さぁ、中世の旅、再開ですよ。
やっと中世のゾーンに戻ってきました。このあと、この博物館における中世の目玉、最も重要な教会が出てくるんですが、その前に、ちょっとまた歴史散歩で。
初期キリスト教、ロンゴバルドの時代のものが、いくつか並んでいるんですが、それがまたかわいいこと。この時代のものは、自然に教会等でお目にかかれることはめったにないので、大変貴重です。
どこの教会にあったのかは不明ですが、柱頭と、説教壇の一部。本当につるつる感も含めて、かわいい~!
これはアーキトレーブですね。
何度も言っていますが、この時代のこういうモチーフのレリーフって、本当にうっとりするくらい好きなんです。
この十字架と周辺のレリーフのかわいらしさって言ったら!ほしいなぁ、手元に一つ。
こんな碑文も。全然読めませんけれど。このケルト起源の組紐も大好きなモチーフです。
さて、ブレーシャにおけるロンゴバルドの美術史は、将来ロンゴバルド王となるブレーシャ公デジデリオとその妻アンサによって、753年に、女子修道院サン・サルバトーレが創建されたことにはじまります。彼らや、また教皇の寄進によって創建された修道院が、それ以降地域の政治、経済、文化活動の中心となっていきます。
ちなみにこの夫婦は、ここ以外にも、レーノ修道院やシルミオーネ修道院も創建します。
ロンゴバルド族は、各地に散らばって、その土地それぞれの長が、結構勝手にその土地を統治して、その上に王様がいるという絶対君主制とは異なるスタイルだったらしいのですが、このブレーシャ公は、その長の中でもかなり力があったということでしょうね。
この時代、建物がなかった町の北東地域に貧しい人や巡礼の人のための住居、教会などが建てられ、ローマ時代の陳腐化した水道橋が、サン・サルバトーレに水を送るように整備されました。
サン・サルバトーレは、774年ロンゴバルドがシャルル・マーニュ(カール大帝)に敗れた後も、それまで以上の発展を続けました。
ということで、次回、サン・サルバトーレです。
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- 2010/03/30(火) 05:28:31|
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ローマです。
ブレーシャって、ローマ時代、かなり栄えていたんですね。今でも町中にも、結構大きなローマ遺跡がどーんと残っています。
そして、このサンタ・ジュリア博物館内に、ローマ時代の大邸宅の跡が、すっぽりと収められているのですよ。
ドムス・デッロルタリア(オルタリア=野菜畑の邸宅)。
1900年後半、かつて修道院-つまり現在のサンタ・ジュリア博物館ですが-があった場所の考古学的調査がされた際、修道院に併設された野菜畑のスペースに、ローマ時代の遺構が発見されました。町の基本である幹線道路、そしてその道沿いに建てられていた数々の高級住宅。
道路が建設されたのは、アウグスティヌスの時代、紀元前1世紀終りから起源1世紀の初頭にかけて。道幅は広く、その上両端に、3メートルもの歩道が付けられているのです。道路の下は下水道になっていたんだそうです。毎度のことながら、ローマの町の設備には、驚かされますねぇ。
これ、多分道路の名残です。
そして、その高級住宅の跡が、かなり広いスペースに再現されています。往時のまま部屋に仕切られていて、当時の壁にあったフレスコ画や、床モザイクなどが、かなりよく修復され、多数見ることが出来ます。
特に床モザイクは、目を見張る美しさですね。
人物像から、抽象的な幾何学模様まで、バラエティに富んでいます。特に幾何学模様は、様々なパターンの組み合わせのモダンさ、美しさ、何で、こんなすばらしいセンス、そして技術を持っていたのだろう、とため息が出ます。
きっと、今とは違う時間が流れていたこともあるのでしょうね。最後の幾何学模様など、ざっと見ると大胆なモチーフですが、実は白も黒も、すごく細かい切片で作られているのですよ。これだけ細かい切片を使っているから、どんな模様も作ることが出来たのです。でも、気が遠くなるような時間がかかっているはず。豊かな生活で、そういう余裕が、お金持ちにあったんですね。
正直、見ても見ても飽きずで、中世を見に来たはずなのに、いきなりローマにドップリ。
この薄暗い展示室からは、博物館の中庭に出ることが出来、そこには、ローマ時代の石棺や、柱頭などがごろごろと並べられています。
緑が一杯で、とても気持ちのよいスペースでした。それにしても無雑作に。柱頭一個、お持ち帰りしたいくらいです。
ブレーシャ、ローマ好きの方にも必見です。
- 2010/03/29(月) 05:19:21|
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唐突ですが、行ってきました!
トリノで、今年の世界選手権が開催されることを知ったのはオリンピックを見ているとき。遅すぎっ!
でもそこがイタリアのいいところ、開催まで2週間を切った時点でも、チケットが手に入ってしまうんです。勿論、よい席は全然なくて、劇場で言うところの天井桟敷ですけど、でも試合観戦は初体験だし、ついこの前のオリンピックで上位だった選手のほとんどが参加しているというレベルの高い試合ですから、参加(?)することに意義があります。
会場は、4年前トリノ・オリンピックで使用されたパラヴェーラ。町の東郊外にあります。
行ったのは、女子のフリー。大会の華です。
前日のSPでは、1位長洲未来、2位浅田真央、7位キム・ヨナ、安藤美姫と鈴木明子は、失敗したらしく、かなり下の方でした。私は真央ちゃんびいきなので、彼女の優勝の可能性が高そうで、期待一杯です。
日本人登場の最初は、鈴木明子。
これが悔しいことに!会場に入った時点ですでに開始していたのです。
チケットには、しっかりと14時と明記してあったので、会場にはかなり早くついたのですが、近くの中華でのんびりとランチをいただき、あまつさえ会場に入ってからも、まだ1時間近くあるし、とのんびりカフェをいただいていたのです。でも、妙に騒いでいるので、あわてて入ったところ、ちょうど彼女の演技中だったというわけです。まったくもぉ。
後から考えるに、滑走第一組の最後だったようです。
後半だけでしたが、オリンピックのとき同様、ミスのない堅実な演技で、確か100点近く獲得したのでは。SPでのミス(多分)が、残念です。
席は、天井桟敷ながら、意外とリンクに近くて、思ったよりは肉眼でもはっきりと見ることが出来ます。客席はほぼ満席。日本人も相当来ていました。そして私の後ろの方には、韓国人団体がいて、キム・ヨナへの声援はすごいものがありました。
日本人では安藤美姫が人気で、声援では、真央ちゃんを上回るような勢い。なぜ?
個人的にはあまり好きではないので、大いなる疑問。例によって、手堅くまとめて122点と高得点を獲得していましたが、なんかチャレンジ精神の感じられないプログラムで、無難にまとめている印象が強くて、ライブで見ても好きになれませんでした、やっぱり。
キム・ヨナは、なんとしりもち1回、ジャンプの失敗が2回くらい。それでもなぜか130点以上が出るんです。納得できず。確かにきれいなんですが、なんだろう。なぜそんなに点が出るのか、どうしても納得できない。ライブで見ても。
そして最終組。
実は、今日最も熱の入ったのが、イタリアのトップ選手であるカロリーナ・コストナーの演技です。
彼女は、先日のバンクーバーで、ジャンプ失敗による転倒(それも派手なしりもち)を何度も繰り返すという最悪のフリー演技をしてしまい、それまでアメリカでの合宿費用などを負担していた強化委員会等から、「金の無駄遣い、とんでもない」、と散々たたかれていたのです。
そりゃ、あの演技はひどかった。あるイタリア人の知人など「転びに行ったようなものよね!」とつめたい発言。そう思う人は、決して少なくなかったはず。とは言え、オリンピック選手を個人攻撃的に、金の無駄遣いなんていう非難は、あまりに子供っぽいというか、わたしはなんか納得できなかったんです。彼女も負けていなくて、「確かにうまく行かなかったけど、誰だって失敗することはある、私の実力はあんなもんじゃない、もうちょっと見てくれ」、とインタビューで強気の発言をしていました。これは結構気持ちよかった。誰だって、がんばっているんだもん、そういう権利はありますよね。
というわけで、さぁ、見得を切った落とし前、今日はつけてくれるのか?という期待と好奇心がてんこ盛り状態でした。
最終組に出るというだけでも、SPの点数は知らないけれど、期待がいや増します。
そして、最終組のトップで、カロリーナ登場!
会場、まさに割れんばかりの拍手です!私も、同行者も、勿論、すでに興奮状態!
美しい弦楽器の調べに乗って、演技開始!
最初のジャンプ、成功!大歓声!自分も思わず「カロリーナー、ブラーバー」と叫びまくり。ジャンプの度に、お願い、成功して!と祈る気持ち。
次、成功!また成功!ジャンプが成功するたびに大歓声です(難易度なんて関係なしです)。感極まって、見ながら涙が出てきました。
危うげな場面も多少はありつつ、転倒なしで演技を終えました!
大歓声。会場が揺れていました。
カロリーナ、顔を覆って泣いています。オリンピックのときは、絶望で顔を覆っていましたが、今日は、歓喜の涙。こっちも思わずもらい泣きです。
点数は105点だったかな。大いなるブーイングでした。でも精一杯やったし、彼女が今できる最高の演技をしたのではないかと思うのです。とんでもないプレッシャーの中で、偉い。
その大歓声の後、真央ちゃんで、ちょっと気が抜けてしまいました。真央ちゃん、いつもこういう順番ですねぇ。
一転、重々しい楽曲が流れ出し、演技スタート。トリプル(アクセル?)、決まった!やっぱりきれいです。次々ジャンプ決めます。ステップもさすが。美しい演技。大拍手!真央ちゃ~ん!
また叫びまくるわたくし(なんて、ミーハーなんだろう…)。
その後、SP1位の長洲未来が登場したものの、目の前に優勝がちらついて動揺したんでしょうか、ミスの目立つ演技で、今ひとつ得点延びず。そこで真央ちゃんの優勝が決定!おめでとぉぉぉ!
カロリーナも、何とか6位にとどまり、入賞ってことになるのかな。今の世界のレベルから見れば、6位は多分順当、っていうか、仕方のないところかなって思います。
帰宅早々、テレビで彼女のインタビューがちらりと流れ、今日は、お客さんの拍手や歓声に力をもらった、あの拍手は、金メダル以上の価値がある、と言っていました。
確かにね。地元の利ってすごいなって、実感しました。
表彰式。2位はキム・ヨナ、3位はフィンランドの選手(名前を忘れましたが、手堅い演技をするオバサン風の人です)。
ウィニング・ラン。
感想。
やはりライブはいい!臨場感が全然違うし、興奮度がテレビ観戦とは百倍くらい違います。男子も見たかったし、明日のエキジビションも、すごく見たかった。エキジビションは、さすがに人気のようで、チケットは完売だったんです。あれば、2連荘で行ってましたね~。
実は、すでに来年のことを考えていますよ。来年もヨーロッパらしいので、泊りがけで行こうかと。
本当にミーハーで。
では来年のレポートをお楽しみに(?)。
- 2010/03/28(日) 06:57:50|
- ミラノ徒然
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最近、木曜日に早く仕事を終えることの出来ることが少なく、今週も残業でした。なので、金曜の今日早仕舞いにして、行ったことのないアート・スペース探訪に行ってきました。
ミラノの、西の方にあるガス・電気会社ですが、アート・スペースがあり、ときどき無料の展覧会などを催しているようです。
一帯は、高級住宅地、という風情ですが、そんな中に、それなりに歴史のありそうな社屋が。
これ、電気とガスの供給会社で、日本でいえば、東京ガスとか東電。我が家の電気とガスも、この会社のお世話になっています。
いかにも会社、で、展覧会本当にやっているのかな、と恐る恐る近づくと、ちゃんと表示がありますので、素直に従って、勝手に入ります。
無人。完全に社屋の中に入っちゃうんですけど、いいんでしょうか?
展覧会場も、完全に無人。これほど無人って珍しいのでは。カメラとかありそうにも思えなかったんですけど。
イタリア人の現代作家。光をテーマにした抽象です。
紙に描いた絵だったり、後ろから光をあてたアクリル板の絵だったり、いろいろ。
それなりにきれいだったりするわけですが、せっかく光を使っているのに、インパクトが薄い。オリジナリティが低いというか、感動するような作品には、残念ながら、出会えませんでした。
実際、作品よりも、このおそらくそれなりに歴史の古い建物を、現代的に改装している入れ物の方に、興味が行ってしまいました。作家の方、ごめんなさい。
それにしても、ミラノは、本当に無料でたくさん楽しめる町です。貧乏人にはありがたいことですね~。
Christiana Fioretti
1910-2010 Light Abstr-action
Casa dell'Energia AEM
11/03/2010- 30/03/2010
- 2010/03/27(土) 06:58:05|
- アートの旅
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もぉぉ~、いきなり接続不能になり、3日間、ネットなし生活でした。たまにはいいんですが、なんか毎日のようにつないでいると、つなげないことが妙にストレスになりますねぇ。
私の接続プロバイダーは、24時間対応の電話アシスタント・サービスがありますので、一日目はともかく、接続不能二日目の昨夜、まず電話したのですが、なんかやる気のないおにいちゃんで、「多分明日は治ってるはず」とかいい加減なこと言われて、きられてしまいました。
うすうす予想はしていたけど、今夜もまだ接続不能。あーあ、と思いながら再度電話。しかし今夜は大当たり。すごくてきぱきとしているお兄さんで、20分くらいで無事開通!
やったことを考えると、昨日も出来たはずなので、つまり昨日のオペレーターはやる気がなかったか、または技術力がなかったか、ということ。ま、よかったよかった。
というわけで、またロマネスクです。
ローマを一気にアップしたかったので、ブレーシャ、間が開いてしまいましたが、実はまだ重要な部分が残っています。
前回、ブレーシャの町で、中世としては最も重要な史跡であるサンタ・ジュリア博物館のさわりをご紹介していました。その続きです。
サンタ・マリア・イン・ソラリオ教会を出て、いったん建物の外に出ると、こんな素敵な修道院の中庭です。
ここを横切り、改めて対面の建物に入りなおします。
中世といっておきながら、ここからしばらくは古代の遺構を訪ねる旅になります。
もと修道院の、長い廊下をうまく区切って、多くのローマ時代のものが並べられています。
そして、愁眉はこれ。
中世物を目指して言ったので、全然チェックしていなかったのですが、この女性像、実はこの博物館の目玉の一つで、とても有名なものだったんです。翼のある勝利の女神。
全然知らなくても、思わず吸い寄せられました。1世紀のブロンズ像ですが、完璧に残っています。かなり大きな像ですが、ほっそりと優美で、とてもエレガント。ローマって、大理石の印象が強くて、ブロンズってあまりないのではないでしょうか。
いやいや、こんなものがあるとは。全く侮れない博物館です。
さらに先にすすむと、ローマ時代の家がそのまま前部保存されているゾーンとなります。モザイクがとても素敵なので、次回じっくり。
- 2010/03/26(金) 06:22:59|
- ロンバルディア・ロマネスク
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おお、今月も無事、更新できました!
気持ちばかりあせりつつ、いまだに一年以上前の写真を整理しています。今回のスポレートで、やっとウンブリア最終回(当面)です。
小さな土地に中世の遺構がひしめく稀有な町、スポレート。ロマネスク的には、ローマに近く、先日訪れたローマでは、コスマーティやバラ窓などに改めて再会した感じでした。北のロマネスクとは随分と異なります。
かつて訪れた方も、まだ行ってない方も、是非お目汚しいただき、感想などいただければ嬉しいです。
- 2010/03/23(火) 06:06:24|
- ロマネスク全般
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ローマ中世、最後の教会は、サン・クレメンテです。
中世的にも、また一般史跡としても大変重要で、有名な教会です。
しかし!最初に教会の姿が見えたときは、まさかそれがサン・クレメンテとは、思いもしませんでした。バロック教会の壮大さも特にない、ただの普通の家屋にしか見えなかったんです。
正面はこんな感じで、典型的なバロック教会ですが、このファサード前は、古代の教会に見られる前庭になっていて囲まれています。外からは見えないんですよね。その上、最初にアクセスしたのは側面の扉で、なんだかとにかくしょぼいものでした。
オリジナルは、2世紀頃の普通の家屋らしいので、私の印象もあながち間違っていたわけではなさそうですけどね。
かなり小さい教会ですが、中には、古代や中世の、たくさんの宝物が隠されています。
ただ大変残念なことに、ここ強烈に撮影禁止なんです。教会内のいたるところに、これでもか、というほど撮影禁止の張り紙があって、あ、気付かなかった、というのが絶対に通じない状態です。何もそこまでしなくてもいいと思うのですが、ローマの教会の中では随一というくらいにお土産屋が充実していましたので、写真を撮れないようにして、絵葉書や資料を買ってもらおうという商魂たくましい教会なのかもしれません。でも、撮影が出来ようが出来まいが、多分買う人は買うし、買わない人は買わないと思うんですよねぇ。実際、これだけ充実していると、私などは、あれもこれもほしくなってしまって、最低限の買い物に抑えるのが苦労でしたけど。
おっと、教会を紹介します。
内部はこんな感じ。古いバジリカ様式を残しながら、装飾はほとんどバロックのキンキラになってしまっています。
3世紀ごろ古代神殿として使われるようになったものが、11世紀に火事で消失。今の建物はその後に建てられたものが元になっています。
バロック装飾がなされたものの、後陣や床モザイク、内陣を取り囲む大理石版などは、そのまま残されたのです。ありがたいことです!
ここの後陣モザイクは、モチーフが大変に細かくて、他には見られないタイプのものです。
生命の樹木が後陣全体を覆っていて、小さなモチーフがたくさんちりばめられていて、それがとてもかわいらしいんです。といっても、内陣を囲う障壁があって、残念ながら、あまり側には近寄れないんです。で、絵葉書等で観察するしかなかったんですけれど。
これが中心部にある十字架。鳩とか動物もとても愛らしいですよ。
この教会は、実は地下が面白いのです。
有料ですが、入場する価値大です。相当広い範囲にわたって掘られていて、10世紀前後のフレスコ画がたくさん残っています。残念ながら、私が訪れたときは、重要なフレスコ画のほとんどが修復中でした。がーん。写真で見る限り、すばらしいものみたいです。一部は見られましたが、雰囲気、よかったです。
とにかく広い範囲で、さらに下ったり登ったり、全体の構造がどうなっているのか、皆目検討がつきませんでした。地下水がざんざんと流れている水路まであるんですから。
他の教会では、地下に入ると、他に誰もいなかったり、一人二人いるくらいだったりしたんですが、ここはさすがに人気のある有名教会だけあって、すごいたくさんの観光客が、数珠つながりで通路を歩くという感じで、それはちょっとがっかり。ここに一人だったら、かなり怖くて、あちこちに足を踏み入れられないかもしれないけれど、数珠つながりはね~。
ということで、ローマ中世、一応お仕舞いです。
普通の観光写真も、ちょっとアップしようかな。
ローマについては、これからいろいろと勉強して、少しずつサイトにアップしていこうと思っていますので、ご興味のある方は楽しみに。
- 2010/03/21(日) 03:17:38|
- ローマの中世
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今日は無料展覧会で、とても得した気分です。
MiArtというアート関係の見本市の協賛で、無料の現代アート展覧会があったので、久しぶりに木曜日、会社帰りに行ってきました。
無料とは言え、コンセプトもしっかりとした展覧会で、充実していました。とは言え、説明文なども読んだのですが、実はよく分からなかったんですけど。どうも、現代文化のハイブリッドを、アートに置き換えて考えるみたいな、そういうもんだったような感じなんですが、大体ハイブリッドって何?みたいな根本的な部分で躓いてしまって…。
ハイブリッドって、混血とか混合とかあいまいとか、そういう境界的な意味です。
展覧会がどういうものだったかというと、比較的若手の現代アート作家の作品が並べられていて、それぞれキャプションに、ちょっと前の時代の作品の写真が付けられていて、それとの類似性というか、それをハイブリッドすると、こうなるかも、みたいな事になっています。キャプションの作品は、必ずしも有名なものではなく、というよりも、ミラノの近代美術館にある、どちらかというと限りなく無名に近いような作品がほとんど。だから勿論、展示されている作品が、実際にその作品をモトにしているとかそういうことではないはずなんです。
それでもなんか、そういうコンセプトでそろえられると、そういうもんか、という何かが見えてくるのが、こういう展覧会の面白さなのかな。
モナリザとか有名作品の絵姿になりきって、ポートレート写真を撮っている森村何とかさんとか、ベネチア・ビエンナーレやトリノのカステッロ・ディ・リボリでも作品を見たイタリアの現代作家や、それなりに有名な人の作品も数点。小さい会場なのに、1時間くらい過ごしてしまったので、充実度が分かるってもんです。
無料だけに、見学者もかなり多数。
Ibrido
PAC Milano
12/3/2010-31/3/2010
4月になると、ミラノで最も重要かつ有名な家具の見本市、サローネがあります。例年、関連企画で、無料の展覧会が多数催されますが、この数年はほとんど見ていないので、今年は、カメラを持って、会社帰りにでもちょっとうろつこうと思います。楽しみです。
ところで、前から買おうと思っていた小型デジカメを入手しました。トップはそのカメラで撮ったもの。いつも愛用しているのは、キャノンのパワーショットで、手ブレを防ぐために(なんせ、暗い教会でのノー・フラッシュ撮影が多いもので)ちょっと大きめなので、持ち運びが不便だったんです。新しいのは(以前愛用していたニコンのクールピックス)本当に薄くて軽くて、持ち運びが全く苦になりません。
でも、私のパソコンは古いせいか、カメラをつなげても、画像を取り込めないのでした。新しいパソコンを買うまでお預けか、と一瞬がっかりしたのですが、画像は、愛用カメラと同じSDカードに入っていることに気付き、カードを入れ替え、古いカメラの方から通常のケーブルで読み込み。ちゃんと出来ちゃうんですね。
こんなこと言ってると、当たり前じゃん、とか笑われそうですが、でも昔は、カメラごとにカードが違ったり、いちいち初期化しないといけなかったり、そういう世界じゃないですか。はぁ、時代は本当にすすんでいるのだなぁ、と感心しきりです。
しかし、デジカメ画像を読み込めないほど古いスペックのパソコンを使っているのは問題ですよね~。これまでは、2,3年おきにいかれて、買い替えを余儀なくされていたんですが、今の東芝は、長持ちしてるんですよね。そうこうするうちに、Vistaが通り過ぎ、また新しいOSが出て、多分そろそろ買い替え時期とは思っているのですが。
ま、新しいデジカメも、利用できることがわかったので、あせる必要はなさそうです。
- 2010/03/19(金) 06:46:49|
- アートの旅
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サンタ・マリア・イン・ドムニカ教会の前の道を渡って、ちょっと小道に入ると、え?と思わずびっくりするような緑深い田舎の雰囲気になります。そして、いきなり壁の一部が開いていて、確かに、教会の名前が掲げられているのですが、まるで普通のお宅のお勝手口のような質素な感じで、戸惑います。
木戸口をくぐって、という感じで入ると、中は意外と広々としていて、確かに教会です。
ロトンドというからには、集中型円形の建物のはずなのに、一見すると、まるで普通の家ですよね。
これが、ローマでも最も古い教会のひとつ、サント・ステファノ・ロトンド教会で、5世紀の創建です。
手前のポルティコは、12世紀、ロマネスク時代に付け足されたもの。おお、ロマネスク時代も、たまには余計なことをするもんですね。ここは、ポルティコのない円形がはっきり分かる方が、絶対にプレゼンスはよいはず。
内部に入ると、円形といっても、かなり大きなもので、全体が丸いと把握するのが難しいくらい。
真ん中の丸い部分と、周囲に回廊のようになっている部分と。回廊部分がとても幅広くて、全体のスペースがより大きく感じられます。
一部祭壇になっている後陣部分に、黄金のモザイクがあります。
小さいんですが、背も低い場所にあって、すぐ身近に眺められる分、細部がよく見えて、美しさが迫ってくる、そういうモザイクです。だって、手が届きそうなところなんですよ。そういうのって、めったにないですよね、こういうタイプのモザイクで。
一部、オリジナルの床が見えるようになっていました。今よりは低かったんですね。今は、柱の基盤になっている石が隠れている高さになっていますが、オリジナルは、この一段低いところということでしょうね。
今ある教会の下には、2,3世紀頃の古い宗教的建物が埋まっているそうです。でも、公開もしていないようで、それどころか、完全に埋まっている感じでした。
ここでも結婚式の準備が進行中で、そのおかげで、本来のオープン時間よりかなり早い時間だったのに、オープンしていて、自由に入ることが出来ました。ラッキーです。あと1時間遅く来ていたら、結婚式で入れなかったでしょうから、ここでもまた、早起きは三文の徳。
- 2010/03/18(木) 06:27:57|
- ローマの中世
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先日の、聖ジョバンニ・エ・パオロ教会からすぐ、ここからは完全な町外れで、田舎が始まる境界線上みたいなロケーションにある教会です。
ここもまたおなじみの姿。9世紀に、もっと古い宗教施設を利用して建てられた教会を、16世紀に改築したのが、今ある上の姿。これでは、中世好きは、思わず目をそむけて通り過ぎちゃいそうなプレゼンスですね。
でも待ってください。
中は9世紀当時のバジリカ様式が残されていて、そして、後陣とその周辺には、うれしいことにモザイクが燦然と!
9世紀のモザイク。美しく残っています。
16世紀の改築時には、当時有名な人が請け負ったらしいですが、やはりこういうものは、手をつけられなかったんでしょうねぇ。または、力のある人ほど、過去の美術にも造詣や理解が深かったりして、しっかり残すべきという方策を探ったということもあるのでしょうか。
後陣。
十二使徒に囲まれた聖母、って言う感じですが、正確には、どうなのかな。
後陣手前にあるアーチのモザイクも、とても美しいです。
緑が、ラベンナの緑を彷彿とさせます。このエメラルド系の緑って、なんだかとても温かい印象を与える気がしますが、如何ですか。私が、青っぽい緑とか、緑っぽい青が好きだからなのかな。でも、花の絵もあったりして、全体に牧歌的ですよね。
絵は、ちょっとビザンチン風で、輪郭がはっきりしていて、みんなかわいらしいお顔しています。
早朝だったので、光の具合が、今ひとつ。でも、一部に朝日が差していたので、この教会、完全な東向きではなさそうです。とは言え、モザイクを自然光で完璧に見るには、午後はやい時間とかがよさそうな感じです。
モザイク部分意外は、すべて新しくて、本当に文字通りぴかぴかで、教会そのものは、つまりとても大切に扱われているし現役なのは確かですが、史跡としては、ぴかぴかすぎ。訪れたときは、日曜日の早朝で、ミサの準備という感じで、すでに働いている人がいました。といっても、私が訪れたときに、ちょうど門扉が開けられたんですけどね。日曜日の朝はのんびりです。
- 2010/03/17(水) 06:00:31|
- ローマの中世
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