いやはや、今年も暮れちゃいますね~。 ついこの前、大晦日の花火を楽しんだばかりって感じなのに、もう。まったく、時のたつのが恐ろしいほど早い今日この頃です。これが年をとるっていうことなんだろーなー。 今日仕事納めでした。 年末最後の日だというのに、周りも自分もすごくのんびりしていて、この辺がイタリアかな~。みんな、一日のほとんどを同僚とのおしゃべりで過ごしてたし、4時過ぎくらいからどんどん退社が始まって、私が退社した6時には、当然のように、もう誰もいない状態でした。メトロもトラムもガラガラ。みんな明日の大宴会に備えてるんだろうな~。 私は、明日出発で、二週間東京のバカンスです。 幸い気温が上がり、明日の予報も晴天。雪の心配がないだけでもほっとしています。 荷造りもほぼ完了。午後出発なので、のんびりです。 ただ、なぜこの期に及んで!という感じで、ちょっと風邪気味。なので、さっさと寝ることにします。 来年もまた、ロマネスク中心に地味な記事をアップし続けていくつもりですので、よろしくお願いします。 サイトの方も、よろしくお願いします。ただ、パソコンを変えてから、HTML打ち込みができず、年内更新準備すらできず、このところ毎日いらいらしながら、ああでもない、こうでもない、といじっていました。もし、海外使用のパソコンで、ウィンドウズ7で、日本語でHTML打ち込みなどされている方がいたら、是非ご助言くださいね。 今年、遊びに来てくれた皆さんに、ありがとう。そして、来年もまたよろしくお願いします。 ではよいお年をお迎えください。みんなにとって、よい年になりますように。
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2010/12/31(金) 05:30:12 |
ミラノ徒然
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さて、パレルモもいよいよ佳境。ほとんど誰も行かない教会なんかも行っちゃいます。とはいえ、ここはロケーション的にはアクセスが簡単なので、中世好きな方は、結構しっかりといってるかもしれませんね。
マジョーネまたはサン・トリニタ教会 Chiesa della Magione
ファサードは、アラブの影響色濃く、ロマネスクの付け入る隙はない感じです。アクセスはちょっとかっこよいんですが、でも実は、この教会へと続く通路の左側には、宗教施設があるんだかなんだか、アフリカ系の黒人がわらわらといて、独特の雰囲気がありました。何とかセンターとか何かがあるのかもしれません。怖い雰囲気ではありませんので、行こうと思われている方は、是非気になさらずに行かれてください。
教会本堂の中は、こんな感じ。
わざわざ行かなくてもいい感じ。一部はオリジナルの中世の石積みが残されているようですが、ほとんどは後代に手が入っているしね。
ここを訪ねた目的は、キオストロです。
これ。
入るとき、私設なのか何なのかわからない受付みたいな人がいて、喜捨をお願いしますとか言われて、そこを通らないと入れません。教会は基本無料なので、喜捨は当然なのですが、でも、もしかしてこの人のポケットに入るのか、と思わされるような状況だと、つい躊躇します。ここにいた人も、いかにも、喜捨を生活の糧にしています、みたいな感じの人だったんで~。でも、キオストロが目的ですから、仕方ないし。
で、キオストロ。撮影禁止、といわれたけど、こそこそと隠し撮り。
実は、四角のうち、南側(上の写真)と、北側(下の写真)の回廊が残っているだけです。
南側は、円柱や柱頭がそれなりに残っていて、雰囲気がありますが、北側は、アーチ部分以外は、ほとんど修復の賜物ですよね。ただ、東側は普通の住宅、西側は後代にたてられた教会で壊されてしまっていることを考えると、これでも、よくもまぁ残ったもんだ、と感心しました。オリジナル部分は、11世紀という古さですからね。ただありがたいと思うしかないでしょ。
中世、というくくりだけで、どの国でも町でも、とりあえずアクセス可能な場所は行こうと思ってしまうし、なるべく行くようにしています。で、結果的にたいしたことがなくても、行ったという事実に満足しちゃうんですよね。逆に言うと、行けなかった場合、もしかして、とんでもなくすばらしいものがあったかも、という後悔に押しつぶされて、またの機会を探ろうとしたりしますので、とにかく行くことが重要だったりします。 このマジョーネ教会も、まぁそういう場所だったかと思います。 というわけで、やっぱり行っといてよかった!
2010/12/30(木) 06:01:40 |
シチリアの中世
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カテドラル、内部に入ります。 目指すはクリプタです。ほかは、どこもここも後代の手が入っていますが、クリプタは、カテドラル創建当時、11世紀とか12世紀の姿をそのままとどめているんです。 しかし、笑っちゃいました。結構苦労したんですよね、ここの観光。
サン・ジョバンニ・デッリ・エレミティ教会を見た後、他の観光をしていた友人と落ち合い、町の中心部に戻るつもりでしたが、友人が「ちょっとカテドラルに寄りたい」と言います。彼女は、私が観光していた時間に、すでにカテドラルに行ったのですが、クリプタに入ろうとしたら、「照明がつかなくなった」という理由で、チケットを買ったというのに宝物室のあといきなり追い出されたのだそうです。で、お昼まではあいているから、もう一度後で来たら、そのチケットで入れてやるから、と言われたそうなんです。 私はクリプタには興味があったものの、時間的に無理そうだったので、他を優先したのですが、まだ間に合います。では、と訪ねたところ、今度はなんと、カテドラルそのものがクローズになっています。??? まだ十分すぎる時間があるのに変だな~、と思っていたら、クリスマス・ツリーが運び込まれて、カテドラル前の広場に設置されようとしています。もしかして、このため? 仕方ないので、他の観光をして、さらにちょっと時間があったので戻ったら、今度は何事もなかったかのようにあいているんです。 で、クローズまで20分弱しかないけれど、あわててクリプタに向かいました。 チケット売り場では、「今頃きやがって」的ないやな顔を露骨にされたけれど、かまっちゃいられません。
本堂の片隅にある小さな扉をくぐり、宝物室を急ぎ足で通りすぎます。奥のほうで、プレゼピオの飾りつけ中。その前にあるダサい階段をくぐります。
いやはや、びっくりしました!いいでしょぉ、これ?
いきなりこんなにロマネスクに出会えるなんて、想像外だったので、息を呑みました。
ここは優先順位低いし、見なくてもいい、なんて思っていたのですが、大間違い。すっごくいい感じでした。
ただ、ここは祈りの場所というよりも、もともと墓所みたい。アーチの間には、各時代、さまざまな意匠の石棺が置かれていて、それもまた面白いんですよ。
これなんかはノルマン時代の石棺。ふたの端っこの方に、蛇の尻尾をしたドラゴンが二匹、浮き彫りされています。ドラゴンって言っても、ぜんぜんかわいらしいんです。一匹はウサギちゃん、もう一匹は犬の顔してるんですから。
一方、こちらなどはかなり細かい彫り物がびっしり。
ローマ、初期キリスト教時代の石棺で、トレント公会議にも出席したという16世紀の著名な大司教様が眠っていらっしゃるようです。12人の人物が彫られているので、十二使途と考えられているようです。
こちらは、ちょっとわかりにくいのですが、黄金の混じった素敵なモザイク装飾がなされています。
まるで、石棺博物館。これは面白いです。石棺をこんなにじっくり見たことはなかったし、そもそもこれまで、こんなに多様な装飾の石棺を一堂に見る機会はなかったですね。石棺というとローマのものしかないように思っていたのですが、中世にも作っていたんですねぇ。
そして、それを何百年と時を越えて使いまわしちゃうところが、なんか石文化っていうか。
20分くらいしかないのに、とにかく目いっぱい楽しみました。クローズされちゃうと怖いんで、ばたばたと出ましたけど、係員は、やっぱりいや~な顔をしていました。きっと早くランチに帰りたかったんでしょうねぇ。
2010/12/29(水) 06:39:41 |
シチリアの中世
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さて、今度は、普通の観光でも、たいていの人が訪れるのではないかと思われるカテドラル。ここ、オリジナルはロマネスクながら、ぱっと見た感じでは、まったくロマネスクの名残もなくて、あまり興味がわかないのですが、実はちゃんと中世のものが残っているのです。だから、無視して通り過ぎてはいけません。
メインの入り口側から。細かい装飾が、バロックとかよりも、アラブ建築風ですね。アラベスク装飾、とっても美しいです。
で、驚いたのが後陣。今までまったくチェックしてないんですよ。
有名なモンレアーレのドゥオモと同じモチーフの装飾が施されています。残念ながら、ちょっと傷んでいるんですけれど、それでも十分美しい。まさにアラブとロマネスクの様式が融合した見事な装飾ですよねぇ。
実はこれ、入り口がわからなくて、うろうろしたおかげで発見したんです。道には迷うべし!って感じです~。
とりあえず満足。しかしこれだけ素敵な後陣があるんだったら、ほかにも何かあるんじゃないのか?と、目を皿のようにして外壁をなめていったら、おっ、何かそれらしい柱が残っています。
建物の角っこに、ひっそりと残された中世の名残。多分。誰も気づかないような、おそらく興味を持つ人なんか絶対いなそうな、とても小さなほっそりとした円柱です。
そしてまた、おっ。
これはかなりびっくりしました。メインの入り口の上にはめ込まれた、小さな黄金のモザイク。かなり小さいので、肉眼では細部まで見えなかったのですが、雰囲気的には中世なんですよ。実際、こうしてズームアップした写真だと、聖母のりんごのほっぺたや、両脇の天使のかわいらしさが中世っぽい。
でも不思議。もともとどういう形だったんでしょうね?か、後付でどっかから持ってきたんでしょうか。
内部は、壮大なバロックですが、実はお宝が。本当の目的はそっちで、外観には一切期待してなかったのに、意外とあるもんですね。やはりパレルモ、恐るべし。 内部は次回。
2010/12/28(火) 05:25:44 |
シチリアの中世
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今年は、ってこのところたいていそうなんですが、お家ご飯で、友人と延々と飲み続けるクリスマスでした。それなりによいワインをいただいたので、ひどい二日酔いはないですが、やっぱりなんとなくだるいし、やる気がない感じで、サント・ステファノの今日26日は、だらだらと読書で終わりました。
旅でも、ご飯の写真を撮る習慣がなくて、先日シチリアご飯でトライしたんですが、どうにもひどい写真ばかりで、ちょっとへこんでいました。で、今回、ちょっと落ち着いて、撮影してみました。でも、料理の写真って、難しいですね。
前菜。スモークサーモン、えび、ホタテのマリネ、にんじんとくるみのサラダ、ブロッコリーのアンチョビ・ソース盛り合わせ。
プリモは、写真を撮り忘れて、すでに食べちゃってます。きのこ二種のピリ辛しょうゆ風味。パスタは、手打ちの卵麺。でも塩が足りなかったのか、さえないパスタだったんで、和風ながらパンチのある濃い目のソースを創作しました。
セコンドは、スズキのトマト・ソース添えと、マッシュポテト。
トマト・ソースは甘みたっぷりのプチ・トマトを煮込んでやさしいお味になりました。クリスマス・イブはお魚、クリスマス当日は肉を食べるのですが、でも友人の好みに合わせてお魚中心メニューとなりました。
デザートはおもたせで、マロングラッセのベネツィアーノ。
ベネツィアーノって、パネットーネの時期に売られる似たようなお菓子。パンみたいな素朴なお菓子ですが、これはマロングラッセが中にもたっぷりと入っていて、かなり甘いし重いお菓子でした。でもいい加減酔っ払っていたので、思いっきり全部いただいてしまいました。
ワインは、オルトレポの友人のところのスプマンテ、そしてシチリアのネロ・ダヴォラ、デザートには、やっぱりオルトレポの赤の甘い発泡酒をいただきました。
ちょっと飲みすぎでは。はい。でも昼過ぎから、延々夜の11時過ぎまで飲んでましたから、飲みながらアルコール分解しているいつものパターンで。とはいえ、最後は相当酔っ払い状態で、へべれけでべらべらしゃべっていたような。
ま、クリスマスだし!
年末まで禁酒で、一時帰国に備えることとしましょう。
2010/12/27(月) 05:39:49 |
ミラノ徒然
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サン・カタルド教会 Chiesa di San Cataldo 昨日のマルトラーナのお隣にある教会。本当にすぐお隣なんですよね。ここまできっちりと横並びって言うのも、なんだかとっても不思議。もともと宗教的な場所だったということなのでしょうけれども。ただ、マルトラーナの方は、外観がすっかりバロックになっているだけに、一見、まったくしっくりしない眺めです。
このサン・カタルドは、屋根に三つかわいらしく並んだピンクのお饅頭が特徴で、起源はやっぱりアラブなんだと思います。
この四角くて、できる限り装飾しないって言うストイックな感じが、アラブじゃないですか。そしてここ、後代にもほったらかしだったんですよね、多分。そのおかげで、派手なモザイクはないものの、とても素朴な当時の建築をしっかりと味わえるんです。
中に入ると、思わず声が出ますよ、北イタリアあたりの素朴ロマネスク好きだと。
石積みの感じがとってもよいんですよ。
そして、北では絶対にお目にかかることのできない、窓を装飾する石のステンドグラス。って変ですけど、アラブのモチーフが石ではめ込まれた窓。これは、とってもきれいで、ステンドグラスよりも好きかもしれないなぁ。だって、外から見ても内から見ても、床に映った光を見ても、完璧にきれいなんですから。
そういえば、ローマの窓にも、ここまで凝ってないまでも、こういう石造りの装飾がはめ込まれている教会が結構ありましたが、もしかして、起源はここかな。
すべて石の質感であふれた教会です。
柱頭は、おそらく、中世というよりも、古代のものの流用が多い感じでした。
でも、これなんかは中世ですね。
この教会で、装飾として注目すべきは、床モザイク。
もう確信。コズマーティの起源はここですよね。アラブ。
全体が磨り減っていて、でも色彩は今でも鮮やかで、実にすばらしいものですよ。
とにかく、床も壁も天井も、注目すべきはモザイク。でも同時に、基礎にある建物そのものがすばらしいんです。ここの石積みも、本当に一見の価値があります。
2010/12/25(土) 06:21:35 |
シチリアの中世
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マルトラーナ教会 Chiesa della Martorana
さて、パレルモのモザイクの真髄に迫りますよ。
次は、旧市街の中心にあるこの教会です。サン・カタルド教会と仲良く並んでいるこの教会、外観はバロックなので、よもやこんな中世の宝物が隠れているとは、にわかには信じがたいようなとこなんですよ。
その上、私が訪れたときは、驚いた~。こんなですよ!
うへぇ~、修復かよ~、と一瞬がっかりしたのですが、ありがたいことに修復は外側中心で、中は、ファサードの裏側が足場で隠れていたものの、それ以外は鑑賞することができました。
ただ、ここ朝一番で行ったら(この教会は、パレルモでは珍しく8時からオープンしています)ミサの真っ最中で、午後一番に戻りました。朝一番で見ようと考えている方、まずはミサがあるので、行くとしたら9時半ごろがベターです。ちなみに、お隣のサン・カタルド教会は、オープンが遅いので、注意。
さて、アクセスは、建物の裏側に回って、もともとかなり狭い道を行くのですが、この工事の足場のおかげで、それが暗くますます怪しい感じでした。
しかし、一歩教会に足を踏み入れたら、黄金のモザイクに目を射抜かれます。
狭いだけに強烈です。凝縮されているというのか。
ここもまた、テーマは聖書のエピソードが、大変わかりやすく描かれているのです。
どの方も、お顔がとってもかわいらしかったり、また、あ、ああいう顔の人っているよね、みたいな親しみやすい感じだったり。
あきませんねぇ。次回は、双眼鏡持参で訪ねて、いやになるくらいにじっくりと隅々まで見たいと思っています。そういう歩き方は、「とにかくモザイクだけを見る」とでも決めないと、なかなかできませんよ。
ここで目に留まったのが、いや、ここだけではないんですけれど、教会が狭いので、目に留まりやすかったんだと思いますが、こういう主要なテーマが描かれている以外の部分。たとえば、こういう窓周りの装飾。
窓の内側までびっしりと、とても美しいモザイクで飾られています。こういう、もしかしたらほとんど誰にも見えない、見られることのないようなスペースまでもきっちりと手を抜かずに飾りまくるっていうのが、なんとも当時の経済とか、権力とか、そういうことを感じさせます。
今は、一部しかモザイクが残っていない壁もあるんですよ。
全部残っていたらどんなだったか、と思うと、残念ですが、しかし、この地の石積みだけでも、実はすごく美しいではないですか。
モザイクの技術的なことはよくわからないのですが、やはり、地がしっかり平らでないとだめですよね。そういう技術があって初めてできるもんなのでしょうかね。いや、美しい切石積みです。
シチリアの驚異のモザイク群。以前、写真集を買おうかどうしようか、迷った理由がわかってもらえるのではないかと。 そういえば、その迷った本は、あちこちのブック・ショップで山積みでした。最近行ったミラノの本屋でも山積みでした。やはり人気があるんでしょうね。そしてパレルモでは、肉眼で見た後で、ついほしくなっちゃう人もいるんでしょうね。 でも5キロくらいありそうですから、とてもとても旅先で買えるような本ではないですけれど。
2010/12/24(金) 06:13:14 |
シチリアの中世
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サン・ジョバンニ・デリ・エレミティ教会 San Giovanni degil Eremiti その2
素敵に小さくてかわいらしいキオストロを抜けると、本堂が現れます。
とってもシンプル。ここは、装飾はほとんどありません。全体が単純な切り石積みだけなんですけれど、とても簡素な美が感じられます。中に足を踏み入れると、思わず「ほぉぉ」と感嘆。
クーポラのこういう感じって、好きなんですよね。円形の教会堂、アルメンノとか、マントバとか、ブレーシャとか、大きめの洗礼堂、カントゥとかのクーポラにありますけれど、装飾をすっきりと排除した潔さが、よいのですよねぇ。
ちっちゃい方のクーポラの内側も、なんだかいい感じ。小さくても、大きいのと同じように、ちゃんとぐるりと開口部が設けられていて、採光はかなりよいですよ。
ここは、グレゴリオ時代の修道院の一部と思うのですが、つながって、アラブ時代の建物が残っています。ただの四角い部屋でこれまた超シンプルなんですが、フレスコ画がちょびっとだけ残されているんですよ。
ほんとにここだけ、壁のほんのわずかの部分だけなんですが、それでもこれだけ色も残っているのって、奇跡みたいなものですよね。
そのアラブ部分の建物の外観。
相当修復はされているのでしょうが、いい感じ。この前の庭部分には、もう樹木化している巨大なサボテンがにょきにょきと植わっていたのですが、合うんですよね~、建物と。やっぱりちょっとアフリカ・テイストかも。
パレルモ、奥深いですね。どこに行っても、複雑な歴史が垣間見えます。
2010/12/22(水) 05:36:33 |
シチリアの中世
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サン・ジョバンニ・デリ・エレミティ教会 San Giovanni degil Eremiti
ここもまた、パレルモの中世を語るよすがとして、必ず訪れるべき場所です。ピンクのお饅頭クーポラとか、アラブのテイストもありますが、現在の建物は、12世紀グレゴリオ時代の修道院がもとになっています。
ノルマン宮からすぐそばにある、とても狭い場所なんですが、でも、緑が茂りまくるお庭、道から奥の方に入るので、激しい渋滞の喧騒から一足飛びに憩いの場所となるキオストロなど、なんというか、いきなりパレルモの町のカオスから、神聖な場所にどっぷりという雰囲気がとても不思議な場所です。
キオストロ。小さくてとてもかわいらしい。
二本と四本の組み合わせのほっそりとした円柱が優雅です。円柱が支える小さめのアーチも、プロポーション的にはぴったり。そして、アーチの縁取りも、装飾というにはとても地味ですが、なんとも繊細で、美しいです。
繊細といえば、ここで一番驚いたのが、実はこの柱。
昔あった建物の壁の一部が残っていて、そこにうがたれた二連窓の真ん中を支える小円柱。すごい細さで、目を疑いました。すっごい衝撃。ここ、キオストロの柱くらいの太さがあるのが普通の場所なんですよ。それが、本来あるべき太さの、4分の1か5分の1くらい?いやはやびっくり。もっとそばによりたかったのですが、無理だったのが残念。
そういえば、ここって、キオストロが、道からいきなりすごく高く上がった場所にあって、そこから崖のようになって、前の道とつながっているという不思議な地形です。ノルマン宮のあたりもかなりの坂道になっているので、ちょうど等高線が走っている場所なんですね、きっと。たぶんその地形を、すごくうまく利用した建築。
もうひとつ、キオストロ。
もともとはこんなに緑が茂ってなかったと思うんですが、今はちょっと英国式庭園みたいな感じで、これはこれで趣があります。
長くなっちゃったんで、内部は次回。
2010/12/21(火) 05:36:23 |
シチリアの中世
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ノルマン宮 Palazzo dei Normanni
名前から明らかなように、ノルマン王の宮殿がこれ。実は、もともとは9世紀、アラブ支配の時代に建てられた建物が元になっています。ノルマン王の時代に、拡張され、装飾され、その後もいろいろ手が加えられて、今に至ります。
その9世紀起源の建物が、実は今でも現役で、パレルモ市やシチリア州の機関が入っているようです。一部警察の事務所にもなっているようでした。
そうそう、正面の入り口に近づいたところ、どうやらそこは警察署の入り口だったので、前に止まっているパトカーの中でのんびりとおしゃべりしている警察官に、「ノルマン宮の入り口はどこなんでしょう」と尋ねたら、「ノルマン宮?何それ?」という、のけぞるような答えが。
同僚があわてた感じで車から出てきて、宮殿の入り口は、建物の裏なので、そこをぐるっと回って云々…、と丁寧に教えてくれました。
しかし、何それ、って…。
ちなみに、先だって紹介したパラティーナ礼拝堂は、この王宮の中にあります。
これが、パラティーナ礼拝堂のある階。とても素敵に繊細な中庭です。でも全体の構造は、結構新しい時代のものですね。宮殿は、この上の階、3階部分が見学できるようになっていますが、ガイド・ツアーなので、しばらく待ちました。こんなシーズン・オフでも、観光客は結構いるもので、結局15人ほどのツアーとなりました。
残念ながら、写真は、禁止。
ただ、現在見学できるもののほとんどは、中世よりもずいぶん後の時代のもので、だからそれほどがっかりすることもありません。特にすでにパラティーナ礼拝堂を堪能したあとですしね。
ここで、注目すべきなのは、ノルマン王ルッジェーロの部屋と呼ばれている一角のみ。
そこには、またまた黄金のモザイクがあるのです。ここは、聖書は関係なくて、さまざまな動物のモチーフが、どれもこれもとてもかわいらしくて、すばらしいのです。でも、撮影禁止の上に、部屋そのものに入ることもできず(入り口にロープが張ってあり、そこからのぞく)、不満が残りました。幸い、私のように、中世部分だけに特化した観光客はいなかったようで、ガイドの説明を無視してのぞきこみ、説明中一番前に陣取り、ほかの人々が一通り見たあとで、さらにのぞき込み、というように、最初から最後まで、いやらしいくらいに見てきましたけどね。
今回は写真なしですが、写真集はしっかり買ってきたので、サイト作るときにはしっかり載せますよ。
オリジナルのアラブ・テイストも、見学ルートでは見ることができないし、なんかな~って感じでしたけど、あら、こんなものが。
なんかよくわからないながら、テイスト的には中世でしょ。建物のアーチを支える柱の付け根部分にありました。よくこれだけ残されたもんです。
ちなみに、このノルマン宮のブックショップは、結構充実していましたので、お勧めです。
2010/12/20(月) 05:46:39 |
シチリアの中世
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