パウル・クレー・センター続きです。
2005年にオープンした当初は、やたらと作品がある、みたいな状態だったみたいです。とにかく持ってるんですよね。だって、多分かなり多作、とカテゴライズされるはずのクレーの生涯作品の半分近くを所蔵しているということですからね~。
でも、あまりにずらずら並べすぎるって言う批判もあったせうか、今は、とっても地味、スペースはたくさんあるので、量的にもちょっと物足りないくらいですねぇ。
それにしても、クレーの色彩感覚って、すごい~。本当にきれいなんですよ。油彩でも水彩でも、同じような透明感で、なんでこんな軽々と…ってびっくり。
全然、軽々と、じゃなくて、計算されつくした絵のはずなんですけどね、でも軽々としか見えないのが、本当にすごい。
シンプルな内装が、またクレーの作品のよさを強調しているような気がします。白い壁には、彼の直筆の詩とか、落書きみたいな絵が大きく描かれていて、とってもいい感じなんですよ。こういうのって、一歩間違えると、ただ安っぽいだけの展示になっちゃうと思うんですけどね、ここは、幸い、大丈夫だったと思います。
常設展と、わたしが行ったときは、コブラというMovementをフューチャーした展覧会をやっていました。
このコブラというのは、まったく知らなかったですけれど、クレーの基本部分に根ざした活動で、へぇぇって面白かったですよ。
面倒だったので、あまり説明も読んでないんですけれど、要は、大人が子供の絵に回帰するって言うか、なんかそういう。クレーの絵って言うのが、言ってみたらそういう絵ですよね。子供の絵って、でも、人は大人になると描けないんですよね。このコブラは、そういうところにはまり込んだんです。
クレーは成功したけど、でも、誰もが成功する方向性ではないです。どうしても、作りこんだやらせ的ないやらしいものがにじみ出てくるんですよ。
でも、クレーは成功しましたね。その流れとしての、一筆書きのイラストなんかは、本当にかわいらしくて、愛らしくて、たまらないいとしさでした。
とにかくきれいです。あの色彩。水彩の美しさ。あんな絵が描けたら!
美術館のカフェで、スイスおなじみのデザインに出会うのでした。紅茶を飲んだら、そのセットのかわいらしいこと!
紅茶の葉を入れる容器は、カップに引っ掛けるようになっていて、ポット要らず。スプーンは、カップに引っ掛けられるひん曲がったスタイルで、なんかすべてがデザイン=美みたいな。サローネのミラノも真っ青ですよ、まったく。
Zentrum Paul Klee
Bern
スポンサーサイト
- 2011/07/31(日) 05:43:32|
- 海外旅行
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
ロメッリーナの中心は、もちろんロメッロの町。
この町、実は、ロマネスクにはまりだした最初の頃、訪ねているんですよねぇ。ずうっと写真もキープして、いつかサイトの方にアップしないと、と思いながら、なんと、あれからはや6年ですか!
今は、カーナビがあるので、こういう町には、あまり迷うこともなくたどり着くことができますけれど、当時は、地図だけが頼りで、全然分からなくて、もうだめだから、帰ろう、と思った矢先に、どうやらこれがロメッロらしい、というような場所にたどり着いて、うろうろした記憶も、かなり鮮明です。カーナビは、本当に便利ですけれど、カーナビのない時代にさまよった記憶というのは、なんかとてもほほえましいような懐かしいような、それはそれでよい時代だったな、的なものがありますねぇ。
おっと、ノスタルジーにとらわれていてもどうしようもないです。
ロメッロのカテドラル、サンタ・マリア・マッジョーレ。
Basilica di Santa Maria Maggiore - Lomello
この教会は、廃墟マニアにも受けそうな、そういう部分があります。ファサード前に、それ以前および以後の構造がむき出しで残っていて、とても複雑な状態になっているんですよ。ノヴァラ近辺にも、こんなのがありましたねぇ。
基本は、盲アーチとか付け柱とか、とっても典型的なロマネスク。きれいですよ。
昔来たときは、今オープンの時間のはずなのに、という時間だったのに、思いっきりクローズでした。今回は、日曜日のミサの直前だったので、しっかりとあいていました。
中はこんな感じ。
壮大感はありますけれど、ロマネスクがそこかしこに残っている感じが、決して嫌いではありませんでした。屋根の下にある支え状態のアーチも、ちょっとなぁって感じはありますけれど、両脇の小さな二連窓がとってもユニークで、かわいらしいんです。こんなのって、ちょっと珍しいですよね。
後陣は、こんな感じ。
普通だと、盲アーチと付け柱が一体化していますが、ここは盲アーチの変わりに、本当の穴が開いているんです。こういうの、どっかで見たけど、どこでしたかねえ。付け柱がちょいと唐突な感じで、わたしの好みではありませんでした(付け柱好きです)。
付け柱好きとしては、後陣よりは、脇の壁の方が好みかな~。
とにかく現役で、ミサの時間にむけて、多くの人が集まってくるのが、とってもよい感じでした。
- 2011/07/30(土) 06:14:39|
- ロンバルディア・ロマネスク
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
モルターラ郊外にあるサンタルビーノ修道院教会、続き。
Abbazia di S.Albino - Mortara
親切な教会守の方が、鍵を開けてくれましたので、中に入ることができました。修復前はボロボロだったということで、後陣以外の壁は白に塗りたくられてしまいました。仕方ないでしょうね。後陣が、オリジナルで残っていることが奇跡みたいなもんだ、とおっしゃっていました。
しかし、この後陣、レンガがとてもきれいなので、ほとんど修復の新しいレンガと思ったら、逆にほとんどはオリジナルだということでした。表面を磨くと、こういう風に新品みたいになるんだそうです。
ここはローマへ向かう巡礼の道にありますので、昔から巡礼が立ち寄ったということで、なんと後陣のいくつかのレンガには、当時の落書きが残っているんですよ。
修復の際に発見されたんだそうです。上は、多分数字ですけれど、でも何の数字か不明。しかし、説明されなければ、現代のものと思ってしまいますよねぇ。親切なガイドさんがいて、面白さ倍増です。
レンガが美しいのは、修復技術のせいもありますが、長年、脂っこい変な材質のもので覆われていたんだそうです。汚れなのか、なんなのかよく分からないらしいですけれど。それをはがしてみたら、こういう落書きに加えて、なんと1400年代のフレスコ画が現れたということなんです。
おそらく1400年代にも近い画風で、まったくわたしの好みの絵ではありませんが、その色の明瞭さにびっくりして、「ちょっと修復しすぎなくらいの美しさですねぇ」と言ったところ、「いや、これはほとんど修復していなくて、表面を覆っていたものをはがしたらこうだったんだよ」ということで、驚きました。
ノヴァレーザのように気候がフレスコ画に最適という土地でもないのに、びっくりします。今、描きあげたかのような状態ですから。そういう奇跡みたいな偶然って、あるんですねぇ。
前回の記事に、ここは歴史的に重要なロケーションに建っていると書きましたが、この壁のプレートに、それが説明されているとともに、証明ともなるような、レリック(古い人骨)が硝子の聖遺物ケースに収められて展示されています。
中世をやっていれば必ず出てくる、最も有名かつ重要な歴史上の人物である、フランクのカール大帝と、ロンゴバルドのデジデリオ王、その二人が率いる軍勢の戦いが、773年10月12日に、まさにこの場所であったんです。カール大帝にしても、デジデリオ王にしても、最近ちょっとご無沙汰していて、久しぶりに出会った感じ。
戦いは、フランクの勝利で終わり、ここからパヴィアまでの道が開かれたのだそうです。
この戦いの際に戦死したアミーコとアメリオという、生まれたときから兄弟のように仲良く育った二人の騎士の遺骸を治めるために建てられたのが、このサンタルビーノ修道院だったのだそうです。伝説ですけれど。で、このプレートのある場所に収められている骨は、その二人の聖遺物であるということになっているらしいです。
実際に、最近、米国で検証したところ、骨は千年以上前のもので、史実に合うのではないか、と地元は喜んだそうです。そんな無粋なこと、しなくてもいいのにね~。
で、特にフランス人には有名な巡礼地となっているのだそうです。
今でも、巡礼は宿泊できるんですよ。
簡易ベッドが並んでいました。
つい昨夜もフランス人が数人泊まっていったよ、ということでした。
スペインのサンチャゴ巡礼は有名だし、巡礼路には多くの立派な巡礼宿がありますが、イタリアのフランチジェーナは、それほど有名じゃないし、独立した巡礼宿みたいな施設はありません。でもこうして、修道院や教会の片隅で、泊まれるようになっていたりするんですね。
本来は教会を見て、好きなロマネスクのお宝を探すのが目的ですが、でもこういうガイドに出会うと、なんだかとっても楽しくて、いつもはほとんど見ない年代のフレスコ画まで熱心に見ちゃったりして。特にこのような歴史的な場所っていうことで、とっても遠い目になってしまいました。1300年も昔。へぇぇ。
思わず、歴史オタクになりそうな勢い。想像力のないわたしでも、なんとなく思いをはせるというか、当時の情景を想像してます、最近。
- 2011/07/28(木) 04:44:41|
- ロンバルディア・ロマネスク
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
最近は、マイナー専門って感じになっていますので、だからもうタイトルに「マイナー」とつけるのもやめることにしましたけれども、追い討ちをかけるように(多分日本語、変)、マイナー道を極めるようなロマネスクめぐりをしてきましたよ。
とっても久しぶりのロンバルディアのロマネスク。
ロメッリーナというロンバルディアの西南、もうピエモンテはすぐそこ、というお米どころの一帯です。
まずは、モルターラ郊外にあるサンタルビーノ修道院教会です。
Abbazia di S.Albino - Mortara
教会って、何で住所を併記してくれないんですかねぇ。カーナビに教会の名前を入れたら、まったく無関係な田舎町に連れて行かれて、もうたどり着けないとあきらめて、次の目的地に向かいだした矢先に、道沿いに鐘楼発見。背の高い鐘楼って、目印として、実に有効です。
このサンタルビーノ、かつては修道院ですが、今残っているのは、付属の教会だけ。とっても歴史的なロケーションに建っているのですが、一般的には限りなく無名。一応、ヨーロッパ北部からローマへ向かうフランチジェーナ街道沿いにあるため、今でも巡礼の方が立ち寄ったりするそうですが。
ロマネスク的に注目すべきは、後陣外観と、鐘楼くらいで、ファサードも内部も、かなり違うものになってしまっています。それでも、今ある姿に修復された2000年以前には、300年くらい荒れるがままに放置されていたそうなので、そういうものを、よくここまで復活させたものだというのは、驚きでした。
後陣。
円形じゃないのですが、盲アーチ、付け柱など、ロンバルディア様式の装飾が見られます。
アーチの上、軒送りの下は、のこぎり歯模様じゃなくて、ひし形の帯。これもかわいいです。レンガは、オリジナルのものも残っているようですが、全体が実に美しく修復されています。
鐘楼は、これまた超シンプル。
開口部は、極小、小、大、みたいな。装飾性はミニマムですね。多分、相当古い時代の建築です。なんせこの教会、もともとの起源は5世紀で、その後ロンゴバルドの時代に再建されているという代物ですからね~。
もうひとつだけ、中世の名残がありました。今ではほとんど崩れ去っていて、何らかの形で再建するのか、どうするのか、なんにせよ工事中の様子になっていた、(多分)もと修道院の一部の建物の窓装飾。
これはでも、中世といってもゴシック以降ですよね。ロマネスクにはないテラコッタの細工。
結構交通量の多い道の脇なんですが、周囲は、緑一色。教会の裏手には、小さな家なんかがあって、とても気持ちのよい庭になっていました。後陣がみたくて、ふらふらと入り込んだら、人が出てきましたので、すみません、後陣見たくてお邪魔してます!と挨拶すると、教会見たいのかい、と声をかけてくださいました。年配のご夫婦。教会守?ただ住んでいる人?
中は何もないと思いつつ、でもこういう機会は逃してはもったいないので、ありがたく、見せていただきましたよ。
長くなりましたので、次回。
- 2011/07/25(月) 04:36:01|
- ロンバルディア・ロマネスク
-
| トラックバック:0
-
| コメント:6
久しぶりにスフォルツェスコ城に行ってきました。地下鉄のストが始まる前に手早く見られる展覧会、と思いまして。
アーティストがかかわった本の展覧会です。
お城ではよく展覧会とかイベントが催されるのですが、たいていは入り口のところに垂れ幕が出ていたりします。でもこの時期、一切なし。おかしいな、日程を間違えたかな、と思いながら、入り口にあるインフォメーションで尋ねると、どうやら開催中のようです。
でも、いけどもいけども、ポスターすら出ていません。だまされたと思って、工事中の足場が組まれて、入っていいのかしら、と悩むような状態になっているロケッタという中庭に入ってみたら、一番奥まったところに、ちょいとそれらしいものが…。
近付いてみると、まさにこれ、展覧会入り口でした。
なぜ、このように地味に?誰にも来てほしくないのか?
実際、誰一人来てませんでしたねぇ。
まぁ、展覧会といっても、ミラノが持っている本のコレクションを並べただけって感はあります。ミラノ、歴史が長い町だけあって、そしてお金持ちも多い町だけあって、美術品のコレクションは相当すごいんですよ。本関係は、中でも充実しているのではないでしょうかねぇ。レオナルドのコードも、そういえば、このお城で開催していたミラノ市のコレクション、Trivulzianaでお目にかかったのが最初でしたねぇ。
芸術家の本のコレクションというのも、以前にもたびたびやっていて、少しずつ目にはしてきていますが、面白いんですよねぇ。アーティスト本人が本を作っていたり、詩に絵をつけたり、とそういうもんで、印刷がほとんどですけれど、本物の版画が挟まっているものとかもあって、豪華です。
誰も人が来ないから、監視の人も暇そうで、うろうろ歩いているので、写真はほとんど撮影できなかったんですけれど、たとえば、キリコとか、先日展覧会に行ったパラディーノとか、サヴィニオとか、コクトーとか、そうそうたる名前が目に入ります。
これなんかは、キリコのイラスト。
鉛筆書きみたいなイラストが漫画的で面白かったんですけれど、最も受けたのが、とっても下手糞な文字!まさか、キリコの字?
いくら素晴らしい絵を描くからって文字も素晴らしいとは限らないとは思いますけれども、芸術家のサインってたいていかっこいいし、文字だって絵画的なものがあるから、たいていうまいと思うんですけど~。これは下手でした。って言うか、下手なのにすごく丁寧に書いてある小学生的な文字って言うか。いや~、びっくりしたな。
原画なんかもちょっと置いてありました。
展覧会は、一室だけでしたが、有名なTrivulzio図書館に続く部屋で、開いているドアから、その一部を垣間見ることができました。書庫が果てしなく並んでいて、静謐で、歴史的な図書館のにおいプンプンです。
入れないことなんて分かっているけど、監視の人に思いっきりブロックされました。ここは、研究者以外入れないから!分かってますって。愛想のない監視員だったなぁ。まぁ、一日中、あんなに人の来ない部屋に一人でいたら、気分も腐るとは思うけれどもね。
ミラノでお暇な方は、お城を訪ねたついでに是非。もちろん無料です。
Da Kandinskij a Warhol - Libri e cartelle d'artista della biblioteca d'arte di Milano
Castello Sforzesco
until 25/09/2011
- 2011/07/24(日) 04:53:25|
- アートの旅
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
パウル・クレー・センター
ベルンに行こうと思ったのは、このパウル・クレー・センターの存在を知ったからでした。パウル・クレーって、絵を見れば必ず好きなんだけど、考えたら、彼の展覧会に行ったことはないと思うし、まとめて見たこともないんです。あまつさえ、時々ミロとかカンディンスキーと、イメージが混ざっちゃうし。
この美術館、実はその入れ物がまた有名なんですね。
スイスって、現代建築のメッカでもあるんです。
スイスって言うと、どうしても山や湖、自然のイメージばかりが強すぎるほどに強いし、観光客のほとんどは、自然を目指すような気がします。でも、実は、中世の町並みがすごくよく残されていたり、そして同時に、超現代的な建築が林立していたり、インテリア・デザインについても、素晴らしい美術館があったり、また現代美術館もたくさんある上に、オープン・エアの芸術品も当たり前に置かれていて。って、そんなことも、今回初めて知って、本当に驚いたんですよねぇ。こんなに近くのお隣に20年も住んでいてねぇ。いやはや。
話を戻しますと、このパウル・クレー・センターは、イタリア人建築家レンゾ・ピアノ氏の作品です。ピアノさん、世界中で活躍していますねぇ。波型の建物が三つほど横並びになっています。写真でみたときは、かっこいい~、と思いましたが、実際の姿には、実はちょいと落胆しました。
これ、メインの部分の正面なんですけれど、なんか、郊外にある安っぽい体育館みたいじゃないですか?
ただ、この構造のおかげで天井が高くて、現代物の展覧会にはぴったりです。大掛かりなインスタレーションの展覧会とかやるときに行ってみたい感じ。
ちょっと、と思ったこの構造ですが、建物の裏側に回って、ちょっと意図が分かったような気はしました。
これ、多分山の斜面みたいな土地に建てられているんですね。裏側は、だから、斜面から建物分、前にせり出した感じっていうのかな。山の緑と建物が、途切れなくつながっているんです。
オープンしたのが2005年ということなので、建築時からそろそろ6,7年。で、緑もどんどん建物の方に侵食して、境目がどんどん建物の前面に向かって。そのうちもっと侵食させちゃうのか、それともこの程度でとどめているのか。なんにせよ、面白いし、ある意味スイス的なコンセプトの建物かもしれませんよね。
あれ?ここ、ベルンだったよね、と不思議に思う人がいるかもしれませんね。
そう、まさしく首都ベルン。旧市街から、トロリーバスに乗って、15分くらいの土地なんですよ。
山を登って、別荘地みたいな道を通り抜けた先なんですけれど、それにしても、周囲は完全な緑。首都なのに、市街から15分で、見渡す限り牧草地帯になっています。
上は、クレーの作品と思いますが、美術館の前に立って、ベルンの町を見下ろしています。気持ちいい~。緑に赤が映えます。
美術館の裏側は、なんとトウモロコシ畑が広がっているんです。
この畑、美術館と一体化した企画で作られているものらしいんですけれど、なんせ説明がドイツ語とフランス語しかないので、皆目分からず。
美術館併設の高級レストランがあるようなので、もしかするとエコとか無農薬とか、そういうのをコンセプトにしているのかも知れないですねぇ。
トウモロコシ畑に入るのは初めてだったので、なんか興奮しました。背が高くて先が見えないので、自然の迷路みたいで。
はっ!クレーの話全然してないし。
次回。
Zentrum Paul Klee
Bern
- 2011/07/22(金) 04:38:29|
- 海外旅行
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
エミリア・ロマーニャ、行く度においしいものに出会います。エミリアもロマーニャも、やっぱ、食い倒れ。どっちも、こね物が得意。パスタはたいてい手打ちの玉子麺系なんですよねぇ。
ボローニャの友人たちは、さすがエミリア在住、食に対するこだわりは並々ならぬものがあり、毎回おいしいレストランを探して、連れて行ってくれます。わたしのように、行き当たりばったり、場合によってはランチ抜きで修行、みたいな旅はありえないって感じで、大変ありがたいのです。
今回は、ロマネスクめぐりの中心だったバーニャカヴァッロ郊外のヴィッラノーヴァという小さな町の、とても庶民的なレストランでランチ。
冷房なんて入ってないのに、部屋に入るとひんやり。壁の厚い古いおうちなんでしょうねぇ。びっくりしました。
プリモは、このあたり得意の詰め物系にも惹かれましたが、手打ちのスパゲッティにはもっとひかれたので、そちらにしました。ポンポーザの近くでいただいたのも、やっぱり手打ちスパゲッティで、本当においしかったので、それが忘れられなかったんですよね~。カリカリ・ベーコンにクリーム系のソース。重そうなんだけど、味付けはさっぱり、とにかくパスタがめちゃくちゃうまくて、するすると完食!
地元のサンジョベーゼが、また合うんだな。3人で1リットルのカラファ、これまたするする。
セコンドは、軽めに、アンティパストのメニューになっていたローストビーフとミックス・サラダ。
これがまた、お肉もやわらかくお味もちょうどよいし、なんと言っても、バルサミコが、ミラノのレストランのものよりおいしいような気がしました。気のせいかもしれないけれど、まさに地元ですからね~。
さすがにデザートは無理で、カフェでしめ。そしたら、サービスでレモンチェッロのオレンジ版の食後酒が出てきました。
ポンジュースじゃないですよ!きりっと冷えていて、まさに食後にぴったりのさわやかさでした。カフェもサービスで、お値段もうれしいお安さでした!田舎のレストランはいいな~。
これだけしっかりとランチをいただくと、とても夕飯は入りませんので、ボローニャ郊外のビッレリア(イタリア版パブ)で、ビール・ディナー。
各国ビールや、地元ビールのバラエティーがすごい老舗ビッレリアです。イタリアはワインの方が圧倒的に有名ですが、実は隠れた地ビール名産地だったりもするんですよ。
まずドイツの白ビールをジョッキでいただいたあと、地ビールをいただいてみました。なぜかロンバルディアはローディの産。苦味が強くて、いまひとつでしたけどね。
いや~、充実の食生活!
毎度のことながら、遊んでくれるお友達に、感謝感謝です。
ロマーニャの項、とりあえずの終了です。
- 2011/07/20(水) 04:35:18|
- エミリア・ロマーニャ・ロマネスク
-
| トラックバック:0
-
| コメント:7
この地域、最後に訪ねたのは、カンポットという自然公園の中にある小さな小さな教会、サン・ジョルジョです。
Chiesa di San Giorgio - Argenta (Oasi di Campotto)
本当に暑い一日でしたので、この緑滴る木陰を見るだけでもほっとしました。
適度に開けた森、そばには川も流れていて、美しい公園です。その一角に、ぽつんとあるのが、この教会。教会というよりも礼拝堂規模ですね。この地域では、最も古い歴史を持つ教会です。
この教会、普段はクローズ。中には、ビザンチン風の祭壇とか、12世紀のフレスコ画の名残も残されているようですが、内装全体はかなり新しくなってしまっているようなので、無理やり中を見たいというほどでもなく、注目は、なんと行っても正面扉周りの装飾です。
リュネッタ、強烈なモチーフです。
痛そう…。これは殉教者ジョルジョさんの拷問の図らしいですけれどね、リュネッタにこういうのを置くというのも珍しいですよね?わたしは初めて見ました。
強烈なモチーフですが、例によっていい具合のヘタウマなので、あ、痛そうだけど、なんかかわいいし、っていう感じもあるんですけれどね。当時の人は、真剣に痛い怖い、と思って見ていたのかな。
アーキトレーブにはグリフォンが向かい合っています。
アーキトレーブの両端には、こういうはだかんぼうの変な人のフィギュアが。
そして、側柱にある柱頭のレリーフも、どっちもなんか変なんですよね。
ね。どれもすごくいろいろと意味がありそうです。調べるのがまた楽しみ。
扉の両脇には、各月の労働図がずらり。
このモチーフは、確か中部イタリアに多くみられるものなんですよね。野良仕事とか、ぶどう酒つくりとか家畜の世話とか、各月を象徴する仕事がモチーフになっています。残念ながらかなり摩滅してしまっていて、ほとんど何してるんだかよく分からないことになっていましたけれど。
かわいいでしょ。
ただ、アーキトレーブにあるグリフォンとか、他の場所にある植物モチーフの帯とかは、人物フィギュアに比べると、やけにすっきりとスタイリッシュでうまい感じなんですよ。時代が若干違うのか、または手が違うのか。
それとも単に人は難しかったのか。面白いですよねぇ。
なんにせよ、こういう全面的にかわいい装飾に出会うと、うれしくなって疲れも飛びます。
やっぱり、ロマーニャは、また戻らないといけませんね。というわけで、いつになるかは分かりませんが、次回をお楽しみに。
- 2011/07/19(火) 04:40:09|
- エミリア・ロマーニャ・ロマネスク
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
なんかもうロッシ・ファンとしては、ほぼ最下位発進、という事実から戦線離脱状態なんですよねぇ。
そんな中、今年の注目はやっぱりロレンツォかな~。
今日もいいレースをしてくれました。最後の最後でケーシーを振り切って2位に入ったのは、感涙。思わず、ホルヘ~~!と叫ぶわたしでしたねぇ。
ロレンツォも、好きじゃないんだけども、彼のGrintaというのかなぁ、根性?ガッツ?そういうものが見える走りって言うのは、高感度高いです。それに最近は我慢も身について、とにかく耐える。いけるときに行くまで我慢して着いていって、炸裂!という走りが、結構ロッシ系というか。レースを盛り上げるのがいいですね。そこが、多分ケーシーとの違いです。
今日はとにかく、ホンダが目立ちすぎで、一時は、ロレンツォの後ろに、ダニ、ケーシー、ドヴィ、シッチと続いて、ヤマハのスピーズがしめるという有様でしたからね、それはそれでやりすぎだろうという感もあり、ついロレンツォの応援に走ってしまいました。ダニは殊勲ですけどね。怪我のあと、ここまで。偉いやつです。だれも何も言わないけど、シッチには絶対負けたくなかったんじゃないかな。
ロッシはね。まぁさ。それなりにレース巧者だしね。
でもこういう状況でも、インタビューは前向きで楽しくて、やっぱりいいわ、この人って思いました、つくづく。ミーハーなわたしが、本格的にロレンツォファンに転向しないうちに、何とか復帰してくれ、ヴァレ!
- 2011/07/18(月) 05:23:01|
- モトGP
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
モザイクで有名なラベンナにも近い、バーニャカヴァッロという町外れにある教会を訪ねます。サン・ピエトロ・イン・シルヴィス教会。
Chiesa di San Pietro in Sylvis - Bagnacavallo
ここは、週末の夕方だけオープンなので、訪ねたときは残念ながら、扉は固く閉ざされていました。オープン時間が明らかな場合は、無理を言うわけにも行かないので、潔くあきらめるしかありません。
教会は、7世紀初頭の創建で、ロマネスクの本当の初期の時代のもの。全体の姿もよく保存されているようですが、特に内部に、クリプタとか、7世紀当時の祭壇とか、同時代のチボリオの名残の浮き彫りとか、なんか古い時代を髣髴とさせるものが多数あるらしいので、やはり一度、開いているときに行かないといけないと思っています。
そういう意味では、実は大変うれしかったのが、このバーニャカヴァッロの町のインフォメーションです。
このバーニャカヴァッロ、ガイドブックの写真では中世の雰囲気をよく残している町並みが想像できたので、楽しみにしていたのです。ただ実際は、意外とそうでもなくて、ただこの、小さな円形の広場だけが、中世っぽい名残。
これって、スペインだと、ちょうど田舎の闘牛場にちょうどいいような大きさです。マドリッド近くのチンチョンという古都を、ちょっと思い出してしまいました。
一角にエノテカがあったので、食後のいっぱいと思い入ってみました。天井が高くて、素敵な造作。田舎ではありがちとは言え。
地元のワインを所望したところ、「地元モノ?う~ん、特にないなぁ。白だったら、プロセッコ(ベネトの発泡性)、またはグレコ・ディ・トゥッフォ(南の有名な白)とかどう?」とか言われちゃってちょっと萎え、結局何も飲まずに退散。雰囲気いいのに残念。なんだかな~。
それでぶらぶらして見つけたのが観光局。
土曜日の午後、まさか開いているとはね。
あいているだけでもびっくりなのに、資料が豊富ですごいんです。ラベンナからもすぐだけど、世界遺産の観光地ラベンナでは、きっともらえそうもないラベンナ関連の資料だけでもどっさり。
それでも貪欲に、中世関係の資料がないかと尋ねたら、熱心さを分かったくれたみたいで、奥からいろいろ出してくれて。
結局すごい数の資料を入手。これは、本当にうれしかったです。わたしの大好きなツーリング・クラブのガイドブックまであるのには驚き。無料でくれるくらいですから、古い版でしたが、それでもうれしいですよね。聞いてみるもんです。
で、ミラノへの帰り道に熟読したら、このラベンナ・バッサ地域、訪ねるべき教会、複数発見。
というわけで、今回中に入れなかったシルヴィス教会も、近い将来、絶対に訪ねることとなりそうです。この夏にも、もしかしたらラベンナを再訪するかもしれないのですが、場合によっては車で行く可能性も考えています。なんせ平地で、苦手な坂道が一切ないのも、大変わたしのドライブ意欲をそそる土地なんです!
- 2011/07/17(日) 04:55:25|
- エミリア・ロマーニャ・ロマネスク
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0