になるのもそう遠くない将来かもね。

遠くから見ても、近くから見ても、とても淡い、カロリング朝っぽい色合いのフレスコ画でした。




やっぱり、傷んではいます。オリジナルの色彩は、もっとずっとはっきりしたものではないのでしょうか。でもカロリングくらいだと、こういう色が多いのも確かだなー。

好みは、中段のこの人たち。




眉毛のつながった、ビザンチンっぽい濃いお顔で、十頭身状態の小さい顔と、短めのチュニックから足がにょっきり。
背景もきれい。清楚なお花が咲き乱れています。




傷んでいる分淡くもなっている古いフレスコ画、悪くないです。ミュスタイアのように、もうちょっと時代が下ってはっきりした絵が並んでいると、新しい(と言ってもロマネスクとか)方がいいな、分かりやすくて、とか思っちゃいますが、これだけあると、調和が取れていて、いい感じ。とにかく色がいいね。

ということで、アクイレイア、モザイクだけじゃないんです。

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  1. 2013/12/06(金) 04:02:31|
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死者の町ネクロポリと、眠りの場所チミテロ

フリウリの中世その13

初期キリスト教博物館Museo Paleocristiano、続きです。
初期キリスト教時代の教会跡も、それだけですごいのですが、同地から発掘された多くの出土品の展示も、たいしたもんがあるんです。なので、しつこく紹介します。

興味深く、じっくりと見てしまったのが、墓碑。
すごい数の石板が、ずらりと並べられています。最初なんだか分からなかったのですが、どれも文字と、ちょっとしたフィギュアが彫りこまれていて、説明版を読んだら、一般の人の墓碑らしいことが分かりました。




ヘタウマ系だったり、本当に素人っぽかったり、これはプロだなと思わせるものもあったり、内容は実に様々。でもどれも味があって、愛された人たちの墓碑なんだろうなぁ、と感じさせるものばかりなんです。4/5世紀の、130ほどの墓碑。





キリスト教信者にとって、死ぬことは終末ではなく、新しい生の始まり。死は再生を待つ状態で、だから埋葬の場所は、永遠の眠りの場所。古代、墳墓はネクロポリNecropoli、死者の町と呼ばれましたが、キリスト教になってからの墓地はチミテロCimitero、それは、眠りの場所というギリシャ語起源の言葉なのだそうです。

墓碑には、その人の人生にかかわる事実が書かれています。何をしていたひとなのか、どういう生活だったのか、既婚者だったのか、家族がいたのか、いつどうして亡くなったのか、等々。





中世も後期、ロマネスク時代になると、死生観は今と余り変わらなくなっているような気がしますけれど、この初期キリスト教時代は、まだ古代異教との過渡期にあったりもしますから、このあたりの感覚って、ちょっと興味が出てきました。
この博物館、説明版も丁寧で、じっくり見学しちゃいましたけれど、それだけの価値があります。

墓碑意外にも、展示があり、こちらは、説教壇の装飾の一部。




これは、11世紀ロマネスク時代の作品のようですが、チヴィダーレと同様に、なんと、当時は多色で彩色されていたと説明にありました。うわ~!彩色です!つまりは中世初期からの伝統は彩色だったのですね。これまで全然知らなかった自分にびっくり。っていうか、フランスの一部で派手な彩色に出会いましたけれど、比較的最近されたもの、とさらりと解説があったりして、まだ詳しく資料を調べていなかったので、オリジナルがそうだったとはまったく思っておりませんでした。実際、フランスに行くまで、想像もしていなかったことだし。
それだけでも、フリウリ再訪の価値、すごく大きい。

そして、一時期、農家に使われていたときの建物の再現モデル。





基礎と、外壁の下側が2メートルくらいは残っていたらしいので、新しくゼロから建物を作るよりは再利用する価値があったということらしいのですよ。おかげで、床モザイクが残ったということですが、内部壁の一部に残っていたらしいフレスコ画は、なくなってしまいました。
それにしても、大きな教会でしたから、今でも奥行きの深さはびっくりするほど。形としては牛舎などにちょうどよさそうですが、それにしても無駄に広い小屋だったような。ロフトみたいにして、住居にも使っていたのかしら。
いつも思いますが、石造りの建物の頑強さは、計り知れないですね。

後陣の基礎。




そして、柱の基礎。




近来まれに見る地味写真の集合になってしまいましたが、中世好きならきっと、面白さを分かったもらえると思います。今後の方向性っていうのか、見て行きたいポイントが、またぐっと増えた気がします。最近はポイントありすぎて、最後は結局何を見てたんだ、というくらいに散漫になることも多いので、それはそれで困ったことでもあるんですけれど。でも、少なくとも、彩色に関しては、大いに注目して行きたいと思います。

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  1. 2013/12/03(火) 06:53:24|
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