ここ、実は見残しじゃないんです。去年訪ねたときに、ちゃんとファサードも、後陣も、そして中も見ているんですよ。それが、旅の直後に、すでに抜け落ちちゃっていて、記憶ゼロ。資料集めもせずにサイトをまとめだして、「ここ、見残した!こんなにドゥオモとかにも近いのに何で?」と思って写真の整理をしたら、ちゃんとあるじゃないですか。
サンタ・マリア・フォリスポルタム教会。
で、一応資料も集めて、サイトには整理したものの、どうにも記憶薄。それでいて妙な縁があるのか、今回たまたま脇を通りかかったので、改めてご挨拶です。
ファサードは、下部だけが装飾されているタイプですが、真っ白で、とてもきれい。
「あ、開いてる!」と喜び勇んで本堂に入りました。
実は、サイトにまとめたのもつい最近だというのに、この期に及んでもなお、中は入れなかった、と思い込んでいたんです。わたしの記憶力のいい加減さには定評があるんですが、ロマネスクに関しては、結構、目で見た記憶、写真に収めた記憶、時としてスケッチした記憶、訪問から一年たっても、わりと鮮明に思い出せることが多いのですが、これはひどかったなぁ。
帰宅して、去年の写真を見たら、今回よりよほどきれいに撮れた本堂内部の写真もありました。
というのは、去年は真夏で、強烈な日差しの中歩いていたので、薄暗い教会の中にも、結構灯りが入っていたんですよね。
これなんか。
古い小物があまりない本堂で唯一目に付いたローマの石棺。暗いのに、資料だし!と馬鹿みたいに何枚も撮ったんですけど、家に帰ったら、ほれ、この通り。
こーんなに、明るくきれいに撮れてるし。
ついでにこんなきれいな床装飾もありましたとさ。
なぜここまで覚えてないかというと、やはり、事前にチェックが抜けていて、目指していなかったからです。いつも、事前に行く教会のことは最低限のチェックをして、見所などはメモるのが習慣。でもこのサンタ・マリアは、ガイドブックの記述もすごく小さくて、完全に抜けていたんですねえ。
ここで学習したのは、事前チェックの重要さ。そして、教会訪問は、やはり日の長くて強烈な夏がベストということでしょうか。
ルッカ見残し、とりあえず終了。また訪問の機会があれば、きっと何か発見があることでしょうね~。見残しシリーズ、間歇的に続きそうです…。
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- 2010/11/30(火) 05:55:19|
- トスカーナ・ロマネスク
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また、わたくし得意の無料展覧会。つくづくまめにチェックしとかないと、と思います。無料だからって、全く侮れない質の高い展覧会、結構あるんですから。実際、今回のこのイタリア人アーティストの展覧会も、「ほんとに無料でいいんですか?」と申し訳ない気持ちになるくらいのものでした。
ミラノ上陸、というタイトルの展覧会。会場は二つ。まず最初に見るべきなのが、この中央駅前の広場に据えられた、巨大作品。これは、まさに「上陸」というタイトルで、前後に二人下半身だけ見えて、ひっくり返った船をかぶっています。旅の始まり、途上、そして終わりをあらわしているとか。ふむ。アイデンティティのない人のフィギュアは、ブロンズ製で、なんかこう、あいまいな感じを表して。誰でもあり、誰でもない、みたいな。ほぉ。で、これを見る人たちに、この人たち誰?どこに行くの?このひっくり返った船は何?とかそういうことを喚起するのではないか、と。
かなりでかい作品で、中央駅とのコントラストがよい感じで、わたしは好きでした。実はこれ、先日超早起きしてお出かけした日。夜じゃなくて朝なんですよ。なんか船の銀色メタリックな感じが、昼よりもいい感じで。
そして、次は、ドゥオモの脇にあるレアーレ宮に移動して、「群れ」。
これ、写真が全然うまく撮れてないんですけど、衝撃的にかっこよかったんですよ。
この会場、もともと王宮ですから、比較的小さめの部屋が次々と続くつくりで、その部屋ごとに、犬の群れがたくさん。素材は鉄、セメント、ブロンズ、いろいろ。大きさは、大型犬くらいで、すごい迫力。照明は暗めにしてあるので、部屋に入る度に、ドキッとします。全部で60匹。群れ同士で戦いが始まりそうなシーンとか、路地裏で休んでいるやつとか、要は生き残りを探る野良たちの姿。すっごいなぁ、しかし。うまい。
そして、同じ会場で、巨大なスケールの絵。「待機」。
なんか、船と犬と、つながりが分からないな~、と思っていたんですが、あとでパンフレットを読んだら、これ、画面中に点のように散らばっているのは、ちっさい人のフィギュアなんだとか。個人、集団、男、女、子供…。数限りない人の姿。あ、群れ?旅を待ってる?
そして締めは、王宮前の広場に置かれたこの子。「Kitezh」
金色メタルの大型犬。すっごくかわいいんです。この箱も合わせて作品みたいなんです。この子は、群れのリーダー。名前はKitezhです。ほんとだったら、この台の上に載って、群れを統率する役目を担っていたのに、もうそういう時代は終わってしまって、地面に一人座っていると。
とってもストーリーがあって、印象的で面白いのでしたよ。お勧め。って、行ける人はほとんどいないでしょうから、残念。
Velasco Vitali
Sbarco a Milano
Stazione Centrale + Palazzo Reale
13/11/2010 - 03/12/2010
- 2010/11/29(月) 05:45:36|
- アートの旅
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早いです、初雪!
このところ、ちょっと気温が下がっているな、とは思っていたのですが、でも、まだ11月だし、雪になるとは思ってもいませんでした。
朝ご飯をいただき、さてと、ブラインドを閉めて出勤か!と思って外を見てビックリ!
雪の日って、意外と寒さは穏やかだったりするんですよね~。外を見るまで、全く気付きませんでしたよ。
でも結構積もってて。
何も金曜日に降らなくてもね~。
週末は、車で出かける予定があるのにさ~。
でも幸い、ほとんど雨状態で、すぐに雪じゃなくなって、会社を出る午後半ばには、晴れ間まで見える有様でした。晴れてきたら、なんだかいきなり冷え込んで、雪のときよりよっぽど寒くて、今夜は珍しく5時間ほど暖房ONでした。
しかし、寒いし、初雪早いし、この冬も期待が出来ないどころか、こういうの、いやですねぇ。まずは来週末、パレルモ出発の日に雪、霧、霜は勘弁してくれ、というのが、今のわたしの心からの願いですねぇ。
- 2010/11/27(土) 06:44:55|
- ミラノ徒然
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ここは、嫌になるくらい見たんですけどね。ホテルも、ファサードから30秒って言うような場所だったし、この教会が目的じゃなくても、常にこのファサードを通り過ぎていたわけで。
ルッカで最も有名といっていいサン・ミケーレ。
では、何か見残しかというと、ここ。
これ、ファサードの上の方の、横っちょの姿。完全に見残し。
こんな隙間みたいな場所にも、しっかり象嵌があるんですよ、それもぎっしりと。全快の訪問から一年たって、いまさらながら、すごく驚いてしまいました。
横っちょだからといって、手は抜いてないですよ、勿論。
ほらね。
ここは動物シリーズで、三段に渡って動物モチーフの象嵌でした。そういうのもちゃんと計算されていますね。細かい仕事です。
この背の高いファサードの裏側、上部には、ちゃんと階段がありましたよ。ファサード正面は回廊になっているので、そこにアクセスできるんですね。メンテナンスもちゃんと考えられていて。
今、サイトでは、トスカーナ西部のシリーズを締める「ピストイア、プラート、フィレンツェ編」の整理をしているところなのですが、このサン・ミケーレの姿を見ていたら、フィレンツェでルネッサンス、っていうのが、すごく納得できてしまったというか。
ロマネスク様式でここまで建築も巻き込んで装飾的なのは、トスカーナのこの辺りの特徴だと思うのです。ピサが発祥で、それがルッカやピストイアや、巡礼の道に沿って内陸に伝播して、遅れていたフィレンツェにたどりつく頃には、かなり本来のテイストが変容して。そしてフィレンツェでは、ロマネスクとして定着するよりも、もう時代が先に動いちゃっていて、違うものになってしまったという感じ。それがつまりルネサンス。
フィレンツェのことを調べていたら、フィレンツェのロマネスクは、ルネサンスのプロトタイプというような記述もあり、非常に、納得できてしまったんです。
面白いですよねぇ。
- 2010/11/26(金) 06:10:42|
- トスカーナ・ロマネスク
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って、変なタイトルですが、今回展覧会のために訪ねた際、急ぎ足で、二つほど教会を訪ねました。
ルッカは、昨年訪ねて、その成果をつい最近サイトにまとめたばかりですが、まとめながら、いろいろ思うわけです。たとえば、中が見られなくて残念だった、とか、そういうことなら、もうちょっとしっかり見とくんだった、とかそういうこと。
最もそういう風に思わされたのが、サンタレッサンドロ教会。
これです。
おお、相変わらず地味な佇まい。このサンタレッサンドロは、ガイドブックでもほとんど記述がないし、というより、普通の観光ガイドでは、まず触れているものはないような教会です。ロケーションは、サン・ミケーレからも近く、かなり町中なのですけれど、それでも相当居住ゾーンぽくて、この周囲には観光客はほとんど来ない、そういう場所。
だけど、サイトのために調べていたら、ここはルッカの教会のプロトタイプであるという定義なんですよね。
ただ、わたしが訪ねた昨年は、時間にかかわりなく、あいている様子はなかったのです。
ところで、今回行ってみると、あれ?扉がわずかに開いているじゃないですか。
思わず覗き込んでみると、思いっきり工事中で、扉のすぐ内側に、「工事中、立ち入り禁止」の柵が置かれていました。
すかさず、覗き込みます。
とても典型的な伝統的なロマネスク様式です。美しい小ぶりのアーチ、交互に並べられた角柱円柱に分割された三身廊。柱頭は、ちょっと気になりますが、感じとしては、ローマ時代のものの転用でしょうか。
6倍ズームで無理やりアップ!
植物モチーフ。転用、またはロマネスク当時のものの可能性もあり。もう少し明るいとよかったんですけれど。上のほうの壁には、人の頭のフィギュアっぽいものも、写真には写っていました。
正面奥に見える後陣には、モザイクがあるようでした。聖母子みたいです。
ロマネスク風ではなかったので、おそらく後代のものですね。古い時代に、後陣に聖母子、はないですよね。
一応工事中。でもすでに十分きれいに修復されているので、おそらくもうしばらくしたら修復完了ということで、普通にオープンするんだと思われます。ちょっと先取り、得した気分になりました。
もしこの内部撮影が重要そうだとしたら、サイトに追加してアップデートしますね。いつか…。
- 2010/11/25(木) 05:58:18|
- トスカーナ・ロマネスク
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すっかり花も終わって、葉っぱの刈り込みも思い切ってやって、さびしい姿になってしまいました。
こんな立派だったのが、
こんなしょぼい姿に。
でも辛い思いをしながらも刈り込むと、来年までには、また同じようなところまで葉っぱが次々と出てきて、また見事な鉢になるんですよね。
ところで、今回、鉢が四つもあったからでしょうか。気付いたことがあります。
花の写真を撮っていて、あれ?と思ったのですが、こうして、全身反り返っているタイプと、
普通に、広がっているタイプと、
花の佇まいが、同じ鉢でも花によって違うんですよ。初日だけ思いっきり反り返っていて、その後徐々にだらりと広がってくるとか、そういうことなのかもしれないんですが、反り返りタイプの頑張りが、なんだかすごくて、いじらしかったです。
ああ、やっぱり美しいですね。
えいっ!もう一発!
では、来年までさようなら。またのお越しを、首を長くしてお待ちしております。
- 2010/11/23(火) 05:26:43|
- 植物、花
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最近お気に入りのプチ旅行。今回は、ルッカで開催中の中世がテーマの展覧会訪問と、モデナのカテドラル再訪を目的として、一泊二日の旅をしてきました。短い旅なのに、移動距離は、直線距離でも往復約600キロ!週末だけでも、やる気になれば、いろんなことができるんですね~。
さて、展覧会です。
ルッカは、起源も古いし、どの時代においても、それなりに繁栄を謳歌してきた場所で、中世期も例外ではありません。そのような歴史を背景として、この町は、中世史の中でキーワードの一つとなりえる場所なのですね。
昨年、旅したときには残念ながら全然知らなかったのですが、そういうルッカには、中世のものを多く抱える組織が二つあります。一つが、今回の展覧会の会場であるラッギアンティ財団、そしてもう一つがヴィッラ・グイニージ国立博物館。
ラッギアンティ財団は、ラッギアンティさんが寄贈した多くの芸術品を保管展示する組織で、今回の企画は、ラッギアンティさん生誕百年記念ということらしいです。中世史の研究者であり、コレクターでもあった方のようです。多分すごく金持ち…。
Lucca e l'Europa - un'idea di medioevo V-XI secolo
25/9/2010 - 9/1/2011
Fondazione Centro Studi sull'Arte Licia e Carlo Ludovico Ragghianti - Lucca
建物も、古い修道院を再利用したもので、雰囲気があります。
展覧会は、残念ながら、というか当然のことながら、撮影禁止でしたので、購入したカタログの写真から、ちょっと中身をご紹介します。
とてもコンパクトでしたが、質の高いよい作品が展示されていたと思います。時代も、ぴったりとわたし好みの時代。
まずは、やはりロンゴバルド時代。最近のマイブームですからね。思わず力が入ります。
コインって、歴史を語る上では、必ず出てくるアイテムですが、正直言って、全然興味を持ったことないんです。ローマ時代のコインって、別に面白味も感じないし。しかし!ロンゴバルドは、コインも超かわいい!もともと金細工では定評のある民族ですから、金属細工そのもののコイン、そこにあの素朴な石細工のテイストが組み合わされて、あああ、ちょっとこれほしいんですけど~、というコインが目白押し。
ね?かわいいでしょぉ?
前にもどこかで触れたと思うけれど、ロンゴバルドに興味が湧いたのは、とにかくモチーフがかわいいし、不思議なイメージが多いからなんです。ヘタウマでもあるけれど、かなり写実的でうまいローマとは違って、抽象的な想像力にあふれている部分があると思うのですよ。だけど、これまでの歴史研究では、「蛮族」ということで切り捨てられて、アート的な側面は無視されがち。実際、「蛮族」となると、なんかひげ面のマッチョが、常に武器を振り回して暴れている、というイメージが湧きませんか?わたしは、ず~っとそういうイメージを漠然と抱いていたので、繊細でかわいいロンゴバルドの芸術を知ったときは、ある種のショックを味わったんですよねぇ。
ただ、金属細工だけは有名だったんですよね、昔から。
これは、ヘルメットを飾る金の装飾。
こちらは超有名な作品。ロンゴバルドというと必ず出てきますね。すごく小さな作品です。横幅10センチはないくらいだったと思います。
すごく小さいのに、細部まで、細かい模様が掘り込まれていて、とても精巧なものです。おそらく、武器のどこかに取り付けられていた装飾。
そうなんですよね。実はロンゴバルドって、すごくおしゃれで、武器の装飾がすごいんですよ。戦う人たちだったから、武器が重要で、だから武器にも凝ったのかもしれないけれど、盾とか、刀のつかとか、弓のどこかとか、よく分からないんですが、すごくたくさんそういうところを装飾していたものが残っているんです。金属だから、よく残ったんでしょうね。それがいずれも、とても繊細な仕事で、またかわいいんですよ。この騎馬のモチーフなどは、ヘタウマでもなんでもなく、とてもうまいですしね。
「蛮族」だからって歴史上も重要視されていないし、その後のカロリング朝に押されて、まるで文化がなかったかのように扱われているロンゴバルド、とんでもないんですよ。
これもどっかに付けられていた金属片のモチーフ。
これなんか、横幅2センチもない小さなもので、肉眼でも細かいモチーフなんて見えなかったんですが、拡大写真でみると、あらまぁ、細かい!すごいぞ、ロンゴバルド!
続きます。
- 2010/11/22(月) 05:58:20|
- ロマネスク全般
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ノバラ県のロマネスク、とりあえずの最終回はノバラです。
町の中心にあるドゥオモと、それにくっついている洗礼堂が、目的ですが、このドゥオモ、外観は、中世の名残がほとんど見られないという代物です(鐘楼の下部がちょっとだけ)。
ネオクラシック様式で覆われてしまっていて、オリジナルの建物の姿は影も形も。近寄るのもいや、という佇まいではあるのですが、実は、中にひっそりと中世の名残が生きているらしいんですよねぇ。
まずは、正面右奥にあるキオストロ。
ぱっと見た感じは、かなり新しくきれいになってしまっているのですが、北側部分は、11世紀、それ以外は12世紀のものなんです。
そして、本堂内陣に、やはりその時代の床モザイクがあるらしいんですよ。
しかし、暗いし、そばには近づけないし。最近購入した光学6倍のデジカメでも、このくらいがやっとです。
その辺りをうろうろしていると、ちょうど、教会守のような人がいたので、訪ねたら、ここは、教会付属の博物館のガイドツアーでしか見られない、いずれにしても撮影禁止、博物館は15時以降オープン、という取り付く島もないような対応でした。
こんなこというのもなんですが、意外とたいしたものがない場所ほど、変にタカビだったりする傾向ってあるような気がします。思わず、けちけちするなよ~、といいたくなるような。大体、このネオクラシックのカテドラルに、わざわざ中世を探してくる人って、そういるとも思えないし、もうちょっと親切にしてもいいじゃん、と逆恨みというか。対応一つで、印象って随分変わりますよね。普段は、教会が開いていると、感謝の気持ちでわずかなお賽銭でお灯明をあげたりするんですが、思わず、何もせずに出てきてしまいました。
実際、本来の目的であった洗礼堂も、博物館のガイド・ツアーでしか入れないシステムになっているようで、訪れた午前中はクローズ。
洗礼堂も、ネオクラシックの建造物に取り囲まれて、本来のお姿は一部しか見られません。んもぉ、こういうのやめてほしい!
周りとうろうろとして、何とか全体を見ることの出来る場所を発見。
でも、近すぎて、全体像の撮影は不可能…。やめてくれ~。
ここは、11世紀早々の時代のフレスコ画が保存されているのですよ。外壁の保存状態を見ると、中も期待出来そうではないですか。
というわけで、今回は残念な結果となりましたが、次回は、午後の遅い時間に訪ねてみることにしようと思います。霧のない週末があれば、是非年内に他の町村と合わせてトライしたいところです。
最後に秋の風景。教会近くの公園です。
美しい紅葉でした。
- 2010/11/18(木) 06:03:41|
- ピエモンテ・ロマネスク
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ノバラ県のロマネスク、続きです。
この前たずねたビアンドラーテを、西に向かったところにあるサン・ナッツァーロという村。
Abbazia di San Nazzaro - San Nazzaro Sesia
サン・ナッツァーロ・セージアのサン・ナッツァーロ修道院
ここがまたよかったんです。恐るべし、ノバラ県。ひっそりきっちりとお宝がお宝らしく眠っています。
ゴシック入っているので、好き嫌いはあるかもしれないんですが、普段だと、「ゴシック入ってるし、だめじゃん」と一刀両断のわたしが、意外にも気に入ったんですよねぇ。
こんな感じです。
本堂のファサードは、時代が下ってしまうのですが、ロマネスク時代の建物は、その手前両側にあるポルティコ。こちらはレンガも、ところどころ混ざっている礫もいかにもロマネスクの時代のもので、全体のバランスがすごくよくて、実に美しい佇まいなのです。えええ~!と息を飲みました。
このポルティコと教会の組み合わせのスタイルが、とても不思議です。こういうの、ロメッロだったか、ロンバルディアのはずれの教会にもあったように思うのですが、かなり珍しいスタイルだと思います。
このポルティコの内側は石が並べられているんですけど、こういうのにぐっと来ちゃうんですよね。かなり病気です。
本堂内部は、ロマネスク的にはあまり興味深いものはなかったのですけれど、キオストロから本堂に入る扉に取り付けられた古い鍵に、またぐっと来てしまいました…。
扉の脇にあった、「教会の扉はいつでも開いています」という小さな張り紙も、なんだかとても暖かいものを感じてしまいました。
立派なキオストロ。これは随分あとの時代のものです。後ろ側に見える塔は、ロマネスク時代。とても頑丈そうな巨大な四角の塔で、こちらもレンガと石の並びが素敵でした。
どの田舎も、村そのものがかわいらしくて、そして教会には必ずみるべきものがあるという、もう病の高じている私には天国のような土地ですね、この辺り(その上平地で坂道の恐怖なし!)。このサン・ナッツァーロも村のたたずまいがとてもかわいらしくて。
こういう感じ。
本当のかわいらしさが分からないと思いますけれど、まず田舎町特有の、せいぜいが二階建てのこじんまりとした建物の連なり、そして、まるでベネチア周辺のように、各建物が、異なる色できれいに塗られているんですよ。一歩間違えるとディズニーランド状態で、いやらしいものにもなりかねないんですけど、この村の様子は、うまい具合にひなびていて、わたしはとっても好きでした。
修道院以外に何があるっていうんでもないんですが、ただなんとなくドライブに出かけてもいい土地だと思います。おそらくおいしいご飯にも出会いやすいでしょうし。
これから、いろいろと調べるのが楽しみな教会ばかり。
ノバラ県、残りの場所も、近いうちに訪ねたいものです。
まだ続きます。
- 2010/11/16(火) 05:14:15|
- ピエモンテ・ロマネスク
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ノバラ県のロマネスク、続きです。前回訪ねたカサルヴォローネを、数キロ北上したところにある村です。
Chiesa di San Colombano - Biandrate
ビアンドラーテ、サン・コロンバーノ教会
19世紀の再建という情報を得ていたので、多くは期待せず、訪ねました。村は、街道沿いの小さな村で、家々の背が低くて、とても好ましい田舎。どの家もこぎれいで、この地域の豊かさを感じさせます。道もとてもきれいに舗装されていて、ごみ一つ落ちていないんです。
で、教会はすぐに分かったんですが、おおお、再建だ~。ロマネスクの名残があるということだったけど、早くも期待薄です。
ここ、本堂入り口にある前室アトリウム部分。これが、ロマネスク・オリジナルの名残の構造物です。
無残にも、漆喰が塗りたくられ、ところどころにゴシック時代以降のフレスコ画。うーむ。
せっかくの柱頭も…。
漆喰で塗っただけでは飽き足らず、変なレンガ色に塗られた上に、しましまにされていて、なんとも哀しい姿でした。浮き彫りがしっかりと残っているだけに、残念感が返って高まります。せめてこのレンガ色、はがすわけにはいかないんでしょうかね。
内部もしっかりとバロックのキンキラになっています。
ま、仕方ないですね。一部の構造が残っているだけでも、ちょっとは過去が髣髴とされるし、それでヨシといたしましょう。
と思いつつも、しつこく外壁までチェックするわたくし。習い性とは恐ろしいものですね。そして、発見したのが、これです!
二股人魚~!
この夢見る人魚、これまでに見た二股さんの中で、文句なく一番のかわいさです。うっとり夢見て、愛らしいいい。
これもレンガ色に塗られちゃっていますが、オリジナルは、おそらく白い石だと思うんですけどねぇ。そして、他のレリーフとあわせて、ロマネスク起源のものと思うんですけどねぇ。
ほら、これも同じ外壁にあったもの。
うれしくなっちゃいました。やはりしつこく探すもんだな、と。
見るべきものは本当にちょっぴり。でも、この人魚には、また会いにいきたくなりそうな気がします。
- 2010/11/14(日) 05:20:22|
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