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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

トスカーナ・ロマネスク2010、その1-ヴァルダルノ1

いよいよ始まりです。っていっても、このブログでの紹介は、ほんのお味見程度で、実際にはサイト「ロマネスクのおと」にアップするまでのつなぎ…。なので、本格的ロマネスク病の方々は、恐れ入りますが、サイトの更新を期待していてくださいね(勿論、今のスケジュールから行くと、一年は軽くかかりそうですけど…。すみません…)。

予告編に従って、まずはヴァルダルノです。
一発目は、レッジェッロ。サン・ピエトロ・ア・カシャという名前の教会だったので、すっかりカシャという町にあるものと思っていたら、カシャのお隣のレッジェッロという町の入り口にある教会なのでした。すばらしい教会なのに、かなり無名です。
Pieve di San Pietro a Cascia - Reggello


広々とした空間に、伸びやかに建っている様子が、とてもいい感じでした。
ファサード前のポルティコも古いものですよ。また、鐘楼は、教会以前は、物見塔として使用されていたものということで、教会よりも古いものです。
内部は、円柱で分割された三身廊で、後陣は一つだけ。


かなりシンプルなんですが、柱頭のいくつかはとても興味深いものです。


残念ながら、かなり背が高いこと、そして、照明が暗いことで、ほとんど見えないんですよねぇ、これが。ほとんどはトラディショナルなアーカンサス・モチーフなんですが、二つほど、ちょっと面白いんですよ。馬に乗っている人物がいます。各面に彫られているような感じだったので、マギの訪問かも?でもとにかく見えないんですよ。


全体は、こんな感じ。

今回、痛切に必要性を感じたのが、強力な懐中電灯ですね。どこも、最低限の照明は用意しているのですが、いかんせん暗すぎて、細部は見えないんです。かなり残念でした。それに、今回カメラの設定を間違っていますから、いつも持ち歩いて、かなりの暗さでもフラッシュなしで撮れるようになっている愛用のカメラがだめだったせいもあります。つくづく残念です。
次回の旅までに、コンパクトで強力な懐中電灯を探すことにしましょう。

さて、裏に回ります。
美しい後陣。



そして、この後陣の脇に、小さな美術館があるのです。実際、このカシャの教会は、ロマネスクというより、こっちの方売りになっているものです。
ルネサンス期のマサッチョの祭壇画があるんですよ。
マサッチョって、あれ、楽園追放でしたかね。有名なフレスコ画がフィレンツェあたりにある人だと思います。わたしには、もう全く興味のない世界なんですよね~。
でも、美術館前に、ご近所のご家族らしい方々(おじいさん、息子、孫って感じ)が、木陰の椅子に座ってくつろいでいて、ちょっと中をのぞくと、「見るの?見るよね?じゃぁ、本当はもう終わりの時間だけど、入って入って」という感じになっちゃって。つまりその人たちが、美術館を管理している家族だったんです。確かに午前中の開館時間は12時までで、そのとき、まさに12時の鐘が鳴り響いていたのです。

もう電源も落としていたのですが、ぱちぱちと付けてくれて、おじいさんは孫と帰宅、息子が付き添って、丁寧なガイドをしてくださいました。面白かったです。たいしたものがあるわけではないんですが、やはりなんでもガイドがあると面白いものです。
全く興味のなかったマサッチョの絵も、かなり美しく修復されて完璧な保存状態で、聖母が座っている椅子にコスマーティのモザイクがあるな、と思ったりすると、なんだか面白くなったりして(コスマーティは、トスカーナではほとんど目にしないですね。多分教会の時代が古いためと思います)。
もともとは、地域の他の教会にあった祭壇画で、数年前までは、このサン・ピエトロの内陣に飾られていたそうです。いずれにしても、ずっとこの地域に保存されていて、ナチス軍が美術品を略奪していた時期は、地域の農民が、大切にわらの中に隠して保管していたので、ナチスにも見つけられなかったし、わらの中に入れていたのが、良い保存方法だったんだということでした(干草=fienoではなくわら=pagliaの中に入れていたというのが良かったと。そういう違いって、素人には全く分からないですけどね~。皆さん、古い絵画を保管するなら、干草ではなく、わらでよろしく!)。
その他、このサン・ピエトロも、ご多分に漏れず、一時はバロックにされてしまっていたということなども、伺いました。なんとファサード前のポルティコまで上の方が増築されて、派手な彫刻などが載せられていた写真がありました。
今回、このガイドをしてくださった方にしても、他の土地で出会った方にしても、割とはっきりと、オリジナルの姿の方が圧倒的にいいよね、といわれる方が多かったので、同士って感じで、うれしい気持ちになりました。

とても丁寧な説明の後、地域のロマネスクの話などもして、実りの多い観光が出来ました。
このあたり、走っていると、印象的な崖が延々と続いていて不思議だったのですが、もともとこのあたり一帯が湖で、がけは湖岸だったということでした。中世とかの卑近な歴史も楽しいけれど、地形が違っていたような遠い歴史に思いを馳せるのも楽しいものですね。
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  1. 2010/07/31(土) 05:03:41|
  2. トスカーナ・ロマネスク
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細江英公、写真展

夏休みに引きずられて、このところアートめぐりをサボっていました。
中世ばっかりじゃなくて、たまには現代アートにも触れないと枯れそうな気がしてきたので、さて、最近のミラノでは何かあるんだろう、と久しぶりに美術館やギャラリー情報をチェック。夏枯れと思っていたのですが、意外といろいろやっています。
夏休みもやっていそうな美術館は置いといて、そろそろクローズになってしまいそうなギャラリー系情報を見ていて、目に留まったのが、この細江さんという写真家の写真展。
お気に入りのギャラリー、コルソ・コモにあるカルラ・ソッツァーニだし(無料です)、早速行ってみる事にしました。

ぜんっぜん、知らない写真家でしたけど(Eiko Hosoeってアルファベットでみて、女性と思っていました)、すごい大御所なんですね。1933生まれということなので、御年77歳。若い時期から成功していて、多くの重要な写真集を出している方。
今回は、彼の過去に出版した有名な写真集を5つほどフューチャーした、人物の写真展でした。
三島由紀夫、大野一雄、土方巽、浮世絵の春画を模したもの、そして着物の女性シリーズ。
写真集とほとんど同じサイズのものが、ずらずら並べられていて、写真集に捧げられた文章(三島由紀夫、白石和子、澁澤龍彦など)も、とても日本的な額装の上に、日本語のまま掲げられている展示でした。本当の写真集も、おそらくそういう装丁だったのだと思います。

三島由紀夫の、ナルシズム漂う写真も、なかなかの迫力でしたが、ぐっと来たのは、大野一雄を撮った「胡蝶の夢」。
舞踏って、特に、というよりあまり好きではないんですが、この人のオーラは、写真を通じても感じられるんですね。すごい。ただメークをして、そこにたたずんでいるだけの写真が、もうすごい存在感で。
勿論、写真家の腕があるから、それだけのオーラが写真にも焼きついたんだと思うんですけど、いやはや、すごい。澁澤龍彦の文章も、とても印象的でした。大野さんが、「花のノートルダム」のディヴィーヌを演じたときのことを書かれた文章で、今の今まですっかり忘れていたけど、そういえば花のノートルダム、好きだったなぁ、と思い出して。そういうものにはまった時代があったんですね、わたし。
で、ディヴィーヌのものすごさと大野さんのものすごさが、本当にマッチして。

土方巽の鎌鼬も、ちょっと面白かった。
若いときから、こういう人たちと接して、ずっと付き合って。写真家って言う職業も、人間性がすごく問われるような気がしました。

この方、バルセロナ、とくにガウディの写真も多く撮っているらしいのです。こういうすごい人物写真をみてしまうと、この人の撮る風景というのも、ちょっと興味が出ますね。
今度日本に帰ったら、写真集を探してみようと思います。

Eikoh Hosoe
Estasi e Memorie
18/6/2010 - 1/8/2010
Galleria Carla Sozzani - Corso Como 10 Milano

  1. 2010/07/30(金) 04:48:54|
  2. アートの旅
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プーリア・ロマネスク、とりあえずのエピローグ

初めて訪れたプーリア・ロマネスク、いろいろな発見があり、出会いがあり…。
電車やバスの時間に追われて歩き詰めで、辛い部分もありましたけれど、楽しい旅でした。ロマネスク的には、よく北イタリアの辺鄙な場所で出会う、ヘタウマのレリーフなんかがある小さくて素朴な聖堂の方が、本来好みなんですが、でも、今回歩いた場所にあるどでかいカテドラル群も、ディティールが面白かったりして、やはり見るべきものはたくさんありました。
どこも、とりあえずは行ってみないと分からないことが一杯あし、今回ゲットした紙の資料も含めて、次回の旅に役立ちそうな資料・情報をたくさん仕入れることが出来たのも収穫です。

そしてまた、美しい海。


どこまでもオリーブが繁る乾いた大地。


近代的な都市になっている新市街と、あまりに対照的な旧市街の、古い石畳。


海の幸!


山の幸!


そしてマンマのパスタ!



ターラント周辺の洞窟教会、はたまたガルガーノ半島の海辺の村々、なんだかんだいっても、まだ発見したい場所がたくさんあります。というわけで、おそらくまた、行くことになるでしょう。それまで、しばしのお別れ。とりあえずのエピローグ。

プーリア・ロマネスク、長い間お付き合いいただきありがとうございました。
  1. 2010/07/28(水) 04:48:31|
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プーリア・ロマネスク、その22

バーリ5 
トスカーナを楽しみにしている方には申し訳ないんですが、まずはプーリアを終了させてくださいね。
バーリの、マイナー・ロマネスクを紹介しときます。


まずはサン・マルコ。旧市街のど真ん中、カテドラルとサン・ニコラのちょうど中間くらいにあります。住宅地が密集している地域に、ひっそりとたたずんでいるかわいらしい教会。教会前は、猫の額ほどの広場で、それが地域の癒しの空間になっているのかもしれません。だって、ここらは本当にすき間もなくびっしりと建物が並んでいて、見通しもほとんどないんですから。
でも、教会そのものは、かなりきれいに修復されていて、11世紀創建の気配はあまりないですね。


美しいバラ窓。

そして、サン・ニコラのお隣にたたずむ、サン・グレゴリオ。


美しい後陣。ほっそりとしていて、縦長ですよね。10世紀創建というビザンチン時代の古い教会です。今の建物は、12世紀のものなので、それで完全にロマネスクになっていますけれど。


正面に回るとこんな感じ。とても狭い路地に面しているので、全容をつかみきれません。そして、かなり汚れがひどくて、教会も開いている様子はありませんでした。でもね、ディテールはかわいらしいし、これ修復されたら、とてもよいファサードになります。十年位したら、もしかしたらとても素敵に変身してるかもね。


ファサードの上の方は、ちょっと変わったこういう形。飛び出す絵本状の彫刻も、やたら作っちゃったので、とりあえず並べよう、みたいな感じでどかどか置かれていて、面白いですよね。

もう一つ。


ヴァッリーザ教会。ここは、ガイドブックにも全然出てなくて、旧市街を歩いていて、ふと目に付いたんです。でも、実はこの教会を見て、初めてプーリア・ロマネスクを実感したんですよね。というのも、ここって、広場の一角にぽつんと後陣だけ見せている地味さなんですけれども、小さくて、全体が見られるサイズじゃないですか。白い切石積み、黒っぽい屋根瓦、あ、これプロトタイプだなって思って。
ここもまた、ファサード側は住宅街の小路に面しています。だから全体は把握しにくい~。


このポルティコは、結構古いものと思うんですけれど、どうなんでしょう。

バーリの小さな教会も、なかなか良いでしょ。サン・ニコラ、カテドラルもいいけど、こういうマイナー・ロマネスクもきれいに修復して見せてくれたら、楽しいんですけどね。っていうか、ロマネスク的にはプーリアはかなり重要な地域なのに、ロマネスクを全く売りにしていなくて、資料もほとんどなくて、それはがっかりです。南イタリアは、工場とか誘致するより、観光に力を入れれば、絶対にもっとすごい産業になるのに、と昔から思っているのですが、シチリアが結構がんばったわりに、本土の南は、今ひとつなんですよねぇ。もったいないよな~。
  1. 2010/07/27(火) 04:45:22|
  2. プーリア・ロマネスク
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モトGP-ラグナセカ

祝!ロッシ、表彰台復帰!
さすがですね~、三位!
なんといっても、眠いレースを盛り上げてくれただけで、さすがって感心します。ドヴィとのイタリア対決、ドヴィがすっきり抜かれてすっきりついていけず、あっさりでしたけど、眠いレースの中では、見せ場でした。
ダニ、自爆するし、ストーナーはやっぱり気合が継続しないし、なんかね~。
こうなると、やっぱりドカに行くロッシの来年が楽しみになる一方。
1週間の夏休みの締めくくり、ラグナセカ。レース終了次第寝るつもりだったけど、これはロッシのインタビュー見ないことには眠れないですね。
いやはや、大怪我から50日で、表彰台。たいしたやつです!

  1. 2010/07/26(月) 06:57:13|
  2. モトGP
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トスカーナ・ロマネスク2010、プロローグ

これから、ゆるゆると、今回の旅で出会ったすばらしいロマネスクを紹介していくことにします。


まずはざっくりと、訪ねた先をご紹介。
1.ヴァルダルノ:アルノ川沿いの谷地域。谷に沿ってセッテポンティ(七つの橋)という街道が走り、その街道沿いに、多数のロマネスクがあります。ここは別に巡礼の道というわけではなく、その時代に、それぞれの村が栄えた結果と思います(レッジェッロ、ピアン・ディ・スコ、グローピナ等)。
2.サンタンティモ周辺:トスカーナのロマネスクといえば、まず最も有名かもしれないサンタンティモ。すばらしいロケーションに、ロマネスクが点在しています(サンタンティモ、サン・クイリコ、ピエンツァ等)。


3.サン・ガルガーノ:ここはゴシックですけど、でも修道院は多分ロマネスク時代。そして近所にあるモンテシエピのしましまツートンカラーがかわいらしいです。
4.サン・ジミニャーノ周辺:かなりマイナー・ロマネスク。ロケーション的には、外国人含むツーリストが行きかっているんですが、教会を訪ねる人はほとんどいないですね(アッバディア・イソラ、キアンニ等)。


5.カセンティーノ:今回一押しのロマネスク集積地域。フィレンツェの南東、山がちの地域です(ロメーナ、ソーカナ、スティア等)。


6.おまけ(シエナなど)

プロローグなので、ロマネスクの変わりに、トスカーナの美しい風景を並べてみました。クレタと呼ばれるなだらかな丘が永遠に続く地域の美しさは、本当にうっとりするほど。これは車ならでは楽しさです。どこで何枚写真を撮っても、写しようがないのですが、それでも路肩の余裕があると、つい車を停めて、撮らずにはおられないのでしたよ。そういう人多数。写真を撮っていると、次々と停まる車があって、なんか「やっぱりそうだよね~」とお互いにたにたしちゃうような。

購入してきた本をうっとりと眺めながら、昨日と今日は完全休業の一日を過ごしました。ロング・ドライブの疲れが本当にどっと出て。
あ、でも不在中に腐りそうになっていた桃がもったいないので、ジャムを作りました。先日は杏のジャムを作ったし、今のところジャム大臣。

食べ物の話をすれば、今日はちょっと元気が出たので、焼きナスといわしの蒲焼を作って、ご飯でいただいて。イタ飯、特にパスタは大好きですが、やっぱり日本食。冷やした焼きなすのおいしさといったら。たまんないですね。ビールできゅ~っと。

おっとおっと。
ではトスカーナ・ロマネスク、特にマイナー編をお楽しみに。
  1. 2010/07/25(日) 05:14:02|
  2. トスカーナ・ロマネスク
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トスカーナ・ロマネスク、第二弾

1週間の夏休みを利用して、トスカーナへ行ってきました。去年のピサ、ルッカ地域に続く、トスカーナ第二弾です。
今回は車で回りましたので、基本的にマイナーな教会ばかり。トスカーナへ旅して、これだけ観光地を回らない人もいないだろうな~、というような旅でしたが、思っていた以上にすばらしいロマネスクに出会うことができました。
ミラノから、片道400キロ。都合1500キロのドライブで、はっきり言って観光している時間よりも、ドライブしている時間の方が圧倒的に長い。疲れるわけです。
これからゆっくりと紹介していきたいと思いますが、今回の発見は、カセンティーノ地域、そして有名なグローピナのあるヴァルダルノという地域。特にカセンティーノは、驚きに満ち溢れています。もっともっと知られるべきすばらしいお宝がたくさん。でも同時に、いつまでもこうして知られざるお宝でいてほしい、と思っています。
とにかく、暑い中、4日間、毎日朝から晩まで走り回っていたので、かなり疲労が激しく、今夜はとりあえず寝ます。写真も見ずに。
実は、今回初めてのことですが、デジカメの設定をミスして、多分、ほとんど写真が撮れていないと思います。最後に気付いて真っ青になって、でもあとの祭り。そんな写真を、この疲れた状態でみると落ち込んじゃうので、今夜はチェックもしたくないって言うわけなんです。
その代わり、地元以外では絶対に手に入らないであろう本は、何冊かゲットできたので、それで満足。
ああ、眠い。帰り道、一気に300キロくらい走ってきましたからね~。
では、乞うご期待。

  1. 2010/07/23(金) 05:30:18|
  2. トスカーナ・ロマネスク
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モトGP-ザクセンリング

やっぱり、ロッシには華がある~!
彼が走るとレースの面白さが何倍にも高まります。もって生まれたオーラ、どんなときでも勝ちに行く気合、そういうもんがレースを引き締めるんじゃないですかね~。まぁ、ファンだから、余計そう思うんだろうけど、でも今日のレースが、久しぶりに面白い展開だったのは確かです。
昨日も、ロレンツォのマシンからオイルがたれて、トライアルが中断しましたが、今日は3台クラッシュで、なんと10周足らず走ったあとで、ゼロからスタート、本選が21週という変則レースになりました。クラッシュに巻き込まれて、そのあと参戦できなかった三人には残念でした。っていうか、怪我してしまったド・プニエはともかく、他二人はかわいそうでした。
中断直前、ロッシが調子をぐんぐん上げていたので、再開してどうだろうと思っていましたが、そのままの調子を継続してくれましたね。
ロレンツォ、ダニのトップ争い、そしてストーナーとロッシの3位争い、そのあとのシモンチェッリ含む三人の争いと、あちこちで熱いバトルが繰り広げられて、カメラもどこにいったらいいのやら、という感じでした。
ずっとトップを走っていたロレンツォ、ぴったりと食いついていったダニ。途中、ロレンツォがカーブでちょっとふくらんだ時に、順位が入れ替わったのですが、解説者も言っていたように、わざとトップを譲って、最後に追い越す、よくロッシがやっていた戦略を真似したようにも見えました。でも、ダニのあの勢いを知っていたら、あれは大失敗ですよね。案の定、そのあとダニは差を広げる一方、ロケット・スタート同様の勢いで、すっ飛ばしていってしまいました。ロレンツォ、あきらめざるを得ず。この辺、まだまだ、かな。
ストーナーは、またこのパターンかよ、何でもっと勝ちに行かないんだろ、と思いながらみていました。ロッシがひたひたと追いついてきて、すぐ後ろに来てから、やっと火がつきましたね。遅いんだよって。
でもさすがに簡単に抜かれて、表彰台を逃す気はなかったようで、がんばりました。
ロッシ・ファンとしては、あそこでぎりぎり勝ってほしかったけど、最後の最後にかわされて、あ~、ストーナーって相変わらずやな奴~、で終わりました。4位でも奇跡的な結果なので、今日はストーナーにも寛容なわたくし。
ロッシのインタビューは面白かった。彼もテンション上がっていました。多分4位って言うのはかなり悔しかったと思うのですが、そんなの、おくびにも出さない。ほんと、スターです。自分の立ち位置を本当によく分かっています。
ドカ移籍の話も出ていて、勿論オフィシャルな発表はブルノのあと、といっているので、適当にごまかしていましたが、さてね。
あ、ダニががんばったのは、ストーナーが来ることへのアピールもあったのかな。
来週のラグナセカがとても楽しみになってきました!

  1. 2010/07/18(日) 23:08:11|
  2. モトGP
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モトGP-ザクセンリング

ロッシ、本当に復活してますね~。
やる気満々です。どのライダーも、インタビューでロッシのことばかりを聞かれて、ちょいとむっとしている感じですが、こうなると仕方ないですねぇ。
ロレンツォ、気合のPP。そりゃここでやっとかないとね。
ストーナー、ホンダ移籍がオフィシャルになって、吹っ切れた感じの2番。
ダニ。さて、ストーナを迎えて、トップ・ライダーが3人になって、どうするのかって言うのが分からない状態で、やるっきゃないっていう状態ですが、とりあえずは3番。
で、ドヴィを間において、ロッシ五番手。
とりあえず、レースに慣れるのが本来の目的といいつつ、周囲は、ロレンツォに一人がちさせたくないんだろう的な見方をするし、それで、インタビューもそういうことになるんでしょうが、ロッシ本人は、おそらく確かにやる気満々。参戦するからには、勝ちに行く、というのは当然だろう、というスタンスを感じました。
そういうところからみると、本日転倒したド・プニエ、ある意味大物?プレイボーイのウサギちゃんをはべらせて。いやはや。
ロッシの2011年は、ブルノのレース後に発表ということでしたね。うわー、楽しみです。

  1. 2010/07/18(日) 05:41:25|
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プーリア・ロマネスク、その21

バーリ4
カテドラルの内部。
ここも、ほとんどロマネスクの名残が感じられない状態。でも、サン・ニコラよりは、オリジナルの構造がそのまま残っているんでしょうね。


右脇にある説教壇。


多分これは修復の賜物で、オリジナルのレリーフは相当部分が失われています。そして、内部にあるディテールで、ロマネスクの名残を残しているのは、その、失われなかったわずかな部分です。
それから、内陣前にある大理石レリーフ。これは、なんともわたし好みの古いものでした。



カテドラルもサン・ニコラ同様にクリプタがあり、通常のミサはそちらで行われているようですが、残念ながら、こちらのクリプタは、バロック時代のもので、ロマネスク派は、目をそむけるしかないような代物です。
でも!
カテドラルには、実は、さらに地下があるんです。
これは、最初に訪れたときはクローズ。朝9時から12時までしかオープンしていないような表示だったので、見ることは出来そうもない。残念だけど、仕方ないな、と思っていました。
それが、たまたま出発前の時間に訪れたとき、開いていたのです。

ここはすごいです。ここは、絶対に訪れるべき、と書いていないガイドブックを恨むような、そういう驚きの場所でした。
初期キリスト教時代の遺構が満載。


すばらしい床モザイク。


イタリアは、各地にすばらしいものがたくさんありますけど、これだけのものをもっている場所は、そうあるものではありません。でも、ここはすごい、って言う紹介は、ないんですよね。おそらく、かなり最近、修復を終えて、すばらしい遺構を簡単に鑑賞できるようになった施設と思うのですが、もっともっと、宣伝してよ~、と思いました。すばらしいです。でもあいているのは、午前中だけ。それも、一体そこに何があるのかは、全然説明がないんですよぉ。実際に、訪れて見ないことにはすばらしさが分からない。ああああ。すごくイタリアです。こういうの。間違ってます。

これが今回の旅の、本当に最後だったというのもあると思うし、暑かった中でよく歩いたし、このカテドラルでも、最初は見られなかったのに、最後の最後にたまたま、それも通常のオープン時間とは違っていたのにみられたとか、なんか思うところはいろいろあったんだと思うんですけど、この、すばらしい初期キリスト教時代のクリプタに、一人たたずんで、涙が出てきちゃったんです。


素朴な石積み。その下で一人、じっとそういう千年の時代に囲まれちゃった重み?なんか、自分でも信じられないくらいに、感情が高まって、ぶわ~っと。こんなのははじめての経験で、もしかして、何かいたのかもしれないですよねぇ。
自分でもどう対応していいのか分からないので、泣いていることを悟られないように、出口にある簡易お土産屋で、しっかりガイド本を買ったりしてごまかしましたが、本堂の説教壇の脇で、しばし、涙に暮れました。すごく気持ちよかったです。

というわけで、バーリにいかれて、そしてカテドラルに行かれる皆様には、ぜひとも、この地下の古い時代の遺構を鑑賞なされることをお願い申し上げます。っていうか、みてほしい~。
  1. 2010/07/18(日) 05:40:37|
  2. プーリア・ロマネスク
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