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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ブルゴーニュ その27

ブリオネ17
サン・ジュリアン・デ・ジョンジーSaint Julien de Jonzy、サン・ジュリアン教会Eglise Saint Julien続きです。
一応、中もご紹介しときます。
こんな感じ。


ここまで真っ白にしなくてもね~、って言うほどの白さ。こういうのは、本当に困ります。
例によって、後代の修復で、オリジナルの姿が取り戻された結果と思いますが、ほんの一部、ほっとする場所があります。
後陣の窓の周辺。


塗りこめて、どうなっていたのか知りませんが、一応オリジナルのスタイルに則って、もしかしたら再建かもしれないけれど、と言う小円柱と小さな柱頭がかわいい。でも、この白さには、辟易としてしまいますね、どうしても。
それから、身廊を分割する円柱の柱頭。


バロック期に、もしかすると金色に塗りたくられていたりしたのかも知れませんが、幸い、一応すっきりと石の色でした。再建もあると思います。
アーカンサス・モチーフなのですが、どの柱頭も少しずつ違っているのが面白かったのです。アーカンサスは、特に好きなモチーフではないのですが、ここまで様々なバリエーションがあると、よくもこれだけ考えるよな、へぇ~、と感心しました。アーカンサス的には、一押しの教会と言えましょう。
これは、実はよく覚えていないのですが、扉の内側かと。


ここだけ、漆喰塗りたくりがないのです。はがしたのか、もともと何かの都合できちんと塗りたくってないのか、不明ですが、なんだかほっとします。こういう状態だと、柱頭なんかもよくわからなかったりしますが、それでも、こういう古びている方が好みです。

いずれにしても、ここもまた興味深いよい教会だった、と満足して帰ろうとすると、出口にしっかりと近隣の地図が。


思わず目と足が止まります。どうしたって、ブリオネは、今後も再訪しないとならないらしいです。ありすぎ。
では、次に向かいますね。

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  1. 2012/06/30(土) 06:09:33|
  2. ブルゴーニュ・ロマネスク
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祝!イタリア決勝進出!ヨーロッパ杯2012

いやはや、まさかの。
本線に出るまで、ふぅふぅ言ってたのが嘘のようにスムーズで、あれよ、という間に決勝戦進出決定。本当にびっくりです。
だって前半に2点も決めちゃって、余裕のよっちゃん状態で、こんなにリラックスしてイタリアの試合を見たのはいつ以来だろう、と言う感じです。最初から最後まで、まるで、対戦相手のドイツと役割が変わったみたいな。
何度形を変えて攻めても、なかなか点が取れなくて、何とかPKに持ち込んで点を取る、と言うのは、よくイタリアであるパターンなのに、今回は対戦相手のドイツがそのまま…。
それでも、後半のドイツの猛攻はすごくて、やっぱりリラックスしたまま終わることはできなかったけど、それにしても、前半の2点は、文句のつけようのない素晴らしいゴールだったし、いや~、言葉もない。
2年前のワールドカップ以来、あまりイタリアの試合はみてなかったし、選手もすっかり様変わりでびっくりしたのですが、古株のブッフォンとピルロの活躍は、嬉しいものでした。
決勝戦はスペイン。昨日の、スペイン-ポルトガル戦も、延長戦、PK戦までしっかり見たのですが、あれだったら、イタリア、スペインに勝てるかも…。楽しみ~。
これまでは、シーンとしてましたが、今夜は、試合が終わるとともに、どこぞで花火は上がるし、クラクションを鳴らしながら車が行きかっています。おそらく大スクリーンが置かれているドゥオモの周りは、さぞや盛り上がっていることでしょう。
  1. 2012/06/29(金) 05:57:26|
  2. ミラノ徒然
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ブルゴーニュ その26

ブリオネ16
サン・ジュリアン・デ・ジョンジーSaint Julien de Jonzy、サン・ジュリアン教会Eglise Saint Julien続きです。
ここも、注目すべきはファサード扉上のタンパンにある彫り物です。


既におなじみになったモチーフですね~。アーモンドの中のキリスト、それを両側から支える二人の天使。
フィギュアはこの三人だけで、すっきりした構図ですが、細かい装飾にびっくりです。
拡大します。


キリストのチュニック、首周りやすそに、模様が入っていたり、天使の袖口にもやはり模様が刻まれているんですよ。衣装のドレープもすごく凝っています。アーモンドの切り口だって、ぎざぎざの切込みが入っているし。
こんな細かいところは、改めて写真で見ないと気づくもんじゃないです。
それにしても、ここの天使はたくましい!
イエーイ状態のちゃらい天使は、モンソー・レトワールでしたっけ。あそことぜんぜん違う重量感で、天使というより、どすこい…(特に左側)。


手足のたくましさもすごいし、身体にもしっかり筋肉ついてます。そういえば、翼のもったり感もすごいな~。
タンパンの下、アーキトレーブ部分には、最後の晩餐らしい場面が横長に表されています。


残念ながら、光背だけ残っていて、顔はほとんど全部なくなっています。この下の写真の一人だけ、かろうじて残っています。


それにしてもこの石工、穴ぼこ、ぼこぼこの模様が好きだったんですね。このテーブルクロスのすそも、ひだなんですが、穴ぼこ状だし、光背も穴ぼこ模様だし、あちこち穴ぼこ。と数珠状の丸い玉すだれ。
数珠と言えば、プーリアには、窓や扉周りの装飾によく使われていましたけれど、どちらかから派生しているのかも知れませんねぇ。
続きます。

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  1. 2012/06/27(水) 05:10:34|
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ブルゴーニュ その25

ブリオネ15
どんどん進みます。
ブリオネのすごいところは、通り道にある町村のほとんどすべてにロマネスクの名残があることですね。前回のセミュール・アン・ブリオネから、ほんの数キロでアクセスできるこのサン・ジュリアン・デ・ジョンジーSaint Julien de Jonzyにもまた、素敵な教会があります。サン・ジュリアン教会Eglise Saint Julien。
しかしたどり着いた町は、こんな感じ。


ブリオネ地方をぐるりと回る幹線道路沿いに、家が立ち並んでいるだけで、通りを風が吹き抜けて寒いし、なんというか、西部劇の舞台のような荒涼とした雰囲気で、こんなところにロマネスクが?って不思議になるような風景です。
でも確かに、教会の名が記された看板があり、ふと目を上げたら、これ。


なんか、びっくりするくらいかわいらしくて、わ~っと駆け寄って抱きしめたくなるようなたたずまいでした。
ここ、墓地の中の教会です。雰囲気がとってもいい。
まずは、外観をじっくり眺めながら、建物をぐるりと回ります。


新しいお墓の多いのが不思議でした。だって、教会はこんなに古いもので、墓地としても相当ふるいでしょうにね。それに、敷地がとっても狭いのに。
ファサード側は街道沿いの村ですが、教会の裏手には緑が広がり、本当に美しい春の風景が広がります。
あまりきれいなので、しばしうっとりしていたら、草原に放牧されている牛のお一方と目が合ってしまいました。


なんじゃ、おまえは?とでも言うような様子で、のそのそと近づいてきます。段差もあるし柵もあるし、別に襲われるような状況ではないですが、かなり巨大なので、びびりました。
あまり面白くない後陣、側壁を確認します。


このあたりは、もう時代が下ってしまうので、だめですね~。ブルゴーニュ、残念なのは、全体が心地よい、つまり同じ時代にとどまっている建築が少ないことですね、わたしにとっては。
それにしても、イースターの昼下がり、人っ子一人いなくて、何かあったんだろうか、というような静かな町。独り占めは嬉しいですね。でも考えたら墓地なんだな。独り占め、嬉しいんだろうか?
続きます。

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  1. 2012/06/26(火) 05:28:24|
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ブルゴーニュ その24

ブリオネ14
セミュール・アン・ブリオネSemur-en-Brionnaisの、サン・イレール教会Eglise de Saint Hilaire続きです。
中はこういう感じ。


石っ!
と言う感じは悪くないのですが、実はあまり印象に残っていないです。多分、面白くなかったんでしょうね。
改めて外に出ると、南側に、なんか美術館?


かつては教会付属であっただろう建物、今でもそうなのかな。ロマネスク美術、と言う垂れ幕があるし、やはりここは一応見ておこうと思い入りました。二階に展示スペースがあり、教会の模型などが置かれていましたが、特筆すべきものは何もなく、不思議なスペースではありました。人の気配はするけれど、姿は見えないしね。

もう一度、素晴らしい正面扉を一瞥して、引き上げることにしました。


こうして遠くから見ても、なんだかすごい装飾ですよね。全体は、あんまり面白くないのにね。

さて、このセミュール、とっても古い町で、もともとは城塞と教会しかなかったみたいです。


今もあまり変わってないですけれど、中世の雰囲気が全体として残されていないのが、ちょっと残念かも。
そのお城のあとは、今修復工事中でした。


無骨で立派なお城です。城塞って感じで。
あんまり寒いので、カフェでエスプレッソをいただき、セミュールを後にしました。寒風から逃れられるだけでほっとしながら。今の暑さからは想像もできないですが、本当に寒かったな~。

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  1. 2012/06/24(日) 05:50:18|
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ブルゴーニュ その23

ブリオネ13
ミラノは、燃え上がるほど暑い…。こういう気候の中、クーラーなしで生活しているというのも、今の日本の基準から言えばすごいかも。いつもはいやいや起きて行く会社も、こうなると、クーラー利き放題なので、喜んで行ってしまいます。そんなわけで、クーラーのない自宅でパソコンに向かうのも辛くて、サイトの更新は思いっきり滞っていますが、ブログだけは何とか。

セミュール・アン・ブリオネSemur-en-Brionnaisの、サン・イレール教会Eglise de Saint Hilaire続きです。
正面ファサードの扉周りの装飾。一部妙にうまい手があるかと思うと、側柱の柱頭は、まさにヘタウマの花盛り。


あれ?って感じです。図像学的には意味がありそうなんですが、表現力が、本当にかなり稚拙なんですよねぇ。これが、タンパンやアーキトレーブの彫刻と同時代とは、ちょっと思えないって言うか。石工が違う可能性はあるけれども。


うわ、蛇とか爬虫類系が噛み付きまくりのフィギュア。こういうのって、プーリアにあったかも?そういえばプーリアでは、ブルゴーニュの影響って言うのがかなり見られたんですね。聖地で情報交換があった結果、とかそういう話だったと思います。ブルゴーニュの影響もあるけれど、逆もありそう。
それにしても、こういう幾何学的装飾、やっぱりすごいですよ。


モチーフは、中世ですから、そういう時代のものと思いますが、全体見ると、若干ちぐはぐな。



軒送りの装飾彫り物もこんなだったりします。


ミッキーマウスともいえない、なんじゃこれ?
なんか、素人の作品としか思えないって言うか。不思議でしょ。

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  1. 2012/06/23(土) 05:54:33|
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ブルゴーニュ その22

ブリオネ12
セミュール・アン・ブリオネSemur-en-Brionnaisの、サン・イレール教会Eglise de Saint Hilaire続きです。
正面ファサードにある扉周りの装飾。


なんか、ぎっしりですごいです。アラブの影響があるとは思えないブルゴーニュですが、この「空白が怖い」と言うアラブ的な装飾、たくさんありますね。どこから来ているのかな。
この教会は、扉周り以外は、さほど装飾的ではないので、ますます印象的です。


このタンパンのキリストを中心にした彫り物。キリストの顔だけが、やけに新しいって言うか、写実的で浮いていますよね。これだけもしかして壊されたか傷んで、後の時代に作り直しているとかあるかしら?ちょっとそういう感じです。だって、アーモンドを支えている天使なんて、すっごくロマネスク的な顔をしてますからね。その周囲に配置された福音書家たちのシンボルは言わずもがな。左側に見える牛さんなんて、どうですか。間抜けな顔が、本当に愛らしいですよね。前足を左頬に当てて、「うふん」なんて、言ってますよね。
支えの天使の羽が、ちょっと面白いです。フレスコ画で描かれるような感じに、閉じた翼。彫り物でこういう風にあらわされるのは、どうでしょう。
「うふん」の牛、アップ。


アーキトレーブも、ちょいと面白い。うまくない手ですけれど、雰囲気があります。


うまくはないんだけど、細かいんです。


洋服のひだとか、表現がかなり繊細。人物も、ほとんど二頭身または三頭身で、顔の表情が豊かなんです。周囲の装飾も細かいし、手なんかもみんなちゃんとしっかり彫られています。右端に悪魔君たちが勢ぞろいしていますけれど、なんだか愛らしい。見れば見るほど、じわじわ楽しくなってくる彫刻です。

まとめてアップしようとすると、多分なかなかできないので、小刻みになってしまって申し訳ないです。続きます。

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  1. 2012/06/22(金) 05:23:05|
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ブルゴーニュ その21

ブリオネ11
とんとんと進みます。
次に訪ねるのは、セミュール・アン・ブリオネSemur-en-Brionnaisの、サン・イレール教会Eglise de Saint Hilaire。
高台にある村で、冷たい風がびゅんびゅんと吹き抜けるようなロケーションで、本当に震え上がる寒さだったのをよく覚えています。朝も昼も抜きで歩いているので、寒さがますます身に沁みるって言うか。


でも、こういう印象的なたたずまいに出会うと、そういうこと、一瞬忘れます。
ここでも、フランスっぽい大きな塔が目立っています。


大きいけれども背は低くて、そして装飾はとても繊細です。この開口部の、切り込み?イタリア語だとStrombaturaと言うやつだと思うのですが、何重にも奥行きが作られていて圧倒的。側柱にも窓の中央部にある円柱にも、それぞれ装飾の施された柱頭が乗っかっていますし、下の段は、盲アーチになっていますが、アーチの上に、市松模様の帯状装飾など、本当に凝っています。
でもこれ、なぜ下の段は閉じてあるのでしょうね。イタリア的感覚から行けば、必ず開口部となりますよ。トップの部分をより強調するためでしょうか。ここも開いているよりは、壁のようになっていることで、確かに、トップの開口部に目が行きます。


後陣装飾は、ちょっとつまらないのが残念でした。これは、後代に修復されたか、後代の時代の装飾か、どちらかわからないですが、いずれにしてもこちらが求めている創建時同時代の装飾ではなさそうです。付け柱ではなくて、明らかに補強用と思われる支え柱が取り付いているし、大きな窓が開けられているので、このあたりは、ゴシック時期以降に大きく手が入ったものと思われます。
もうひとつ全景。


翼廊部分にもファサードが取り付けられているし、全体に相当手が入っているのですね。改めてみると。確かにちょっと、近寄るにつれ、あれ?と思った気がします。このあたりが、やっぱりフランス・ロマネスクなんでしょうねぇ。っていうか、わたしが要求過度なのかな。
ここはあそこでしょ?といらいらされている方がいるかも。そう、ファサードにある扉周りの装飾が、この教会を訪ねた第一の目的です。これ。


全体の装飾はわずかなので、この扉周りのごちゃごちゃに入り組んだ装飾浮き彫りは、なんだか全体の中では異質で、どうなっていたんだろうと思います。
続きます。

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  1. 2012/06/20(水) 05:01:34|
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ブルゴーニュ その20

ブリオネ10
アンジー・ル・ドユックでも、やはり近辺の地図が掲げられてあり、事前には調べ切れなかった小さな教会が、びっくりするくらい近くにたくさんあるみたいなのです。あまりにマイナーな場所に引っかかっていると、今回行きたい重要度の高い教会に、時間切れでいけなくなる恐れもあるので、そこはぐっと見てみぬ振りで通り過ぎるしかない、と思っていたのですが、もうあまりに近いし、ほぼ通り道沿いという感じでもあるので、ひとつだけ立ち寄ることにしました。
ボウニー(正しい発音かどうか不明です)Baugnyの聖ポンス教会Eglise de Saint Pons。


こういう形からアクセスです。後陣の幅が教会の横幅って言う、なんか珍しい構造ですが、ちょっとした高台にあって、とても美しい。
ボウニーという村にあるのですが、村はこの教会の向かいにある街道沿いに家々が並んでいるだけのもので、後は緑。教会の周囲もきれいな芝生で、とっても心の休まる風景です。


この巨大な塔が、とてもフランスっぽい感じがします。イタリアではこういうスタイルって見たことがないように思いますがいかがでしょうか。
ちなみに、教会手前にあるグレーのコルサが、今回レンタカーした新型コルサ。同じコルサでも、わたしの十年以上落ちのものとはもうまったく違う性能で、びっくりしたな~。同じなのは、バックするときのギアの入れ方。これはオペル独特なので、知らないとびっくりします。
残念ながら、教会は修復中で、中には入れませんでした。


外壁もとても美しいので、おそらくこれまで時間をかけて、全体修復していたのではないか、と考えられます。ファサードも、もうずいぶんときれいになっていますし、あとは中なのかな。おそらく、近々再オープンするのでしょうね。
ところで、ここの石は、モンソー・レトワールと同じ、黄色にピンクが入った、不思議な色の石。モンソー・レトワールでは、もしかして黄色の石が、日に焼けたとかそういうことかとも思いましたが、どうやらこういう石なんですね。黄色にのっているせいか、ピンクがなんとも面白いピンクで、なんとなく和菓子のピンクを髣髴をさせるんですよ。変なたとえなんですけれど。椿の花型のお饅頭とか、ああいうピンク。なぜかな。
扉の側柱にある柱頭の彫り物が、ちょっと面白いです。


動物が、なんだか楽器を弾いているみたいに見えます。
また、後陣や鐘楼にある軒送りにも、面白いフィギュアが並んでいました。


こういう解釈に苦しむような不思議なフィギュアは楽しいですね~。それも本当に全体にヘタウマで、いかにもロマネスク、それも初期。これが後期になるとゴシックの、俺の腕を見せてやる的なうまい造詣になってくるので、どんどん苦手になってくるんですよねぇ。
なぜかあまり写真を撮ってないのですが、なかなか親しみの持てる楽しい教会で、立ち寄ってよかったと思います。どうせ、中に入れなかったので、時間もほとんどロスしなかったですしね。

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  1. 2012/06/19(火) 04:58:51|
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ブルゴーニュ その19

ブリオネ9
アンジー・ル・デュックAnzy le duc、旧クロワ・エ・マリー修道院 Ancien Prieure Sainte Croix et Sainte Marie続きです。
この教会、クリプタもあります。チェック済みなので、階段を探します。でも、ほとんど無人状態だし、見られるのかなぁ、と言う危惧を軽く蹴っ飛ばして、案内板がありました。
ほんの数段の階段とはいえ、暗いのでそろそろと降ります。
おお…。


すっごく雰囲気のあるクリプタ。変に修復とかしていないのが、逆にいい感じで、しばしうっとりとしました。でもあんまり暗いですよね。写真もこれでは、と普段は自分に禁じているフラッシュ使用してしまいました。


こういう感じです。すごく素朴ですよね。これでも天井などは相当修復していると思いますけれども。この後、戻る道で、電気のボタンに気付きました。つけてみたところ、ぼんやりとした明かりでしたけれど、ないよりもずいぶんましで、ほとんど無人なのにこの至れり尽くせり振りには、本当にびっくりです。もちろん、献金しましたよ。
そういえば、イタリアでは、明かりをともすのに有料のシステムのところが多いのですが、ここブルゴーニュでは、有料か無料かではなく、あるかないか、だったような。無料なのに、明かりをともすだけで献金しない人もいるでしょうから、有料灯しシステム、わたしは嫌いじゃないのですけどね。
さて、本堂に戻って、後陣。


半円部分に、きれいな色彩が残っているフレスコ画。でもこれはロマネスクより後の時代のものと思います。柱も彩色されていますが、こういうのはロマネスクじゃないですもんね~。画の残り具合はかなり悪いのですが、色の残りがいいのですよ。水色、こういう色って、ロマネスクの時代のフレスコにはないですよね?青系は、ラピスラズリなのか、青になりますよね。
本堂を入り口まで戻る側廊の、楽しい柱頭、再び。


ここにもアクロバット系の人がいますね。サーカスっぽくて楽しくなります。
そしてこういう、狭いスペースを最大限に活用したドラマ的な構図。


なんか面白い~。
これもやっぱり旧約聖書のエピソードにあるんでしょうか。
わたしは、実際にサイトにまとめるときにしか詳細を勉強しないくせになっているもんで、今のところ資料にもぜんぜん当たってないんですけれども、それにしても、なんだか面白いですよね。

と言うわけで、アンジー、見学終了。すべてに感心して呆然として、扉を出た後も、しばらく呆然とファサードを眺めておりましたよ。ブリオネの想像以上の面白さを、最も実感したのがここだったと思います。
で、ふらふらと教会前に停めた車に乗り込んで、ふわふわの気持ちのまま、次を目指し、しばらくしてから、あ!あそこでランチにしようと思ったのに!と思い出す始末でした。
この教会を訪ねた時点で、ほぼ遅めのランチの時間であり、教会の目の前に、カフェ兼レストランと言ったようなお店があったので、最初に考えたのが、見学後はここでランチにしよう!と言うことだったんですよねぇ。
すっかり忘れ、その後は、追い立てられるように見学を続け、結局朝ごはんに加えてランチ抜きのラマダン状態の一日になってしまったのですよねぇ。大失敗です。あの教会前のレストラン、いつか再訪したいものです。

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  1. 2012/06/18(月) 05:29:33|
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