へこんでます。
やっぱり一筋縄ではいかないというか、いろいろあるなっていうか。
イタリアでは、ヨーロッパの中では珍しく、日本同様に退職金制度があり、自分の住まいとなるおうちを買う際(別荘とかはだめ)、その前払いをお願いできる制度があります。ですから、今回当然それを見込んで、前払いでもらえるお金を織り込んで、頭金払ったり、その後必要になる改装費や家具、公証人費用などの算段を考えていました。見込み額は1万ユーロほどだったので、かなり重要性が高いものでした。
前もって人事に書式をお願いしてあり、仮契約の書類が整った時点で、書式に記入して、仮契約書を添付して送付しました。
そしたら「前払いの資格を満たしていないので、残念ながら手続き不可」、という無慈悲なEメールが…。
今週は仕事が忙しくて、ばたばたとしているのですが、一瞬呆然としたあと、こりゃ仕事どころじゃないわい!とすぐ担当者に電話をして、説明を求めました。どうも数年前に退職金の取り扱い方法が法律的に変わったせいで、本来わたしにはあったはずの資格がなくなったということです。2年後には、申請できますよ、ってあっさり言われてしまいました。2年後じゃどうしようもないんです~!
この人のせいじゃないし、言っても無駄、と思いながらも、どうしても納得できず、半分涙声になりつつ、でもでも、これがないと、すべての計算が狂っちゃうし、マジで困るんですぅ、なんて訴えてしまいましたが、勿論どうなるものでもありません。
ローンの話もどんどん進んでいますから、いまさら増額をお願いするのは難しいし、それに、最後の最後で、頭金を増やしてしまったのもあって、それでローンの金額を増やすのもばかばかしすぎます。もう少し早く教えてくれていたら…、と悔しい気持ちでいっぱい。
もともと、家具を購入する予算は、かなり減っていたのですが、これでますます目減りです。当面、みかん箱生活?うへ~。
改築も、思いっきりやろうと思っていたのに、これじゃ最低限しかできそうもなく、憧れの全床フローリングよ、さよ~なら~って感じです。
ま、仕方ないですね。
ひとしきりお金の計算をして、まぁ飢え死にすることはないし!と安心したあとは、かえってやる気が出てきて、先延ばしにしていた改築業者へのコンタクトを取ったり、不動産屋に事務連絡をしたり、と前向きになれました。
ローンの件で連絡があり、20年だとちょっと厳しいから、すんなり査定を通すためにも25年にしたらどうかという連絡を、この前に受けていて、了解していたのも、結果的にはラッキーです。25年だと、月々の支払金額は、まさに今の家賃並みなので、家具代くらい、すぐに貯まるでしょう!そう考えると、色々のことが、いつも結果的には吉となるので、やっぱりついているのかも!と無理やり言い聞かせるわたし。あまり考えたくないので、今日は早く寝ます。
やった~!
仮契約、サインしてきました!
もう後戻りなし。っていうか、後戻りするには、頭金の倍の違約金を払う必要があるので、絶対無理。売主がするならありだけど、できれば、それもないことを祈るのみです。だって、こんなに気に入るおうちに出会うのは、容易なことじゃないのがすでに分かってますからね。
なんか昨日の夜からドキドキしだして、朝も目覚まし時計より先に目が覚めちゃうし、うわ~どうしよう~、といても立ってもいられずに、早すぎる時間に家を出てしまう有様でした。
準備は万端かというと、実は必要な現金の計算を間違えて、朝引き出しに行くというアワアワ状態。こんなんで契約書にサインって大丈夫なのかな~。
でも運転してたら落ち着いたし、ちょっと早すぎるので、当のおうちに立ち寄ってみました。長雨のあと、久しぶりの晴天。これもなんかうれしくなる偶然です。そして、家の前に広がる公園をゆるゆると歩きながら、あそこかぁ、おうちを眺めました。やっぱり、すごく好き。考えたら、こんなにゆっくり眺めたのは初めてで、あ、屋根が古いな、外壁も数年後には塗りなおしが必要になるのかな、とか欠点も目に付いたのですが、それでもなおかつ大好きで、よかった、と満足して事務所に向かいました。ここで、え?こんなの?って感じちゃったら悲劇ですよね。
事務所にはすでに売主が来ていて、仮契約の書類もすべてサインをするばかりになっていました。頭金の小切手を切り、サインをして、不動産屋のコミッションを払って、今日やることはお仕舞い。あとは10日後に登記して、ローンの最終承認を待つばかりです。時間があったので、その足でローン担当者を訪ねました。ローンそのものが組めるというのは、すでに確認されていたので、後は、わたしの希望する20年でいけるか、または25年とか30年とかいわれるかどうかです。何とか年内に査定が終わるとよいのですけれど。
気になっていた内装工事の話も、登記のときに業者とアポを取ってもらえることになりました。
ああ、買ってしまったんですね、わたし!
帰宅して友人に電話して、サインしてきたよ!と話しているうちに気持ちが盛り上がって、喜びのおたけび!やった!とうとうおうち持ち!完全なるユーフォリア状態です。ま、10分くらい。
ローンはどうだろう、内装の工事はどうなるだろう、と悶々としていた先週の気分に比べると、ユーフォリアが冷めても、クヨクヨは来ていません。話が具体的に回りだしたからでしょうね。そして、改めてみたおうちが、やはり大好きだと確信できたからでもありそうです。
明日は、イケアでも行こうかな。来週は別の家具屋さんに行く予定だし。普段のお買い物に比べると、ゼロが三つほど余計についている金額がバンバン出て行って、一瞬不安になるけど、でも金額的にあまりにも日常的でないので、実感もなく、小切手ばんばん切っています。ただ、今月末の口座残高見たらびびりそうです。ああ、会社で退職金の前払い、急いで手続きしないと!
ルンルン。早く鍵を入手したいものです。
ああ、思わぬ伏兵が…!
まさかローンを組むのに問題勃発とは、予想外でした。家を見始めたかなり最初の頃、ある不動産屋でいきなりファイナンシャル・コンサルタントまで紹介されて、彼が、大体こんな感じかな、とわたしの所得額からローン金額を計算してくれたことがあります。それで、なるほど、思ったよりは借りられるのだな、と思ったのが、今おもえば失敗の元。それで、金額とかローンの限度とか、そういうことはすっかり抜け落ちて、「思ったより借りられるみたいだ」という印象だけが先行して、その後、多少予算を上げても大丈夫、と思い込んでしまったのですから。
買うのを決めたおうちは、エレベーターもないし、内部を全面的に改装する必要があるため、それまで見たどの家よりも、不動産価格そのものは安いのです。でも、内装にかなりお金がかかるので、考えていた頭金の一部は、現金で持っている必要があり、必然的に、借りるお金が大きくなります。本来は、できる限り頭金を払って、ローンは少しでも減らす、という方針を立てていたので、大きな方向転換です。それでも、不動産そのものの値段が低いので、いずれにしても、ここまでは借りられそうだ、と思った金額よりは、若干低い金額で済みそうでした。
で、早速ローンの話を聞きに、自分の口座のある金融機関に行ったのです。
そしたら、大体月給の30%が限度なんですけど、といわれて、まずガーン。だって、最初のファイナンシャル・コンサルタントは、40から45%って言ってたし!そんでもって、わたしの月給と年収の明細を見て、このくらいなら、まぁ何とかぎりぎり20年でいけるか、場合によっては25年にすれば、楽勝だね、って言ってたし!
しかし、話を聞いていると、25年でも何でも、どう転んでも無理じゃん、という感じなんです。
イタリアのお給料は、業界ごとでシステムが決まっていて、わたしの場合、多くのサービス業界同様、月給x14が年収となります。12ヶ月に加えて、年に2回、月給と同額のボーナスがあり、これは日本のボーナスのように変動するものではありません。その上わたしの場合、会社の社内的な方針で、これ以外にもボーナス的な一時金があり、こちらも固定で、増えることはあっても減ることはないのですが、ただ、ローンを組むなどの場合、残念ながら、そういう一時金的性質のお金は、カウントしてくれないようです。
そういうわけで、わたしの月給は、実際の所得から言えば、低めに設定されているわけで、当然ローンの金額も、そこから計算されてしまうので、リミットも低くなるわけです。
がーん。
とりあえず査定にはまわすから、早く必要書類を調えてね、といわれたものの、どうやら査定に1ヶ月くらいかかるようです。その結果、だめ、といわれたら、そこからまた他のローンを探す暇があるのかな?時間的リミットは1月半ば。うわ~、あせります。仮契約を済ませてしまえば、後戻りは絶対できないし、1月半ばまでにローンが組めないと、契約違反となり、仮契約時に払う頭金の倍額返しの上、契約破棄となるらしいです。うわ~、どうしたらいいんだろう!?
あの不安むくむくは、結構本能的にこういう可能性を予測していたせいだったのかな。
さてさて、どうなることやら!
ふふふ、決まった!
太陽の出ている時間に見たい、とできれば週末に再訪したい旨お願いしたところ、なんとこの前の土曜日は祝日であるにもかかわらず、すぐ売主に電話して、正午くらいならいいよ!とアポを取ってくれたのです。そして、訪問のあと、事務所で契約の話をしましょうということになりました。
どうもそのときは祝日であることをあまり認識していなくて、もう一度見られることに安堵して帰宅したものの、あれ?祝日に売主はともかく、不動産屋は働くの?と疑問が…。それに、普通は前日とか当日にアポ確認の電話が入るのに、今回はありません。あれ、やっぱり見せるだけで、契約の話は来週になるのかな、と半信半疑ながら、でも念の為、あわてて小切手を用意しました(普段使わないもので、持ってなかったんです)。
見たいという友人一人連れて、現場へ。営業の男の子と、不動産屋の経営者のオヤジが、売主と立ち話をして待っていました。太陽の下で見ると、改めて、「かわいいじゃん!」と思ってしまう建物です。同行の友人も、いきなり、「これ?いいよ、これはいいよ!」と興奮気味。
そして中に入り、階段を登りますが、その階段も手すりも、レトロな感じで、かわいい!さて、アパートです。
中は、公園に面した大きな居間、ちょっと小さいけど、ダブル・ベッドと箪笥、もしかしたら机も置けそうな寝室、そして小さい小さい台所と風呂場。でも台所は思ったよりスペースがあったし、あとは工夫で何とかなりそうです。同行者は、もうすっかり気に入ってしまって、わたしもすっかり背中を押された状態です。
実は、前日に、最後のアパートになるかも、と思いつつ、これまで熱心に営業を続けてくれた近所の不動産屋の紹介してくれたアパートを見に行きました。熱心すぎて、ちょっと辟易、という不動産屋だったんですが、今回の物件はなかなかよくて、正直、初めて、わたしの譲れない条件ほとんどすべてを満たしている物件でした。でも、感じるものがなかった。間取り図とか描いてみたり、いろいろ考えたのですが、やはり感じるものがない、という部分で、迷いは吹っ切れました(でもこの不動産屋にはちょっと悪い気もします、ちょっとだけ)。
その上、友人が背中を押してくれたので、もう迷いはなく、アパートのあと、近所の事務所に行き、手付けの書類を作成し、手付金の小切手を切りました。とりあえずは5千ユーロなので、まぁわたしの実感できる範囲だし、買い物的には、過去にもっと高い金額の車を買っているので、まだまだ、と思いますが、契約が成立すれば、1万ユーロ単位でお金が出て行きます。そして20年ローン…!
さて、そして週明け、こっちからのオファーに対して、売主は、もうちょっと色をつけてよ、ということで、ほんのちょっとだけ、こっちの出した金額より高い金額を言ってきました。不動産屋にしても、これ以上は譲れないよ、ということだし、実際、これだけ好きになれる物件は今後でなそうだから、受けてきました。金銭感覚、麻痺しつつある気がします。だって、ほんのちょっとだけ、とか言ってますが、冷静に考えると…。いや、多分ここはあまり冷静になると、ことが運ばないようにも思います。
2週間後に仮契約、その後ローンを組んで、本契約となります。うまく行けば、何とか年内に話がまとまりそうです。
こんな大きな買い物、人生初めてのことなので、実は決めた直後から、喜びより不安がむくむく…。
まだまだレポート、リアル・タイムで続きます。
長年賃貸暮らしをしてきたけど、いよいよ慣れ親しんだアパートを追い出されることになりました。で、いまさら改めて賃貸もないだろう、とこの一ヶ月ほど、売り家を見て回っています。
1990年代の後半から、不動産価格は上昇の一途をたどり、ユーロへの通貨統合後は、物価全般がそれまでの二倍になるというインフレ状態で、この数年、ミラノ市内の不動産価格は、異常な高騰を遂げ、とても独り者の会社員の手が出せるレベルではありませんでした。
今思えば、ユーロになる前は、高いといっても今の半額以下。ああ、あの時無理してでも買っておけば、と思うことしきりですが、まさに後の祭り。たとえば、我が家のお隣は、かなり小さくて、あんなとこ無理!と10年ほど前売りに出たとき、近所の人に勧められたのに見向きもしなかったのですが、今となって思えば、あの値段では、いまやガレージしか買えない、逆にいえば、ガレージ程度のお値段で、自分の家が持てたんです~。
そういう時代に、まぁ頭金もないし、収入も低かったのは確かとは言え、まず不動産を買う気が無かったんですよね。バカバカ、大馬鹿ヤロウです。
ま、その不動産バブルも去年くらいからちょっと落ち着きを見せて、高値安定、という時期に入りました。高額物件は、じりじりと価格を下げています。不動産を買うタイミングとしては、決して悪くないのですが、でも、アメリカのサブプライム問題やリーマン破綻で、いきなり金融不安ですから、もう少し先延ばしした方がベターなのかなとも思います。でも買いたいと思ったときが買いどき、と思い、先行きどうなろうが気にせず、探している毎日なんです。
基本的に近所の不動産屋を回って、大体条件に合う物件を紹介してもらい、毎週3~4件見ています。でも全然よいのがなくて、落ち込みます。2階以上、エレベーターあり、最低二部屋、バスルームには浴槽(シャワーだけ、というのはだめ)、温水器はガス(電気のは、高い上にお湯量のリミットがあって、のんびりお風呂につかれない。といっても、直近で風呂に入ったのは2年前とかですが)、小さくてもいいからバルコニー付、目の前に他の建物がない(眺めのよい部屋、とまでは言わないまでも、すぐ前が他の家、というのはちょっと)、入居前の改築が最低限ですむ(中古物件なので、壁塗り程度は必至ですが、あまり大きな修復はしたくない)、できれば駐車場付、だめでも近所に路上駐車が楽にできる、といったところがわたしの必須条件ですが、これまで15件以上見て、それすべてを満たす物件には出会えていません。
勿論100%完璧な物件に出会えるとは思っていません。気に入る家に会えれば、これは条件クリアしてないけど、でも譲れる、という部分が出てくるのだと思います。
ま、いずれにしても難しいのは確かで、見ても見てもぴぴっと感じる物件に会えず、少々めげてきた頃、全く期待せずに見に行ったお家が、意外にもすごくよくて、ほとんどすべての条件をクリアしていました。唯一つ、どうしても譲れない点がクリアできてないので、やっぱりだめなんですが、でも全く期待していなかっただけにインパクト大きく、あ、探せばやっぱりあるんだ!といきなり気分が元気になってきました。
譲れない点とは、窓の開いている方向が建物の中庭で、中庭はぐるりと建物で囲まれている上に、そのアパートは1階なので、まるで井戸の底にいるような状態なのです。この閉塞感は絶対だめ。もともとのアパートのつくりがかわいらしい上に、引渡しの前に全部きれいにするから、新築同様の中身になるらしいし、さらにお値段もとてもリーズナブルなので、悔しいことこの上なし。
そして、同じ不動産屋が、その近所の物件を紹介してくれました。そこは実は、以前ぶらぶらと歩いたときにチェックしていた家でした。建物はすごくかわいらしくて、目の前が公園なので、眺めの問題はなし。ただ2階だけどエレベーターがないのが明らかだったので、こちらから問い合わせはしていなかったのです。だめもと、と思って見に行きました。
ところが、これが来ちゃったんですね。あ、いいじゃん、と。
階段はやはりエレベーターに比べたら面倒だししんどいですが、でもたかが2階(日本では3階)。居間に小さいけど石造りのかわいらしいバルコニーが付いていて、目の前の公園を全体に見晴らす感じです。
中は相当古びていて、実際この数年人は住んでいない状態ということ、納得。暖房設備もないので、かなり大掛かりな改装工事が必要となります。
でも不動産屋も心得たものというか、すでに改装全般の見積もりをやっていて、おおよその経費を教えてくれました。その分、売主は多分言い値を下げるから、というアドバイスとともに。
そう、ここは不動産屋もなかなか感じがよくて、これもポイント高かったのです。
この週末、日のあるうちにもう一度見て、まずは売値がちょっと高いので、こっちのオファーを出す運びとなります。どうなることやら!
Author:Notaromanica
ミラノ在住で、ロマネスクが大好きで、主にイタリア、フランス、スペインを回っています。