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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

マルケその2-Osimo



朝一番、バスでオジモという町に向かいます。ここにはロマネスクのカテドラルがあり、そのディテールがなんだか気になっていたし、中世の町並み、ということで、ちょいと期待していました。
バスは、アンコナの国鉄駅前から出発なので、駅前ホテルに泊まっている価値があります。移動には本当にらくちん。
朝一番で出発です。もう旅も終わりに近づいていたし、持ち歩いていたのに結局全然使ってないスケッチ帳を抱えて、せめて最後に幾枚かでも書くぞ、という意気込みももって。

ん?町らしい様子もない道端にバスが停まります。Osimo?そうだよ。え?町はどこだろう、と思いながら、人々のあとについていくと、なんと!ケーブルカーです。これで一気に旧市街にアクセスできるのです。
イタリア中部は岳上都市が多く、ペルージャやアッシジなどエスカレーターを使っているところは結構ありますが、ケーブルカーは初めてでした。無料ですから、子供が登ったり降りたりして遊んでいたりするようでした。ほんの数分の行程ですが、ケーブルカーって日常の乗り物じゃないので、とても旅行っぽくて楽しいものです。地元の人にとってはうっとうしいなぁ、というのもあるでしょうけれど、少なくとも坂道をぐるぐると遠回りするバスなどより、よほど便利に違いありません。
そういうわけで、何の特徴もない下界の新市街から、一気に中世の旧市街へ。
この町のえらいところは、ケーブルカーを降りたところから、観光案内所への表示が道の角々に付けられていて、情報を持っていなくても、ほぼ迷わずたどりつけるところです。超のつく方向音痴のわたしがたどりつけたので、これはすごいことです。
しかし!旧市街は、一体何がおこったの?というような混雑振りでした。町の主だった道は、青空市場で、ほぼ全部屋台でびっしり、そして近隣からも集まっているのか、すごい人出です。うへ~、これじゃスケッチどころじゃないわ、という状態です。
まずは観光案内所に行き、資料をもらったりしますが、とても愛想のない事務所で、やる気全くなし。せっかく外人のわたしが訪ねているのに、熱意ゼロ。これでまた気が抜けて、なんだかあまり長居したくもない町だなぁ、とちょっとがっかりしました。案内所への表示があれだけしっかりしているのに、この熱意ゼロ状態は、なんだか矛盾しています。
まぁ、本来の目的であるロマネスクを見られればいいや、と早速カテドラルを目指します。
その途中、立派な市庁舎の建物の中に、ローマ時代の彫刻がたくさん飾られていたので、すばやくチェック。ここも昔からそれなりに繁栄していた町だったようです。
そして待望のカテドラル。


このバラ窓を取り囲む、飛び出す絵本状態の彫刻が、とても気になっていたものです。結構高い位置にあるので、肉眼だと、あまりよく見えなかったのが残念でした。でもなんかかわいらしいです。
ここは、そのほかにもかわいらしい彫刻や浮き彫りがあちこちにあり、楽しい教会です。
内部には、とても立派なクリプタもあります。


修復もかなりされていて、外観も中も相当美しくなっていました。クリプタなど、階段を下りていくと自動的に灯りがつくシステムで、こういうハイテク(というほどのものではありませんが)設備は、便利だなぁ、と感心しました。灯りといっても、勿論無粋な蛍光灯ではなく、オレンジっぽい白熱灯の、邪魔にならない光です。
サイトの方で、是非細部を紹介したいと思います。

残念だったのは、付属美術館がしまっていたこと。本来あいているはずだったのですが、なぜか。ま、ありがちなことです。かわいらしいライオンの彫刻があるようだったので、楽しみにしていたんですけどね。

お仕舞い。市場の混雑で、のんびり過ごすことも出来ないので、さっさとアンコナに引き返して、午後はまた別の観光をすることにしました。また忙しい一日になってしまいました。
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  1. 2009/01/30(金) 06:12:22|
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不動産 - 内装業者

いよいよです~!
内装業者に手付けを払い、建物の管理会社に連絡をし、入り口のところに、工事でご迷惑をかけることをお知らせして、準備万端です。
内装は、不動産屋さんで懇意の不動産屋を紹介してくれて、すでに彼らの見積もりをもらっていたのですが、かなりのお値段の大工事でもあり、やはりもう一つくらい比較のために見積もりがほしいな、と考えていました。でも特にあてもないし、またもらった見積もりを知人にチェックしてもらっても、それなりに納得できるお値段および内容だったので、まぁこれでいいのかな、と思っていました。
でもある日、近所のオバサンと立ち話をしていて、不動産は見つかったんだけど、かなり大きな改装が必要で云々ということを言ったら、あら、なぜ彼に頼まないの?ということで、すっかり忘れていたかつてのお隣さんのアルバニア人のことを、思い出させてくれました。
もう5,6年前に、はす向かいの建物にアパートを買って、引っ越した人ですが、そういえば、左官のような仕事をしていたはずです。近所のオバサンはすごく親切な人で、奥さんとはよく会うから、話を通しておくわね、電話番号も聞いておくから、ということでした。
それで数日後、ちゃんと電話番号を持ってきてくれました。
お隣同士だったときに、特に仲良しだったわけではないのですが、奥さんは感じのよい人だし、会えば挨拶したり、ちょっとおしゃべりくらいはする関係でした。それで見積もりをお願いしたところ、結構プロフェッショナルで、印象がよかったのです。
すでに持っている見積よりは多少高かったのですが、内容的には、濃い(様な気がする)ものでした。それに何より、知っている人、というのは安心感があります。
で、結局彼に頼むことにしました。不動産屋は、なんで?値段のことだったら、もうちょっと勉強させられると思うわよ!とこだわっていましたが。
そのアルバニア人の彼は、フローリング専門の人ですが、彼が、いつも一緒に仕事を請け負う電気技師や水道管技術者を手配してくれて、それで、彼らとも個々に打ち合わせをしながら進めていくことになります。
それにしても、えらいなぁ、と感心しています。
彼が、お隣に住んでいたとき、わたしが賃貸している家よりも小さな家で、彼ら夫婦(当時子供一人)と、兄夫婦(こちらも子供一人)の二世帯6人で暮らしていました。
アルバニアがおかしくなって、大量の人々が、漁船などに鈴なりになって、イタリアのアドリア海側から密入国してきていたのが、わたしがミラノに来た最初の夏、1991年のこと。その夏、友人を訪ねてクロアチアに行こうとしていたわたしは、その大量のアルバニア人たちを強制送還するために、多くの船が使用されて、それで、アンコナから船で行こうとしていたわたしの足がなくなってしまったので、ちくしょ~、アルバニア人のおかげで…!と思ったために、よく覚えているのです。
彼がイタリアにやってきたのも、おそらくその頃の話だと思います。お隣さんになったのは、多分十年くらい前の話で、最初は、兄夫婦がいて、奥さんの方とは結構仲良くしていたのですが、子供の病気治療を理由にして来たということで、当時、彼女が女中さんのような仕事をしていたお金持ちの雇い主の計らいで、弁護士を立てて、長期にイタリア滞在できるような書類を申請していたことを覚えています。そうこうするうちに、今回仕事を頼んでいる弟夫婦が、同じアパートにやってきたのです。
狭いおうちに、その二世帯で、5年くらい住んでいたのでしょうか。兄夫婦は、雇い主の金持ちに気に入られて、彼らの家の近所に無償でアパートを世話してもらって出て行くことになり、同時に、弟夫婦は、はす向かいの建物におうちを買ったのです。
内装の仕事は現金商売だし、かなり儲かるらしいのです。それにしても、難民状態で移住してきて、20年もたたずに、自営業で成功して、子供3人も作って、たいしたものだなぁ、と、ただ感心するわたしなのです。
あの人がいるじゃない、といってくれた近所のオバサン(結構ビンボー)は、なんと、彼らのベビーシッターをしていたのでした。
そういう人なので、だますとか、ぼるとかそういうことはないような気がしています。また彼が内装した彼らの家を実例として見せてもらいましたが、さすがフローリング専門だけあって、とても凝った素敵な床でした。
わたしの憧れは、浴室と台所以外は全部フローリングにして、はだしで生活できる家だったのですが、一般的にフローリングはタイルや石の床よりも高いので、とても出来ないとあきらめていました。でも彼は、フローリング信者ですから、いや、絶対その方がいいよ、別に倍もかかるわけじゃないのだから、僕としては浴室以外はフローリングを勧める!ということで、台所は勘弁してもらったのですが、全面やれることになったのです。
わりと最近改装した友人に聞いたら、相当安い見積もりをしてくれたようです。
全体にこだわりがあり、完璧主義傾向が強く、せっかくやるなら、ここも、あそこも、という感じで、いや、ここは近い将来に、お金が出来たら頼むから、といっていたバルコニーまで、黙っていたらどんどんきれいにされてしまいそうです。お金もしっかり稼ぐけど、職人魂がすごくあるというか、やはり全体をいじる大きい仕事は楽しいし、いろいろやりたくなっちゃうらしいです。私の場合は、経済的リミットがあるということをもうちょっと分かってくれたらありがたいとは思うのですが、でも仕事だから仕方なくやるっていうのじゃなくて、こうしたらいいじゃない、と一緒に楽しんでやってくれるというのは、うれしいものがあります。
人間関係、たいして広くないのですが、こうして、意外と人脈で、いろいろつながります。イタリアは日本以上にコネの世界なので、そういうの、とっても重要なんですよね。今の賃貸も、大家とはあまりうまく行ってませんが、近所の人との関係はとてもよいので、それが功を奏したというところです。ふふ、わたしの人格かな~、なんちって。

  1. 2009/01/28(水) 06:50:30|
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マルケその1-アンコナ2



アンコナのカテドラル、サン・チリアコ教会は、写真で見るといつでも青空をバックにして、とても開放感のある姿で映し出されているので、どういうロケーションにあるのか、ずっと気になっていました。ファサードの前に空間がありそうなので、海に向かって建っているとばかり思っていました。
ところが!違いましたね。旧市街の最も高いところにあり、確かにファサードは海に向かっているけれども、ファサード前に何もない空間が広がっていて、それで開放感があるのでした。とは言え、そこには、いつだって車が駐車されてはいますけれどもね。


たぶんあるはずの、教会近くに着くバスが分からなかったので、カテドラルの建つ丘の麓でおりて、階段を登ったのですが、かなり急で、長い階段。でも、やっとの思いでたどりつくと、目の前に美しい佇まいが現れて、ゼエゼエする価値は十分です。
白っぽいピンクの石で、かなり最近お掃除したのか、ピカピカきらきらです。


ここは、内部も楽しいです。時代がいろいろで、その時代時代の装飾がそれぞれ充実していて、あ、あんなところにかわいらしい浮き彫りが!あ、ここには柱頭が!と、まるで宝探しのようで、細部まで楽しめます。
写真撮影禁止、と張り紙があるのですが、柱の影から隠れて遠慮がちに撮影したりしているうちに、観光客の中には堂々とフラッシュを焚いて撮影している人なんかもいるもんですから、「赤信号、みんなでわたれば怖くない」の心理で、ついわたしもどんどん大胆に…。一応献金してきました。禁止なのにすみませんね~、と思っている割に、1ユーロとか2ユーロとかその程度ですけど…。

さて、次に向かうのは、Santa Maria della Piazza教会。広場のサンタ・マリア教会という意味ですが、昔はここ以外に広場がなかったのかしらん?ってわけはないです。もともとは初期キリスト教時代の教会があって、その当時は別の名前だったようですね。
ここは、独特のファサードが特徴的。が、しかし!ファサードは全面工事の足場で覆われていて、端っこの方がほんの申し訳程度に見えるだけじゃないですかぁ。うぇ~ん。迷って迷って、やっとのことでたどりついたのにぃ。


でも、端っこだけでも見られたのだから、よしとしないといけないのかな。
その端っこの方は、改修工事が終わっているようで、真っ白できらきらした二股人魚や、グリフォンみたいのや、アヒルの行列や、とてもかわいらしい浮き彫りがたくさん見られました。仕方ないですが、こういう変なフィギュア大好きなわたしとしては、全体を見られないことが、ますます悔しくなります。



ロマネスクの他には、ローマ時代の門があるくらいで、アンコナは、観光地ではないなって印象です(それなりの都市のわりには物価も安いような気がしました)。旧市街は、坂道だし、ただ不便なだけな一角になっていて、新市街が、かなり大きく広がっていて、そちらはただの都市、何の変哲もないありがちな住宅地という有様です。駅前は、無計画な都市づくりの典型みたいな場所になっているし。
とは言え、この二つの教会を訪ねる価値は大ですので、ロマネスク好きにとっては、やはり一度は行かないといけない町なのでしょうね。わたしは、サンタ・マリアのために、もう一度行かねばなりませんし!
  1. 2009/01/26(月) 00:50:39|
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不動産、イケア通い

なかなか契約の方は進まないのだけど、そろそろ内装のことも、考えなくてはなりません。
で、まずはミラノ郊外にある家具屋を二つ回りました。
一つは、友人の親戚が勤めているという家具屋。一応知り合い価格で、いいものを安くしてもらえるかも、ということで、手始めにどういう感じでどういうお値段かを見る目的で行ってみました。もう一つは、ミラノ北部に広がる家具業集積地ブリアンツァ地域の、リッソーネという町にある、家具のデパートみたいなショウ・ルーム。このあたりは実に家具屋が多く、幹線道路沿いにもたくさんのショウ・ルームが並んでいます。訪ねたのは、複数のメーカーの家具を4階分びっしりと展示してあり、各メーカーを回るより便利度の高いビルです。
結果分かったのは、なぜイケアがこれほど人気があるか、ということでした。

その理由の一つは、イケアの場合、その場に品物があり、自分で持って帰れる人は、その場ですぐ持ち帰り、自分で組み立てて、その日のうちに、ほしいものが家に来る、という事実です。多分。
これって日本では当たり前のことかもしれないけど、こちらでは事情が違います。
えらそうなショー・ルームにある家具は、これいいな、と思って、見積もりして、注文して、それから納品で、早くても2ヶ月とか軽くかかるのです。なぜかというと注文生産だから、らしいです。もっともっと待たされることもざらにあるようです。すでに半年以上待っても、いまだに音沙汰がないといって嘆いている友人もいるくらいだし、そういう話はごろごろしています。
イケアの場合は、小物はその場でお持ち帰りすれば即ゲットだし、大物は、正確な寸法さえ持っていけば、その場で見積もりをしてくれて、納品までは長くて1ヶ月です。
この差は大きいです。
それに、一人でぶらぶらする雰囲気が、ショー・ルームにはありません。無言のうちに、ここはご家族御用達、みたいな雰囲気が漂い、実際、客は、家族連れ、またはカップルばかりで、一人で歩いている人などおりません。実際一人で行っても、相手にされないだろう、という空気を感じるのです。
イケアには、そんな雰囲気は、全くありません。客の中心は家族やカップルなのはこちらも同様ですが、でも一人で必要なものを見繕いに来た、という一人客がちらほらいるし、見積もりをしてくれる元気のいい従業員たちにも、一人客への困惑は一切ありません。
勿論一番の違いは、値段。台所も大たんすも、イケアでは、普通の家具屋での半額以下です。勿論質は落ちるでしょうが、でも、考えたら、今住んでいる家具付賃貸アパートの家具だって、わたしだけで10年以上使っていて、そしてイケアまたはそのレベルの値段のものですが、とりあえず、びくともしていません。そういえば、自分で買ったイケアの本棚も、10年くらいたつように思いますが、ちょっと棚板はたわんできたような感じはありますが、崩壊はしていません。

イケア成功の理由の一つとして、値段まで正確に記したカタログを、無料で配布するシステムがあるようですが、これまたすごい戦略だと感心するしかありません。立派な家具屋のカタログは、上質紙に美しいイメージ写真を掲載していても、正確なサイズや種類、値段などは掲載されていないのです。だから美しいカタログでイメージは湧いても、現実的な購買計画が立てにくいわけです。一方イケアのカタログは、サイズから種類から色、そして勿論値段に至るまで詳細に記されていますから、現実レベルでの購買計画にすごく役立つのです。特に今年からでしょうか、トータルのカタログに加えて、ソファだけとか箪笥だけの専門カタログも出来てきて、こちらは店に行かないと入手できませんが(日本ではさすがにやってないかもですが、一般カタログは、家庭に無料配布)、それがまたお役立ち!
別にイケアの回し者ではありませんが、なるほど、いつ行ってもイケアが混んでいるのは、こういう事情があったんだ!と、初めて本当に分かった気がしたのです。

というわけで、台所はイケア、寝室も、多分イケアで一そろい購入することになりそうです。実際に利用してみて、それで評価がどうなることか、それはそれで楽しみですね。
というところで、家具屋の一つから箪笥の見積もりが出てきましたが、メーカーも色もサイズも、全然お願いしていたものと違っていて、お値段はずいぶん勉強してくれたようですが、でもねぇ。どうしたものかなぁ。

  1. 2009/01/23(金) 06:34:55|
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マルケその1-アンコナ1



ウンブリアのあと、アドリア海経由でも帰りは同じなので、マルケに抜けてから、アンコナ経由ミラノに戻ることにしました。で、ほんのさわりだけでも、マルケのロマネスクに触れてしまおう、そしてせっかくだから、海の幸を楽しもう、という企画です。
で、フォリーニョから東に抜ける鉄道で、アンコナに向かいます。ずっと昔、クロアチアに行くときに、ここの港から船に乗ったので、そのとき町には降り立ちましたが、往復とも鉄道駅と港間を駆け抜けただけで、何一つ記憶にありません。
ガイドブックによれば、旧市街は鉄道駅からかなり遠く、また観光案内所は、さらに遠く、旧市街のはずれの海辺にあるようです。町が一体どういう構造なのか検討もつかないので、とりあえず、駅に荷物を預けて、身軽になって旧市街を探索することにしました。
まずはホテル探し。そのためには観光案内所を目指します。駅前から市内バスに乗って、バスの運転手に訪ねると、ああ、そうね、そこら辺にあったような気もするな。となんかあやふやな返答。ま、とりあえずいってみましょ。
降りろと言われた終点から数分歩くと、そこは海に突き出た高台になっていて、なんとも美しいアドリア海が、視界いっぱいに広がります。夢見たいな景色で、しばし見入ってしまいました。
そして、ガイドブックに掲載されていた番地にやっとたどりつくと、「本日従業員研修のためお休み」ガーン。あいてるはずの時間にしまっているとか、「5分で戻ります」の張り紙があるけど誰も来ないとか、よくあることだけど、やっぱり毎度がーんとします。たくさん張ってあるいろいろな張り紙をチェックすると、幸い旧市街にある観光案内所の住所が書かれていました。早速後戻りして、旧市街の入り口のような位置にある案内所を発見。地図をもらい、いろいろと尋ねると、親切なんだけども、わたしはあなただけのためにいるわけじゃないのよ、という暗黙の拒否がじわじわと伝わってきたので(確かに他の人も入ってきたし)、あれもこれも聞きたいんだけどなぁ、と残念に思いつつ、仕方なく切り上げました。
もらったリストを使って、まずはホテル探しです。どうやら、港沿いにいくつか高級ホテルが並び、駅前に普通のホテルが並び、旧市街にはあまり手ごろなホテルはなさそうな感じ。でも駅前はちょっとさびしいし、できれば旧市街の適当なホテルが好みなので、見に行ってみると、値段が高いわりに部屋もひどいし、態度もひどい。ロケーションも、駅からは遠いし、かといって旧市街の観光に便利というわけでもなく、いいところが一つもない。で、駅前のホテルに戻りました。アンコナに泊まる方、駅前は見るからにダサいですが、便利さとお値段からはベスト・チョイスです。
駅前で3軒目に訪ねた二つ星ホテル。見るからにダサく、朝食もないし、あまり高級じゃないビジネスマン御用達って様子のホテル(イタリア)。部屋は清潔でそれなりに広いし、ホテルの受付も、感じのよいオヤジばかりで、意外とよかったです。
いずれにしても、ここは観光地ではないってことがよく分かりました。いや、観光資源は周囲も含めると結構あるので、もっと観光に力を入れてもよいのに、そういう方向目指してないようです。ちょっともったいない感じ。

と、前置き長すぎ。
ロマネスクは次回からということで。
アンコナ市内、アンコナ郊外のポルトノーヴォ、巨大鍾乳洞のあるジェンガ、岳上都市オズィモのロマネスクを回ります。
  1. 2009/01/19(月) 06:19:32|
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不動産-祝!鍵ゲット!

冬休みがあけてからこっち、鬱々クヨクヨの日々が続いて、ブログも全然アップできないし、なんか落ち着かない毎日でした。というのも、仮契約で決めた、正式契約の期限は、1月15日。もしこの期限までに契約できない場合、すでに支払い済みの頭金の倍額を、相手方に払うという罰金規定もありました。
ところが、全然話が先に進まないんです。ローンもOKが出たし、わたしは全部OKなんだけど、前に書いた、売主と登記所の問題が解決しないんです。で、まずは双方で予定していた年内契約がご破算、では年明け早々、といっていたのに、やはり全然進まず…。不動産屋に電話をすれば、担当の女性がインフルエンザでいないので分からない、でも心配するな、と何の役にも立たない対応が続くばかり。
やっと、明日が期限という日に、不動産屋のオヤジが、居住証明書と住民票を用意しろ、そのコピーを送ってくれたら、すぐにも公証人とアポ取るから、という連絡が入って、ちょっと安心して、期限当日の朝一番で送信。でもなしのつぶて…。あとから分かったのは、わたしがあまりに毎日電話をかけてうるさいから、安心させようとしていったらしいと言うこと。ああ…。 
期限の翌日になって、やっと職場復帰した女性から電話が入り、契約が出来ないのはあなたのせいじゃないんだから、全然心配しなくていいのよ、内装工事のこともあるだろうから、異例だけど、売主は鍵を渡すって言ってるから、ということで、じゃじゃ~ん!今夜鍵をゲットしました!
で、明日内装業者と現地で会って、工事の詳細を打ち合わせる運びになりました。もう本当にどうなることかと思っていたけど、来週中に工事開始できれば、何とか予定の3月末までの入居がかないそうです。これから怒涛の忙しさになりそうだけど、とりあえず、やきもきしているだけで何もできない、という状況からは脱せそうなので、それだけでもありがたい。
でもこんなことで、公証人費用が倍増したり、予想外の出費がありそうで、それはちょっと憂鬱です。
とは言え、いよいよ、我が家、という気持ちが高まってきました。明日は早速、朝一番で、見に行ってみようと思っています。わくわく。

  1. 2009/01/17(土) 06:58:47|
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ウンブリアその12-スポレート(2)

スポレートその2、いよいよウンブリアの旅の最後となります。
スポレートは、その町の周辺部に、ぽつんぽつんと見所があり、ガイドブックでは距離感がよく分からなかったのですが、いずれの教会も、徒歩でアクセス可能の場所にありました。

まずは、町の南側にあるサン・ピエトロです。町を抜けて、かなり激しく車の行きかう幹線道路(フラミニア街道。ローマ時代の幹線道路の一つで、紀元前3世紀に建設された、ローマから、アドリア海に抜ける道。ローマ時代も集落はあったのでしょうが、基本的に今でも緑地なので、ほとんど森の中の一本道という感じだったのでしょうねぇ)をひやひやしながら渡って、結構な石段を登った高台に聳え立っている、とても立派な教会です。


今ある教会はロマネスク時代12世紀の建造物ですが、早くも5世紀には、サン・ピエトロのレリックを収めるための、前身の教会があったそうです。ピエトロさんって、バチカンのピエトロさんなんでしょうかねぇ、やはり。ファサードにびっしりとレリーフがあって、壮観です。中身は、ピカピカきらきらになっちゃってて、面白くもなんともないのですが。

次は、南西の町外れにあるサン・パオロ(S.Paolo Inter Vineas)を訪ねます。


ここは残念ながら閉まっていました。修復中か何かで、もうずっと閉まっているそうです。
町から行くと、上り下りの激しい道なので、間違えると悲惨だなぁ、と思い、向こうから歩いてきた品のいいおばさんに、教会への道を尋ねました。おばさんは、「この道をまっすぐ行けばいいのよ。どこから来たの?へぇ、一人で、中世を、へぇ、すばらしいのね。あそこは見た?ここはどう?スポレートは見るものがいっぱいあるでしょ。素敵な町でしょ。でも地元の人はあまり関心がないのよね、あなたみたいな人が来てくれるのは、とてもうれしいわ!」とすごい勢いでしゃべられてしまいました。でもあくまで品がよく、彼女のお国自慢はほほえましくて、それがまた押し付けがましくないので、とても好感が持てました。観光客にとっての町のよさというのは、観光要素がどれだけあるかということと同じくらいに、その町の人々が、どれだけ町を愛しているかっていうようなそういうことで変わってくる気がします。このおばさんや、ホテルの感じのよい受付のために、スポレートの町の印象というのは、かなりよいものです。

さて今度は、北の郊外にあるサン・ポンツィアーノです。


ファサードは、サン・ピエトロにも通じるというか、派手目の装飾。鮮やかな色のモザイクのはめ込みがとても印象的です。残念ながら、ここもしまっていました。観光局では、隣の司祭館みたいなところに頼むとあけてくれる、ということだったのですが、呼び鈴を鳴らすと、今責任者がランチに出ているので、もうしばらくしてから来てほしい、ということでした。先の教会を見て、30分後くらいに戻ってきたら、たまたま関係者らしいおじさんがスーパーの袋のようなものを提げて、外から入ってきました。「教会?5時まであかないから、5時に来なさい。」「いやでも、さっきあそこで聞いたら、責任者がランチから戻ったらっていわれたんで…」とおどおど言うと、「いやいや、あかないから。」とにべもない対応で、意味もなくそんなとこにいないでね、という空気をみなぎらせているので、いやな気持ちになって、結局その場を去りました。
なんか虫の居所が悪かったのかしらないけど、教会関係者としてはありえない感じの悪さです。ぷんぷん。そこに行くには、結構な坂道を登る必要があるので、また戻る元気がなく、結局中は見ず仕舞い。ちくしょ~。

その先にあるのが、サン・サルバトーレ。


墓地の中にあり、とても変わった造りです。4世紀後半から5世紀にかけて建造された初期キリスト教のバジリカ様式が元になっていて、その後数多くの改築がなされたにもかかわらず、初期構造が残されているので、なんだかいろんなものが交じって、不思議な感じなんです。ローマっぽい円柱が壁にめり込んでいたり。妙に荘厳な印象です。

もう一つは、町外れ、というより、もう違う村というか。郊外の丘の上にあるMontelucoという地域のサン・ジュリアーノです。


このモンテルーコは、スポレートの人のハイキング場所という位置づけらしいです。集落があるわけでなく、この教会と、少しはなれて、モンテルーコのサンクチュアリと呼ばれる地域があります。そこにはサン・フランチェスコが祈った場所とか、澄んだ水のあふれる井戸とかあって、心の憩いの場所みたいな、そういう性質のものらしいです。
このサン・ジュリアーノは、元はやはり5世紀とかの古い建造物で、12世紀頃に今の姿になったそうです。残念ながら、ここもクローズでしたが、ファサードのレリーフなどかわいらしく、かなりの急坂かつ道なき道(歩いていく人は、多分ほとんどいないのでしょう…。あまりに道なき道なので、わたしも実際、歩き出して5分ほどで大後悔しました)を踏破したあとでは、それなりに満足感を得ることが出来ました。



スポレート自体は、結構大きな町ですが、一歩市街を離れると、見事に緑です。これらの教会の周りは、自然ばかり。この写真で、左の丘の上にぽっつり見えるのがモンテルーコのサン・ジュリアーノ、そしてちょうど写真の中心にあるのが、サン・ピエトロです(フラミニア街道が堂々と緑を縦断しています)。

さてもう一つ、スポレートで忘れてならないのは、この塔の橋(Ponte delle Torri)。


13~14世紀に建造され利用された水道橋だったらしいです。そしてスポレートとモンテルーコをつなぐ橋としての役目も持っていたということで、その橋の部分は、今でも現役です。高さ76メートル、幅230メートルで、下は深い谷。確か、自殺の名所としても有名だったはずです。実際に見ると納得。この橋の真ん中から飛び降りたら、まず助からないでしょうし、見つかりにくそうです。
いやいや、昔の人たちって、驚くものを作っちゃいますね。しかしこんな高いもの、どうやって、と思ってしまいます。そういえば、ウンブリアに地震があったときも、ここは影響を受けなかったようですね。

以上、駆け足のウンブリア・ツアーでした。いずれサイト(ロマネスクのおと )に、じっくりとまとめる予定です。いつになることやら分かりませんが、乞御期待。
  1. 2009/01/07(水) 07:21:12|
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ミラノ、また雪



もうこの冬はどうなっているのやら。何度目の雪でしょう。でもこんなに積もるのは初めてです。
昨夜からとにかく冷え込みが厳しく、ニュースでも、明日から明後日にわたって、大雪が降る予想なので、長旅は避けるよう、注意が呼びかけられていました(イタリアは、今日が年始大型連休の最終日なので、町に戻ってくる人々の車の渋滞が予想されていたので)。でも夜はちらついただけで、結局ベッドに入るまでには降っていませんでした。しかし夜中3時ごろ、ふと目覚めたところ、しんしんと…。
朝9時に起きたら、おお、降りまくっています!
わたしは、花火と雪には、どうも気持ちがストレートに反応しちゃって、無条件にわくわくしちゃうんですよね。寒いし、今日は祝日だからいいけど、明日の通勤は混乱必至だし、でもニマニマっとして、窓から眺めて飽きないんですね。
朝ご飯を済ませ、しばらく新聞を読んだり掃除をしたりしていましたが、いたたまれず、カメラを持って近所の公園に向かいました。
すでに結構な人がいます。わたしのようにカメラを抱えている人も多数。運河が流れているし、確かに公園はフォトジェニックですから、皆考えることは同じっていうか、わたしの場合本当は雪を踏みしめたいだけなのですが、それも傍から見たらちょっと変。でもカメラを持っていれば、ぶらぶらしている理由になります。


犬が興奮していました。足が冷たくないんですかね?やはり犬は喜び庭駆け回るって、何かわたしのように無条件にわくわくするものが刷り込まれているのでしょうかね?
さびしいのは、子供がなんか元気ないっていうか。日本でも今はそうなんでしょうが、子供が少ないっていうのもあるし、小さい子供はいつも親と遊んでもらっているし、近所の仲間で遊ぶっていう習慣があまりないのか、これだけ雪降ってるし、積もってるし、ここ公園だし、元気よく雪だるまつくりとか、雪合戦とかしようよ!と思うのですが、雪だるまを一生懸命造っているのは親だし、雪合戦をしているのは、肌の黒い、多分出稼ぎアフリカ人の若者だし…。子供の集団というのがいないというのはさびしいですねぇ。


わたしは、ちょっと変に見えるかな、と思いつつ、誰も踏んでいない場所を選んで歩いて、すでに靴も靴下もびっしょり、でも楽しくて気になりません。そういえば、幼稚園の頃、短い長靴を履いて、同じことやって、長靴の中に雪が詰まっちゃって、幼稚園で脱げなくて泣いた記憶が…。進歩してないかも?
公園を抜けて、メルキオーレ・ジョイア通りに出ました。


ミラノの北に抜ける幹線道路です。こんな日でも車どおりは結構あるので、さすがに車道は雪がなかったですが、なんと道路と歩道の別がなくなって、すごいことになっています。いやいや。
まだ降雪継続中。いつまで降って、どういうことになるのやら。明日はきっとバスとかのダイヤが乱れに乱れて、会社に行くのにいつもの数倍の時間がかかってしまうことでしょう。せいぜい今日は雪を楽しむつもり。さて、今からランチですが、雪見酒、かな。
  1. 2009/01/06(火) 21:25:20|
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