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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ロンバルディア・ロマネスク

ふふふ、今日は自慢です。


といっても、この自慢に対して、うらやましい!と思う人は、限りなくリミテッドなのは確実、とそういう自慢です。
とっても簡単。上の本を購入したということです。

昨年の今頃、このロンバルディア・ロマネスク第一弾が出版されて、ほしいと思いながらも、高いし、取り上げられているのは、すでにほとんど訪問済みの教会だし、それらについては結構ちゃんと調べて勉強もしたし、本屋でたまに立ち見(立ち読みするにはちょっと重いので)、で十分満足していたんですが、なんとこの10月に第二弾が出てしまったんです。
そして、それにあわせて、いわゆるボックス?美しいケースに入った二冊組みでも売り出されたんです。


こ、これは…!
かなり気になりつつも、二冊目の本を見る機会がしばらくなかったので、見て見ぬふりをしていたのですが、実はわたくし、この出版社、Jaca Bookのメーリング・リストに入っておりまして、定期的に新刊情報を受け取るわけです。で、1ヶ月くらい前ですか、クリスマス前のご購入の場合、15%割引適用!というプロモーションの中に、この、第二弾およびボックスが入っているじゃないですか~!

早速、行きつけの本屋で偵察。第二弾、ありました!平積み!
ぱらぱらと見たところ、かなりマイナーなところも抑えていて、魅力的。そうなると、すでに店頭ではほとんど見ることのない第一弾も、気になってきました。その上、今購入すれば割引…。
あ!
クリスマス・プレゼント!
自分へのプレゼントにすればいいんじゃん!いい考えじゃん!(単なるこじ付けですが)。
というわけで、本日、Jaca Bookのショウ・ルームに行きまして、購入してきたというわけなんです。ちょっと早いプレゼントですけれどもね。

いいですよぉ。写真がきれいだしね。文章は、今のところ、一行たりと読んでいませんが、ロンバルディア・ロマネスクの歴史に迫れるのは間違いないです。
今週は、仕事も厳しく忙しかったので、身体も心も疲れていて、その分、本当に癒されています。帰宅するなり、うっとりとページをめくっています。
第一弾は、有名どころ中心で、取り上げられているサイトも結構少ないのですが、第二段はマイナー中心なので、こんなにたくさん。


ざっと見るだけでも、訪問したけれど入れなかった場所とか、修復中だった場所とか、そういう写真が見つかるのもうれしい。再訪の意欲ががんがんに湧いてきます。
そもそも、第二弾の表紙からしてうれしい。いかにもロンバルディア・ロマネスクの典型って言う感じの後陣の、とても小さな教会。
どこだろう、と思ったら、以前行ってみたいと思いながら、いまだ行けないでいるコモ湖の北の方にある、最後は徒歩でしか行けない場所の教会なんです。マニアックで、ますますいとおしくなってきます。

Jaca Bookは、イタリア版ゾディアックのような出版社で、美術書中心。


ショウ・ルームといっても、住宅街にある出版社の一角にこじんまりとある、”街角のすごく小さい本屋さん”状態。
とはいえ、ロマネスクだけでも、こんな。


このシリーズは、他の州の特集もいくつかありますが、一般の本屋さんでは見たことのないものがほとんど。トスカーナや、ベネトは、いつか購入したいと思います。

高いと思いつつも、プレゼントと思えば、なんのその。それでもうれしかったのは、15%引きですよね、って確認した買ったんですが、現金払いで、小銭の持ち合わせがなかったら、向こうもショウルームなのであまり小銭を持ってなくて、これでいいや!と結局20%引きになるというおまけつき!
実際、安くはないけれど、これだけの写真の入った美本で、長い目で考えたら、採算とってやっていくには、この程度の値段はしょうがないだろうな、というか、この値段で採算とれるんだ?ということに、逆にびっくりしたり。日本じゃ、絶対無理。多分。

おいおい中身も紹介したいと思いますけれど、おそらく当分は写真うっとり状態が続くと思います。

わたしのロマネスク、本に比べるとちょっとさびしいですが。
ロマネスクのおと
  1. 2011/12/17(土) 06:59:39|
  2. ロマネスク全般
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ヴェローナ・ロマネスク 7

サン・フェルモ・マッジョーレ教会、下の教会にご案内します。


いやはや、驚きましたよ、ここは。
実は、そろそろ昼休みでクローズしてしまうかも、という時間的状況だったので、かなり焦っていたんです。後陣側から近付いて、正面から言えば左側の脇に、扉があったので、とにかく入場しよう!と入ったところ、いきなり上のような階段です。
全体の色合いといい、石の光具合といい、すでに、何か素晴らしいものを見られる予感満載。
石段を降りきると。


!!!
あまりに陳腐な表現でどうかとも思いますけれど、本当に言葉を失いますよ、こういう素敵な空間にいきなり出くわすと。
今回は多少は調べてきたので、この教会の見所は、地下の古い教会だということは認識していたのですが、地下の教会と言われれば、こじんまりとしたクリプタを想像するじゃないですか。ここ、本物の教会です。
トラーニの教会が、確かこういう多層構造になっていましたよね。ここの規模はトラーニに比べれば小ぶりですが、でも天井も高くて、地下教会とは思えないたたずまいです。
そして、なんと言っても、全体を包み込む石のほんのりとした色合いが、暖かくてよいのですよ。照明も見事にマッチしていて。
でも、照明のなかった当時は、かなり暗かったのでしょうねぇ。
基本構造は、三身廊なのですが、側廊と中央身廊を分割する二列の柱の間、つまり中央身廊のど真ん中に、もう一列柱が並んでいるんですよね。すごく変わっています。天井を支える補強のためでしょうか。

内陣部分、とっても雰囲気があります。


細い円柱が支えるアーチ。根元にある小ぶりの柱頭も、なんともしっくりとかわいらしくて、後代になされた数々の余計な装飾が、全然気にならずに、オリジナルの清々しい建築がたっているという感じがしました。
後ろ壁の、ヴェローナの縞々石積みも、新しい時代に作られたものと違って味わいがあります。

身廊を分割している柱の多くには、様々な時代のフレスコ画が残されています。
ビザンチン風で、比較的古そうなもの。




りんごほっぺがすごくかわいらしい。
残念ながら、ちょっと暗かったので、聖母子のほうは、思わずフラッシュをたいてしまいました。ごめんなさい。

さらに残念なのは、見学の時間が十分取れなかったこと。
入場したとき、二人ばかり信者の方が座っていらっしゃったので、かなり遠慮がちにうろうろしました。信者の方が腰掛けていると、どうも祭壇に近付いたり、前を横切るのが憚られますよね。こっそり撮影していたら、ほんの5分ぐらいで、司祭様が出てきて、すごい勢いで祭壇に駆け上り、お祈りが始まってしまったのです。
しかし、こういう教会のミサも悪くないな、と後の方に腰掛けましたら、ほんのわずかの祈りの言葉のあと、司祭様は、美しい声で歌われました。ほんの一節ですよ。え?なんかすごい雰囲気じゃん!と感動も束の間、裳裾を翻して、あっという間にまた姿を消してしまわれるのでした。
お二人の信者は満足げに席を立ち、私は大慌てでカメラを抱えなおして撮影再開。
すると、お一方に声をかけられたので、しまった、怒られたか?と思ったら、「閉まりますから、出てください!」関係者の方だったのでした。
あわててフレスコ画を数枚撮影して、後ろ髪を引かれながら階段を上り、上の教会に向かう羽目になりました。

内陣と向かい合う位置にある階段を上ればすぐに上の教会に出るものと思ったら、中庭のようなところに出て、階段を上り、やっと上の教会の右身廊に出ました。複雑な構造にびっくり。
加えてびっくりしたのは、上の教会の正面入り口。

ヴェローナの旧市街にある四つの教会(カテドラル、サン・ゼノ、サンタナスターシア、そしてこのサン・フェルモ)は、見学料を取ります。四つで6ユーロ。うち三つは訪ねる予定にしていたので、お賽銭代わりに共通チケットを買うつもりでいました。
ところが、いきなり脇の入り口から入ってしまったので、無料で見学してしまったのです。入り口で、事情を説明して、ちゃんと共通券、購入しましたよ。

そこで、今日はカテドラルが通常より早仕舞いなので、今から行った方がいいわよ、とアドヴァイスされて、あああ、ちょうどランチにしようとかすかに思っていたのが、あっという間に予定変更。今日もまた、ランチなし、ほぼ決定…。
という次第で、カテドラルに向かいます。

ヴェネトのロマネスク、こちらもどうぞ~!
ロマネスクのおと
  1. 2011/12/16(金) 05:53:31|
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ヴェローナ・ロマネスク 6

次は、サン・フェルモ・マッジョーレ教会です。


対岸から。
霧雨がぱらつく日だったので、全体にもやに包まれて、幻想的。外観はほとんどゴシックですから、なんかちょっとパリっぽいかも?

ここ、今回最も驚いた教会かもしれません。
というのも、実は起源が古いことは知っていて、以前訪ねたときも、ここまでは来ているんです。でも、ちゃんと調べてなかったので、何が残っているのか分からなくて、ファサードを見て、中をちょっとのぞいて、時間もなかったことから、それだけで引き換えしちゃったような記憶があるんですよ。

橋の方からだと、後ろ側からアクセスすることになります。
後陣。


レンガ積みで付け柱やアーチなど、ロンバルディア様式。中央の後陣はゴシックになっていますが、左右の小さいのが、半分くらい、ロマネスク時代のままになっています。それにしても背は高いですね。
後陣脇に、こんなものも。


かつて回廊があったような感じでした。でも回廊は、おそらくロマネスクより後の時代のものと思われます。今は、教会には関係ない別の用途に使われているようでした。

そしてファサード。


ヴェローナ特有の縞々ですが、ロマネスクは、下の方だけで、それも地味ですね。でも小さな付け柱は、ちょいとかわいらしいのですよ。
脇の方にも、この背の低い細くて優美な付け柱、アーチはずっと続いているんです。


派手ではないのですが、大変装飾的で、華麗ですよね。ヴェローナのイメージにぴたりとはまります。上部もロマネスク当時のままだったら、本当に美しい姿だっただろうなぁ、とつくづく残念です。

でも、この教会が、ロマネスク的に最もすごいのは、地下の教会。
今回はたまたま、いきなりアクセスしてしまったんで、驚愕、というほどにびっくりしてしまいました。
以前に比べれば、最低限見るべきものは事前にチェックしていくのですが、写真資料もそうあるわけじゃないので、実際に見るまで想像もできない場所というのは、いまだに結構ありますよね。ここはまさにそういう場所のひとつ。
次回、お楽しみに。

ヴェネトのロマネスク、こちらもどうぞ~!
ロマネスクのおと
  1. 2011/12/14(水) 06:11:23|
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ヴェローナ・ロマネスク 5

次の訪問先は、サント・ステファノ教会。アレーナのあるブラ広場を中心とする旧市街からは外れていますけれど、これまでに訪問した教会とは同じ川を越えた場所なので、徒歩で行けます。この教会は、以前ヴェローナを歩いたときも来たのですが、思いっきり閉まっていた記憶があります。


ファサード。
やっと出会えましたね、ヴェローナ特有の、この縞々。レンガと、地域で産出する、うっすら黄色い凝灰岩を交互につんで、軒下には小アーチ。ヴェローナのロマネスク時代は、ほとんどこんな感じだったんじゃないでしょうか。
お、昼も近いですが、今日は開いています!

とっても地味ですが、当時の雰囲気が感じられる内部。


身廊を分けるアーチ部分が、あまりきれいに漆喰塗りされちゃっているのが、ちょっと残念。本来は、ファサード同様の石積みが見えていたんではないかと思われます。入り口側の一部に、その様子が見られます。



内陣の見える上の写真で分かると思いますが、ここを訪ねた一番の目当てはクリプタ。でも、クリプタの入り口には、新しい不透明の硝子扉がはめ込まれ、頑丈な鍵で閉ざされています。隙間すらなし。
しばらく、誰か来ないかな~と粘り、その後、教会の左側に、事務所があるようだったので、呼び鈴も鳴らしてみたのですが、反応なし。残念ながら今回はあきらめるしかありませんでした。いずれにしても、他にも見残しがあるので、それはそれでいいんですけれど、朝からついている感があったので、当然ここも問題なく見られるはず!と思い込んでいて、その分落胆してしまいました。でも、そうそううまく行くはずはないのよね。

ここ、起源は相当古いみたいですよ。内陣も、周回廊スタイル。有名どころでは、(いきなり遠方ですが、思いついたのは)トスカーナのサンタンティモとかで見られるスタイル(でしたよね?確認しないで書いているので、間違っていたら赤っ恥!)。ローマの古いバジリカでも、このスタイルはいくつかあったはず。
内陣を取り囲むように、馬蹄形の湾曲部分が回廊になっています。


写真で分かってもらうのは難しいような。
その上、この部分、ほとんど後代に手が入れられて、こんなになっちゃって。ちょっとだけ、小さな円柱や柱頭に、当時の面影が見られます。


こんな柱とか。ローマの流用でしょうね。柱頭はもしかしたら中世のイミテーションかも知れない。
本当に小さな回廊なんだけど、ちゃんと照明もされているし、とてもいい感じなんです。ますますクリプタが見たくなってしまって、しつこく呼び鈴まで…、という気持ちが分かってもらえるでしょうか。次回を楽しみにしましょう。

ヴェネトのロマネスク、こちらもどうぞ~!
ロマネスクのおと
  1. 2011/12/12(月) 05:34:38|
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ヴェローナ・ロマネスク 4

サンタ・マリア・イン・オルガノ教会、続きです。
といっても、今回はロマネスクじゃなくて、ルネサンス…。
ガイドのオヤジ、中世好きといいながら、実はルネサンスも例外的に好きだし、とかいって、異常に熱心にガイドをはじめたんですよねぇ。
私としてもどうしようかとは思いつつ、でもせっかくですんで。


祭具室。
なんでも、かのヴァザーリが、最も美しい祭具室のひとつ、とか何とかのたまったということです。
確かに、美しいんです。そしてそういう認められた歴史があったからか、保存状態も良好。何でも、この教会は、中世以降はオリベターニの管理下におかれたということで、あっちこっちにその痕跡が見られます。オリベターニというのは、シエナ郊外に、今でも立派な修道院があるのですが、逆に言えば、当時はイタリア各地に広まった宗派なのに、今ではシエナ郊外のオリジナルの場所にしかよりどころがなくなってしまった宗派。
オリベターノ派は、このような白い僧衣をまとっていたそうで、そのために、この祭具室のフレスコ画にも、白い僧衣の僧ばかりが描かれています。


今でも、勿論修復を経てのことでしょうが、実に美しいフレスコ画で、ルネサンス、描かれた当時、つまりヴァザーリ当時はどれだけ美しかったかと思わせるような代物です。
祭具室に付き物の木製の箪笥とか戸棚。
ここのはめき細工?寄木細工?なんていうんでしょうね。木製の装飾は、本当に素晴らしいもので、これは中世にはなかった世界なんです。


こういうのを見ると、アートが職人芸から始まったというのか、もともと職人=芸術だったみたいなそういうことがすごく分かりやすいというか。
たとえばここは台所関係、ここは書斎関係、とか、そういうテーマに沿ってひとつの部分がデザイン的に統一された作品になっているんですよ。すごすぎ。中世の下手振りもたいしたもんですが、ローマのあと中断された何かが、ルネサンスで、いきなりまた取り戻されるというか、遅れた分一気に取り戻すって言うか、イタリアにおける中世ってなんだったんだろう?と考えさせられます。


二つ目の教会で、こんなに時間を取っては、今日の予定はどうなるかなぁ、と少々気になりだしたものの、なんとなく、時間がないから、と帰るのが惜しまれたのは、そういう気持ちもあります。
この勢いで、当然、上の教会のガイドもされました。
たとえばこのイースター用のろうそく立て。


これ、当時の職人技にびっくりしたのは、絶対にそう見えないんですが、全部木製なんですね。言われたら確かに、石だったらこの高さ、重さを支えるの大変だし、木製にするよなって言うのはあるんですが、見た目まったく石です。職人技は、ヘタウマの時代を経ても、ちゃんと伝えられたんですねぇ。

でも、さすがに時間が気になりだしました。ちょうどそこにガイドオヤジの携帯に電話が入りましたんで、おお、いい潮時とばかりに距離を置いて、逃げる体制ができました。自然な感じでよかった~。

お口直し(?)ヴェネトのロマネスク、こちらもどうぞ~!
ロマネスクのおと
  1. 2011/12/11(日) 08:25:03|
  2. ヴェネト・ロマネスク
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ミラノ、展覧会とクリスマス・デコレーション

いよいよ押し迫ってきました。といっても、変に暖かいので、あまりそういう気分なし。でも、サンタンブロージョ(12月7日)を過ぎて、クリスマスの飾りつけも本格的になってきました。この週末には、我が家も押入れから引っ張り出さないと、と思っています。
久しぶりに展覧会。
といっても、毎年この時期恒例になっている、市庁舎での無料有名絵画展覧会。今年は、ラ・トゥール2枚が、ルーブルから来ています。


カラバッジョとも比較される光の魔術師。この絵、大工サン・ジュゼッペさんは有名ですよね。もう一枚、羊飼いの祝福。


たった2枚なんですが、例によって、この催しは、オーガナイズがすごい。20人くらいに一人学芸員がついて、絵の内容から見所、美術史などをかいつまんで、とても分かりやすい解説をしてくれます。今回は新兵器アイパッドを手に、ラ・トゥールの他の作品などについての解説も含めて、待ち時間にも、いろいろとガイドをしてくれました。
最近はこういう新しい絵(といっても17世紀ですけどね)にはあまり食指も湧きませんが、本来、カラバッジョとかラ・トゥールは、好きなタイプなので、結構興味深く見てきました。そして驚いたのが、ラ・トゥール、意外といい加減に描いてる!

特にサン・ジュゼッペなんですけども、ろうそくの光に夢中になるあまりなんでしょうか、ジュゼッペの手が、完全に変。プロポーション的にもデッサン的にも、正直、下手!
そして、光から遠い闇に溶け込んでいるジュゼッペの背中の、なんといい加減なことかと言ったら。こりゃ発見だわ、となんだか得した気分になりました。
ルーブルで何百枚と並んでいるところで見たら、絶対に気付かないことだったのではないかと思います。一枚をじっくりと見る意味って、きっとあるんですね。

それにしても、この催し、これまではたまたま遭遇したりして、かなり簡単に入場できたんですが、今日は30分も寒空の下並ぶ羽目になって、少々疲れました。10分くらいで、どうしようかと迷ったのですが、その時点で後にすでに50人以上は並んでいたので、そうなると、もったいないような気がして、つい並んでしまいました。
でもまぁ、解説付きで、かなり近くからがっつりと鑑賞できて、その上、ラ・トゥールにかかわる15分ほどの映画も見てきて、満足感はそれなりにありました。
今年、ミラノ市長が変わったので、さて、この催しも、来年はどうなることやら。

せっかく街中に行ったので、クリスマスの飾りも。


ツリーは、やはり暗くなってからの方がきれいです。ちなみに、日暮れ前だとこんな感じでした。


ドゥオモ脇にあるヴィットリオ・エマヌエレ2世ガレリア。


ここの飾りも、この数年、いつも同じですねぇ。まぁ、きれいなんですが、そろそろ新しい趣向を考えてほしいような気もします。

Georges de La Tour a Milano
Palazzo Marino - Sala Alessi
until 8 Jan 2012
  1. 2011/12/10(土) 05:41:15|
  2. アートの旅
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ヴェローナ・ロマネスク 3

次の教会に移動しましょう。サンタ・マリア・イン・オルガノ教会。


オリジナルは8世紀と古いながら、今ある建物のほとんどは15世紀の再建、中はルネサンス様式、というのを読むと、ほとんど訪ねる気も失せるのですが、サン・ジョバンニ・イン・ヴァッレ教会からは徒歩5分強という立地、そして、ロマネスク時代のクリプタがあるという情報もあるので、一応行ってみたんです。

おりしも雨が激しくなり、迷いながらたどり着いたファサードは上の通りで、すでにうんざり気分。なんだよ、この、ファサード前にある馬鹿みたいな付け足しは!?やりようのない怒りみたいのが湧いてきました。でもここまで来たんだから、雨宿りと思って入ることにしました。
これが、大正解だったんですよ。



中入ったら、こんな。こりゃだめだ、と、クリプタ探しに内陣に突進しました。
そしたら、おじさんとおばさんがおしゃべりしています。机に腰掛けて、どう見ても関係者。おしゃべりに割り込んで「ここ、クリプタがあるようなんですが、見学できますか?」と訊ねると、「勿論!そのためにわれわれがいるんですよ!」え~?そういう風には見えませんけどね~。

朝一番で訪れた謎の東洋人の勢いに引きずられつつも、なんだろうこの人、という空気満載で、おじさんの方が案内に立ちました。迷路のような狭い廊下、階段をたどって、小さな扉をくぐると…。


飾り気のない、それでも古さが伝わってくる空間が広がっていました。すごい。
ロンゴバルド起源のクリプタ。
思わず息をのみすごいすごいとつぶやいていると、案内のオヤジもちょっと感じるものがあったのか、態度が改まって、いろいろとお話を始めました。あ、本当にガイドだったんだ~。
彼も中世は好きなようで、「ヴェローナが中世期にどれだけ美しいロマネスクをたくさん持っていたか、想像できるかい?」なんて。ロンゴバルド起源の建造物もたくさんあって、中世があって、それがルネサンス、バロックの時代を経て、ほとんど壊されたり変えられちゃって、今ではこうやってひっそりと隠れて生きている状態なんだ、って。
この教会も、うわ物はルネサンス期の再建で、そのときに、クリプタへの階段も閉ざされちゃったんだそうです。でも、遺骸の安置とかにスペースとしては活用されてきたので、形としては残ったとか。度重なる洪水の被害にもあって、直近では19世紀の大洪水で土砂が流れ込んで埋まってしまったのを、その後掘り返して、そのときに、現在使っている廊下や階段でアクセスできるようにしたんだそうです。

ヴェローナのロマネスクが、こうやって生きながらえてきて、今でもあちこちかすかに生き残っているんだ、というのが、感慨深かったです。そりゃサン・ゼノという素晴らしいロマネスクがあるんだし、あれだけのはずはないんだよね。でも、ゴシックやルネサンスの外観に阻まれて、なかなかアクセスしにくいのが現実。その上、(しつこいが)観光局は頼りにならないし!

話を戻して、面白いなぁ、と思ったのは、柱や柱頭のこんな姿。


ロンゴバルドが、ローマの石材を再利用して柱にしたらしいのです。文字の入っている石材を使うのはよくあることですが、これ、文字がさかさまになっています。何でも、キリスト教に改宗したロンゴバルドにとって、ローマは異教徒だったので、ローマの石を使うにもこういう使い方をわざとしたとか。これは初めてききました。
ロンゴバルドの改宗はあっという間だったし、そんで持って、あまり技術はないのに、すぐキリスト教美術の創作に精を出した人たちだし、ローマの異教徒度に逆切れ、みたいなことはありそうな気もしますよねぇ。面白い!
これなんか、柱ごとさかさまなんですよ。


本来の基部部分が柱頭になっているんです。

こういうことって、一人で見ても絶対に分からないことだけに、ガイドさん、ありがたかったです。私が中世好きであちこち回っていることが分かったら、なんだか同士!みたいな感じで、話が止まらなくなっちゃって、この後延々とルネサンスまで連れて行かれちゃうんですけどね。普段はもはやルネサンスというだけでほとんど素通りするんですが、おじさんの情熱的なガイドは面白かったので、それは次回紹介させてくださいね。

ヴェネトのロマネスク、こちらもどうぞ~!
ロマネスクのおと
  1. 2011/12/09(金) 07:15:45|
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リグリア・ロマネスク

リグリア・ロマネスク


(ジェノヴァの市街。大航海時代に繁栄したために、ジェノヴァには金持ちが多くて、その結果として、いわゆる豪邸がずらずらと並んでいたんですね。金に飽かせて飾り立てちゃってすごいんですけれど、今でもその豪奢な様子が伝わるのは、ほんの一部。その後の斜陽で、ボロボロになりながらも、大きいのでどうしようもないから、仕方なく建っているという建物が多数。)
あああ、またやってしまいました、修行旅!どうしてこうなっちゃうのかなぁ。
今回の行き先はリグリア。ミラノ7時発の列車で、まずジェノヴァ。旧市街にあるロマネスクを見学した後、80キロ強フランス寄りのアルベンガに移動。で、18時の列車でミラノに戻り、ミラノ着は21時。


(コロンブスの家。多分、生家、または幼少期を過ごしたとかそういう家。こういう観光を目指して行っていないので、すーっと通り過ぎてから、あれ?今何かあったな、と振り返ったらこれでした。観光客の少ない時期ですから、外に出て喫煙中の受付のお姉さんが、「日本人の癖に、何素通りしてるの、コロンボの家はここよ!」的なオーラで私の方を見ていました。)
ジェノバとアルベンガ間は列車移動で2時間近く座っていたのですが、それ以外は、例によって、のまず食わず、ひたすら歩く…。アルベンガでは、見るべき物が限られていたので、おそらくお茶する時間くらいはあるはず、と思っていたら、結局全然だめで、駅前で買ったスナックを、電車待ちの間に食べるという情けないことと相成りました。せっかく海に行ったのに、お魚のランチどころか、海の写真なんか一枚もないんですよ…。


(ジェノバのカルロ・フェリーチェ劇場。そういえば、昔はまっていた頃、ここにもオペラを見に来たなぁと懐かしく思い出されました。)
実を言えば、ジェノヴァは、ロマネスク的にはさして興味がなかったのです。本来はノーリという町の有名なロマネスク教会を訪ねる予定にしていたのですが、列車の切符も買っちゃったあとで、なぜか水曜日はお休みということが分かり、急遽行き先を変える必要に迫られて、それでジェノヴァにしたってわけです。
ジェノヴァは町も広いし、本来なら、美術展でも引っ掛けて、丸一日のエクスカーションにすべき町だと思うんですよ。そうすればおいしい海の幸のランチもいただけるわけで。だから半日の観光なんて、そもそも無理なわけで、常に小走り状態になるわけで。


(アルベンガ、旧市街。市庁舎のクリスマス・イルミネーション、そしてまさに今日、立てられて飾り付けのされていたクリスマス・ツリー。)
でもまぁ、ジェノバの中世というのは、それなりに抑えとくべきものかとも思えたし、旧市街の散歩は、急ぎ足でも楽しかったし、収穫です。というのも、過去に何度か行っているけれども、いい町だと思ったことがなかったので。
アルベンガは、とても小さいながら、素敵な町で、ここはまた行ってみたい気がします。周辺には、いくつかロマネスクの遺構もあるようですし、いい季節に車で挑戦したいですね。


(アルベンガ、旧市街)
観光局のおじさんもとっても親切で、こういうものに興味があるというこちらの意向を汲んだアドバイスを的確にしてくれて、なかなかでした。

先日のヴェローナが終わり次第、リグリアに行きますので、お楽しみに。
しかし、中三日で修行はやりすぎ。いずれにしても、今年の修行は、これでおしまいの予定です。

ロマネスク全般、こちらもどうぞ~!
ロマネスクのおと
  1. 2011/12/08(木) 07:53:17|
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ヴェローナ・ロマネスク 2

サン・ジョバンニ・イン・ヴァッレ教会、続きです。


おばあさんに明かりをつけてもらって、クリプタに潜入!
地味ですが、とても美しいクリプタです。全体に白い色彩が、実に優美で、柱頭からヴォルトにつながるアーチには、特に惚れ惚れとしました。
明らかに後代のフレスコ画があるし、このリブ部分が色違いというのも、もしかしたら後代の装飾かとも思ったりもするのですが、漆喰の白と、円柱とおそろいの、ピンクと土の色の混ざった淡い色の組み合わせが、びっくりするくらいに印象的でした。


ただ、この淡い色は、このあたりで多用される凝灰岩みたいなんですよね。埋まっているときにはやわらかくて扱いやすくて、一度切り出して空気に触れると堅くなるという性質の石だったと思います。だから、こういう湾曲の加工もやりやすかったはず。とすると、中世のオリジナル装飾かな~。

柱頭は、地味にこんなタイプ。


とってもきれいに修復されています。無装飾のキューブ型もありました。

このクリプタで最も重要とされているのが、祭壇として使われていたらしい石棺。


すごく細かい浅浮き彫りが、前面にも横の方にもびっしり。
この教会も、もともとは初期キリスト教時代の教会があったもので、クリプタ部分は、その当時の遺構となるようです。この石棺も初期キリスト教時代、4世紀のもの。下段に聖書のエピソード、上段には子供の姿や動物が寓話的に彫られているようです。人々の背景に彫られた柱頭の細かさは、なかなかのものです。初期キリスト教時代までは、それなりに技術も継承されたのですよねぇ。

ふたの部分には葬られた人のお姿、でしょうか。これは14世紀の作品のようです。
石棺も、長期間にわたって使いまわされていて、なんかエコっていうか、いかにも石の文化ですね。

向かいに、同じ時代の石棺がもうひとつあります。


こちらは大変すっきり、ローマ臭も強いデザインなので(特に、このなみなみモチーフ)、すっかりローマ時代のものと思っていました。人のフィギュアも、下手なんだけど、中世的なヘタウマな面白さはありません(つまり、わたし好みではないということです)。

どうですか、よいでしょう。朝一番で駆けつけた甲斐があります。
しつこく、もう一回続けちゃおうかな。

ヴェネトのロマネスク、こちらもどうぞ~!
ロマネスクのおと
  1. 2011/12/06(火) 05:14:20|
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ヴェローナ・ロマネスク 1

ヴェローナの町は、さして大きくはありませんが、しかしながら、中世の遺構をたどろうとすると、東西南北に散らばっておりまして、徒歩移動となると、それぞれ結構な距離があります。一日だけとなると、時間には大いに限りがありますので、さて、どうやって回ろうか、ミラノからの列車の中で、地図とにらめっこです。
で、基本路線として、これまで訪ねたことがないけれど、どうにも気になる上に、町外れ、という場所を、まずプライオリティのトップにおきました。
これ、大正解でした。

というわけで、トップは、サン・ジョバンニ・イン・ヴァッレ教会。


ヴェローナの地図で言えば、右上、川を渡ったテアトロ・ロマーノ(ローマ劇場)遺跡のそばになります。ネットで調べても、オープンしているのかどうか、また開いている時間等、まったく分からなかったのですが、古いクリプタがあるということだったし、開いている可能性としては午前中が高いので、向かいました。

上写真がファサード。すでに期待させるたたずまいです!
扉は思いっきり堅く閉ざされていますが、近寄ったところ、「庭の方からお入りください」の案内があるじゃないですか。で、すでに垣間見えていた、かつては完全だっただろうキオストロのある方から入りました(今は、残念ながら、ほんの一部が残っているだけです。それでも繊細でかわいらしい建築です)。


あ、ありがたい!入り口が開いている上に、中には灯りが見えます。
入り口の中では、おばあさんが、お掃除をしていました。
頭を下げながら中に入り…、いきなり中世に引き込まれました。


素敵な、ごつい柱が並んでいます。ああ、すごい雰囲気。しょっぱなにしたら、すごい「あたり」って感じで、もう気持ちがわくわくしています。
ディテールが、そんなにすごいわけではないのですが、全体として、なんかつかまれました。ディテールがたいしたことないと言っても、こんなかわいらしい柱頭がありましたよ。


角々に羊君が。残念ながら、顔の先っぽが壊れちゃっていますけれど、前足の踏ん張り具合が、がんばっています。
壁には、フレスコ画の名残がいくつか見られます。


フラッシュをたくのがはばかられて、無理やりなしで撮ったので暗くてごめんなさいの一枚になってしまいましたが、ビザンチン臭の漂うフレスコ。最も古くて1300年代のもののようで、ロマネスクからは逸脱します。けれど、ちょいとひかれたのは、私の大好きなヘタウマ系だったからかな。

この教会で最も興味を持っていたのがクリプタ。訪ねたときは、ロープで通せんぼがされていたし明かりはついてないし、こりゃ無理かな、と思いつつ、お掃除中のおばあさんに、「クリプタは、やっぱり訪ねることはできないんでしょうか?」ととても控えめに尋ねたところ、「いいわよ~。では、明かりをつけてきますからね」と、軽く答えてくださいました!

次に訪ねた教会で、サン・ジョバンニ・イン・バッレでクリプタも見てきた旨話したら、「え?あそこは、最近、司祭が代わって以来、クリプタどころか教会も、開いていることが少ないんだよ。それは運がよかったねぇ。」と言われたんです。実際、町外れで、ミサ以外はあまり人も来ないような地味な教会で、(おそらく)普段は開けていないクリプタが見られるとは思いもよらないことだったので、納得でした。お掃除のおばあさんに大感謝。同時に、中世修行の基本は、やっぱり早起き、早朝に限ります!

問題のクリプタは次回!

ちなみに、ですが、ヴェローナのブラ広場にある観光局は最低でした。一応修行の出発点として立ち寄ってみたのですが、情報ゼロ、資料ゼロ。あるものに寄りかかっているな~、という印象です。つまり、だまっていても観光客は来るから、何もしないって言うスタンス。ヴェローナは、町にも周辺にもロマネスクがあふれているのに、きれいさっぱり何一つ資料がないというのは、本当に嘆かわしいことです。わたしが、何か資料がないか尋ねた質問に対しては、「本屋では何かあると思いますので、是非本屋に行ってください。」と。そういうのって、勿論よくありますけれど、ヴェローナのレベルでそれは情けない!
その後、一応並んでいるパンフレットの類を急ぎ足でチェックしましたけれど、本当に何もないのにはびっくりしました。ありえない!
しかし、そういう観光局に限って、スタッフが一心不乱にパソコンで何かしていて、こちらへの対応がいい加減、ということが多いんですよね。一体、何をしているんでしょう?本気で謎です。

ヴェネトのロマネスク、こちらもどうぞ~!
ロマネスクのおと
  1. 2011/12/05(月) 05:51:34|
  2. ヴェネト・ロマネスク
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