ロマネスク以外にも、ちょいと町を歩きましたんで、せっかくなので、写真などアップしとこうかな。めったに行きませんからね。
この、花の聖母寺、ドゥオモの側面の佇まいは、結構すきなのです。うるさいまでの色大理石の模様ですが、うるささもここまで来るとゲージツ的になるというのか。ロマネスクのピサ様式が、こういう形で最終的に落ち着いたのかな、というようなものもありますよね。
うるさいけど、これ、地は白なので、青空がバックにあったりすると、すばらしく美しかったりします。
こちらは、ドゥオモの前にある洗礼堂の南側の扉。時代的には最も古いのではないのでしょうか。でももうルネサンスに片足かかっていて、うまいです。ソツがないっていうか、無駄がないっていうか、洗練されちゃってます。最も有名な東側の黄金の扉に比べれば、ほんの少しだけ中世の名残があるんですけどもね。
こっちが、有名な黄金の何とか。うわ~、すごいですよね、田舎くさい金屏風。とかいっちゃって。でもこういう感覚、全く分かりません。
気を取り直して、美しいフィレンツェの姿。これは、ミケランジェロ広場からの一枚。アルノ川を手前に、フィレンツェのおなじみの姿。
こうしてみると、やはり美しい町並みです。ミラノなど北の町とは違う赤い瓦屋根には、やはり郷愁を覚えます。そして、この辺のご飯にも…。
久しぶりのウフィッツィ美術館もサン・マルコもよかったのです。そうだ、フィレンツェにも好きな場所はあったなぁ、なんて思い出したような(サン・マルコ、大好きなんです)。たまに来るのは悪くありませんね。また次回まで、さようなら、フィレンツェ。
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2009/10/30(金) 06:02:51 |
旅歩き
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ここは昔から、住宅街みたいな場所にこじんまりとある現代美術館。あのニューヨークやビルバオのグッゲンハイムと同じグッゲンハイム家のペギーさんが、邸宅とコレクションを美術館にしたもの。美術館としてはこじんまりとしていますが、個人の邸宅と思うと、超豪華なお屋敷です。 当時、って正確にはいつか知らないんですが、金に飽かせて、というか、金は腐るほど持っていたのであまり金額のことなど考えず、売れてない人も含めて現代美術を買いまくったわけです。誰でもが知ってる、という作家の、特に小品がたくさんあります。そのわりには、訪問者は比較的少ないのです。とても素敵な場所なので、とってもお勧めなのですが。プンタ・デッラ・サルーテから近いから、もしかしたら、これから現代美術ファンが増えるでしょうか。でもここは、いつでも静かにあってほしいとも思ったりします。
これが陸側の玄関。地味です。
そして、こちらが海側の玄関。邸宅の正面玄関はこっちですね、ベネチアだから。有名なマリーノ・マリーニの彫刻がお出迎えです。
館内は撮影禁止で、入場時に結構厳しいチェックをされます。でも庭は撮影OK。小さめの彫刻などが適当に散らばっています。
この作品はヨーコ・オノでした。全く記憶にないので、以前はなかったと思います。日本人にはおなじみの七夕ですね。小さな紙片とペンが用意されていて、お願い事を書いて木にぶら下げてくださいとあるのです。一生懸命書いているのは、旅の同行者の老母。わたしは、旅の成功を祈ってきました。ヨーコ・オノ、ビエンナーレでも出ているし、全くたいした人ですよねぇ。
ここを訪ねるのは、随分と久しぶり。少なくとも十年以上は来ていません。
で、おや?と思ったのが、庭続きに、もう一つ建物があったこと。昔はなかったと思うんですよね~。記憶っていい加減だから、覚えていないだけ、という可能性も無視は出来ないのですけれど。
お隣の家を買ったということなんだと思うんです。いつまでたってもグッゲンハイム、お金持ちなんですねぇ。
で、その家が、別館となっていて、レストラン、特別展会場、ショップとなっていました。
訪問時の展覧会は、ラウシェンバーグの工作。工作って変か。でも絵画じゃなくて、インスタレーション系の作品だけが延々と。すごい数でびっくり。ラウシェンバーグのこういうものを、こんなに大量に見たのは初めてで、へぇ、でした。特にほしいとは思いませんでしたけど(ほしくても買えんて)。
ベネチア現代美術特集、これでお仕舞い。 結構刺激を受けて、ミラノでも、これから久しぶりに展覧会、美術館めぐりを再開じゃぁ、と気炎を上げている今日この頃。そう思って調べると、実にたくさんの展覧会があって、ウワ~、どうしようってくらいなんですよ。この数年何も見てない、どこもいってない状態なので、新しい美術館とかもいろいろあるし。 ということで、今後、アートの旅は、ミラノ市内も含めて、増えそうな予感です。ご興味があれば、是非お付き合いくださいませ。
2009/10/29(木) 05:41:01 |
アートの旅
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Bardolinoバルドリーノ続きです。
ガルダ湖東岸の中では、比較的大きいとは言え、一般的な基準から言えば、結構小さい町です。でも、前回紹介したサン・ゼノに加えてもう一つ、ロマネスク的に大変重要な教会があります。やはり北から聖地を目指して旅する人たちの巡礼の道だったせいでしょうかねぇ。サン・ゼノは、街道からちょっと入ったところですが、この、サン・セヴェーロは、まさに街道沿いにある教会です。
美しい後陣です。この手前が、湖沿いの街道で、かつてはおそらく、街道の、この教会もある湖岸側にしかなかったであろう村が、今では、街道のこっち側にまで広がっています。街道よりも、教会のレベルが相当下にあるのが明らかですが、当時は、おそらく街道のレベルも、この教会のレベルだったのでしょう。
ファサード。教会の周りは、ちょっとした広場になっていますが、ファサード前は、すぐ他の建物が迫っていて、全体をうまく撮影できるポイントがありません。ありがちですけどね。
素朴なファサード。白っぽい石が美しく、素朴な装飾が返って魅力的です。
さぁ、入場します!
素敵にどっしりとした円柱。そして壁にはびっしりとフレスコ画。うわぁ、ここはすごいです。すばらしくいい感じです。
柱頭もとても素朴なんですが、妙にかわいらしく、全体の雰囲気にぴったり。
そして、とてもプリミティブなクリプタ。
内陣を一段下に下りたところ。地面から柱頭の上まででちょうどわたしの身長、160センチほどの低さです。当時はどういう風になっていたのでしょうか。
壁のフレスコ画は、相当修復されていると思われますが、残念ながら、全体的に傷みが激しいです。とは言え、じっくり鑑賞すれば、テーマは十分分かる程度にははっきりしています。これは、多分ドラゴン退治。
いやいや、全く、次々といろんなものが出てきて、楽しいガルダ湖。サン・ゼノは誰も来ませんでしたが、こちらは、ドイツ人団体とかち合ってしまって、うるさいのなんの。お前らは信仰がないのか!と叫びたくなりました。
ガルダ湖の旅、まだ続きます。
2009/10/28(水) 06:19:07 |
ヴェネト・ロマネスク
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実は結構落語好きです。といっても、たまたまもらった落語のテープにはまった口なので、名人の噺をテープで聞く専門。いまだに古いカセットテープに入った古典を、日々ちくちく手芸などしながら聴くのが好きなパターン。噺は、志ん生さん、志ん朝さん、円生さんなど、合わせて100話くらいあるでしょうか。まだまだ聞いたことのない話もたくさんあります。 で、今回、ミラノで落語会があるというので、大喜びで行ってまいりました。イタリア語でもやります、ということだったので、正直ちょっと危惧もあったのですが。 三遊亭竜楽さん独演会、ということだったのですが、前座に若手の三遊亭楽生さん(楽太郎さんの一番弟子ということでした)も出てきました。 楽生さん:寿限無 竜楽さん:長短(イタリア語)、親子酒 合間に、イタリア人向けに、道具の使い方とか、高座の作法とか、日本の文化をちょいと紹介するようなお話も入って、2時間強の会でした。 なるほど、やはり落語はナマに限るって言うことがよく分かりました。しぐさ、表情、口跡、すべて録音の音源だけでは分からないことだらけ。落語がいかにすごい舞台芸術か、ということが、実感されました。竜楽さんなど、あまりの表情の豊かさに、本当はどういう顔をしているのか、よく分からないのです。そんなのはわたしだけかな。 それに切れ味のいい日本語は気持ちがよいですねぇ。佇まいと凛として。そしてなんといってもおかしい。やっぱりすごいですね、噺家というのは。今日の会場はとても狭いところで、お客さんとの距離は、1メートルもなくて、だからもう手に取るように反応が分かるわけですが、堂々と切れ味よくて。とにかく笑えました。 有名な寿限無も、噺を聞くのは初めてでしたので、素直に楽しめました。また、イタリア語でやるってどうよ、と思っていましたが、噺を選んで、うまく訳してあれば、かなり雰囲気も通じるように思えました。って言うか、イタリア語で十分笑えました。たいしたものですね~。 一時帰国で帰ったときにでも、一度寄席に行ってみたいものです。 次回は、新春歌舞伎も行こうかと思っていたりして、なんだかオペラにはまっていた昔が嘘のように、日本の伝統芸能好きになっています。ああ、よく笑った。笑う角には福来る。と楽しみにしてましょうか。
2009/10/26(月) 06:18:12 |
ミラノ徒然
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いやいやいや、決めてしまいましたね。どうなるかな~、と思っていましたが、雨になったことも含めて、結果の予測できない波乱のレースでした。それでも、最後はきっちり決めて!おめでと~、ヴァレ! 直前の250のレースまでは快晴っぽかったのに(半分眠りながら見ていたので、よく覚えてないのですが)、GPの開始直前より、激しい雨。え~、だれも雨の用意なんてしてないでしょ?どうするんでしょ、どうなるんでしょ、と思っていたら、いきなりロレンツォ大失敗。規定の時間内に自分のグリッドにつかなかったために、なんと最後尾からの出発になってしまいます。 レース捨ててんのかよ、お前!となんかムカッとするわたくし(誰もロレンツォにしっかりした指示を出せなかったということで、レース後の番組で、皆がチームを批判していました)。 そして、各車しぶきを上げながら出発。 いきなり、トップ集団から脱落するロッシ。一方で、最後尾出発だったはずなのに、いきなりロッシを先行するロレンツォ。どういう展開じゃぁ!驚きましたね。 ストーナーとダニが飛び出るのは予測どおりでしたが、それにしても最後まで、トップを走り続けるとは。ダニは、本人も、レース後満面の笑みでしたが、レイン状態での表彰台は初めてということですね。それに、とにかくいつも、途中で息が切れちゃう人なんで、途中、ドヴィにぎりぎりまで迫られたりしながら、よく我慢しました。 後続集団の争い。ロレンツォとロッシの走りは面白かったです。ロレンツォがニッキーを抜けば、ロッシも間髪をいれず抜いて、ロレンツォがエリアスを抜けば、ロッシもコピーのようについていって、あれよあれよ、という間に二人そろって4位5位まで順位を上げていました。 ロレンツォの気合はすごいものがありましたけど、エリアスを抜いた時点で、限界という感じでしたね。そのあとは、ロッシがさり気に抜いて、4位になり、ロレンツォとの距離が少しずつ広がっていきました。 そうこうするうちに、ドヴィが自爆。ロッシ、自動的に三位に。 かなりハイ・スピードで走っていたので、もしかしてひたひたとダニまで追いつくのか、と期待していましたが、ちょっと時間が足りませんでした。 ストーナーは2位ダニに17秒の大差をつけて圧勝。復活をしっかりと印象付けました。やはりロッシのあとを継ぐのはこの人かな~。 そしてロッシ!2009年タイトル獲得!本当は優勝で決めたかったでしょうけどね~。 ロッシ・ファン・クラブは、勿論優勝パフォーマンスを用意していましたね。全く、あの人たち、本業は何をしているんでしょうか。 雌鳥を運び込んで、Tシャツの前に、”年取った雌鳥はおいしいスープしか生まない”のことわざと絵があるんだけど、背中には、でもボクはまだ卵を産むもんね!という卵の絵。全く、もうそろそろ世代交代かといわれながら、復活優勝を遂げ、まだまだいけそうだと思わせるロッシ、すごいものです。まさに不世出の天才? なんといっても軽やかな調子がよいのですよね~。勿論、水面下では一生懸命水をかいている姿を見せないというだけではありますが。ロッシの存在って、他のライダーにも、多分すごくいい影響を与えているのではないでしょうか。まさにチャンピオンの器ですね。 それにしても、どうせ最後は帳尻を合わせるなら、最初から、落ち着いた安定のレースが出来ないのかよ、と思ったりしますが、この最後で帳尻をあわすって言うのが、彼の持ち味とも思います。そういう意味では、今日はいかにもロッシらしいレースで、楽しませてくれました。 ところで今日は、スーパーバイクもシーズン最後で盛り上がりそうです。これからまたテレビ観戦。忙しい1日です。
2009/10/25(日) 18:46:49 |
モトGP
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2週間ほど前から、唐突にぐっと冷え込んできたミラノですが、わたしの住む地域では、今年最初の霧が、今朝見られました。
もう朝の9時過ぎでしたので、おそらくこれでもかなり晴れた方です。公園の向こうにある建物がほとんど見えませんが。
ひどいときには、ベランダの向こうがすぐ真っ白、という状態になります。
ただわたしの住む北部は、それほどひどくなることはめったにないですが。
ただ、いくら霧が出たといっても、町中はたいしたことありません。問題は田舎道。
あれは怖いものです。特に車の運転中は最悪です。豪雨やヒョウで、前がほとんど見えない、という中での運転は結構経験しているのですが、それでも、霧の体験は一番怖かったです。前が真っ白なんですから(そしてイタリア人はもちろんスピードを緩めることなく、ビュンビュンと飛ばしていくのです)。フォグランプの重要性を身にしみて理解しました。
ま、町の場合は、結構幻想的で美しい風景も見られたりするわけですが、湿度が高いってことなんで、なんかびしょびしょしていてうっとりした気持ちにもなれません。ただ、霧がなくなってしまえば大体快晴なので、しばらく待てば、よい日になります。
でもわたしのロング・ドライブのパターンは、超早朝出発で、午前中に重要ポイントを押さえる、というものなので、これからの季節は難しくなります。そうそう、夏時間が終わって日暮れも早くなりますので、一日が短くて、お日様は弱弱しくて、ああ、本当に嫌な季節です。
2009/10/25(日) 01:47:14 |
ミラノ徒然
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フリー走行、ロレンツォがかなり飛ばしていたようですね。前回の転倒が悔しいから、とにかくやるぞって感じかな。もうタイトルはあきらめたようだけど、ただではロッシを勝たせたくないという気持ちはあるでしょうね、確実に。 マレーシアは暑いので、ストーナーの調子がどうなるのか? いずれにしても、失うものがあるのはロッシだけ、とすると彼のレース運びは慎重にならざるを得ず、一方でストーナーもロレンツォももう失う物は何もなし、残り二戦!となったら、ある意味ロッシに不利なのかも。って言うか、慎重のあまり、つまらないレースになったらやだな、と思ったりしています。 時差があるので、明日早朝にあるタイム・トライアルは、ちょっと見られないかな。 とにかくあと2戦。楽しみたいです!
2009/10/24(土) 05:24:30 |
モトGP
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Bardolinoバルドリーノです。 ここは、おそらくロマネスク的には、ガルダ東岸で最も有名かつ重要度の高い町。 そして実際に、それだけのもの持ってます!予想以上にすばらしかったですね~。
まずは、サン・ゼノ。これ、この上の写真、誰の家?とかそういう感じですけど、なんとこれが教会なんですね~。左下にあるちゃちい茶色の木製ドアの上に、SAN ZENOなんて掲げられているのが、いかにも胡散臭いのですけど、いやはや、一歩足を踏み込んでびっくりですよ。
すばらしい柱頭で飾られた素敵な赤い円柱が、壁にめり込んでいて、なんじゃ、これ?!9世紀の教会ということですが、雰囲気は完全に初期キリスト教ですね。
すばらしい大型の柱頭です。
そして、壁のところどころに、カロリング朝時代のフレスコ画。
なんか、全体の佇まいに気をとられてしまって、フレスコ画への注意はおろそかになっていました。失敗。だって、本当に雰囲気がよいのです。外から見る姿からは想像できないですよ。
この、いかにもオリジナルの床の様子なんて、ぞくぞくしませんか。わたしって、実は石が好きなんだなぁ、と思った瞬間です。フレスコと彫刻やレリーフがあったら、後者を取るみたいです。
もう一度、外観。後陣部分には、なんとお隣の家の洗濯物干しですよ。すごい落差ですよね。
わたしが訪れたのは、朝早いせいもあったのかもしれませんが、誰も来ませんでした。貸切状態で、かなりうれしかったです。それにしても、ちゃんとオープンしているのがすごいです。近所の人が管理しているのでしょうか。ある意味、閉まっているほうが自然、というような環境なので。 もう一つの教会は明日。
2009/10/24(土) 05:19:26 |
ヴェネト・ロマネスク
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ベネチアって、とても古い歴史的な、どっちかといえば古色蒼然とした感じなわけですが、ビエンナーレがあるせいか、現代美術が昔からしっかりと根付いている町です。イタリアは、ローマからルネサンスの古いアートが中心なので、現代美術に目覚めてきたのはかなり最近という印象です。最近でこそ、州立や県立、また私立の財団などによって、現代美術館があちこちに出来て、結構活発に活動もしているようですが、ベネチアの現代美術の歴史は、そういう中では、本当に古い、特筆すべきものなのです。
そんな中、つい最近、二つの古い建物が改装されて、改めて現代美術館として復活しています。その建物の設計を行ったのが、日本の誇る建築家安藤忠雄。ということで、このビエンナーレで訪れた機会に、是非訪ねてみたいと思いました。 その一つは、サン・マルコ広場の対岸の、島の先っぽにある、かつての税関の建物(17世紀)です。ここは、おそらくとても長い間、廃屋状態で放置されていたのではないでしょうか。
これがその建物の正面。海に向かっています。その名もPunta delle Dogana税関の先っぽ。なんせ、三角にとんがっている島の先端に立てられている建物なので、裏側は四角い普通の建物っぽいのですが、土地にあわせて、どんどん先細りになり、この本来の入り口前は、小さな三角の広場になっています(下が、裏側、今の美術館の入り口)。
別に安藤忠雄が好きってわけではないし、彼の建築は写真や映像でしか見たことがありません。でも、実際に現場に立つと、単純に、建築家ってすごいよなぁ、と思うものですねぇ。改装改築って、きっと新築よりもずっと難しいと思うのですよ。あるものをどこまで活かすのか、どこまで自分を出すのか、そういうことのせめぎあいがねぇ。 いやいや、なかなかよい建築でした。先細りの全体に細長い空間を、現代美術に合わせて大きな空間で仕切って、装飾的なものはミニマム。それも、おそらくもともとあった窓の形なども美しく活かしていました。
あるものは、まさに現代美術ですよ。ここで初めて!村上隆のフィギュアにも遭遇しました。あれはすごいインパクトですねぇ。それにしても、あれを億の金で購入する人がいるというのは…。素敵なガラスの作品があったり、なかなか充実したコレクションだったと思います。ビエンナーレのあとなので、撮影禁止は、ちょっとストレスでした。
建物の本来の正面玄関の前にある少年像。かわいらしいのですが、なんせ先端に立っているので、全体撮るのも大変。海に落っこちそうで、恐る恐る動きながらです。誰もが、ちょっとへっぴり腰で写真を撮っている姿は笑えます。
そこからサン・マルコ広場を望んだ風景。ヴァポレットで一駅、ヒョイッと運河を渡るだけです。
ショップと、それに併設したバールが充実していたので、のんびりと休みたいときにはお勧めかも。まだ知名度も低いからか、昼時だというのにバールもすいてました。それにお値段も結構リーズナブルなんですよ。あ、美術館の入場料が割りと高いからかな。
もう一つの建物は、パラッツォ・グラッシという、もともと展覧会会場に使用されていたものですが、今回はPuntaだけ見学してきました。一つくらい、次回に残しておきましょう。ビエンナーレの跡は、いつも、よかったなぁ、次回も来よう、と思うんですけど、結構パスしちゃうんですよね。ビエンナーレのない年は、建築ビエンナーレがあるので、来年は行ってみようかな、とひそかに考えています。
2009/10/22(木) 04:57:32 |
アートの旅
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おまけは、ルネサンス様式の代表作、花の聖母寺とも呼ばれるドゥオモです。
かつてはシエナに暮らしたこともあるわたし、フィレンツェには、数えられないくらい行っているわけですが、町として好きになったことはなくて、それゆえに観光は、いつも好きな場所にポイント的に行くだけ。このドゥオモも、バチカンのサン・ピエトロ同様、クーポラに登るのは楽しいし、色大理石をこれでもか、という装飾で飾りまくった外壁の美しさは、確かに毎回目を見張るのですが、でも、アート的にちゃんと見学したことはなかったような。
で、今回は、ガイドブックを事前にチェックして、なんと、地下に、ローマ時代と初期キリスト教時代の遺構が残されていることを、初めて知ったのですね。いまさら遅いって。
ですから、クーポラや鐘楼に興味を示す同行者をそちらに行かせて、わたしは地下に直行です。
ここは、現在のドゥオモが建てられる以前にあった教会サンタ・レパラータの遺構です。結構広くて、かなりちゃんと整備されていて(そのせいか、しっかり有料。なので、ドイツ人中心に、階段は降りたものの、「金取るんだってよ~」とか言いながら戻る観光客多数)、びっくりしました。ロマネスクにはまらなければ、きっとわたしも、金取るのかよ~って戻っていた口かも。
床モザイクが、ほんの一部ですけど、きれいに残っています。
内陣部分。素朴です。4,5世紀の教会らしいですからね。よくもきれいに発掘して、修復したものです。このあたりの修復技術、そして、古い遺構をうまく見せる技術にかけては、やはりイタリアはたいしたものを持っています。
うわ~、組紐とか変形十字架とか、大好きなモチーフのレリーフ。いいですね~。
それにしても、ドゥオモ、ひどかったですね。ざわざわ話し声が響きまくっていて、およそ祈りの場とは思えない状況でした。イタリアに教会は数あれど、そしてこのような観光要素の強い教会もごまんとあるわけですが、ミラノのドゥオモだって、バチカンのサン・ピエトロだって、ベネチアのサン・マルコだって、アッシジのサン・フランチェスコだって、ここまでざわざわがひどくはないですね。というか、すごく大きな教会で、すごくたくさんの観光客がいるわりには、驚くほど静寂だったりします。なのに、ここは、外の騒音とほぼ一緒ですよ。なんなんですかね~。信仰のないわたしですら、本当にいたたまれない気持ちになりましたから、信者の方だったら、情けなさにたまらなくなるのではないでしょうか。ミラノのドゥオモにだって檀家がいるように、あそこにも檀家がいるんだと思うんだけど、何とかしろよ、と強く思います。哀しくないのかな~。
ともかく、ガイドブックは熟読しないと、です。 以上。この夏休みのトスカーナ・ロマネスクは、これで終了です。お勉強して、いずれサイトにまとめます。
2009/10/21(水) 06:07:55 |
トスカーナ・ロマネスク
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