トルトーナ地区を回ったのは、金曜日の午後だったので、まだ比較的人が少なかったと思います。どこもすんなりと入れたのですが、ここは、いきなり行列でした。事前にガイドをチェックしたときに、興味があった場所だったので、早速並びました。幸い、たいした列ではなかったので、10分弱で入ることが出来ました。
スワロフスキーのクリスタル・パレスです。
なんだか完全にビエンナーレ?と錯覚。これって家具とかプロダクツ・デザインとかインダストリアル・デザインとか言うよりも、限りなくアートに近い世界です。
すごくきれい。ほぉ~、とため息の世界。
これは、中にスワロフスキーのガラスの電球が入っていて、樹脂の薄いような素材の傘を通して、そのガラスの反射が映し出されるというランプ。灯篭みたいな感じできれいではありますが、傘の素材がちょっと安いっぽいかな。
ガラスのテーブル。反射で光がすごくきれい。スワロフスキーってカットがいいんですかね?ただのガラスでも、すごくきれいなんですよねぇ。
ここは美しいスペースでした。四方がガラス張りで、部屋には、ガラス球がちりばめられた棒が林立して、それがまた発光しているわけです。ガラスに映ったものも含めると延々とどこまでも光の森が広がって、とても美しい。この光とガラスの組み合わせは、現代アートではありがちですけど、きれいなものはやっぱりきれいですよねぇ。
これが一番お気に入り。トップの写真が、この光る綱の正体。つまりガラスです。光ケーブルが真ん中に通っていて、ガラスがそれを反射して飛び散るように輝くんです。光が、端から端まで走ったり、一部ついたり消えたりして花火みたいになったり、暗闇の中、それはそれは美しい幻想的な眺めでした。見ても見ても見飽きない。
って言うか、これ家具ですか?どう見てもアート作品ですよねぇ。いずれにしても、こんなものが置ける家だったらいいのになぁ、と思ってしまいます。
こちらがまた、すごいインパクトでした。
結構大きな部屋の真ん中に、この光り輝く球形(直径1メートル弱くらい)がぶる下がっているんですが、部屋全体白くて、もやもやとスモークが炊かれていて、かなり幻想的な情景になっています。本当に美しいですよ。
これ、日本人デザイナー、Tokujin Yoshiokaという人の作品です。スワロフスキーのよさをとてもよく捉えているように思います。
私が見学終えて出たときには、さらに行列が長くなっていました。皆さん、よくご存知で。
スワロフスキーって、すごくコマーシャル、インダストリーに長けていると思うんですけど、こうやって、アート的なコストもちゃんと使って、だから、それなりに売れるよいものが作り出せているんでしょうねぇ、きっと。一見無駄なようだけど、こういう作業をしていかないと、よいものは作れないって感じ?
ここ、週末はすごかっただろうなぁ。展示スペースは結構狭いし、込んでいたらちょっと辛そうなので、ラッキーでした。
いやいや、それにしても面白かったです。というか、眼福でした。
- 2010/04/18(日) 05:52:27|
- アートの旅
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
本格的に、フオリ・サローネ探訪、してきました!
超お疲れのタフな一週間でしたけど、終わりはやけにシーンとしていて、幸いにも予定していた3時よりもちょっと早くに仕事を終えて、早速、フオリ・サローネの展示が最も集中しているトルトーナ地区を散策すべく、ポルタ・ジェノバに向かいました。
ポルタ・ジェノバ周辺は、まだ午後も半ばだというのに、大混雑ですごい有様。あちこちに、インフォメーションのスタンドがあります。すばやくマップを入手して、スタンドのおねえさんに、どうまわったらいいのかアドバイスを聞いて、出発です。
ミラノのあちこちに設置されているレトロな水飲み場が、派手なかわいい水色に塗られていたりして、道端からして、すでにサローネです。アート、デザイン関係っぽい学生風から、いかにも業界風の人たち、スーツの出張者、暇をもてあましているおばちゃんたち、と、それはもう様々な人が行きかっています。
昨日、一応ガイドをチェックして、これは抑えたい、というものはチェックしたのですが、とにかく数が多いので、選択している暇もない感じ。この地域は、道を歩けば、何も知らなくても展示会場にぶち当たって、気がつくと、どっさりパンフレットを手にしていたりします。
界隈の雰囲気はこんな感じ。この地域、かつての(今もそれなりにそうなんですが、かつてほどの勢いはない)ミラノのナイト・ライフの中心地であるナビリオにも近いのですが、どうやら、デザイン関係の会社が集中しているんですね。再開発地域で、新しいインテリジェント・ビルみたいのが多く建てられて、新しくてスペースが広々とした事務所が、町中よりかなりお安く賃貸できるということで、一時期、大企業が随分とこの辺りに移っていたように思います。そういう性質が、デザイン系の会社に合ったのでしょうかね。それに、古い地域ですから、昔から、職人さんの工房とかが集中しているゾーンでもあったようですね。
なんか、展示の会場がすでにかっこよかったりします。
これは、どうも、昔からの工房みたいだったんですけど、なんかよく分かりませんね。だって、すごくかっこいいモダンな家具の展示会場も一緒にあって。でも、この一部は、油くさいような、マッド・サイエンティストっぽいような、すごく怪しくて面白いスペースだったんですよ。実際、このおやじなんか、職人歴40年のたたき上げって感じじゃないですか。
この週末は、先週、悪天候のためにあきらめたロマネスク探訪と思っていましたが、それどころじゃなくなってしまいました。明日も明後日も、ひたすらフオリ・サローネめぐりに精を出します。今日は、途中でデジカメのバッテリー切れで、写真が撮れなくて残念だった場所も、是非再訪したいと思っています。とにかく街中あちこちやっているし、週末は人出がもっとすごいでしょうから、きっともっと疲れるでしょうけど、でも、それだけのものは確かにあります。
つまりは家具展なんですけどね。
でも、建築やインダストリアル・デザインって、いまやアートと紙一重、というか、境界がすでにはっきりしないところに来ていますよね。だから、限りなくアートっぽいテイストもあちこちに転がっていて、それが面白いんです。だって、一方で、やはり家具ですから、すごく具体的に、あ、この椅子、ほしいなぁ、とか実用的な視点で考えちゃったりするわけで。その、見る方の視点も含めて、いろいろと変化する感じが面白いな、と思います。
しばらくサローネ特集、続きます。
- 2010/04/17(土) 05:35:09|
- アートの旅
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
この前、コメントで大嘘をつきました。不況だから、フオリ・サローネの企画も少ない気がする、なんて。
いや、本当のところは分からないんですけどね、そして、不況は確かで、イタリアの景気の回復は、まだまだなのは事実なんですけどね、それでも、デザインは、数少ないミラノの売りなわけで、実際は特に少ないってことはなさそうです。
考えたら、サローネのとき、積極的に見て歩いたことはなかったのかも。というのも、以前は勤務先がかなり町中にあり、近所にサローネの雰囲気も満ち溢れていて、チェックしてなくても、あ、サローネだなって分かったし、ちょっと歩けば、面白い展示に出会えたのです。でも、この2年ほどは、勤務先が町外れに引っ越して、周囲におしゃれな雰囲気が全くなくて、サローネとかファッション・ウィークとか、とにかく全く関係ない場所なんですよね。自分からわざわざ動かないと、何も見ることが出来ない場所。さびし~。
そんなわけで、今週はサローネ・ウィーク。それなのに!仕事がすごく忙しくて、残業続き。いや、残業って言っても、いたところでせいぜい8時とか8時半ですけれど、でもタフなミーティングとかが異常に多くて、仕事が終わる頃にはへとへと。それでもコンビニないし、やはり家に帰って、夕食も作らないといけないし。その上、そういうときに限って、随分前に予約した検査とか歯医者とかの予定まであり、なんだかもぉ、ぜえぜえしているのです。
今日も、またそういう一日で、今日こそ早く帰る!という決意もむなしく、やはり7時近くになってしまったのですが、さすがに、気持ちが荒れてる気がして、疲れた身体と心に鞭打って、ちょっとだけフオリ・サローネを探してみることにしました。
フオリ・サローネとは、展示会場でやっている本体のサローネと別に、町中のあちこちで、開催されている小さな展示です。家具店だったり、ブティックだったり、アート・スペースだったり、いろいろな場所で、実に様々な展示会が開催されているのです。家から歩いていけるような場所にまで何かしらあるんだから、たいしたもんです。
ミラノの中心部の地図ですが、この黄色の場所が、すべてフオリ・サローネの会場で、何かしら展示されているのです。フオリ・サローネの中心であるトルトーナ地区(下)なんかは、印がびっしりです。
町を歩いていれば、とにかく何かにぶち当たる感じ。今日は外出もしていたので、あちこちで怪しいものを目にしたのですが、カメラを忘れちゃったので、残念でした。
で、今日寄ってきたのは二つ。
一つはブラジリアン・モダンという、元教会の素敵なアート・スペースを使った展示会。
曲線の多いレトロな雰囲気の素敵な家具がゆったりと並べられていて、あ、こんなのほしいな、という椅子やテーブルが多数。あとからパンフレットを読んだら、50年代60年代の家具でした。ああ、やっぱりね。私はレトロなものが好きらしいです。
町外れの会場だったので、訪れる人は比較的少なく、ゆったり。カクテル・アワーで、無料でアペリティフの提供もあり。いつもなら大喜びでいただくところですが、なんせ疲れているので、さっさと展示を眺めて退出。ああ、私がワインを断るなんて~。
次は、もうちょっと町中で、もう一つ。そこは町中だけあって、かなりの人が来ていました。アペリティフ目当て?という感じもあり。というのは、そこも家具の展示だったのですが、ワイン・メーカーとコラボで、ワインをふんだんに振舞っていたのです。おつまみまで。
そういうカクテル・アワーは、招待客だけと思っていましたが、誰にでもオープンの場所も、どうやら結構あるようですね。道理で、若者も含めて、みんな一生懸命フオリ・サローネめぐりをするわけだ!おしゃれな空間で、おしゃれな無料のアペリティフ、そんなラッキーなことはないですよね。
でも、こちらの会場でも、もぉ全然いただく気もなく、展示だけ見て、そそくさと帰ってきましたけど、私は。
幸い、フオリ・サローネのガイドを入手してきましたので、明日は、何がなんでも午後早めに仕事を終えて、トルトーナ地区に行ってみようと思っています。そして、この週末は遠出の予定をしていましたが、せっかくなので、サローネに集中しようかと思っています。なんせ、月曜日でほとんど終わってしまいますし、この時期だからこそ気軽にアクセスできる店や展示スペースがありますので、チャンスですよね。日本人デザイナーの出展も結構あるようなので、それも興味深いです。
まぁ、疲れているので、どこまで見られるのかよく分かりませんけれど。トライだけしてみますね。
- 2010/04/16(金) 05:55:12|
- アートの旅
-
| トラックバック:0
-
| コメント:3
ブレーシャ最終回です。
サンタ・ジュリア博物館に展示されている、サン・サルバトーレ教会の遺構の数々。教会は、現在、入れ物だけの状態になっていて、すっきりシンプルなんですが、もともとはそれなりに装飾にあふれていたんですね。
たとえばこの辺の絵は12世紀のものですが、クリプタが広げられた際、教会と、そのお隣にある中庭をつなぐ南側の扉が作られて、その扉を囲むところに置かれていたもののようです。絵の周囲は、花や幾何学模様の帯で、飾られてたとか。想像するに、多分とても装飾的です。勿論、教会の創建された時代のずっとあとのものなので、実際に教会の佇まいとマッチしていたのかどうかは分かりませんが、でも、今もオリジナルのままに置かれていたら、結構感動物ではないかと思われます。
こちらは内部の壁にあったフレスコ画。二枚一組になっていて、一枚は、壷を下げている人物で、もう一枚がこれ。手にあるのは、パンです。当時の修道院の習慣で、教会の創建者であるアンサ女王の記念日に、貧しい人々に、パンとワインを施している模様が描かれたフレスコ画の一部のようです。こんな一部で、絵の内容を理解できちゃうっていうのもえらいもんですね。
そして、こちらは12世紀の柱頭。本来クリプタの円柱に乗っけられたものですが、今は博物館に展示されていて、すばらしいものばかりです。
これは、サムソンがライオンを倒す場面。
そしてこちらは、アーカンサスの葉を背景に、大天使ミカエルが、悪魔をやっつけた図。
これが、今でもクリプタに置かれていたら、もっともっとすばらしいんですけどね~。まぁ、よりよい状態で保存するには、こうして博物館展示にしちゃうほうがよいのだとは思うんですが、でもちょっと残念。
以上、サンタ・ジュリア博物館、じっくりと紹介してしまいました。博物館といっても、教会がすっぽりと収められているし、展示物も、その場にあったものなので、イメージが把握しやすくて、本当によい博物館だと思います。また、展覧会も意欲的なものをよくやるので、これからも機会があれば、展覧会に行ってみようと思います。その度にロンゴバルドに会えるのだとしたら、楽しいですし。
ブレーシャ、長々とお付き合いいただきありがとうございました。
次はどこに行きましょうかね?
- 2010/04/14(水) 05:50:34|
- ロンバルディア・ロマネスク
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
いやはや、こういう展開、ちょっとびっくりでした~。
スタートから、もう混戦というか、えっ?なぜって感じでしたね。ロッシが珍しく気合の入ったいいスタートをしたと思ったら、あれれ、ストーナーがいないじゃないか!なんとダニがいきなり出てくるし、ニッキーがストーナーと一緒に走ってるし!そういえば、ロレンツォの姿も見えないし!
でもお約束どおり、2周くらいしたら、ストーナーが出てきましたね。いきなり起きた?みたいな、唐突な展開。あれよという間にダニも抜いてトップに立ち、あああ~、この勢いでは、ブッチギリの優勝ペースじゃないか~、と絶望しかけた途端に、ストーナー自爆!
唖然です。
カメラも、転倒を全然捉えていない状態で、実際、何が起きたのか不明なまま、レースは続きます。
ロッシがトップで、すぐあとにドヴィとニッキー、少しはなれてロレンツォ、そしてルーキーながら、やはり、の勢いでスピーズ。
ドヴィとニッキーが、2位争いをしながらも、その並びでレースが続き、途中、ドヴィが一瞬ロッシを追い越したりして、ドキドキの展開でした。ヤマハはどうもスピードが出ないようで、直線になるともたもた、特にロッシのマシンのスピード不足は、かなり明らかで、うわ~、危ないな~というぎりぎり状態が、相当長く続きました。
そうこうするうちに、ロレンツォがぐいぐいと追い上げてきて、なんと、ニッキー、ドヴィを追い越してきました。彼、やっぱりすごいですね。確実に成長しているというか。手の怪我は完治していないようですが、最後まで冷静な走りでした。
結果、トップ集団が、ロッシ、ロレンツォ、ドヴィ、ニッキー(ドヴィとはほんの数センチの差。残念!)、そして大健闘のスピーズ。その後、ド・プニエ、ダニ、エドワーズ、カピロッシ(今日のレースは300回記念。ヘルメットにも背中にも300を背負って、この人もまた大健闘ですね)、そして青山博一(ルーキーとしては十分って言うところでしょうか)。
最後まで気の抜けない面白いレース展開で、そしてロッシが勝ったので、大満足です。
ロッシ、ゴール直後にガス欠でしたね。よくぞチェッカーまで持ってくれた~。それにしても、かなりぎりぎりしかガソリンを入れないんですね。びっくり。
びっくりといえば、ストーナー。レース後にインタビューを受けていて、それがなんとも口数が多くて、ニコニコとリラックスしていて、なんか別人?これって、何か切れちゃっているんじゃなくて、精神的に成長したんだと思いたいけど、どぉなんでしょ?ちょっと行っちゃってるような不思議な雰囲気もありましたけどね~。
なんにせよ、ストーナーのDucatiは健在。今年も、嫌なレースをしてくれそうですが、それがないと面白くないしね。
ところで、今日デビューのモト2、勿論見ました。びっくり。41台もあるんですね。こうなると、PPの重要性がすごい大きいです。富沢選手、優勝!クルセール、デボン、エリアスなどが入り乱れての混戦で、これも最初から最後まで、楽しみました。高橋もがんばっていたけど、途中転倒で、残念でした。しかし、選手が見分けられん!
それから今日は、スーパーバイクも、ちょっとだけ見てしまいました。芳賀選手のガッツの走り、すごかったです~。マックス・ビアジ嫌いなもので、スカッとしました!放映時間が足りなくて、芳賀のインタビューが聞けなくて残念でした。彼の活躍は今年も楽しみです。スピーズ亡き(?)後、やはり優勝ですよね。
ああ、バイク三昧。楽しい週末でした。ナイト・レースで、時間の余裕があったのも、なんだかよかったな。
次回は2週間後、日本。時差で、こちらではライブは早朝になります。きっと見ちゃいそうです。
- 2010/04/12(月) 06:59:38|
- モトGP
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
いよいよ、今年もモト・シーズン開幕です。わくわく。
今、カタール・ロサイルで、モトGPクラスのタイム・トライアルが終わったところ。今シーズンから参戦の新人たちの動向も気になるところでしたが、結果的には、トップは、これまでのパターンにほぼ近い状態でした。
PPは、ケーシー・ストーナー。2番手ロッシ、3番手ロレンツォ。
ロッシは最終トライアルで、ほとんど最後までPPの可能性を残しながら、ほんのわずかの差で二番手に終わりましたが、これもいつものパターンですね。ロレンツォは、手の怪我がまだ完全には癒えていないようなのに、さらりと三番手。この人はやはり底力あります。ストーナーは、調子よさそう。敵、と思いながら、うれしいですね。ロッシは相変わらず明るくて、なんだか幸せになります。
ダニが7位と沈んでいます。ホンダ、今ひとつ。
健闘は、4位のデ・ピュニエと、5位のカピロッシ。スズキ、今年はほんのちょっと期待できるんでしょうか。
さて、新人は。
われらが青山博一は、10位。ルーキーではトップですね。でも勿論、レース中、話題にも上らず。誰もが話題にせざるを得ないほどの活躍を期待したいなぁ。まぁイタリアの場合、レーサーもメーカーもありなんで、なかなか他に目が行かないですねぇ。でも前年250の優勝者なんだし、もうちょっとねぇ。
一方でスーパーバイクを制して、満を持しての参戦スピーズは、話題度期待度すごいです。でも11位。思ったようにうまく行かなかった感じがありありでした。本番で何かやってくれるかな。バウティスタも、バルベラもお尻の方。シモンチェッリなんて、どこに消えてしまったのか。メランドリが、相変わらずゼエゼエしていますね。やっぱりホンダ、何かだめなのかな。スッポさん、頼むぜ。
それにしても夜のレースって、なんか戸惑います。
一日終わりに向けて、なんかわくわく感は高まるんだけども、なんか。
では明日、楽しいレースになることを期待して。
- 2010/04/11(日) 06:21:14|
- モトGP
-
| トラックバック:0
-
| コメント:3
今日は木曜日、会社帰りに、しっかり展覧会行ってきました。
夏時間になって、仕事を終える時間でもまだ真昼間の状態で、そうすると人間の心理って不思議。急いで仕事を片付けようとか、急いでお家に帰ろうとか、そういう気持ちが緩やかになって、なんか余裕が出来るんです。実際は日が長くなっただけで、時間は同じですから、家で過ごす時間が短くなってアワアワするだけなんですけどね~。
さて、今日は、ロトンダ・デ・ベサーナという元教会が転用されたアート・スペース。旧市街のちょっとはずれで、住宅街のような場所なんですが、よく意欲的な展覧会が開催されるし、なんとなく雰囲気が好ましいスペースです。
円形の土地の真ん中に元バロック教会があります。周囲がレンガの建造物でぐるりと取り囲まれていて、緑の公園になっていて、近所の人たちの憩いの場所、とてもいい雰囲気なんです。
今日の展覧会は、これ。
イタリアにおける現代アート・シーンを、時代ごとに切り取った展覧会で、ミラノと、ベルガモ、リッソーネと三箇所で時代を区切って開催されています。1947年から1989年という時代の、ミラノは中間の1959年から1972年まで。
イタリアの近現代アートって、ほとんど知らないんですが、それでもかすかに名前の聞いたことのある作家の作品がたくさんありました。アートといっても、いわゆる美術に加えて、イタリアの誇るインダストリアル・デザインや、映画や音楽についての言及、展示もあり、総合的にアートを語る展覧会といったところでしょうか。
面白かったです。この年代って、なんかアート・シーン、いろんなことをやって、めちゃくちゃで、そういうのが、世界中どこでもそうだったんだなって感じで。
イタリアも例外でなく、やっぱりどこにでもあるようなこんな作品が山ほど。でも、こういう作品を見ていると、なんか、世紀が変わって、それでアートがすごく変わったかというと、そうでもないかもな~、という感じがしました。意欲はこの時代の方があったかもね、圧倒的に。
いずれにしても、イタリアってやっぱりデザインが勝つかもしれません。各年代の重要なインダストリアル・デザインの作品も展示されているんですけど、ママチャリとかソファとかラジオとかタイプライターとか、いずれも、なんとなく知っているような超有名作品で、世界的な知名度から言ったらアートより圧倒的にすごいわけです。
なるほどね。
来週から、ミラノで最も重要な見本市サローネがあります。家具関連もまた、イタリアの重要産業で、インダストリアル・デザインの世界。この展覧会も、それに関連はしています。実際、家具の雑誌などが無料でもらえたりして。力はいってるんですよね~、サローネは。関連展覧会もあるはずなので、がんばって情報収集しないと。
Il Grande Gioco
Forme d'arte in Italia 1947-1989
Milano, Rotonda di Via Besana
24.02.2010 - 09.05.2010
- 2010/04/09(金) 06:20:02|
- アートの旅
-
| トラックバック:0
-
| コメント:6
ブレーシャに戻ります。
サンタ・ジュリア博物館の中にすっぽりと保存された、サン・サルバトーレ教会。
ここは、ロンゴバルドのデジデリオが、8世紀に創建した、とても起源の古い教会。そして教会といっても、後陣もファサードもなく、ただ四角い部屋状の身廊があるだけという特異な姿になっています。
13本のローマの円柱が、身廊を分割しており、円柱に乗っかっている柱頭(6/8世紀)は、ロンゴバルド時代のもので、いくつかすばらしいものがあります。
これ、どうです?ガイドブックに、ラベンナ風の柱頭とあるのは、これのことではないかと思うのですが。このような透かし彫り風の柱頭、ラベンナで美しさにうっとりした記憶がありますので。
柱の間にあるアーチ部分も、今はほとんどが漆喰すらはげてしまっていますが、ほんの一部、オリジナルと思われる大理石版のレリーフ装飾が見られます。こんな風にこんな場所に装飾なんて、初めて見ました。それも大好きなロンゴバルドの組紐モチーフとか。たまりませんね。
うれしいことに、ここ、クリプタまであるんですよ。
地味ですが、味のあるクリプタです。
うっとりしながら、また上に戻ります。
内陣近くに、この孔雀のレリーフが置かれていました。
おそらく向かい合って二枚のレリーフがあり、それは教会の説教壇を飾るものだったらしいです。8世紀のもの。孔雀は、中世初期によく使われた初期キリスト教起源のモチーフで、復活や不死を象徴するシンボルです。孔雀を取り囲む蔓模様からは、ビザンチンの影響もうかがわれます。この時代の作品としては特筆すべきレベルの高いものだということです。確かに美しいですよね。無駄のない構図と、すっきりした線と。
ふと、床にも目が行きました。よく見るのを忘れちゃうのですが、床は、意外としっかりオリジナルの石が残っていたりするので、要注意なんですよね。
ここも、一部ですが、明らかにオリジナルらしい石が。なんか、こういうのって感動しちゃうんですよ。踏まれて踏まれて、それで千年以上そこにあるって、なんかすごくないですか。自然の石もすごいけど、こういう風に加工された上に、踏みつけられて、っていう石の見てきた物語とか考えちゃうんですよねぇ。
ロンゴバルドの教会、すばらしいでしょ。散々他の展示を見て、大体その前にすでに疲れきってたどりついて、その上ランチも抜いているヘロヘロの状態だというのに、この教会は立ち去りがたく、クリプタと上と行ったり来たりして、相当の時間滞在させてもらいました。他の見学者は一切来ず、一人貸切。私が動くたびに、係員がついて回って、ちょっとうっとうしかったです。でも質問をしたら、喜んで応えてくれましたけども(でもちゃんと答えられなかったですけども)。ああ~、ロンゴバルド、勉強しないとナ~。
ブレーシャってついローマの遺跡に目が行ったりして、それでいいか、って観光を終えちゃう場合も多いと思うのですが、この博物館は、是非訪れてほしい場所。時間を遡る楽しさが味わえますよ。
ブレーシャ、多分もう一回だけ、博物館の展示を紹介します。
- 2010/04/08(木) 05:15:24|
- ロンバルディア・ロマネスク
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
修道院で、展覧会初日であったことは、前に書きましたが、その展覧会の紹介です。
「リグリアの糸-絹からジーンズまで布の芸術」というタイトルの展覧会。
修道院の奥まった屋根裏状態の部屋と、今回クローズしていたドーリアの塔で、様々な布が展示されています。私が見ることの出来たのは、この小さな部屋の展示だけですが、布の美しさは、とても印象的でした。
ジーンズの語源が、ジェノヴァであることは、結構有名だと思いますが、如何でしょうか。当時、ジェノヴァで生産された布が、フランス経由で米国等に輸出されましたが、その際、ジェノヴァがフランス語風にGenesと表記されていたのが、英語でジーンズと発音されて定着したんだそうですよ。布を生産していたのは、ジェノヴァだけではなく、北イタリアの各地だったそうですが。いずれにしても、ジェノヴァでの布生産は伝統産業として、今でも業務を続けている老舗が何社かあるのだそうです。
コモの絹とか、ビエッラの毛織物は知っていましたが、ジェノヴァ…?知りませんでした。家用ファブリック(ソファとかカーテン用)のゴブラン織りとかそっちの方でしょうか。
展覧会には、布だけでなく、このようなレース物とかマクラメとか。色々なものが。レースなんて、気が遠くなりそうな細かさです。
イタリアって、今でも、こういうめまいがしそうな技術が、まだ生きているんじゃないんでしょうか。日本だと、伝統技術って、今ではもうあの色は出せないとか、あの織りは出来ないとか、そういう現実がまかり通っていることが多くなっているように思いますが、イタリアは、綿々と、やってる人がいるんじゃないかと。
これは、絵画の中の衣装を再現した貴婦人の衣装。
地のビロードの光沢、袖の金色のつる模様の刺繍、胸からすそまで流れる金糸…。もううっとりする美しさです。これ作った人は、楽しかっただろうなぁ、と思いました。こういう衣装って、そう作れる機会はないでしょうからねぇ。まさに腕の見せ所というか。
衣装の伝統というのは、この国はやはりすごいものがあるのだと思います。
昔、布の(模様)デザインを職業にしている友人が言っていましたが、イタリア人は、洋服のデザイナーさんが、素材としての布のことを100%知っていて注文を出してくるのだそうです。その分、布のデザイナーの地位も高いようでした。日本では、全然そんなことはないと。着物の世界だと、日本でもそういうのがありそうですけどね。
そういえば、世界に冠たるミラノのスカラ座、伝統的な演出が多いのですが、伝統的舞台の出色は衣装でしょう。ビロード、金糸銀糸、本物の衣装を使いますから、舞台の重厚さが他と全然違います。
おっと、どんどんそれてきちゃいました。
この展覧会、地味ですけれど、そういうイタリアの歴史を感じさせるに十分。衣装全般に興味のある方は是非どうぞ。
Fili di Liguria
L'arte della tessitura dalla seta al jeans
3 apr - 30 sett 2010
Abbazia di San Fruttuoso
- 2010/04/07(水) 05:25:58|
- アートの旅
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
大雨の中、修道院に到着。雨に降り込められて、なんともすさまじい状態です。海側からは、船着場になっているアーチをくぐり、かなり細くて急な階段を何段も登る必要がありますが、川のように激しく水が落ちてきます。
本来、お天気のよい日に、お弁当でも持って訪れるに適した場所ですが、実際、非常にアクセスしにくい立地にあるという事実を実感するには、またとない機会ではありました。カモッリ方面、またはポルトフィーノ方面から、山を越えて徒歩で来ることも出来ますが、最も近いポルトフィーノからでも1時間半の道のり。かなりの山道なので、それなりに歩く用意をしないときつい道のようです。船だと、カモッリから30分ですが、本当に海が荒れていたら、船は出ないでしょう。
そう考えると、フランスのモンサンミッシェルとかピエモンテのサン・ミケーレ同様、陸の孤島というロケーションなんですね。
多分、今回悪天候でなければ、あまりそういうことは感じなかったように思います。船酔いは辛かったけれど、よい経験でした。
海に向かった部分は、ゴシック様式になっています。
この部分は、10世紀頃に修道院が出来てから随分あと、13世紀に、ジェノバのドーリア家の出資で付け足された部分。
この建物の裏側に、ロマネスク的には最も重要な、小さなキオストロがあります。二階建てです。
地上階部分はロマネスク時代、2階部分は、16世紀に大きく改築されてしまっているそうです。
地上の方の円柱に、なんとも愛らしい柱頭がいくつかありましたよ。
しかし、これ、後代の改築で、実は一度、ロマネスク時代の円柱から柱頭から、全部覆われて、もっと太い柱にされていたりしたようなんですよ。今は、修復で、その半分をはがして、また柱頭部分は、オリジナルのモチーフが見えるように、覆っていたものを全部はずしたようです。
実はこの修道院、激しい修復の賜物なんです。1985年に、所有者であるドーリア家から、FAIという財団に寄贈されて、そのFAIが、一連の施設すべてを修復し、2004年に完成したそうなんです。ドーリア家は、ここを墓所に使っていたのですが、現代まで、延々と家系が続いているわけですね。それもこういう資産も、しっかりと保有して。それもすごいことです。
これが、ドーリア家の墓所。緑と白の大理石しましま、ピサ様式のコピー?
写真で見ると、修復前の状態はかなりひどく、廃屋同然。現在の美しさからは想像も出来ない状態です。壊れていたりするのもそうですが、オリジナルの姿が代えられていたりもありで。
たとえば、この美しい小円柱の開口部、これは二階のキオストロとその周囲にある部屋の壁にうがたれたものですが、これ、実は埋め込まれてしまっていたようです。ようは壁になっていたんですね。こんな美しいのに!
修道院付属の教会は、中も外もすっかり新しくて、面白みはなし。ただ、上部のクーポラの内側に、古い石積みが見られます。
1時間なんてあっという間に過ぎてしまい、全く余裕のない見学で残念でした。幸い、ちょっと空も明るくなってきたようですが、やはり船はあるときに乗っておかないと、後が怖い。なので、予定通り11時半の船で戻りました。
幸い、来たときに比べると海は随分穏やかになっており、船酔いにはならずに済みました。あ~、よかった。もう一度訪ねる機会があれば、是非徒歩で試したいと思います。
それにしても、行きは混乱の中、なぜか乗船料無料に。到着後、あの、わたしたち払ってないんですけど、と言ったのに、え、あの人たちと一緒じゃないの、とか何とかわけの分からないことを言われ、もぉぉ、あとでいいわ、ということで解放されてしまいました。でも帰りは別の船だったので、結局帰りの分を払ったのみ。
修道院も、有料なのですが、入りそうになったところでチケット売り場に気付き、あの、チケットを、と言ったところ、あら、あの人たちと一緒じゃないの、といわれ、黙っていたらきっと無料で入れた模様。
う~ん、リグリアといえばジェノベーゼ(ジェノバの人)、ジェノベーゼといえばケチ、ということになっているんですが、皆、なぜかとても鷹揚なのが、不思議なくらいでした。
カモッリの町で、おいしい魚のランチを無事いただくことが出来ました。白ワイン、ぐびぐびも予定通り。めでたしめでたし。
リグリアのロマネスクは、これが初めてです。今回結構いろいろと資料も入手してきたので、他も探して、訪ねてみようと思っています。あまり有名な場所はないんですけれど、小さいものは、いくつかありそうです。また楽しみが増えました。
- 2010/04/06(火) 01:45:23|
- リグリア・ロマネスク
-
| トラックバック:0
-
| コメント:7