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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ゴシックへの移行があからさまな気がする(ノーヴィレ・レ・サヴァーヌ その2)

最初で最後のアルザス中世、多分…(2019年4月)、その29

ノーヴィレ・レ・サヴァーヌNeuwiller-lès-Saverne、続きです。

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サン・ピエール・エ・サン・ポール修道院教会Eglise Abbatiale Saint-Pierre-et-Saint-Paulです。

愛想のない図ですけれど、全体像が分かりやすいかと。主な部分は、以下となります。
1.修道院教会
2.サン・ニコラス礼拝堂(10/11世紀にあった礼拝堂で、私領に基づいて、基部を再建したもの)
3.かつての墓地
6.12世紀の参事会会員室と、修道院の居住地域

前回の記事に載せた、町の地図も参照いただけると、位置関係が分かりやすいかと思います。

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この教会は、修道院の創設9世紀に建てられたものがベースとなっていますけれど、延々と19世紀まで、何かしら手が入っているので、様式もバラバラで、ちょっととりとめのない様子になってしまっています。
解説を見ながら、ロマネスクの部分をフューチャーしていこうと思いますが、結構難しい…。というのも、一応事前に、奥の方の礼拝堂を見ることというメモはしていたんですが、全体になるをどう見るべきか、ということが、よく分かっていなくて、見学もめちゃくちゃなので、写真もとりとめがなくて、今改めて解説を読んでも、何を見たのか見てないのか、正直よく分からないというところです。

唯一確かなことは、クリプタは鍵がなくて、はいれなかったことです。観光局が鍵の管理をしていて、訪ねたのは時間的には合うはずの午後だったのですが、なぜ鍵が見つけられなかったのかは不明です。いずれにしても、すごく頑張らなかったんだと思います。
えてして、同行者がいると、頑張り切れないこともままあるんですよね。私の場合、同行者が同好の士であることはめったにないため、修行突き進みがやりにくいケースも多いのです。ここがそうだったかは記憶にないし、メモにもかいてないけれど、時間的な制約も考えて、観光局を探してまではきついかも、という結論だったかもしれません。

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おそらくですが、その部分が、ロマネスクの遺構となるみたいなんですよ。
解説では、クリプタと、その上の礼拝堂が11世紀のものとありますので、この扉を入った先が、必見ということだったのだと思います。

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現在の中央身廊は、こんな感じで、ロマネスク的には見るものないですよね。一番奥まったあたりだけに、ロマネスクのものが残されているようですが、いずれにしても、ゴシックへの移行時期の12世紀後半から13世紀初頭にに作られているため、本来好みとは言えないタイプの様子です。

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こんな柱頭などが、おそらくその時代のものとなるのでしょう。
半端な彩色があって、ちょっと不思議なんですが、この下のもそうでしょうね。再建かもしれないけど。

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それにしても、彩色の仕方が半端過ぎて、なんなんだろう?って感じです。
不思議つながりで行くと、この洗礼盤も…。

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下からにゅっとフィギュアが出てくるっていうの、すっごい変わっていますよね。それも、左のは人だし、右のは、人を抱え込んでるライオンと思うのですけど、鬣がパスタみたいだし、笑い、変に擬人化した様子が不気味…。

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で、表に出ますと、トップで全体を紹介した際に言及した、サン・ニコラス礼拝堂の再建された基部が広がっています。

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改めて、遺構を探すと、この扉はロマネスクのもの、とありました。

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どうだろう?まぁ、一部、ロマネスクの時のものとなるのかしらん。
ここから、回廊跡に抜けられたと思います。

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そして、おそらく回廊から本堂への扉口、ということになるのかな。

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左右に置かれた彫り物が、それらしいですね。
向かって右の人は相当傷んでいますが、左の人は、結構保存状態よし。

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すっごくキツキツの場所に置かれていたんでしょうね。姿勢が難しそうなことになっています。下半身はヨガ状態。
しかし、そのおなじみな様子、ちょっとほっとするテイストです。

長くなっちゃいますけど、もう一つの扉。

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ぱっと見傷みが激しく見えるんですが、クローズアップで見ると、それなりに残っていて、たとえば、左端の人がカギ持ってるのでピエールさんって分かりますね。イメージがちょっと違うけど。とすると、右端がポールさんということになります。

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でね、赤色になっているアーキボルト、これは彩色なのか、石色なのかにわかによく分からないんですが、ちょっとキッチュなグリーンアニマル風がいましたね。左側の方ですが、これは、今更気付きました。

この扉口周りの装飾は、全体に保存がよいようです。

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この柱頭、かなり独特な図像ですよね。
左のは、普通なら角で頭一つにするけれど、これはお互い頭を絡めている様子で、こういうのが要はゴシックのやり方なのかな、という時代を感じさせられたり。カベスタニー風の足の彫り方だけど、全体にもう移行期って様子が漂います。
右側の天使も、ポーズがすごくかわいいのに、顔は写実で、勘弁してよって様子になってます。ロマネスク全盛時代だったら、絶対にかわいいやつになっていたと思うんですよ。

右側のも、こんな感じで、可愛さありません。

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一方、扉を見下ろす位置にいるのは、いがちなおやじなんだけど、お、懐かしい、という様子で、ここでも髭引っ張り系の人ですね。

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それにしても、姿勢が独特で気になります、笑。
後ね、どっちの人も、手が妙にリアルな職人とか農民系のごつごつ感もあって、怖い…。

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ということで、とりとめのない見学となりましたが…。やはり、ある程度目星をつけて訪問することは重要だと思います。アルザスには申し訳ないけど、どうも準備不足で行ってしまった感が否めない…。それでも、多分再訪はないと思ってしまうのも、正しくないとは思うけど…。


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  2. アルザス・ロマネスク 67-68
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コーノさんにどっぷり(ノーヴィレ・レ・サヴァーヌ その1)

最初で最後のアルザス中世、多分…(2019年4月)、その28

次に訪ねたのは、ノーヴィレ・レ・サヴァーヌNeuwiller-lès-Saverne
という村です。

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小さな村で、一見して、いかにも門前町起源だろう、と想像がつく様子ですよね。しかし、こんな小さな村に、今も生きている教会が二つもあるのは、びっくりしますね。
上の地図の3番と4番がそれで、3がサン・ピエール・エ・サン・ポール修道院教会、4がサンタデルフォ元参事会教会です。

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手前がサン・ピエール・エ・ポールで、奥の方に見えているとんがり帽子が、サンタデルフォのはず。
この村、全体が後代っていうか、広々してて、そういえば駐車場がやけに広くて開放的だったのを思い出しました。

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いかにも駐車場なんだけど、がらんとしていて、え?ここ、停めていいんだっけ?みたいな不安に襲われるような場所でした、笑。
そして、この町のこの荒涼とした駐車場で最初に出迎えてくれたのは…。

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あちこちの煙突でくつろぐコーノさんでした!

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すごい数の巣があって、休憩タイムだったんですかね、多くの方が巣でくつろいでいて、ついつい興奮して、やたら撮影してしまいましたとさ。

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コーノさんは、本当に良いですねぇ。イタリアではまず見ることがないので、いや、ミラノには、カラス以外の大型の鳥がいないので、コーノさんのみならず、ちょっと町を出て、畑でサギを見るだけでもうれしくなりますから、もうね、コーノさんに会えたら、どうしても興奮してしまいます。
最近友人に教えてもらったのですが、実はイタリアにもコーノさんは飛来してくるらしいのですが、全国でも300ペア程度しかいないそうで、そりゃ目にするわけがないっていう数字ですよね。
アルザスに来るのに、そして暑いスペインにもいるのに、なぜイタリアには来ないのだろう?距離的にも、さほど違いがあるとは思えないんだけどな。

おっとっと、これは鳥ブログではありませんでした、笑。
教会の話に戻ります。

なぜ、こうして二つもの教会があるかというお話です。
まずは846年、この地にベネディクト派修道院が創設されました。その修道院教会が、今日のサン・ピエール・エ・ポール教会なわけですが、創建から1世紀が過ぎた頃、サンタデルフォさんのレリックが持ち込まれたのです。

アデルフォさん、どういう方かと思い、一応調べたのですが、手持ちの聖人辞典に、中世辞典にも記述なし。ローカル聖人ぽいです。検索すると、5世紀に生きた方でMetzの第10代司教と務めた方、と出て来ました。一方で、そういう普及してしまった出自やタイトルは信用ならん説もあるようで、実際は3世紀の人らしいというより確かに記録もあるとかないとか。
いずれにしても、9世紀に、そのレリックがこの村に持ち込まれ、巡礼者を引き付けた、ということはかなり信ぴょう性が高いということらしいです。

そう、その巡礼の増加が、レリックを収めるための教会を必要としたのです。それで、まさに聖人に捧げられた教会が誕生した、という経緯。それは、12世紀のことでした。

レリックがもたらされた時点から、いくつかの奇跡が起こったことで、信仰が高まったらしいんですが、奇跡の内容は見当たらず、でした。しかし、考えたら面白いですよね。テレビもネットもない時代、この小さな村で奇跡が起こりました、ということが、おそらく旅人や商人やそんな人の口コミで広がって、巡礼者が増えるってさ。信仰ももちろん根底にあるのでしょうけれど、ちょっと怖いもの見たさ、観光的要素強めで出かける人もきっといたんだろうなぁ、とか思うと、にんまりしちゃうっていうか。
いや、中世当時の信仰は、江戸時代の物見遊山なお伊勢参りとは違うのかな。

ちょっと脱線気味なんで、一旦切って、次回教会の話としますね。


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  1. 2022/11/01(火) 12:16:09|
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得意は植物なのに、多分(サン・ジャン・サヴァーヌその2)

最初で最後のアルザス中世、多分…(2019年4月)、その27

サン・ジャン・サヴァーヌSan-Jean-Saverneのサン・ジャン・バプティスト修道院教会Ancienne Eglise Abbatiale Saint-Jean-Baptiste、続きです。

今は、後代の棟とポルティコに阻まれて、オリジナルのファサードが見えなくなっちゃってるけど、扉部分は残っていて、「アルザスにおけるロマネスク時代の鉄細工としては、唯一無二のマスターピースである」とあったんだけど、これかな。

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多分、土台は新しくしているけど、この鋳鉄の装飾的なやつは当時のもの、ということなのかな。でも、古いものに見えにくくて、風情が感じられない。
中の様子も、構造はロマネスクなんだけど、風情は…。

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天井がリブ付きのヴォルトで、これはアルザスでも最も古いものということらしいです。イタリアでは、ヴォルトは、せいぜい側廊に見られることは多いけれど、中央身廊は、木製天井だったところが多くて、それは好まない人もいるようだけど、私は、このリブ付きのヴォルトはあまり好まないかな。

全体に、何もなさそうなんだけど、丹念に見ていくと、それなりに見とくべき装飾があります。

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幾何学系モチーフが、大胆に彫られた柱頭。素敵…。

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きっぱりとした迷いのないまっすぐの線とか、なかなか良いですよね。
下のぐるぐるも、間にあるうにょうにょも、好きなタイプです。

あっちこっちの片隅に、情けない表情系のおっさんが複数下を見下ろしています。

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みんな、ひげもじゃ系で、顔にも入れ墨みたいな模様がついてるし、髪の毛も髭もヘリンボーンでもじゃもじゃ感が半端ないの。これは何だろう?バイキング的な?ケルト的な?彫りは、そんな古い感じじゃなくて、すごくしっかりしているから、結構ちゃんとした技術の石工さんが、古典的な雰囲気で彫った、みたいな感じなのかな。
身廊は、ロマネスク時代のものとされているので、構造と一体化しているこのような彫り物も、同時代と思われますけれどもね。

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そして、見逃してならないのが、内陣右側身廊にある、この扉です。

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ロマネスク時代のもので、かつては、回廊とつながる扉だったそうです。1800年代の修復時に、祭具室の扉となったそうです。

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全体にうにょうにょ感が強い植物モチーフは、なかなか好きなんですけど、子羊、ちょっと子羊感、なさすぎません?これじゃ、子供のフリした大人じゃん、みたいな、笑。

ちなみに、羊の上部両脇にあって、お花にしか見えないやつ、五芒星なんだって。これまでこの手の見たら、お花だと思ってたけど、星だったということだね。また一つお利口になりました。

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扉両脇の柱のモチーフがちょっとかわいくて、特に、戸棚で半分近く隠されちゃっている左側のやつ。身をつけたブドウつると棕櫚を交互に彫ってるけど、ブドウの房がやけにかわいいんだよね。

この扉、向かって左上に、こんな人も。

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アトラスですかね。相変わらずかわいくないなあっていうか、ここの石工さんって、フィギュア苦手だよね?ってか、外の人も、植物モチーフの方が得意っぽいし、それならお互い無理にフィギュア系彫らないで、植物系に特化しようってすればよかったのになぁ、とか余計なこと考えてしまいます。

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これ、オリジナルなんだとしたら、ほらね、正確無比。


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  1. 2022/10/23(日) 11:32:51|
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守り神?(サン・ジャン・サヴァーヌその1)

最初で最後のアルザス中世、多分…(2019年4月)、その26

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サン・ジャン・サヴァーヌSan-Jean-Saverneのサン・ジャン・バプティスト修道院教会Ancienne Eglise Abbatiale Saint-Jean-Baptiste。

緑の中、アルザスらしい赤い石の後陣が映えますね。
村の高台と言ってよい場所にあり、眺めがある感じの場所。

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創設は古い修道院教会のようですが、なんとなく場所邸にも雰囲気的にも、修道院のイメージがわきにくいたたずまいです。なんでかな。変に開けていて、勾配のある土地につながっているとかそういうことかな。
修道院って、それなりに耕作地が必要だよね、とか、水も必要だよね、というイメージから、孤高の場所でもなんとなくそういう生産性を必要とするっていうのもあって、それでの違和感なのかな。
いや、でもサン・ミッシェル系は、孤高のとんでもない場所に建てて、厳しい生活をするわけだから、必ずしも生産性は関係ないのか。

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ファサード側は、塔のあるポルティコが18世紀に建てられてしまって、もともとのロマネスク時代のファサードは隠されてしまいました。なんという残念な。
そして、脇の方は、それと同時代に支え壁がずらずらっとつけられてしまったようです。そのおかげで、町からのアクセス側であるこのファサード側からの見てくれは、およそ中世の面影が感じられない建物となってしまっています。

なので、ここは素通りして、後陣にダイレクトアクセスした方がよいですね。

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赤い石がアルザスであることを強調している感じですが、装飾はとてもロマネスクです。上の方の市松帯、垂れ下がりのアーチとその先の彫り物、つけ柱に窓脇の円柱など。

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彫り物は、抽象モチーフと具象モチーフが混ざっている感じっていうのかな。
上のは、真ん中のが鳥のペアのようだけど、その脇は、葉っぱモチーフの抽象化とか渦巻きモチーフ。

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牛っぽい頭と、グリーンマン的な柱頭と、にやけたモンスター。

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組紐モチーフと人の頭。
頭モチーフ多めなのは、ケルト入っているのかな、ここも?

こいつらは、珍しいタイプ。

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窓のとこに寝そべって外見てるけど、これは、後付かもね。なんか中世っぽくはないし、ましてやロマネスクのあり方からは外れすぎるよね。

ここも、例によってフランス革命で、建物の多くの部分が損傷したらしいんだけど、幸いにも、部分的には結構残っている方なんでしょうね。
宝探し的に、あっちこっちに分散して、変なものが建物を守ってる感じ。

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こういう高いところに置かれる、ファサードだったらライオンが人をはみはみしてるような図像って、どうしてここに?と思うんだけど、どうして?

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これなど、クマらしい。さすがに人をはみはみはしてなくて、チーズみたいなの持ってるけど、何持ってるんかな。
それに、なんか頭包帯状態なんだけど、なんだろね。
高いところの角っこ、もしかしてアルザスは多い?ような気もします。
日本の四神じゃないけど、何か意味ありそうだよね。
もしかすると、この位置、この雰囲気、すでにゴシック入っているということもあるのかな。

なんですかね、全体に記憶がめっちゃ薄くて、自分どんだけ入り込めなかったんだ、という様子が分かります。
今、来週末に出かける予定のエミリアのマイナー教会、どこに行こうか考えていて、2013年訪問の地ですら、そして結構駆け足で訪ねたにもかかわらず、写真を見てると何かしらよみがえってくるものがあるんですけども、アルザスはどうもそういうのがなくて…。
自分の中ではどうもそういう感じなんで、最初で最後の、というタイトルにしたわけなんですけれど、書いているうちに何かしら変わってくるかも、という多少の期待はあったんです。が、ダメです。どこまで行っても、本当に記憶が薄い…涙。

サン・ジャン、続きます。


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  1. 2022/10/21(金) 17:04:09|
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めげずに探す…(ObersteigenとReutenbourg)

最初で最後のアルザス中世、多分…(2019年4月)、その25

回っている地域で、実にマイナーで、なんでわざわざ来たんだっけ?と思わずメモにも書いてしまった二か所を、まとめてみます。

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オベルシュタイゲンObersteigen(これはもうドイツ語読みしかできません、わたしには)の、サント・マリー・ド・ラソンション礼拝堂Chapelle Sainte-Marie-de-l'Assomptionです。

1220年から1225年創建で、ロマネスクからゴチックへの移行期の建物のよい例とされているようです。アルザスにおけるゴシック超初期の代表であると。

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後陣、こんな様子ですし、なんだか頭混乱します。
この扉口のあるファサード側は、唯一のロマネスク時代の遺構となっており、確かに雰囲気はそうですが、柱頭も、すでにゴシック・テイストだし、アーキヴォルトの一部にらせん装飾が施されているような、そういうわずかな部分だけが、ロマネスク期の名残、というところですかね。

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内部も、以下のようなので、ここ行って入れなくても、がっかりする必要は全くないです。いや、なんならそもそもとして、行かなくてよいと思います…。すまんが。

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もし、現代的なステンドグラスが好きなら、主張は薄いけれど、嫌みのないかわいい現代ステンドグラスが見られます。

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同じ作家さんの作品と思いますが、まさに嫌みのない感じの良い現代ステンドグラスで、好みでしたが、これはここに来なくても見られる代物と思います。

次も、比較的近い地域の教会です。

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ロータンブールReutenbourgのサン・シリアック教会Eglise Saint-Cyriaqueです。

こちらはさらに強烈と言いますが、ロマネスク遺構としては、塔のみとなります。
いくつか興味深い彫り物がある、と事前に調べていたけど、正確にいくつでどういうものかは調べていなかったので、それこそ目を皿のようにして、宝探ししましたです。だって、せっかく行っちゃったわけだしね。そんで塔しかみあたらないという絶望だしね、笑。

何があったかというと。

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下の方は、二人の人物の頭部を両肩に背負う、というか、まぁ囲まれている状態なんですかね。そういう人の姿です。
そしてこの人物、解説なかったら絶対分からないと思うんですが、下半身がどうやら魚の二股で、それをつかんでいる、いわゆる二股人魚らしいです。
ということは誘惑的なやつとなりますかね。でも両脇の人は何でしょう。

そして右上の方は、王冠とかヘルメットとか、なんだかわけの分からない被り物をしたフィギュア、となっています。頭部は、アーチ部分とつながっているので、このフィギュアに属するのか、それとも建築的アイテムなのか、よく見わけもつかないようですね。それよりなにより、身体の部分が変ですよ。
もしかしてスフィンクス的なフィギュアなのかな。

それから他の場所。

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おっと~、また出たよ、屋号丸十。
素朴な十字架、素朴に彫るとこうなるってことなんだろな。

解説にも、彫り物は三つ、とあったんで、無事コンプリート出来てよかったです。

その他、碑文みたいのもありました。

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どの部分にはめ込まれていたかすら覚えてないんです。内容も、ざっと見ても読めないし、時代も不明です。読めないけど、明らかにゲルマン系の言葉だよね。

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ここも、二股人魚ラヴァ―とか碑文フリークとかじゃない限り、行かなくてもいいと思う。
でもね、アルザス・ロマネスクのサイトでは、どちらも比較的大きく取り上げられている場所なんで、外せない、と思っちゃうんだよね。とすると、マイナー的に取り上げられている教会だと、どういう状態なんだろうね。ロマネスク・オリジナルとしての数はあるけど、一般的なロマネスク・ファンが楽しめるレベルの教会は、かなり少ない、ということなんだな~。
多分、ゲルマン系とラテン系とか、様式の伝播とか、そういう研究をしている人向きの地域なんですよ、アルザスって。


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  1. 2022/10/15(土) 17:00:25|
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