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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ピンク・リボン 乳がんのこと

今年もそろそろ、ピンク・リボン・キャンペーン、終わります。
皆さん、検査できたでしょうか。忙しくて時間がない方も、年に1回か2年に1回は、是非検査してくださいね。

この秋、一時帰国したのですが、ちょうどその頃朝日新聞で、乳がん治療の患者さんの話が連載されていました。最後の方をちょっと読むことができただけだったんですけれど、いまさらながら、すごく驚きました。

日本では、再建手術が簡単ではないことは、自分が手術をした頃ネットで読んだり、また体験者のお話などを耳にしましたけれど、今でも全然変わっていないんですね。
やはり日本滞在中に、ニュースで「温泉で変色しない人工乳房」という話題があって、え?それはどういうことなのだろう、と、またびっくり。

イタリアでも、技術が進んだ現在では、全摘よりも部分切除のケースが多いと思いますが、全摘の場合は、癌を取り除く手術と同時に、再建手術も行われます。完全にセットになっているので、術前には、癌科の外科医と形成外科医両方の立会いでミーティングが行われます。癌外科の方は、そこで取っちゃえばおしまいですが、形成の方は、何度も何度も段階があるので、術後4年の今でも、定期検査で通っています。
再建手術は、豊胸手術と同じように、シリコンを入れるやり方が普通。わたしの場合、術後ずいぶんたっても、何か違和感を感じていたところ、自分の脂肪(お腹など)を胸に注入する手術を勧められました。それで、安定感が得られることが多いということでした。

その手術はディ・ホスピタル、つまり日帰りで、先生の話を聴いているととても気楽な、ちょちょいのちょい、みたいな手術に思えたので、思い切ってやってもらいました。しかし実際は、しっかり手術で、その後、結構長い間、ぱっくりと傷口が開くような気がして、怖くてお腹に力が入れられませんでした。数日で傷口の絆創膏をはがしたら、実際はほんの数ミリの傷だったので、我ながらあきれましたけど。
でも、身体に力が入らないのは確かだし、どんなに小さくても手術だから、負担もかかっているはずです。

それなのに!今でも日本は、再建するのに、この、自分の脂肪で再建する手術しか、保険ではできないんだそうですね!全部を作るとしたら、どれだけ脂肪を取るんだろう!もしかしてお腹すっきりするかも知れないけれど、でも、二箇所にメスを入れるというのは、術後きついだろうなぁ、と思います。

それでも、再建手術をできればいいけど、イタリアのようにセットにはなっていないので、結局癌だけ取って、面倒になったり、経済的にできなかったり、そういうケースが多いらしいです。
で、温泉でも変色しない人工乳房、なんていうものが必要になるわけですね。

術後、たまたま千葉敦子さんの乳がん関連の本を読む機会を得ましたが、彼女の時代からほとんど何も変わっていないというのは、ちょっとひどくないですか。

乳がんになってよかったもないのですが、せめてイタリアで治療が受けられたのは、本当にラッキーだったと思います。公立の病院にかかったので、治療費は無料。
勿論、イタリアは社会保険料の高い国ですから、給料天引きで、結構な保険料を取られていますけれど、それにしてもありがたいことです。

乳がんは、10年たって再発がなくて初めて、完治ということになるらしく、今後どうなるか分かりませんが、今までのところ、わたしの場合は、幸運にも、いろんな偶然が重なって、すべてうまく行っています。
結果としての幸運は、自分が定期検査等をすることで引き寄せることができることです。
だから、身内に経験者がいるとか、出産経験がないとか、その他病気になりやすい潜在要因を持っている方は、是非積極的に検査をしてくださいね。そうしたら、一年間、安心して過ごせます。

というわけで、今年のピンク・リボン協賛も、今月末で終りにします。

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  1. 2011/11/30(水) 05:38:50|
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ロンバルディア・マイナー・ロマネスク5

アッバディア・チェッロートの修道院教会、サンティ・ピエトロ・エ・パオロ、続きです。


前回も書いたように、ここのよさは全体のたたずまい。
教会の中に、特に中世の遺構として見るべきものもなく。
じゃぁ、外観がどうかというと。


全体としてはいまひとつ。
八角形の鐘楼の建築的装飾とか、軒送りのあたりに、ロンバルディア風のアーチがあったりとか、一応、ロマネスクの香りはあるものの、全体としては、ふーん、って言う程度なんですよね、残念ながら。
でも、続きにしたのはなぜかといえば、これです。


教会の裏に広がる田園風景。
ああ、まさにロンバルディアの平野。こんな秋深い季節だというのに、なんと言う美しい緑でしょうか。
緑の方から教会。


教会の手前は、牛を飼っている農家みたいで、このあたり、田舎のにおい満載!
後陣も、全然ロマネスクじゃなくて、あーあ、って感じなんだけど、でもなんか、あ、こういう田舎の風景というのは、とってもよいなぁと思うのでした。
教会の裏手に流れている小川は、おそらく農地のためのものでしょうけれど、とても澄んでいて、美しいものでした。「春の小川」のメロディが思わず浮かんでくるような。
教会を見に行ったのに、その教会を背にして、この緑ばかりを、田舎のにおいにもめげずに、しばし眺めてしまいました。


春先に、また行ってみたい場所です。

Abbadia Cerroto- Abbazia di Santi Pietro e Paolo

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ロマネスクのおと
  1. 2011/11/27(日) 06:30:14|
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ロンバルディア・マイナー・ロマネスク4

考古学の話に夢中になって、時間がなくなりそうになったのですが、とりあえず、こちらも行ってみました。アッバディア・チェッロートの修道院教会、サンティ・ピエトロ・エ・パオロ。


ここは、なんと言うか、そのたたずまいが素晴らしくて、うれしくなりました。
田舎道をゆるゆると走ってたどり着くのが、その名前からも、もともと修道院しかなかったに違いない村アッバディア・チェッロート(アッバディア=修道院)。今では一帯に住居があるのですけれど、村の中心は、上の写真。
中世を学問的に研究しているとしたら、今なお中世のたたずまいにかなり近い様子を残している、こういう村のたたずまいというのは、おそらく、すっごく貴重なものだろうなぁ、とすぐに思ってしまいました。

パラッツォ・ピニャーノで、ちょっとローマよりの体験をした後で、ここの教会は、中世というよりも修復が勝っていて、近代風だったりして、ちょっとひけるものもあるのですが、でも、上述のようにあまりに中世風の全体像が素晴らしくて、感銘を受けました。
教会の右手に、かつての修道院の建物ほとんどそのままの基礎で、現代のアパートがあって、左には農場、正面にも農場と、いくつかのお店。もしかしたら中世には、修道院以外何もなかった可能性もありますが、でも農家の建物やいくつかのお店があったとしても、まったく不思議ではありません。


教会の内部は、かなり修復の跡が激しく、基本的な構造以外の中世の面影はわずか。


でも、これだけ構造が残されていて、他に何もないのはありえない、と、毎度のことながら目を皿のようにして、しばし宝探し。あ、ここ。


身廊に建つ立派な柱頭のいくつかに、昔の名残が見られました。やっぱり、探すもんです!
宝探しの結果、一番好きだったのは、正面扉の、このふるい鍵かも。


中世期のものだと思いますねぇ。構造は単純ながら、当時としては結構頑丈な部類だったのかも。こういう装飾的かつ実用的な鉄の鍵は、本当に好きですね、わたし。
続きます。

Abbadia Cerroto- Abbazia di Santi Pietro e Paolo

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ロマネスクのおと
  1. 2011/11/26(土) 06:07:22|
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ロンバルディア・マイナー・ロマネスク3



パラッツォ・ピニャーノ、続きです。
ここの面白さ、実はロマネスクだけじゃないんですよ。
この、ちょっと壊れちゃってて、付け柱なんかも半端になっちゃって、でもそれはそれで味のある後陣の周囲は、緑が広がっています。ここら辺、実はローマ時代、地域の貴族の大邸宅があった場所なんです。
ロマネスクよりもずっと遡ったローマの遺跡も楽しめちゃう、グリコのように何度も味わえる場所なんですよ。
ローマ遺跡は、残念ながら、お屋敷のほんの一部しか残っていません。


でも、こんな素敵な床モザイクがあったりします。
これは、大邸宅の、レセプション用の建物の部分。
全体像は、こんな感じ。


手前に円形の中庭があって、右側にある建物、これが、大邸宅のレセプション部分で、この建物部分にあったモザイクが、上のもの。当時、ローマもかなり時代の下った頃だそうですが、とても有力な貴族のお屋敷だったようで、床暖房付の大変豪華な施設だったんだそうです。このずっと右の方に、本宅があって、そちらも、基礎部分だけが発掘されています。
下は、床暖房があった部分。床下を暖めて、上に暖気が行くようになっていたとか。そして、汚れた空気の排気口などもちゃんと備えられていたんだそうですよ。


建物前の円形の部分は、広大な中庭で、当時、敷地の外に出れば、とんでもない輩がうろうろして大変危なかったことから、家の中で馬の運動をしたり、子供が遊んだりできるようなスペースになっていたんだそうです。

面白いと思ったのは、この遺跡が発見された経緯。
前世紀の話ですが、このあたりの土地一帯を所有するのが、大変中の悪い兄弟だったそうです。ある日、もう我慢ならん!と、一方が鋤で、思いっきり境界線を掘り出したんだそうです。そうしたら、堅いものにぶち当たって、鋤は壊れるわ境界線は作れないわという散々な目にあいます。それで、そのぶち当たったのが、この円形の中庭の基礎だったということなんです。兄弟げんかもするもんだ、という教訓かな。

話を戻しますが、上にある絵の中の、左側の建物は、前回紹介した、初期キリスト教の円形の教会。これは、この貴族の人たちの私的な教会という役割をになっていたようですね。
こういう面白いお話、実は教会の対面にある、とても地味で小さな博物館で、学芸員さんに聞いたのです。一見ただのおばさんにしか見えない方だったのですが、ちょっと質問したら、もう止まらない…。
私も急ぐ旅ではなかったので、じっくりと話を聞かせてもらったのです。面白かったです。10年ほど前に交通事故の後遺症で足が不自由になる以前は、発掘で世界中の遺跡を飛び回っていたんだそうです。え~、とてもそうは見えないのが面白い!
だから、ガイドも熱心なわけで、私は実は教会が目当てで来たんだけども~、といっても、嫌な顔ひとつせずに、教会のお話もいろいろとしてくれました。

ローマのあと、ロンゴバルドも定住したんだそうです。だから、遺跡からは、ロンゴバルドの金貨なども出てくるとか。
で、お墓もあって、そこから出てきた骨を、現代の科学技術で復元したフィギュアがありました。


これ、すごいんですよ。頭部が、本物の肌のように、微妙に柔らかいんです!耳たぶなんで、引っ張ると伸びちゃうんです。犯罪捜査などにも使われる、最新の技術を使った作品ということです。とても気持ちの悪い感触でした。
何でこんな格好しているのかと思うでしょうけど、こういう形で葬られていたんだそうです。もう老人で、歯がほとんどないので、ほっぺたが引っ込んで変な顔なんですけど、でも、こういう人いるよね、というリアル感。夜見たら怖そう。

おばさんの携帯が鳴ったので、あ、では~、と辞去するきっかけを得ましたが、それがなかったら、まだ延々とお話を聴いていたかも。いや、楽しい古代史レクチャーでした。こういうことがあるから、マイナー地域の遠足は楽しいですね。

ロンバルディア・ロマネスク、こちらもどうぞ~!
ロマネスクのおと
  1. 2011/11/23(水) 05:44:48|
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ミラノ展覧会

最近、すっかりサボっている展覧会めぐり。
というのも、夏休み開けて、そろそろ復帰しないと!と思っているうちに、一時帰国となり、時間がなくなっちゃったからなんです。
展覧会は、定期的に通っていると、ギャラリーや美術館で情報を入手できるので、継続的に行きやすいのですが、しばらく行かないと情報がなくなるので、どこに行くべきなのか判断しにくくなる悪循環に陥るんですよねぇ。
実は、エレファント・パレードがミラノに来ていて、多分2ヶ月くらいやっていたはずなんですが、ちょうど、忙しい時期に重なっていたんです。今日行かないと、もう見られない!と、めったに町に出ることのない週末、無理やり出かけたんです。
そしたら、勘違いで、もうとっくに終わっていました…。
一時帰国のとき、マルペンサ空港で2体見ましたけど、まぁ、カウ・パレードの二番煎じ感は否めなかったし、どうしても見たかったわけではないとはいえ、野外アートって基本的に好きなので、やっぱり残念でした。

そのとき、せっかくなので、ドゥオモ脇のパラッツォ・レアーレで、二つばかし展覧会はしごをしました。


まずは、宗教入ってますが、La bellezza nella Parolaという展覧会で、古いものから新しいものまで、キリスト教について書かれたもの、描かれたもの、そういうコレクション。
たとえばこういうもの。


6世紀の終り頃のものなんですが、説明文を読んでびっくり!ロマネスクや中世めぐりではおなじみの、法皇グレゴリオ、蛮族ロンゴバルドをカトリックに改宗させるという偉業をなした、キリスト教の歴史上で最も偉大な法皇の一人ですが、これは、改宗の糸口となったロンゴバルド女王テオドリンダに、法皇から送られた福音集の表紙らしいです。本物の宝石、黄金。いやはや、歴史です。
もうちょっと時代が下ったもの。


こちらは9世紀のもので、アンブロジャーノ起源の宗教儀式についての教典みたいです。20世紀の初頭まで、誰からも省みられていなかった書物だったということ。そういうのを発見する研究者は偉いですよねぇ。それにしても、昔の人って、手書きなのに、なんて美しい文字。すごいです。
こんな歴史的なお宝がずらり。
キリスト教そのものに興味があるわけではないのですが、ロマネスクを探求する過程で、やはり避けては通れないので、多少の知識はできて、そうなると、今までスルーしていた物まで、興味が湧いてくるのは、なんだか面白いです。

さて、もうひとつ。いきなり時代と飛び越えて、現代。
ロベルト・チアッチョというイタリア人現代作家のインスタレーションです。


作品そのものは、ふーん、程度だったのですが、この王宮の大広間という場所が、作品に不思議な味付けをしているって言うのか、なんとも言えず面白い効果を生んでいました。


中央にはピアノが置かれ、演奏会も開催されたようです。このような場所で聴く音楽。それがクラシックであっても、現代物であっても、それなりにしっくりしてしまうんだろうなと思います。ちょっと聴いてみたかったですね。

例によって、どちらも無料なので、ご興味があれば是非。
La bellezza nella Parola until 22/12/2011
Roberto Ciaccio - Inter / Vallum until 20/11/2011
Palazzo Reale, Milano
  1. 2011/11/21(月) 06:17:23|
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ミラノ 霧の風景

須賀敦子さんは、特に好きじゃないんですけれど、霧。
そういえば、昔に比べると、濃霧はずいぶん減ったような。
だって、昔は、年末年始に一時帰国する際に、霧の問題がないと、よかった~、と胸をなでおろしていたもんですが、最近は霧の心配をしたこと、ほとんどないですからね~。
でも、今年は、ちょいと多いような。
今週は、特に。



今週、ある朝。
あ、本格的に出てきたな、と思ってパチリ。
向かいの小学校の建物までは、50メートル強でしょうか、かなりかすんでいます。
ミラノ市内がこの程度だと、市境の地域は、かなりの濃霧になっていることが多いのです(ミラノ市周囲にドーナツ状に霧の濃い地域があるみたいなのですよ)。実際、会社で、ミラノ市のちょいと郊外に住んでいる友人とおしゃべりしていたら、
「昨晩、普通だったら5分でいける場所に、霧が出ているからと用心してカーナビをつけて行ったら、50分かかった」
という話になりました。カーナビの指示も悪かったようなのですが、一寸先は闇ならぬ霧で、にっちもさっちも行かず、カーナビに従うしかない状態になったようです。

私も、これまでの人生で一度だけ、濃霧に遭遇したことがあります。エミリアの田舎道。
幸い、友人と一緒で、彼女が運転していたんですが、まさに一寸先は霧。自分の乗っている車のボンネットの先が、もう見えないんです。あれにはまいりました。
何とか高速までたどり着いて、高速は、ずいぶんとましだったのですが、フォッグランプの重要性は、十分認識しました。普通のライトだとすぐ見えなくなってしまうのですが、フォッグランプは、本当に強いのですね。霧の中でも、しっかりと認識できるのですね(といいながら、自分の車のフォッグランプは、今でもどこにスイッチがあるのかわかっていないのですけれど…)。

今朝。上と同じ風景。


あ~、小学校の影も形も見えません!
最悪のケースは、バルコニーの先が、もう真っ白、というので、過去、何回か体験したことがあります。でもこの数年はないな~。
今夜は、郊外の友人宅の夕食会にお呼ばれしていたのですが、この霧のおかげで、断念しました。いくはよいよい、というのも嫌ですからね~。
中止してよかったぁ。


きれいですけどね、確かに。高原?みたいな。
でも、なんか湿度が高いと、寒さがしみるっていうのか、関節に来るって言うか。
寒くなったとはいえ、なんとなく節約であまり暖房をつけない我が家なんですが、こう霧が出ると、なんか寒さのためというより、この湿度のべたべた感が嫌で、つけたくなるんですよねぇ。
やっぱり、ミラノは霧なのかな。
  1. 2011/11/19(土) 07:07:21|
  2. ミラノ徒然
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咲いてます シャコバ

先日紹介した、今年のシャコバ君たち。
まず、中くらいの鉢から咲き乱れだしました。


咲き始め三番までは、毎朝楽しみにカウントしていたのですが、その後次々と咲き出してしまったので、順位がわからなくなってしまいました。
それにしても、やっぱり美しい花ですよね。


毎回思ってしまいますけれども、これだけの花弁を、間違うことなくちゃんと用意して、カチカチに巻き込んでつぼみにして、まぁ、なんてすごい花なんでしょう。花の季節以外の姿は、超地味なだけに、落差に愕然としますよね。まぁ、多肉系はそういうものですけれど。


先日も書いたように、今年は、屋内へが取り込むのが、鉢によって違う時期になってしまいました。この、今乱れ咲きの鉢は、最初に取り込んだもの。残りは、しばらく寒い外にいたので、つぼみの成長が遅れてしまいました。
でも、そちらもそろそろほろりとしてきているので、この週末くらいに一等賞が出そうな気配です。


屋内の置き場所を作るのが面倒だったので、しばらく寒さを我慢してもらったわけですが、期せずして、時差で満開が楽しめる運びになった次第。
それにしてもきれいだな。
洗濯機の上にあるのが、ちょっと情けなくてかわいそうな感じ~。
  1. 2011/11/17(木) 05:14:02|
  2. 植物、花
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ロンバルディア・マイナー・ロマネスク2



パラッツォ・ピニャーノ、続きです。
この、サン・マルティーノ教会は、11世紀の建物が、現在の建物ですが、実は、その下に、初期キリスト教時代の教会があって、発掘のおかげで、その全容が分かっているんです。
上の図面が、その初期キリスト教時代の教会の基礎部分となります。非常に珍しい円形の教会(エルサレム以外ではここしかないといわれましたが、本当かな)で、入り口の右側に全身入るタイプの洗礼浴槽があります(赤線で囲まれている部分)。
それが、この小さい丸い遺構。


現在の教会の右側壁の脇になります。この部分は、レンガ積みの壁も相当古いものが残っていて、とてもきれいなんですよ。ヘリンボーン模様になっていて。
そして、昔の教会の中央身廊が、今の教会の右身廊部分になります。


しっかり発掘されています。これは、ファサード側から右身廊と、バロック様式の装飾になっている突き当たりの小さな後陣。古代と、バロックが共存しています。
そう、まだよく資料を当たってないのですが、ここも、多くの部分にバロック装飾がなされてしまっていたのが、近代の修復で、オリジナルの(プレ)ロマネスク時代の姿が取り戻された教会と思います。良くぞ良くぞ、取り戻してくださいました!
中央身廊の突き当たりの後陣、外壁のあった部分。図面では右端の部分になります。


バロック時代の祭壇がちらりと見えてます。
その右身廊の壁の内側。


これは、ロマネスク時代のものと、後代の修復のものが混じっていて、おそらくすごく下の方に、初期キリスト教時代の名残もみられるようです。それにしても、レンガのヘリンボーンが、こんなにどこもかしこもきれいに残っている教会は、珍しいように思います。色も様々で、レンガ積みだけで、十分装飾的なんですよ。
続きます。

ロンバルディア・ロマネスク、こちらもどうぞ~!
ロマネスクのおと
  1. 2011/11/16(水) 05:55:04|
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ロンバルディア・マイナー・ロマネスク

マイナー・シリーズ、再開ですよ~(イタリア・ロマネスクの場合、多くがマイナーになってしまうんですけどね~)。
それにしてもここは、何で今までスルーしてたんだろう、という土地で、申し訳ない気持ちになったくらい。もっともっと有名でもいいのにな~。


パラッツォ・ピニャーノという村のはずれにあるサン・マルティーノ教会。
Palazzo Pignano - San Martino

どうでしょう、かわいい~。実は上の写真はいまひとつで、実物は、ああああ、というくらいにかわいらしいレンガ積みのファサードです。
ここ、イタリアの、写真豊富でとってもお役立ちサイトがあるんですが、arte medievale とか言ったと思うんですが、そこで知った場所です。そのサイトも日々更新されているので、多分以前はアップされていなかったと思うんですけどねぇ。もしくは単純に、私が気付かなかっただけかもしれませんが。
いやはや、ミラノの近くに、こういう素敵な場所があるなんてねぇ。
ファサードですでに、いいいいいい~、って感じですが、中に入ると、これがまた。


往時そのままの木製の屋根、身廊を区切る角柱とアーチ、目に飛び込むすべてが、これ、大好きじゃん!という…。
また、柱頭に大好き系なものが。


棕櫚?あり方がかわいい~。
これって、パイナップル?


なぜパイナップルが、ロンバルディアの田舎に?と思うくらいパイナップルっぽかったのですが、実はこれ、葡萄の房。ああ、そういえば周辺にある葉っぱは、確かに葡萄。それにしても、この葡萄は、どんなによく言っても松かさ、ですよねぇ。石工よ、葡萄の房を見たまえよ。
なんだか、とってもよくないですか。
この教会のすごさって、それだけじゃないんです。とにかく歴史の集積で。ローマの遺跡も近くにあったり。この教会の建っている場所の下には、別の初期キリスト教時代の教会が発掘されていたり。
そういうすべてがとってもきちんと展示されていて、本当に素晴らしい場所なんです。ここは、ちょいとじっくり紹介させてもらいま~す。



ロマネスク好きな方、是非こちらもどうぞ~!
ロマネスクのおと
  1. 2011/11/14(月) 05:38:44|
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スイスの旅 ローザンヌ そして最後に

ローザンヌに来たら、やっぱりここは行っとかないと。


ローザンヌ名物といえば、ベジャール・バレエ団ですよねぇ。
かつて劇場通いが趣味だった頃、本当によくみました、ベジャールさん。ミラノには、よく来てくれたんですよね。そして、舞台挨拶にもマメに出てきてくれて。身体はもはやダンサーの面影すらなくなっていたけれど、手の動きとかがとても洗練されていて、さすがって思わされましたねぇ。
当時、ベジャールとローラン・プティが大好きだったのですけれど、もうどちらも亡くなって…。

本拠地と言っても、別に劇場を構えているわけではなく、ここは、バレエ団の事務所とレッスン場のある場所。ローザンヌ北部の住宅時にひっそりと。
ちょいと道に迷った挙句にたどり着いたので、軒先でちょっと休んでいましたら、喫煙に出てきた素敵なおじ様が、May I help you?なんて。
この人も、きっと踊っていた人だろうなぁ、と思わせるようなすらりとした美しい身体の方で、意味もなくどきどきしちゃいました。

スイスの旅、これでやっと当面のおしまいです。
振り返ってみると、なんだかとてもよい旅だった様な気がしてきました。実際にスイスにいるときは、物価が高い、愛想がない、等々、どうにも腹立たしいことが多かったりしたんですけどね。


(ローザンヌ・カテドラルから、ちらりと見えるレマン湖)
でも、どっちかというと、フランス語圏は観光地化はそれなりで、ドイツ語圏よりは印象がよかったような。慣れてるってことなんでしょうけど。ドイツ語圏、もうちょっとがんばってほしい。
でも、ドイツ語圏同様、ローザンヌでもやっぱり、路上で酒飲み大会。


町の中心の広場にたむろする、ビール片手にタバコ(ドラッグ?)の人々。いわゆるヒッピーみたいな?こういう人たちって、ミラノではもう絶滅種。確かにね、ビール、コンビニで買うと、物価から言えばすごく安い(水より安い)ので、つい買っちゃって、路上でやっちゃって、というのもわかる気はするんだけど、上半身裸でバンダナ。あ~、間違いなく絶滅種。

ローザンヌに旅で来る人は、もしかするとレマン湖のほとりにあるホテルに滞在して、こういう人たちのいる旧市街なんかは見ないのかもしれませんね。


湖は、鉄道の駅からバスに乗って10分弱でしょうか。いきなりリゾート地になるんですよ。レストランやバールも妙にお洒落、みたいな。でも、暑くて、そしてこういう土地の店でも、バールとか簡易な店だと、やっぱりクーラーがなかったりして、ちょっとたまらない暑さでした。店より外の方が気持ちよいので、サンドイッチを仕入れて、外でピクニックしましたねぇ。


そんなこんなで、スイスの旅おしまい。
意外な発見がいろいろあって、そういう意味では面白い旅でした。
ロマネスクについては、年内にもう一度日帰りで行ってこようかと思っていますが、さてどうなることやら。
現代美術は、今後も興味は大ですが、物価を考えるとなかなか気軽にはいけない土地です。
長い間、お付き合いありがとうございました。
  1. 2011/11/13(日) 05:49:02|
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