行ってきました~、プーリア・ロマネスクの旅。
例によって、旅というより修行の日々。連日超早朝に起きて、ランチまでひたすら歩き回り、ランチの後もすかさず行動開始で、夕食まで。余裕というものの全くない旅。これじゃやっぱり修行です。
バーリに宿泊して、FS(国鉄)および、バーリ北部鉄道という第三セクターのような鉄道で回りました。車と違って時間の制約がある上に、鉄道駅は、どこも旧市街から1キロ以上離れていて、そして田舎のことですから、タクシーは勿論、バスなどもあるのかないのか。地元の人々は車で生活していますから、「バス?あ、なんかあるみたいだけど、ここはほとんど通らないんじゃないの?」みたいな情報しか得られません…。
というわけで、いつにもまして足が頼り。
それに加えて、教会のオープン時間が不明な場合が多く、また、オープンしている時間が短い、というか半端。午前中は9時または10時から、せいぜい12時で閉まり、午後は、大抵17時まで開かず、19時には閉まってしまいます。結局、二度足踏んだ場所も多数。
それでも、バーリを含めて北部周辺の町のほとんどは行けましたので、もしも車がないと無理、と躊躇している方がいるならば、少なくともバーリ北部は大丈夫ですので、ご安心してお出かけください。ただ、歩く覚悟はしっかりとしていただいて。
回ったのは、バーリ、ジョヴィナッツォ、モルフェッタ、ビッシェーリエ、トラーニ(トップの写真)、バルレッタ、ビトント、ルーヴォ・ディ・プーリア、コラート、そしてブリンディジ(上の写真)。よくもよくも、歩いたものです。千枚近くの写真を撮ってきましたので、これから少しずつ整理をして、例によって、旅のエピソードも交えつつ、まずはブログで紹介していくことにします。
ガイドブックや、現地でしか入手できなそうな本もいくつかゲットできましたが、とにかく情報の少ないことには辟易としました。プーリア・ロマネスクは、有名なだけあって、訪れる価値のあるサイトが目白押しです。でもそれを、地元の人も、観光局すらよく分かってないことがちょっと残念。
では、乞ご期待。
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- 2010/05/31(月) 02:06:12|
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おまけで、エミリア・ロマーニャのおいしいものを紹介しときます(遺跡近くのアグリツーリズモでいただいたランチ)。
これ。
アップにすると、なんだかちょっと変ですが、CrescentineまたはGnocco frittoという代物です。要は揚げパンで、ふくれている中はスカスカなんですが、生地がモッチリとしていて、すごく食感がいいのです。熱々の揚げたてが供されます。
これを、山盛りのサラミやチーズ、酢漬けや油漬けの野菜とともにいただくんです。
サラミや生ハムの盛り合わせ。三人で二人分頼みましたが、それでもかなりの量。一生懸命食べても、全然減らないんですよ。
日本人だったら、これに、パスタでしめれば、完全に幸せって感じです。
エミリア・ロマーニャ州って、エミリア地方とロマーニャ地方が合体した土地なんですが、このクレシェンティーネは、エミリアのもの。これがロマーニャに行きますと、パンがPiadinaという薄うすのお焼き状のものとなります。
ピアディーナは、実は全国区になっていて、ミラノでもどこでもピアディーナを使ったサンドイッチなどは普通に食することができるのです。で、ラベンナの友人を訪ねたときに、「でも本当のピアディーナを知らないはず」、と連れて行かれたのがピアディーナ専門店。
そこでは、まさにこのサラミやチーズの盛り合わせに、熱々のピアディーナが出てきます。熱々焼きたてのピアディーナ、というのは、全国区ではないんで、本物ってこうやって食べるんだ!と、そのときいたく感心したのでした。ピアディーナも、食感モッチリで、おいしいんですよ。
エミリアの方は、ボローニャなど何度も行っていますが、やはりこういうものって、地元の方の指導(?)がないとありつけませんねぇ(Fちゃん、ありがとぉ~)。全く知りませんでしたから。
エミリア・ロマーニャに行かれる方は、是非試してください。強力にお勧めです。
- 2010/05/27(木) 04:56:38|
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マルツァボットに戻ります。
遺跡のハイライト二つ。アクロポリスとネクロポリス。
アクロポリスは、高いところ、という意味なんだそうですね。初めて知りました。文字通り、このマルツァボットで最も高い位置にありますけれど、そういう物理的な高さにくわえて、神殿の置かれる至高の場所ということでもあるのでしょう。
4,5の様々な神殿がひしめいて建てられていたようですが(多分奉納先が違うとかそういうこと)、ここもまた、町同様に、基礎の石組みしか残っていません。残念ですが、神殿も家屋と同じで、柱は木製だったのだそうです。ギリシャから、石積みの柱を立てる技術が、なぜ来なかったんですかねぇ。生活用品とか美術品などモノの交流は盛んでも、人の交流は、あまりなかったということなのでしょうか。
または、材木が豊富だったとか、そういう理由があるのでしょうか。
ちなみに、今はアクロポリス全体、残っている土台を覆わんばかりに樹木が繁茂して森になってしまっていますが、神殿が実際に建っていた当時は、木などなくて、はるか遠くからも神殿を見ることが出来たようです。シチリア、アグリジェントの神殿の谷を想像すれば近いのかもしれません。
そういうヴィジョンを作ることで、侵略者への抑止力にもなっていたとか。
これは今回のガイドさん。本物の考古学者です。
ここへのアクセスはユニークでした。
もともと、町との間が谷になっていたようなのですが、今はその谷の部分が道路になっています。で、アクセスのために、このような陸橋がかけられています。結構深い谷ですよ。そして、この橋で途中の高さからアクセスするのに、アクロポリスへの道はかなりの急坂です。
当時、町からアクロポリスへ行くのは、近いとは言え大変だったのでは。
そしてこれだけの高低差ですから、町から見ると、まさにアテネのアクロポリスのような感じで(規模はすごく小さいとは言え)、気高い雰囲気を発していたのでしょうねぇ。
さて、今度はこのアクロポリスと町を挟んで反対側にあるネクロポリス、死者の町、つまり墓場に向かいます。
ガイドさんは、重要なのはアクロポリスで、ネクロポリスははしょってもいいんだけど、とおっしゃっていたのですが、ぱっと見た目、素人には、こっちの方がインパクトがあります。
といっても、これ、オリジナルがこうなっていたわけじゃないらしいです。
四角いのが石棺なんですけど、掘り起こされて、実は適当に並べられているので、多分オリジナルは、上に載っている丸石が見えるだけで、それ以外は何もないはずなんです。
1800年代に発掘が行われて、当時の美的感覚で、かっこいいとか美しいとか思われるような秩序で、並べられたものとか。なんかわかるような感じもしますね。廃墟を人工的に作り出すイギリス式庭園のような発想です、多分。
でも、確かになんかかっこいいんですよね。考古学者は、けっ、って感じらしいですけど。
石棺の上に置かれている卵上のものは、墓の印。やはり再生とかそういう意味があるのでしょうね。
この風景を見たとき、真っ先に思い出したのが、ダリの卵の家。フィゲーラスの劇場美術館にも大きな卵が載っているし、ポールリガの家にも同じような印象的な卵がありますね。あ、こういうところからアイディアを得たんだな~、と。
マルツァボット、以上です。
エトルリアにかなり興味が湧いてきたので、今後も機会があれば、遺跡めぐりしてみたいと思います。
なお、あとから思い出しながら書いたメモを頼りに書いていますんで、思い違いとか間違った理解もあるかもしれません。何か変なことがあったら、ご指摘いただければ幸い!
- 2010/05/26(水) 05:22:45|
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以前、この辺りから山の方に入った、徒歩でしかアクセスできない教会に行ったことがあります。サン・ベネデット修道院。
ロマネスクのおと とっても素敵な教会です。で、そのとき、レンノには洗礼堂もあると情報を得たのに、一体あの町のどこに?と不思議だったんですよね。その頃から行きたいと思っていたサン・ジョバンニ洗礼堂、今回は無事たどりつくことが出来ました。
ここもまた、コモから北に向かうレジーナ街道の、すぐ脇、湖との間に広がるわずかなスペースが、レンノの町の中心です。
均整の取れた、とても美しい洗礼堂です。
特に気に入ったのは屋根。石の瓦の上にちょこんとかわいらしい塔が建っていて。この黒い石瓦が、とっても北っぽいのですよねぇ。
付け柱と、屋根の下のアーチが、これまた典型的なロンバルディアで、うれしくなりますね。
残念ながら、中はすっかり改装済み。訪れたときは絵の展覧会開催中でしたので、難なく入ることが出来たのですが、後代に完全に変えられちゃっていて、それが全然ちゃんとケアされてなくて、ちょっとさびしいものでした。
洗礼盤も、すっかり新しい小さいサイズで、このお堂の大きさとは全くそぐわないものになってしまっています。
開催中の展覧会の絵も、正直ちょっとダサくて、がっかり…。
さて、レンノにはもう一つ見所があります。洗礼堂のすぐお隣にあるサント・ステファノ教会。
こんなバロックのファサードだし、外観は中世の面影なし、ゼロ。でもひるんではいけません。実はここ、地下に中世のクリプタがあるんですよ~。
という情報を得ていましたので、まずは教会に入りましたが、クリプタに下りる階段はありません。周囲をぐるりと回ってみましたが、どこにもクリプタにつながりそうなものはありません。正面玄関の脇に、ひっそりと呼び鈴がありましたので、これだな?と思い躊躇なくブー!すぐに奥の方の扉が開き、教会守または神父さんが出ていらっしゃって、不審げにすがめでこちらを見ています。
「すみません、クリプタは開いてないんでしょうか?」と訪ねたら、なぁんだ、そういうことかって感じで、ちょっとほっとされた感じでした。
残念ながら、湖の水位が高いときは、水が流れ込んじゃうんで、あけられないそうで、今まさにそういう状態なのだそうです。状態があまりよくないので、地域の管轄当局からは、閉めとけ、位の事を言われているけれど、水がなくて自分がいるとき、たとえば夏季の土日などにはあけてあげますよ、ということでした。ざ~んねん!でも、見られるチャンスがあるということは喜ぶべきことですね。
しかし、教会の位置は、湖岸から随分と離れているんですよ。水が入ってきちゃうってどういうことなんだろう?もしかして、町自体が埋め立て?地下は水路?
いずれにしても、カロリング朝時代の柱頭とかあったりするらしいので、ここは是非再訪したいところ。水位が下がる夏の早朝にでも、また訪ねてみることにしますので、お楽しみに!
コモ、ほんと見所豊富です。駐車の場所さえ確保できれば、実に楽しいドライブになります。次回は、もっと北のグラヴェドーナまで足を延ばす予定ですが、今回すっ飛ばしたコマチーナ島もあるし、まだまだ立ち寄りたいところもたくさんなので、一回じゃすまなそうです。
とにかくミラノからは近いので、いつでもひょいといける場所、という意味で、あせる必要もないし、大変ありがたいことです。
- 2010/05/25(火) 05:00:05|
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あ~、眠いレースでした~。

熱くなったのは、最初の頃のロッシとロレンツォのわずかなバトルのみ。あとは、ダニとドヴィの3位争いがちょっと注目、ってくらいですね。
ロッシ、なんであんなにスピードが出ないんだろ?ロレンツォと同じヤマハだと思うと、なんか不思議だし、納得できないって言うか。今日は、背中痛もあったのかな、覇気が感じられませんでしたね。
レース直後に外出しなければならなかったので、インタビューを見ることが出来なかったのですが、どういう感じだったのかな。
敢闘賞は、ドヴィですかね。
いずれにしても、ヤマハが1,2位、そのあとがホンダ2台、そういうことなんですね。
ストーナーは、言葉もありません。やっぱりだめでしょ。ニッキー、よい走りをしていたし、マシンのせいにするのはどうかと思うよ。完全に自爆だし。さすがに今回はへらへらしてなくて、レース中のインタビューに答えるところなんかは、ちょいと大人になってるけど、でも「猛烈に腹が立っている」と繰り返し言っちゃって、何に?誰に?って感じ。自分に腹を立ててほしいけど、そういう感じじゃなくって。

メンタルの問題、やはり大きいのではないでしょうかね。スポーツとしては、死と隣り合わせ、みたいな部分は排除できないとこあるし、メンタルの安定性ってすごく重要な気がします。
それにしてもロレンツォ!レース後のパフォーマンス、ロッシ張りにやってましたね。名実ともに、後継者になるのか?冷静でしたよねぇ、今日の走りは。一皮向けたな~。
とは言え!ロッシ、まだまだがんばってもらわないと!次回は彼の地元ですからね、期待しています。
- 2010/05/24(月) 05:34:28|
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長いお休みでしたね~。やっとヨーロッパに戻ってきました!
これからは、立て続けにあちこち回るから、ライダーもメカニックも、いきなり大変でしょうね(こっちも大変ですが)。その上、どんどん暑くなってくるし。
ル・マンも、かなり気温が上がっているようでしたね。
フリー走行でも調子のよかったロッシ、
久しぶりのポール獲得!
二番手はロレンツォ、三番手はダニ。ストーナーは、今ひとつタイムが伸びず4位に終わりました。
レースはともかく、今回、やたらと来シーズンの話で盛り上がっていましたね。ストーナーのホンダ行きとロッシのドカ行き。ロッシは、ヤマハ残留希望らしいけど、さてどうなるのでしょうか。一方ストーナーのホンダ行きは、ほぼ確定のような空気があふれていますね。スッポが行った時点から獲得レースは始まっているはずだし、個人的には、きっとホンダに行くのだろうと思っています。それにしても、今日の4位といい、だからってドカはもういい、っていう感じもどうよ?と思うんですけど。
ニッキーもいい調子だし、マシンは万全のはずだけどね。やる気ないんじゃないの~?って気がしちゃうんですけど。
ストーナー・ファンというのも、世の中にはいるんだと思うんだけど、ファンだとすると、今の彼の状態を、どう見るんだろうか。
- 2010/05/23(日) 00:36:45|
- モトGP
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久しぶり、本当に久しぶりにバレエの公演に行ってきました。大好きなベジャール・バレエが来ていたのです。
我が家からトラムに乗って、15分くらいのところにあるアルチンボルディ劇場だし、町中でポスターを見て、すぐにチケットを買いに行きました。
今年が第一回という、ダンス・マシン・フェスティバルというダンスの祭典の一環での公演です。日中は、どうやらコンクールをやって、夜、プロの公演をやるという企画らしいのでした。
公演は9時から。会社から帰ってきて、ゆっくりと夕食を取って、ちょいとおしゃれな劇場用のドレスに身を包み、のんびりと出かけて悠々と間に合う、というのがうれしいですね。
劇場脇には、ベジェール・バレエのロゴ入りトラックが横付けになっていました。ああ、久しぶり。10年以上前、ダンスにのめりこんで以来、ミラノでのベジャールの公演は、全部見ていると思うのですが、ベジャールさん本人が亡くなってからは、来ていなかったような気がします。
今は、ジル・ロマンが代表をやっているようですね。
演目は、「コンクール」という、まさにコンクールにあわせて上演するにぴったりのタイトルなんですが、実は内容は全然関係ないっていうか、殺人事件の犯人を捜すというドラマなんです。
台詞もつくドラマ仕立てで、登場人物の数もたくさん。見る前に、殺人事件が起こるっていうところだけ読んでいたので、とりあえず、あ、ここからドラマが始まるのかな、というのは分かったのですが、なんだか話が見えないうちに、ひたすらと続いて。でも、最後の方になって、あ、そういうことだったのね!と霧が晴れるように、ストーリーが見えて。
2時間ぶっ通しの舞台で、おかげで緊張感が途切れずに集中できたのもよかったです。ベジャール・バレエの人たちって、役者的にもレベル高いし、こういうドラマ性の高い舞台はぴったり。音楽も程よく気持ちよかったり、程よく現代だったり。
あ、ベジャール、本当に好きだなって、何度も思ってしまいました。またダンスそのものも、やっぱり好きなんです。
ダンスはなんでも好きなんですけど、圧倒的に見る方。自分は運動神経ないし、何も踊れませんからね。そういえば、MTVでやっている、ベスト・アメリカン・ダンス・クルーとか言うダンス番組も、ザッピングしているときにやっていると、必ずしっかりと見てしまいます。自分で絶対に出来ないことを、自分で絶対にもてない美しい肉体を持って、実行している人たちをみると、何というか、神業みたいな気がしちゃうというのか。
ただ、本当に好きなのは、ベジャール・バレエのように、クラシックの基礎をきっちりとやってきた人が、モダンやドラマ的な創作を踊る舞台で、モダンだけのダンサーは、あまり。女性はやはりトゥ・シューズもはける人であってほしいわけです。そして、筋肉しかないような身体じゃないと嫌なんですよねぇ。そういう意味で、ベジャール・バレエは、私が最も好む要素をたくさん持っているんです。
それにしても驚いたのは、日本人ダンサーの多さ。この舞台だけでも3名出演していました。ベジャール・バレエのトレンドって、なんとなく繊細で中性的なダンサーが好まれるような気がするんですけど、そういうのに日本人は合うのかな。強烈な個性が目立たないのもいいのかな。
日本人以外にも、いろんな出身地の人がいて、踊りだけが共通の人たちが集まって何かして、っていうことに、またしみじみと感動しちゃったりして。
というわけで、すっかり感動した一夜でした。たまにはスカラのバレエも見に行かないとナ~、と思うのでした。そういえば、今モダンやってるんじゃなかったかな~。
- 2010/05/23(日) 00:30:45|
- ミラノ徒然
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このコモ湖西岸は、とにかく湖沿いに走っていれば、ロマネスクに出会ってしまいます。問題は、すぐに気付いて、すぐに駐車できるかどうか、にかかっています。
スプラーノからすぐ、今度はオスペダレットという小さな村の、サンタ・マリア・マッダレーナ。スプラーノとかオスペダレットといっても、全部オッスッチョという町の一部なんですよねぇ。なんかよく分かりませんけど。
とは言え、ゴシック時代に上部が付け足された、頭でっかちの変わった鐘楼が道沿いに目に入りますので、見逃すことはありません。その上うれしいことに、教会だな、と思ったすぐ先に、駐車場があります!
ロマネスクのものに、ゴシック時代に付け足されたものって、大抵気に入らないんですが、この鐘楼は、例外かも。なんか、かわいいんですよ。14世紀から15世紀のものだというので、かなり気に入らない年代なのに。地域のランドマークになっていて、本人(?)もそういうことを自覚していて、なにかオーラが出ているのかもしれませんねぇ。
ここ、教会は古くて11世紀のもの。
かなり修復されていて、周囲も含めて、とてもいい感じのロマネスクの空間になっているんですけれど、残念ながら、思いっきりクローズ。お隣が役所(おそらく出張所のようなレベル)だったので、土曜日の午前中とかに来ると、もしかしてあけてもらえるのかもしれませんね。
開いていなくても何でも、教会の周囲をくまなくチェックするのが、いまや習い性。
ふふふ、その甲斐あって、後陣のみならず、ロマネスクの名残をしっかりと発見しました!
すごくかわいいレリーフが、教会本体前の、ポルティコにありました。
ただのウサギや狼にも見えるんですけど、でも一番左端のは、ヒッポグリフ(想像上の動物で、上半身が馬、下半身がグリフィン。確か。)にも見えるし。ね~、かわいいですよね。
ここ、オスペダレットという地名は、もともと病院(オスペダーレ)があったことに由来するみたいです。この教会も、その病院に付属していたものと考えられているようです。病院付属の教会に、このようなかわいらしい、というか、得体の知れない動物の浮き彫り。なんでしょうね?コモの石工、おもしろいぞ!
- 2010/05/21(金) 05:20:04|
- ロンバルディア・ロマネスク
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前回のウリオからちょいと先、スプラーノには、Ss Giacomo e Filippoがあります。
この辺、なぜか聖人二人に捧げられた教会が多いようですね。レリックがたくさんあったのか、巡礼の道だからとりあえずたくさん捧げちゃったのか、何ででしょう。
ここはまた、素敵なロケーションです。水辺に建っているような状況で。街道を一段下がったところにあります。
本体は11世紀のもので、奥に見える鐘楼は、12世紀のものです。全体がなんともかわいらしくて、愛らしくて。
もともとは墓地にあった教会と考えられています。
しかし!ここは、中に入ってみたかった!2001年に全面的に修復されたというフレスコ画で覆われているんですよ。その中には、11~12世紀のフレスコ画もあるんですよ!
残念ながら、普段は閉まっていても唯一開く可能性のある日曜日の午後だというのに、思い切りクローズで、鍵のありかも不明。がっかりでした。
ただ、本体の真ん中辺が、ガラス窓になっていて、中がちょっとだけ見えました。
反対側の壁に描かれた巨大なサン・クリストフォロ。肉眼ではほとんど見えず、この写真で、かろうじて識別できますね。サン・クリストフォロは、確か旅人の守護聖人だったのでは。ヴェローナのサン・ゼノにも、やはり巨大なサン・クリストフォロがありましたね。ん?なぜ巨大なんだったかな。
でも、みたかった古いフレスコ画は見えませんでした。
ファサード。
無理やり鐘楼をつけちゃってますね。全体のバランスをあまり考えないで…。きっと実用的に、鐘が必要だったんでしょうねぇ。ここで鐘が鳴ったら、なんか素敵に湖面に響き渡りそうです。
もう一度後陣に戻ります。
素敵な石の装飾。とてもロンバルディアですよね。素朴だけど、付け柱状のアーチ。とっても好きなタイプで、それだけでうっとりしちゃうんですから、われながらお得な性格。北イタリア・ロマネスクにはまるって、多分そういうことなんですよね。
今度この辺りに行くときは、事前にいつ開いているのかを確認してから、と思います。
- 2010/05/19(水) 05:01:24|
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ミラノからコモに行くとき、国道を使うか、高速に乗るか、の二種類の方法がありますが、今回は高速に乗ってしまいました。国道はちょいと時間がかかりますのでね。高速で気をつけなければならないのは、うっかりスイスまで行ってしまわないことですね!イタリア最後の出口、コモ・ノルドで高速を降ります。
そして、今回目指すのは、旧レジーナ街道。
コモの少し先にある、チェルノッビアから、ラリオの先まで、ほんの7,8キロにわたって、旧街道よりも高い位置に、新レジーナ街道があります。その先からは、両街道は合流します。おそらく、この部分の旧道は狭いけれども、拡張することが不可能だったため、こういうことになったのだと思います。合流したあとのレジーナ街道は、おそらくオリジナルより道幅が広げられていて、対向二車線ではありますが、すれ違うことにほとんど問題がありません(大型観光バスまで通っています)。しかし、今でも残るそのわずかは旧街道部分は、すれ違うのすら大変な狭さです(なのに、運転なれしていて見切り運転が得意なイタリア人は、相手が譲るのを信じて疑わずに、かなりのスピードで迫ってきますから、運転に関してチキンの私としては、スリルの連続です)。
そういう旧街道にわざわざ行ったのは、街道沿いに、点々とロマネスクが並んでいるからなんです。
まず目指したのは、チェルノッビアからも近いモルトラシオ。
そしていきなり玉砕…。
そろそろこの辺だろう、と思った辺りで、ちょっと小高いところに特徴的なロマネスクの鐘楼が見えたんです。とりあえず、ほんの少し広がっていて、すでに他の車で満杯の路肩に寄せて停車。まず間違いなくあそこ。でも斜面の相当高いところにあり、一体どこから登っていったらよいのか見当もつかないうえに、車を置く場所は、全く見当たらない有様。さらに、情報を尋ねる人も歩いちゃいません。たまたますぐ側で縦列駐車にトライしつつ、壁にがりがりと思いっきり車をこすっていたお姉さんに声をかけたら、思いっきり外人(多分ドイツ人)で、話にならず。
これは先が思いやられる、と思いつつ、先にすすむことにしました。
次に向かったのは、カラーテ・ウリオ。
お、あれだな、と手前から鐘楼が目に付きます。でも、ここもまた路肩なし。道はぎりぎり。ああ、と思いつつ教会に近づいていくと、なんと道の反対側に駐車場が!
駐車禁止の場所に無理やり入り込んで、あわててカメラを抱えて、教会を撮影。
Ss Quirico e Giudittaです。
ここのロマネスクは鐘楼だけ。教会本体は、後代に全部変えられちゃっていて、ファサードは面白みのないバロックになっていました。
それだけ見事に変えられちゃいながら、千年、ずっとこのまま立ち続けている鐘楼に感謝。下の変貌振りに比べて、あまりにオリジナルなのは、とても不思議ですよね。
無理やり停めた車を引っ張り出すのに、大汗をかきながら、とりあえず一つでも見学できて、うれしい気持ちになりました。
早く旧街道を抜け出したい、と思って先にすすみ、無事、今の本線であるレジーナ街道に合流。
しかし!結局はこの鐘楼を見るためだけに苦労したのか!これだけのために!それほどのものか?
複雑な気分。苦手な坂道がなかったのは救いですが。
- 2010/05/18(火) 05:21:57|
- ロンバルディア・ロマネスク
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