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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ミラノ、朝焼け

週末なので、いつもより1時間ほど遅めに起床。寝室を出たら、廊下が輝いています。え、何が起こったの?とビックリ。
居間の窓を通して、朝日が差し込んでいたのです。

見事な朝焼け!


最近、朝方は曇りっていうことが多いので、こんな美しい朝焼けは、本当に久しぶりです。
上の方は、まだ夜と朝の境目、ちょっと夜寄り、真ん中は、ちょっと朝より、そして、登らんとしている朝日の周囲が、存在しない色も含めた橙色のバリエーション。そして、町はまだ夜を引きずって、外灯もともっています。
本当に、何が起こったの?!と取り乱すような色の乱舞ですよ。

ヨーロッパでは、今夜夏時間が終わります。夜中の3時に、1時間戻るのです。だから、明日は1時間余計に眠れるって言うことになり、冬から春に変わるときよりも、随分とお得な気持ちになります。その分、春になるときは、また損するわけで、全然お得でもなんでもないんですけどね。

1時間戻るので、つまり夜明けが早まります。この美しい夜明けの風景が、毎朝、起床時にお目にかかれるようになるってわけで、それはちょっとうれしい。というのも、最近は、日の出が遅くなっていましたので、起床時はまだ夜状態で、不満だったんですよね。ま、それも一時的なもので、あっという間に日照時間が少なくなって、日の出も遅いし日暮れも早いという嫌な季節になりますけどね。

しかし、こんなに美しい朝焼けだったにもかかわらず、ちょっと曇りがちの一日でした。あまつさえ明日は雨とか。
お出かけ準備万端なのになっ!

あんまり美しいので、もう一枚。


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  1. 2010/10/31(日) 04:58:42|
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中世芸術、買っちゃいました!

このところ、悩みがあったんですよねぇ。買うべきか見送るべきか。
なんだと思いますか。
実は、本なんです。

で、結局、買っちゃいました!「中世の芸術」。


なぜ悩むかといえば…、高いんです。っていうか、洋服や靴や鞄だったら、必要だし、と思えば結構買えちゃうのに、本で1万円越えると、結構悩みませんか?ほしいと思って、躊躇なく買えるのは、せいぜい50ユーロくらいで、それ以上になると、とっても考えてしまいます。なぜか。
ミラノは、イタリアでもかなりの都会ですから、大型書店から、専門書店まで、書店数はかなりのものです。少なくとも月に一度くらいは、ドゥオモの近くにある二つの大型書店に行き、歴史棚(中世分野)と、ヴィジュアル系の棚をチェックするのが習慣。
というのも、そういう地味な分野でも、意外と新刊や再版が出るんですよ。そして、そういう地味な分野だからこそ、出たときに買っておかないと、もうめぐり合えない可能性が高い本が多いんですよね。

先日、久しぶりに本屋に行ったら、新学期シーズンだからですかねぇ。わたしの琴線に触れるビジュアル本がいきなり2冊!一つが、今日購入してきたこの中世の芸術。そしてもう一つは、「イタリアのモザイク」という写真満載の美しい本でした。実は、そのモザイク本に完全にひきつけられてしまったのです。
中身を見たら、本当に美しくて。モザイクだけの本って、これまでなかったし、相当長時間、座り込んでなめるように眺めてしまいました。問題はお値段だけ。1万円どころか…。
でも!今月中は、ヴィジュアル本は全部30%引きというフェアをやっていたんです。ますます悩むでしょ。
いやいや、ちょっと考えて、それから出直そう。

で、考えたら、写真は豊富ですばらしかったけど、わりと文章が少なかったし、写真だけなら、個別の行き先の本を結構持っているし、といろいろ考えて、あれはあきらめよう、ときっぱり。でも、30%は、無視できないので、改めて他の本を検討しに、本日改めて行ってきたわけです。

この中世の芸術は、前回もチェックしていたのですが、モザイクに惹かれすぎてて、あまり細かく見ていなかったんですよね。しかし、よくみると、これは!かなり面白そうなのでは!
写真も美しい上に、図解が豊富。そして内容は、建物の方向、光の取り入れ方、構造などの話なんですよ!どれもこれも、かなり興味があるけれど、これまでもっていなかった内容です。



モザイクの本よりは若干安いとは言え、やっぱり高い。でもこれは…!
迷わずレジへ。重かったです。
実は、モザイクの本は、1週間前には5,6冊積んであったのに、今日はすでに1冊もなかったんですよ。モザイク好きっているんですね。迷わずレジに行けたのは、それも後押しになりましたね。

幸せ。多分、しばらくは積読で、写真や図解をみながらニヤニヤする日々だと思うんですけどね。
まだ、買っただけでちゃんと読んでない、ビザンチン芸術、ロンゴバルド関連本、カール大帝や修道院関係とか、頭くらくらしそうにたくさん読むものがあるっていうのにねぇ。
でも、今日のは、また格別に面白そうで。って毎回そう思って、とりあえず買っちゃうんだよな。ふふふ。
  1. 2010/10/30(土) 04:40:56|
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ピエモンテ、トリノ県のロマネスク、その3

間がかなり開いてしまいましたが、トリノ県の、超マイナー・ロマネスクに戻りましょうね~。

前回紹介したサンタ・フェーデは、この地域では唯一、わざわざ訪れても、来てよかった、と思えるだけのものがあるのですが、それ以外は、近くに住んでいて半日で行けるから行ってもいいけどね、という本当に地味な、情報もほとんどない教会ばかりです。
その上、というか、そういうところだからこそ、行きにくいし、分かりにくいし、というロケーションで、たどりつくのは、どこもかなり苦労しました。

まずはトネンゴの田舎にある、それはもう小さな礼拝堂。
Chiesa di San Michele - Ottini (サン・ミケーレ教会)


本当に小さくて、よくもまぁ教会なんて呼ばれちゃっているよ、という佇まいなんですよ。結構な山道をいい加減走って、迷いながら走って、この辺だよなぁ、と思ったらOttiniという標識が道の右にあったので、狭い道の路肩に停まりました。かなりの下り坂の先に村があるようなんだけど、これを下ると、登りは相当きついなぁ、と逡巡しつつ、ふと左手を見ると、道からはいきなり小高い丘になっていて、その上に、礼拝堂が。まさか?
と疑いながらも、崩れそうな階段を登っていくと、サン・ミケーレの文字が!これか!
正面は、もう全くバロック状態なので、およそ信じられなかったのでした。そして、扉は閉ざされていて、ファサードに開けられた窓から垣間見える内部は、こんな感じ。構造的には、古いままながら、かなり新しくきれいにされちゃっていて、趣なし。


なんだかな~、山道苦労したのにな~、と思いつつ、裏に回ったら、冒頭の後陣が迎えてくれて、かろうじて、満足感を得ることが出来ました。
その上、後陣側に回ると、背景に、美しい緑の風景が広がって。


「愛宕山」の太鼓もちいっぱち(だったかな)の気分?実に実に美しかったですよ。

さて、ちょっとは気分よくなって、というか、坂道をくだらなくてよかった~、と思いながら、先に進みます。
次も、町村をいくつか通り抜け、本当にこっちかな、と悩みながら走っていた道脇。やはり丘の上に、礼拝堂状態の小さな教会が見えました。もうこの辺は、カーナビなんて、全く役に立ちません。とんでもない道に入れとか、信じられない指示の連続で、昔ながらの方法、つまり、会う人に片っ端から尋ねる、が手段となりました。

Chiesa di Madonna della Neve - Coconato


ここはもう、本当に完全に改装されちゃってて、小さな塔の先っぽだけが、わずかに往時を想像させるという、すごいイマジネーションが必要な場所でした。このロケーションで、かわいらしいロマネスクの教会だったら、本当にすばらしいものがあるんですけどね~。
中もやっぱり改装されているのが、ファサードの窓からちょっと見えました。柱頭は、後代に古いものが取り戻されたようなんですけれど、分かりませんでした。
ま、ここもね。実に美しい景色が広がります。


こういう風景の中をドライブしているんです。それはそれで幸せなことでしょ。
でもな~、せめてもうちょっとね~。
次回はもうちょっと。
  1. 2010/10/29(金) 03:27:59|
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キティちゃんの話

あんまり評判悪いんで、いまさらですが、ちょいと説明を。

これ変だから、と複数の方に指摘されております(今うなずかれた方!あなただけじゃないです!)。この背景の思いっきりピンクのキティちゃん。
確かに、わたしのブログの内容と、全く合ってないしね。
でもこれ、ピンクリボン、乳がん早期発見早期治療のキャンペーンの一環で、時期限定の背景なんですよ。で、協賛しているわけです。

去年もやっぱりキティちゃんだったんですよ。でも、去年のバージョンは、かなり普通のピンクで、よく見ないとキティちゃんとかも分からない違和感の少ないものだったんで、反響もなかったんですよね。
やっぱりキャンペーンだから、反響ないと、というので、こんな派手なスタイルになったのかもしれませんねぇ。
ま、でも変だし、評判悪いし、キャンペーン終了を待たずに、なるべく早めに換えますので、どうぞ皆様、今しばらくご辛抱をお願いします。

  1. 2010/10/26(火) 04:57:34|
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ミラノ落語会、三遊亭竜楽口演

あれからもう一年!光陰矢のごとしとは、良くぞ言ったものです。
今年もまた、竜楽さんがヨーロッパ・ツアーで、ミラノにも来てくださいました。前回は、イタリア人のお客さんにも門戸を広げ、イタリア語落語にも挑戦されましたが、今回、ミラノは、日本語だけ。待ってました!という気持ちです。イタリア語落語は一回でいいや。
会場は、市内の和食屋さんでした。


お客さんは30人ほどのこじんまりとした会。会場も小さくて、かなりかぶりつき状態でした。お囃子に乗って、師匠登場。
今回のヨーロッパ・ツアーの話がマクラ。パリから入って、ミラノにたどりつくまでの珍道中、かなり笑えました。

さて、披露してくださった噺は、「猫の災難」と「片棒(あかにしや)」の二題。
しかし!名人選で、かなりの数の噺を聞いているし、落語の本まで数冊持っているのに、実は、これ、どちらも知らない噺だったんですよ。あとからネットで検索して、そういう噺だったんだ、と。あまり誰もかけない噺なんでしょうかね?どちらも元は上方落語らしいし、そのせいなんでしょうかね?
ちょっと、なんていうか、はずした選び方で、ちょっとがっかりだったんです。わたしとしては、知っている噺を聴きたかったんですけどね~。
それに、竜楽さん、声はとてもよくて、噺に出てくる木遣りなんか、すごくいいんです。けど、噺家としては、わたしの好みではないんですね。これはもう好みの問題で、どうしようもないです。
いろんな人の録音を聴いていて、もう今は鬼籍に入った方ばかりですけども、やはり名人といっても、誰もが自分にとってすばらしいわけではなく、好みがあるわけで。同じ噺家さんでも、この話はいいけど、この話は別の人の方がいいとかもあるし。
ま、そういうわけで、あまり好きではなかったと。ただ、ミラノで落語をライブで楽しめる機会はないので、そういう機会としては、大変すばらしいものではあります。



口演後、そのレストランで食事会で、ちょっとだけ交流がありました。着物を脱がれた姿は、そこらにいる若者で、スタッフの一人かと勘違いしてしまうようなお姿。着物姿は、やはり老けるって言うか、まさに噺家としての制服なんですね。

帰宅して、お口直しに、志ん生、志ん朝、円朝さんあたりを、思わず聞きなおしてしまうんでした。
  1. 2010/10/26(火) 04:41:41|
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ミラノ、展覧会、いろいろ

実は、昨日今日と、二日間、Maurizio Cattelanの展覧会を見ていました。昨日はパラッツォ・レアーレでやっているプチ展覧会、今日は、ミラノの証券取引所の前に置かれた作品見学。勿論写真を撮ったのですが(展覧会場では、隠れてひそひそと)、なんと!一枚も撮れてないという衝撃の事実を、今発見したところです。ひえ~、そんなことが!メモリーカードの差し入れ方が、ちょっと甘かったような感じなんですが、これまで十年以上デジカメを使っていて、撮れていないということは初めてなので、ショックがでかい。
もらったデジカメなので、もともと愛着が薄いのですが、これで信頼感ゼロ。もう使わないかも。
実際、ちょいと面白い展覧会だったので、写真つきで紹介できず、残念です。

実はこの人、これまでも結構あちこちで見ていたのですが、Cattelanという同じ人だという認識がなかったので、今回初めて、そうだったのか、と名前を覚えました。
昔ビエンナーレで見た、彗星に当たって倒れているジョバンニ・パオロ2世、リボリ美術館での、壁に向かって机にうつむいている暗い少年の後姿、天井からぶる下がっている等身大の馬とか、そういえば昨年訪れたプンタ・デッラ・ドガーナにも、床に転がった一列の死体状のオブジェがありましたね。どれもインパクトが強烈で、忘れようにも忘れられない作品ばかり。
今回、屋外に置かれていたのが、中指を突き出している大きな手のオブジェ。ダークスーツ姿の証券マンが行きかうミラノ証券取引所のまん前。なんてミスマッチ、これは笑えましたね。
まさにフォトジェニックだったので、残念。

Maurizio Cattelan
Palazzo Reale & Piazza degli Affari (Milano)
2010/10/24まで

気を取り直して。
Hiromi Masudaさんのガラス作品。


この方、ベネチアで修行されたガラス作家で、やはり数年前のビエンナーレで初めて作品に出会いましたが、イタリアではかなり評価されているようです。これ、先日訪ねたStelline財団の建物の片隅に、さりげに置かれていました。ガラスだから、屋外でも大丈夫なのかな。
ずっと置かれているわけではないと思うけれど。

ステッリーナ財団のお隣には、地方銀行が持っている素敵なギャラリーがあります。ステッリーナ財団も含むこの一体は、かつての古い建物を再生したものですが、それが一部美術館、一部ホテル、一部銀行とか会社、そしてギャラリーとか、アテネ・フランセもここに入っていますね。そこもギャラリーを持っています。全体にとってもメセナなゾーンなんですよね。

で、その銀行のギャラリー。Credito Valtellineseってかなり地方色の豊かな銀行と思うのですが、やはり北だから金持ちなのかな。常に意欲的な展覧会を、それも無料でやっているんですよねぇ。
銀行がメインの建物。一つの翼が一階分丸々ギャラリーです。広くて天井も高い、贅沢な空間ですよ。



今回やっていたのは、絵本の原画展。絵本大好きだし、楽しみでした。


これが、すばらしいものでしたね。量も申し分なく、展示も美しく。また実際原画が使われている絵本も並べられていたり、現地で売っているものもあり。受付もすごく感じよくて、これでただかよ!と感激してしまいましたよ。


原画は、とにかく美しいんです。ほとんどがイタリア人作家の作品でしたが、どれもこれも、一枚ほしい!と思うような、非常に個性的な作品目白押し。
でもこれが本になるとどうかというと、その場で原画を見てしまっているので、本になったときの落差というのをはじめて目の当たりにして、ちょっとした衝撃でした。同じ二次元でも、本物と印刷の違いがありありと…。
勿体ないみたいに、全然違うものになってしまっているんですよ。印刷技術がこれだけ進んでも、やはり本物の風合いって出ないもんなんですねぇ。やっぱり、家にも本物がほしいなぁ。ポスターだけじゃなくて。

Echi di Mari Lontani
Credito Valtellinese
Corso Magenta 59 Milano
15/11/2010まで
  1. 2010/10/23(土) 05:15:02|
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ベネチアの安藤忠雄

といっても、別に安藤さんに会ったとか、安藤さんがベネチアにいたとか、そういう話じゃなくて。
実は昨年、ベネチアにある二つの古い建物が、再生されて、現代美術館としてオープンしました。それらを再生したのが、安藤忠雄だったんです。で、その一つ、プンタ・デッラ・ドガーナは、昨年、アートのビエンナーレに行ったときに訪問して、村上隆の変なフィギュアなども拝んできたのですが、もう一つ、パラッツォ・グラッシは、時間がなくてお預けになっていました。
今回、建築ビエンナーレで、会場以外の展示を求めてうろうろしていたところ、目的の会場はなかなか見つからなかったのですが、偶然パラッツォ・グラッシに出会ってしまったのでした。


おお、こんなところにあったんだ!
急遽予定変更。時間はあまりなかったのですが、ここまで来て見ないで帰るわけにもいかない!幸い常設展だけなので、見学にはさほど時間はかからないだろう、と思いつつ、チケット売り場で、一応、スタンダードでどのくらいかかるか確認して、入場(ちなみに、1時間くらい、といわれました)。いやだな~、時間のない日本人が、駆けずり回る図。でも、こういう場合、仕方ないよねえ。

ここ、外観は、1800年代ですかね?とてもありがちなクラシックな建物です。邸宅仕様で、外からでは美術館にも見えません。唯一の印は、小さなプレートと、プンタ・デッラ・ドガーナに置かれた少年の彫刻の垂れ幕ですね。
そして、中も、そのままあるものを生かしてって言う再生です。
写真禁止だったので、残念ですが、吹き抜けになっている部分に屋根を付けて、そこが唯一現代美術御用達の、大きな空間になっていて、その他は回廊状の部屋が続いているので、そんなにスペースは大きくありません。
吹き抜けには、地上階に、チェス版のような電飾床が、音楽にあわせて色を変えたり図形を作ったりという作品がどっかりと置かれていて、それが、上階から見下ろせるし、地上階では、その上を歩けるし、という趣向でした。ここでもまた、子供が楽しんでいるのが印象的でした。
その他、村上隆がここにもあり、ゲロゲロ…。フィギュアもどうかと思うけれど、まるで下手な広告のようなべた塗りの稚拙な絵のよさは、時間がたっても決して分かる日は来ないだろうなという作品です。

これは、美術館前の広場に展示してあった作品。


単に古いビュイックが、プラスティック装飾されているというだけの作品なんですが、ベネチアに車って、すっごいミスマッチですよね。

この美術館、実はアカデミア美術館にも近く、おそらく地域に美術学校もあるんじゃないでしょうか。ギャラリーや画材屋がひしめいていて、こんな素敵な顔料を並べたショウウィンドウも。ああ、時間のないのが憎い!と思いながら通り過ぎました。



ビエンナーレ見学に行く朝、大運河を行く高速水上バスに乗りましたが、大好きなペギー・グッゲンハイム美術館の前を通過。次回は、また訪ねたいものです。


運河に面した部分の彫刻は、定期的に入れ替えるのですね。今は、建築ビエンナーレにもマッチした現代作品が。

そして、これが昨年訪ねたプンタ・デッラ・ドガーナ、安藤さんの再生した、もう一つの建物。


建物の先端に置かれた少年が見えるかな、と目を凝らしていたら。


なんと。少年の彫像、ガラスのケースに覆われています。え~?すごく変。誰かにいたずらでもされたんでしょうかねぇ?これじゃインパクトゼロって言うか、だめでしょ。なんかがっかり。開館してたった一年でこういう変化は、ちょっとね。

ちなみに、パラッツォ・グラッシとプンタ・デッラ・ドガーナは、共通入場券だとお得感がありますが、別々だと、え、高い、という値段ですので、是非セットで見学することをお勧めします。現代美術好きであれば、一度は訪ねてもいいかと思います。ロケーションの特殊さがね、やはり印象的。
実はね、パラッツォ・グラッシ、一番インパクトのあったのが、運河に向かって開くようになっているガラス窓の、レバーだったりします。キンキラキンで、すごくバロックした、天使とか飛んじゃっている装飾的なレバーで、こんなもの、今では絶対どこでも見つからないっていう代物。まさに建物のオリジナルのものを、再生したのか、またはそのまま使っているんでしょうね。階段の手すりなんかもそういうタイプの鋳鉄で、超好みでした。
そういう現代美術館っていうのも、なかなかいいもんですよ。
わたしは別に安藤忠雄さんのファンって言うわけでもないんですが、この二つの建物の再生については、結構よかったんじゃないかと思えました。
  1. 2010/10/22(金) 04:50:19|
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ベネチア、建築ビエンナーレ、その8

中央展示館。
いきなりですが、総合ディレクター妹島さんの部屋。


これじゃよく分からないんですが、部屋全体が瀬戸内海の等高線地図って言うか、高低差のある地図モデルになっていて、彼女の瀬戸内海プロジェクトを視覚で紹介しています。直島とか、いまや現代アートですごく集客しているプロジェクトですね。
他の部屋に、面白いビデオもありました。空撮と、地面から撮っているビデオが裏表に映るようになっている部屋で、最初どこなのかも、裏表のつながりも分からなかったのですが、見ていると、所々に変なものがあるけれど、やっぱり日本の風景で。あ!そおか!といい加減たってから分かりました。確かに面白い。この瀬戸内の島々、いつかゆっくりと訪ねてみたいものです。


ああ、これも全然写真じゃ分かりませんね。巨大モビール。でも、実際に見ても、コンセプトとか全然分からないですけどね。
ただ、なんかきれいだな、と。
一方、こういうのはかなり建築っぽいですね。


これは、かなり好きだった作品。
でも、なんだか全然分からないんだけど。


7,80センチ四方くらいのどピンクのお家っぽいものが展示してあって、周りに薀蓄っぽく、そのお家っぽいものを、実際の風景においた情景の絵画(合成写真かも)とかが嘘っぽくあるんです。その嘘っぽさが現代アートっぽくて面白かったのです。
これは、単純にきれいだった。


で、バッテリー切れ。
このあとは、ひたすら眼福と思って、写真のことは考えず、ある意味潔く正しく、自分の目だけで楽しんできました。

日本館は、思った以上に面白かったのが、意外だったかも。出展者が実際の建築を写真や模型で所狭しと表現しているんだけど、とても現実的でいながら仮想的な住宅で、面白かった。日本の建築、実に面白い方向に進んでいます。日本の風景を撮ったビデオもよかったんですよ。
ビデオといえば、今回の花形は3Dかも。入場時に3D用のめがねをもらえたので、ちょっと楽しみだったんですが、作品によっては、かなり楽しめました。特にオーストラリアの3Dビデオは、身体が飛んでいくような気持ちよさで、あ、3Dはやるのも当然か、と初めての体験を楽しめました。

建築ビエンナーレ、全体に、アートに比べると地味だけど、その分とっつきやすいものもあり、それはもしかすると妹島さんの企画力のためなのかもしれないし。でもおそらく建築が方向性を変えているのは確かなのではないかという気がします。

今回は、これで終了。日本館も含め、各国のパビリオンを写真で紹介できないのは、とっても残念ですが、仕方ないですね。
来年はアート、そしてその次はまた建築。会期も長いことだし、これからはまめに行くことにしましょう。
お付き合い、ありがとうございました。
  1. 2010/10/21(木) 04:52:58|
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ベネチア、建築ビエンナーレ、その7

ビエンナーレのメイン会場であるジャルディーニに移ります。アルセナーレ会場からは、歩いて10分くらい。



入り口を入ってすぐの場所に、ちょっと懐かしいような無骨な木の椅子が積まれています。アートのビエンナーレでも、いつもマスコット的なオブジェがあって会場のそこかしこにさりげなく置かれていますが、今回のビエンナーレでは、この木の椅子がそういうモノだったみたいで、会場のあちこちに置かれていました。実際、実用的な椅子ですから、とても便利。

この会場は、各国のパビリオンになっています。とにかく手当たり次第にのぞくことにしました。
まずはとっつきにあるスペイン館。すっごくまっとうに建築しています。展示も、超まっとう。アルセナーレで、散々アート系の作品を見た直後だけに、あ、今回は建築だったね、と気持ちがあらたまります。


そしてお隣はベルギー館。


ここでは、いろいろな建築資材や建物の一部が、インスタレーションっぽく展示されていて、何がどう、ではないのですが、ちょいと面白かったですね。階段の手すりが壁にかかっていたり、壁材が床に並んでいたり、そういうもの。
次はオランダ館。この作品は、結構好きです。


発泡スチロールのような素材で、市街が作られているんですが、吹き抜けの部分につるされているんです。上からは地平線までずっと建物に覆われた大都市の風景が見えるんですが、下からは、青空。詩的な感じもありませんか。

次は、各国のパビリオンではなくて、フューチャー館とでもいう中央展示館。基準はよく分からないのですが、おそらく招待作家の作品が展示されているんだと思います。
入り口には、椅子?およそゆったり座れないけど、でもよじ登っても何してもOKみたいな作品が、展示されていました。


ビエンナーレのいいところは、写真は撮り放題だし、特にお断りがなければ触れるものも多いし、そういう解放的な部分。実際、子供連れで来ている人たちも多いし、子供も結構楽しんでいるようでした。ここに来ると、建築もそうですが、現代アートも、実はすごく分かりやすい身近なものなんだなって感覚を持てると思うので、子供を連れてくるのはとてもよいことですね。
しかし、撮り放題の写真なのに、実は早々にバッテリー切れ…。
いや、もうちょっと続きますけどね。
では、続きは次回。
  1. 2010/10/20(水) 05:02:43|
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ロマネスクのおと更新のお知らせ ピサ編



予定より1ヶ月ほども遅れてしまいましたが、やっとピサを編集できました。旅からはすでに一年以上たっているのですが、これが意外と覚えているのには、われながら感心しました。というのも、実は写真と教会の名前を取り違えていたのを、地図と記憶をつき合わせて、はっきりと分かったからなんですけどね。いや、そもそも取り違えていることがどうよ、って感じもありますけど。

ルッカを勉強して、そしてこのピサを編集して、今、次回アップ予定のピストイアの資料を読み始めたところですが、わたし的には、このトスカーナ西部の、一見装飾的なロマネスクの中では、ピサ様式が最も好みみたいです。しましまも、石の色が中立的で淡いので、印象がさほど強くないし、幾何学模様はかなりすっきりしているわりには、ディテールはかわいいし。装飾的な部分ばかりが印象に残るカテドラルに騙されてはいけませんです。

今回もまた、資料はかなり読んだのですが、でも読んだほどは活用できず。もともとアートの面からアプローチしているし、したいので、あまり薀蓄ばかり披露してもねぇ、という葛藤があって。たとえば、他の地域を調べるときにそれほど気にならない石材の記述がすごく多かったりしたので、砂岩とか石灰岩とかそういうことも調べてしまう始末。おそらく石を多く産出している土地柄なんでしょうね。でも、うまくわき道にそれることが出来ず、石材話題はカット。そのうちどこかで。
その他にもロンゴバルドの土地管理人の話とか(よく分からなかったので、使用不可。これはいつかロンゴバルドでまとめてみたいです)。

早いところピストイア(+プラート+フィレンツェ)をまとめて、トスカーナ(西部)全体を眺められるようにしたいものです。目標は、11月初旬。そちらもお楽しみに。

では、まずはピサ・ロマネスク、見てやってください。
ロマネスクのおと
  1. 2010/10/18(月) 05:12:40|
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