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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

夏休み第一弾、オーヴェルニュ最後の別荘ライフ

2021年07月夏休み第一弾、オーヴェルニュ北部及びその周辺、その0

先週金曜日から、夏休み取りまして、土曜日出発土曜日戻りのスケジュールで、オーヴェルニュに行ってきました。わたしが勝手に別荘としている友人宅に泊めていただく予定だったので、ほぼ前日まで迷っておりましたが、結果的には行ってよかったです。こんなに幸せで、楽しいだけの休暇というのは、めったに経験できないと思えるほど、充実した一週間でした。

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迷っていたのは、もちろんコロナのためです。
ワクチンの二回目の接種が7月8日に終了しましたが、効力を発揮するのは14日後、というのを見て、慌ててお休みを後ろにずらし、15日目に出発とするようスケジュールを調整したりはしたものの、デルタ株のために、各国連日感染者数が激増という中、イタリア南部に行くより、距離的には圧倒的に近いとはいえ、やはり外国ですから、何かあったら困る、という危惧はぬぐえませんよね?

危機意識、という大げさなものではないのですが、多分、バルカン紛争時にクロアチアの友達のところに行って、戒厳令の中、やっと船に乗り込んで帰ってきた経験なんかあるもんだから、若干過剰反応する傾向があるんですよ、多分。

しかしながら、一人でマイカーで行くわけだし、友人宅に泊まるわけだし、自分の含め友人たちもワクチン接種済みだし、出かけるとしても行先は、絶対に密になりえない中世の教会だし、と冷静に考えたら、ミラノの町中でぶらぶらしているよりは圧倒的に安全ではないか、と判断できましたし、この友人たちは、近々日本に引き上げる予定のため、今後ゆっくりとお会いできるチャンスはいつになるか分からない、という事情もあり、よし!と決意したわけです。

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お天気予報では、滞在中の半分くらいは雨ということになっていましたが、毎日少しずつ様子が変わり、結果的に大雨に見舞われることなく、日によっては快晴。改めて自分の腫れ女ぶりに感心しました、笑。

直前まで行くことをためらっていたこともありまして、教会のことなどは全く調べずに行ったのですが、過去のメモを持っていき、友人とも相談して、二年前に行けなかったベリー地方の教会とか、オーヴェルニュのマイナー教会とか、もちろんいくつかの再訪も含め、思った以上の場所を訪ねることができました。その上、ヒマワリがすごかったんです。

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とにかくどこもかしこも黄色のじゅうたんが広がっている状態で、本当に美しかったです。ピーカンの青空がなかなかなかったので、写真映りはいまいちですかね。でも、現場では、夢みたいな風景でした。

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ちょっと彌生ちゃん入ってますよねぇ。種の部分が目というか水玉というか、怖いみたいです。それが延々と続いていますから、そういうものが怖い人には絶叫モノかも、笑。

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ドライブしていても、撮影に適している場所を通ることはまれで、これまでこんな風に身近にみられるチャンスがなかったから、とても新鮮で嬉しい邂逅でした。こんな風景にも、やはり思い切って来てよかった、と何度も思わされました。

というわけで、二年前の旅で空振りだった場所などもあるので、まずはその時の旅をアップしないと始まらないと思いますし、いつになることやら、ではありますが、おいおい整理していくということで、とりあえず、頭出しです。

ちなみに、今年は諸事情から全然お休みが取れておらず、夏休み長いんです。今週末から第二弾で、今度は連続三週間となります。それなのに、まだ旅の日程は半分くらいしか決まっておりません…。コロナの影響で、普段だったら当たり前のことが、色々難しくなっています。
そういえば、今回の旅も、昨年の8月以来、ということで、荷造りに大変手間取りました。わたし荷造りすっごく早いんですよ。なのに、半日かけても、なんだか終わらずの上、忘れ物いっぱいしている気持ちで、もやもやしました。旅慣れる、ということと、まったく反対方向に来ているんですね、この二年。そりゃそうだ。

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お楽しみに。

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  1. 2021/08/02(月) 10:29:48|
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お料理はシンプルが一番(カンタル15)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、番外その3

ここらで、番外、ホテルと食事のことを入れときます。
まずは、カンタルで二泊した宿です。

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Auberge de l'Aspre
Le bourg, Fontanges(フォンタンジュ)

とても小さな山間の村で、お食事を提供してくれるオーベルジュというスタイルの宿で、個人的には、修行中の旅のスタイルとしては最も好むところのものです。なかなかないんですよね、このスタイル。ここは、訪問したい場所へのアクセスなどもよく、お値段も受け入れやすいレベルでした(朝晩の二食付きで、211ユーロとなっていますから、私にしては、ちょっと高めですが、二人だったら、もうちょっと割安になるでしょうね)が、古いタイプの宿でした。
何よりびっくりしたのが、この不思議な構造です。

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部屋の中が二階建てなんです。
上に、お風呂があります。でも、すごく変な構造で、部屋の扉から入った地階に、ベッドと、そしてトイレがあるんですが、階段下に位置するトイレには、洗面がないんですよ。
以前から、ヒトにも教えられ、自分でも疑惑を持っていましたが、フランス人は、トイレに入っても手を洗わない、ということが、ここで、実感ですよ。
おそらくですが、もともとは部屋しかなかったような古いホテルを天井が高いことを利用して、お風呂を増設。トイレは、もしかするともともとあったかもしれないけれど、だとすると、もともと部屋の中には、洗面がなくてトイレだけ、ということか、またはトイレも後付で、部屋は本当に寝るだけのものだったのかな。
イタリアだと、例えば、トイレが共同でも、部屋の中に洗面台だけある、というスタイルは、古い安宿によくありました。今でも時々、かつてはお風呂がなくて、この洗面台だけだったんだろうな、というタイプのお部屋に遭遇します。
しかし、トイレがあって、洗面台がないというのは、ちょっと…。

トイレが下にあるのは助かるものの、結局手を洗うために階段を登る必要があり、非常に不便でした。現在Covidのご時世では、さらに不便な気がしますね。

お食事は、残念ながら、あまり大したものではなく。確か一日目は定職を頼みました。

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素材は悪くないんだと感じたのですが、調理が今一つな感じでした。前菜もメインも。初日はすごく空腹感がすごかったので、それでも食後にチーズまで頼んでしまいました。台車に乗ったたくさんのチーズの中から選べるくらいに考えていたのですが、残念ながら、すでに勝手に選ばれたチーズ三種盛で、半分は食べられず。
そういうことから、この宿のお食事評価は、個人的には、今一つです。

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二日目は、定食はやめて、この辺りが産地だという毛の赤いサレール牛のステーキ。

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これは、塩コショウで焼いただけですから、思惑通り、美味しかったです。たまには、こういういかにものステーキはおいしいので、これは大正解でした。産地ですしね。

さて、この村。教会ではないんですが、こんな不思議なものが。

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フォンタンジュの聖母マリア礼拝堂La Chapelle Notre Dame de Fontanges

上に観音様みたいに、多分マリアですかね。ライトアップが、ちょっと日本のものみたいですね。夕食の後、ぶらぶら散歩がてら、行っていたもの。本当に山奥で、静かな村でした。

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岩をくりぬいて、礼拝堂にしているとかそういうものだと思いますが、入り口の装飾は、ロマネスク的なものとなっていました。再建かな。

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番外編、もう一つ、最後の方にやります。

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  1. 2021/05/09(日) 00:38:45|
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実践美術史(レイラック―15カンタル)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その86

前回同様、時間の余裕があったから、立ち寄ってみた村です。

実は、ここが、今回訪ねたカンタル地域最後の村で、この後は、他の地域に移動というスケジュールだったのですが、まぁ、さしたる感慨もなく、笑。とはいえ、カンタルは、結構アクセスしにくい場所ではありますので、このほんの数年後に、再び訪ねることができるとは、この時は思いもよらず、でしたね~。

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レイラックReilhacのサン・ロラン教会Eglise Saint-Laurentです。

言っちゃなんですが、見るからに多くを期待できそうな様子ですよね。実際、事前にピックアップした時も、とりあえず引っかかったからピックアップはするけど、「別に行かなくてもいい」自分なりのマークでした。
その上、扉は固く閉ざされておりました。

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小さな村ですが、立派な市役所があります。
上の写真、右側が、さらに愛想のない教会の西壁で、その左側のクリーム色の建物が市役所。
これほど至近ですから、おそらく教会のカギは、市役所が管理していると思いますが、村の教会にありがちで、市役所がいつも開いているとは限りません。この村の市役所は、日曜と月曜はお休みで、この日は、折あしく月曜日でしたので、何の希望もなし。
ちなみに、火曜と金曜は昼休みを挟んで午前(8時半から12時)も午後(13時半から17時半)も開いていますが、それ以外は朝だけです。月曜日休みというのは、どうかと思いますが、それ以外は、結構勤勉ですね。

いずれにしても、訪ねた日は、クローズ決定。と言っても、中もかなり新しくなっていて、特に見るべきものはないと踏んだからこそ、飛ばしても問題なし、というマークをしていたはずなので、ま、ここは酸っぱい葡萄理論で。

でもね、幸い、外側は、ちょっと楽しかったんですよ。

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主に、この、これまた愛想のない後陣の方ですけどね。分かりますでしょうか。

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軒下に、何やら馬蹄形みたいな浅浮彫が施された石が並んでいるのが分かるでしょうか。
この教会、建物全体、ほとんど全部再建された様子があるんですけれど、軒、というか、屋根の木は相当古そうだし、その直下の部分だけは、どうやらオリジナルらしいのですね。
それにしても、この馬蹄形模様は、ちょっと珍しいです。他の場所にあった石を、無理やりはめ込んだ可能性もあります。
で、たどっていくと、いきなり、こんなもんが。

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これは軒持ち送りなんでしょうけれど、その体裁が半端に残されている感じです。

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ほらね。本当は上に、構造物があるはずですよね。軒持ち送りという構造から独立して、メインの彫り物だけが残っている様子です。

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これなど見ると、やはり軒下に置かれた、フリーズ系の装飾が施された石は、他にあったもので、建物再建時に、やはり往時の雰囲気を残そうぜ、となって、無理やりはめ込んで、軒持ち送りについても、壊れちゃったか壊されちゃったかした構造から彫りだけを無理やりくっつけたように見えます。
いや、これ、私の勝手な想像なんで、真相は知りませんし、調べてもいません。

それにしても、この、追い詰められて開き直ったみたいな人のフィギュア、かわいくないですか。

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ピクトグラムを創造した人も、こういう中世美術を見ていたかもしれないなぁ、とか、ふと思いました。
飛躍しすぎ?いやでも、美術って、やっぱりすごくつながっていると思うので、そういうことってあるんじゃないですかね。過去に対するアンチでも、その時点で、すでにつながっているわけだし。
私は、美術史をちゃんと学んだことがないのですが、古代から近現代まで、現場主義で色々見ていると、やはり歴史なんだな、ということは、肌で感じるようになりますね。

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開き直りの人とか、この鳥さんとか、非常にプリミティブですが、一方で、こういうかなり写実系も。

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写実的な言い過ぎかな。でも、足のとらえ方とか、結構真剣なデッサンですよね。だって、他は、こんなですよ。

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これはふざけてますよね?
それにしてもかわいいし、独創的だわ~。

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これも、どうしてもほのぼのしちゃうやつ。
でもある意味写実入ってるのかな。三角がかわいい…、ってあれ?耳と耳の間の三角は、何だろう?もしかして二つの角がくっついて、とすると牛?豚と確信してましたが、牛…またはユニコーン。または。

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  1. 2021/05/01(土) 19:54:15|
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たとえ鍵のありかが分かっても(サン・ティッド―15カンタル)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その85

前回のサン・セルナンからほぼ真西に10キロ強の村が、次の目的でした。いや、本当は端折ろうかと思っていたのですが、思ったより時間に余裕があったので、行ってみることにしたというのが本当のところです。

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サンティッドSaint-Illideの村の教会です。

到着したのが、ちょうど昼時。いや、フランスだとそろそろお昼も終わるっていう時間でしょうか、13時過ぎでした。
そして、教会の扉は、固く閉ざされておりました。ガーン。
今も不思議に思いますが、そんな時間だったのに、道端におやじがいて、他にもおばさんがいて、一応鍵のことを聞くことはできたんです。

おじさんによれば、市役所がカギを管理しているけど、今は昼休みで閉まっているよね、ということ。市役所はどこなんだろう、とうろうろしていると、他のおばさんがいたので、もう一度鍵のこと聞いてみたら、市役所の他に、そこの店でも管理してる、ということを親切に教えてくれましたが、お店も、当然昼休みでクローズです。

市役所はわかりましたが、この期間は午前中の2時間だけしか開いていないことが分かりました。

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教えてもらったお店も、14時までは絶対に開かないということだったので、ちょっと待てないなぁ、と思って、中はあきらめることとしました。
でも、外側は、ほとんど見所もない感じ。仕方ないので、目を皿のようにして、宝探しです。

しかし、そういう気持ちをあざ笑うかのような、愛想のかけらもないタイプのファサード。

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そして、外をいくら見ても無駄ですよ、ロマネスク、ないですから、と無言で説明してくれるこんなものまで…。

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これ、黒い部分だけロマネスクということ、つまり、内部の柱頭だけが往時のまま残っているということなんだと思われます。

それでも、何とか見つけた子。

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でも多分これ、遠目ではほとんど見えてませんでした。こうやって写真で見たら、ちゃんとかわいくて、ちょっと嬉しくなりました。往時のものかどうかは不明ですが、愛らしさやスタイルは、ロマネスク、だと思いたいです。

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向かって右側の扉上に、ひっそりとレリーフがありましたけれど、これは、後代くさい…。

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撮影するものもなく…。
ただ、窓になっている部分から、写真が見えたんです。

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でも、柱頭じゃないし、変に細密緻密な彫り物は、あまりロマネスクっぽくないですね。別物ですね、どうやら。写真を撮影しているので、現場では、ほとんど何が撮れているか見えなかったんですが…。
それにしても、悔しかったですね。もちろん、教会あるあるですけれども。

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  1. 2021/04/25(日) 01:35:15|
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オートとバス、地理の時間(サン・セルナン―15カンタル)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その84

次に訪ねた教会は、ほぼ記憶になかったのですが、写真と当時の日記で、かすかに思い出しました。記憶のよすがになったのは、教会の近くにあった小ぎれいな公園です。

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小ぎれいっていったって、住宅街の中にある、こんな何でもない公園なんですけどね。この日は、ホテルの朝ご飯で、バターだけのサンドイッチを作っておいたので、それを食べる手ごろな場所を探していたんでした。この公園は、素敵な木陰と程よいベンチで、そんな簡易ランチにうってつけだったんです。
それにしても、主目的の教会そっちのけで、バタつきパンが記憶に残ったりするんだから、ヒトの記憶、いや、一般化してはいけないんですかね。私の記憶の情けなさ…。

目的は。

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サン・セルナンSaint-Cerninの村の教会です。

残念ながら、構造の大部分は、15世紀以降の再建となっています。

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黒っぽい部分だけがロマネスク時代12世紀のもので、それ以外のグレー部分は、15世紀ゴシック時代の再建となっているようです。
そういうわけで、中に入っても、ほぼ感動なし。

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わずかディテールに、当時がしのばれる、そういうタイプの教会となっています。いわゆる宝探し系、ですね。でも、中は、本当に何もなかったと思います。扉口にわずか。

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と言っても、ゴシック時代のものと混じっていて、正直よく分からない…。

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これは、間違いなく12世紀産。変に複雑で、妙にきちんとした彫り物です。市松の緻密さもなかなかのもんですし、技術のある石工さんの作品ではないでしょうか。扉周り、結構装飾的な彫りものがあったのだろうと思われますね。ほとんどなくなってしまって残念。

外側を見学します。

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おっと!いらっしゃいますね、どうやら。

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めっちゃめちゃ写実的なお馬。びっくりしますね。

馬って、もともとかわいく表現するのが難しい動物だと思います。
実は、乗馬をやっていたことがありまして、その時期は、かなり馬にはまったんですが、馬グッズって意外とないし、あってもかわいくなくて写実的なタイプばかりなんです。猫や犬とは偉い違いなんです。
そもそも、欧州では馬ってかなり身近な動物ですが、日本ではそこまで身近じゃない分、需要も少なくて、グッズになりにくいというのもありそうですし…。今でも大切にしている唯一の馬グッズは、エトルリア時代風の青銅の馬くらいかも。ちなみに、実際の馬はすっごくかわいいんですけどね。いやグッズ云々にこだわるわけじゃないんですが、それにしても、この馬はかわいくないやろ、ということが言いたかったわけです、笑。

しかし変に写実的なのは、馬だけじゃないんです。

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こ、これは。およそロマネスクっぽくないやつ。どっちかというとギリシャとかエトルリア的な…。
騎士らしいですが、髪型とかも、なんか、古代風な…。

一応現地に、簡単な説明がありまして、それによりますと、「その写実的で繊細な表現からは、オート・オーヴェルニュHaute Auvergneの性質が見られず、ちらかと言えばBasse Auvergneバス・オーヴェルニュで見られるものとの共通性が強い」とありました。

フランスの地理には全く詳しくないので、ここで地理の勉強です。ついついこういうマージナルな興味が出てきちゃって、本筋から外れてしまうので、本筋だけ見たい方には、うざいかも。その際は、飛ばしてくださいね。

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ちょうどわかりやすい地図が見当たらなかったので(じっくりと探すとかしないのが、またいい加減な私のやり方なもんで、さらにうざいかも、笑)、グーグルマップを適当に加工しましたが、いわゆる過去の行政区分のオーヴェルニュが、ピンクで過去回れ部分です。
理解したところでは、おおよそですが、緑の線を入れたあたりで、上がバス、下がオートということになるみたいです。この区分は、歴史家によって使われていたもので、13世紀頃からの社会のタイプによる区分らしいんです。オートの地域は、明文化された法律規定にのっとって社会が回っていた地域で、一方バスの地域では、慣習法が取られていたという違いらしいです。そのあたりの状況は、フランス革命前夜までそうだったらしいですけど、多分今ではそれに関係なく、なんとなく地域を表現する記号みたいになっているのではないかと推測します。
ただ、ここでの彫り物について、オートとバスの違いで石工さんの出身地が語られるということは、社会の在り方が、表現のあり方にまで結びついているということで、かなり明確な地域性というものがあったということになりますね。

ちなみに、オートとバスの名称が、本来の地図上の位置関係からは、逆に思えて不思議なんですが、というのは、オートはHighなんで、なんとなく地図上で北にある地域の方に当てはまるような気がしたんですけどね。
オートは、中世初期、というときにもOlderという意味で使われる言葉でもありますから、最奥部とか時代がより遡るとか、そういった意味でそうなっているのかとも思いつつ、本当のところは不明です。 

いずれにしても、フランスは、一番小さい行政単位の上は近年かなり再編しており、すでに独立したオーヴェルニュは存在しないし、かつてゾディアック叢書が使用した区分けは、壊滅していますので、なかなかわかりにくいことになっています。

ということで、地理の時間、終了です。勉強になりました。

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それにしても、えぐい。写実的すぎて、逆に現代的にも見えてきますね。

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各地でこれでもか状態にかわいいフクロウにたくさん出会ってきたわけで、コリは…。ある意味愛嬌ありますが、そして、馬や牛たちに比べれば、まだデフォルメ入っている感じもありますが…。

ちょっとだけ、テイストの違う人たちもいました。

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どうですかね。

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写実とはまたちょっと違う感じですが、不気味さが出ています…。この、ヒトのフィギュアは、なんかどっかで見た役所の窓口系、それもホラー系で、魂抜かれたけど、要はゾンビ系だけど、日常業務を機械的にこなしている窓口の人ですね。設定細かっ、笑。

というわけで、バタつきパンの公園が、最も記憶に残ったサン・セルナンでした。

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  1. 2021/04/24(土) 19:16:37|
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