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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

エミリアのロマネスク - ボローニャとモデナ

久しぶりに、汽車に乗ってお出かけして、エミリア街道沿いにある大都会、ボローニャとモデナを訪ねました。まずは、ボローニャのサント・ステファノ教会群。


ここを訪ねるのは、ちょうど6年ぶり。前回は、まだロマネスクにはまっていたわけではなかったのですが、ここのかわいさには、相当強い印象を受けました。特に煉瓦積みで造っているモザイクのような外壁模様は、「一つおうちにほしい!」と思うほど、好きでした。で、6年ぶりにみたら、やっぱり「かわいい~!」。ロマネスク的にも、素敵な柱頭やクリプタ、回廊など、狭い場所に見所が目白押し。普段、一つの場所にそんなに時間をとることはないのですが、ここは、正直、半日でもいられる気分でした。
さらにおかしいのが、売店にいる神父さん。すごいしゃべり魔で、たまたま他に客がいなかったので、入ったとたんにつかまり、20分以上おしゃべりに付き合わされました。聖職者の癖に、みやげ物も買わないで、写真だけ取りまくって帰ってしまう観光客のことを、かなりひどい言葉でののしりまくり。そんなら、入場料をとればいいのに!というと、「いや、それはなぁ、やはり教会だからまずいんじゃ。もごもご…。」実際、何らかのお金はとってもいいと思うんですけどね。全員が、蝋燭とか灯すわけでもないし。
それにしても、この教会のあるあたりは、ボローニャの中でもいい感じで、またいつか行きたいものです。そしたら、またこのドン何とかにつかまって、ののしりを聞かされるのかも、です。

そしてモデナのカテドラル。


ここは超有名だし、かなりでかいものだし、通常わたしの興味の範疇からは外れるタイプなのですが、やはりその有名=重要、ということで、一度ちゃんと見とかないと、というのがあったのです。それが、実際に見たら、案外好みだったので、やはり実物を見ないことには、分からないものです。
ただ残念なことに、大規模な修復作業中で、ファサードは前面足場に覆われていましたし、内部も、内陣周辺がお掃除中で、側に寄れませんでした。というわけで、修復の終了する頃に、また行かなければなりません。
上の写真は、すでにきれいに修復プラスお掃除が終わった部分で、真っ白になっていて、新品同様(?)。


気に入ったのは、多分ディテールのせいで、もうあっちこっちにいろんなフィギュアがあります。扉はファサードに三つ、南側に二つ、北側にひとつありますが、すべての扉が、様々な浮き彫りで飾られていて、それぞれモチーフが異なるので、大変面白いです。それを一個一個確認しながら見ていたら、一体何時間かかるだろう、という感じ。
内部もまた、天井が高くて、かなり普段好むロマネスクと遠いところにありますが、それでも決して冷たくないのです。クリプタ(上の写真)も、すばらしくて、柱頭にかわいらしいものがたくさんありました。

いやいや、どちらも、実によいところでした。ボローニャでいただいたランチも、大変おいしくておしゃれなお店で、満足感高い1日遠足でした。お付き合いいただいたボローニャ在住のFさんに大感謝です。
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  1. 2008/08/29(金) 05:20:19|
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ブリアンツァのロマネスク

 ミラノからレッコやコモとの間の地域がブリアンツァ。産業が盛んで経済的に成功している地域ですが、自然もまた美しい土地です。谷、緑に覆われた穏やかな山。その間に中小の町村が点在しています。そしてまた、小さなロマネスクの教会も、そこかしこに隠されています。
 有名なのは、ガッリアーノとかアリアーテ、チヴァーテですが、今回、短時間でちょっとお出かけ、と思って、マイナーな教会を訪ねてみました。一つ目は、ベサーナ・イン・ブリアンツァの外れにあるサン・ピエトロ・エ・パオロ教会。


 ファサードのポルタイユを飾るアーキヴォルトに、怪しい動物や人物像が彫刻されています。残念ながら思いっきり修復工事中で、すぐ近くにも寄れず、また全体像を見ることもできなかったのですが、それでも、一部、何とか。面白いです。本では、Vaprioのサン・コロンバーノにも似た、とありましたが、ちょっと違うかも。“変なものたち度”では、こちらの方がかなり変なようです。ただ彫刻のあるのは、このポルタイユの部分だけなので、価値は、内部もしっかりロマネスクが残されているVaprioの方が高そうです。
 もう一つは、Besanaよりもレッコよりにあるバルツアノのサン・サルヴァトーレ。


 村の外れの丘の上に建つ小さな礼拝堂。すでにいつの時代のものかよく分からなくなってますが、やはりここもポルタイユの部分に、それらしい彫刻がありました。なんか不思議な人の顔が彫られています。
 どちらも、ロマネスク的には、わざわざ行くほどの価値はないような代物ですが、わたしのように近所に住んでいて暇だったら、まぁいいのかなという感じのもの。ただベサーナのは、修復が終わる頃に、もう一度訊ねてみたいものです。なんといっても、この辺は本当に美しい土地で、ドライブをしていて楽しいのですよ。ヴァレーゼ方向も、同じように谷と山の続く土地ですが、こっちの谷の方が、高感度高し、です。
  1. 2008/08/24(日) 23:07:41|
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モト-チェコGP

 夏休み明け、久しぶりのレースに期待わくわくしていました。相変わらず調子のよさそうなPPのストーナーと、二番手発進のロッシの一騎打ちは予想していましたが、全く意外な展開に終わりましたね。正直がっかりです。抜きつ抜かれつの戦いの結果、ロッシが逃げ切る、というのがわたしにとっては理想のレース展開なので、そういう絡みがないレースって、クリープを入れないコーヒーなんですよね(死語?)。
 それにしてもストーナー、やはりまだまだ若い。せっかくトップで走っていながら、あそこで転んでリタイヤはいただけません。少しはレース展開、チャンピオン争いにつながる結果も考えてほしい。全然考えてないってことはないんでしょうが、なんかなぁ。それに、彼って、結局ぶっちぎるしか勝てるチャンスはないタイプって感じで。それはそれで大変なことだとは思うけど、とにかくつまらないレースしか生まないんですよね。ロッシがいて救われているけど。
 そういえばストーナー、前回の”失言”を、ロッシにこそっと謝ったらしいですね~。家族やスタッフになんか言われたんでしょうか。そーゆーのもなんか潔くないっていうか、いや、単に嫌いなんですけど。
 いずれにしても、ストーナーとロッシは、もはや違う世界で走ってます。今後どうなるのか分かりませんが、せめて絡むレースをしてほしい…。
 しかし、ミシュラン、困ったもんですね。今回ほど明らかに「ミシュランだめじゃん」という状況でも、誰も何もできないのでしょうか?ミシュランのだめさは、去年から分かっているのに。今日みたいな結果だと、ロッシがブリヂストンに換えてくれて、ほんとーによかった、と思います。
 今日の殊勲はカピロッシ。久しぶりの表彰台で、うれしかったです。中野もがんばりましたね。それから、最後の数周しか見なかったのですが、250のレースが面白かったですね。
 次回はいよいよミサノですが、多分旅行中で見られないと思います。メランドリも調子を上げてきているので、イタリア勢がいいレースをしてくれそうな。楽しみです。

  1. 2008/08/17(日) 23:11:51|
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マントヴァとその周辺-カノッサのマチルデ 

最近、カノッサのマチルデをテーマにした展覧会のポスターをあちこちで目にして、いつの間にか刷り込まれたのか、ちょっとマントヴァが気になっていました。それで、早起きして、マントヴァ近辺にあるロマネスクをいくつか訪ねてきました。マチルデゆかりの土地なので、しっかりと関連本もゲット。例によって、いつ読むのか、はたまたやはり積読で終わるのか、それは神のみぞ知るですけど。
それにしても、どこもすばらしくて、多分あまり有名でないのが、残念なほど。


(San Benedetto Po - Abbazia di Polirone)
まずは、そもそも気になった原因がこの修道院。というより、その中にある小さなロマネスクの教会を飾る、床モザイク。遺されているのは、さほど大きいものではないのですが、中世のモザイクというのはそんなにたくさんあるわけではないし、そして、ここのは保存状態は良好で、とても美しいのです。現在の教会は、ゴシック時代に拡張されて、ルネッサンス時代にジュリオ・ロマーノという有名な人が改修して、かなりぴかぴかのものとなっていますが、あちこちに少しずつロマネスクのかけらが遺されていて、ちょっとした宝探しの気分が味わえます。といっても、勿論一人で行っていたら、有名なモザイク以外は見落としていたはずですが、なんだかこの教会、暇なじさまたちが、たむろって、“勝手にガイド”してくれるんです。別に押し付けがましくもなく、でもしっかりと詳しくて、そして、何よりこのモニュメントが自慢、って言う熱意が伝わってくるよいガイドでした。本当は、修道院全部を回るツアーもやってくれるらしいのですが、今のところゴシック、特にルネサンスには興味がないので辞退。1時間くらいかかるそうだし、たぶんすごく熱心に説明してくれるんだろうな。
ちなみに、マチルデ展は、この町で8月31日から、来年1月11日まで開催だそうです。かなりリキ入ってました。田舎にありがちな感じの町で、別に中世の町並みってわけでもないのに、なぜか好きでした。修道院前がすごく広い空間で、その開放感かな。


(Mantova - Rotonda)
次は、マントヴァの町の中心にあるロトンダ。とても久しぶりのご対面。あれ、アルメンノのサン・トメにそっくりですね。修復する際に、かなりサン・トメを参考にしたとか、何かに書いてありました。内部も、残っている装飾はほとんどないけれど、ぶっとい円柱や素朴な柱頭がよい感じでした。マントヴァの町には、かなり観光客がいましたけど、ここにはあまり入ってこないのも、よかったです。やっぱり、まずはパラッツォ・ドゥカーレに行っちゃいますからね。


(Cavriana -Pieve)
そして、ミラノに戻る道で立ち寄ったのが、カブリアーナの教会。これはよかったですねぇ。特に期待がなかったせいもありますが、まず、ロケーションがすばらしい。そして、付け柱。ちょっときれいに修復しすぎのきらいは無きにしも非ずですが、でも、付け柱好きなので、OKです。内部も、とてもすがすがしくて、かなり気に入りました。古いフレスコ画がほんのちょっと残っています。
調べると、本当にいろいろありますね。期待しないで、なんとなくついでだから、といってみて、そしてすばらしいものに出会えると、すごく得した気分です。
ついているときは多分全部ついていて、今日はドライブも絶好調で、道もほとんど間違えず。高速でひゅん、だから、間違える方が難しいという話もありますが。
  1. 2008/08/17(日) 00:52:44|
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ロンバルディア、Valganna(ガンナ谷)


 全くもういやになります。去年はコモにてこずって、行く度に迷って、なかなか目的を達成できず、もう!本当にいやな町!と何度悪態をついたことでしょう。それが、今年になって、なんとなくスーッとスムーズに行くようになったと思ったら、伏兵が控えていました。ヴァレーゼ…。
 先日は、ミラノとヴァレーゼの間に広がる谷で散々うろうろしたのですが、ヴァレーゼの町外れにもちょっと引っかかって、そのときはなんだかわけの分からないままに一応抜け出していました。そういえば、免許取立ての頃は、何度かこちら方面に来ていますが、最初はミラノの町を出ることすらできなかった記憶が…。鬼門?

今回は、ヴァレーゼの先、スイスとの国境方面にあるガンナ谷の修道院を目指しました。といってもヴァレーゼの町を出てすぐの場所です。地図で見る限りではかなり分かりやすかったのです。ところが、まず国道で行ったのが失敗で、この国道Varesinaを使用したのは久しぶりだったのですが、ComoやLecco方面への道と違って、全く普通の道で、延々と町村を通って続いていきます(ComoやLeccoへの国道は、準高速で、信号すらない高速道路並みでありながら、無料。全行程ではありませんが)。だから基本的にスピードが出せない。その上、連休の前日だからか、多くの町村の周辺で、大型スーパー周辺の道が必ず渋滞しています。はぁぁ。迷ってもいないのに、結局ヴァレーゼにたどりつくのに1時間以上です。50キロくらいですし、山道でもないのですから、ありえません。
 そして、かすって直接北の方に抜ければいいのに、なぜか町中に入ってしまうのです。この辺が方向音痴ゆえんというか、避けようと思っているのにあえて避けている方に行ってしまうこと、しばしばあります。もう夏休み真っ盛りの時期なのに、何でこんな車が多いの!?と八つ当たりしたくなるほど、車が走っていて、路肩に停めてゆっくり状況を見極めることもできないまま、それでも何とかスイス方面の表示にしたがって、やっと谷に向かうことができましたが、すでに30分以上。はぁぁ。
 この谷に向かう道は、とても美しいドライブ・ウェイで、これは楽しいドライブでしたが、そうこうしているうちに、雲行きが怪しくなり、まぁ、この日は、そういうこともあるかな、と朝早くに出てきたのですが、今にも雨になりそうなそういう状況になってきました。
 それで、やっとたどりついたのが、目的地Gannaの町外れにあるMonastero di San Gemolo、サン・ジェモロ修道院です。特に何を期待したわけでもなく、ガイド・ブックで見つけて、近いし、ちょいと出かけるには、いいな、と漠然と思っただけ。幸いあいていたのですが、なんか、すごく苦労して来たけど、そうですか、こういう感じですか、って、別に修道院のせいじゃないですけど、ちょっと脱力しました。
 すでに不穏な風が吹き、空気が冷たくなってきて、空は真っ黒な雲で半分ぐらいが覆われています。この先、スイスの国境近くにも、行ってみたい村がありましたが、もはや気力もなく、そのまま引き返すことにしました。
 そんで持って、帰りは、もう絶対何が何でも高速だもんね!と決めていましたので、あっという間に帰れるものという期待で出発。しかし、ヴァレーゼのいやなところは、高速に入るのも、とっても遠い!高速については、結構表示もあるので、まず間違えることはないのに、思いっきり…。いきなり左折、いきなりほぼ停止、とかの繰り返しで、さぞや多くの後続ドライバーに迷惑をかけたことでしょう。やっと高速に入ったときは、うれしかったですね~。普段は120キロから時々130キロくらいがわたしの標準時速なのですが、130/140キロとかだしまくって、このヤローっとか気合を入れると、警察の車が走っていて、あわててスピードを落としてみたり。
 それにしても、高速道路って、ありがたいものです。つくづくお金を払う価値があるよな、と感心しました。それも、ミラノからこちら方面って、安いんですよね~。
 ということで、ロマネスク話題のはずなのに、わたしのドライブ音痴の愚痴の巻となりました。ガンナの谷は、多分よいところですが、修道院は、う~ん。ロマネスク式のChiostroに加えて、ゴシック式のものも一部残っていて、それを一生懸命修復していましたので、近い将来には何かの施設にでもするのかもしれません。そしたらまた印象も変わるのかも。

  1. 2008/08/15(金) 23:57:25|
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ロンバルディア、ヴァレーゼ周辺のロマネスクおよび初期キリスト教





あまり下調べもせず、近いし、ま、適当に…、なんて感じで出かけて、結果、道には迷うし、訊ねようと思いながらもちゃんとメモとかしてないから、何を訊ねるんだかよく分からなくなるは…。やはり下準備を怠ってはいけません。
まずは、セスト・カレンデにある、Monastero di San Donato。ガイド・ブックとかで読んでいて、廃墟と思い込んでいたのに、なんとちゃんと現役で、あれ?でした。外見は、一応ロマネスクながら、なんかあまり期待できないし~、でも、クリプタがよさそうなので、先週のCollecchioに続き、またまたミサの終わるのを待つ羽目になり、結局最後の15分くらい、静かに参加しました。最近のわたしは、信者でもないのに、名前だけキリスト教徒のイタリア人より、まじめですね。
期待してなかったのに、かわいらしい柱頭がたくさんあったのがうれしかったです。これは、また歴史をお勉強しないとなりません。
同じ町の外れに、小さな礼拝堂があるらしいので、ミサを待つ間に、そちらも行って見ました。San Vincenzo礼拝堂。緑の中にある、典型的な小さなロマネスク礼拝堂でした。かわいらしいです。残念ながら、扉は閉ざされていました。近所に農家があり、おじさんが働いていたので、鍵のありかが分かるか尋ねたところ、市役所で管理してるし、普段は絶対あけてくれないということでした。なんでも、教会前にあった石のベンチが盗まれたりということあったりで、そういうことになってしまったらしいです。中は美しいフレスコ画があり、地下にあった昔の墓地の様子が見られるように、ガラス張りになっていたり、お話を聞くと、とても興味深いのに、残念です。とりあえず、小さな窓から、内部の後陣とそこにあるフレスコ画はちょっと見えましたけど。それにしてもフレンドリーなおじさんでした。この近所に、氷河時代の大岩があってすごいから、是非行きなさい、と観光ガイドまでしてくれました。
さて、セストのあとは、Castelseprioという町に移動です。これが苦労しました。地図でみていても、多分分からないだろうな、と思ったのですが、案の定。この地域は谷が続いているので、登ったり降りたり、同じ道を行ったり来たりもしたような気がします。その上、いきなり工事で通行止めとかもあったりして、距離は結構近いのに、1時間以上走っていたような。全くこの方向音痴は困ったものです。でも昔に比べると粘り強くなったかも。前だったら、この時点で、もうミラノに向かっていました。
Castelseprioには、ローマ時代後期の町の跡と、中世の教会の廃墟、そして今でもフレスコ画を保存している7/8世紀建立の教会があります。自然公園のようになっていて、とても美しいところです。そこで、Chiesa di Santa Maria foris PortasとMonastero di Torbaを訪れ、7/8世紀のものとされるフレスコ画を見てきました。これから、歴史など紐解かないとどういうものかわからないんですが、ローマから来ている感じ。明らかに中世の絵よりうまいって言うか、ビザンチンの影響ないし、ロマネスク時代の絵とは全然違います。
ああ、またいろいろと勉強したいことができてしまいました。遊びに行くのは簡単なんだけど、あとがなかなか片付かないので困ります。でもこのようにお天気がよくて、バカンス真っ最中なので、人も車も少ないこの時期は、教会めぐりにはなかなかよいのですよねえ。今週はFerragostoでお休みも多いし、またお出かけ必至。迷っても、やっぱりドライブは楽しいしね!願わくば、次回は、ちゃんとご飯の時間にちゃんと何かを食べられるようなパターンにしなくては、と思います。最近、求道者状態で、飲まず食わずの行脚が続いちゃって、いやんなっちゃいます。

  1. 2008/08/11(月) 01:44:37|
  2. ロンバルディア・ロマネスク
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ターロ川周辺のロマネスク




久しぶりにロング・ドライブをしたくて、パルマの南にあるターロ川周辺のロマネスクを回ってきました。教会そのものは、後代に結構手が入っていて、様式も変わっていたりするようですが、ポルタイユの装飾とか、柱頭にある、いかにもロマネスクの彫刻が、前から気になっていたのです。
朝一番にミラノを出て、Fornovo di Taro、Collecchio、Vicofertile、San Pancrazioと、なんと四つもの教会を回ってしまいました。どこも、全体としては今ひとつなのですが、気になっていた彫刻などのディテールが、大変すばらしいものでした。特に印象深いのは、Vicofertile。超有名な洗礼盤、そしてかわいらしい数々の柱頭。建物も、特に内部は、古い状態で残されていて、とても感じのよいものでした。それにしてもロケーションが、逆説的に印象的だったのです。
コッレッキオから来て、Vicofertileの標識があった途端、目の前の四つ角のかどっこにあるのです。外見は、ゴシック風になっていますし、これ?こんな簡単に見つかっちゃっていいの?いや、違うだろう。でも町の中心部はどこなんだろう?って感じで逡巡しつつ、教会に近寄ると、まさに探していたものでした。パルマとかエミリア街道に通じる道の交差点ですから、車は行きかうものの、歩いている人はいないし、これが町の中心なの?という感じの場所です。
それに、教会も、開いている気配もないのです。そっと扉を押してみたら、あいていたんですけど。しかし、いざ中に入ると、別世界。いきなり山奥のロマネスク教会にトリップです。
コッレッキオでは、ちょうどミサの時間にあたってしまい、30分以上、お相伴(?)する羽目になりました。久しぶりに教会のミサに触れました。やっぱり肌に合わないな、と。しかし驚いたのは、高校生くらいの若者もいっぱい参加していたこと。やはり田舎は違います。教会が、ミーティング・ポイントなんですよね。日曜日、じゃぁ、ミサのあと、バールに行こうぜ、とかそういうノリを感じました。
ずっといてしまったので、仕方なく献金もして、隣人と仲良く、というお約束のシーンでは、周りから差し出された手を拒むわけにも行かず…。ロマネスク行脚も、容易ではないな、と思った瞬間でした。がんばってミサに付き合ったおかげで、そのあと、柱頭にある二股人魚を拝むことができましたけど、でもミサが終わると、あっという間に灯りが落とされるので、残念ながら、写真のできは今ひとつでした。
Fornovoでは、夏祭りのようで、祭りの準備で町中が浮かれている感じでした。中世の衣装(派手なタイツなど)を身に着けているおにいちゃんたちがうろうろしていたので、何か行事もあったのでしょうが、わたしは先を急ぐ旅だったので、何も見ずに町をあとにしました。
サン・パンクラツィオは、街道沿いにある、外観のほとんどはすでにロマネスクの匂いを残していない大変醜い教会です。本当に、哀しいくらい醜くて、ひるみました。でも、プレロマネスクの時代のものとされるフレスコ画がほんのちょっと残っていて、それがとてもかわいらしくて、それをみられただけでも、しまる時間ぎりぎりでしたけど、無理やりいってみてよかったです。本当にかわいらしいんですから。
そういえば、普通ロマネスクの教会がある町って、町そのものが、美術品のようにかわいらしいところが多いのですが、今回訊ねた土地は、本当にどこも、何もないただの田舎町でした。

  1. 2008/08/05(火) 05:56:57|
  2. エミリア・ロマーニャ・ロマネスク
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