今日は、イタリア日本人会主催の年一度のお祭り。その一環で、本の市があります。会員から供出された日本語の本が、格安で購入できる場なので、この数年、毎回必ず行って、何冊もゲットしてきます。今日はあいにくの雨でしたが、訪れる人は毎年増えるばかりで、今回も、多くのイタリア人の参加もあり、大盛況でした。
日本語を学んでいたり、興味を持っていたりするイタリア人は、本当に増えています。本の市でも、片言の日本語をしゃべっているイタリア人がたくさんいました。子供用の本や漫画を、いろいろと物色していたりするので、読み書きもしっかり勉強しているのですね。うっかりイタリアの悪口なんて、口に出来ません。
満員の人ごみを掻き分けて、何とか20冊弱ゲット。面白そうな本と、習慣的に買ってしまう作家の本と、どうでもいいけど、ちょっと時間つぶしにリラックスして読める本と、まぁまぁのバランスかな。これで、2ヶ月くらいはそこそこ楽しめそうです。
定価では絶対買わないけど、格安なので、とりあえず読んでみたい、というレベルの本も買えるのがうれしいところ。でも、正直今回は収納を考えて、ちょっと控えました。一緒に行った友人も本好きで、同じくらい買っているので、結果的には貸し借りで二倍量あることだし。
多くの日本人が来ているので、普段なかなか会えない遠方の人にばったり会うのも楽しかったですね。同じミラノで働いているけれども、普段はメールで近況報告をするくらいの友人とか、最近自分が忙しかったりで全然遊びにいけなかったパドヴァの友人とか。しばしのおしゃべりだったけど、そういう再会はうれしいものです。
今週後半はローマ旅行だし、行く前に大体の訪問先を決めないといけないし、歯医者や医者もあるし、今週は、すごく忙しくなりそうで、せっかく購入した本も、読めるのは結構先になりそう。まずは、本棚の整理をして、収納場所を確保しないといけません。それも、先送りですけどね。
それにしても、雨、よく降ることです。
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- 2009/11/30(月) 05:38:36|
- ミラノ徒然
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先日の中世の会のガイド・ツアーで訪れたサンタンブロージョです。
散々ロマネスク探訪にあちこちでかけて、ミラノに住んで、そんでいまさらって感じですが、サンタンブロージョは、北イタリアにおけるロマネスクの、最も重要な教会のひとつなんですよねぇ。本当にいまさら、です。
まずは外観。
これが正面からの姿で、二つある塔が、変な感じです。これまで何度も訪れているわりには、資料もちゃんと読んだことがなかったのですが、今回のガイド・ツアーでちょっと分かったことがあり、この二つの塔の謎もその一つ。
左が、教会の鐘楼で、右は、修道院用の鐘楼だったんです!教会はミサのお知らせ、修道院は、いろんな行事がありますから、そちらのお知らせ、ということで、それぞれが必要な時間に鐘を鳴らしていたとか。ほぉ~。周りは、混乱しなかったんでしょうかね。
この教会のイメージとして、赤いレンガ、だったんですが、意外や、基礎には大きな切石が使われていたんですね(ブレーシャ周辺で、散々切り石造りを見てきたせいか、妙に目に留まりました)。
教会本体の前に、かなり大きなスペースを使った前庭があります。古い建築だからだと思うんですが、この辺は、ちゃんと調べないとなんともいえません。
そこは、柱頭好き垂涎の広場、と思います。複数の石工が、異なる時代に作ったと思われる様々なモチーフの柱頭が、これでもか、と並べられているのですよ。
そして、全部、すごくかわいいんです!ここは、何度行っても、毎回同じように新鮮な気持ちで、ああ、いいなぁ、とうっとり出来ます。
教会本体のポルタイユは、今ではガラス板で保護されていて使われていませんが、ここもすごいです。
木の扉には、木彫り。これはちょっと時代が下るみたいです。そして、その周り、びっしり、もう言葉どおりびっしり石のレリーフです。かなり細かくて、一つ一つのインパクトというより、全体として、よくやるよな、というインパクトがすごいタイプです。
ケルト起源っぽい、こういうモチーフがまた、かはいい!いかにもわたし好みですよね~。
続きは次回。
- 2009/11/29(日) 06:23:12|
- ロンバルディア・ロマネスク
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今日は木曜日、恒例のアートの日です。実は仕事が忙しくて、残業する、という選択もあったのですが、残業は明日でも出来るけど、アートの日は木曜日だもんね(美術館やギャラリーが夜営業しているのは、木曜日だけ)、と思って、そそくさと退社。大体やったところでサービス残業。喜ぶのは会社だけだしね!
で、昨夜から、何を見ようか、と悩んでいたんですが、結局ドゥオモの近く、13世紀の建物を利用した展覧会場で開催中の、この写真展に決めました。
写真は、実はよく分かりません。かなり変な現代アートでも、好きか嫌いで一刀両断、自分流で楽しむわたしなんですが、写真は、どうも、ゲージツとして自分の中での位置づけがあいまいというか、分からないところがあります。
たとえば、マグナムで有名なロバート・キャパが好きですが、なぜ好きかというと、写真もすごいと思うけど、好きになった理由は彼の「ちょっとピンボケ」という本のためなんですね。思いっきり、それ違うだろう、と純粋写真派の人には言われそうです。
彼は戦争写真家で、第二次世界大戦、スペイン市民戦争とかの戦争現場ですごい衝撃的な写真を一杯撮ったんだけど、戦争から離れてからは、どうもぱっとしなくて、そんで、ベトナムとか行って死んじゃったんじゃなかったですっけ。
写真って、現場ですよね。対象であって、事実。その辺がゲージツにどう昇華するのかが、自分の中で分かってない。小ざかしいですね。写真でも現代アートでも、見て感じれば、それでいいんですけど、多分。
で、このマッカリーという人は、名前は知らなかったですが、かつてナショナル・ジオグラフィックの表紙を飾った、アフガンの少女のポートレートですごく有名な写真家なのです。これ。
いや、よかったです。
写真の展覧会で8ユーロかよ、高いんじゃないの、と思いながら実は入ったんだけど、価値はありました。
やっぱり分からん、と思いつつも、絵画や彫刻に比べれば、当然数が多い。その展示にまず圧倒されました。そして、すごく大きく引き伸ばしたものがたくさんあって(1メートル近くとかそういうサイズ)、迫力がすごい。カタログで小さい作品を見るのとは全然違うのは、絵画や彫刻など古典的アートと同じ。
この人は、ポートレートが結構たくさんで、それも、アフガンとかパキスタン、中国やインド、そういう土地が多いんですね。そういう土地の人たちと正面から向き合ってポートレートを撮る。あ、これはすごい、と思いました。相手が子供でも少女でも、老人でも、真正面から向き合うというのは、すごいエネルギーがいることではないか、と。風景を切り取るにしても、先進国の風景と、そういう土地の風景に注ぎ込むエネルギーって全然違う気がします。
いやはや。
面白かったのは、このアフガンの少女を撮って17年目にして、彼女を探すたびに出るマッカリーを、ナショナルジオグラフィックがドキュメンタリーにしたテレビ作品。立ちんぼで、30分以上見てしまいました。こういうの、フツーのテレビでやってほしいよ、全く(日本だったら、NHKとかが買ってそうです)。
写真展は、実は結構盛ん。ミラノには写真専門のギャラリーもいくつかあります。
わかんないし、なんとなく興味が湧かなかったけど、これからはちょっとのぞくようにしてみようか、と思いました。やっぱりなんでも見てみることですね。
ミラノおよび近辺にいらっしゃる方には、お勧めの展覧会です。
Palazzo della Ragione - Steve McCurry
2009.1.31まで。
木曜日は夜10時半までオープン。人気があるようで、わたしの行ったときも、続々と見学者が来ていました。ある意味、現代アートの中では、絵画とか彫刻とかインスタレーションよりは、すごく分かりやすいって感じで、それなりに万人受けするのかもしれないですね。なんか目からうろこ。
マッカリーさんのサイトも、とてもきれいです。
http://www.stevemccurry.com
- 2009/11/27(金) 06:06:37|
- アートの旅
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ブレーシャ周辺、続きです。
Pontenoveという、Bedizzoleという町の郊外にある村で、かなり細かいところまで出ている1:200000のツーリング・クラブの道路地図にも、実は出ていない小さな村、そこにあるサンタ・マリア教会が目的。
グーグル地図で見る限りでは、ベディッツォラを通り過ぎて、川のほとりで、と、かなり簡単そうだったのですが、ここがまた、迷いに迷いました。ここら辺だろう、と車を停めたら全然違っていて、その後もぐるぐる走り回り、いい加減走ったところで、もういいや、別に特にすごく見たいわけじゃなかったし!と得意のすっぱい葡萄状態で、最後の目的地ブレーシャを目指すことにした途端に、それまで影も形もなかったPontenove、Pieveという標識がいきなり道端に出てくるんですから、全く始末に悪い土地ですよ~。
こうなったら、改めて方針転換、初心に帰ってPontenoveを目指しました。
やっと村について、すぐPieveという表示のある脇道に入り、車を停めます。
あれ?あれですか?でもちょっと違うような気が。
なんだか、?ですよね。それも思いっきりクローズだし。
???と思いながら、裏に回ると、後陣はしっかりロマネスク。
装飾も何もないけど、確かにこれだろう、と思わざるを得ないわけです。でもなぁ、これだけ苦労して、これかよ、と逆切れ状態のわたくし。
車を停めたところに戻ると、並びの家の前に地元の人がいたので、「あれってサンタ・マリアですよね?古い教会ですよね?」と一抹の不安を確認したところ、「サンタ・マリア?うーん、名前は知らないけど、古い教会なのは確かよ。あれを見に来たの?今しまっているけど、鍵は、斜め前の家が預かっているよ」と親切なお言葉。
それなら、一応中を見ていきましょ、と思い、その指示されたお家に行ってみました。
いわゆる一軒家で、ミラノ住まいのわたしには珍しい~(田舎には結構多いけど)。恐る恐るインターフォンをならすと、勝手に門の鍵を開けてくれるので、玄関に近づくと、オバサンが不審そうな顔をしていました。そこの教会の鍵を預かってられると聞いたのですけども~、といいながら近づくと、ちょっと安心した感じで、「鍵はあるけど、わたし今、昼食の支度で手が離せないので、一人で見てくれるならいいけど~」と結局は親切です。こういうこと、何度か経験もありますが、寛容ですよね。すごいですよ。外人もほとんどいない田舎で、あからさまに外人のわたしが、教会の鍵を、って言っても、差別とかそういう感情に出会ったことはないんですよ。
で、鍵をお借りして、ちょっと入ってみました。
外観もそうですが、中も、嫌味なくきれいに修復、改築がされていて、でも、ロマネスク的には、ほとんど注目するところもないかな、という教会でした。でも、大事に大事に使われているな、というのが、いかにも伝わってくる佇まいはいいですよね。
これが、ロマネスク当時の説教壇の一部だったレリーフらしいんです。ただ、このほんの一部残っている部分から、どうして、古い部分全体が分かったのかが、よく分からないので、解説をよく読まないと。この辺は、サイトに譲りますね(また一年後か…)。
それなりにじっくり見たあとで、ランチの準備に余念のないオバサンに鍵を返しに行って、一応確認、「これ、サンタ・マリア教会ですよね?」「サンタ・マリア?う~ん。…。古い教会ということで、Pieveと呼ばれてるし、名前はないわよ。」でした。
地元では、PieveでOKらしいです。入り口の標識にも、確かにPieveとしか記されていない。でも、ずーっと千年から愛されて現役で。それはそれですごいですよ。
- 2009/11/25(水) 06:13:22|
- ロンバルディア・ロマネスク
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シャコバサボテン、今年のお花はすっかり終わったので、週末に、枯れた花を始末するとともに、例年のように思いっきり葉っぱを刈り込みました。ほとんどお手入れしてない鉢なんですが、これだけは、毎年思いっきりやってます。まだ元気な葉を刈り込むのは、ちょっと抵抗があるのですが、毎年とても立派な花を付けてくれるんだし、多分この刈り込みが、よい効果を与えているようなので、思い切って、バンバンと。
ところが!
今年は、全体に花が若干少なかったんですが、なぜか時差咲きが多くて、すべての花が枯れている中で、今頃満開になっている花が、各鉢に一つ。
普通は、ほとんど同時に咲くし、その時期に咲かないつぼみは、つぼみのまま落ちちゃうんですけどね。
刈り込んだ緑の中に一輪、それはそれでとても可憐で、改めてこのシャコバサボテンの美しさにうっとり。いつもとは違う楽しみでしたよ。つくづく愛いやつです!
来年まで、ゆっくりお休み。
- 2009/11/24(火) 05:48:52|
- 植物、花
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今日は日曜日。いつものアートの日ではないんですが、展覧会に行ってきました。長年気になっていたホッパーです。
多分何かで見て、好きだなって思って、気にはなっていたけれども、だからといって特に追求したわけでもない、っていう絵や画家は、わたしの中に結構あると思うんですけど、そういうカテゴリーの一人が、このホッパーなんです。
アメリカの、どこにでも転がっていそうな風景や場面を切り取った一枚の絵。でも、そのどこにでもありそうな、というのが実は曲者で、本当はどこにもないんじゃないかっていう風景だったりします。
展示を見ていて、ほとんどの作品がニューヨークのホイットニー美術館からの出展で、それで思い出したのが、15年ほど前に行ったニューヨーク。わたしの人生で、初めてのアメリカ。Momaとかグッゲンハイムとか、あれもこれも、と思った中で、かなり地味なホイットニー美術館も、どうしても行きたい美術館で、そんなに時間もないのに、行ったんです。で、記憶に残っていたのは、ホッパーじゃなかったんですけど、どうやら、意外とホッパーも、記憶のそこに刻まれていたんでしょうね。だって、考えたら、そのあと彼の作品をどこかでちゃんと見た記憶はないんですから。
今回の展覧会は、いかにもホッパーらしい、油の大作が少ないわりに、若いときの秀作や、エッチング作品、スケッチなどの小品が多く集められ、ホッパーの全体を確認するにはよい企画だったような気がします。スケッチが、すごくうまいんですよねぇ(こーゆー言い方っておこがましいですけど、うまい!としか言いようがないですよ、実際)。
これは、パリ滞在時代の油彩。(おそらく)実際にはありえないあけっぴろげの空の広がるパリの街角のビストロ。これ、絵はそんなに大きくはないんですが、本当に開放感に満ち満ちて、吸い込まれるような空間が展開されているんです。この写真だとわかんないですけどね。
パリ時代に、同時代のアーチストの交流とか、多くの作品を見て模写したりとか、そういう経験が、きっとすごく彼に広がりを与えただろうな、と思わせる小品多数。
いやいや、よかったな。思ったよりもよかったです。こういうときは幸せな気持ちになりますね。
結構並んで入ったので、ますます。
今回変則アートの日になったのは、わざわざこれを見るためにボローニャから友人が来ていたからなんです。アートに造詣の深い方で、いつもいろいろな情報をいただいて、本当に助かっています。そして、アート以外にも、いろんな趣味嗜好に共通点があり、そういうおしゃべりをしているだけで毎度、時の忘れる思い。そういうのって本当に幸せ(Fちゃん、ありがと~。Vinoも!)。
いい物を見ると、気合がますます入ります。いつどこに行こうか、とあれこれ選ぶのも楽しみ。やはり都会にいてよかったよぉ。今週のアートの日はどうするか、今から気もそぞろです。
- 2009/11/23(月) 05:57:23|
- アートの旅
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木曜日の、アートの日に続いて、こちらもまた、定期的なお楽しみになるのかどうか。今日は、ミラノの中世サイトで企画している、中世散歩デビューしてきました。
イタリアって、結局いつまでたってもブログやサイトって日本ほどは普及しなくて、個人のサイトはとても少ないし、日本語サイトに比べると、充実度が全然だめなんですけど、一方で、中世に限って言えば、オフィシャルなサイトっていうか、研究者とか大学とか財団とか協会とか愛好会とかのは、本場だけあって、かなりの数、それなりに充実したものがあります。その中の一つ、中世Medioevoのブログを、先日久しぶりにのぞいたところ、「去年も好評だった、本屋での中世、今年も実施!」という企画宣伝がありました。
こちらでの新学期である秋から春まで、ほぼ月に一回というスケジュールで、午前中にガイド付中世サイト見学、午後に、本屋さんにてビデオ上映と、中世テーマの講演会、という催しです。これまでもそのブログには何度か行っていたのに、全然気付いていませんでした。
で、今回、サンタンブロージョが見学先だったので、これはいい!と、正直早起きを避けたい週末だったのですが、がんばって行ってきました。教会前に定刻に集まればいい、という緩やかな会で、その場で参加費5ユーロなりを支払えばOKです。
どんな感じかと恐る恐る行ってみたのですが、早すぎるかな、と思った集合時間の10分前には、すでに人々が集まってきていて、結局ほぼ定刻に開始。これだけでも、結構驚き。こういう緩やかな会だと、まず20分くらい遅れるのが普通だし。
集まってきている人たちは、今回は多かったようですが、15人強。平均年齢は高かったものの、男女半々くらいで、比較的若い人なんかも。
イメージとしては、暇をもてあましている高齢者、それなりに歴史とか興味がある中年、基本的に子供がいなかったりして暇だとか、あまり金がないとか、そういうタイプです、多分。知的刺激がちょっとほしいけど、一人ではどこに行ったらいいか分からないとか、そういう層って、ミラノは結構多いんですよね。大体、ガイドブックも好きだし、ガイドツアーとか大好きな人たちだし。実際、ガイドのお話を聞いて、馬鹿みたいにメモを取ったりしているのは、わたしだけでした。皆さんすんなり淡白に、それでいて、フラッシュたきまくりで写真を取りまくったり。あなたたち、本当に「中世」が好きなの?それとも単に「ガイドツアー」が好きなの?という感じです。
今回の見学先は、サンタンブロージョの宝物館だったので、中世だけじゃなかったんですが、でも、ガイドツアーだと、一人で見ているよりは、別に感じるものがありました。ひとりだったら、目も向けないバロックの絵画なんかも、ほぉほぉ、なんて目を向けたりしてね。
午後の講演会は、テーマがカノッサのマチルダだったので興味はあったのですが、もともと土曜日は家事で忙しい日で、いったん帰宅してまた出直す元気はなく、今日は欠席。
次回は、ミラノ郊外の教会だし、見学先はちょっと時代の当たらし修道院だし、メインはその音楽室ということなので(15世紀の古い楽器なんかが展示されているらしいので、その筋の方には受けそうな企画ですが)、多分欠席。ただ講演会はバルバロッサ(フェデリコ2世)がテーマらしいので、次回は講演会デビューと行きたいと思っています。
で、今日は久しぶりにサンタンブロージョを訪れたわけです。ミラノのみならず、イタリア中世の教会の総本山。そういえば、自分の住んでいるこのミラノのことって、サイトでもまだ紹介してないんですねぇ。実は、過去にもカメラを抱えて、何度も歩いているんですけどねぇ。どうしても後回しになってしまいますねぇ。あまりに身近すぎて。
しかし、サンタンブロージョは、やはり面白いです。4世紀からバロックまで、時代時代の装飾が生きていて、それが全部しっくりとしていて。
今回は、ショップで詳細なガイド本も買ってきましたので、次回写真とともに紹介したいと思います。これから、冬の悪天候で、遠出が無理なときは、ミラノ散歩。と思っています。この中世の会もね、都合がつけば続けて通ってみたいですね。
なんか、どんどん約束が増えてしまって、大変ですねぇ。
- 2009/11/22(日) 06:43:58|
- ロンバルディア・ロマネスク
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恒例の、アートの日!今日は、ずーーっと行きたいと思っていたポロドーロ財団美術館に行ってきました。
ここは、現代アーチストのアルナルド・ポモドーロの作品を所蔵する財団が運営する美術館で、ミラノの南西部、かつての下町ナヴィリオも近い地域にあります。もともと工場や倉庫の並ぶ地域で、この美術館も、そのまま放置されていたかつての工場を再生したもの。
15年位前、ミラノに来たばかりで暇で、かつお金がなくて、週末にすることもないので、しょっちゅう町をうろうろしていたときに、たまたま通りかかった小さな美術館で無料の展覧会があって、それがこのアルナルド・ポモドーロだったんです。メタルとか、職人的な素材を大胆に使った巨大なオブジェで、それまでそういう作品を目の当たりにしたことがなかったので、かなりインパクトが強くて、このもの覚えの悪いわたしが、一発で名前を覚えてしまいました(ま、本名かどうか知らないんですが、ポモドーロ=トマトなんて苗字じゃ、簡単に忘れられないですよね、そもそも)。
で、この最近、ポモドーロ財団が、古い地域再生で、美術館を作ったのは知っていたし、そこでポモドーロ回顧展を大々的にやっていたのも知っていたのに、なんか自宅から遠いし、ほとんど行かない知らない地域だし、で行かず嫌い状態が続いていたわけです。
それが、この、「毎週木曜日アートの日」企画で、やっと訪問がかなったのです。っていうか、もっと前に行けよ、ですよ。ポモドーロ回顧展に行かなかったことを、すごくすごく悔やんでいます。それって、たった一年前のことなんですから。バカバカ。
なんて言ってても仕方ありませんね。せめてこれからはそういう後悔をしないように、アートの日、大切にしたいと思います。
そういう工場を美術館にしているくらいですし、ポモドーロ作品は巨大なものが多いし、やはり展覧会は現代アート、巨大インスタレーションがメインだと思いますが、今回のクリスティーナ・イグレシアスさんの作品も、まさにそのラインです。
スペインの女性アーチスト。なかなかよかったですよぉ。
これがメインの作品で、遠めにはメタルに見えるのですが、近くで見たら植物繊維または人工的な繊維のリボンですだれみたいなものが作られていました。それがぶら下げられていて、一応中が通路になっています。きれいでした。一瞬重たそうなのに、障子みたいな感じで、中を歩いていると軽快で重さが感じられないのが、いい感じでした。そのほかにもいくつか重々しい感じの作品があり、ああ、別にベネチア・ビエンナーレまで行かなくても、ミラノでもこういうものは見られるんだなぁ、と感慨深いのでした。
ビデオで、実際に町に置かれた作品の映像などが流されていたのですが、それも面白くて、しばらく見てしまいました。出身地のスペインなのか、それとも、わりと評判がよいらしいニューヨークなのか、街角にある人工池風の作品が面白くて。展覧会にも、そのプロトタイプみたいのがあったのですが、現実に街角にあるものとは規模も違えばインパクトも違って、そうなると面白さも半減してしまいます。
ちなみにポモドーロさんのは、こんな作品。
これ、メタルのかなり巨大作品の一部です。
これから、額を飾ろうという我が家ですが、今のところ貧乏で、本物のアートはしばらく買えないので、中身はポスター。で、その一つは、15年前に買ったポモドーロさんのポスターですよ。作品用の水彩の下絵で、とっても美しいのですよ。今日も美術館のショップで、そういうものがあればな、とひそかに期待していたんですが、この手持ちのものほどすばらしいものはありませんでした。なんでも買っとくもんです。っていうか、あの当時、あんなに貧乏だったのに、知ったばかりのアーチストのポスターをわざわざ買ったということは、多分かなり気に入ったんでしょうねぇ。
さて、来週は、どこにしましょうかね!
- 2009/11/20(金) 06:24:11|
- アートの旅
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ブレーシャ周辺、続きです。今回は、Padenghe sul GardaにあるSan Emilianoです。
ここは、本当にラッキーでした。前回のLonatoの教会は、迷いに迷って、やっとの思い出たどりついたわけですが、そこで出会った地元の人が、その教会なら、家の近所だから、ということで、とても分かりやすく道を教えてくれたのです。正直言って、そこで教えてもらわなかったら、多分、わたしには一生たどりつけなかったと思います。
というのも、町からは相当離れていて、町に入ってしまったら、思いっきり引き返す必要があり、それでも、ちょっと見ただけでは分からないロケーションなのです。
ほら、こんなのっぱらの、それも思いっきり木に隠された状態です。まぁ、のっぱらの周りは、車が結構ビュンビュンと走っているし、こののっぱらも、時折競技用自転車の人が通り過ぎたりしているんですけど、でも、正直、一人で歩くのは怖いような田舎でした。
近づくと、超地味なファサードが出てきます。おっ、ここも切り石積みですね。
実はちょっとがっかりしたんですよ。勿論、クローズだし。
でも、後陣の方に回ると。
素朴ながら、きれーな装飾です。なんといっても、ピンクの石がとても美しくて、なんだよ、地味だな、と思いながら眺めていると、じわじわと美しさが心にしみこんできたんです。お日様の具合もちょうどよくて、おそらく石の持つ最も美しい色合いが出ていたのではないかと思うのです。
装飾といっても、ブロック積みみたいな盲アーチだけなんですけどね、最初に感じたがっかり感がすぅっと消えました。こうなると、ロマネスク病、かなり重症かもしれませんね。実際、そこらに落ちている石を物色して、美しい石ころをいくつかお土産にいただいてきましたよ。危ない、かも。
のっぱらの違う縁を歩いて、車に戻る途中、パデンゲの町が眼下に広がりました。そこではじめて、ロケーションが分かったわけです。協会は、かなりの高台に建っていて、町を見下ろしているんですね。ガルダ湖畔のパデンゲ、という町の名前なのに、およそ湖が側にありそうもないから、ちょっと不思議だったんですけど。
とっても気持ちよかったです。
そして、こんなに素朴な建物にすら感動できるようになるって、なんか、普通とは逆を行っているのではないかと不思議に思いつつ、感動もしながら、次の目的地に向かいました。ロマネスクって、でもそういうところありますよね。
- 2009/11/19(木) 06:13:55|
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ブレーシャ周辺の旅の続きです。今回は、ブレーシャの東、ヴェローナ方向への途中にあるLonato、そこのロマネスク、San Zenoです。
サン・ゼノに捧げられた教会は、ベローナに総本山があるせいか、この辺、とても多いのです。ここも、ブレーシャの方が地理的には近いのですが、教会勢力的には、ベローナの下にあったのかもしれません。
美しいロケーションです。しかし!ここにたどりつくまでに、どんなに苦労したことか!
ロナーティの町は結構大きいのですが、町中の道はごちゃごちゃしていて、なんだかわけが分からない上に、メイン・ストリートが工事中で、ちょっとあっちに行きたいと思っても、とんでもない迂回路に迷い込むという最悪の状況でした。もともと運転、特に駐車技術に難のあるわたしは、なるべく旧市街には入らず、町の入り口で車を捨てて歩く、ということが多いのですが、最近のドライブはかなりスムーズに行っていたので、なんか大胆になっていたような気がします。それでドツボに…。
大体、前回のMontichiariもそうでしたが、道端にほとんど表示がないんですよねぇ、この辺。ガルダ湖やアスティ周辺とはえらい違いです。
町まではたいした距離じゃないので、あっという間についたのですが、ここにたどりつくまで、結局町の周囲を数回回ったのではないでしょうか。そして何人の人に聞いたことか!それも、誰かに聞こう、と思う度に、すぐ近くにはよいよいのじいさんしか歩いていない、というパターンばかりだったのですが、意外とどのじいさんもしっかりしていて、すぐに教えてくれるのには、結構びっくりだったのですけどね。(古い教会って、生活に関係ないもんだから、ちょっとした町だったりすると、わりと「知らない」、とか平気でいう人多いんですよ。)
この上の写真をみると、おお、苦労したけど、これを目にしたときはうれしかったなぁ、と感慨深いです。大げさ。
実は、この周りは結構な住宅地で、この風景から想像するほどの、緑の中ではないんですけどね。
美しい後陣。残念ながら、ここもクローズしています。ここは、しかし、Montichiariとは違って、多分中はごちゃごちゃで、何の整備もされていないと思われます。外壁だけは、それなりに修復していますけれどね。
ここの後陣にも、人頭フィギュアです。これは、後代の修復もあるのかどうか、付け柱の柱頭部分に、このモチーフがあるんですけど、全部同じなんですよ。それって不思議ですよね。っていうか、工夫なさすぎ。
危うく見逃しそうだったのが、これ、脇の壁の軒送りにあるフィギュア。どこまでも人頭フィギュア。ケルト、何をしていたんだ、ここで。
そしてここもまた、正確な切り石積み。かなり傷んでいるけれど、四角の規則正しいものでした。
次もまた迷いそうだな~、と少々憂鬱になっていたら、なんとこんな辺鄙なところに人が来たのです。それも、明らかにこの教会を見に。驚きつつ、「地元の方ですか」と声をかけると、まぁわりと近くに住んでるよ、というので、次に行く場所を尋ねると、「それなら、僕たちの地元!家から見えるくらいのところだよ。」と奇跡のようなお言葉。
こういってああいって、と細かに道を教えてくれて、最短距離でスムーズに行けることとなりました(多分)。苦あれば楽あり。そしてまた、きっと、楽あれば苦あり…。
では次回。
- 2009/11/17(火) 06:31:00|
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