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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

お団子派と市松派(ショスナック―15カンタル)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その83

次に向かったのはこちら。

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ショスナックChaussenacの教会です。
事前に調べても、村の教会としか分からず、現地でも、一体誰に捧げられたのか、まったくわからず。このあたり、フランスの教会は、割とおおらかですね。イタリアでは、名もなき教会って、まずないのです。

それにしても、このファサード見たら、がっくり、というようなやつですよね。その上、とても素敵な村だという情報もあったのですが、それもちょっと眉唾…。

まずは、中入っていきます。

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かなり予想通りな様子です。気持ち萎えますが、ちょっと待て。

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彩色的には、なんだかもうすごいことになっちゃってるんですけど、中央部の柱頭、分かりますか。

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これは、前回の記事で紹介した、モーリアック型というやつのバリエですよね?アーチが切れ込んで、アーチのトップが動物の顔になるという激しいバリエですが、絶対そうですよね。

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こちらもそうですね。

それにしても、こういう彩色の美意識って、いったいどうなってるんだろう。これだけ鮮やかなんだから、定期的に上塗りしてるってことですよね?なんか、理解できないフランスのテイスト…。

この教会、ファサードもそうですが、かなり手が入ってしまっているのが残念ですね。おそらく起源は古いんだと思うんです。オブジェみたいに、こんなやつらも並んでいましたから。

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ツチノコ状の蛇に両耳嚙まれ。噛まれながら至福感のある表情が怖い一品です。オークション的な紹介…笑。

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こちらはどうでしょうか。下半身ですかね、普通に考えて。
こういうのを、ああでもないこうでもない的に、ひねくり回して研究している人もいるんだろうなぁ。ご苦労様です。

中はこういう感じで終了。再び外に出て、外観を見てみます。

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ファサードはあんなですが、他は意外と普通にカンタルのオールド・スタイルが多く残されていました。ホッとしました。
窓近辺の装飾的な帯、ここでは一連チェッカーではなくお団子派。

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チェッカーとお団子、分類できるのか、それとも同時代に同時並行してそれぞれ派閥があったんでしょうか。お団子もかわいいですね。

何か、碑石のようなものに、かわいらしいお顔がついていました。1744年と見えるので、古いものじゃないけど、お顔は、ロマネスク・テイスト満載です。

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軒持ち送りは、大変地味で、いくつかに図形的なものがある程度ですが、お顔もありました。

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それにインスパイアされた18世紀のお顔かな。

超短時間で終了の見学でした。
美しいと言われた村の全景。

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ファサード側からの眺めとなりますが、左側の方に移っているカフェで、トイレ休憩しました。テラスがあって、絶好の教会ビューですが、なんせファサードはあれなんで…笑。
でも、カフェのおばさんはすっごく親切でしたので、やはりトイレ休憩は、できればカフェでしたいものだと思いました。残念ながら、店も何もないという村が多すぎますな。

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  1. 2021/04/18(日) 20:33:40|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
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モーリアック型(ブラジュアックその3―15カンタル)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その82

ブラジュアックBrageacのサン・ティボー教会Eglise Saint-Thibaud、続きです。

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前回は、ひたすら目線を落として地を這うような見学でしたが、今回は、上を見上げまくりで、首が痛くなるやつです。
まずは、お勉強的なことから行ってみますか。今日は、まだ酔っぱらっていないので…笑。

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この、シンプルな柱頭、このスタイルが、モーリアック型Chapiteau Mauriacois、という説明がありました。柱(1)とバスケット(2)のつなぎに、ちょっと盛り上がったアーチを作り出しています。これは、この地域だけに独特、ということではないようなのですが、この地域では、かなり頻繁に使われるスタイルらしいです。立方体柱頭と呼ばれることもあるそうです。

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下のやつは、おそらくバリエの一つなんだと思います。
他では目にしたことないと思うから、やはりこの地域のものなんだろうな。だから、何ってこともないですが、こういう説明が現地にさりげなく置かれているほど、やはりフランスにおけるロマネスク研究って進んでいるんだなぁ、と思わされます。

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これなども、装飾性を爆上げした感じのバリエに分類されるのでしょうかね。
ワッフルですね~。美味しそうに見えてしまいます。

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現地で説明版があると、とりあえず撮影はしますけれど、その場でじっくりと読むことはまずないのですが、これは、図解があったのと、英語訳があったせいなのか、この手の地味な柱頭を結構撮影していました。びっくりです。

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おそらく、この地域特有のスタイルに感銘を受けたということではなくて、それだけたくさんの数の柱頭が、このスタイルだった、ということなんだと思いますけれど。
教会の規模は小さめで、柱頭の数もすごいわけではないんだけど、でも、どれもなかなか良い状態で残っているから、見ごたえがあるんでしょうね。お足元も含めてですからね。

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フィギュア系の柱頭もあります。

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いわゆるグリーンマン系ですかね。
グリーンマンって、最初のことは、植物を食べてるものだと思っていて、のちに、反対で吐き出しているものと知りましたけれど、これは食べてるように見えるやつ。
人というより、モンスター系ですが、髪の毛がなびいている風で、なんか、三月のシンボルだったか、髪を風でなびかせながら、笛だったかラッパだったかを吹いている人の雰囲気もあり。

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こちらは、どう見てもトナカイなんですが、トナカイは中世のカンタルでもいないですよねぇ。まんま、ノルディックなセーターの図案みたいです。角っこでごっつんこじゃなくて、仲良くはみはみ食べている様子、かわいい。

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鳥好きならときめきそうなかわいいやつら。
奥の方のを見ると、胸をつついているらしいので、自己犠牲的なやつですね、どうやら。それにしても、正面の、「なに?」って様子のやつ、かわいいな。

おっと~!

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これはダニエル御大ではないですか。
それも、ライオンちゃんの舌をぎゅっとしていますよ。あれ、ダニエルさんではなくて、嘘つき云々とか、そっち?
この舌のつかまれ方は、きっつ。

この人、おちゃめ大賞。

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なんだろう?バスタオルまいてる人にも見えるし…笑。そんなわけあるはずもなく。頭はトンスラっぽいし、袖の様子からも聖職者っぽいですが、どういう姿勢案だろう。
ちなみに、これは窓の脇の柱にあるやつで、これも、この地域特有ということを、前々回かなにかに記したと思います。おお、すっかりお勉強サイトになっていますよ。

数ある植物モチーフの中では、このシンプルさが一番好きだな、と思うんですが、もしかするとこれも、アーチ構造云々のバリエなのかも。

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こういう知識を忘れずにため込んでいけば、なかなか立派な博識人間になれるんだけど、なんでっていうくらいに忘れていくから、自分でもびっくりです。

さて、この教会、なかなかドラマチックな、というか、余計な、というか、立派な照明設備がありました。覚えてなかったんですが、後半の写真は、その証明に気付いてから撮影したようです。

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こういうのは、確かに明るくて、ありがたいのではありますが、ちょっとなんていうか、美術館状態になっちゃうというんでしょうかね。教会とは別物の見世物的なテイストが入るんですよね。いや、よく見えるので、ありがたいんですけどね。
ただ、照明作家の人のイメージで陰影が出てくるので、それが必ずしも自分の好みと一致するわけではない、ということもありますね。
それにしても、イタリアでは、無料の照明というのは、めったにないんですが、フランスは意外と普通に照明のスイッチがあったりするのは、感心します。

ということで、最後にドラマチックな照明作品。

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  1. 2021/04/18(日) 01:54:07|
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中のお足元、さらに凝っております(ブラジュアックその2―15カンタル)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その81

ブラジュアックBrageacのサン・ティボー教会Eglise Saint-Thibaud、続きです。

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中を見学しますね。

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おお、変なすっきり感。
床が妙につるつるなせいですかね、年月の重みが感じられない、笑、雰囲気が漂いますね。

まず注目したのが、お足元です。

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ここの、足元バリエは、なかなかの力作ぞろいですよ。
割とありがちなライオンちゃんがいるかと思うと、これもライオンバリエになるのかなぁ、なんかほぼ獅子舞の獅子状態、またはけんか凧的な形相、あ、または鬼瓦のやつとか。

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柱頭だったら、至極当たり前の植物モチーフだって、もちろんちゃんとあります。

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下のは、アラベスクっぽい彫りも美しいのですが、ステンドグラスの光がいい感じにとらえられていて、写真として美しいので、アップせずに…。

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いやはや、ここの足元バリエは、すごいです。ここまでモチーフが多岐にわたり、柱頭に匹敵するほどのバリエを持つお足元装飾は、なかなか見られないものでは?

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こんなん、困ります。上を見て、さらに下も見ないと行けなかったら、本当に見学が大変になってしまいます。幸い、足元がこんなに充実している教会は、そんなにありませんし、そもそも、イタリアでは、ほぼほぼ見たことがないような気がします。

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いきなり脱線しますが、「ほぼほぼ」って、最近改訂版が出た新明解国語辞典に採用された新語の一つだそうですね。
日々、仕事でも使用でも、それなりに日本語に接しているので、海外生活が長い割には、日本語は普通に使えていると思うんですが、新語とか死語とか、ちょっとね、ニッチな部分でついていけなくなっているところはあるんですよねぇ、気付いてないだけで。30年ですからねぇ。
そして、二年ほど前に、勤め先の経費削減で、紙ベースでの新聞購読が不可となったのも、結構痛いです。まぁ、今では、日本でも、紙ベースで新聞購読する人口は激減しているとは思いますけれど、海外に住んでいると、本誌というより、週刊誌の見出しとか広告、そういうのが結構、日本社会についていくよすがになっていたりしたんですよね。社内のつり広告もない生活ですから…。
もちろんネットのニュースは見ていますけれど、多分、視野が狭いですから、これから、自分の雑学的知識は、かなり衰えていくものと思っています。ま、どうでもいいことがほとんどではありますけれどね、笑。

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いやだわ。脱線ばかりで失礼ですが、柱頭は、次回。
ちょっと飲み過ぎました。

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  1. 2021/04/17(土) 05:29:31|
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お足元、かなり凝っております(ブラジュアックその1―15カンタル)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その80

当初の目的の村、すっごく村でしたよ。こういう感じ。

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でも、かなり期待していたのが、まったく裏切られず、やはり多くの人が好いとしている場所は、迷わず行っとくもんだ、という教会です。

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ブラジュアックBrageacのサン・ティボー教会Eglise Saint-Thibaudです。

村の奥まったところにあります。外側は、見るべきものはあまりないのですが、全体に古びた雰囲気があって、なかなか良かったかな。でもここはね、中です。入れなかったら、訪ねる意味がほとんどないといってもよいくらい。
と言いながら、まずは外をなめてみましょう。

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正面は、あまり面白みのない様子になっていますが、かつてはどんな様子だったのかな。村のはずれで、後ろの方に回ると、高台になっているというロケーションです。村の中では一等地、という場所になるのかな。
遠くからのランドマークにもなるくらい、昔も今も何もないってところ。

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こっち側に来ると、牛のカランコロンがすごく聞こえてきます。風があれば、きっと田舎のにおい(牛糞)も濃厚なのでは。

さて、何から行くか、迷っちゃいますが、前回の記事つながりから始めようかな。

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後陣の開口部ですが、この辺り特有とされているタイプですよね。お足元もばっちりで、側柱の小さな柱頭は、アーチと直つながりタイプです。
ここ、アーチの石使いもおしゃれですね。濃い色と薄い色がランダムに並べられていますけれど、これはオリジナルもこうだったのかな。ちょっとアシンメトリー感もあって、現代っぽいテイスト。

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アリーにあったやつみたいで、すごくフリーな雰囲気のはみだし系。鳥がソフトに止まっている感じで、石に取り込まれているのではなくて、はみ出して飛んでいきそうなイメージです。

こっちも飛び出し感、なかなかです。

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やたら肩幅広いおっちゃんですが、何だろう、力が入っているような顔の様子もあり、恐れおののいている様子もあり、いずれにしても、その体勢では力はいらんよ?って感じもするし。

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これもそういう系列で、怯えと、赤子的な好奇心と、そんなものが感じられる面白い表情してます。っていうか、なにこれ?顔と身体が別物っていうか。変だよ。

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一方、こいつはおなじみの愛想ふりまくりタイプ。なんだかこういう典型的なやつ、久しぶりに見るとホッとする、みたいな。
これ、石が赤いのかな、ちょっと赤いですよね。

ここ、お足元の彫り物がなかなか細かくて、びっくりします。中もすごいですよ。

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軒持ち送りは、ほとんど何もなしです。
後陣の上がぺんぺん草状態なの、ちょっと味があります。

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一応、気にしときましょうか、というのは、おなじみのイニシャルかな。

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かなりあちこち彫り込みあります。これって、複数の工房が参加していたということになるのかな。でも、このSみたいのが一番目に付きました。

続きます。次回は中です。

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  1. 2021/04/12(月) 01:49:39|
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おちゃめっぽいのに無機質な(アリー―15カンタル)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その79

ここから、新しい一日となります。
この日の行程は、こんな感じ。

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宿泊していたフォンタンジュという村から、行ったり来たりして、最後はカンタルにさようなら、という一日。

想定走行距離だけ見ると、大したことないし、移動距離も、全体で100キロ程度なんですが、まぁ、連日こんな感じなわけですが、移動に加えて、駐車場を探し、教会を探し、見学し、なんてやっていると、結局出発してから大抵は、10時間コースとなります。厳しいときは12時間となることもあり、それも、お昼は手持ちのビスケットにカフェオレだけ、なんて日も多いわけですから、やはり修行ですよねぇ。
とはいえ、基本が運転ですから、トリップするわけにもいかず、これはやってる人には同意いただけると思いますが、体力に加えて、メンタルの鍛錬にもなります、笑。それからね、最近とみに思うんですけど、ボケ防止にもいいんじゃないかと。
とっさの気持ちの切り替え、プランBの採用、瞬時の行程変更みたいなことが、随時必要になるので、くよくよしている暇もないし、同時に常に考えてないといけない、ということで、結構緊張感にまみれて、脳を使っているような気はするんですけどね。それも、日常的に使っているのとは違う部分だと思うんです。というわけで、祈るような気持ちで、ボケ防止説、笑。

さて、地図にあるように最初に向かったのは、アリーという村。
この時は、基本的に重要な教会を優先的に見る、と決めていたので、その範疇からは漏れる教会でしたが、どうせ目的地への通り道だったため、立ち寄った次第です。

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アリーAllyのサン・ヴァンサン教会Eglise Saint-Vincentです。
特に見所も調べていなかったのですが、これね、見た目よりもずっと楽しい教会でした。

なんといっても、遠目には、ほとんど愛想なしな様子の後陣です。シンプルな作りで、装飾性も低いのですが、軒持ち送り、とってもチャーミング。

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お団子数珠繋ぎとか、シンプルだけど、個人的には好きなんですよ。古っぽくていい感じ。開口部の上の一連市松の帯も、好きなアイテムです。

で、いきなり変な人がいます。お団子とコラボみたいに玉が口中にありますね。何だろう。

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この牛だって、舌をべろりんちょと出していて、バカにしてんのか、こいつ。でも、悪気はない感じっていうか、表情が変に無機質で、怖いです。

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一方で、無機質どころか、の半魚人コンビ。

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この手のフィギュア、久しぶりに見た気がします。ぬめり感が懐かしい感じ、笑。

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お顔がやけに近所のお兄さん風なバンザイ系。シンプルだけど、かわいいです。
なんか、全体に丸っこくて、お団子とマッチ感がすごい。そして、こういうどこに信仰があるのか寓意があるのか、わからないけど、楽しいしかわいいタイプの軒持ち送りって、深く考えようとも思わないので、潔く楽しいってだけで済ませられるのも、好き。

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開いていたので、もちろん中も見学していきます。

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想像通り、かなり変わっちゃっている様子。ここは、石むき出しじゃなくて、漆喰ぬりぬりです。保存のためには、この方がよいのでしょうから、大切にされていて、怠りなくケアされている清潔感、満載ですね。ロマネスク目的の見学者には、ちょっと残念感ありますけれど。

実際、こんな様子で、一番奥の内陣一部だけが、12世紀当時のものとなるようです。

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往時の遺構の一つが、この植物系の立派な柱頭です。

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漆喰のため、オリジナルとはかなり雰囲気が違うと思うのですが、白いおかげで、明るいというのは間違いないかも。

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この、後陣に開けられた窓、それから、各円柱のお足元に、それぞれ装飾があるのが、特徴的と言えるようです。
この窓、確かにちょっと違う感じですよね。開口部の一番手前に、細い円柱があって、それぞれ小さい柱頭、お足元の彫り物もセットであります。
現地にあった、シンプルな説明によれば、これは、ドルドーニュ地方の両端であるモーリアック地域とリムーザン地域に挟まれた、この地域にだけ見られる建築手法だということです。
正確にはわからないのですが、柱頭の上に、副柱頭的なものがないのも特徴らしいです。

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確かに、そのために、はみ出し感というか、フリーダムな表現状態というか、なんかありますね。

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お足元の装飾というのは、あまり繊細な彫り物がされることはないと思うのですが、でも、ただ石だけよりは、格段に装飾的になって、個人的には結構好きです。

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この他、フレスコ画とか、下の、聖水盤的なアイテムがありました。

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でも、何の記述も見当たらなかったので、時代も何も不明。この聖水盤は、何かの転用かなぁ。ちょっとかわいいですよね。
フレスコ画は、いずれにしても好みではなかったので、カットです。

以上、ついでに寄った割には、結構気に入った教会でした。

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  1. 2021/04/11(日) 20:02:01|
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