ここは、ちょっと期待の教会。起源がとっても古いみたいだし、そんなことで、有名だったりするみたいです。一般観光客は、知らない人の方が多いとは思うんですけど、古代、中世系の人には、必見、って感じなんですよ。
外観は、意外にも、結構でかい。それにかなりきれいに修復されていて、あれ?って感じです。
ここは、チェックすべきものがたくさん。まずはこれ。正面入り口の脇に、ひっそりとある、薄汚れて打ち捨てられたような左扉の木彫りレリーフ。
しかし!暗い!薄汚れている!下部はそれでもガラスで保護されている!という三重苦で、レリーフの細かい部分は、肉眼ではよく見えないんですよねぇ。これは残念でした。この写真も今ひとつですが、普段フラッシュを使わないわたしでも、こればかりは、フラッシュなしでは、到底撮影不可能の暗さだったんですよね。
中に入ります。
おお。
ここは、第一印象として、あ、いいな、って。こうしてみると、他のバロックばりばりの教会とあまり変わらない感じですけれど、そういう感覚は、実際にその場にいないと分からないでしょうけど、あ、石だな、いいな、って暖かい中世の空気が感じられたんですよ。壮大ですけどね、でかいし。
ファサード側の内壁に、お約束のモザイク。きれいですよ。
でも、この教会で目を奪われたのは、二つ。一つが、この窓の美しさ。
これがもしかして、ステンドグラスの原型か?とか思ってしまったんですけど、どうなんでしょうか。石で、いろんな幾何学模様が作られていて、それが作る影がとても美しいし、窓のモチーフとしても、それだけでもとても美しいんです。去年旅したウンブリアでも、小ぶりなものはいくつか目にしたと思いますが、ローマでは、多くの教会に、このタイプの窓模様がはめ込まれていました。
ほとんどは後代の複製ということですが、複製でもなんでも、おそらくオリジナルは、こういうものがあったはずで。開口部を大きく取るための、石の支えという意味があったのでしょうか。
反対側の側廊の窓から入る朝日で、きらきら。ね、きれいでしょう。
そしてもう一つは、おなじみ、中世の大理石浮き彫り!
ここはすごいです。オリジナルの構造がそのまま残されていて、このレリーフ版も、ぐるりと内陣を取り囲んでそのままで。すばらしいです。感嘆の声を上げながら、一人で興奮の早朝でした。勿論、こんな早朝にこんなところにいるのは、関係者だけですからね。
そう、関係者といえば。
散々、教会を堪能したあと、ここにはキオストロもあるはずだが、さて、とうろうろしていると、おやじに捕まりました。どう見ても関係者なので、ねぇねぇ、キオストロは、どこから入るの?と尋ねたところ、いきなり手を握られ、キオストロは、団体の予約しか見学できないんだよ、とか何とかいろいろと説明を始めたのでした。
ああ、そういえば、若かりし頃、おやじキラーと言われていたわたし。特にイタリアの田舎に行くと、おやじ(というより爺さんか?)に好かれて、よく手を握られたりしていたかも。そんなことは長いことなかったなぁ、などと回想しちゃいました。でも、だんだん身体も近づけてくるおやじ。こりゃいかん、とあわてて、あ、それは残念ねぇ、なんか言いながら、無理やり手を振りほどいて、逃げてきたのでした。
残念でしたね。教会の感じから言って、キオストロも、かなり期待できると思っていたので。
それにしても、このサン・サビーナは期待にたがわず、よい教会でした。ちょいと不便な場所ではありますが、中世好きにはお勧めですよ~。
スポンサーサイト
- 2009/12/31(木) 07:59:20|
- ローマの中世
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
さて、新しい一日の始まり。予定は、テヴェレ川沿いに点在する古い教会めぐり。
例によって時間がもったいないので、超早起きです。前夜、朝食は何時から?え、7時?と落胆しつつ、ホテルの人が、多少なら早くできるけど、と言ってくれたのを、いやいや、いいですよ、と遠慮したんですが、気合とは恐ろしいもので、前夜、疲れから倒れこむようにベッドに入ったわりには、しっかりと早起きで、6時50分頃にはスタンバイ状態でした。で、7時ぴったりに朝食のホールに行ってしまいました。われながら、ドイツ人状態であきれます。で、観光への出発は、7時半!すごい。普段の生活では、7時に起きるのも辛いのにね~。
さてさて、まずは適当にバスに乗って、この辺かな、という場所へ。午前中は、一般観光的にはあまり知名度のない、テヴェレ川沿いに点在する古い教会を訪ねる予定です。
まずはここ、サンタ・プリスカ教会。最寄(多分)のバス停から、いきなりレジデンス・ゾーンという感じの落ち着いた高級家屋の立ち並ぶ坂道を登っていくと、その道沿い、ひっそりとたたずんでいます。気付かずに通り過ぎちゃうくらいの、ひっそり感です。
ファサードは例によって、の新しいもので、この写真を見る限りでは、あまりひっそり感は感じられませんね。
でも、実は道からちょっと引っ込んでいて、両脇は普通のお家で、探してなかったら、確実に、教会の存在そのものに気付くことなく通り過ぎてしまう感じです。
ま、新しいのは仕方ないです。このうわ物は、15世紀のものですから。ただ、もともとの古い教会の上に建てられているということで、地下が見られるかと思って、訪ねたわけです。
中はこんな感じ。
うわ物に、古いものは、何一つないのは分かっていたので、期待がない分、落胆もなし。
地下へはどっから降りるんだろう、とぐるりとしてみたんですが、分からず。たまたま教会守らしき人が来ていたので尋ねると、予約ベースでしか見学できません、という残念な答えでした。そういうこともありますよね、当然。でも朝一番で来ただけに、ちょっと残念でした。これが20年近く前、初めてローマに来ていた頃だったら、日本からわざわざ来たのか、それなら、とか行って、見せてもらえることもあったのでは、と思いますが、今ではそんなことはもうなくなってしまいましたね。ああ、思えばあの頃のイタリアは、旅行者にとっては、本当に幸せで面白い国だったです。
ふふ、今回はロマネスク的には全く面白くない記事で、ごめんなさい。次回は、ちょっといいですよ!
- 2009/12/30(水) 06:26:55|
- ローマの中世
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
クリスマス休暇4日間、今年は思いっきりお家にこもりました。
掃除、洗濯、模様替え、棚の整理、などなど、やりたいけれど、なかなか出来ないことを思いっきりやって、そして、懸案だった工作、手芸にも、時間を気にせずエネルギー注入です。今、とっても疲れているけど、とっても幸せ。だって、思った以上に素敵なカーテンが出来たんです。
まだ、カーテンを留めるタッセルがありませんが、こんな感じです。これから、似合いのタッセルを探すのが、また楽しみになりますね。
これは、寝室のカーテン。実は、ここに至るまで、大変な苦労が…。
この、両端にお花がついているカーテンレール、以前おうちの内装話を見ていた方は記憶していただいているかもしれません。
一度、友人が取り付けてくれたのですが、壁の状態に合う釘ではなかったようで、いざ、カーテンをつけるぞ、と計測をしようとしたところ、すでに落ちそうな状態になっていたので、これは危険だ、あわてて取り外しました。カーテンどころではなくなり、これは、お金を払って、内装をしてもらった棟梁経由で、人を頼もうかな、と思っていたところ、友人のだんなさんが、大工仕事一般について玄人はだしだから、そのくらいならやってあげる、ということになったのでした。
彼は、自分で、フローリングやタイル張りをしてしまうくらいの人ですから、そりゃ願ったりかなったり。
でも、なかなか都合がつかず、結局、これ以上伸ばしてたらいつになるか分からないし!と、無理やり時間を作っていただき、無事取り付けが完了したのが、つい10日ほど前のこと。そのときは、カーテンレール以外にも、コート掛け用玄関フックとか、大きな額とか、タッセル用の突起までもしっかりと美しく取り付けていただき、カーテンレールを買ってから、実に一年近くかかって、仕様準備完了となった次第(カーテンレールでカーテンを下げる、というのは、実は大きな夢だったんです。だからすごくこだわってレールも吟味して、かなり早い時点で買い込んでいました)。
で、早速、前から目をつけていた店に、カーテン地を買いに行きました。レース系は、ちょっとなぁ、と思って、以前は買わなかったのですが、よく考えたら、超フェミニンで、白ベースの寝室には、レース以外考えられないじゃん!と思いついたのです。いや、レースといっても、ひらひらしたものではなく、麻素材で、刺繍が入っている見た目も実際も極軽の布地です。店の親父はいつも調子よくて「うちはイタリア製のものしか売らないし、これはすごくいい品で、あそこのブランドもここのブランドも、このメーカーの生地を競って使ってるんだよ、ちなみにあの店で買ったら、値段は倍くらいするよ云々」、もうすごいセールストーク。店といっても、市場の出店なんだけど、かなり品質には自信を持っているし、プライドがあるようです。実際、はぎれなんかも、とても美しい布を一杯扱っているし、市場なのに、お値段はかなりいいんです(ちなみに買った布はメートル20ユーロ。高い!って感じですが、でも長さはカーテン用に3メートルもありますんで、考えたら、そんなに高くはないですね)。
レースもので、わたしの窓に合うサイズのものは3,4種類。本当は、もっとレースっぽい生地が気に入ったのですが、色が白すぎて、ちょっと浮いてしまいそうな感じでした。お値段も、かなり高め。おやじも、いや、これよりは、こっちの方が絶対にお勧め、というので、結局、この、クリーム色の強い布を購入。刺繍のシンプルな花と蔓のモチーフが飛び散っています。
で、今朝10時から、裁断、ちくちく、ちくちく、と延々ちくちくです。手縫いって、やはり時間かかるもんですね~。完成品は、幅150センチ、長さ240センチ弱というところですが、縫っている段階では、ドレープのために、幅は倍ありますからね。
下に、美しいレースがあり、これをベッドを越えて、見えるような長さにしたかったので、サイズ計測や裁断も、じっくり時間掛けましたし。
これが、下にあるレース。きれいでしょ~。ただ、このおかげで、長さが合わなくても、下で調節できないので、超慎重になりました。
幸いだったのは、どういうものかよく分からないなりに購入しておいた、上部に縫いこむ芯地。これがとても便利な品で、縫いこんで、紐を引っ張ると、きれいなドレープができるようになっているんです。だから、縫いこんだあとは、サイズ分にドレープを作って、フックを適当に差し込むだけ。
完成!ちょうど10時でした。なんと12時間かかったんですね。勿論間にご飯食べたりはしていたんですが、それ以外は、ひたすらちくちくやってたんですよ。いやはや。
それにしても、実際にかけたら、レースはきれいに見えて、長さはばっちりだし、ドレープは美しいし、布も部屋にぴったりだし、すごい自己満足ですよ。
広げないパターン。これもいい感じです。
あ~、うれしい。
どこにも行かず、特段イベントもなかったお休みの終りって、なんか虚しい、とか思っちゃうことも多いのですが、今回は、本当にいろんな家事が出来て、よかった!
ちょっと気になるのは、パッチワークも飛ばしてたし、なんか右手首の腱鞘炎、ちょっと再発?の兆しが。気をつけないとね。
- 2009/12/28(月) 07:14:33|
- インテリア、小物
-
| トラックバック:0
-
| コメント:3
テルニとフェレンティッロです。
ああ、何とか年内に一つアップできました。写真の整理もかなり出来ていて、資料も、きちんとあって(というより、ウンブリアの資料は極端に少ないので、勉強の仕様もない)、なのに、何でこんなに時間がかかってしまうんでしょう。
何はともあれ、ウンブリアの旅の中では、ロマネスク的に重要度の高いサン・ピエトロ・イン・ヴァッレ修道院も入っていることですし、ご興味のある方は、是非訪問してみてください。この修道院、行きにくい場所にありますが、バスと徒歩でいけますので、車のない方も、もしチャンスがあったら是非トライしてください。また、修道院は、現在ホテルになっていますが、もし宿泊された方が要るようなら、体験談を伺ってみたいものです。
フェレンティッロの他には、テルニを紹介しています。テルニは、多分ほとんどの人が通過してしまう町ですけれど、ロマネスクの名残はしっかりありますということで。
ロマネスクのおと
- 2009/12/27(日) 00:43:41|
- ロマネスク全般
-
| トラックバック:0
-
| コメント:4
ミラノでの恒例のアートの日は、暮れも押し迫ってきて、打ち止め。今日はお休みだし、展覧会に行こうかな、とちょっと思ったりもしたのですが、大雨で気持ちが萎えました。
で、ローマに旅される方は多いし、もしかして、このブログが目に留まることもあるかも、と思い、ローマの展覧会を紹介します。先日の旅行中に訪ねたのですが、2月半ばまでやっているはずです。
数多くの展覧会やビエンナーレを見ているわけですが、これほど切実に、作品がほしい!と思ったのは初めてです。すごくすごく素敵で、本当に愛らしくて、何というか、もう離れがたいほどに愛着を感じてしまいました。
カルダーって、多分漠然と知っていたように思うのですが、おそらくきちんと展覧会を見たこともなく、どこかでモービルだろ、と馬鹿にしていたような気がします。
しかし、しかし。なんとなんと。
天井からぶる下がっている大作は、あ、これね、という感じで軽く流したくせに、置物系で、いきなりやられました。比較的小さくて、親しみやすい作品群です。
なぜやられたかというと、動いているんですよねぇ。それもびみょ~に。ゆらゆら、というか、動いているのかいないのか分からないくらいの揺れで、ひそやかに。
思わず、係員の目がなさそうなときを見計らって、ふ~っ、と息を吹きかけたところ、空気の届くまでの一瞬の間をおいて、揺れるんですよぉ。それがなに?と言われそうですが、その微妙な揺れ具合、バランスの妙、ただ見入ってしまうわけです。現物を前にしたら。
ゲージツなんですから、そおゆうことじゃないだろう、って感じもありますが、わたしの現代アート鑑賞の基本は、好き嫌いですから、ただもう好きで、楽しくて、仕方ないって言うそういう範疇です。
息でも反応すると分かってからは、天井からぶる下がっているタイプも、思わず、ふーふーしまくりです。
巨大作品は、勿論そんなことしても反応してくれませんけどね。でも、会場の空気の動きに反応して、巨大作品も、微妙にたゆたっているんです。なんかよかったな~。
小さめの、家にも置けるな、居間の隅っこにどうよ、と思いながら、ますますほしい気持ちが募りました。ほしくても買えるわけないし。
それはともかく、カルダーさんの写真展(アトリエの写真とかいい感じです)があったり、カルダーさんも制作に参加している短編映画の上映があったり、もっと体力と時間があったら、存分に楽しめる展覧会でした。わたしは、丸一日、観光で歩き回って、へとへとの状態で、今日のしめだ~、と思いつつ行ったもので、全部をじっくり見るには、ちょっと体力的に無理があり、もったいなかったです。
ローマに行かれる方、古代もいいけど、カルダーも是非よろしく。
ああ、ほしいなあ。自分で作ってみようかなぁ。モビール。
- 2009/12/25(金) 07:37:13|
- アートの旅
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
ローマ、バロックばかりで、なんか辟易として、ちょっと北イタリア物が恋しくなってきました。
なので、ちょっとブレーシャに舞い戻ります。
ブレーシャといえば、ロッジャだったり、ローマ遺跡だったり、なのですが、実はとてもすばらしい中世博物館があります。これは、ロマネスクにはまるまで、全く知らなかったのです。実際、初めてブレーシャ観光に行ったのは十年以上前で、当時は、今のようには整備されていなかったようです。
サンタ・ジュリア博物館です。
これが、全体像。ガイドブックでみても、いったいどういうことになっているのかよく分からなかったのですが、かつての修道院とか、その中の教会とか、全体を博物館として構成して、キオストロはそのまま整備して、周囲の僧房部分を展示室にしたりしている、広大な博物館です。
中世的に、非常に興味深い教会が、その内部に隠されています。
まずは、サンタ・マリア・イン・ソラリオ教会。
上の図だと、右端の方に丸屋根っぽい部分がありますが、そこになります。右端から入り、内部の回廊沿いに入り口があるので、ファサードとか後陣とか、そういう一般的教会の形はなく、礼拝堂のようになっています。かつての修道院付きの教会だったもの。
小さな扉をくぐるように入ると、こんな感じ。
最近バロックばかりだった目には、なんと新鮮なことでしょう。こういう石の感じが、やっぱり好きですね~。
すっきりと石で、装飾性が全然ない祈りの場です。潔くて、いいな~。
そして、石にうがたれた狭い階段を登って、2階に行くと、今度は…。
壁面がすべてフレスコ画で覆われた、かなり派手目の部屋となります。あちゃ~、またバロックでしたね。でも照明が暗いし、天井は星空だし、ローマのきらきらに比べれば、かなり受け入れやすいものです。
きらきらした十字架はかなり大きなもので、どでかい宝石がびっしりとちりばめられたもの。この博物館の顔になっているものらしいです。中世っぽい装飾でしたが、さて、どうなんでしょう。
一見新しいのですが、構造的には、いかにも古い、こんなくぐり戸を抜けて、博物館見学、思いっきり継続です。
ここは、田舎めぐりに疲れ果ててたどりついて、この博物館に向かいながら、途中、バールででも休もう、と行ったのですが、近所にバールはないし、お昼休みでしまっているかも、と思った博物館は思いっきり開いているし、で、それなら、と入場してしまいました。でも、この教会を見て、俄然見学意欲が湧いたものです。
実際、教会が開いていると、今見とかなければ、という強迫観念(?)に駆られてしまうのは、田舎のロマネスクでクローズの憂き目に多々出会う結果でしょうねぇ。
というわけで、求道者の旅と化した一日だったのですけどね。
とは言え、このあと、お宝目白押しで、空腹や疲れが、吹き飛びました。
では、それらはまた次回。
- 2009/12/24(木) 08:15:10|
- ロンバルディア・ロマネスク
-
| トラックバック:0
-
| コメント:4
月曜の午後から降り始め、延々と降り続きました。粉雪で、パウダースノーって言うんですか。乾燥しているので、傘をさしても傘が全然ぬれないタイプの雪。それにしても、最近、天気予報って、よく当たるようになりましたね。
珍しく残業したい日だったのですが、帰れなくなったら困るし、仕方なく18時ごろ会社を出て初めて、雪に気付きました。
地下鉄は全く問題なかったのですが、最寄の駅で降りて、そこから路面電車で三つまたは四つ目がわたしの家の最寄。すでに路面電車の駅には、人が一杯です。そして雪は激しく降っています。
そして、すでに20センチくらい積もっています。
しばらく待ちましたが、路面電車は、陰も形も見えず、ホームで待つ人の数がじわじわと増えていくだけ。歩いても、せいぜいが20分の道のり。ど~しようかな~、と迷っていたら、通りすがりの若者が、「電車は当分来ないよ、車で道がふさがれていて、身動きできないで止まってるから!」といいながら歩いていきます。それなら、待っているだけ無駄。元気よく歩きましょう!
すごかったです。浅めながらも一応普通の靴よりは丈のあるブーツを履いていたので、気楽ではあったのですが、とにかく積もり方が半端じゃない。でも、冬生まれのためか、夏の暑さよりは、冬の寒さの方が我慢できる体質だし、雪は大好きなので、楽しくなってきました。
これが、夜の状態。
るんるんと歌を歌いながら、滑って転びそうになりながら、新しくて誰も踏んでいないところを、わざわざ踏んで歩きました。
しめは、我が家の前にある公園。さすがに遊んでいる人もいない状態で、踏み放題です!うれしくなって、ずぼずぼと踏み歩き、足の感覚なくなりました。でも楽しい~。
路上駐車の車は、すっぽりと雪に覆われています。わが愛車も、もう見事にすっぽり。数年前に、同じような状態で、後ろのワイパーが折れてしまったので、一部、傘で雪をのけましたが、その程度では全く役に立たず。屋根の雪は、すでに30センチ近くあったでしょうか。
家の前の道は一方通行だし、もともと通る車の少ない道だし、すでに山奥状態です。どこもかしこもずぼずぼ。新雪。我慢できずに歩き回るわたくし。これって、「犬は喜び庭かけまわり」状態ですよね。
家では、ブライドをあけて、雪見酒です。ああ、きれいだな~。
で、夜が明けました。
まだ降っている。用心して、早起きして、地下鉄の駅までは徒歩を覚悟して、登山靴を履いて出かけました。すごいです。さすがに車も少なく、すべての学校は休校となったので、人も少ない。
ところが、路面電車は、がんがんに走っていました。車がつかえない分、交通量を増やしたとニュースで言っていましたが、まさに。次々と数珠繋ぎでやってくるので、スイスイで会社についてしまいました。
そうこうするうちに、雪は雨に変わりました。
今日帰宅時は、かなり激しい雨。これで、雪がさっさときれいさっぱり解けてくれれば、とてもラッキーなんですけどね。
ああ、それにしても楽しかった。
- 2009/12/23(水) 06:36:04|
- ミラノ徒然
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
トラステヴェレ、最後は、ここ、サンタ・マリアです。
ローマの下町の繁華街、トラステヴェレ地区では、観光客が最も多く集まる広場にありますから、フツーの観光客も多く訪れる、有名な教会と言えましょう。
ここも、やっぱりオリジナルの姿は拝めないことになっています。ファサードの前にポルティコが出来ちゃって、上の方にあるモザイク(13世紀)は、よく見えないことになっているのです。うう。鐘楼は、例によってのローマ風ロマネスク。でも、残念ながら、完全に日が暮れてしまったので、よくは見えなかったのです。とは言え、ライトアップの姿も美しいものではありますね。日の長い夏には、もしかしたら、なかなか拝めないファサードの様子かもしれません。
中は、もうおなじみの、こんな感じです。
ラッキーなことに、わたしが入場したのは、ちょうどミサが終わったところで、本堂全体に煌々と灯りが灯されていて、照明も乏しいサン・クリソゴノ教会からとぼとぼと(疲れていたもんですから)日暮れの街を歩いてきた目には、まぶしいほどの明るさでした。
そのおかげで、12世紀の後陣のモザイクが、きらきらと輝いて、くっきりと見ることが出来たのです!
マリアがとっても美しくて愛らしくて、素敵なモザイクでした。身廊と内陣を分ける部分のアーチのモザイクも、また素敵なんですよ。すべて黄金の背景なので、豪華です。
どの教会も、このくらいきらきら照明してくれているとうれしいんですけどね~。
寛容になって、いつもは後陣の邪魔をする憎いチボリオもパチリ。上部は結構古いもののはず。あ、全然好きではないですけども。
そして、この教会でもまた、ポルティコ部分に、古い大理石版がたくさん掛けられていました。大好きな7~8世紀頃の、様々なモチーフの浮き彫りがぎっしりで、わたしにとってはまさにお宝です。
そんなところに注目する人は、通常あまりいないでしょうから、イタリア人のオバサンが、とっても不審に思ったみたいで、しばらく私のことを見つめていたようです。
そして、「それって、きっとすごく古いものよね」と話しかけてきたので、「そうですね、中世、7~8世紀のものですよ」、と答えたところ、いやいや、そんなことはない、ローマ時代とかそういう古いものだろう、と熱弁をふるいだしました。いえいえ、中世のものですから、とつぶやきつつ、撮影に集中しました。別にねぇ、古ければいいってもんでもないし、なんなんだろう?イタリアでありがちな、教えたい病、多分。いいんですけどね。
ちなみに、これなんかは、かなり古いものかも。カタコンベにありそうなものですよね。
わたしの好みは、やっぱりこっち。かわいいです~!
- 2009/12/22(火) 06:23:26|
- ローマの中世
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
ミラノよりかなり緯度の低いローマの日暮れは早く、5時くらいには真っ暗になる上に、この日は雨でしたから、さらに早かったと思います。サンタ・チェチリアからも近いトラステベレ大通に面して、このサン・クリソゴノがあります。
例によって、というファサード。道に面しているので、全体を眺めるには、道の反対側に行く必要がありますが、そうするとこの暗さでは、全く撮影できない、というわけで、近くから無理無理にパチリ。ファサードにも鐘楼にも、全くライトアップがないというのは、珍しいというか、ちょっとかわいそう。
鐘楼は、三角屋根は後付でしょうが、ローマの典型的なスタイルのもので、低めのずんぐりむっくり系です(下の写真の右後方にうっすらとあるんですが、見えるでしょうか)。
内部は、ここもまた、こんなです。構造は12世紀ですがね~。
後陣には、暗い上に、有料照明はないし、ほとんど見えない状態でした。
床はコスマーティのモザイクで、とても美しいものでした。ここのは、コスマーティ初期の11世紀製。
この教会も、地下があります。ローマ時代の寺院や、家屋の跡が、かなり広い範囲、整備されて、見学できるようになっています。
左側身廊の奥にある製具室から、安っぽいドアを抜けると、階段があり、ぐいぐいと下に降りるようになっていて、ドキドキします。
いきなり、こんな遺跡が展開されるので、びっくりしてしまいました。照明は、それなりにしてあるものの、一人で歩くのは、ちょっと怖いようなところです。
こんな道を恐る恐るすすむと、古い寺院の壁面フレスコ画が残っている場所があります。8~11世紀の壁画ということですが、実際は、暗くて、よく見えなかったのです。
見学後に、絵葉書を購入しようと思ったのですが、地下見学の管理をしている教会守の人は、教会本堂で他の信者さんたちとお祈りに集中しているし、なんか声をかけそびれてしまいました。
ちなみに、地下への入り口は、特に明記してあるわけでもないので、事前に調べてなかったら絶対に分からないものでした。忙しい中無理やりした事前勉強が役に立って大満足でした。
こちらの多くの町には、いろんな形(遺跡とか、古代水道とか、貯水池とか)で地下がありますけれど、ローマほど地下に見るべきものがたくさんあって、実際に見学できるところって、そうないのではないでしょうか。多くの教会の地下に、クリプタとともに、以前あった寺院や家屋のあとがあったり、またカタコンベも地下深く広がっているし。地下好きにはたまりませんね。
- 2009/12/21(月) 07:05:06|
- ローマの中世
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
ローマでの教会のオープン時間は、午前中は大体12時までで、午後は16時から18時くらいまで、と見事にローマ時間。長い昼休みで、午後はぽっちり…。なので、勝負は午前中で、午後は、狭い範囲に絞って集中しないと、何も見られないうちに、時間切れって感じになります。
初日の午後は、そんなわけで、絶対に見たかったサンタ・コスタンツァのある、北部郊外に行こうと思っていたのですが、なんとなんと、いきなり市内交通のストが始まってしまったのですね。とは言え、バスや路面電車は一部稼動していたので、やっぱり行こうとうろうろして、結局1時間くらい、北部方面のバスを待ったりしたんですが、待てど暮らせど、来ない!雨は強くなるし、さすがにもう我慢できん!と方針転換。いや、方向変換。朝5時起きだったし、やはり疲れていたんですかね~、見るものは他にも一杯あるのに、なぜすぐに方針転換が出来なかったのか、よく分かりません。
で、向かったのがトラステヴェレです。
しかし、やはりバスも路面電車も、かなり運行は乱れているし、結構遠いのに正確な路線は分からないし、思いっきり迷って、思いっきり変なところで降りたりして、最後は、かなりの部分徒歩でクリア。それも大雨。われながらあきれました。自分の方向音痴と、体力に。
このトラステヴェレにあるいくつかの教会は、とても気になっていたので、それでもわくわくしていましたけどね。
で、やっと、ここだな、という細道に入り、どうやらこの辺だという場所にたどりついたものの、とてもバロックな教会風の門がライトアップされているだけで、それらしいものは見当たりません。床屋さんの前で立ち話中のおやじたちに、サンタ・チェチリアはどこでしょう?と訪ねたところ、そこそこ、とまさにそのバロック建物を指差すんで、もうびっくり。びっくりしているわたしを見て、おやじたちはさもありなん、という風情だったので、中世を求めてくる人は、きっと他にもいるんでしょうね。
扉を潜り抜けると、ローマ風の鐘楼が見えたので、ほっとしました。
それにしても、これ。どひゃ~、でしょ。照明もきれいなんだけど、なんかまるでホテルみたいな。
中も例によってこんな感じ。
ローマの、起源が古い教会の佇まいは、もうほとんど分かりましたね。バジリカ様式とかを保ちながらも、柱や天井や壁をゴテゴテに金ぴかに飾って、でも後陣のモザイクだけはしっかり残して、そして巨大なチボリオを内陣手前にどかっと置いてモザイクがよく見えない、という。ここ、まさにその典型ですね。
モザイクは9世紀のもの。美しいものです。チボリオに邪魔されて、全体像は見えないので、これは、絵葉書の写真。
地下は、本堂全体にあたるくらいの広さで地下室になっていて、クリプタも、内陣からではなく、ファサード側から入るようになっています。とても広くて、こんな壁。相当古そうです。
そしてクリプタ。派手派手ですが、このくらいこじんまりとしていると、こういう金ぴかも、何とか許容できる、と思いました。
地下に入るには、一応お金を払うようになっています。お土産屋兼受付に、アラブ系にしか見えないおにいちゃんが座っていたので、入る前に、何気に、クリプタはいつの時代のものなの?と尋ねたところ、「う~ん、それに応えるのは難しい、というのは、多くの時代のものが交じっているからなんだよ」と、話が始まり、延々と止まりそうもない状態で、話し続けられました。ああ、困った。さすがに途中で、分かりましたんで、入りますんで、お金を払いますんで、と無理無理にさえぎったところ、堂々と3ユーロと書いてあるのに、1ユーロでいいし、ということでした。興味を持ったのがうれしかったのか、なんだったんだろう。なので、はがきも購入させていただいたのですけどね。
アラブ系だけど、勿論キリスト教の人なんでしょうねぇ。濃かったなぁ。イタリア人じゃなかったし。
この教会で、一番好きだったのは、実はファサード下部のポルティコになっている部分に、多数かかっていた、古い大理石板のレリーフ。
この7~8世紀の時代の浮き彫りというのは、どうにも好きなんです。こういう風に、外壁にかけられたりはめ込んである教会は多かったので、改装とかしたとき、やはり捨てがたい何かがあったのかもしれないですよね。
- 2009/12/20(日) 03:13:41|
- ローマの中世
-
| トラックバック:0
-
| コメント:5