ヴェネチア・ビエンナーレ2019 13
ジャルディーニ、運河の向こう側、会場としては、入り口から最も遠い地域の続きです。
ポーランド館。

見たまんま飛行機です。墜落した飛行機?なんかやだなぁ、と思ったんですが、このRoman Stanczakというアーティストは、普段当たり前のように使用しているものの裏表をひっくり返す、という手法で、色々ひっくり返しているらしいです。
で、今回は、プライベートジェットをひっくり返してみました、ということらしい。ちょっとわかりやすい人だよね。
プライベートジェットが、富裕層のものである点も、テーマになってるらしい。そういうポリティカルな話は、あまり持ち込まないでほしいと思ってしまうけれど、所詮アートは金なしにはあり得ないのも確かなので、現代アートがそうなってしまうのも、どうしようもないことなんだろうな。
ここのパヴィリオンは、横長の建物なんですが、ポーランド館と次のパヴィリオンの入り口の間の壁に、こんなものが。

わかりにくいと思いますが、花瓶に生けられているのは真紅の薔薇です。キャプションに、祈りを込めて花びらを壁の穴にさしてください、と書いてあります。きっと、花びらが途切れないように、適度に花を足して、そして、訪れた人も、律義に作業しちゃっている結果なんでしょうね。祈っているのかどうかはわからないけれど、結構花びら、刺さっていました。雨でなければ、私も参加してたけど。
白い壁に人工物じゃない赤いバラのイメージは、何かを喚起しますね。
ルーマニア館。

コインとか入っていて、民間信仰のある泉をイメージした作品らしいです。
しかし、三人のアーティストをフューチャーしていて、メイン・スペースはこの泉で、全体の雰囲気はあるんだけど、入り口のホワイエ的なスペースがこれって…。

洗濯機三連発の上にベッド…。
その向かいに、多分もう一人のアーティストの作品。

なんかさぁ、それなりに根底に共通するものがあるのかどうか知りませんけれど、全然感じられないし、説明を読んでみようか、と好奇心を喚起させる何かもなく、なんだろう、つまらないなぁ、と思いながら、足早に出てしまいました。
アーティストの力が第一なんだけど、キュレーターの存在も大きいよね、結果を出すには。
ギリシャ館。

床に敷き詰められているプチプチに見えなくもないもの、実は、こんなの。

さっぱりわからない展示でしたが、先日駆け足で訪ねたギリシャがとても面白かったし、ギリシャという国や国民性というものに、今、結構興味があります。
歴史が長い国だけど、例えば、前回紹介したエジプトでは、歴史にどうしても根差しちゃう、みたいなアート比率が高いように思うのですが、同じように長い歴史を背負いながら、ギリシャのアートは、今まで見てきた中で、そういう傾向のものはないんです。
そういう見方ってしたことなかったけど、うん、今、そう思いました、笑。
ギリシャ、っていうと、古代ギリシャのイメージで、連綿と続いてきた割りには、ダメな国になっちゃってるじゃん、という感じなんですが、今回弾丸で訪ねたテッサロニキは、マケドニアだったんですよね。そして、ギリシャを形作る多くの島々は、かつては、別々だったんだろうし、寄せ集めの国であり文化なのではないか、ということなどにも気づいたり。
あけっぴろげな感じとか、外からの影響も淡々と受け入れる感じとか、なんかラテンの明るさとは違うものがあって、意外と好みな人たちかもしれない、と感じたりね。
やっぱり、旅はするもんですよねぇ。
さて、ジャルディーニの見学は、これで終了です。そして、ビエンナーレも。
この辺りから、雨が本格的に降ってきて、逡巡しましたが、せっかくなので当初の予定通り、この際見学する!と決めていた場所に移動します。
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- 2019/11/17(日) 21:03:51|
- ヴェネチア・ビエンナーレ
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ヴェネチア・ビエンナーレ2019 12
さっさとまとめてしまえ、と思っていたのに、なんと1か月も開いてしまっていました。まだ当分先だと思っていた会期終了も、すぐそこ…。その上、ベネチアは、異常なアクアアルタ(高潮による洪水被害)でひどいことになっていて、ビエンナーレも、かなり尻つぼみという状態だと思います。
日本だと、イベントでも何でも、千秋楽が盛り上がるようなトレンドがありますが、イタリアでは、常に初日が重要です。最初にバーンと打ち上げで、あとは知らないうちに終わる、みたいな、そういうところあります。ビエンナーレも会期が長い分、やはり最初の方に関連イベントも集中するし、VIPの訪問も多いし、ということで、もともと最後の方はひっそり、だと思いますが、今年は、天候不順で、本当にひっそりだろうと想像しています。
でも、記憶をとどめおくために、やはり最後まで記事にしていきますね。よろしくおつきありください。
デンマーク館。

普段はクローズしている庭の方に、なんだか水が満タンになっている袋が下がっていて、実際に水がちろちろと流れています。雨の日だっただけに、満タンの様子が生々しくて、本来もそうなのかどうか不明な感じで。
これ、見た時、フーン、地味だけど、ちょっと面白いじゃん、と思ったのは覚えているんですが、何に対して、面白いと思ったのか、記憶なし、笑。だから、すぐ書かないとダメなんですよねぇ。かなり情けない気持ちでいます。
ベルギー館。

これは、なんだか不気味で面白かったです。何か賞を取ったんだったと思います。Mondo Caneというタイトルで、特別賞を取っているようです。
変に無表情で不気味な等身大の人形が、伝統的な仕事をしている様子が、いくつかのシーンで表現されているんですが、からくり人形になっていて、動いています。静寂の中で、揺り椅子が揺れていたり、肉屋さんが肉を切っていたり、オバサンが編み物をしていたり、そういうこと。

説明では、我々の過去へのこだわりや変化への恐れを表すもんだということですが、さてね。見た目は、インパクトあって、引き込まれるところがあるんですが、テーマは意外と陳腐な感じですね。っていうか、そういう風に簡単に説明されたくないっていうかなぁ。
オランダ館。

色々釣り下がっていたりするんだけど、すっきり感とは別のもの。

釘が刺さって、ささくれていたりして、こういうところがきっとポイントで、何か言いたいんだろうけど、全然わかりません!
ここは、なんだろう。Web Pavillionとあったのですが…。

で、中にあったのは、蜘蛛の巣でした!

これ、ミラノのフオリサローネで、確かヴィトンの展示であったのと同じだけど、同じ人かなぁ。今回、フオリサローネの面白さをずいぶん感じました。結局フオリサローネは商業がベースにあるから、自分のブランドの説明やイメージを売るために、人を引き付ける作品作りをしているわけで、結局わかりやすいということになるんだと思います。ビエンナーレは、ある意味純粋アートだから、勿論そこまでコンセプトが万人受けする必要はないのですが、それにしても、難解というよりは、面白さがないというのは、どうなんだろうと思うことしきり。面白さって、勿論Interestingの意味での面白さで、あ、これは何だろう、と好奇心を喚起したり、考えさせられたり、それが、アーティストの意図とは違うものであっても、何らか込められていれば、やはり感じさせられるものがあるように思うんです。が、それが、少ない。
フィンランド館。

スカスカした展示に、ビデオモニター。歩くのに疲れた人が座っている様子、笑。
こういう状態のビデオは、つまらないに決まっています。
実際、30秒くらい見ましたが、つまらなかったです。30秒じゃ見た内に入らないかもしれませんが、それでも、他で見たビデオのように、一目見て、思わずじっくり鑑賞してしまうものもあるわけで…。

ジャルディーニは、小さな運河で、二つに分断されていますが、その運河の向こう側へ行きます。
オーストリア館。

セルビア館。といっても、パヴィリオンの名札は、いまだにユーゴスラビア館のまま。

そういえば、チェコスロバキアもそのままです。名前も、建物と一体化して記されているので、物理的に変えにくい、というのはあるのでしょうけれど、そのあたりは、現代アートの会場としての主張とも思えますね。まぁ、もともと国別のパヴィリオンという考えが、ちょっと違和感あるともいえるのですが、そういう時代から綿々とやってきて、でも、今はもう政治とは一線を画す、みたいな?
エジプト館。

スフィンクスの顔がモニター。これは、結構ありそうなイメージっていうか、作りこみが面白かったです。茶室に入るような狭い入り口を入ったりするピラミッド感もよかったです。

ベネチア館。

雨が結構激しくなってきて、人も少ないのに、ここは珍しく行列が出来ています。ということは体験型なのかなぁ、と思い、辛かったけど、並んでみました。結局、前の人があきらめたりしたので、一回分待つだけで、入れました。それでも20分くらいは待ったですかねぇ。
入ったら、変なトンネルがあって、靴を脱いで入るということでした。

これは、俺の足!
面白かったですよ、これ。要は、ビニールのトンネルが、水槽に浮いている、という様子の構造物なんですけどね。水の上を歩くかのような感触、いや、それは変ですけれど、うにょうにょしていて、すごく面白い感触なんです。

多分、ゲル状の液体だと思うんです。
割と沈み込んで、おっとっと、という感じになります。包まれるような、それでいて水だなっていうのもあって、うわーうわーとつぶやきながら、歩きました。やはり体験型は面白いです。
最後にビデオのスペースもあって、他の作品もあって。

ベネチアは売るものがたくさんあるから、イメージも作りやすいですね。ここは、ベネチアのプロモーションのスペースだから、やはり面白くないとっていうことかな。
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- 2019/11/17(日) 02:37:34|
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ヴェネチア・ビエンナーレ2019 11
台風19号、大変だったようですね。こちらのニュースでも流れたので、びっくりして、昨夜はネットで日本のニュースを見ていました。
日本は、イタリアなどに比べると、インフラも含めて早期復旧が当たり前、という感覚でいたのに、いつの間にか、そうではなくなってきていますよね。最近では、イタリアの方が、よほどきちんとした対応をしているケースなどもあり、日本の将来に不安を覚えることも多々あります…。
被害を受けられた方々の生活が、一日も早く、日常に戻ることができますよう、祈るばかり。
さて、長丁場になっていますが、ビエンナーレ続けます。テーマ館、地味で、インパクトがなくて、何を追求しているのかどうしてもわからなくなる展示が続きます。

勿論、それはアーティストの問題ではなく、テーマに沿った作品を集めているはずのキュレーターと、それがしっくり感じられない私の問題なんですけど。

参加アーティストの数を減らして、その分、一人のアーティストの異なる作品を、アルセナーレと、このジャルディーニのテーマ館との両方に展示するという、新しい方法が取られた今回。作品に明らかな共通項がなくて、気付かない人もあったと思うのですが、多くのアーティストについては、わかる仕掛けがあったり、例えばセルフポートレートの人などは、当然わかりますよね。
上の作品も、エジプトの犬みたいな置物が、作品に共通だったので、あ、あの人だね、とわかるわけなんです。

これって、むかし動物を半分に割った断面図という作品がありましたが、あれのバイク版?
半分に割られていない牛もいました、笑。

一人のアーティストに対する理解を深めてほしいという意図での複数展示だとしても、でも、面白い人は面白い、そうでない人はそうでないの二乗になるだけで、正直、そういう方法がよいのか、私は疑問に思いました。
それよりは、知らないアーティストに、少しでもたくさん会いたい。

ジオラマ。こういうのは、いつもどんなのも好き。
これは、写真だと見えないんですけど、ランプのようなやつは、全部電光掲示板っていうか、デニーズとかマックとか、ファストフード系の看板で、それがなんかテーマだったのかな。
で、テーマ館終了で、入り口に戻ってきました。

入った時とは全然違うモチーフが浮き上がっていたんで、あ、そういうもんなんだ、と気付いた次第。

ハンガリー館。入り口がきれいで、いつも目立っています。でも、展示は、これまた地味で、面白みなかったな。

別に、奇をてらったものが好き、というのではないんですよ。ないんですけれど、なんかこう小粒な作品は、わざわざビエンナーレで見たくないなって思っちゃう感じです。

オーストラリア館は、かなり新しいパヴィリオンですが、運河脇の、素敵な立地です。

向かい合うように大きなスクリーンで、音楽が。だからなに?ってやつですね、笑。
すっごく時間があって、一日ゆっくりとここだけ見る、というようなスケジュールだったら、こういうところで座り込んで、ぼーっとするのもありかな、と思いますけれど…。

オーストラリア館のバルコニーから、対岸に広がる公園の、オブジェ的なテーブルと椅子なのかな。晴れていれば、格好の休憩所でしょうけれど、この日は雨なので、寂しいことでした。

アメリカ館。
とぐろを巻いた色々が。

新しみは、特に感じないまでも、作品全体に一貫するものがあって、これは商業的にそれなりに売れている人なのではないか、という印象です。アメリカだしね、笑。
北欧館(フィンランド、ノルウェー、スウェーデン)

スペースの真ん中に木が生えていたりして、パヴィリオンとしては、一番好きかも。
展示は、ここもまたすっきりとパステルで、なんかインパクトは今一つで、散漫な感じもありです。まぁ、こういうオープンスペースなので、統一感は出せないと思うんですけれど。

続きます。
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- 2019/10/14(月) 00:47:26|
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ヴェネチア・ビエンナーレ2019 10
かなりさらりと流したつもりで、写真もなるべく控えめにしたつもりなんですが、それでも二日間みっちり見学すると、結構見ているもんだなぁ、とちょっと感心しながら書いています。
ジャルディーニ、続きです。

スイス館。
ここも、ほんの時々、おっ、と思った展示があったりしますが、すごくほんの時々のような気がします、笑。
結構大きなスペースなんですが、壁一面の大きなスクリーンで、延々と退屈な映像が流されていました。靴をね、前後ろ逆にはいている人たちが、黙々と歩くんです。
訴えたいのは、発想の転換だったりとか、常識を疑えとか、そんなところでしょうかね。

退屈なのに、しばらく腰を下ろして見入ってしまったのは、どう考えても、靴は前後逆にははけないはずなのに、なんかはいている様子で、普通の感じで歩いているのが不思議で~。そういうどうでもいい点に、結構食いつくタイプです、笑。
さて、各国パヴィリオンは、まだまだたくさんあるのですが、早帰りの同行者のために、やはりテーマ館を見ておきましょうということで、そちらへ。

アルセナーレもかなりつまらなかったので、こちらも期待はできませんが、やはりビエンナーレに来たからには、テーマ館は見ないとねぇ。

入り口。白くて、パステルで、インパクト薄いですねぇ。
これは、圧で、プラスティック的な板に、文字とか模様とか、色々浮きだしてくる仕掛けのやつ。でも、全体がこういう感じなんで、なんていうか、しっかり見てやろう、という気持ちにさせないんですよね。
出る時に、入った時と違う気がしたので、あれ?と思って、ちょっとキャプションを見て、あ、確かに違うんだ、と気付いて。でも、だからって、よく見直すとかもなく、あ、そ、と出てきました。薄い…。
蛍光灯で、文字通り煌々とした廊下。

飛び出してきた男の子の赤いジャケットが、とても良いアクセントになりましたね。
これは、写真で見るよりも、もっとずっと煌々としていて、かといってまぶしいということではなくて、なんというんですかね、こういう電気と反射の効果って、これまでも異なる作品で体験しましたけれど、全体がのっぺりして、遠近感や境目が消えて、視覚が変になる効果があって、面白いんですよ。
でも、そういう効果を狙っているにしては、ちょっとばかり半端ではあったかもしれないです。
確か、アルセナーレでも、光の効果を使っていたRyoji Ikedaさんの作品だったと思います。

シュールレアリズムの絵画。なんかなぁ。もちろん絵画もありですけど、今が今、そして、May You Live In Interesting Timesとか言っといて、これですかねぇ。
テーマ館、入って数秒で、やっぱりだめそうだね、という感じでした。
素敵な雰囲気の坪庭で、自然の色合いにほっとしたりして。

ベンチみたいに並んでいる変な形の物体が、作品だったかもしれませんが、やっぱりちゃんと見ようという気にもならず。
なんかいやんなっちゃうな、というところで、ありがたいことに、心惹かれるドカンとしたものがありましたよ~。

Sun Yuan & Peng Yu
Can't help myself
これは面白かった~!かなり大きなガラスで囲まれた中に置かれたのは、見るからに工業機械です。本体の目的はわかりませんし、違う器械の部品が組み合わされているのかもしれません。
これ、アルセナーレで、やはりガラスに囲まれて置かれていたレシン製の椅子と同じアーティストの作品です。
こういう工業機械の動きって、時として非常に人間的だったりして、見ていて飽きないなぁ、と思ったのは、数年前に、仕事で物流倉庫を訪問し、そこで、箱詰め商品を仕分けする器械に目が釘付けになった時です。ありえない速さだけど、結局やっているのは、人の動きのトレース的な動きだったりするんですよね。仕事そっちのけで、ずっと見ていたかったです。
で、この作品、何をするかというと、最初は、自分の周辺にたまっている色付きの液体を、自らのパレットで、せっせと自分の方に、集めていきます。
それは丹念に、床をこするようにして、ひたすら丁寧に集めるんですけど、ある時突然、発狂したかのように、パレットを持つアーム部分が、暴れだすんです。

それはそれは激しい動きをして、この液体をあちこちに飛び散らせ、「これ以上やってらられねぇ~!」という絶叫が聞こえてくる気がするほど、すごいんですよ。
ところがひとしきり暴れると、ぜえぜえと肩で息をしながらも、頭を低くして、すんません、ちょっとイライラしちゃって、とかぼそぼそつぶやくように、また本来の仕事に戻る、というそういう仕掛け。
いやはや、人間的でした。
皮肉な意味で、テーマに沿う作品だと思いました。
そのそばで、こういうものがあっても、とても駄目ですよ。なんじゃこら、としか思えず…。

建材を着るとか?そういうコンセプト?ミスマッチ?
どっちかというと、サローネ展示向け。アートなんですかね、この感じ?

ビデオは好きじゃないと、いつも言っているんですが、時々食いつきます。特に疲れているときなんかは、ちょっと座りたいな、というのもあって、そういう時のビデオルームは、休憩所として助かったりします。

John Rafman
Disasters under the Sun
7分53秒のアニメです。パッと見た時に、画面全体のインパクトがあったので、つい見てしまって、途中からは座って見てしまいました。疲れもあったのですが、引き込まれました。青い人たちが、土地に飲み込まれるようにして、滅亡的な様子となるのが、途中で希望的な光にあふれたり、頑張ってもダメで、それでも努力したり、なんか人生を凝縮したようなストーリーが抽象的な感じで、スピーディーに流れていくんです。
キャプションをメモしたくらいには、興味を持てました。他の作品もあれば、きっと見たと思います。

んん?カーニバル?
なんだろう、変な着ぐるみ。なごむより怖いよ。

セルフポートレートの作品の人だと思います。もしかして、なんか賞を取った人か?よく覚えてませんが、とにかく好みじゃないことは確か。色彩的に美しいと思いますが、テーマとかそういうもんは、まったく苦手
です。
セルフ・ポートレートといえば、Katayama Mariさんの作品、こちらにもありました。

何でしょうか。見ていて痛い、と感じてしまって、どうも苦手です。何か望んでいないのに、突き付けられている感があるというのか。アート、なんでしょうか。自己表現という意味では、アート以外の何物でもないのか。
そういう意味では、アートの本質は何か、ということを提起しているような作品なのかもしれないと思ったりもします。でも、ここまでおのれを素直にさらけ出すものは、やはり苦手だなぁ。こういう作品だったら、作りこむタイプの方が受け入れやすいです。
続きます。
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- 2019/10/11(金) 05:12:14|
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ヴェネチア・ビエンナーレ2019 9
本会場であるジャルディーニに到着したときは、すでに結構な雨となっておりました。

今回は、前回の反省もあって、チケットを事前にネットで購入していました。というのも、前回は、このジャルディーニでチケットを購入したのですが、訪問者が増えているのに対応しきれていない販売対応で、とんでもない時間がかかってしまったんですよ。オンラインで買うと、割引が受けられないことが多いし、加えてオンライン手数料が取られるので、避けていたのですが、確かに手数料は取られるものの、一応各種割引は自己申告で受けられるシステムだったので、これは嬉しかったです。
割引と言っても、25ユーロが22ユーロになる程度なんですが、ないよりはましですよね。
最近は、イタリアのみならず、欧州各国で観光客が増加して大変なことになっています。ベネチアは勿論、その中でも最も大変になっている町の一つと思いますが、ビエンナーレも、その影響があるんでしょうね。昔から比べると、本当に訪問者が激増しています。
当然ですが、それに応じて、バールやレストラン、トイレの数が増え、整備がされてきていますが、バールも高くなりました。なんでもそうですが、よい面と悪い面と。
この日は、同行者がかなり早い時間に帰らなければならないというスケジュールだったので、見たいもの見るべきものからさっさと見学するという方針です。というわけで入り口にも近いこちらへ、まずは。

日本館 Cosmo-Eggs
お天気が悪くて、唯一よかったと思ったのは、訪問者が少ないことでしょうか。最近日本館は人気のパヴィリオンの一つですから、よく行列もできていますが、この日はスカスカ。
それは勿論内容にもよるわけですが、はい、正直、全然面白くなかったです、笑。

なんか傾向として、説明的なケースが多いような気がします。全体のトレンドでもあるのかとは思いますが…。作品自身の語りが少ない。
説明が欲しかったら、ネットで検索してみてください。語りは山ほどヒットしますよ。

ドイツ館。だから、なんですか?
さらりと、通過しました、笑。こういうときは、冊子の一つもいただかず、本当にさらりとしちゃうんで、テーマも何もわかりませんし、興味もなく。

英国館。By Cathy Wilkes
ここも、さらりと感満載なんですけど、白さが妙に清々しくて、ちょっと惹かれるものが。
何ですかねぇ。ちょっと表情があるみたいになってるだけで、かわいいとか思っちゃう人の感覚って。そういうことを訴えてるはずじゃないと思うんだけど、かわいい…、と思う自分がいる。

パンフレットに描かれたイラストが、なかなか素敵でした。絵心のあるアーティストです。あ、変ですね、アーティストだから絵心はあって当たり前なのかな。でも現代美術に限っては、どうも絵心とかない人もいるような気がして、笑。

フランス館。
入り口が、この堂々としたところじゃなくて、裏口で、地下室の物置みたいなところに作られていました。暗闇で、秘密の部屋に連れ込まれる感があって、期待感が高まったんですけど。

でも、階段を上ったら、別に普通な展示で、メインの部屋も、写真も取らないほど、暗闇で、特段びっくりすることもなく、がっかり感が大きかったかも。

チェコとスロバキア共和国。
もともとはチェコスロバキアのパヴィリオンですが、国が別れちゃって、どうなっちゃっているのかわからないのです。でも、両国が仲良く使っている様子です。

ロシア館。ここは、面白い時はかなり面白いけど、という激しさがあります。スペースも広くて、面白い構造なので、展示が良いときはインパクトも大きいんです。
LC15:11-32というタイトルで、これは、聖書のタイトルの一つでもあり、エルミタージュ美術館に置かれたレンブラントの作品をフューチャーしたモノでもあるとかなんとか書かれていました。
ちなみに、エルミタージュは、一度は行ってみたいと思っている美術館です。つい最近、ビザなし渡航ができるようになった、というニュースがあったのですが、あれは、対イタリアのパスポートなのかしらん。十数年前に、友人の友人がモスクワに仕事で駐在している時期があり、その人に招待状を出してもらうとか何とか、ビザを取ろうと努力したのですが、結局ダメだったことがあります。サンペテルブルグだけ、週末旅行的な形でもいいんですけどね~。

脱線ばかりしてますが、レンブラント的な物語臭がプンプンする塑像が、暗闇に並んでいます。
そして、地下にもまた、物語的な、ちょっとおどろおどろしい様子の何かが並べられています。基本暗くて、とても歴史のある古いお屋敷に足を踏み入れた感が満載です。

壁の一面が、舞台みたいな設えになっていました。

多くの見学者がその前に建っていますし、たくさん並んでいる人型のものは、どうやら動きそうです。5分ほども待ちましたでしょうか。

確かに動き出したんですが、なんか思ったよりつまらなかった…。足を買えるのような形で中腰になっている人たちが、上に伸びあがる程度の動きで、だから何状態で…。すぐ飽きちゃって、騙された気分でした。

ベネズエラ館。
民族衣装的な色彩、美しいものですが、作りは、布や糸を丸めただけで、なんかなぁ。
こういうアプローチは、違うなって感じます。

続きます。
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- 2019/10/10(木) 05:20:17|
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