久しぶりに花話題です。
いつの間にか初夏。毎度のことながら、季節が変わるごとに、ご臨終される方もいるわけで、小さなベランダの顔ぶれも、小刻みに変わっていきます。
この春夏のニューフェース、次回花が咲く時期には、もういなくなるかもしれない子。
松葉ボタン系というか、ちょっぴり多肉系も入っているようなお花。名前も知りません。行きつけの市場のお花屋さんで物色したとき、花屋さんから、「この子は強くて、水も最低限でいいし、今はつぼみだけど、お日様がさすと、パーッと開くよ」という説明を受けて、「水が最低限でいい」ということにひかれて戴いてきた子です。実は、葉の感じとかはあまり好きじゃなかったんですけれど、強くて、いつも緑で長持ち、って言うのは、わたしのように緑の指を持っていない人間には最適なんですよね。
で、それから数日、曇りや雨が続き、なかなかつぼみが開いてくれなかったのですが、ある晴れた朝、鉢いっぱいに、この鮮やかなピンクの花が開きまくってあふれんばかりになっていて、それはそれは感動しました。
もうそろそろ花の季節は終わりで、これは最後のがんばり、二輪。
一方でこの子は、今の家に来てからですから、三年目の初夏となりますが、無事、今年も花をつけてくれました。
葉、というよりほとんど木に近い灌木系で、全体はかなり大きくて葉っぱも次々出てきて大きく育つのですが、それに比べると、お花はびっくりするくらいに小さい。それだけに可憐さがあります。これは、花が終わったら、一度刈り込んだ方がいいのかなぁ。
そして、毎度おなじみのラベンダー。
種から育てて、早何年、我が家にいてくれるんでしょう。最近は、葉もしげしげと育って、元気が増す一方です。ろくに土も変えてあげていないのに、恐るべき生命力ですねぇ。だからよく、排気ガス充満のロータリーとかにも植えられているのかしら。
そして、驚いたのが、ジャスミン。
ジャスミンはにおいといい、このたおやかな花の感じといい、大好きで、ついこの春も買ってしまったのです。もうとっくに花は終わっていたのに、なぜかいくつかつぼみがついて、また咲いていたので、びっくり。気温が激しく高低を繰り返していたから、なんとなく遅れを取ってしまったつぼみたちなのかな。
ちなみに、寝室側の中庭には、マダガスカル・ジャスミンの花盛りで、この時期は、ちょっと窓を開けるとにおってきます。においは、ジャスミンなんだけど、まだかスカル・ジャスミンの花や葉は、とてもたくましい南国の植物の気配で、わたしは、本来のジャスミンのたたずまいの方が好きなんです。でもマダガスカルの方が、生垣等にも多く使われていますから、やはり、よりたくましいのでしょうね。
お天気がなかなかよくならなかったので、忘れていたのですが、先日やっとバジリコの種をまいたところ、今双葉。これはあっという間に葉っぱが出てくるので、もうすぐに、食べることができそうです。
やはり、種から育てるのは楽しい!
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- 2012/05/31(木) 04:58:12|
- 植物、花
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さて、今度はサンタ・マリアの向かいにあるカテドラルです。
同じ方向を向いて、しっかりと並んでいるんですが、外壁の資材は別物です。個人的には、石と砂礫とが混じったような、サンタ・マリアの方が好みです。カテドラルの方は、泥っぽい石で、トスカーナの田舎によく見られたものとちょっと似ています。同じ場所なのに、こんなに資材が違うというのも面白いですね。時代が違うからでしょうけれども。
後陣。
背が高くて、付け柱は、半円柱に角柱が組み合わされたものですが、とてもほっそりと繊細な雰囲気で、縦長を強調する感じですね。
翼廊の、サンタ・マリアと向かい合う側のファサード。
上部の二連窓はちょうど真ん中に置かれているようですが、その上にある装飾的な十字架と、下にある一連窓、というよりは開口部的な部分は、半端に左にずれています。なぜ?
側壁。
泥石(勝手に命名)の間、ところどころにはめ込まれている花崗岩様の白い石、配列がランダムなんですが、これは後代の修復?
開口部も、かなり好き勝手に置かれている感じで、こういうのって何なんでしょうね。
外観で、すごいものがもうひとつ。
鐘楼。
これほど自己主張の激しい鐘楼も、なかなか出会えないですよ。教会本堂とは完全に切り離されて建っています。どっちかというと中世のドンジョン的な雰囲気。軍事的な利用目的もあったようです。
教会の、北側が、自然のままの地形で盛り上がっていて、その最も盛り上がった部分に、わざわざ建てられているのです。急坂に取り囲まれているので、アクセスするのも大変です。ということは、建設時、どんなに大変だったかと思うのですけれど。
教会内部は次回。
- 2012/05/30(水) 04:47:28|
- マルケ・ロマネスク
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サンタ・マリア・アッスンタ教会、続き。内部に入ります。
うわ~。観光客が多くざわざわしていますが、それでも「うわ~」、です。感動する本堂です。
なんというか、空気がプレロマネスク、まさに。
なんといったらいいのか、たぶんわたしの好きな中世ってこういう感じ。今、一方でアップしているブルゴーニュのロマネスクに比べると、本当にぜんぜんプリミティブで、芸術的には、ふんっ!みたいなレベルだったりするんですが、こういうロマネスク、って言うか、さらに進んでプレロマネスクって、すごく時間とか、その時々のぬくもりって言うか、そういうものを、より感じるんですよ。
こういう、明らかに過去の寄せ集めの柱頭を、無理やりはめ込んだ、つくりなんかが、どうにも好ましいわけです。たとえ、芸術的には、たいしたものじゃなくても。
フランスが嫌い、とか思われてしまっては困るのですが、というのは、まだほとんど実際に見ていないですから。でも、わたしが本当に好きなのは、たぶんロマネスク以前、ロンゴバルドとかの初期キリスト教美術なんだと思います。こういう場所に来ると、つくづく自分の好みを見せ付けられる気持ちになります。北部イタリアのロマネスクがすき、というのも、要は、ロマネスク以前の初期キリスト教美術とのつながりを感じるところが好きなんだと思います。
チボリオというエレメント、どうしても好きになれないということは、以前にも書いていると思うのですが、やっぱり好きになれないアイテム。でも、初期キリスト教美術界では、結構重要なアイテムではあるのですよね。
ここでも、相当に古いものですよ。装飾的にはとてもシンプルですが、彫られた碑文は相当に古いものなんです。
わたしは、後ろに見える、後陣の石積みのほうに気持ちが惹かれちゃうんですけどね。
この教会、クリプタもあります。かなり期待してもぐったのですが、とても修復されてしまっていて、ちょっと往年の雰囲気が失われていました。きれいですけれど、ちょっと残念。
- 2012/05/29(火) 05:22:45|
- マルケ・ロマネスク
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サン・レオは、崖の天辺のほんの狭い部分に張り付いているような小さな小さな町です。平地から、切り立った崖沿いにある、小さな門を潜り抜けると旧市外に入り込むのですが、そこもすべて坂道。その上狭いので、坂道の怖いわたしなぞ、絶対に歩いて入場するしかないというような地形です。
この崖の上からちょっぴりのぞいているのが城塞です。城塞とこの崖の間が、ほんのちっとだけ平地にされていて、そこが旧市街になるのですが、実に狭い場所に、ドゥオモ、そして教会が並び立っているのですから、本当に驚きました。
どっちから行けばいいの~!と、まさにうれしい悲鳴状態でした。サン・レオにロマネスクがあるのは知っていたのですが、まさか二つもあるとはまったく知らなかったのですよ。
まずは、サンタ・マリア・アスンタに捧げられた教会です。
プレロマネスクの建物。
後陣、典型的なロマネスクで、とても美しいものです。上部の小アーチ、そしておなじみの付け柱。いいですね~。
上の方に、後代に付け足されたであろう小さな鐘楼がありますが、もしかして、ちゃんとした鐘楼もあったのかもしれません、オリジナルには。だとしたら、ますますすごいことになるな~。
いかんせんすごく狭い場所に無理やり建てているので、ファサード側は、装飾もないただの壁で、入り口すら作られていません。
ファサードからこっちは、崖状態です。昔は何もなかったのでしょうが、今は、このファサードからすぐの場所に、一般の住居があり、なんとも不思議なことになっていました。イタリア南部ではよくありますけれど、これって規制があいまいなときに、勝手に建ててしまった住居ではないのかという感じもしました。だって、文化財のこんなに近くに一般住居って、ちょっとありえない…。
入り口は、南側の側面にあります。
全体に装飾性に乏しい外観なのですが、この南側入り口、およびちょうど反対側にある入り口の上部に、このようなレンガと白い石の組み合わせたアーチ、小さなかわいらしい柱頭が置かれているんです。
教会本体のベースは8世紀ごろということなのですが、これはロマネスク期の装飾かも知れないですね。簡単なガイド・ブックは買ってきたので、いつか読んでご報告します。毎度のことですが、いつになることやら…。
- 2012/05/28(月) 01:48:21|
- マルケ・ロマネスク
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ブルゴーニュの旅はまだまだ続くのですが、きりのよいところで、いったん停止して、久しぶりにイタリアに戻りますよ。
4月末にブリッジ・ホリデーで四連休がありましたので、車で、パドヴァ郊外の友人宅、ラベンナ周辺のロマーニャ・ロマネスク、そしてボローニャの友人とマルケに足を伸ばして、季節はずれのトリュフ料理と、マルケ・ロマネスクを楽しむ、という大変盛り沢山な旅をしました。
そういう旅の中で、まずはサン・レオを紹介したいと思います。
数年前に初めてサン・マリノを訪ねた際、適度な高低差の連続で、実に美しい土地だと思った場所にあるのが、サン・レオ。
実際、この緑が美しい時期に訪れたところ、ただ感動的な風景が広がります。この緑!まさに滴るという感じの濃さじゃないですか。
ちょうど、春爛漫な時期で、草原の花も咲いていて、原生花園、素晴らしいです。
そんな中、進んでいくと見えてくるサン・レオ。かなり期待が高まります。ロケーション的に、なんともドラマチックなんですから。サン・マリノより、小さいだけに、よりドラマチックでしたよ、アクセスが。
自分の車で自分で来ていたら、たぶんアクセスをあきらめるような坂道、細道の連続。あああ、よかったよ~、運転巧者のイタリア人が運転席にいるような状態で~!
まず、村の天辺にある城塞にアクセス。この時点で、自分ひとりだったら、絶対無理。
こんなところに、一般の車が入れるわけがない、というようなすっごい坂道の連続ですから、既にして引き返していたことでしょう。でも、今回は、このあたり何度も来ている人々が一緒なので、わたしはゆったり、ただ美しい風景に感動していればいいのです。なんてラッキーなことでしょう!
そして、周辺の美しい風景を堪能して、いよいよ、旧市街にアクセスです。
まずは、駐車。こういう山間状態の村ですから、公共の駐車場は一応ちゃんとしています。でも、本当に観光客の多い時期には、これでは間に合いそうもない、というような規模。今回はまだぜんぜん大丈夫でしたけどね、夏休みなんかはこれで大丈夫なのかな。
この村の驚きは、旧市街、本当に小さいのに、ロマネスクに関連する教会が、それもすっごく立派で見所も多い教会が二つもあるということです。今回、まさかここに来られるとは思ってもいなかったので、ぜんぜん勉強しないままアクセスしただけに、衝撃は強烈でした。
教会、次回。
- 2012/05/27(日) 06:14:43|
- マルケ・ロマネスク
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アヴァロン
アヴァロン郊外に二泊したのですが、アヴァロンは見ないまま。最悪、見なくてもいいか、という、アヴァロンの町には、大変失礼な感覚で泊まっていたんです、実は。
ところが、こんなにびっしりスケジュールだったにもかかわらず、どこも教会以外素通り、というのが功を奏して、アヴァロン帰ってきてもまだ、もしかして、教会開いているかも、という時間だったのです。だから、本当に疲れていたのですが、ホテルは素通りして、旧市街に向かいました。
ちょうど夏時間になってすぐだったので、そろそろ7時という時間だったのですが、意外とまだ明るいのです。旧市街の無料駐車場に車を停めて、歩き出したところ、アヴァロンの町が、意外と中世の面影を残したかわいらしい町だということもわかって、ナイスでした。ホテルはレストランがないので、夕食のことも考えながらぶらぶらとほっつき歩きます。
あ、あれがもしかして、訪ねるべき教会かな。
サン・ラザール教会。思いっきり扉口が開いていて、こんなに開放的に入り口が開いている教会も、そうないよね、って言う感じで、びっくりしました。
内部は、ほとんどゴシックだし、柱頭はあまりに高い場所にあって、肉眼では何が彫られているか認識不可能だし、本堂内部には、ロマネスク的に、感動するようなものはなかったです。それでも、中に入ることができた、ということだけで、結構うれしかったですけれど。
ここで、ロマネスク的に注目すべきは、やはりファサードの、もうほとんど’行っちゃってる”みたいに朽ちている浮き彫り。
面白いですよ、ここのファサードの扉周囲の浮き彫りは。残念ながら、本当にかなり朽ちちゃってますけれどね。
幸い、後は夕食とってホテルに帰ればいいだけ、それも、車で5分、と思うので、余裕がありあり、という、日中にはありえない状態だったので、のんびりと見ることができました。
この、右の方にいる、カフカ的な虫みたいなフィギュアは、オータンのアーキボルトにもあった姿。どっからきたんでしょうね。ちなみに何でカフカかといえば、イメージとして、ある日唐突に虫になっちゃったザムザですよ、やっぱり。
一つ一つはかなりいい感じの彫りなんですが、いかんせん摩滅が激しい…。
ここ、もう少し早い時点で修復が行われていれば、ずいぶんといいものが残っただろうな、と思いますので、残念。
教会のお隣も教会で、そちらは既に宗教的には教会じゃなくなっていて、イベント・ホールとして使われているようでした。
ちょうど、展覧会をやっていたので、サン・ラザール見学の後入ったら、なかなか面白い現代美術の展覧会で、思わずほしいというような展示品もいくつかあったんでした。ちょうどクローズするところだったので、管理人の方は、売るよりも会場を閉めることに一生懸命だったのが、ある意味、わたしには幸いだったかも知れません(マジでほしいと思った焼き物があったので)。
会場のモト教会は、それなりに古いので、ちょっとした浮き彫りなんかが残されていて、それを発見できたのも幸いでした。
この後、雨が降ってきて、寒い夜になります。この長い一日が、雨にも降られず、充実したドライブで、本当によかったです。それも、ブルゴーニュにおける有名どころを、これほど一気に訪ねることができたというのは、僥倖って感じ。それにしても、ちょっと急ぎ足すぎですよね。反省!
教会見学の後、アヴァロンの旧市街で夕食を取りましたが、これがなんとも…。このあたり、ワインとともに牛肉も産地みたいな感じなんで、タルタルをいただいたんですが、これならミラノの方が、圧倒的にうまいじゃん、という…。こんなに身体が疲れているところに生肉なんて、もしかして、身体に悪いことをしたんじゃないか、とどきどき。その上、雨がかなり激しく寒く、大丈夫かなぁ、とどきどきしながら眠りにつきましたが、熟睡。免疫力が高いのは知っていたけど、それにしても、われながら丈夫だわ。びっくり。
- 2012/05/26(土) 05:55:40|
- ブルゴーニュ・ロマネスク
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オータン3
マギにがっかりしながら教会を後にして、ファサードのはす向かいにあるロラン美術館に向かいました。マギとともにどうしてもお会いしたかったのが、ここにあるエヴァ。事前の情報では、祝日は休館とあったので、それもあって、どうせ翌日(日曜日)もここを通過して南下するはずなのに、わざわざ足を延ばしたのです。
でも、お休みは火曜日みたいで。何だよ~って感じ。
とても親切な受付で、ちゃんと英語で、簡単に何があるのか説明してくれましたけれど、わたしの興味は、特に時間のない今回はロマネスクのみなので、その場所だけ確かめて、急ぎ足で向かいました。
エヴァ!
これ、意外と大きいのですよね。もともとはどこにいたのでしょうね。それに、対になるアダムがあったはずですが、アダムさんは、いったいどのような姿で表されていたのでしょう。
左手でりんごをもいでいますが、でも既に憂い顔で、色っぽいし。
樹の生え方からいって、やはりこういう横向きの姿勢なんでしょうが、不思議です。アダムもやっぱり横たわる感じで、向き合っていたんでしょうかねぇ。
それにしても、これがファサードにあったらちょっと色っぽすぎるし、置き場所が、想像しにくいです、どうしても。
ロマネスクもの、数は少ないですが、エヴァがやはりインパクト大きく、既に満足です。他にもこんな巡礼風の方の、丁寧な彫刻とか。
そして、かわいらしかったのが、こういうもの。
これって、いかにもわたし好み。ひっそりと片隅に置かれていたんですが、思わず持ち帰りたくなるようなかわいさでした。Vサインかと思いました、思わず。
実は、撮影してもよいのかどうか尋ねることを忘れて、入ってしまったので、こそこそと隠し撮り状態でした。帰り際に、ちょうど入ってきた見学者に、写真撮影大丈夫ですよ、と説明していたので、なぁんだ、でした。
そういえば、わたしはロマネスクの部屋だけ見て超特急で入り口に戻ったので、受付の人が、目を丸くしていました。あきれていたんでしょうねぇ、きっと。トイレを尋ねたので、もしかしたらこの人は、トイレを借りに来ただけかもしれない、位に思われたかもしれません。恥っ!
このあたりから、さすがに疲れが出てきました。けれども、この後、ホテルのあるアヴァロンまで80キロくらいドライブしないとなりません。そして時間的には、もしかすると、ぎりぎりアヴァロンの教会も見学できるかもしれません。
そんなわけで、疲れた身体に鞭打って、美しい旧市街もぜんぜん見ないまま、そそくさと町を後にしました。まさに修行…。
- 2012/05/25(金) 05:11:07|
- ブルゴーニュ・ロマネスク
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オータン2
では、いよいよ入場です。
おお、ここも背が高い!
柱頭を側廊に沿って、じっくりと見学。やっぱりすごいです。それぞれ三面に彫られていて、そのレベルや物語性、表現の多様性というのは、イタリアではありえないものです。柱頭も、建築的にこうなったのか、それとも浮き彫りという装飾性を考えてこうなったのか、大きいんですよね。
面白いものもたくさんあります。ちょっと漫画チックな画。
これは、サムソンかなあ。ダニエル?ライオンがらみでは、サムソンもダニエルも大好きで、特にサムソンは色男に表されることが多いのでとっても好み。でもこの人はぜんぜん色男じゃないですねぇ。
実はここでも手振れが激しくて、柱頭の写真は、これまでにない最悪の撮影でした。背が高いというのもあるし、次々と目移りするので、ひとつの柱頭を撮影している時点で、もう次が気になって、じっくり落ち着いて向かってないのが原因。情けないなぁ、この性格。
これなんて、かわいいです。ニルスの不思議な冒険?こんな画って、他ではみたことがないかも。
ここでももちろん中心は聖書のエピソードなのですが、こういうちょっと楽しい感じのものも結構あるんです。でも資料全体とみないとなんともいえないですね。勉強することが、いやになるくらいありそうです。
これもなんかおかしいの。馬が前足で、左下方にいる人を踏みつけにしているんですけど、どういうエピソードなんでしょう。または寓話?前足を上げた馬が、なんとも愛らしいんです。もしかして陰惨な寓話だったりしても、とてもそうは見えない…。
大ショックだったのは、お休みになっているマギの浮き彫りがみられなかったこと。別室にあるはずだし、何度も内陣を行ったりきたりしたのですが、どうしてもその場所を見つけられない。
後で、タンパンの前で、日本人の旅の方と出会い、同じ目的をもたれた方だったので、寒い中、散々立ち話をしたのですが、彼によれば、やはり現在修復中とのことでした。彼も、マギが第一の目的だったので、泣きついたそうですが、もちろん相手にされなかったそうです。がっかりですよねぇ。
こうして次々に再訪場所が予約されていきます。
幸いわたしは、行こうと思えば週末でも行けるわけなので、それはそれで目的ができてよいのですけれどもね。
- 2012/05/23(水) 04:59:52|
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オータン1
一応ざっくりと計画はしていたけれど、距離や時間を考えると、一日でここまで回るのは無理だろうな、と思っていたオータン。でも、どこに行っても、教会直行、直帰でしたから、何とか間に合いました。
って言うか、そういうのってどうよ、と自分でも思いましたけれど。ヴェズレイは超早朝だったし、お店も閉まっていたから、見るものもないというところはありましたが、オーセールなんて、木組みの家が並ぶ、美しい旧市街があるらしいのに、ほとんど余所見をせず、地図とにらめっこで歩いている状態でしたからね。
それはともかく、オータン。
ミシュラン緑本にしたがって、町外れの無料駐車場に車を止め、旧市街を目指しました。
地図もないしよくわからないので、近くで立ち話していた若者に尋ねてみると、英語、一切通じず。若者ですよ、かなりの。
フランス人は英人と似ていて、全般体にコミュニケーション能力が非常に低いらしく、身振り手振りもだめだし、数字のひとつも英語が出てこないし、本当にあきれてしまいました。キャーズキャーズと繰り返すのが、どうやら15分ということらしいな、と想像がついたのですが、それを他の言葉で言い換えてみる、ということすら思いつかないんですよねぇ。
ま、「la,la!」と指差すので、laはイタリア語のla(あっち)と同じだろうと、さされた方向に向かいました。
少しすると、旧市街の町並みになってきます。パン屋さん。「中世のパン屋さん」という看板がかかっているんですが、気になります。閉まっていたのが残念。単に、「中世の街にある」程度の意味だったりするのかな。
坂道を登っていくと、どうやらカテドラル、サン・ラザールのお出ましです。
やっぱり、こういう風にゴシックの姿だと、ぜんぜんときめかないのね、わたし。ふーん、と思いながら近づいていきます。
どうやってアクセスするのがベストなのかなぁ、と思いながら、進行方向にそのまま向かうと、そこがファサードでした。
え?いきなりあの有名な…。
ちょっとびっくり。いきなりなんですもん。って、もちろんそこにあるはずのものがあるんだから、びっくりするのも変なのですが。
第一印象、「これ、本物?」
だって、かなり最近洗浄されたのですかねぇ。真っ白なんですよ。重みのない白さって言うか。漂白もしちゃってるんじゃないかと思わされるような白さ。
出来立て感。
ここの彫刻の人々は、とってもすっきりスマートで、さらりとしています。激しい地獄図的な画も、なんか淡白。白いせいで、おそらくますます淡さが。
悪魔君みたいな怖いフィギュアがわんさといるんですが、なんかみんな適当に遊んでいる風に見えちゃって。白いと、フィギュアの隙間もやけにすっきりで、ごちゃごちゃ感もないんですよねぇ。不思議な感じでした。
でもこうして写真を見ると、やっぱり面白いですね。
ちょっとじっくり、並べてみましょうか。
- 2012/05/22(火) 04:49:44|
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ソーリュー
オーセールの後向かったのはソーリュー。アンドッシュ教会。
もともとフォントニー修道院を予定していたのですが、修道院はいつでも見学可能であることに加え、ロマネスク的な興味レベルは低かったこと、イースターの日曜日になると、場合によってはソーリューあたりはミサで見学できない可能性があることなどを考え、行程的にはかなり無駄だと思いつつ、ソーリューに向かいました。こんな動きをしているから、3日で千キロ、なんていう無茶な結果になるんですよ。
到着は、ちょうどランチの時間。早速教会に向かったところクローズしていて、13時半にオープンとなっています。
これは、ちゃんとお昼を食べなさいということかなぁ、と思い、ブラッセリーに入りました。ところが!すごく混雑しているのに、お店は明らかに人手不足、てんてこ舞いで、待てど暮らせど誰も来てくれない。10分近く待ったけれど、これはだめだ、と思って、何も取らずに店を出る羽目になりました。
そろそろ13時半だし、ランチ抜きでもいいか、と教会に戻り、オープンを待つことしばし。しかし、オープンする気配、まったくなし。13時半オープンって思いっきり嘘!
でも、このまま町を後にするのは、あまりにもったいない気がしたので、結局、教会のまん前にあるカフェに入って、ガレットでランチとしたのでした。これが、サービスはいいし、お味はいいし、お値段も明朗会計で、とってもよいお店なのでした。それに、教会前なので、教会がオープンしたらすぐわかる!
食べながらも、教会の扉に注意していたら、14時ちょっとすぎに、開いたのがわかりました。あわててお会計をして、教会に飛び込みます。
ここ、アンドッシュは、外観的には、まったく見るべきものがありませんが、そしてまた、内部も、全体的にはかなり新しくなっているのですが、その柱頭に、面白いものがあるのです。
ここも、聖書の場面がたくさん。傾向としてはヴェズレイなんかと同様で、すごくうまいんですが、教会の規模が若干小さいせいもあるのか、ちょっと身近な感じというか、なじみやすい雰囲気はあるんです。
実際、ひたすら柱頭を撮影しながらうろうろしていると、教会を開けた教会守のおじさんが、「あんた、ふくろうは撮ったのかい、有名なやつ」とか何とか言って(これももちろんフランス語なので、推測…)、わざわざ内陣までいざなってくれたり。
このふくろうは、まさに見たかったものです!おじさん、ありがとぉ。
なんか、全体として、ロマネスク的にはとても有名な場所だし、有名な教会だし、有名なレストランがあったりする町なのに、ぜんぜんおごったところもなくて、ただの田舎の町なのが、逆に不思議な町であります。
そういう意味で、なかなか忘れがたいものがあります。
- 2012/05/21(月) 06:06:48|
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