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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ジェノヴァ その11

ジェノヴァで最後に訪ねたのは、カテドラルであるサン・ロレンツォ。



さすがカテドラル。例によって旧市街の細くてくねくねした小路を抜けると、かなり広々とした教会前の広場に出ます。
全体にごてごてとゴシック・テイストも激しく、いきなりひるんでしまいます。
でも、左右の側廊部分に開いている扉に、ロマネスクの名残が残っているので、めげずに確かめないと。
まず、ファサード向かって左側にあるポルタイユ、洗礼者ヨハネの門。



側柱の表面や、扉側に、それはもうびっしりと彫刻が施されています。哀しいことに、扉を取り囲むようにかなり離れた部分に鉄柵があり、まったく近寄れません。特に側柱内側の部分の彫刻はとても面白そうだったのですが、左側がかろうじて見えるだけで、右側はほとんど見えない状態でした。これはちょっと改善してほしいなぁ。鉄柵で守ることに文句はありませんが、せめてもう少しは見せてもらいたいものです。

次に、右側に回りこみます。
こちらは、サン・ゴッタルドの門。
こちらも、側柱部分の装飾が、かなり激しくなされていて、保存状態も良好です。



これ、ちょっとよくないですか~。門そのものは、そんなに大きな感じはしないのですが、こうやって足元から見ると、壮大ですね。
聖書のエピソードもてんこ盛り。



右側は、ヨセフと幼子キリストを抱いたマリアがエジプトに逃げる場面ですよね。でも、左側にあるエピソードはなんだろう?

先を急いでいたせいなのか、全体のゴチック臭に辟易としてしまったのか、はたまた、ここに至るまでに疲れすぎてしまったのか、実はいまひとつ集中力に欠けていたのが、我ながら残念。よく見ると、面白い彫刻がたくさんあるのに。
でもきっと、こういう、意味のある彫刻を見るのって、結構体力気力がいるんだなっていうことが分かった気もします。
というのは、これ。



ファサードは、ゴチック風ごてごてで、じっくり見る機にもならないものなんですけれど、ただ、扉の側柱部分とかの幾何学模様が妙にかわいらしくて、ボーっと眺めて一瞬癒される、みたいな。こういう、なんというかデザイン的な装飾って、集中力なくてもいいんです、多分。
まぁ超早起きで移動して、列車を降りてからのまず食わずで駆けずり回ってほぼ昼時ですから、疲れないわけもなく、そういう見学方法を取るのが、おそらく間違っているんですよね。ここに関しては、ほんと、もっと元気なうちに見学しておくべきでした。

お昼時で目の前で扉がクローズしてしまったのも、お隣にあるはずの12世紀のキオストロに入れなかったのも、そういう意味ではよかったのかもしれません。次回は、一番で行ってみます。
ということで、リグリア・ロマネスク、このとはアルベンガに移動しますので、またお楽しみに。

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  1. 2012/02/29(水) 05:56:00|
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ジェノヴァ その10

またまた、ちょいと寄り道です。
先日ご紹介したサン・マッテオ教会のある広場には、ジェノヴァの名家、ドリア家の遺構が立ち並んでいます。実はこのサン・マッテオ教会そのものが、ドリア家の礼拝堂として建てられたのが起源なのです。
ドリア家は、西洋史をやっている方には言わずもがなですが、12世紀頃から政治的な頭角をあらわしました。当時の家長アンサルドは、ジェノヴァ総督でいながら、イベリア半島の対イスラムの戦いに出陣する等大活躍。その息子シモーネは、バルバロッサ(フェデリコ1世)の下で、外交官の役目を果たし、第三回十字軍に従軍。そうやって、ルネサンス期に至るまで、ジェノヴァの重要な家系として重責を担い続けた、”華麗なる一族”です。
そのドリア家の遺構が、立ち並ぶのが、この一角。
サン・マッテオ教会ファサードには、サント・ステファノ同様に、白い石部分に、多くの碑文が刻み込まれているのですが、これ、ドリア一族による軍事的な功績が記されているらしいです。



鷲が王冠をかむった姿が、ドリア家の紋章なんでしょうかね。あちこちに刻まれています。



この、教会向かって左側の建物と、反対側の建物全体がドリア家の住居。





実は、説明版とかそういうものがな~んにもないので、どれがどれだかよく分からなかったんですけどね。そもそもルネサンス、興味がないし。でも、一応建物の起源が12世紀ごろのもあるって言うことで、撮影してきた次第で。
ドリア家って、そういえば、以前訪ねたサン・フルットゥオーゾにも、墓とかあったし、相当すごい一族だったのね、というのが、実際にこうやって建物を目の当たりにすると簡単に実感できます。ジェノヴァの町のまさに中心部分に、どど~んと住居を構えちゃっているわけですからね~、立派な教会まで私有して。そもそも、歴史の激動期でもある12世紀から16世紀まで一貫して栄えるって、すごい。400年ですよ。いやはや。



かろうじて中世の名残が感じられたのは、建物の地上階部分のポルティコを支える柱頭くらいでしたけれども。ま、たまには歴史散歩もありかな。

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  1. 2012/02/28(火) 06:27:28|
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ミラノ いきなり春です

もぉ、びっくりします。つい先日までぶるぶるしていたのに、数日前いきなり、朝食のときに電気をつけなくても明るいので「夜明けが早くなったな~」とびっくりしたばかりなのに、なんだか気温もぐんぐん上昇して。なんなんだ!?
というわけで、3ヶ月ぶりで、ドライブに行ってきました。



このところ忙しくて、お出かけ計画を立てる時間もなかったので、とりあえず、以前行こうと思ったけど行けてなかった地域の教会めぐり。ロンバルディアとピエモンテの州境を行ったりきたりするあたりです。
気温は20度くらいまで上がったので、まさにドライブ日和。寒くもなく暑くもなく、実に快適。
それにしても、しばらくロング・ドライブをしていなかったら、やはり緊張するもんですね~。高速に乗って、100キロ出すまで、ちょいとかかりました。ハンドルを握る手も緊張しまくりだし、料金所で、窓口の近くに寄りきれずに、チケットを取るのに、結局窓から届かずドアを開けたり、あああ、初心者状態…。



訪ねた場所は、米どころ地域。今は、米が刈り取られた後の、ちょっとさびしい風景でした。水田を縫って走る細い道なので、対向車や後続車がいると怖いんですが、幸い日曜日だと、誰もいないので、実に気持ちのよいドライブです。水田に水が入っている時期だと、白鷺があちこちにいたりして、米の緑とのコントラストも美しいのですが、この時期は、冬枯れで、刈り取られた後の、しけた黄色の株にカラス。



でも、その黄色と青空が、なんとなくゴッホの絵を思い出させたりして、それはそれで、美しいものです。青空は、やっぱりいいもんですね~。

教会めぐりは、こんなに充実感のない旅は初めてじゃないか、というくらいの不作に終わりましたが、でもどっちかといえば、「たまには車動かさないと」という方がメインだったので、それはそれ。どれだけ不作だったかは、また後日紹介させていただきます。



それにしても、このまま春になるのかな。だったらうれしい。
運転の勘も取り戻さないといけないので、天気が続くなら、来週はもうチョイ充実感を目指して、どこかにまいりましょう。

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  1. 2012/02/27(月) 05:29:03|
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ジェノヴァ その9

寄り道が長くなってしまいましたが、ロマネスクに戻ります。

ジェノヴァ、続きです。サント・ステファノの次は、いよいよジェノヴァ旧市街の中心地、サン・マッテオ教会です。Chiesa di San Matteo

この教会にたどり着くためには、ジェノヴァ旧市街の心臓部にある立派な広場を横切ります。


オペラ劇場でもあるカルロ・フェリーチェ劇場。懐かしいような、ほとんど覚えていないのが不思議なような。
昔々、オペラにはまっているとき、演目は忘れましたけれど、結構人気演目が上演されたとき、チケットもないのに、絶対、当日券またはダフ屋がいるはずだから、とここまで来たことがあります。確か、当日券はだめだったけれど、ダフ屋からかなり安く券を買えたような記憶が。
過去、いろんなことにはまりましたが、オペラは、最もお金のかかる趣味だったかもね~。でも一度ははまってよかったと思います。

この広場、劇場の向かいは、ドゥカーレ宮殿。真ん中には立派な噴水がある広場ですが、オペラを目指してきたときは、そういうこと一切見ていなかったですねぇ。

さて、この広場から細い小路をちょっとたどると、この、背の高い建物に埋もれるようにして、中世の雰囲気をわずかながらに残している教会のファサードがあります。小さい小さい広場に面した、小さいファサードです。



お昼も近いので、外からの見学は後に回して、本堂に入ります。
ファサードは、まだ中世の雰囲気がありますけれど、中はバロック一色。きらきらでごてごてで、すごいことになっています。はぁぁ。
何で、そんなところにわざわざ来たかといえば、ここには中世のキオストロ、回廊があるはずなんですよ。
多分、側廊から入るはずだし、と扉を探しますがありません。お昼が近付く一方だし、あせりながらもどうしようもありません。

すると、さっきファサード前で、タバコをすいながらおしゃべりをしていたはずの外国人のお兄ちゃん二人が入ってきて、明かりを消したりばたばたと片付けモード。目があったら、「お昼で閉めるので、出てくださいね~」。あわてて、あの、キオストロを見たかったのですけれど、と言ってみると、あ、それなら本堂を出て、ファサードの脇に門扉があるので、そこで待っていてくれたら開けますから、と言うのです。
え~、どういうことだろう、と半信半疑で、追い出されるように本堂を出て、言われた場所に行ったところ、おおお!確かにキオストロがある!



門扉の前で待つことしばし。教会が昼休みで閉まるというのに、本当に開けてくれるのかな?とどきどきしていると、さっきの兄ちゃんが来て、中から開けて、自分たちはそのまま帰っていきました。あ、そういうこと。つまり、このキオストロは、今は教会とは切り離された私有地になっているみたいなんですよね。で、この門扉は、このキオストロの上に建てられたアパート居住者のための出入り口だったんです。

しかし、こんなに美しい回廊が中庭になっていて、外に出るときはいつもそこを歩くようなアパートに住むって、なんて素敵なんでしょう。



二連のほっそりした円柱の支えるアーチ。時代がちょっと下るんですけれど、でも美しいのは変わりがありません。素敵ですよねぇ。
柱頭にも、いくつか注目すべき彫刻装飾がある上に、回廊の隅っこには、中世のものらしい石棺まで置かれていました。



ヘタウマ系の浮き彫りがたくさんあって、ああ、こんなの毎日見ていたら、ちょっと家に持ち帰りたくなっちゃうかも~、なんて思ったんですけども。
いやはや、ジェノバも、結構中世あるじゃないですかね。夢にも思わなかったよ~。

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  1. 2012/02/26(日) 05:44:08|
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ロマネスクのおと 更新のお知らせ

やっと登場、プーリア・ロマネスク第一弾です。


実は今回、一部を除いては、あまり資料をあさってないんです。
一部、というのはトラーニ。ここだけは、現地でガイドブックを購入できたし、またインフォメーション・センターでも、いくつか有意義なパンフレットをゲットできたのです。でも、他の土地は、インフォメーション・センターに行っても、町の地図すらないというような状態で、ロマネスクの資料など、望むべくもなし。かといって、めぼしい本屋も目に付かない有様でした。時間がなくて駆けずり回っていたので、勿論、本屋をじっくり探したわけではないですけれども。



そういうのが、やっぱり北部に比べると、ちょっとなぁっていうところなんですよね。
そもそも南一帯は、こういう文化遺産や遺跡を山ほど持っているのに、本当に活用の仕方が下手、というか、行政から一般人まで、いまだに資産価値をわかっていない傾向が強いですね。本当にもったいない、っていうか、せっかく訪ねてるのにパンフレットのひとつもないって言うのは、かなり腹立たしかったりしました。



それでいて、ごみごみした旧市街でも、カテドラルはきれいにしている、って言う事実は、現実に信心深い南っていう感じもあって。
文化遺産としてより、現実に必要な施設として大切にはしているんですよね。教会は、付属の芸術品も含めて、現役であってこそ、光り輝くものではあるので、それはそれでいいのか。



ま、何はともあれ、旅から2年近くがたってしまって、若干記憶が薄れた部分もあったのですが、資料を読んでいて、大変勉強になりました。中世当時の、人の行き来を考えるとき、このイタリア南部というのは、半島の先っぽでありながら、聖地に向かって開いているという意味で、とても重要だったということ。聖地経由で、文化交流があったこと。
そんなわけで、ちょっと文が多めで退屈かもしれませんが、よろしかったら是非訪ねてみてください。
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  1. 2012/02/23(木) 05:21:16|
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ベネチア カルネヴァーレ2011編 その12

あと、ちょっとだけ。


すっごく異色だった集団。これだけ見ても、着ぐるみ系のヒーローもの?って感じですが、すごかったんですよ、この集団。3,4人、それぞれブルー!グリーン!ゴールド!みたいな感じでウェアの色も変えて、そしてこの靴で、ぴょんぴょんと激しく跳躍をしながら駆け抜けていくのです。なんだったんだろう、あれ?かなりハイテク仕様って感じだったので、もしかして、スポーツ関係の新製品お披露目だったのかなぁ。度肝を抜かれた、ほんと。
そしてこの人。



様々な演技派がいましたけれど、一切の恥じらいもない「俺を見ろ!」的な演技は、ぴか一でした。確かに自慢するだけあって、小道具も含めて素晴らしい衣装で、そして、場所取りも完璧。ドゥカーレ宮殿の入り口脇、サン・マルコ寺院の外壁で、後には中世初期の素晴らしい浅浮き彫りが会って、私の大好きな場所です。壁についている段差に一段登っちゃっているので、撮影者もあまり近くに寄れず、おかげで素晴らしい写真撮り放題。そりゃ本人は陶酔するだろうな~。



これまた…。ゴブラン織り?本物の刺繍した布ですよ。重そうだし、防寒にはいいだろうけれど、動くのも大変そうな。それにしてもすごいですよね。杖なんかも懲りまくり。棒の部分は衣装と同じモチーフが使われていますよ。杖の上にある球なんかも、イメージに合わせるために、あちこち探したんだろうなぁ、と思います。

というわけで、本日マルテディ・グラッソ、ベネチアでも今、最高潮を迎えているのではないかと思う今夜、一年落ちのカルネヴァーレ特集、終りにします。

せっかくなので、最後に、まさにお目汚し、ですけれど、私の思い出を。


今を去ること、もう二昔ですかね。当時シエナで、超貧乏な学生生活を送っていましたとさ。本当に貧しかったのですが、幸いにも似たような友人がたくさんできて、夜な夜な安ワインを飲みながら、本気で貧乏自慢をしていましたとさ。それでも、当時は、イタリアの物価が安かったので、週末旅行もよくしていたんです。で、旅の仲間と話していて、ベネチアのカルネヴァーレに行こうという話が、いつか、自分たちも仮装しよう、ということになったんですね。

なんせお金がないですからね。
当時住んでいた学生アパートは、家具つきのシェア・アパートで、確か2週間に一度、シーツと枕カバーを交換してくれたんですが、目をつけたのはそれ。仮装の出発点が、とりあえず、ただで手元にあるから、という理由の白い布。
というわけで、本体はシーツ、頭のターバンは枕カバーをねじりん棒にしたもの。何事もなかったように返さないといけないので、当然切れ目は一切入れておりません。ちくちく縫いましたけど、手縫いで。
仮面は、目だけを覆う一番安価なものの下側に、びっしりすだれのように糸をたらして縫い付けました。
そして、小さなシエナの町をめぐって、あそこの金物屋に鎖があったとか、羽だけはやはり買うしかないとか、今見ても、本当に恥ずかしくなるくらい安い小物満載です。でも本人たち的には、かなり「やった」感があったんですけどね。

で、乗り込む直前に、「ちょっとちょっと、ホテルどうするんの?」と基本を抑えていない愚かさで、結局ベネチアから列車で30分のパドヴァにやっと確保。通勤?どうするんだろう?と思いながら衣装を抱えて到着。初日はベネチアの駅でこそこそと装着した記憶があります。

そんな貧乏で珍道中だったけれど、本当に楽しかったです。いくら安っぽい衣装でも、三人、というのはそれなりにインパクトがあったと思いますし、二昔も前のカルネヴァーレは、今ほどじゃなかったとも思います。とにかく撮影されるんですよ。
最初は、喫煙や食事のことなど考えていなかったんですが、ちょっと疲れたから一服、と座り込んでも、必ずカメラが向けられているので仮面をはずせず、すだれの間から食べたり飲んだり…。
そして撮影にも慣れてくると、ちょっとポーズなんかとりたくなるし、背景も選んだりして。



恥ずかしいけど~、ちょっとポーズしてみるか~、なんて演技すると、フラッシュがバババババッと光ったりして、もうどうするどうする、続けるしかないよ、恥ずかしい、でも面白い~、みたいな。なんか、この手の写真が、自分のところ以外、世界のあちこちのどっかの誰かの家の押入れに入っているのかも、と思うと楽しいです。

パドヴァに泊まったのも、結果としてはとても面白かったんです。ホテルは、鉄道の駅からも結構遠くて、確かバスに乗ったような。ですから、まさかホテルからは着ていけない、と思っていたのは初日だけで、もうこの時期は、仮装の人々が、ベネチアから30分離れたパドヴァでも、フツーに歩いているのでしたよ。列車の中の混沌は、そりゃすごいものでした。

どうでしょう。やっぱり祭りは、自ら踊らにゃ損でしょ。こんなしょぼい仮装でも、仮装している人同士のリスペクトみたいな輪に入れてもらえるし、ちょっとスター気分が味わえるし。やっぱりいつかまたやってみたいなぁ。今なら、もうちょっとお金がかけられるし…。
そういえば、すっかり忘れていたんですが、実家が引越ししたときに、このターバン出てきたんですよね。わたしったら持ち帰ったんだ!下宿の枕カバーぱちったんだ~!とびっくりでした。

長いお付き合い、ありがとうございました。
また地味なロマネスクに戻ります。

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  1. 2012/02/22(水) 06:07:47|
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ベネチア カルネヴァーレ2011編 その11



マーガレットとバラを、黒い衣装に効果的に配置して、仮面にも加工して、細部まで気合の入った創作です。色彩的にはかなり地味なんですが、このシャンピニオンのような帽子、かなり大きくて目立つんで、あちこち場所を変えている度に遭遇して、この人たちの姿は、結果的にかなり撮っていました。



撮影されるのに慣れてくると、こういう場所でポーズしたくなるんすよ。背景がきれいだと、ますます撮影されて、女王様気分になれますからね~。それにしてもこの人は、身体全体がほっそりして、防寒大丈夫だったのかと心配になるくらいでした。酔ってたな~。



このオヤジ二人は、顔出しまくりでちょっと違うんですけれど、仮装の奇抜さに受けてしまいました。ヤギ~?足も手もしっかり蹄になってます!その上、二人とも似たような顔で、同じくらいに巨大で、この装束に夜道で出会ったら、かなり怖いと思います。



動物シリーズになっちゃいますけれど、この四人組のインパクトもなかなかでした。この白、金、青の他に赤がいまして、色違いの恐ろしくでかい猫。衣装は大して凝っていないのですが、これは四人組、というのがミソでしょうね。一人だとかなりつまらない仮装です。



ジョーカー。
とってもベネチアっぽい感じがしませんか。トランプ、よくもここまできれいに並べたもんです。どう見ても本物ですよ。夜なべして、のりで貼り付けたんじゃなかろうかと思うと、なんだか微笑ましいような。

明日が最後ですから、今夜はきっと盛り上がっていることと思います。または明日の夜に備えて、みんな早仕舞いかも。
私のベネチア特集も、明日最終日にします。

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  1. 2012/02/21(火) 05:20:12|
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ベネチア カルネヴァーレ2011編 その10

続きです。


あまりにも手が込んで金もかかっている素晴らしいものを見すぎてしまうと、だんだん目が肥えてきちゃって困ったもんですけれど、でもやっぱり、こういう王道を行く仮装には目が留まりますね。ただこの人たち、絶対手袋をするべきでしたねぇ。素のままの手が見えるだけで、全体の仮装感がびっくりするほど地に落ちるんですね。
そういう意味で、顔が見えてしまうタイプは、ちょっと、なんですけれど、これは…。


全体赤のバリエーションで、後からの姿なんて、もう本当にすごいです。凝りまくっていて何がどうなっているのかまったく分からない有様。その上、顔見えちゃってるのはちょっとNG、ではあるんですが、ひげまで赤く染めているのには脱帽です。この際、赤いコンタクトレンズまで入れてほしかった感じ。


地味な緑なんだけど、全体が美しかったです。小道具というのも、結構大きな要素ですね、演技をする上で。この方たち、この前は普通に歩いていたんですけれど、いい場所を陣取ったら、もう芝居に没頭、みたいな感じで。ここ、私の大好きな初期中世時代の彫刻があるところなんですよねぇ。ここ勝ち取ったら、確かに勝ちだよねぇ、って言う場所です。

この人もカップルで、銀と金のバリエーションでした。


男性はやはり上背があるので、見栄えがいいです。マントの素材は安っぽくても、こういう王道スタイルを堂々とした上背で、派手に着こなされると、それも複数だと、やはり目が吸い寄せられます。
いきなり趣向が変わって、この方。


お稲荷様ですよ~。着物風のマントをまとって。こんなお狐様のお面、どこでどう工面したのでしょうねぇ。着物風の万とも、わざとらしさやいやらしさがなくて、全体にとっても品があって、お稲荷さんもこれならオウケイではないかと思ってしまいました。ちょっと上背があったし、日本人ではないと思うんですけれど、何らかのゆかりはあるのかも、ですね。変なジャパネスクは今でも散見されるので、こういういい感じのジャパネスクは、大歓迎です。
ああ、いつまでやってもきりがないですねぇ。飽きたら、そう言ってください。

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  1. 2012/02/20(月) 06:44:22|
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ベネチア カルネヴァーレ2011編 その9

続きです。


王道を行く、という感じのカップル。でも、こういうのって、ちょっと文化祭っぽいというか、やはり本物の重厚な布地を使った仮装を見てしまうと、ちょっと見劣りしてしまうんですよね~。カップルで、白と紺と色だけ違えてスタイルは同じって言うのもいいんだけど、多分この紺の色目がちょっと陳腐なのかな~。



この三人組、多分、ストーリーがあると思うんですよね、寓話とか童話とか。でも、それが普遍的に分からないだけに、ちょっと痛い。衣装そのものですっごくがんばっていて、その上に、こうやって演技もしっかり要所要所でやっているので、注目度は高いんですが、テーマが分からないとインパクト弱いんですよねぇ。



好ましいのは全仮面、つまり目の周りだけではなくて顔全体を隠すタイプ。だって、顔が少しでも出ると、本来のその人の姿がちょっと見えてしまって、興ざめなんですよ。でもこの水色の淑女は、あまりの美しさに、それもありかという感じ。動物きぐるみの子供が、親に押し出されるように記念写真。後の方にいる怪しい仮装の方も、偵察状態。



この方、ブドウを全身にまとって、ワインのグラスも持って。全体に決して大金をかけていない素材なんですが、テーマが明快で好感が持てます。とはいえ、軽薄なピンクじゃなくて、ワインレッドにしてほしかったかな~。

これはどうでしょう。


こうしてみると色合いは地味ですね。銀と紫。でもカップルとしての完成度は高かったような。ちょっと派手なこういう演出を絶えずしているのも、なんと言うか、心得ていますよね、舞台を。
とてもリミテッドな経験者的に言えば、演技は、仮面もかぶって自分じゃない人物になっていることでもあるし、時間が経つにつれて慣れる部分もあるものですが、演技をするのは、基本的にはこっぱずかしいもんです。気持ちよくなる部分も確かにあるとはいってもね。この人たちは、完全にそこで酔っていますよね~。それはそれであり。

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  1. 2012/02/19(日) 06:41:13|
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ベネチア カルネヴァーレ2011編 その8

続きです。


ちょっと背景が悪すぎますけれど、この方たちのコーディネートは見事。ピンクと水色という意外な色の組み合わせが面白いし、布の重厚感もすごいです。マントはビロードっぽい素材で起毛していて、光り輝いて美しい上に、おそらく防寒の意味でも非常に重要かと(経験から言うと、本当に寒い時期なので、防寒というのは結構重要なんですよ)。それぞれ小道具として、人形と、橋の模型を手に持っています。すごいなぁ、と思ったのは、首周りの金色に合わせた金色のシューズ。意外と靴にまで気が回っていない仮装というのは多いので、足元を固めている姿には、それだけで感服しちゃいます。もともと靴好きなせいもあるのかもしれませんが。
これまた、驚嘆のカップル。



かなり蛍光系の派手な色で、伝統的ではないのですけれど、懲り方はもうすごい。その上、小道具の鏡を活用して、ポーズ取り捲り。鏡に仮面が写って、なんだか完璧でしょ。こういうスタイルを見てしまうと、一人仮装が、ちょっと物足りなくなってくるんですよね。仮装は、数で勝負、みたいな。
一方で、白一色のこういう人たち。



一色でもすごいんですよぉ。素材がそれぞれ素晴らしく美しくて。自信があって白一色にあえてしたんだな、と十分思わせる重厚さです。でもこの人たちも、一人じゃないから、インパクトがあります、やっぱり。
これはまた美しいブルーです。



この方々は、割と正統的な男女カップル風の装いで、男女とも同じ色合いの同じ布で、面白みは少ないんですけれど、やはり色のインパクトは素晴らしいんです。おそらく自分が好きな色ということもあるのでしょうけれど、黄色系とあわせるというのが、なんともいい感じで。品のある仮面もナイス。
女性っぽい方の方の姿。



どうでしょう。美しいですよね。頭も重そうですが、すべて統一した同じモチーフの刺繍は圧巻。靴までですもん。これは相当お金かけてます。いやはや。
改めてみていると、感心、感嘆。毎年は行けないけれど、来年はまた行こうかと思いますよ。眼福でしょ、やっぱり。「同じ阿呆なら踊らにゃ損」で、いつかまた自分自身も仮装して参加したいですけどね~。

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  1. 2012/02/18(土) 06:26:45|
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