ジェノヴァ その1
ジェノヴァのロマネスク、ってどうでしょうか。実は私はほとんど興味なかったんです。リグリアのロマネスクといえば、以前、超天候を押して出かけたサン・フルットゥオーゾしか訪ねたことがなくて、しかし、あそこだけではサイトにまとめるには物足りないし、ということで、ノーリのサン・パラゴリオに行こうと思っていたのです。なのに、計画した日、たまたまサン・パラゴリオがお休みの日だったんです。列車のチケットを事前に買ってしまっていたので、無駄にしたくない一心で、ジェノヴァ行きとなった次第。
でも、調べると、実は結構それらしいものがあるんですよ。
ジェノヴァと言えば、コロンブスの出身地でもあり、大航海時代に栄えた印象が強くて、ロマネスクが発展したそれ以前の時代に関しては、何の印象もなかったのですが、考えたら港湾都市だから、他の土地との交流交易も激しいはずで、どの時代にもそれなりに繁栄していたとしても不思議はないのですよね。
とはいえ、やはり大航海時代以降の繁栄が著しいため、中世の遺構は、かろうじて残っている、というケースが多いのも確かです。
では、始まり始まり!
まずは、ジェノヴァの中央駅であるポルタ・プリンチペからメトロに乗って、一気に旧市街の中心地に向かいます。最初に出会うのが、サンタゴスティーノ教会(Sant'Agostino)。
お、いきなりジェノヴァっぽい縞々です。
この教会、すでに2世紀前から、教会としての機能はなくなっていて、今では博物館として転用されています。全体に妙にのっぺりと修復されてしまっているし、やはり現役でない教会は、宗教的なオーラを失いますね。
それでも、古い石版なんかがはめ込まれていて、これなど、1289年10月という日付が読めます。
ロマネスク的にはちょっと新しすぎますが、でも、この石版の時代には、教会は現役だったんですよね。
キオストロに入るための扉口には、神の子羊の浅浮き彫り。ちょっと新しいかな。でも全体から見ると、そこだけちょっと空気がね。
そのキオストロ、なんと三角形しているんです。
中世後期に作られた、教会に付随してあった修道院のキオストロらしいです。もともと三角なんですよ。おそらく、地形上、三角でしかできなかったんでしょうね。そのせまぜましい感じが、ちょっと侘びさび入ってて、妙に愛らしいです。装飾も、回廊を囲う円柱の縞々だけというのも、かえってすっきりとしてよろしいかと。壁が白々と塗られてしまっていて、少々味気ないとはいえ、オリジナルもこういう感じだったのではないかな~、と思わされるようなたたずまい。といっても、ジェノヴァのロマネスク一発目ですから、本当のところは分からないで、見てますが。
反対側には、鐘楼が見えます。
これは1400年代のものなのですが、ロマネスク様式になっていますね。二連窓や四連窓の、優美な円柱で支えられているアーチ、そして層を区切る部分はレンガをぎざぎざ模様にしていたり、アーチの内側に、ロマネスク時代には多色陶器の大皿をはめ込んでいたところには、タイルで幾何学的なモチーフがはめ込まれています。レンガが、確かに新しいなぁ。
もうちょっと近くから見たいな、と思い、教会をぐるりと周ったのですが、全体に家が建て込んでいる地域で、反対側からは鐘楼の姿すら見えなくなってしまうのでした。ジェノヴァの旧市街は、建物の建て込みがすごい上に、アップダウンが激しいので、ちょっと位置が変わると、景色が全然変わってしまうんです。
ジェノヴァの町を面白いと思ったことがなかったので、実はロマネスク探訪もあまり気が進まなかったのですけれども、ここですでに、これは面白い町だ!と思い、うれしくなりました。
続きます。
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- 2012/01/31(火) 05:49:38|
- リグリア・ロマネスク
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東京の休暇編、しめてなかったですね。
今回は、最近恒例になっていた落語も手配ができなくて、イベントは少なかったのですが、お出かけは結構できて、やっぱり楽しい滞在でした。
なんと言っても、食は充実していたかも。
ミラノの普段の生活では、忙しかったりして、ついついジャンク的にパスタ一皿でおしまい、なんていう夕食も多かったりするのに、日本滞在中の食事は、いつだって「ハレの日」状態なんですよね。
滞在中、実は誕生日があったりして、今回はこんな素敵なケーキで、ハッピーバースディの歌をみんなで唱和、といううれしいこともありました。
うわ、かわいい~!ピエール・エルメって、スウィーツに特に興味がないって言うか、基本的に甘いものは得意ではない私でも知ってるパリのパティシエ~。こりが有名なマカロンってやつか~。去年、パリを歩いた際、散々目にしましたけども、ここで味わうことになるとは~。なるほど、パリのお菓子の味かも!
こんなにフェミニンなケーキをいただいた夜ですが、ほほほ、お酒もたっぷしいただきました。
とりあえずこんな感じ。4人で四合瓶4本って、それも内一人はほとんど飲めない人なのに、どうなんだ?この上に、確かマッコリとかもいただいたような。もう記憶なし。
確かに今回はいつも以上によく飲んだような。また一年日本酒なしの生活かと思うと、ついつい最後の日々にも、のめるかな、と疑問に思いながらも買いだめする私だったんですよね。飲みだめなんてできないのにね。いや、できるのか?
いっつも正月早々に押しかけて、散々、飲むわ食うわしゃべるわ、の一日を過ごさしていただくお宅では、また今年も同じ…。
今回は早く切り上げますから!といいながら、手料理のおいしさにお酒が止まらず、ついでにおしゃべりも止まらず、結局また、いつまでもだらだらとながっちりになってしまうのでした。反省~!といいつつ、また来年も同じことになるんだろうなぁ。
ま、そんなこんなで、また、日常生活が戻ってきたわけです。
休暇はいいよねぇ、やっぱり。
お誕生日に、もらった素敵なお花。
それから、京土産のにおい袋。
お花は持ってこられなかったけれど、このにおい袋は、今も我が家で上品ににおっております。前を通る度に、ふっと香る京のにおい。あああ、やっぱり日本は好きだ~!
なんちゃって。いや、好きですけどね、ほんとに。でも、休暇が取れないのは辛いので、もはや日本では生活できない体質になっているのを知っているので…。実際、正月休みが明けた途端に、何をしているかというと、イースター休暇(4月)の計画…。すみません。
そんなわけで、本当に楽しく充実した2週間でした。こういう素敵な休暇があるから、一年がんばれるんだよな~、ってそういう感じ。って、そういって、いつだってお休みばっかりしてるんですけれどね。でも、こういう楽しみのために、働くのだよ、人間はね。
ということで、日本でお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました。また来年も、反省もなくこういう感じで、よろしくお願いします~。
日本休暇編2012、これでおしまい。
- 2012/01/30(月) 05:32:45|
- 日本徒然
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東京の実家近くに、日本酒の品揃えが素晴らしい酒屋さんがあることは、よく書いている気がしますが、実は、ミラノの自宅の近くには、とってもよいワイン屋さんがあるんです。どこに行っても、「のまずにおれん」状態になっているってわけで、喜んでいいのかどうなのか、難しいところです…。
いずれにしても、信頼の置ける酒屋さんがあると、お客様を招くときとか、お招きいただいたときの手土産用ワイン購入とかに、とっても便利。自分の晩酌用には、近所のスーパーのバーゲン・ワインを利用していますけれど、そういうときのために、時々酒屋さんに立ち寄って、ちょっとよいワインを物色します。
そのお店、トリノ発で、あっという間にイタリア全国区となり、今では世界規模で展開しているEatalyのミクロ版、といった感じのお店で、今の家に引っ越してきてから出会いました。オーナーが自らイタリアを歩いて、気に入った生産品を直接買い付けているとか。ワインのみならず、パスタから各種ペーストやオリーブ・オイルまで、イタリア全国の様々な食品を、直接販売のメリットを生かして、市価よりもかなりお安く販売しているのです。
このような雑誌も出しているVia del gustoという店で、現在ミラノに3店舗あります。
ワインは特に力を入れていて、毎週末には何らかの試飲会をしています。無料だし、お店の中に厨房まで持っているので、熱いおつまみまで提供されちゃいます。おつまみの材料は、勿論お店で売っている食品なので、そのプロモーションも兼ねているわけです。
今日、久しぶりに立ち寄ったところ、試飲用ワインが4本くらい並んでいました。ランチ前で空腹だし、試飲はいいか、とワインを物色していたものの、薦められたので、結局二種類試飲。
酒は飲む一方で知識ゼロなんで、ふーん、で終わっちゃうことも多くて、なんだか試飲させてもらっても申し訳ないような。とはいえ、おいしければ、買ってもいいかと思ったのですが、あまり好みのワインではありませんでした。
もともとかなりお安く販売しているのに、いつでもさらにバーゲンにしているワインがあるので、たいていはそういうワインを求めるのですが、今回もいくつか、そういうのがありました。
これ、Cesaneseというブドウ種の赤。何でこんなに安くしているのかしら~、とお店の人に訊ねたところ、「このブドウ種はイタリアの伝統的なものだけど、今ではローマ近くのとても小さな地域でしか栽培していないために、生産量も少なくて知名度がとても低い。けれど、僕はとても好きだし、多くの人に知ってもらいたいから、今回こういう価格にしている。」ということでした。本当にびっくりするくらいのバーゲン価格だったんですよ。でも確かに、Cesaneseなんて聞いたこともないので、本来の値段だったら、ちょっと買えない。
ついでに、本日限りのバーゲンだったネロ・ダヴォラが目に付いたので、手で持てる最高かな、とあわせて4本、購入。
重い。でもがんばれば、もう1本くらい持てたかも!
4本で、しめて16.60ユーロ。安い~。幸せ~!
というわけで、今夜は早速ネロ・ダヴォラをあけて、この正月休みに友人がプレゼントしてくれた切子グラスでいただいています。
羽子板がモチーフの切子。きれいですよね。グラスが赤なので、赤ワインは合わないかと思っていたけれど、そんなことないですね。
いつも使っている安物の大量生産グラスに比べたら、なんか口の当たる感じもよくって、やっぱり職人さんの仕事って素晴らしいなぁ、と感心しながら飲んでいます。ワインもおいしいです。
というわけで、ミラノにお住まいの方、Via del gustoは強力にお勧めですので、是非お運びください。ソムリエさんも、みんなとってもフレンドリーで、ワインの話も楽しくできますよ~。
- 2012/01/29(日) 06:31:04|
- ミラノ徒然
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サン・ゼノ最終回です。
キオストロ=回廊。
きれーな二連の小円柱の連なり。優美です。
本堂の側壁の縞々も鮮やか。これはやっぱり後代のものですね、きれい過ぎ。
反対側にある鐘楼の天辺がのぞいています。
全体にとってもきれいだけど、でもインパクトはあまりないキオストロ。やっぱり13/14世紀のものなので、ちょいと違うかな~。柱頭も特筆すべき装飾はなしです。
一方で、入り口のアトリウム部分、夏季には入場券売り場になっている場所の柱頭が、かわいかったので、パチリ。
そんなところで、サン・ゼノともお別れ。とはいえ、ファサードの修復が終わる頃には、是非また訪ねたいと思います。今回、全面工事幕に覆われて見る事ができませんでしたけれど、ファサードの扉周囲の浮き彫り、素晴らしいのですよ。以前撮影した写真と、修復後の写真を、完成後に比べてみたいものです。修復は、おそらくファサード全体で、浮き彫りではないと思いますが(下は、以前撮影したもの)。
サン・ゼノに戻りたい理由はもうひとつ。
すぐお隣にある、ここ、サン・プロコロ教会。
ぱっと見、別にー、って感じですよね。
ここ、サン・ゼノに行く度に、本当にすぐお隣なので目をやるのですが、あいていたことはないし、全体に打ち捨てられている雰囲気。でも、実は、9世紀頃のクリプタがあるらしいんですよ。
今回、ほかの事を訊ねたついでに、サン・ゼノの係員に、このプロコロ教会のことも聞いてみたら、夏季にはボランティアがガイド・ツアーをやっているし、通常18時のミサの時にはあくはず、ということだったんです。
そんなわけで、ヴェローナは、まだ何度か行かなければならないような気がします。とりあえずは夏季時間を待って、ドゥオモ内部の教会や、郊外の教会を訪ねる予定にしていますので、このプロコロもその予定に入れたいと思います。
以上、ヴェローナの項おしまいです。
長々とお付き合いいただいてありがとうございました。今後、さらに修行の旅をしてから、サイトにもまとめていきますので、お楽しみに。
ヴェローナは、普通の旅でも行かれる方が多いかと思いますが、ローマやゴシック、バロックのみならず、中世初期の遺構が実に数多く残っているのだということをちょっと記憶していただいて、地下(クリプタ)探検などもしてみていただくと、また違うヴェローナに出会えることと思います。
あ、普通の旅行者にとっては、まずロミオとジュリエットですかね~。ま、いいか。
では、次回はリグリア・ロマネスクをご紹介します。
- 2012/01/27(金) 06:59:53|
- ヴェネト・ロマネスク
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サン・ゼノ続きです。
本堂内部で、青銅の扉の次に見るべきは、内陣下に置かれた、開放的なクリプタの装飾群でしょう。
ここのディテールは、面白くって大好き。特に、入り口部分のアーチを飾る浅浮き彫りは、モチーフも、組紐から葡萄蔓、実在の動物やら想像上の動物やらが入り乱れていて、見ても見ても飽きません。
感じとしては、後代にかなり激しく修復されている部分もありそうですが、モチーフはオリジナルに忠実ではないかと思われます。
なんだか面白いでしょー。
鶏が、四足動物を運んでいる図。これって、モザイクでもありますよね。何か寓意があるはずですよね。今度調べてみようっと。
クリプタ全体も、雰囲気は大変よいのですが、残念ながら、暗い!クリプタとしては、自然光が入る方だと思うのですが、それでの人工の光が少なくて、せっかくの柱頭もよく見えないのがとても残念です。
面白いのは、この構造。上を支える大きな柱がどかん、と建っていて、本来のクリプタの優美な雰囲気をかなり壊しているというか。変わってますよね。
柱頭。地味ながらかわいらしいものが多数。
クリプタの上の後陣部分には、ゴシック~ルネサンス期のフレスコ画がたくさんありますが、私には新しすぎで、あまり見るべきものはありません。
クリプタを始め、本堂全体に床の石の磨り減り具合がいいな~、と思い、入場口の人に訪ねたところ、意外と新しくて、このサン・ゼノを含む、ヴェローナにあるほとんどの教会の床は、17/18世紀、バロック時期に張り替えられたものらしいのでした。分からないものです。これは古いな、と今までいとしく思っていたものも、もしかしたら多くはその程度の古さだったのかもしれませんねぇ。やはり常に踏まれているから、当然ながら、劣化も早いのでしょうね。
- 2012/01/26(木) 06:26:07|
- ヴェネト・ロマネスク
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サン・ゼノ続きです。
ここは外観も美しくて素晴らしいのですが、中に入ると、これまた楽しいものがてんこ盛りです。
まずはやはりこれでしょうね。正面の青銅の扉。
これが正面扉で、かつてはここに置かれていたのですが、今は保存のため、この裏側、つまり教会内部に置かれています。
これは、本当にかわいいんです。
扉の左右に、びっしりと浮き彫り。テーマは、旧約新約聖書のエピソードです。そして画面の区切りの線部分の模様とか、アクセントのフィギュアとか、すべてに神経が行き届きて、いつまで見ていても飽きないようなディテールの面白さがあります。
48枚の場面があって、複数の職人さんの手によるものだそうです。確かに、場面によって、若干表現方法が違うんですよね。
全体にとてもスタイリッシュな感じで、びっくりするくらいデザイン的なんです。
これは、キリストが十字架を運ぶとこの図ですね。
これは、かなりデザイン的な表現ですけれど、一方で、衣のひだなんかも細かく表現されて、写実的な画面もあります。たとえばこれ、エルサレム入場の図。
確かに棕櫚がありますね~。面白いですよ。
でも、これ扉なので、背が高い!上の方はあまりよく見えない!その上、すごく暗い!
あまり人が来ないので、いつまででも独占してみることができるのですけれども、望遠鏡やオペラグラス必携です。
そう、この扉のところ、人が来ないんです。
というのも、今は正面扉が閉ざされていますから、本堂に入るための入場口は、向かって左、北側面にあります。そこから入ると、本堂のちょうど中間くらいの場所に出ます。天井も高いし、クリプタもある内陣の奥行きが深いし、フレスコ画とか目立つし、どうしても内陣方面に足が向いてしまいます。
青銅の扉は、反対側になるので、知る人ぞ知るみたいな感じで、訪ねる人のほとんどが気付かないままという状態になっているような。もったいないよう。
他にも楽しいディテールが山ほどあるとはいっても、この青銅扉が、おそらく最も注目すべき作品なんですけれどもねぇ。
行かれる方は、是非忘れず、入場したらすぐ右側に走ってください。
- 2012/01/24(火) 05:24:55|
- ヴェネト・ロマネスク
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ヴェローナ・ロマネスク 15
昨年末に中断したヴェローナに戻りましょう。
ヴェローナ・ロマネスクの代表選手、サン・ゼノです。
サン・ゼノは、史跡の集中する、現在のヴェローナの旧市街からは、ちょっと離れた場所にあります。離れているとは言っても、住宅の立ち並ぶ地域にあり、やはり「町の教会」。
ところで、今回の旅では、疲れと時間の節約のために、列車で到着するなり、市内交通の一日乗車券を購入して、バスで動き回る計画でした。バス路線の入った地図もゲットしたものの、やはり知らない町でのバス移動は難しい!
サン・ゼノに向かったものの、降りる停留所が分からずに、気付いたときには教会の前をス~ッと通り過ぎていて、教会を大きくぐるりと周って、やっと次の停留所で降りることができました。
雨模様でうっとうしい一日だったので、歩いて戻るのか、とうんざりしたのですが、しかし、これがひょうたんから駒、いや、棚から牡丹餅?
サン・ゼノの後陣側、それもかなり遠くからアクセスすることとなったのですが、この裏側の方は、道が広くて空が広がっていて、この教会が建ったころは、何もなかったんだろうなぁ、というイメージが。川の近くだし、もしかすると草原とか広がっていて、現在でのイメージとしては、ローディ・ベッキオのサン・バッシアーノ教会かな。
せっかくなので、後陣全景。
ファサードは、白っぽい石(多分凝灰岩)ですが、こっち側は鐘楼とおそろいの縞々だったんですね。鐘楼は、四隅に凝灰岩があるので、同じ縞々でもとってもすっきりしていますが、後陣の方は、ちょっとしつこい感じもしますね。形から言っても、もしかして後代のものかな。
やっとファサード側に出てきたら、なんとなんと!修復の真っ最中でした。
せっかくだから、数年前に訪ねたときの一枚。本来はこんな感じです。
これ、2008年のものですが、そういやずいぶんと薄汚れていますね。石材は、ファサードも、鐘楼の四隅と同じ、ちょっと黄色がかった凝灰岩と思うのですが、鐘楼の方の白さとはかなり違います。そういえば、鐘楼の方は、この2008年に訪ねたとき、お化粧直しをしたばかりだったように記憶しています。
本堂脇壁も、上部がしっかりと縞々でした。
う~ん、なんか臭い。まぁ鐘楼はロマネスク時代のはずなので、オリジナルが縞々だったんでしょうけれど、妙に新しくさいですね。ま、この辺はおいおい調べるとして。
ディテール、続きます。
ロマネスク・サイト、今年の目標、毎月更新!さて、どうなりますことやら。すでに今月、挫折しかかってます。いずれにしても、ロマネスク・ファンの皆様、今年もよろしくお願いします。
ロマネスクのおと
- 2012/01/23(月) 05:21:17|
- ヴェネト・ロマネスク
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日本に帰ったら、とりあえず温泉!これも毎回恒例。
いつもは、奥多摩とか富士山方向とか、なんとなく山方面に行くのですが、今回は趣向を変えて、海方面!茅ヶ崎に行ってきました。
意外に近い!というのにまずびっくり。
本日の予定は、せっかくの海なので、まずは海の幸ランチ、それから温泉。
というわけで、事前にネットで探したお店へ、海の幸ランチです。
ここ、海岸と市街の中間地点にある「あさまる」というお店ですけれど、いやはや、おいしかったです。ランチだったので、酒抜きでメニューをいただいたんですが、お酒ないのが本当に惜しい!というレベルですよ。お店のたたずまいも、なんだかとってもよいでしょう。駐車場も完備。完璧です。
お刺身とてんぷらのセット定食。
てんぷらの衣が全体にちょっと重いか、という意外は絶品。東京では絶対味わえないレベルとお値段ですねぇ。
シラスのある時期だと、新鮮な釜揚げとかいただけるようで、一度そういう時期に来て味わいたいものです~!残念ながら、この時期はシラス禁漁期間でしたので。
ランチがあまりにおいしくて、満足度が高かったので、そのまま帰りそうになったのですが、待てよ、そもそもお湯に来たんじゃなかったか?ということで、本来の目的地、竜泉寺の湯。
いきなりあるんですけどね、道沿いに。意外とよかったんです、この温泉。スパークリングでちぱちぱと気持ちのよい泉質に加えて、ジャグジーとかがとっても充実していて、のんびりと浸かってしまいました。休憩室の狭さが、若干気になるかな。
それにしても、600円とは、お得感あります。岩盤浴に力を入れているようで、それを利用しても、プラス200円だか300円とかだったと思います。こんなのが近所にあったらいいなぁ。。。
日帰り温泉は、本当にいいですねぇ。今回のように、素晴らしいランチとセットだったりすると、もう至福。日本人でよかった!とか思っちゃいます、どうしても。
いずれにしても、あのお魚ランチ考えると、ここはまた訪ねたい場所です。
- 2012/01/21(土) 06:16:12|
- 日本徒然
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このところ毎年恒例の東京下町散歩。今回は、両国です。駅前の国技館は、初場所を控えていたので、美しいのぼりが立ち並んでいました。
着物にも通じる日本的なこういった色彩は、めちゃくちゃ派手なのに、なぜかしっとりと落ち着いていて美しいんですよねぇ。スポンサーの永谷園も、歌舞伎っぽくていい色です。
この近所には、いくつか相撲部屋もありますが、初日間近だったせいもあるのか、うろうろしているお相撲さんがほとんどいなかったのは残念でした。相撲部屋といっても、近代的なビルだったりします。
そもそも、この両国という町には、もはや古い家はほとんど残っていないのですね。おそらく道だけはほとんど昔のまま、というような通りに沿って、立て替えられた小さいマンションやアパートが無秩序に並んでいるだけの、かなり無機質な町並みで、お店も少ないし、町歩きの面白さには、欠けるかもしれません。
とはいえ、所々に、昔からのせんべい屋さんがあったり、家内制手工業の縫製工場の軒先に「なぜこんなに安いんだ?」的な洋服を売っていたり、同じ東京でも山の手とは大いに違う景色に出会える面白さはあります。
これは、お相撲さん向け超デカサイズ専門洋品店。名前がいいですよね。ウィンドウには超デカパンが堂々と飾られていました。
すぐ近くの東京江戸博物館にも、久しぶりに立ち寄ってみました。
今年の大河ドラマ平清盛関連の展覧会をやっていましたが、時間があまりなかったので、常設展だけ見てきました。以前とはかなり内容が変わっていて、楽しかった!落語・時代小説好きのオヤジ志向なので、江戸文化にはかなり親しみを感じるんです。
落語といえば、ここには有名な回向院があります。
このあたり一帯は、大火で消失して、お寺周辺は火除け地だったところ。落語「野晒し」の舞台だったような?
それが今じゃこれ。
周り中マンション。井戸底状態で、古い石碑も何もかも、見下ろされています。
ここには、鼠小僧のお墓があるんです。何でも歌舞伎や狂言で取り上げられてすっかり有名になってしまって、本来犯罪者のお墓を作ることは禁止されていたのに、庶民の祈願対象として、供養墓が立てられたんだそうです。
お墓の前に、欠き石と呼ばれる石が置かれています。この石を財布に入れたり身に着けていると、金回りがよくなったり、持病が治ったりするんだそうです。
鼠小僧のお墓以外にも、狭い土地にみっしりいろいろ立っていて、ここでもよく観察すると、かわいらしい彫り物が見つかります。
すぐそばに、吉良邸跡があります。
跡といっても、当時の玄関にも満たないくらいの小さい一角がそれらしく残されているだけなんですけども。あんまり狭いので、ちょっと人が入ると満員状態で、何がなんだか分からないスペースになったりします。すぐ脇には、かなり年季の入ったアパートの裏側が見えたり、当時のお屋敷を想像するのはほとんど無理。
その他、このあたりで生まれ育った(とは知りませんでした)芥川龍之介の文学碑があったり、勝海舟生誕の石碑があったり、やっぱり由緒正しい土地なんですね。そりゃ、今でこそ下町ってくくりですが、江戸時代は中心地に近かったわけですもんね。
歴史を感じられるって言う意味では、やはり下町は面白い。
夜は、お蕎麦屋さん飲みしました。とてもおされ~な、蕎麦屋さんというよりもバーみたいなたたずまいのお店で、お料理も器も美しくておいしくて、勿論お蕎麦もたっぷりで、大満足。正直、両国とは思えない、なんて言ったら両国の人に怒られそうですけども。
鬼が笑うにも早すぎますけど、来年はどこに行きましょうかね~。
- 2012/01/19(木) 06:19:32|
- 日本徒然
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今回は、結構お出かけしてきました。初詣に続いては、唐突ですが、海ほたる!
いやはや、すごい場所です。漠然と、東京湾の真ん中に浮かんでるイメージを持っていたんですが、まさに浮かんでます。
正月早々は、ちょいと暖かかったりしたせいか、低い部分はもやもやしていて、残念ながら東京側の景色はかなりかすんでいて、スカイ・ツリーなんかも全然見えませんでした。それでも、羽田発着の飛行機が頻繁に飛び交ったり、釣り船がぷかぷかと浮かんでいたり、空と海と、ぐるりと青で、なんと言うか、日本の技術にただただ感心しましたねぇ。大好きなプロジェクトXの世界ですよ。
東京側はトンネルなので、全部海ですが、房総方向は海の上に道が伸びています。
この眺めは、異次元ぽくてかっこいい~。その昔首都高が作られた頃、人々が感じたかもしれない印象を感じたかも。
イタリアにはベネチアと本土を結ぶ道路と鉄道があり、両側海なので、初めてのときは感激しましたが、そういえば、景色には感心しても技術に思いが行ったことはなかったです。イタリアで、よくも作ったとも思うけれど、でも本当の海じゃなくて干潟ですし、水深が相当浅かったりするんですよね(無理に馬鹿にすることもないけど、ついつい)。
話を海ほたるに戻しますと、実は日本がイタリアにかなわない部分も目に付いちゃったんですよね。ドライブイン部分のダサさ…。これはもうすさまじくて、しばし呆然としました…。
なんだろう、場末のしけた商店街?ごちゃごちゃしていて、まったくもって「ダサい!」としか形容しようのない状態なんですもんねぇ。建築技術のすごさとの落差が、ひどく「日本」って感じですねぇ。
それにしてもびっくりしたのは、房総の近さ。この海ほたるは、真ん中じゃなくて、圧倒的に木更津寄りなんですね。ここから木更津までは20分もかからなかったような気がします。実は、昔っから家族ぐるみで付き合っていた方が木更津在住なので、事前連絡もせずに、いきなり訪ねていきました。向こう様にとっては大迷惑!
木更津に入ると、いきなりのど田舎。潮干狩りの看板が連なり、時々地平線が見えるし!
海ほたるができて、横浜方面がめちゃくちゃ近くなったけれど、結局木更津に来る人はいないわけで、かえって寂れてしまったとか。バス代や通行料も高いので、普段使いにはできないという事情もあるそうです(ちなみに、今のところETC搭載車は800円とお得になっていますので、複数でお出かけするならかなり割安感ありです)。
地平線の見える場所がいくらもある房総に比して、東京の高層ビルの林立。湾岸はすごいことになっていますよね。レインボーブリッジ通過中に撮影。
東京って広くて便利なだけあって、日帰りで楽しめる場所、たくさんありますねぇ。でも、あの車幅が狭くてカーブの多い首都高、私にはとても走れないな~。
- 2012/01/18(水) 06:09:56|
- 日本徒然
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