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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

やっと…!

今週早々、念願の正式契約しました!パチパチパチ!
最後までけちがついた感じで、仕事のトロイ公証人で、普通の3倍くらい時間がかかって、同席した不動産屋も、ローンの小切手を持ってきた金融機関の人も、売主も、みんなうんざりして、公証人が席をはずすたびに、大丈夫?みんな生き延びてる?なんてお互いをいたわる始末でした。
それでも何でも、とにかくとうとうお金を払い、とうとう名実ともに、家持ちとなったのです~!
そして、早速アパート住人の年次総会に参加してきました。年に一度、管理会社が主催して、前年度の経費の承認とか、今年の経費をどうするとか、修繕をどうするとか、そういう話をする会です。
仕事の都合で20分強遅れたところ、なんか緊張した様子が漂い、オバサンの一人が偉そうになんか文句をたれているところでした。わたしが加わったのがちょうどよい潮時という感じで、管理会社の人が、では、本題に入りましょう、ということで、それから本題。
なんせ新参者ですから、端っこに座って、黙って耳を傾けるだけです。大体昨年度の経費などは、わたしのあずかり知らぬ話でもあるわけで。
とりあえず、以前挨拶しておいた階上の人がいて、ちょっとでも知っている人がいるということで、気持ちが楽でした。
一通り議題の話が終わったところで、先のオバサンが、「じゃあ、改めて言うけどね、わたしは去年の経費の使い方には反対なのよ。なぜかというと…」と一人で勢い込んでいました。管理会社の人も負けずに反論して、しばらく議論。話はあまり見えなかったのですが、おばさんが理不尽であることは、よく分かりました。他の人々もあきれています。
言うだけ言うと、「わたしはね、忙しいの。これからまた仕事に戻らなければならないから、お先に失礼~」とさっさと帰っていきました。
残った人が、いきなりびっくりした?心配しないでね、なんて声をかけてくれて、解散後、アパートの方に向かいながらおしゃべりしたら、どうやら相当変なオバサンらしく、長年にわたる問題児なのだそうです。アパートではなく半地下の物置みたいなところを所有しており、そこを住めるように改装して、過去には、中国人に貸したり(小さな縫製工場に使われ、朝から晩までミシンの音がすごくて、苦情のため退去)、タイ人かなんかのマッサージ・パーラー(警察の手入れがあり店閉鎖)、というような賃貸をして、ただでさえも評判悪いのに、今度は、音楽家に賃貸したいからどうのこうの、といろいろいちゃもんをつけているそうで、とにかく毎度悶着を起こしているから、ま、今日始まったことじゃない、最初に接するのがこの話題じゃうんざりしちゃうかもしれないけど、居心地のいいアパートなんだよ、これ以外は、大抵うまく行ってるから、ということでした。ほんとかな~。
実はわたしが恐れていたのは、階下の、壁にひび割れが出来たと苦情を言ってきて、その後黙っているオバサンだったのですが、会議には彼女の夫が来ていて、これがとても感じのよい人。これなら大丈夫か、と一気に安心です。
まぁ、住民会議は、どこのアパートでもいろいろ問題紛糾で、怒鳴りあいのカオス状態で終わるというのが、日常的な光景らしいので、そういう意味では、オバサン一人が叫んでいるくらいだったら、かなりましな方かとも思います。
実際に住み始めたらどうなんでしょうね!怖い気持ちと好奇心と半分半分。今住んでいるアパートがやはり小さくて、長く住んでいる人たちとはとても仲良くやっているので、居心地がよい分、怖い気持ちも強くなります。持ち家となると、見逃せない問題も出てくるでしょうし。古い家なので、修繕もこれから相当ありそう。それは、購入を決めてから、気付いてましたけどね。あの屋根はやばいんじゃないか、とか。それでも、この家が気に入ったんだから仕方なかったんですが、でもコストは、ちょっと怖いです。

次回はまた内装話に戻ります。

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  1. 2009/02/27(金) 06:54:31|
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内装:天井のこと、扉のレバーのことなど

前にも書いたと思いますが、とても古い家なので、間取りも独特だし、窓が二方向(東西)に開いていて風が吹き抜ける構造だし、そしてもっとも大きな特徴のひとつは、天井が高いということです。こちらの家の、平均的な天井の高さは、おそらく2.7から3メートルくらい。そして、わたしの新居は、もともと3.3メートルですから、相当高いです。
実際、初めて見たとき、とても広いゆったりした印象を受けたのは、そのせいだったのです。天井が高いから、窓も背が高い。それはお気に入りのポイントでした。特に、公園に向けて、バルコニーのある部屋は、その高さゆえの開放感がすばらしかったのです。
でも、空間を活用するため、まず玄関の天井を下げて、大きな天袋を作りました。玄関入ってすぐ、たいした空間ではないけれど、高い天井があるのは、とてもいい感じで、本当のところ、残念でもあったのですが、やはり収納場所は絶対に必要なので、譲歩しました。そして、出来上がりつつある天袋は、なんだか秘密基地みたいで面白いので、幸い気に入っています。
そして、それ以外のすべての部屋には、棟梁の絶対のお勧めで、Controsoffittoがつけられました。
これは日本語だと何というのかな?要は、実際の天井に金具を打ち込んで、メタルの支柱を張り巡らして、軽い素材の天井板を張り渡して、本当の天井の下に、もう一枚天井をつけるというものです。特に古い家だと、すぐひび割れ等しやすいし、天井を直すのは大変だし、また特に美的観点から、このように新しい素材で張りなおせば、水平のものが出来るので、最終的な仕上がりがよろしいということらしいのです。多分その通り。また湿度などで、部屋の隅っこの方が、黒くかびっぽくなったりすることがよくありますが、この天井なら、おそらくそういうこともありません。本来家には屋根裏という構造があるのですから、多分構造上も正しい措置なのでしょう。
もともとの天井から、10センチくらい下がるだけといわれていたので、それでも3メートル以上あるし、オーダーしようと思っている寝室の箪笥もばっちり納まるので、特に気にしてなかったのですが、その工事が今週早々終わったというので、早速見に行きました。
第一印象は、
あれ?低い!
特に、家の中で最も広い空間である居間は、イメージがかなり変わった感じ。
寝室は、そう下がった感じがないし、実際、職人さんがいるときに確認したら、12センチ下がって、現在318メートルほどあるということだったのです。寝室は、310センチほどの箪笥を入れる予定なので、気になって確認したのですが、居間は同じだろうと思って聞かなかったのです。でも、どう見ても低い。よ~く見たら、やっぱり、寝室より下げています。


(新しい天井)


(以前の状態。部屋の四隅がカーブしている状態で、窓の枠よりも相当上に天井のあるのが分かります。)

写真で見比べると、寝室は、ちょうど前の家ではあった茶色の線がある辺りまで下げたのですが、居間の方は、それよりもさらに低い位置に天井が作られているのがわかります。
まぁ、漆喰など塗ってきれいになれば、また印象も変わるでしょう。下げたとは言っても、実際まだ十分高いのですし。
ちょっとクヨクヨして帰宅して、改めて今住んでいる家の天井を見たら、ひ、低い!やはり相当低い、というか新居はそれでもかなり高い事実が分かりました。で、なぁんだ、じゃあ、いいじゃん、と元気回復。

今日もまた、朝からいろいろ用事の片付け。午前中は、郵便局とブリコ・センター(日曜大工センターのような店)。通いなれて、毎度迷っていた帰り道も、さすがに覚えたようで、今日は15分で帰ってこれて、われながら感動しました。そしてあわただしくランチを済ませた後は、もうちょっと郊外に出て、イケア・レベルの家具の大型ショップ二軒。グラン・カーサと、エンメルンガという、どちらもイタリア全国に店舗を構える大きな総合家具店です。
家具は、モダンからクラシックまでそれなりにそろえているのですが、サイズ等の融通が利かないので、やはりイケアだな、と納得。グラン・カーサの方には、日曜大工センターのような店(グラン・ブリコ)と、家電の店が併設されていて、もう相当疲れていたのですが、やはりこの機会に見ておかねば、とがんばってチェックを入れました。
チェックしてよかった!
このところ、ずっと探していた、扉用のレバーを見つけたのです。
新居には、古いタイプの扉が、玄関から居間、寝室、台所、浴室へと4つあります。その上に、寝室の物置もありますので、合計5組のレバーが必要です。
どれも同じようなドアで、同じようなしんちゅうの安っぽいレバーがついていました。ドアは、古臭い分レトロっぽくて、結局、ペンキ塗りなおしをして、そのまま使うことにしたのですが、レバーはあまりに古いので変えたいと思っていました。でも、これがいいのがないんです。ちょっといいな、と思うと、一組で50ユーロ超もしたり、安いものではありません。それなら、とりあえず安いものを付けといて、将来的にいいものに変えればいいじゃん!と思いついたのですが、安いタイプだと、サイズが合わず、何度もブリコとカストラマで思案した挙句、まだ買えていなかったのです。


(もともとついていたレバー。写真だとそれなりにきれいに見えますが、相当古びていてきちゃない。)



(すごい安物。アンティーク仕様にしているところが、ますます安物っぽいけど、いいんです、安かろう悪かろうでも、今は節約第一!)

そして、この全然期待してなかった、というか、存在すら知らなかったグラン・ブリコで、おお、これは、というのがあったのです。その、おおこれは、というのは、ほとんど値段部分に対する感嘆。というのも、これまで、まぁこれならいいや、と思える中で最も安かったのが13ユーロだったのが、これはたったの8.8ユーロだったのです。それに、一応見た目はレトロっぽいし、なんと言っても、サイズはばっちりです。4組しかなかったのですが、まぁ、寝室の物置分は、別途考えることにして、とりあえずヨシヨシ、と四組購入。当初は一組28ユーロのを買うしかないだろうなぁ、と思っていたので、相当節約が出来ました。レバーについては、自分でも交換できそうなので、将来的に、お気に入りを見つける楽しみも残り、それはそれで、楽しいことです。
毎週のように、あちこちうろついているわりには、本当に何も買えず、空手で帰宅することが多いのですが、そういうわけで、久しぶりに荷物を持って帰宅で、なんかうれしいわたしなのでした。レバーくらいで、と思われるかもしれませんが、四組ともなると、結構な重量なんですよ、実際。
来週は、いよいよ箪笥とベッドなどをオーダーし、台所のシンクなども購入予定。もう、口座の残金を見るのが怖いくらいの毎日になりつつあります。その分、それ以外は何にも買ってませんけど。今日も、ちょっとショッピング・センターを見て、70%引きのお店を見たりしたのですが、とうとう、10ユーロのシャツすら手が出ませんでした。もう財布の紐、家以外のことでは、ちょっとやそっとでは開きませんよ!

おまけです。
天袋の扉がついていました。最終的にどういう感じなのかな。穴ぼこぼこの壁だったのが、もはや嘘のようです。
工事の進展を見ていくのは、楽しいことですね!


(天袋の扉)


(穴ぼこぼこの工事中)
  1. 2009/02/22(日) 07:38:08|
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内装:タイル選び

週末だというのに、またぞろ早起きで、今日は台所と浴室用のタイルを選びに行きました。棟梁とはご近所なので、彼が材料を購入する資材屋さんも、今の家から、徒歩圏内。待ち合わせより、数分早く到着して、そこらを見ていましたが、基本的に業者相手の店なので、ごちゃごちゃで、どこに何があるのやら、さっぱり分かりません。


(こんな感じで、気持ち程度の屋根がついた中庭に、いろんな建築資材がごちゃごちゃと無秩序に積まれています。)

棟梁と店の人もすぐにやってきて、早速。
イメージは、ベースが白で、台所は、テラコッタの感じ、浴室は、白と水色系、とすごく漠然と言ったところ、たちどころに、「これで決まりだね!」とタイルを出してきます。お、結構いい感じ。
台所の床材は、本当のテラコッタ系にしようかとも思っていたけれど、実際に目にすると、ちょっと重いので、結局白地にベージュ系の吹流し模様がかすかに入っているタイプに決定。
浴室は、かなり濃い目の青を勧められたけど、イメージに合わなかったので、床材を水色、壁を、これまたかすかに青の吹流しが入っている白っぽいものにしました。ものの5分で決定。みんながこんなに簡単に決めてくれるとらくなんだけどね~、と感心されました。わたしも、なんでもすぐ決められるタイプではないのですが(たとえば今日は家の中のドア用レバーを探していたのですが、結局決めかねて買えませんでしたし)、タイルについてはこの数日結構考えていて、イメージをいろいろ想像していたので、早かったのです。それに棟梁が、これいいよね、というと、なんだかすごく説得力があって、納得しちゃうんですよねぇ。


(上二枚が浴室用、下が台所用。)

その後、棟梁が新居にタイル見本を持っていくというので、わたしも車で後追い。
そしたら、天袋の内部がほぼ完成していました!


(内部の状態。右側のレンガ壁は、居間と玄関の間に偶然見つけた空間。)

そして、浴室もかなりちゃんとしてきていて、うれしかったのは、狭いスペースを有効利用するために、窓の下の空間を洗濯機置き場にするべく、柱の一部を削り取ってくれていたことです。


(左上に残っているのが柱。下部を削り取ってくれました。)

これで、洗濯機が窓際に置けて、ちょっとはゆったりしたのかも。中間部分に段差が出来てしまったのが残念ですが、床下に鉄骨が入っていて、このようにせざるを得なかったとか。ま、慣れるでしょ。
少しずつ、完成図を具体的に想像できるようになって来ました。
明日は、イケアで、台所のオーダーをする予定です。わくわくしますね~!
  1. 2009/02/15(日) 07:32:04|
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内装:天袋に床(?)が出来ました。

いい感じです!
棟梁と打ち合わせ。浴室の、WCと洗面台の写真を持ってきてくれました。最初は、自分で探して気に入ったのを、とかいってたのですが、結局、水道管工事の人の手配に頼ることになりました。サニタリー関係全部で500ユーロとか言うし、一応値段のチェックだけはしたところ、まぁいい線いってる感じだったし。そして、写真で見る限りでは、コンパクトで形もかわいらしくて、小さなわたしの浴室には、かなりぴったり来そうです。
台所の計画は、また小さな変更が入り、もう一度、見積もりをしなおしてから、オーダーするということになりました。オーダーから納品までは、最低でも3週間ということだったので、ちょっと焦り気味。それで、工事の状況を確認すると、ばっちりだよ、思ったより順調に来てるよ、ということ。2月中には、天井の始末とフローリングと、タイル張りが完了して、のこるのは、全体の壁塗り位ということです。ええ、それはすごい順調じゃない!
で、当初約束していたように、追加で報酬の一部を支払うことになりました。
着手金で見積もりの40%、工事が7割くらいの段階で、追加30%、完了時点で残りを払うという約束なので、ということは、もうそろそろ70%完了?!思ったよりも早いです。
というか、これまでは基礎工事で、見るのも辛かったけど、これからはどんどんきれいになっていくので、もう毎日でも見に行ってよ、ということでした。
天袋がかなり気に入っているので、その旨いうと、工事内容をほめられれば、やはりうれしいようで、他もどんどんきれいになるんだから、毎日行って、毎日、記念写真を撮りなさい!と指示されてしまいました。本当に、毎日のように行かないと、大事な工事を見逃しそうです。でも出社前に行く場合、遅くとも6時半には起きる必要があり、毎日続くと、さすがにきつい…。

天袋は、こんな感じです。相当大きいスペースになりそうです。中に、すべる素材の下敷きを強いて、荷物が簡単に奥の方に置けるようにしてくれるとか。


ホースみたいのが飛び出していますが、埋め込み式の灯りを入れる場所です。
  1. 2009/02/14(土) 07:14:40|
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やられた~!:車上荒らし

というより、単なる暴力行為の被害ですが、久しぶりにやられちゃいました。



今朝も今朝とて早起きして、新居に行くはずだったのに、何気に自分の車に後方から近づいたところ、後姿になにやら違和感があります。ん?これわたしのコルサちゃんだよね?とよく見直すと、な、なぜ?!後部座席がどさっと前に倒されているではないですか!



あわてて前方に回り込もうとしたとこで、運転席横の窓が思いっきり割られているのを発見しました。
第一声は(そのとき一人でしたが)、「が~ん、またかよ~」。

2002年秋に購入して、2ヶ月もたたないうちに一度。そのときは、窓をぺりっとめくられて、ダッシュボードと探られ、結局盗むものがなかったためか、安っぽい折り畳み傘と、アルミホイール4本、もってかれました。その上、ガラスを無理やり曲げられたので、結局ドアごと換える羽目になり、いくら保険でカバーされていたとは言え、免責分は自分もちだから、痛い出費だったのを覚えています。
二度目は、つい2年ほど前、盗難車が、行き止まりの我が家前の道に迷い込み、行き止まりということに気付いた後、すごいスピードのままバックで後帰りして、その際、路上脇に駐車している車にがんがんぶつかりながら進んだらしいです。わたしの被害はかなり少なかったのですが、それでも保険申請したところ、盗難車なので、盗難被害者には支払い義務がなく、事故車をカバーする公共の保険が適用されるが、確か500ユーロ以上のケースのみが対象ということで、わざわざ警察まで言って、申請書を作って、すべて無駄になって、悔しい思いをしました。

そして、今回。さすがに3回目となると、ショックも軽いものです。もうこれは仕方のないこと、という悟りのような気持ちが、どっかにある様です。それにしても、今朝に限って、強風で、すごく寒くて、そんな中、運転席から何から飛び散っているガラス片をのけるのは、かなり情けなかったです。
すぐ保険証券を取りに行き、新居を撮影するため携行していたカメラで撮影。あら、待ち合わせをしている棟梁はどうしたのかな、とふと、隣の車を見ると…。


あちゃ~。これは多分棟梁の車じゃないの?その隣も、そのまた隣も、すべて運転席の窓が割られていました。こういうとき、自分だけじゃなかったというのは、結構慰めになります。
すぐ棟梁を呼び出して、二人でガラスを片付けながら、愚痴まくりです。

座席は、幸い倒されていただけで、ちゃんとモトに戻りました。どうやらトランクを確認して、何かあれば盗もうっていうとこだったらしいです。スーパーの袋に、雑巾とか洗剤、塗料などごちゃごちゃしたお掃除セットが入っていたのですが、それがなくなっていました。袋があったので、中身も見ずに引っつかんでいったんでしょうね。後で中身を見たとき、きっと怒っただろうなぁ、と思うと、ちょっとだけザマアミロ、と嬉しくなります。

保険でガラスのカバーをつけていれば、ガラス専門の修理屋Carglassで、無料で修理してもらえるよ、ということだったのですが、この寒空の下、窓を開け放し、ガラス片満載の車で、知らない店を訪ねてうろうろするエネルギーはなく、結局すぐそこにある修理屋のルイジに聞くと、いいよ、すぐやるよ、と二つ返事だったので、そのまま預けて会社に行きました。
会社から保険代理店に電話すると、Carglassに持ち込め、と指示が。でももう修理頼んじゃったんですけど~。Carglassなら免責ゼロだけど、それ以外の修理は75ユーロ免責だからね、と。
証券に書いとけよ、そういう重要なことはよ!と一瞬ぷんぷんしたのですが、証券をよく見たら、しっかり書いてありましたです。大馬鹿野郎はわたしでしたね。

ガラス代と作業代で、195ユーロ。免責以外は、無事保険がおりることを祈ります。
このお金のないときに、本当に辛いですが、仕方ないです。幸い、帰宅時に寄ったら、ちゃんと出来てました。ルイジは、修理より、ガラス片の掃除が大変だったよ~と言ってました。さすがにお掃除もしてくれたんだ!購入以来、床のカーペット等しっかり掃除したのって、多分1回またはせいぜい2回くらいですから、これまで汚れ放題。もしかして、すごくきれいになったかも!何でもポジティブ・シンキングですよね!
気を取り直して、明朝はまた早起きです。
  1. 2009/02/12(木) 06:46:03|
  2. ミラノ徒然
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内装 : ちゃくちゃくと

土曜日も棟梁がいるときは、大抵働いていたりするのですが、さすがに日曜日はお休み。で、のんびりと写真も撮りたかったので、ちょろっと見てきました。おお、着々と進んでいるではないか!
多分、わたし同様、こういう状態をはじめて目にする人には、いまだにすさまじい状態に違いないのですが、でも、配管が大体終わり、床や壁の一部はもうセメントで埋め込まれていたので、それだけでも穴ぼこ状態とはずいぶんと違います。そして、特にすさまじかった浴室には、なんとすでに浴槽が鎮座しているではないですか!もう相当印象が違います。って思うのはわたしだけで、写真だと、まだやっぱりとんでもない状態に見えるかも。



(居間の床が、窓際に設置するヒーターまでの配管を埋めるためにトンネルに掘られていましたけど、それが埋められていました。)



(浴室の入ってすぐ左に、新しい浴槽が入れられていました。)

そして、玄関の天井に天袋を作るための準備が進められていました。



(家の中に砂が詰まれていて、こういうのって日本の内装工事ではなさそうな光景と思うんですが、そうでもないんでしょうか。右に積まれているが、天袋の床となる縦長レンガ。)

この家の天井は、古いためと思いますが、今では珍しいほどの3.3メートルという贅沢な高さです。で、物置もないことだし、棟梁が真っ先に勧めてくれたのが、この天袋のアイディア。小さいおうちなので、玄関で高い天井というのは魅力だったのですが、でも収納は必要ですし、じゃあ、玄関面積の半分くらい、と思っていたんですよね。だって、あまり奥深いと、奥に置いたもの取れなかったりして、実用的じゃないし。
ところが棟梁と話していたら、何いってるの、勿論、中には灯りも引くし、人が入り込んでも大丈夫なくらい丈夫な床だよ、というので、驚きました。要はロフトとか作る要領なんですね。
入り口は、寝室のドアの上となります。
で、床を支える部分等始末していたら、なんと、居間のドアの上に、ぽっかりと空間が開きました。



(玄関から見て、右が寝室の側の入り口、左が居間の入り口。ドアの上壁が空洞でした。)

実は、居間と寝室の間の壁はかなり厚く取っていて、一部、壁をくりぬいたような形で、奥行きの狭い物置があるのです。でもまさか、この壁の中全体が空洞になっているとは思いもよらず、棟梁もびっくり。


(寝室入ってすぐ左手にある物置)

これはラッキーです。そもそも天袋も、1.3X1.8メートルくらいのスペースとなりそうなのが、さらに30センチX1メートルくらいのスペースが加わることとなり、これは相当収納力がありそうです。ただ、考えたら、担いで階段を登る必要があるので、あまり重くてかさばるものは、持ち込めないですね。
でも、ちゃんと明かりもつくなんて、なんかちょっと秘密基地みたいで、楽しいですねぇ。っていい年して、それも一人暮らしで、そんなとこにこもったら、ただの危ない人ですけども。

明日はまた超早起きして、打ち合わせに行く予定です。
  1. 2009/02/11(水) 06:01:24|
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内装 : 台所のシンクなど

最近のわたしは、週末でも普段と変わらない時間に起きて、いそいそと郊外の日曜大工センターに出かけるようになりました(実際は日曜日にオープンする店はありませんので、日曜大工センターとは呼べないのですが)。
自宅からアクセスしやすい場所に、北にBrico(ブリコ)、北西にCastrama(カストラマ)という大規模チェーン店があります。日本の店に比べると、多分かなり大規模。少なくとも東京でわたしが知っている店に比べると。
今日は、イケアで、台所家具の設定見直しもしたかったので、イケアのお隣にあるカストラマの方に行きました。カストラマの方が、台所関係は充実していたようだし。

探しているのは、台所のシンクと下部の棚が一体化したもの。オーブンとガス台、換気扇などを組み込んだ棚は、イケアで見積もってもらっているのですが、水廻りは、残念ながらスペースが足りず、イケアでは組み込み家具が作れないのです。
もともと、陶器のシンクがあり、その奥行きが45センチ、横は1メートル。横幅は問題ないのですが、普通の組み立て家具だと、奥行きが、最低60センチは必要ということなのです。


(以前の家の様子。こういう陶器のシンクを想定していました。)

何回か見ていたのですが、適当なものが見当たりません。今日は、そんなこと言ってられないので、係員に聞いてみたところ、やっとありかが分かりました。あるじゃん、こんなに!隅っこだし、箱が積まれているだけなので、今まで全然気付きませんでした。
おかしいとは思っていたんですよね。というのは、今回不動産すごくたくさん見たけど、今住んでいる家を含めて、多くの家が、居間の片隅に台所スペースがあるというタイプ。つまり、必ずしもどこもがオープン・キッチンだったり、台所そのものが広かったりして、よく家具の雑誌で見かけるようないわゆるシステム・キッチンが置けるわけではないんですよね。だから、もっとこじんまりした小さな据え置き型の水廻りというのもあるはずだとは思いつつ、見当たらなかったので、不思議に思っていたのです。
残念なのは、選択肢はサイズだけ。下部の家具部分が、安っぽいし、めちゃくちゃダサい。せっかく他の部分はイケアでかわいらしく統一しているのに、うう。
シンクは、ステンレス製のものはその場にたくさん売っているけれど、わたしが好む陶器製のものは、注文で20日くらいかかるとか。全体を白で統一するつもりだし、陶器のシンクは、ステンレスより温かみがあって好きなのですよ。一応担当者に、ステンレスと陶器と、専門家としてはどちらがお勧め?と聞いてみたところ、「ステンレスはより丈夫で、手入れが楽。陶器は、やはり見た目がいいということ。値段もほとんど変わらないしし(陶器製が若干サイズが小さいのに20ユーロ弱高い)」ということでした。なぁんだ。わたしの審美眼は正しいんじゃん!やっぱり陶器製の方が見栄えがいいというか、感じがいいよね~。
でも陶器製にこだわるわたしに、内装業者は、いや、ステンレスでしょ、ステンレス。陶器はダサいでしょ。みたいな事を言うんですよねぇ。
ただ、注文して20日もかかるということ。そして、陶器製のシンクは、45センチX100センチだから、かなり重量もありそうで、とても一人では運べない(そもそも小さい私の車には入りそうもありません)ため、業者に頼む必要があると思うので、彼が嫌がった時点で、ステンレス製を選ぶしかなくなります。
こういうとき、使える男が身近にいればねぇ、と思います。こういうときくらいですけどね。大体、こういうときにも使えない男というのはたくさんいるわけで。いい例が、今の家の大家。イタリアでは、家や車のことは、結構自力で解決できる男が多い中で、彼は水漏れ修理も出来ないし、自転車のタイヤも替えられないし、なーんにもできない人で、こういうのが恋人とか夫だったら、すごく困る。いや、男の魅力はそれだけじゃないけど、でもこの国では、実際かなり重要なことです。
おっと、話がそれました。
来週早々、内装業者に聞いてから決めます。

一方、もうそろそろ混雑がひどくて無理かな、と思いつつ、お隣のイケアに寄ってみました。すでに表側の駐車場はほぼ満杯、中もすごい人です。でも台所売り場のところは、まだ比較的すいていて、見積もりの順番をもらったら、2人待ち。おお、ラッキーと思いつつ、そこらのものを見ていると、10分もしないうちに呼ばれました(その後、20人くらいウェイティングになったので、ラッキーでした)。
年末に一度見積もりをしたのですが、内装が実際に始まってから、いろいろと変わった部分もあるので、変更の必要が出てきたのです。すでにメモリーにそのときの見積もりが入っているはずだったのですが、見当たらず、結局改めてやり直すことになりました。今日当たった係員は、前回よりてきぱきとソフトの使い方もうまくて、あっという間に見取り図が完成しました。その上すごくフレンドリーで、さらにまたかわいい男の子で(ああ、オバサン視点です)、最初の質問は「君どこの出身?え、東京なの?ファンタスティコ!」。すごい日本ファンの男の子で、合間におしゃべりなどして、それもまた楽しかったです。


(イケアでの見積もりは、パソコンで3Dを使って、イメージを作ってくれます。)

そうそう、電動工具はいろいろありすぎて、係員に説明を受けたものの、決めかねて退散。日本語サイトで勉強したんだけど、なんか基本的にスペックの高いもの、つまり値段の高いものばかりで、初心者向きっぽい、安いものなんて、一個もない!何に使うのか聞かれたので、棚とかフックをはめるのに…というと、壁も開けるなら、このタイプがいいね。ってそれ安売りになっていて49ユーロ。高っ。そのくらいは仕方ないのかもしれないけど、わたしそんなに使うのかな?一生のうち、今回10回くらい使って終りってことにならないのかな?だとすると、一回分5ユーロってすごく高いよね?
と、貧乏人はすぐにそういう考え方をしちゃうんですよねぇ。内装業者に出来る限り手伝ってもらおう、とか引越しを手伝ってもらう友人にやってもらおう、とか、すでに図々しいことを考え始めています。
  1. 2009/02/08(日) 23:54:41|
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不動産 - 内装工事

すごいことになっています。そうか、全面改装って、こういうことなんだ!
これまでの人生で、初めての体験なので、ただただびっくりしてます。不動産屋が、全面改装したら、完成後は、中は新築になるんだからっていってましたけど、意味が分かってなかったんですね、わたし。
床を引っぺがして、壁にぼこぼこ穴を開けて、まさに建設中のおうちの内部状態になっています。工事始まって、3日くらいで、そんなになっちゃいました。


(暖房の配管をするために、もともとあった、実はまだ十分使用に耐えられた床材をはがして、一部トンネル状に掘ってます。)


(浴室。うへぇ、すごいですよね。本当にちゃんと出来上がるのか?と不安150%って感じです。)
内装工事は、大体、以下のような内容です。
・暖房(含温水)のためのガス暖房機設置、および各部屋にヒーターの設置(4台)。
・電気配線総取替え
・水道管ガス管の配管やり直しおよび総取替え
・玄関ホールの屋根を下げて、屋根裏物置増設
・天井全体を下げて、二重天井造作
・壁全体を削って、漆喰塗りなおし
・台所と浴室以外、床の全面フローリング
・台所の水廻り設置、タイル張り
・浴室のサニタリー設備入れ替え、タイル張り
・バルコニーの整備、アンティークな木製ブラインドのペンキ塗り替え
・内部扉5枚のペンキ塗りなおしと、レバー取替え

うわ~、列記すると、かなりすごそうですよね。実際すさまじいんですけども。
2週目、実質10日弱が終わりそうな時点で、とりあえず、配管の主だったとこと、電気配線の主だったとこが出来たようです。
で、何度も通って見ているうちに、手作業好きなもので、そうか、自分でもトライ!DIYじゃん!と思い立ち、この週末は、まず電動ドリル・ドライバーを購入しようと決心しています。
え~っ、電動工具かよ、と驚かれるかもしれませんが、実はこっちの家庭では、電動工具は、一家に一台、といってもよい代物。工具箱は、大抵の家庭に備え付けられていて、さすがサービスのない自助努力の国って感じなんです。
わたしの場合、手芸や編み物などは好きで、今も暇があるとパッチワークにいそしんでいるのですが、根がいい加減で、工作は苦手です。編み物が好きなのは、多少間違っても、引っ張ったりして、なんとなく帳尻あわせが出来る、みたいなゆるさなんですよね。パッチワークは、本来、古くなった大好きなブラウスとかを、ただ捨てたくないな、でも雑巾にするのも哀しいな、という実用目的ではじめて、でもいい加減なので、全然上達しないどころか、最後、裏地をつけるところでは、いつも寸法がずれまくって、無理やり四角にする、みたいな事ばかりです。
だから、日曜大工、工作系は、どうかな?と思うのですが、でも自分で棚つけたりフックをつけるくらい出来たら楽しいですよね。将来的には、CDラックくらい作れるようになりたいし。
ふふ、新しい趣味ゲット、となるかもしれません。

とりあえずは、台所のシンク探しに走り回らないと。明日も朝から郊外の日曜大工センターとかイケアを回る予定です。アパートにも立ち寄って、進み具合をチェックしないと!どんどん楽しみになってきました。
  1. 2009/02/07(土) 06:56:36|
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マルケその3-Genga

ジェンガは、アンコナから汽車で1時間半ほど内陸に入ったところにある土地です。実はかなり有名な観光地。というのも、すごく大規模なフラサッシ鍾乳洞があり、その側には、温泉保養地があるのです。ロマネスク教会は、ついでの観光地になっていて、よほど物好きな人(つまり、わたしとかこのサイトを訪問くださるロマネスク・フリークの人々)以外は、この教会だけを目指していく人はいないだろう存在です。
わたしの目的は、洞窟や温泉ではなく、まさにそのロマネスク教会だったのですが、アンコナの観光案内所で、鉄道でジェンガまで行き、駅から、洞窟行きのバスに乗り、その途中に教会があるという情報を得ました。鍾乳洞とセットじゃないと、観光できないのかなぁ、という感じでした。
さて、寂れたジェンガ駅で降りると、駅前にバスが停まっています。あれがきっと洞窟行きに違いない、やっぱり不便な場所だから、汽車の時間に接続しているんだな、汽車が遅れたけど、待っててくれたんだな、よかったぁ!と早速乗り込もうとすると、運転手さんに止められてしまいました。そして他の人々はどんどん乗り込みます。え?何でわたしだけだめなの?外人差別?と思いっきり不審な顔をして、不満げに問いただすと、これは、温泉保養所行きのバスで、彼らは保養所のホテル宿泊者なんだよ、ということで、わたしだけ差別された!くらいに思っていたわたし、思わず赤面。
「洞窟だったら、駅の反対側に行くと、案内所と、連絡バスがあるから。線路を少し遡らないと踏切がないし、駅の向こう側行くので、そこまで乗せてあげるよ」と、運転手さんはとても親切でした。
駅で降りた人は結構いて、さすが有名な鍾乳洞、観光客結構来るんだ、と思っていたのですが、結局みんな保養所の滞在者で、鍾乳洞に行くために汽車でやってきたのは、私ひとりだったのでした。
さて、駅の反対側は、運動会が出来るほどの広場になっていて、屋台程度の造作のお土産屋や簡易Barみたいな店が軒を連ねています。案内所があったので、早速チェック。鍾乳洞は毎時のガイド・ツアーで、ツアー時間直前に、ここから連絡バスが出ると言うこと。なぜかと言うと、鍾乳洞の近くには駐車場がないので、訪問者はここに車を置いて、行く必要があるということ。また、ロマネスク教会は、その広場と鍾乳洞のちょうど真ん中くらいにあり、歩いてもたいしたことはないということなどの情報を得ました。
まずは鍾乳洞の入場チケットを購入。実はちょっと迷いました。ずいぶん昔、プーリアで鍾乳洞に入りましたが、それなりに面白かったとは言え、あくまでそれなりに。特に強い興味はなかったんですよね。それに入場料は15ユーロと結構なお値段。でも、実はすごくて、あとで後悔したらいやだしなぁ、たぶん二度と来ないし、と思い直したのでした。
1時間近く、お土産屋を冷やかしながら時間をつぶし、いざ16時のツアーに参加すべくバスに乗り込みます。いかにも南の田舎から来ました、という中年のおじさんおばさんの団体がいて、うるさいことこの上なし。かなりの人数です。この連中とガイド・ツアー、ちょっとうんざりです。洞窟までは2キロ弱らしく、あっという間につきます。途中車窓をチェックして、あれが教会だな、と大体の検討がつきました。
いざ、入場。ガイドは若い娘で、声の通りがよく、説明もてきぱきしていてとてもいい感じです。外人はわたしの他に英語圏のカップルがいましたが、彼らには、イタリア語で大丈夫?このあと英語ツアーもあるけど、と確認していましたが、わたしは思いっきり無視されました。イタリア語出来ますオーラでもでていたのでしょうか?
簡単な説明の後、通路を進みます。すでに冷気が押し寄せてきます。ここは一年中、気温が一定しているのだそうです。湿度はほぼ100%。寒いけど、湿度のために、深々冷えるという感じはないのです。
確かにすごいものでした。まず最初の部屋が、天井まで100メートル以上あるとか言う大きな洞窟で、ここが最初に発見されたとか。すべて巨大なのですが、暗闇であり、距離感が全くつかめず、あれが10メートルあります、何階建てビルと同じ高さです、と言われても、全然実感として把握できません。
往復で2キロくらい歩かされます。暗くて、ぬれているので滑りやすく、また階段や段差がたくさんあって、年寄りには無理かなと言う行程でした。でも田舎のおじさんおばさんたちはわいわいがやがや、楽しそうでした~。


今でも探検、調査、発掘など続けられていて、専門化向けのツアーもあるそうです。登山靴やザイルで身を固めて、観光客向けのライトのないところまで、行くそうです。過酷でしょうが、かなり面白そうでした。でも暗闇は苦手なので、わたしには無理ですね。

さて、歩きつかれて、地上に戻り、ほっとします。正直、鍾乳洞は、もう一生分見た、という気持ちでした。自然も好きですけど、どっちかというと、グランド・キャニオンとかアルプスとか、断崖絶壁から見る海とか、そういう雄大系の自然の方が好きで、鍾乳洞のように、実は雄大だけど、見た目内向的なのは、あまり趣味じゃないみたいです。

おっと、またロマネスクに無関係な話が長くなりました。
バスを待つのは馬鹿馬鹿しいので、徒歩で教会に向かいます。10分弱で、到着。


温泉保養所の入り口あたりに、ロマネスクのサン・ビットーレ・アッレ・キウゼ教会が建っています。洞窟まで、今は車の道になっていますが、かつては谷だったのでしょう。教会は、谷底と山の真ん中くらいにある平地にあります。小高い丘になっていて、昔大好きだった「小さいおうち」という絵本にあるかわいらしいおうちのロケーションみたいです。ここは絵本と違って、都市開発されるどころか、取り残される一方、という土地で、よくもこんなに美しく残されたものだという感じです。
丘の真ん中なので、ほとんど360度から観察できます。こんなにすっきり簡単に全体が見られる場所もなかなかありません。
訪ねたときは、ちょうどミサの最中で、中に入れなかったのが残念でした。入り口が開いていたので、しばらく外から眺めていました。身振り手振りが激しく、ひげを蓄えて、ちょうど絵にあるキリストのような風貌の方が説教していて、印象的でした。ちょっとカルト宗教のミサみたいでしたよ。
石。すごく石のイメージの強い建築です。外観は、意外とたおやかなのですが、中は、質実合憲、どっしり、がっしり。入れなかったのが、つくづく残念ですねぇ。だって、ミサ終わるのを待っていたら、アンコナ行きの電車に乗り遅れて、夕食も取り損ねるかもしれないし、でもこの日は、旅の最後の夜だったし、どうしても魚介類のフリット・ミスト(てんぷら)を食べたかったし…。ロマネスク、フリットに負けたんです。
笑うかもしれませんが、海辺でいただくフリットは、本当においしいんですから!

で、アンコナかえって、ホテルにも行かず、ほこりにまみれた状態でレストランに飛び込み、魚介パスタとフリット、堪能しました。レストランはしょぼかったけれど、フリットは期待通り、大変おいしいものでした!
  1. 2009/02/05(木) 06:27:31|
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不動産 - 近所の人のこと

工事を始める前に、せめてお隣と上下の家には、挨拶しておこうと思い、手土産を持ってアパートを訪ねました。そのとき在宅していたのは階上のご夫婦のみでしたが、とてもよい感じの人たちで、内装の件を伝えると、うちはこんな感じなのよ、と赤の他人の外人のわたしを、気にすることもなくお宅に上げてくれたのでした。
もう三十数年住み、おそらくその建物では最古参のご夫婦。これから長く住むわけですから、隣人は重要で、とりあえず大変穏やかでよい人たちだったので、まずは安堵。
その二日後、電気技術者とのアポがあり、ランチ時間にアパートに行った際、階下の家を訪ねてみました。話し声がするようだったので呼び鈴を鳴らしても反応なし。2度ほど鳴らすと「どなた?」「あ、あの~、階上のものですけど…」「今忙しいので、後にしてくれるっ!」…。ウワ~、これはやばそうな感じ。声は中年のオバサン、かなりとがっていて、「くれるっ!」の最後の「っ!」に、かなりいやな気持ちにさせられました。
そしてさらに二日後、売主から電話が入り、実は階下の人が、工事のために自分の家の壁にひびが入ったと言っているんで、大至急連絡してくれ、ということでした(いまだに売主が絡んでくるのは、まだ正式な契約が発効していないからです)。え、階下の人?あのとんがった「っ!」の人ですか、といや~な気持ちになりました。やっぱりこんなに大規模な内装工事が必要な家を買ったのは失敗だったに違いない、お金も予期しない勢いで追加でかかっていくし、ああ、と軽く後悔の波に襲われます。
でもそんなことで嘆いていても仕方ないので、早速電話をしました。
「あ、あの~、上のもんですが、さっきMr.○○から電話で聞いたんですが、ひびが入ったとか…」「あ!そうなのよ、そう、ひびがすごいのよ。昨日、ちょっと外出して戻ったら、もう入っていて、漆喰の粉とか落ちていて」と、機関銃トークが、やっぱりとんがった声で、始まりました。ここは下手に出ないと、と思っていたものの、いつまでもやまない訴えに、やむなく話をさえぎり、「分かったので、今すぐ業者に電話して事情を説明して、対応策をすぐに折り返しますんで」と無理やり終了。はぁぁ、疲れた。後悔が毛布のようにどっさりと身体を包みます。
気を取り直して、業者に電話。すると彼はこの週末は用事でミラノにいないと。自分がいないから、週末は工事もないので、ひどくなることはないだろうと。そしてそういうことは古い建物の工事の場合、よくあることで、まさに日常茶飯事だから、驚くにはあたらない。今後、注意するようにするし、あとから勿論修理するので、その人にも心配ないように、また週末明けに早速訪ねるし、そう伝えろという指示でした。なぁんだ、日常茶飯事!後悔の毛布が、シーツくらいの軽さになりました。
すぐ電話をかけなおして話を伝え、わたしも挨拶方々お伺いすることになり。結局翌日の早朝ならいいわよ、ということで、8時にアポを撮りました。週末の朝7時起きは辛いけれど、これから長いお付き合いになるはずの人ですから、最初から悪い印象は与えたくありません。早めに起きて、手土産を持って、5分以上前には建物前に待機。8時ぴったりに呼び鈴を鳴らしました。
ドアを開けてくれたのは、完璧に化粧した派手な顔のオバサン。年の頃は、五十代前半というところでしょうか。もしかしたら後半にさしかかっているかも。「あらあら、どうも、いらっしゃい、入って頂戴、ほらほら、あそこ、ね、あそこのひびなのよ」朝8時、いきなり機関銃トーク炸裂です。


ウワー、これは思ったより割れている…。とりあえず写真撮影させてもらっている間も、彼女はしゃべりっぱなしです。「うち、どう?あなたのところとは違うでしょ、全部ドアを取っ払って、開放的でしょ、この台所、どうよ、全部アーキテクトにやってもらったから、いい感じでしょ、ほらほら、ここにコンパクトに食器洗い機が納まっているのよ、食器洗い機を持っているのは、このアパートでもわたしだけなのよ、あ、そこの天井の明かりもいい感じでしょ」ニコニコして、わたしの腕を引っ張って、いちいち見せてくれるのです。それでいて、こっちが相槌をうったりして話を広げようとすると、「これから出かけるし、ベッドもちゃんとしてなくて、ごめんなさいねぇ」などと、自分が会話の主導権をとり、こっちには相槌以上はさせません。そして不意に、「あ、じゃあ、今朝はわざわざどうも。週末明けに、業者の人と会うから、じゃあ」と、また腕をとられ、無理やり押し出されるようにアパートから出されました。
???たんに自慢しいのいい人なのか。電話でしゃべったときよりは険もないし、物分りもよさそうだし、ふーん。まぁとりあえず会いに来てよかったのでしょう。やはり顔を知っているのと、全くの他人とでは、対応が変わってきますし。それに、電話してすぐ訪ねたので、それなりの誠意は感じたのかもしれません。手土産はブランド物のチョコレートだったので、それも気に入ってくれたかもしれません(ブランドとか、すごく好きそうです)。

何はともあれ、こうしてご近所二組3名と知り合いました。これから長い付き合いで、どうなっていくのやら。

でも、さらに翌日、業者に撮影したひび割れの写真を見せると、あ、これは新しいひびじゃないな、もともとあったもんでしょ、だそうです。くそ~、やられた!結局水掛け論になるから、直すことになるだろうけど、ということですが、その経費は誰が持つの?!
ああ、やはりこんな古い家は、よせばよかったのよね、と涙が出そうになりつつ、でもまたまたの大雪で、雪景色の広がるバルコニーからの眺めに、慰められ、あ、やっぱりこのうち、気に入ったんだよね、仕方ないか、と思い直せました。とはいっても、一日憂鬱でしたけど。
  1. 2009/02/03(火) 06:23:38|
  2. ミラノ-不動産の話
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