ロッビオ、とても小さな町なのに、ロマネスクの教会が二つもあります。なぜかといえば、ここは巡礼者が歩いた道に当たるのですね。
今回訪ねたのは、より町の中心部に近いサン・ピエトロ教会。
市庁舎の前のメイン・ストリートを通り過ぎると、メイン・ストリートといっても30メートル程度の道なのですが、すぐ郊外に出てしまいます。その際に建っているのがこの教会。まずはファサードが目に入りますが、そのかわいらしさに、思わず、「やった!」と思いました。
写真だと、ちょっと新しい感じに見えますが、実際はとってもいい感じに古びたレンガ積みで、色も、もうちょっと赤が強いです。
12世紀半ばの創建で、当時は、このあたりに、巡礼者の救護私設も併設していたそうです。今ある姿は、まさにロマネスクの香りたっぷりのかわいらしさですけれど、実はここもバロックの洗礼を受けて、激しく改築されてしまったようなんですよ、にわかには信じがたいですが。幸いなことに、近代になって、中世の姿を取り戻す大修理が行われて、こんなかわいらしい姿が戻ってきたのです。
とても背が低いですけれど、ちゃんと三身廊で、それぞれの壁面の上部の方には、ロンバルディアに典型的なアーチ装飾がぐるりと、とても美しく施されています。
後陣もとてもきれい。
変わっていたのは付け柱。分かるでしょうか。レンガが三角に置かれているので、外側に角が飛び出しているんです。こんなのは、どこでもみたことがないので、ちょっと怪しい。近代の修復で、ちょっと遊んでしまったのでは?という印象も受けました。
残念ながらクローズで、中の様子は分からなかったのですが、近代の大修理の際に、オリジナルの床が取り戻され、バロック期の漆喰装飾がすべて取り払われたそうです。
得意の(?)鍵穴覗きで、がんばって撮影してみました。
いろいろな時代のフレスコ画が一部残っているということなのですが、後陣の脇部分にあるとされている、キリストの姿が見えました。復活の象徴的なシーン?石棺から出てきたキリストの脇に、聖母と洗礼者ヨハネの姿が描かれているようなんです。
フレスコ画の時代は、14,5世紀と見受けました。嫌味のない絵です。
それにしても、この鍵穴撮影、結構ちゃんと撮れるもんで、我ながら感心。
- 2012/03/16(金) 05:53:23|
- ロンバルディア・ロマネスク
-
| トラックバック:0
-
| コメント:4
最近春めいてきましたので、暇な週末に、チョコチョコと近郊ドライブ再開しています。マイナーで、地味で、わざわざ行ってちょっとがっかり、ということも多い近場お手軽ロマネスクですが、現場主義の私としては、やっぱり現場第一、行けるところは行かないと!と思うし、週末の半日ドライブなら損した気分にもならないので、ちょうどよいのです。
というわけで、しばらく地味なロマネスクめぐりを紹介することにします。
まずは、ロンバルディアのはずれ、もうほとんどピエモンテ、というロケーションにあるロッビオRobbioという町。小さな町ですが、ロマネスク教会が二つもあります。
ひとつは町外れにあるサン・ヴァレリアーノ教会。
カーナビのおかげで、教会と同名の通りには割と簡単にたどり着いたものの、教会らしい姿は見えず、そろそろと先に進んだら、ちょっと唐突な感じでありました。
ここは、先日購入したJaca Bookのロンバルディア・ロマネスクにもちゃんと出ているので、マイナーな中ではメジャーと言えましょう。それに、ヴァレリアーノという聖人の名前の響きがちょっと好きだったので、結構期待していたんですけれど、あれ?
上の写真の後陣は、レンガの赤も美しくて、いい感じなんですが、ファサードが…。
明らかに新しい。ロマネスク様式を踏襲しているけれども、さらさらとして歴史の風合いがまったくないんです。
建物のオリジナル部分は11世紀に遡る、かなり古いもの。かつては、教会の南側にキオストロがあり、それを間にして、修道士の住居があったんだそうです。
さらに、このファサードの前には、洗礼堂もあったらしいし、さらには鐘楼も。つまり、教会全体としてはかなり完成度の高いものでした。
修道士の住まいの跡は、今高級住宅に姿を変えているようです。教会脇に、再開発された建物があり、いかにも修道院という感じのたたずまいでした。門扉も立派で、緑も、イメージとしては修道院時代のようになっているような。
残念ながら、教会の扉はぴっちりと閉ざされ、鍵のことを尋ねることのできる家も側になくて、あきらめました。写真でみると、内部は、やはりレンガの円柱があり、それなりに雰囲気は残っているようです。かつては、フレスコ画のあるクリプタがあり、そこに聖人ヴァレリアーノの亡骸が納められていたようですが、今は破壊されてしまっているようです。
18世紀の終りに新しい教区教会のできたとき、この教会の建物は一般人に払い下げになって、その際かなりの部分が壊されて、それ以来、長い年月、倉庫として使われていたんだそうです。
きっとある日、古いものを大切にしないと、ってお役所が目覚めたんでしょうね。
で、せめて残っている部分を修復して、足りないところを当時の様式で再建して、結果としては、全体にロマネスクの香りを生み出すことに成功しています。
後陣、とっても美しいです。レンガも多くが再建されたものなのでしょうけれど、美しい。軒送りのレンガ装飾も、とても地味だけれど、感じのよいものになっていると思います。
修復を多く手がけているだけあって、イタリアの修復技術というのは、やはりすごいものがあると感心することが多いのですけれど、ここもそういう場所のひとつかも。
- 2012/03/13(火) 05:37:53|
- ロンバルディア・ロマネスク
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
あれから。
もう、来ないかもしれない、って多くの人が思ってしまったに違いない春が、それでもちゃんとやってきて。夏。秋。長くて厳しい冬を越えて、そしてまた、春はちゃんとやってきました。
忘れないけれども、遠く離れて暮らしていると、現実には、忘れている時間の方が多い。それでも、忘れたくない。
だから、今日、趣味の教会めぐりで、ミサにあずかれたのは、とっても嬉しいことでした。
千年前に建てられた教会で、地元の人で満員のミサ。
祈りが、救いになることが、少し実感できたように思います。誰でもない、自分にとっての救い。
また、春が終われば夏が来て、秋になって冬が来る。
開けない夜はないし、春は必ず来る。
簡単に言ってはいけないことかもしれないけれど、がんばろう。
明日は、必ず誰にも来る。
- 2012/03/12(月) 06:05:49|
- ミラノ徒然
-
| トラックバック:0
-
| コメント:3
アルベンガの町の観光案内所は、紙の資料はあまりなかったのですが、一見さえないおっさん風スタッフ、ガイドには優れていて、中世が好きだと言うと、あれはどうだ、これはどうだ、といろいろお勧めが出てきます。
教会見学の後、ミラノに戻る列車までは、若干時間が有りましたので、地図などもらえるだけの資料をいただいて、お勧めスポットめぐりをしてみました(残念だったのは、時間的にも無理だったオリーブオイル博物館。次回訪問チャンスがあったら、是非行ってみたい!)。
まずは、古い教会跡、バジリカ・ディ・サン・ヴィットーレ。
旧市街の城壁を出て、幹線道路を行くと、道の脇にひっそりと保存されたこの遺跡に出会います。
4,5世紀頃、つまり初期キリスト教時代の教会の跡。かつては墓地の教会だったようです。墓地の歴史も古くて、ローマ時代のネクロポリスが起源だそうです。死者の土地。
でも今では、住宅がびっしりで、そんな過去に思いをはせる人もいないのでしょうね。
かつては、こんな風に立派な教会でしたが、14/5世紀に、もう壊されてしまったとのことです。住宅地でもありますから、おそらく住居建設のときなどに、この基礎が出てきてしまったということなのかな、と思います。
さて、同じ道をさらに進むと、ポンテルンゴ(長い橋)があります。
橋といっても、今は川が流れていないのです。往時のままに、一部残されているのですけれど、一方は車がびゅんびゅんと高速で走り抜ける幹線道路、一方は緑の畑。なぜ?って感じですよね。
実は、今、旧市街を挟んで、ここと反対の南側を流れる川が、かつては、ここにあったんですね。それが、13世紀の半ばに、流れを変えられたんだそうです。つまりこの橋は、それより以前からあったものということで、ロマネスク時代は勿論現役だったのですね。
それにしても、名前の通り、本当に長い橋です。川幅が広かったということですから、そんな川の流れを変える工事をしたなんて、経済的にも技術的にも、当時、潤っていたのでしょうかね、この土地は。
道路の側はこんな様子。
かつての地面よりも、今の地面がずいぶんと上に上がっているのがよく分かりますね。
アーチが、上部だけ残っているのが、歴史を感じさせます。それにしても美しい石積みです。
もしかして、こんなものをみるよりも、普通だったら博物館優先だったかなぁ、とも思いつつ、現場主義(?)の私としては、どうしても現地で見られる実際の風景を優先してしまうのですよねぇ。結果として、あ、こんなもんなんだ、とがっかりすることも多いわけですが、でも実際の中世の風景を想像するには、現場主義が一番なんです。こういう風景を目にすると、とりあえず、脳内バーチャルで、ほんの少しは当時の風景を想像しやすいので、楽しくて。
こんな地味な橋ですが、もしかして同好の士?観光客風のカップルが、やはり熱心に写真を撮っていました。
このあと、通りすがりの旧市街で思わぬ掘り出し物に出会ったので買い物して、駅に向かいました。いい町です、アルベンガ。本来なら、海を一目見たかった。というか、海沿いのレストランなんかでお食事がしたかった!現場主義で歩いていると、いつだって大忙しで、結局そういうチャンスはほとんどないんですよねぇ。
しかし、今回の訪問の成果として、アルベンガから内陸方向には、いくつか面白そうな教会があることが分かったので、次回は車で行ってみようと思います。おそらくそのときまで、リグリアとはしばしのお別れです。
毎度、長のお付き合い、ありがとうございました。
- 2012/03/11(日) 05:34:29|
- リグリア・ロマネスク
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
カテドラル、続きです。
中は、こういう石の感じ。一部縞々です。
起源はとっても古くて、地下にカロリング時代の遺構も残っているのですけれど、ここもやはりバロック旋風にやられて、一時はきんきらきんになっていたんです。身廊を区切る柱の柱頭が、無残に削り取られているのが、その狼藉の跡です。上から、漆喰装飾を満遍なくかぶせるために、バロック期に手が入った教会の多くは、柱頭を失っています。先日サイトにまとめたプーリアでも、いくつか見られましたが、哀しい芸術史と言えるのかも。
バロック好きな人だと、何でわざわざロマネスクに戻すんだよ!って思うのかしら?
内陣部分にクリプタがあって、確か一部が覗けるようになっていたかと思うのですが、かなりの暗闇で、ほとんど何も見えない状態でした。部屋としては、残されていません。
また外に戻ります。
外壁の装飾も、時代が様々なんですが、時代が13世紀や14世紀に下っても、素朴なロマネスク・テイストがあるのが不思議。海の町で、人の往来も多かったと思うのに、意外と新しいものが流れ込んでこなかったのでしょうかね。ゴシックの到来が遅れて、いつまでもロマネスクやってたような、まぁそういう感じなんです。
軒送りのアーチの支え部分は、人や動物の頭部のフィギュアがずらりと並べられていて、かわいらしいです。
ファサード同様、下の方が中世で、上はもう新しくなっています。それにしても、この小さな回廊のようになっているアーチの連続、美しいです。ほっそりとした付け柱も、とても繊細で洗練されていますよね。
ここのアーチの支え部分も、頭部びっしりなんですよ。
これ、14世紀のものとあるんですが、雰囲気はかなり12世紀と思いませんか。全体の作りも、限りなくロマネスクのテイストを残したゴシック建築。
この、後陣の裏側は「ライオンの広場」という、昔からある小さな広場。建物が建て混んでいる旧市街の中で、不意に視界が開ける小さなスペースです。後陣側からの眺めは、塔が林立していて、右手に洗礼堂、カテドラル脇の建物も古くて、とても中世のにおいが濃くて、私のようなロマネスク病には、心落ち着く場所になっています。
ゴシックとロマネスクの混ざった建築を紐解いてみるのも楽しそう。ここは、一応ガイドブックを買ってきたので、読むのが楽しみです。
- 2012/03/09(金) 05:35:05|
- リグリア・ロマネスク
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
次は、洗礼堂のお隣にあるカテドラル。
ありがちですが、ここも初期キリスト教時代の教会の上に建てられたもので、起源は古いのですが、その後かなり手が入ってしまっています。
このファサードも、ロマネスク時代の部分は、下の方だけ。レンガ積みの部分がそうだと思います。勿論、中央扉は、かなり新しいものですね。オリジナルは、きっとかわいらしいロマネスクの彫刻装飾なんかがあったんだろうと思うので、残念なスタイルです。
というのも脇の扉には、中世の風味がまだ残っているんですよ。扉そのものは13世紀らしいので、ロマネスク・テイストが薄いですが、リュネッタ部分に、なんと!大好きなロンゴバルド浮き彫りがはめ込まれているんですよ。うわうわ、かわいすぎ~。
全体に直しているけれど、彫刻装飾だけは古い時代のものを使っているのは、うれしいことです。このカテドラルは、随所にそういうところがあるので、建物全体はたいしたことないのだけど、細部にこだわると嬉しいっていうパターンで、まさに現場に見に行く価値のある教会と言えましょう。
しかし、ファサードで最も注目すべきは、後代にやり直されちゃった、ファサード上部なんですよ。
ポルタイユの上、バラ窓の下の、なんだかちょいと半端な位置に、古い時代の彫刻が再利用されているんです。
それにしても、この左右一対となっている彫刻、なぜ、きっちりと対照的な位置に置かれていないのでしょう。私は、部屋がどんなに散らかっていても汚れていても、ほとんど平気なのですが、一方で飾ってある絵や額がちょっとでも曲がっていると落ち着かないタイプなので、これはなんとも居心地が悪いです。これもまた間違っちゃったんですかねぇ。洗礼堂の屋根の例からしても、アルベンガの人たちって、ちょっといい加減だったり、集中力がなかったりするんでしょうか。
アップにすると、こういう感じ。
いろいろ混ざっていて、楽しい彫刻です。上の方にいるライオンは、ほとんど狛犬状態ですよね。相当損傷が激しいので、この彫刻の柱そのものも、いろいろな時代に作られたあちこちのものを組み合わせて作ったもののようです。柱だし、中央扉の側柱装飾かとも思いますが、これは例によって、サイトを作るときに、ちゃんと勉強しますね。
カテドラルもう一回続きます。
- 2012/03/08(木) 05:30:51|
- リグリア・ロマネスク
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
洗礼堂、まず最初に、おっ!と思ったのが、この窓の装飾。
二階建てで、一階にも二階にも窓があるのですが、どこにも、ロンゴバルド風の石の透かし彫りがはめてあるんですよ。モチーフも様々で、外からも内からも美しいのです。ロンゴバルドの彫り物大好きな私には、もうたまらない装飾です。
ちなみに、一部はオリジナルが残されていますが、この、硝子で守られていないものは、複製だということでした。小さい穴がたくさんあいていますが、これは明かり取り用の穴。ほぉ。
ここ、見学はガイドツアーです。近くにある観光案内所に頼んで、鍵を開けてもらう必要があり、いつもなのかどうかは不明ですが、案内所の人がガイドをしてくださいます。
ガイドは面白いのですが、撮影禁止だし、思う存分ゆっくりと自分のペースで見ることのできないのがちょっと。
私が訪ねたときは他に誰もいなかったので、その分、いろいろな話を聴くことはできたのですが、さりげなく隠し撮りもできないし、他の人たちが説明を聞いている間に、好きなように見学するという余裕がなくて残念。二人だと沈黙もなんとなく居心地が悪くて、ついついいろいろと話してしまうので、集中力も欠けるし。っていうか、そんなに気を使うなよ、自分、とも思うんですけれど、こういう時って、かえって言葉が通じない方がいいのかもしれないですね。
撮影禁止は、本当に残念でした。
ガイドブックからなので、ぼけていますが、中はこんな感じ。
全体に地味なのですが、お宝が二点。
まずは祭壇部分のモザイク。これもガイドブックからなので、ちょっと…。
とってもきれいなブルーで、ラベンナをちょっと洗練した感じって言うんでしょうか。全体に繊細で、仕事がきれいなんです。
オリジナルでも、モザイクが施されたのは、この部分だけで、その他は時代が下ってからフレスコ画で飾られたそうです。今は、一切残っていませんけれども。
もうひとつのお宝は、ガイドブックにすら載っていなかったのですが、入り口入ってすぐ両脇にあるロンゴバルドの石棺。大好きなお干菓子系、ビスケット文様満載のふたがあって、それはそれはかわいらしいのですよ。オリジナルは、お隣にある博物館に納められているということだったのですが、結局見学しなかったんですよねぇ。もしかしたら、博物館の方が、撮影できたかもしれないので、大失敗だったかも。
ガイドのおかげで知った、哀しいお話。
これ、アンフォラと呼ばれる陶器の大きなつぼで、よくワイン入れとかに使われていたものですよね。実はここの洗礼堂の屋根が、このアンフォラで葺かれていたんだそうですよ。この地域にそういう建築文化があったんでしょうね。
それが、1900年代初頭まで、かなり保存状態よく生き延びていたのに、その当時の修復の際に、間違いで思いっきり壊されてしまって、今は普通の屋根になっているんです。
ま、間違いでこわす?なんですか、それ?
何でも、当時結構名のある建築家が、修復を行ったんだそうですけれども。
実際に、そういうことはよくあったんでしょうけれど、それにしても、千年生き延びた財産を、間違いで壊すとは…。アルベンガ、しっかりしてくれ!
この洗礼堂は古いので、全身を沈めるタイプの洗礼桶が真ん中に置かれています。今でも水があるときもあります。というのは、町の下に川が流れていて、水位が上がると、自動的に水がたまるようになっているんだそうです。おそらく昔から同じシステムだったらしいと。数年前にこのあたり一帯が洪水の被害にあって以来、ポンプ・システムが導入されて、水があふれることはなくなったんだそうです。
ガイド・ツアーは偉大ですよね。一応ガイドブックも購入してきたので、いろいろ書いてあるのでしょうけれど、おそらく「間違って」壊されたということはかかれてないのではないかと思います。
- 2012/03/07(水) 06:02:00|
- リグリア・ロマネスク
-
| トラックバック:0
-
| コメント:4
リグリアのロマネスク、ジェノヴァの旧市街のあとは、アルベンガに移動です。
アルベンガって、海のリゾートとしか思ってなかったのですが、実は、しっかりと中世が息づいていたんですね。
鉄道の駅から旧市街を目指して、海を背にして、ひたすらまっすぐの道を歩いていくと、中世の風景が見えてきますよ。
手前に、今は新しくなってしまった教会、その後にそびえたっているのが、カテドラルの塔と市庁舎の塔です。
しかし、教会は、縞々ながらかなり新しいし、窓は思いっきりゴシックじゃん!としばしがっかりしたところ、さらに進んで視界が開けたら、あらま、こっちがカテドラル!
手前の縞々は、オリジナルはそれなりに古い教会なんだと思いますが、今ではすっかり新しい鉄筋コンクリートの現代建築でした。アルベンガ、期待してたから、これがカテドラルじゃなくてよかった~。
とりあえず全体を理解するため、教会の前を通り過ぎてさらに進むと、塔の後ろ側に、洗礼堂が見えてきます。
うわ~、素敵な風景です。
こうやって見ると、とてつもなく地味ですけれど、実際に目の当たりにすると、かなり美しく保存状態のよい建築で、「遥々来てよかった!」と叫びたくなるようなたたずまいなんですよ。
- 2012/03/06(火) 05:22:19|
- リグリア・ロマネスク
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
今日はひな祭り。よく忘れちゃうんですよね。で、ひな祭りがいい加減終わった頃に、はっと思う。
今年は幸い、昨日思い出して、ほぼ夜中に、ごそごそと押入れからお雛様を引っ張り出しました。
我が家の、今年のお雛様コーナーです。桃の花を買うのを忘れてしまったのが残念!
今年の新顔はこの子達。
正月に一時帰国した際、もらったものです。とっても小さいけれど、着物の布で十二単みたいに作られたお内裏様とお雛様。実は、いただいたときは、なにこれ~って感じだったんですが、こうやって並べて置いてみると、結び目になっている紐の色彩も美しくて、とっても日本的で、素敵なお雛様です。
着物の柄って、派手派手の色の組み合わせなのにしっくりするし、デザインやモチーフも本当にとっぴなくらいに激しいのに、実に不思議な調和や安定感がありますよねぇ。こういう柄を見るときに、日本人だから、自然に着物だからこういうもの、という前提を持って見るからなのかなぁ。
そしてまた、お雛様、というだけで、どういう形であっても、なんだかかわいらしくて。
この子達なんて、ヘタウマもいいところの焼き物ですけれど。
微笑ましい~!
あ、並び方が逆かな?バックにあるのは、以前いただいたカードです。お友達が送ってくれたものですが、本当にかわいい。毎年、こうしてお雛様の後に飾られていることを、多分送ってくれた当人は知らないだろうな~。
ひな祭りって別に祝日じゃないし、私なんて子供もいないし、日本にいたら、意外とこういうことって忘れていたりするのかもしれないんですけれど、なんだかミラノにいると、毎年、忘れたりして遅れることはあっても、ちゃんとお雛様やってます。
って言っても、たいていは、忘れた頃に引っ張り出したお雛様を前に、ワインをやるだけの話なんですけれどもね。
今年は、チラシ寿司もなし。ワインだけ。忙しかったからね、このところ。
ワインを飲むための言い訳って感じもあるけれど、でも、やっぱりこういうお祭りは、大切にしたい。
忘れている方、今日はおひな祭りですよ~。
中世を待っている方、寄り道ばっかりでごめんなさい~。
- 2012/03/04(日) 07:10:05|
- ミラノ徒然
-
| トラックバック:0
-
| コメント:4
この冬、っていうか、ミラノでは、すでに冬終わってますけども。まぁ季節の変わり目に突入しつつある今日この頃。
どんどんと日が長くなってきて、夕方も、仕事の終わる6時頃でもまだ日が残っているし、朝も、夜明けが早くなってきたんですよ、一気に。
毎朝、起床時間は7時。ほんのちょっと前までは、7時だと真っ暗で、ちょうど朝ごはんをいただくくらいに明るくなってくるという状態だったのが、このところいきなり、7時に起きると、もうこのような朝焼けが広がっていて。
夜明けの、ほんの一瞬なんですよね、朝焼けの美しいのって。この数日、起床時間がちょうどこういう朝焼けの時間なんですが、もうほんのわずかで、起き出したら、すでにすっかり朝になっているという日がくるんだと思います。
というわけで、最後の朝焼け。
最初でも最後でも、こういう美しい朝焼けは、そうそうあるものではないって言う朝焼けですけれども。
不思議だったのは、こんなに美しい朝焼けで一日が始まったのに、結局一日中曇りだったんですよ。朝焼け=快晴、と思っていましたが、そんなことないんですね。
それにしても、きれい~。えいっ、もう一枚。
- 2012/03/03(土) 05:33:40|
- ミラノ徒然
-
| トラックバック:0
-
| コメント:6