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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ピエモンテ、トリノ県のロマネスク、その1

ピエモンテのロマネスクと言えば、ノヴァレーザとかフランスとつながる巡礼の道の教会とか、アスティ周辺の小さな聖堂たちとかがまず来るんですが、トリノ県にもひっそりとロマネスク、あるんですね。位置的には、アスティ北部のさらに北部。
知名度的にも、あるものも、かなりマイナーです。
そんな場所。夏の一日、ぶらぶらとドライブした記録です。

まずは、そんなマイナーな中で、唯一、それなりの知名度を持っているここ、カヴァニョーロ・ポーにあるサンタ・フェーデ。
Santa Fede - Cavagnolo Po


町外れと言う情報は得ていたものの、なんかとんでもなく緑の中を進み、不安になるような場所です。あまり大きな看板などもなかったのだけど、え、そろそろないと変だな、と思い出したあたりにそれらしい一群の建物が。教会らしいものは全然ないのですが、小さく修道院、という表示もあるので、車を適当に停めて歩いてみました。
いきなり集落になって、そして、あ、ファサード。変なロケーションです。


位置関係から行けば、後陣がわから来たはずなのに、後陣は全く気付かず。おかしいなぁ、と思ったのですが、帰りに確認したら、他の建物が立て込んじゃってて、全然見えない状態になっていたのでした。
裏に回り込んだらこんな感じ。全然教会ぽくない佇まいなので、気付かなくて当然。



でも、本堂はかわいいんですよ。
まずはファサード。ポルタイユ周りの装飾が、とってもかわいいです。ちょっと傷んでいますが、それでも十分、保存状態はよいといえるでしょう。
リュネッタ。


小さいかな。中央に、祝福するキリストがいて、両側に天使っぽいフィギュア。全体にごつごつしていて、キリストも眉毛しっかりのビザンチン風で、かわいいです。あ、装飾もちょっとオリエント風な感じ、ありますよね。こういう文化系統的なことが目に付いちゃうと、むらむらと歴史とかを調べたくなりますね。
ポルタイユ周りの柱頭。これは、アスティ地域のモンティリオだったかな、そこにあった柱頭と同じモチーフ。摩滅してるけども。ぶどう狩り、とわたしは思ったやつです、多分。またはファウヌス。


アーキボルトも、とても好きなタイプの装飾がぎっしり。ロンゴバルド風の組紐模様とか、アスティ地域でもよく見られたチェック柄、そして動植物のフィギュアがたくさん。期待させるでしょ~。


期待させといて、中は次回。
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  1. 2010/09/30(木) 05:04:46|
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トスカーナ・ロマネスク2010、おまけ(シエナ)



シエナの町には、今から20年ほども昔、一年とちょっと滞在して、イタリア語を勉強したり、パリオの追っかけをやったり、記憶がなくなるほど飲んだくれたり、皿洗いのアルバイトをしたり、楽しい日々を送りました。
仕事を探そうと、思い切ってミラノに来てからは、一度旅行で立ち寄って、一度友人の結婚式に行って、でももう15年以上、ご無沙汰していました。
そういうわけで、今回のトスカーナ旅行では、どうしてもちょっとだけでも、ここには立ち寄りたいと思っていたのでした。



一昔以上の時間がたっているわけですから、相当変わっているとは思っていましたが、シエナにも、ペルージャにあるようなエスカレーターが出来ていたんですね。これだけですでに隔世の感があります。
ちょうどついたところが、そのエスカレーターのある門で、駐車場もあったので助かりましたが、それにしても、すごい変わりよう。ここは、昔の洗濯場とかあって、シエナの中でも最も坂がきつくて、山登り状態だったんだよね~。それが今ではエスカレーターで、あっという間に旧市街の深奥にアクセス出来ちゃうんですから。わくわく感やありがたみはないけど、でもお年寄りや子供づれは助かっているだろうな~。

着いたところは、確かセルバだったかな。サイがシンボルのコントラーダ。つい最近のパリオで勝ったばかりなので、通りにはすべて、シンボルカラーの旗がたなびいていて、きれいでした。そして人の流れにのって、自然にカンポ広場。
カンポ広場って、イタリア広しと言えども、これほど美しい広場って、早々あるもんじゃないって言う美しさです。やっぱりきれい。わたしが好きなのは、このじべた。


住んでいた頃は、一日に一回は通るし、用事がなくても行って、そしたら必ず知り合いに会える場所で。今はもう誰もいないけど。実際、あまりに時がたちすぎていて、懐かしいという感情に、一枚も二枚も覆いがかかっているようなそういう感じで。数日過ごしたりしたら、その記憶の覆いが少しずつはがれて、懐かしい気持ちが湧き上がってくるのかな。だって、あまりにもよく歩いた町並みだから、新鮮ではないわけで、なんとも不思議な気持ちになるものです。

昔住んでいた家を訪ねてみました。うろ覚えだけど、まずはここ。うん、ここ、間違いない。


パンタネート通り。古い家で、天井も高いのに、エレベーターなしの確か5階。絶対に忘れ物の出来ないアパートでした。狭い道を挟んで別の建物があって、時々向かいのアパートの人と視線が合っちゃったり。
次はここ。


ここは住所も忘れちゃって、ちょっと迷いました。でも多分ここ。まぁ20年も昔に、ほんの数ヶ月住んだだけのおうち、忘れても仕方ないか。
この当時のアパートって、個室が数室あって、台所と浴室が共同って言うパターンで、このアパートのときは年金生活のおばあさんが同居人でいて、いろいろもめて大変だったんだよなぁ、なんて、もはや思い出すこともない記憶がよみがえってきました。そういえば、このアパートで同居人だった日本人の友人は、最近も出張でイタリアに来ていて、一緒にランチをいただいたばかり。シエナでの当時の生活はとってもディープで、だからこそなのかな、今でも結構な友人と交流があります。イタリアに残っちゃった人も多いしね。
も一つ。短い間によく引っ越したな、わたし。


実はこのアパートは、もう随分昔にホテルになっちゃったんだよね。アンティカ・トッレ、古い塔という名前です。地球の歩き方にも載ってたような。ちょっとだけのぞいたけど、部屋を見せてと言う勇気はなくて、ホテルのカードだけもらって引き上げました。なんかちょっとだけ、こみ上げるような気持ちになりました。ここは、最後にいたアパート。いつもチェロを弾いていたドイツ人の金髪少年がいたな~。ちょっとあそんだっけなぁ~。「わたしったら金髪碧眼の人と遊んでるよ!」とかすごくビックリしながら。わ~、これも懐かしい記憶だ!

時間もないのに無理無理訪ねたので、2時間くらいの散歩だったけど、とても楽しかったのでした。またゆっくりと遊びに行ってもいいかもしれない。当時の友達と現地で再会したりするのも楽しいかもね。当時の友達諸君、いかがでしょうか。
  1. 2010/09/28(火) 05:13:50|
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バレーボール、ワールドカップ2010・イン・イタリア

なんと、バレーボールのワールドカップが、イタリアで開催されています。全然知らなかったし、バレーボールも、イタリアは相当強い、という以外、昨今の状況というのを全く知らないのですが、ミラノの日本商工会から回覧があったので、ミーハーな私としては、やはり観戦に行ってきました。
なんせ、開幕当日、いきなりイタリアと日本の試合だったのです。
会場はイタリア全国に散らばっていて、サッカーのワールドカップ同様に、四カ国が一つのリーグになって総当たり戦、その後、勝ちあがった国がトーナメントになるシステム。たまたまイタリアと日本が同リーグで、そして会場がたまたまミラノで、そして試合は土曜日の夜9時。なんか、多くのイタリア人が少しでも楽に楽しめるようにという政治的な配慮が感じられるような?

会場はミラノの南西部にある体育館。


駐車場のことなどよく分からないし、早めに行ってぶらぶらしよう、ということで、随分早く着いてしまいました。しかしぶらぶらするような場所は全くないので、会場に入ることに。ちょうど5時。最初の試合が始まるところでしたので、せっかくだから、といきなり観戦です。イラン対エジプト。ランクとか全く不明ながら、エジプトが優勢で、あっという間に3セット連取。試合終了。
意外と淡々としているものだな、というのが第一印象。昔は(すごく昔)、サーブ権がないと点が入らなかったので、すごく時間がかかったものですが、今はサーブ関係なく点が入るので、スイスイですね。


観客は、半分方、埋まっている状態で、イランの応援団が熱心に応援しているのが印象的でした。ミラノにはエジプト人もたくさんいるはずなのになぁ。エジプト人はピッツァ屋さんとか多いから、仕事が忙しいのかもね~、土曜日だし。
6時半過ぎに試合終了。イタリア日本戦は9時から。うへぇ、2時間半、どうするんじゃ~。

会場内にあるバールでサンドイッチをそそくさと食べ、人によってはいろいろゲットしているグッズを探してうろうろしました。日本応援グッズを配るというお知らせもあったし、それを求めてうろうろしていたら、グッズを抱えた領事館のお姉さんが声をかけてくれました(領事館には、そういう仕事をする人もいるんですね、びっくり)。日の丸の小旗と、空気で膨らませる細長い風船状の応援グッズ。この風船、二本を打ち合わせると、ぱしぱしといい音がするんですね。



なんかどんどん人が増えてくるので、席がなくなるかも!とあわてて戻りました。というのも自由席だったんで(安い席だからです)。いやはや、間一髪、あぶないところ。すでにかなりぎっしりです。試合まではまだ1時間以上あるけれど、イタリア人はすっごい盛り上がりようです。
そうこうするうちに、ちょっとした開幕セレモニーのようなものが始まりました。


そんなこんな、いろんなことをやっているうちに、いよいよ時間となりました。イタリア人、すでに熱狂。

あ、ちいせぇ~。


やっぱり日本人、小さい!そして細い~。おそらく年齢は同じようなものなんでしょうが、見た目としては、イタリア人平均年齢25歳、日本人平均年齢15歳…。こりゃどうだ?期待できるのか?
一応応援グッズを利用して、熱狂しましたけれど、イタリア人に囲まれて友人と二人、完全に浮いているというか埋もれていると言うか、今ひとつ熱狂しきれない…。辛かった…。

延々と前ふり長いですが、なぜかと言うと試合については語ることがないからです。


日本、完敗。イタリアとは全然レベルが違う。イタリアが強いと言うのは知っていたわけですが、本当に全員がうまいし、すべてが美しいのです。悔しいくらい。日本は、サーブは攻撃力ゼロだし、スパイクは取りこぼすし、ブロックが全然出来ないし、その上、相手にはブロックされまくりだし、トスがうまく上がらないし、全く、本当に全くいいところなし。これでよくワールド・カップ出てきたな、と最後はもう応援するのも嫌になってしまいました。
周りの熱狂に疲れたと言うのもありますけどね。

日本人の応援は、数えるほど。もうちょっと見に来てると思ったけどね~。領事館の人は、最後の方は、日の丸の小旗を、イタリア人にもあげていましたよ。
でも、さわやかでいいなぁ、と思ったのは、試合後、団子状でわいわい盛り上がるイタリア・チームに対して、横一列に並んで、客席に向かって、あっちに一礼、こっちに一礼した日本チーム。こういうのは、なかなか日本的でよろしい。

さて、今日は、今頃日本イラン戦をやっているはず。どうなることやら。応援グッズは大切に持って帰ってきたので、本選に進んで、ミラノで見るチャンスがあれば、また行くつもりですよ。出だしは悪くても、変わることもありますもんね!
なんだかんだいっても、好きなことを絶叫して、騒いで、楽しいお祭り騒ぎでした。ミーハーな友人がいてよかった!
  1. 2010/09/27(月) 01:06:32|
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トスカーナ・ロマネスク2010、その25

カセンティーノの教会めぐりも終わり、あとはミラノに帰るだけ。
フィレンツェーミラノの高速にどうやってアクセスしようかと思い、ランチのときにお店の人に聞いてみたら、自分が考えていた道よりも、こっちの方がいい、と千メートル超の峠のある道を進められました。峠…。出来れば坂道を避けたいわたしには、かなり鬼門…。
お店の人によれば、高度はあるけど、道は絶対いいから、ということだったのですが、カーナビもあるし、つい地図を信じて、わたし的により楽そうな最初に考えていた道を進みました。
山道。どんどん山道。でも道幅は広くて、意外に快適です。高度を稼ぐに従って、気温が一度ずつ下がっていくのが結構感動的でした。道はきれいだし、やっぱり地図を信じてよかった、と思っていたら、やおら、わき道のようなところに入れと、カーナビ・ロベルタが指示。迷う暇もなく突っ込んだら、なんと本当にわき道って言うか獣道って言うか、とんでもない細い急斜面のくねくね道が、延々と続いたのでした。
対向車とかなかったし、くだり道だったから何とかなりましたが、怖かった~。
あとで地図を見たら、まさにわき道。そのまま本道を進んでいても同じ道に出たんです。勿論わき道の方がかなり距離は短かったけども、でもそういう問題じゃなくて。カーナビ、ときどきこういう恐ろしい指示を出すので、やはり事前に勉強しとかないといけません。

さて、高速に乗る前、最後に立ち寄ったトスカーナのロマネスクは、ここ、ボルゴ・サン・ロレンツォのサン・ロレンツォ教会。


なんということもない普通の地方の町。その中に、さりげに建っている、いかにも現役の普通の教会。ガイドブックを見ても、13世紀早々の創建なので、わざわざ立ち寄るまでもなかったかという感じではありました。ボルゴ・サン・ロレンツォと言う名が、なんか古くてよさそうな印象で、ちょっと引きずられちゃったんですよね。
でも雰囲気はそれなりに。ね。


この中身を見る限りでは、オリジナルは結構古そうです。屋根も木製だし。
外壁に、こんなロンゴバルド文様が。どっから引っぺがしてきたんでしょうねぇ。


ここで唯一、おお、と思わされるのが鐘楼。


無理やり後陣の上に、レンガで建て増ししちゃってるんですよ。すごい強引でビックリ。

というわけで、トスカーナのロマネスク探訪、終了です。長々とお付き合いありがとうございました。
このあとは、ピエモンテのマイナー・ロマネスクとなりますので、お楽しみに。

ロマネスクに興味のある方は、以下、サイトもよろしくお願いします。
ロマネスクのおと
  1. 2010/09/25(土) 04:30:37|
  2. トスカーナ・ロマネスク
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ミラノでお月見

先週土曜日の洪水。地上の水が引けるのは、思ったよりも早かったのですが、わたし的にはかなり被害甚大。というのも、最寄の地下鉄駅が水没して、いまだ復旧作業中です。
そのため、代替バス等を使う必要があり、通勤時間が倍近くになってしまいました。普通は、30分強で、会社までドア・ツー・ドアなのに、1時間近くかかってしまうので、会社につく頃には疲れています。
なんてことをいうと、会社の同僚も結構遠くから通っている人が多いので、1時間くらい当たり前じゃん、とちょっと嫌な顔をされたりして。うわ~、イタリア人にまでそういう対応をされるわたしの体力って、もはや日本では全く使い物にならないですね、きっと。

そんなわけで、今日も、ああ、疲れた、と思いながら帰ってきたら、日本のお友達から、お月見はがきが届いていました。22日?うわ~、今日じゃん。
お月様はどうかな、とバルコニーに出たら。


とってもきれいなお月様が、金星(ですよね?)を従えて、輝いていましたとさ。
お団子はないけど、赤ワインで、今夜は月見酒です。風流な日本文化に乾杯!
  1. 2010/09/23(木) 05:00:13|
  2. ミラノ徒然
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トスカーナ・ロマネスク2010、その24

スティア、続きです。ルネサンス風のファサードにひるみましたが、せっかく開いているようだし、入ってみました。
で、予期せぬ展開。ここでもまた息を飲んでしまい、カセンティーノの奥深さに改めて感じ入った次第。


うひゃぁ、いきなりこれですよ。まさに予想外。きらきら一切なしの、ロマネスク・オリジナルの姿がどっしり。
そして、細部もすばらしいんです。


いやん、かわいい!


これまた。ね、すごいでしょ。柱頭、どれもこれもすごく保存状態もよくて、目移りしまくりですよ。



実は、この最後の最後に近い教会で、初めてカメラの設定ミスに気付いたんです。だから、ここは結構ちゃんと撮れています。気付いたときは、泣きたい気分でしたが、でも最後に気付いただけでもよかった、とポジティブ・シンキングでごまかしました。

見学中、お掃除の日だったようで、おばちゃんたちが、あちこちこすりまくっていましたけど、別にこっちを邪険にするでもなく、淡々と仕事していました。こっちの方が申し訳なくなって、ちょっと遠慮がちに見学する羽目になりました。でも、ここは、ロマネスク的には、入らないと無価値ですから、「開いててよかった!」です。
ガイド・ブックも、もう少しちゃんと記述してほしいものです。町もかわいいんだし、訪れる価値大なのに、別にたいしたことない程度しか書いてないですから、ノー・チェックになっちゃうじゃないですか。行って見ないとわからないものですよねぇ、つくづく。

わたしの調査程度では、たいして分かることもないとは思いますが、このカセンティーノとヴァルダルノ・スーペリオーレ地域の柱頭や説教壇のフィギュアは本当に面白いモチーフがたくさんあるので、今後調べていくのが楽しみです。今、サイトの方でアップしつつある、トスカーナ西部とは全然違いますもんね。予定では一年後くらい(遅くてすみません)にはまとめられそうですので、研究の成果を、それまで気長にお待ちくださいね。

トスカーナ、あとちょっとおまけ編が続きます。
  1. 2010/09/22(水) 04:58:33|
  2. トスカーナ・ロマネスク
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トスカーナ・ロマネスク2010、その23

スティアです。
ここは、ロメーナのブック・ショップの人に、行ってみたら、と勧められた町。今回のロマネスク行脚では、実はノーチェックでした。一応ロマネスク時代の古い教会があるというチェックは入っていたのですが、後代にすっかり変えられているという話だったし。訪ねた目的のメインは、ランチです。

町に着いたものの、全体の作りもわからないし、お昼時なので人も少ない。かんかん照りで暑い。とにかくまずは車を停めてみました。これがお勧めのかわいい町?なんか違うよな~、絶対場所間違えてる、と思いつつ、通りすがりのおっさんに尋ねてみました。
旧市街はもっと先で、確かに古い教会があるよ、ということでした。でもまずは時間も時間だし、腹ごしらえ。それなら、そこのレストランなんか、いいんじゃない、といわれて、迷うことなく入りました。
外観は、ちょっと労働者好み?大衆的?結構ダサい感じだったのですが、中は小さいながら洗練されていて、感じのよい店でした。そして、ここで食べたピチのカルボナーラ、絶品だったんです!ピチと言うと、どうしてもミートソース系(それも出来ればイノシシ肉)と思ってしまうのですが、考えたらこしはあるし、カルボナーラのような強いソースも合うはずなんですね。いやはや発見でした。
そして、デザートのパンナ・コッタが、また!
直径12,3センチのガラスのおわんに作られたパンナ・コッタの上に、フレッシュのイチゴがぎっしり載っていて、うわ~、感動のおいしさでした。こっちのイチゴは日本と違ってすっぱくて、生で食べるときは、レモンとお砂糖を混ぜ混ぜするのが普通なんですが、そのすっぱいままで、このパンナ・コッタの濃厚な甘さとすごくマッチしていて。かなりの量だったけど、ぺろりといただいてしまいました。
いや~、いいレストランだったな。写真がなくて残念。

おっと。
おなかもくちくなって、旧市街に向かいました。数分歩くと、川があり、その向こうが旧市街。狭い道が広がって広場になっている場所に出ます。オリジナルは、街道沿いに発展した宿場町、ですかね。かわい~。


狭いポルティコが続いていて、町並みも全体に低くてパステル・カラーで、すごくかわいらしい町並み。滞在してみたくなるような町です。


ポルティコの天井が木なんですよ。いい感じですよね。

で、ここにあるはずの古い教会は、というと。


え?これ?ルネサンス?何これ?
思わず、踵を返しそうになりました。ロマネスクなんてどこにも見当たりません。気が引けるな~、でもせっかく来たんだし、と入場。度肝を抜かれました。
以下、次回。
  1. 2010/09/20(月) 05:21:08|
  2. トスカーナ・ロマネスク
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モトGP、アラゴン

みんなが富沢選手の48をどこかに背負って走って。なんか、うれしかったですね。

さて、初めてのサーキット、アラゴン。意外なレース展開でした。一部の選手の実力とマシンのレベルが、拮抗伯仲しているってことなのかな。単純にヤマハの調子が今ひとつで、一方でドゥカーティ、ホンダがよくなっているっていうことなのか。ロッシは全然いいとこなしだったけど、レースとしては面白かったです。

ストーナー、ブッチギリの優勝ですが、これは復活なのか、たまたまなのか。でも今日は最初から最後まで安定していて、ダニの追い上げにも動揺せずにハイ・スピードで逃げ切って、かつてのストーナーの走りだったのは間違いないですね。
二位に終わったダニ。それにしても最近のこの人、すごいですね。マシンとまさに一体となって、思うように走っている感じですか。自分でバイクに乗らないので、ライディングのスタイルとかテクニックは全く分からないのですが、ダニとかロレンツォは、カーブで身体を倒したあとに、身体を起こすのがすごく早いんだそうですね。そうすると、次のアクション、つまりスピードアップへ入るアクションが早くなるらしい。ほぉほぉ。
そして三位に、なんとニッキーが。今日の殊勲賞は彼でしょうね~。スタートからトップ集団についていって、普通は途中で外れちゃうのに、とにかく前を走っているロレンツォに食いついて。そしてじっと我慢に我慢を重ねて、ラストラップの最後のチャンスで、すすす…と上がって、なんとロレンツォを抜き去りました。今日最も興奮しましたね、ここ。「Vai!Nicky,vai~!」と叫んでました。ちょっとロレンツォはね、一人勝ちしてほしくないですから。

あと、面白かったのは、最後の数周のスピーズとドヴィの5位争い。スピーズはやっぱり本物ですねぇ。「あの肘じゃ誰も追い越せないよね」、とかアナウンサーが戯言を言ってましたが、ああいう泥臭いバトルは得意っていう感じ。ドヴィ、結局抜かされて、そのあと転倒しちゃったみたいで、ちょっとかわいそうでした。転倒シーンは、テレビにも映らなかったし。ゴール直前で、さびしく退場。

さて、われらがロッシ。シーズンが終わったらすぐ肩の手術をすることは決定したようですね。彼は、レースの結果を身体のせいにしたりしませんけど、やっぱり相当厳しいんでしょうね。これまでのロッシだったら、7位発進でも、ひたひたとトップ集団に迫っていったものですが、今日は下位争いでもかなり苦労したし。
ドカが上向きなので、来シーズンは楽しみですが、ロッシの状態には、一抹の不安が。何とか復活してほしい!
次回からはヨーロッパを出てのレースが続くので、時差のためあまりフォローできないかも、と思いますが、期待したいですね。

  1. 2010/09/19(日) 22:16:29|
  2. モトGP
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ミラノのアクア・アルタ?!

今週は、出張とか接待とか、久しぶりに会社生活に引きずられて、大忙し。で、あまりの疲れに昨夜は10時に床について、早起きできるだろうと思っていたら、目が覚めたのは9時。寝る子は育つっていう年でもないのに、全くよく眠れるもんで、われながら驚き。
大体そういう状態を予想していたので、この週末は予定なし。お天気もめちゃくちゃ悪いし、のんびり。
ランチの後、モトGP予選観戦、引き続きテニスのデビス・カップをテレビ観戦。
いやはや、テレビっ子しちゃったな、と思いつつトイレに入ったら、なぜか水がちょろちょろとしか出ない。手を洗おうとすると、やはりちょろちょろ。何が起こったんだろ?と思いつつ居間に戻ると、窓から見える景色に異変が。

我が家の目の前は公園なんですが、その向こう側に、やけに車が固まっています。事故かな、と、ミーハー根性で、オペラグラスでのぞいてみたら、なんとなんと。


道路が水没?
根がミーハーなもので、あわててレインコートを着込んで、カメラ片手に出かけましたよ。すごいことになっていました。道路一帯、まさに水没。


わたし同様ミーハーな人々が集まって、写真など撮っているのでした。こういうのって、ミラノではわりとよくあることで、テレビニュースでは何度も見たことがありますが、実際に近所で出会うのは初めて。自分の住んでいるところから100メートルもないところだから、ちょっとドキドキしつつ、やっぱり他人事なんですよねぇ。
かなり激しい洪水状態。消防署も駆けつけ、関係者があたふたしている最中、この建物からは修道女たちが出てきて、助けて~とか叫んでいます。駆けつける消防署員。ここ、修道院関係の施設だってこと、初めて知りました。


ちょうど夕方、週末としては交通量の多い時間だし、車はどんどん入ってきます。立ち往生して、どうにもならない車も出てきたり。


ひとしきり、うろうろと写真と撮ったりして、もう堪能した、帰ろう、と思ったらすごい大雨で、ほんの5分の道のりで、傘を差していたにもかかわらず全身ずぶぬれ。

洪水から3時間余過ぎて、我が家の水は、まだちょろちょろ。でも、道路の水は、ほとんど引いています。よかったぁ。
それに、今日、出かけてなくてよかったぁ。我が家から町中方面に向かうには、水深40センチくらいを渡る必要がありましたからねぇ。ミラノで、アクア・アルタ(本来はベネチアで、運河があふれることをいう言葉です)に出会うなんてね~。我が家の前じゃなくて、本当によかったよ。
  1. 2010/09/19(日) 05:41:50|
  2. ミラノ徒然
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トスカーナ・ロマネスク2010、その22

最も重要なロメーナを目指して、一度はすっ飛ばしたんですが、ランチまではまだ時間がありそうなので、後返ります。また山道を登ったり降りたり、ご苦労なことで。
目指すは、カステル・サン・ニコロという小さな村にあるサン・マルティーノ教会です。ヴァードのサン・マルティーノと言う名前なので、昔は、ヴァードという村があったんでしょうね。カステル・サン・ニコロという村の郊外にある、その名も「カセンティーノの道」という地域で、住所はVia Pieve、つまり教会どおり。リファレンスありすぎで、カーナビにどう指示をしたらよいのか、思いっきり迷いました。カセンティーノの道って言うくらいですから、このカセンティーノ地域の真っ只中です。

Pieve di San Martino a Vado - Castel San Nicolo'


いい~感じでしょ。
本当に小さな村で、メイン・ストリートをチョチョイと走りぬけた先、つまり村のはずれにたたずんでいました。平地で、ありがたい~。見た目は、超地味ですね。
でも、ここがまた、この地味なファサードを潜り抜けたら、ため息が漏れますよ。



あ、またもや~。もうきれいに。え、また?ほんとに?って感じですよ。大当たりの連続で、罰が当たるかも、とひるむぐらい。
ここでも、また、柱頭がきれいですよ。上側の板状装飾が、どうやら、この辺の特徴ですねぇ。


植物モチーフのみならず、この辺ではすでにお約束になっている変な人物フィギュアも豊富です。


とは言いながら、動物フィギュアも、すごくデザイン的でかわいい~。



ね、ね。絶対カセンティーノ、行きたくなりますでしょ。
ああ、幸せ。
という気分で、ロマネスク的にはおなか一杯状態ながら、ランチを目指して、スティアに移動します。
  1. 2010/09/16(木) 05:09:35|
  2. トスカーナ・ロマネスク
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