ヴェンティミリア3
カテドラルCattedrale d'Assuntaの続きです。
たどり着いたとき、既に正午も近い時間でしたが、開いておりましたので、外観は後回しで、早速入場しました。
おお~、石の質感が素晴らしい。結構背が高いですが、なぜかこじんまり感があるのは、身廊の幅が狭いからでしょうか。
入り口に、いきなりこんなものが。
このカテドラル、そもそもは初期キリスト教の教会があった場所で、その上にカロリング朝時代の建物、初期ロマネスクの建物と続いて、15世紀頃までいろいろといじられたそうなのです。この以下にも初期キリスト教的なブツは、5/6世紀頃に作られた説教壇の一部で、クリスモンが彫りこまれています。入り口脇に置かれて、聖水盤として使われていたようですが、今は使用されることなく、過去の遺構として展示されています。
シンプルだけど、全体の調和がよいです。多用されている小円柱のかわいらしいこと。
天辺に文字があるようなので、ズームしたら。
1958年?
修復された年なのでしょうね。なるほどです。
側廊でも、上部が新しい感じなんで、多分、上の方は後代に作り直したか、修復したか、ということなのでしょう。それにしても、後陣部分は、素敵な修復になっていて、こういうのはいいですね。
ディテールを観察すると、説教壇に、私の大好きなロンゴバルドがありました。
堂々と大きなビスケット文様。いいですね。結構内陣部分にロープを張って、近づけないようにしている教会もありますが、ここはもうアクセスし放題なのも嬉しかったです。その上、もちろん誰一人来ないし。おかげで、鞄は、隅っこに置いて、歩き回ることができて楽でした。人がいると、ちょっと心配ですからね。
教会では、荷物がなくなることなどないだろう、などといういい意味での先入観、残念ながらこの国では通じないんです。
では、次回は地下世界へ!
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- 2013/01/31(木) 04:49:29|
- リグリア・ロマネスク
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ヴェンティミリア2
坂道を登った先にたどり着いたのは、カテドラル。
外観、かわいらしいたたずまいなのですが、少なくともファサード側は、ちょっと新し感が強くて、これは期待できないのかな、とも思ったりしますが、近づいて、細部を観察すると、実はいろいろ面白いものがちゃんとあるのです。
飛び出した側柱の前面側、上の方に、気になるものがあります。
右の角っこにも同じものがあったようです。手を上げて、膝を曲げて、ペンテコステの儀式かしらん?それにしても、なんとも愛嬌があります。正面扉の側柱の柱頭装飾も、同じようなタイプのかわいらしいモチーフが並んでいました。
これは動物モチーフで、ちょっとフランスっぽいです。
これも手を上げたポーズです。向かい側も同じようなポーズで、でも裸ん坊。
一部は、おそらく再建の複製と思いますが、こういうフィギュア大好きな私には、実にチャーミングで、一気にこのカテドラル、気に入りました。
実はこの教会、洗礼堂とかクリプタとか、内部にとても重要な遺構がありますので、そちらばかり考えていて、外観にこんなかわいらしいものがたくさんあるとは、思っても見なかったので、すごく嬉しい発見でした。
そういえば、玄関上にあるアーチは、白黒の縞々で、ジェノバ風って感じですが、このタイプの浅浮き彫りは、ジェノバにはなかったように思います。ではどこから来たのかなあ。
後陣の軒送り部分にも、ちょっとユニークな浮き彫りモチーフが並んでいます。
- 2013/01/29(火) 05:53:07|
- リグリア・ロマネスク
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ミラノのバーゲンは、最近は年明け早々に始まるので、年初に一時帰国で不在の私は、早い時期にバーゲンめぐりができなくて、いい加減終わりそうになった、既にバーゲンにならない初春ものが並んでいる頃に、ひっそりとかすをあさる、というパターン。
で、今年もそういう感じで、近所のショッピング・センターに行ってきました。目的は、丈がちょっと長めのコート。
コート、ゲットした上に、特に今必要でもないドレスまで買ってしまって、なんだかな~、店員さんがあまりやる気バリバリだったのにのせられたな~、と微妙に後悔しつつ、必ず立ち寄る雑貨屋さんに立ち寄り。
いきなり、この三年間、つまり新居に引っ越して以来探しているコート掛けが目に付きました。
でも、やっぱり黒で、私がほしいのは白。ないんだよなぁ、白、と思いながら、店内を進むと、あらら、いきなり白が登場して、びっくり。即、購入です。
ちょっと安っぽいんですけれど、そして、本来ほしかった色よりは、白すぎるんですが、意外と白のこのタイプってないんですよね。そして、とにかく、本当にほしいと思うコート掛けそのものに出会うのが、そもそも難しい。
必需品なので、これまであちこちで見てきて、それでも結局、気に入ったのは、超有名ブランドの定番商品、900ユーロ超だけだったんですよね。さすがに、家を買った当初、金銭感覚がかなり狂っていたときでも、コート掛けに900ユーロはちょっとためらうものがあったので、幸い購入にはいたらなかったですが。
この、鋳鉄風は、今の寝室にぴったりなんです。モデルが同じでも、黒では浮いてしまう。
だって、ベッドのヘッドがこういう感じで。
イケアの安物ですが、部屋全体トータルこういう感じの白、フェミニンなもので、どうしてもこういうものがほしかったんですよね。
何のためかというと、実は、ジョギング直後の汗かき衣料を、汗が乾くまでしばし掛けておくためだったり、色気も何もあったもんじゃないんですけれども。
思えば、家を買った当時は、なけなしの財政状態を無視して、金銭感覚狂いまくりで、いろいろどうでもいいものにお金を使っておりました。
コート掛けが見つからなかったんで、当座しのぎと思って買った、この壁付け型のフックだって、わざわざ注文してお取り寄せで、一個いくらしたかな。
玄関先で、確かに役に立ってはいるけど、今の自分だったら、とても買わなかったなと思います。でも、今日家に来たコート掛け、実は当時の自分の審美眼から言えば、かなり安っぽいわ、やっぱり。
白すぎるのが致命的。クリーム色のペンキでも塗るかね。でも、よく考えたら、そんなに安くない。イケアのベッドと、そんなに変わらないんじゃないか。
「ほしかったやつだ」、と思った時点で、金銭感覚吹っ飛んだかも。
唯一よかったのは、現金で購入したことかな。
この前にカードで購入したコートについては、なんだかちょっと後悔していて、カードだと後付で支払いになるので、なんか煮え切らない気分。いやはや。
- 2013/01/27(日) 07:34:22|
- インテリア、小物
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ヴェンティミリア1
しばらく、中世からとんでもなく遠いところを彷徨っておりましたが、やっと中世に戻ることにします。
というわけで、クリスマス前に訪ねたリグリアおよび南仏に戻りましょう。
まずは、一年ぶりとなった、イタリアはリグリアのロマネスクの旅。
リグリアは、嵐の中訪ねたサン・フルットゥオーゾ、日帰り強行軍のジェノバ旧市街とアルベンガ、に続くロマネスク。今回、予定ではコート・ダジュール直行だったのですが、イタリアとフランスの国境であるヴェンティミリアで、どうせ列車を乗り換える必要があったため、それならせっかくだからヴェンティミリアを訪ねようということにしたのです。やはりミラノからは遠い場所ですから、すきま時間を利用できるなら、ラッキーです。
すきま時間を利用して、といっても、ヴェンティミリアのロマネスクは、なかなか重要度の高い、リグリア・ロマネスクを語る上では欠かすことのできない土地です。小さな旧市街に、見るべき教会が二つもあるんですから。
その前に、久しぶりの中世散歩、足慣らしとして、旅の話を少し。
ミラノを超早朝7時に出発。7時に超早朝とは大げさ、と思われるかもしれませんが、12月後半の7時って、まるで夜中ですよ。真っ暗で夜明けの気配すらない。
車窓はずっと真っ暗で、ところどころ雪景色が広がり、いかにも寒々としています。
半分眠っている状態で、読書する気にもならず、うつらうつらとすごして1時間ちょっと。
夜明けとともに、列車は山がちなジェノバに近づいていきます。
いくつかトンネルをくぐり抜け、さて幾つ目のトンネルを抜けたときだったか、それまでのどんよりとした空気が嘘のように、ぱーっとお日様が輝き、さんさんと車窓が輝いたのでした。「雪国」と、まったく反対の状態です。
それからは、短いトンネルを抜ける度にお日様が強くなって、まるでトンネルの向こう側に冬を置いてきたような、もうびっくりするくらいの変わりようです。ゲーテが、山を越えてイタリアに来たとき、こういう感じだったのかもなぁ、と思うような、あまりにも劇的な変化でした。
ジェノバを越えて、サヴォーナを越えたあたりから、線路は海沿いとなり、ずっとリヴィエラの美しい海を車窓に眺めていくこととなります。海は久しぶりだったので、とても嬉しい気分でした。
そして、11時に、ヴェンティミリア到着。ミラノとは、もうまったく違う空気です。ほとんど春といってもいいような陽気。
このあたりは、海からすぐ山、という地形なので、鉄道駅の裏はすぐに山。
国境の駅といっても、とても小さな駅です。予想はしていましたが、やはり荷物預かりがありませんでした。駅には、荷物預かりの表示があったので、しばらくうろうろした挙句、以前はあったのが、もうずいぶん前に閉鎖になったことがわかりました。
これは予想していたので、それもあって荷物は一番小さいキャリーバックにしましたが、それにしても、これをもって坂道の多そうな旧市外は厳しいなぁってところです。
駅から近い川を渡って、正面に旧市街が見えますが、これですからね~。斜面に張り付いたような住宅地。その天辺に鐘楼が見えますが、どうやらそれがカテドラルらしい…。
荷物引きずって、あそこまで行くのか…。ちょっと泣きたい気分ですが、仕方ありません。
いざ旧市街に入ると、いきなりの坂道。ただし、車が入れない道なので、のんびり登れます。横道の階段は、こんな感じ。
これって、階段だから上れますが、坂道だったら、もう這うしかないような、そういう激しい角度です。
私の歩く道だって、いい加減激しい坂道です。
こんな感じ。わかりにくいかもですが、うっかりしていると、後ろに倒れそうなくらいです。大げさじゃなくて。
うわー、こんな道がどんだけ続くんだろう、とびくびくしながら登ったのですが、案じるよりうむがやすし、実は意外と簡単に天辺に着いてしまいました。
おお~、あっさりとカテドラルにアクセスです。息切れしてましたけどね。
カテドラル見学の前に、ちょっと変わっていて、かわいらしかったクリスマスのデコレーションを。

遠目には、涼やかな飾りだな~って感じで、天使っぽいフィギュアもとてもかわいいと思ったのですが、近づいてよく見たら、なんとペットボトルだったんですよね。

結構楽しくて、荷物を引きずりながら、壁に近寄っては撮影。そもそも観光客などほとんどいないときですから、地元の人が胡散臭そうに見ていたように思いますけれども。でも、こんなことで、私の中では、ヴェンティミリアってセンスあるじゃん、とイメージがアップしました。
では、次回からいよいよロマネスクの紹介です。
- 2013/01/26(土) 06:54:44|
- リグリア・ロマネスク
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日本酒。今回は、ちょっと控えめだったかな~。それでも、とにかく日本酒。
ビールを飲むと、血液検査の結果が悪くなるし、どうも体質的にはあまり合わないらしいので、飲まずにおれない真夏以外は禁止。というわけで、とりあえずビール、というのもなくなって、いきなり日本酒に突入します。一緒に飲む人たちも、割と「とりあえずビール派」が少ないので、違和感なく…。
まずは、近所の酒屋さんがたくさん扱っている群馬のお酒、水芭蕉。今回は、友人宅での食事会に、スパークリングのにごり酒を選びました。水芭蕉は、いわゆる水のようなさらりとした飲み口のお酒で、いくらでも飲めてしまいます。これも、程よい泡でおいしかった。
同じお食事会で、他の方が持ってきたのが、これ。
獺祭。
後から知ったのですが、このお酒、すごく有名だったんですね。なんと精米度合いが3割くらいまでお米を削っちゃう吟醸も吟醸、って言うかそれ削りすぎじゃないの?というすごい作り方をしているらしいです。お米の神様が泣きそうだな~。そこまで削っちゃうと、最終的な味とコスト・パフォーマンスが、ちょっとバランス悪くなりそうに思いますけれども、でも本当にさっぱりとおいしかったです。さっぱりしすぎて、日本酒らしくなさ過ぎかもしれない。
このときは、他の方が山田錦も持ってきて、最終的に飲んだのがこれだけ。
四人だし、小さい瓶もあったし、去年を考えたら、かなり控えめな量です。
その他、こんなのも。
午餐をいただいた友人宅にて、おお、久保田、萬寿~!これはよいお酒です~。
右のは、私のおもたせ。実は、他の友人にいただいた伊丹のお酒。純米吟醸で、比較的お酒っぽいお酒でした。
この伊丹のお酒は、本醸造版もあり、こちらは家飲みさせていただきました。この方がさらさらしていたかも。
水芭蕉、もう一種類ありました。
こちらは生で厳守なので、にごりがあって、これまた独特ながら、さっぱりさらさら。もはや、いつもの味だ~、と安心できるお酒。右のは東北のお酒。
これ以外も外でのご飯は、必ず日本酒。あるところでは必ず東北のお酒をいただいて、とても消極的な支援を行ってきました。
実は熱燗が結構すきなのですが、いまや冷で飲むのが主流で、普通の飲み屋だと、燗に向くお酒は、種類が少ないのがちょっと寂しいです。家のみは、気軽に冷がいいけどね。
それにしても、家を出るとき、普段お酒のない実家に、酒瓶ゴロゴロで、申し訳なく思いましたとさ。日本酒、おいしいし、一年に一回、このときしか飲めないと思うと、つい飲みすぎ状態になります。
それでいて、ほぼ24時間の長旅を終えて、ぼろぼろでミラノの自宅にたどり着き、まずは、ワインで乾杯している自分。ワインもうまい。
お酒はやっぱり、そのお酒が造られる土地で飲むのが一番おいしいですね。ミラノで日本酒を飲もうとは思わないし、日本でワインを飲もうとは思わないのです、もはや。
また来年が楽しみだな~。
日本のお正月休暇編おしまい。また来年。
日本のお友達、家族に感謝。
では、中世にゆるゆると戻りましょう。
- 2013/01/24(木) 06:08:50|
- 日本徒然
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おいしいもの編。
といっても、そんなにいちいち写真は撮っていないのですが、それでもとにかく日本のご飯はんまい。ということで、おいしかったものをいくつか。
お節。


我が家では、もう母も年なので、お節は毎年同じメーカーから、小さいものを買っています。去年はいまひとつだったけれど、今年はなかなか。彩りもよく、多彩で、和食の醍醐味って感じですね、お節って。結構どれもこれもおいしかったりするし。
酢だこは、ミラノでは食べられないので、懐かしくて、いつも嬉しい。はすもしゃきしゃき、食感がいいですね~。
そう、和食って、触感ていうか、歯ざわりに負うところがすごく大きいと思うんです。しゃきしゃきとか、パリパリとか、バリバリとか、擬音語が豊富な日本語ですが、そういう言葉って、味わうときにすごくよく使われますよね。それって、たとえばイタリア料理では、ポイントにならないので、なるほどね、と思うんです。イタリア料理で唯一触感が問題になるのはパスタのアルデンテくらい。それも、地域差がかなりありますし。
友人宅でのランチ兼ディナー、要は昼間から夜まで続く宴会。
鍋がメインで、持ち寄りの和洋中のお惣菜。食卓は中世仕様。なんだか思いっきりのすべて混在。これも日本の楽しさです。どの家にも必ず一台は卓上コンロや鉄板があるって、結構すごいことではないかと思ったり。
そういう意味では、この、本来伝統的なお菓子も、すごいオリジナリティの高い発想です。イチゴ大福。
昨年、あまりに感激したので、今年も思わず訪ねてしまった、茅ヶ崎の朝丸。


本日の定食は、トレイに乗り切らないほどの盛りだくさんさ。お刺身がちょっと筋があって、一切れがでかすぎでしたが、やっぱり満足の内容でした。
そして、恒例のご友人宅での午餐。っていうか、ここも、昼過ぎに伺って、ちびちびと飲みながら、毎度夜までどっかりと飲んだくれちゃうんで、午餐というのも申し訳ないんですけれど。


各自異なる色のお重での前菜。ふたを開けると、美しい~!そしてびっくりするくらいにおいしいんです。


茶碗蒸しやぶりの照り焼き。
ぶりは、飲み屋でお刺身もいただきましたが、この季節こってりとしていて、日本酒に合いますねぇ。


すべて器も美しく、熱いものは熱く、冷たいものは冷たく、というお料理の基本に忠実なサービスで、これはもう本当に素晴らしいんです。いつかミラノの我が家にもお招きしたいものですが、私の料理では、ご満足いただけそうにないな~。でもがんばりますので、いつか来てくださいね~(個人連絡)。
今回のおいしいもの編、最後は美々卵のうどん鋤でした。
これ、生きてぴちぴち動いている海老を、残酷にもちんちんに煮立った鍋に突っ込む図。うわ~、人ってひどいよね。かわいそ~っていいながら、目の前で末期を眺め、一瞬後には、おいしいって思ってしまうんだから、悪魔だよ~。いやはや。
あー、もう本当にどれもこれもおいしくて、幸せでした。
今日、ランチで日本食の定食をいただきましたが、いつもはそれなりに満足するのに、なんだか全然納得できませんでした。そりゃ当然でしょうけれど。そうして、だんだんとミラノの日本食のレベルに慣れた頃、また東京でおいしいもの食べまくりで舌が戻って、ということを繰り返す人生なのね~。っていうのも大げさな感じですが。
とにもかくにも、皆様、ありがとうございました。
また来年も、是非おいしいものをたくさんいただきたいと思います。
- 2013/01/23(水) 06:42:45|
- 日本徒然
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富士山
東京じゃないって…。
でも富士山はね~、毎年、近くまで行ってます。実家が東京西側なので、行きやすいし、実際近いんです。
今年は、行きはちょっと雲が多くて、実際、富士吉田の道の駅に着いたときは、ほとんどその全貌が雲に隠れて、ほとんど見えない状態になってしまいました。
でも、お昼をいただいた頃から、ふと仰ぎ見ると、驚き。全体がくっきりすっきり。
全部が見えると、やっぱり富士山ってすごいんですよねぇ。
こんな風に、一人で、いかにも山、っていう風情で立っている山って世界でもまれだと思うし、神様が宿っているみたいな気持ちになってしまうし、山が神聖なものだという古代からの日本人の気持ちになります。
いつだって思ってしまいますが、こんな神々しい山が毎日見える土地に住んでいると、世界観も変わってしまうんじゃないかなぁ、とか。大げさか。まぁ地元の人たちにとっては、普段の風景の中に富士山がある、っていうことなんでしょうけれどもねぇ。
こんな風に?
帰りに湖を回って帰りましたが、風情のある河口湖駅、後ろに富士山。車から撮りましたので、ちょっとあいまいな構図です。
でも、この駅舎は味がありますねぇ。おそらく近代に再建したものなんでしょうけども。
これ、なんだかわかりますか。
実はほうとう屋さん。
ほうとうって、いわゆる手打ちのうどんで、このあたりの名物。というか、田舎の貧乏料理。
ほうとうでも食べようか、どこで食べようか、と思ったところで出会ったのがこの、「ほうとう不動」というお店。あまりの異様な建物に、胡散臭さを感じて、通り過ぎたのですが、ここから見える富士山が素晴らしかったので、戻って、結局ここでほうとうをいただきました。
中も変。
かまくら?イグルー?
ま、そういうフォルムです。店の中に建築雑誌が置いてありました。実は名のある建築家の方の作品らしいです。すごく研究された形で、内部は小さなストーブだけで暖房もできる様に計算されているとか。実際は、ほうとう、食べてると暑いですから、暖房要らなかったりするんですけれども。
声が響いて、音関係に敏感な人は、とても長時間はいられない場所と思いました。
でかくて暑いので、季節的にはぴったり。でも、野菜だけの貧乏料理だし、麺は自分が打つ手打ちうどんとさほど変わらないし、ふーん。てなところですか。
でもびっくりしたのは、野菜だけだからなのか、消化がいい!すごい量なのに、そして、お昼の時間、遅めだったのに、普通の夕食の時間に、ちゃんとおなかがすきました。ハイ。
次回、おいしいもの編に続きます。
- 2013/01/22(火) 06:44:53|
- 日本徒然
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ご近所編。
実家のご近所。といっても、実は、実家は、私がミラノに住んでから引っ越しているので、あまり知らなかったりして、今回迷子になってしまいました。
通りすがりの人に尋ねながら歩いて、東京の人も結構親切だよなぁ、と何とか目的地に着いたのですが、その途中、なぜこんなところに!という感じで、何年も前に一度、目的的に訪ねたことのある武者小路実篤公園に出てしまったのでした。
武者小路実篤さんは、その晩年にあたる昭和30年に、この武蔵野の田舎に住み着き、90歳の生涯を終える昭和51年まで、穏やかな日々をすごされたそうなのですが、その自宅一帯が公園として保存されているのです。
今回週末だったのですが、たまたま週末だけそのご自宅内部が公開されているということで、嬉しく、見学してきました。
撮影禁止だったのが残念でしたが、外観は結構モダンですが、内部は畳敷きのお部屋の日本風で、とても素敵な、思わずこういう家に住んでみたい、と思うような家でした。お風呂なんて、外光さんさんのとても気持ちよさそうな場所で。
こちら、公園のはずれにある記念館は、実篤の書画が展示されていて、わずかな入場料を払う必要がありますが、公園と、ご自宅は無料で見学できます。
入り口が二箇所あるのですが、ロケーションは、京王線のつつじヶ丘と仙川の間の谷、その谷底。一方の入り口が谷底で、もう一方が高台になり、家は、その途中の斜面になっています。斜面が公園になっているので、高低差がとても面白い素晴らしいスペースです。わざわざ訪ねてくる人は少なそうですが、確実にご近所の方の散策の場所になっているようで、穏やかな地元空気が漂っていて、すれ違いざまに自然と挨拶が交わされるような、とても優しい気持ちになる公園です。
ご近所といえば、いつもブラブラと散歩をする川で驚いたのが、コサギ。
コサギは、いつだっているんですが、いつも集団でいる鴨と違って、彼らは、ここに一人、あそこに一人、という感じで、いつも「孤高の」人たちだったんですよ。それがどういうわけか、今年は、信じられない集団で、いらっしゃったのです。
鴨も真っ青。
何ででしょうねぇ。もしかすると、川がきれいになって、食料となる小魚とかが増えたのでしょうか。それにしても、過去の孤高の姿を考えると、なんだか、ちょっと不思議で気持ちの悪い集団化。いや、サギという鳥が、本来どういうものが知らないのですけれども。でも、イタリアでも、水田で見かけたりしますけれど、あまり何羽も集団で、というのは見たことがないような気がします。
この川、サギの他に、かわせみも生息しています。今回残念ながら見ることはかないませんでしたが、例年になく多くいるよ、と地元の散歩中のおじさんが教えてくれました。会えなくて残念。かわせみの色、大好きなんです。
- 2013/01/21(月) 05:58:08|
- 日本徒然
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江ノ島
東京からちょいと足を伸ばして、去年も訪ねた茅ヶ崎のお店で、お魚料理の定食ランチをいただいた後、江ノ島に立ち寄りました。
江ノ島って、子供の頃は海水浴、青春時代は江ノ電での鎌倉周辺めぐりとか、最も身近な海、みたいな使い方で、結構来ていた場所ですが、江ノ島に渡るのは、本当に久しぶりのことでした。
まず驚いたのが、車の道があったことですかね~。
上の写真は、高台から本土方面を撮ったものですが、歩行者専用の道のお隣に、今は立派な車専用の道がかけられているのですねぇ。昔は、歩行者の歩く、土手のような道しかなくて、道沿いに、サザエのつぼ焼きなんかを売る屋台がずらりと並んでいたもんです。今では、歩行者専用の道も、ごくこぎれいな、いわゆる遊歩道って言うのか、屋台なんてなくて、風情がなかったですね~。
でも、車で一気に来られちゃうなんて、便利ではありますけれど。モンサンミッシェル状態です、ハイ。
島に入ると、いきなり立派なお土産物屋やらお食事どころ、果てはスパまで、びっしりがんがんで、その観光地ぶりはすごいものが。それも、既にお正月休み終わってるし、という時期の平日だというのに、観光客の数も半端なくて、驚きでした。
単なるエスカレーターなのですが、三つ乗り継ぐと、急坂の島の天辺にらくらくアクセスできてしまうという、ヨーロッパ風の設備なのです。
しかし!今回心底驚きました。これ、なんと上りしかないんです。
確かに、乗り場には登りしかないのが明らかなのですが、まさかこのバリアフリーが声高に言われる現代で、すいすいどこまでも簡単にいけてしまう登りを作っといて、下りがないとは考えもしなくないですか?
私自身、過去に何度も来ているとはいえ、たいてい階段で済ましていたので、下りがないなど、想像もしませんでした。
エスカーは三段階に分かれていて、今回、老母が一緒だったのもあり、最初のエスカー到着地点である弁天様のところまで上ったのですが、いやはや、正しい選択でした。だって、くだりってきついですよ。そこで、下りがないのをわかったからいいようなものの、天辺まで行っていたら、大変なことになっていた~。
そうそう、エスカーは、有料で、切符買って乗るんですけどね、切符売り場にも、下りがないですよ、ということは書かれてないんですよねぇ。それって、詐欺?みたいなとこ、ちょっとありますよ。
江ノ島の人たちよ、ここはひとつ、下りを作るか、作れないなら、「下りはないので、登る前にちょっと考えろ」と一言ほしいですよ。
このエスカーって50年以上前からあるらしいから、一見さんお断りの常識なんですかねえ。いやはや。
まぁなんとか、弁天様のある場所にたどり着きました。
空にはとんびが舞い、緑がびっしりの山っぽい雰囲気。参道。登ってくると、なんだかとても気持ちのよい土地ではあります。
弁財天のお堂。
ここは入場が有料のためか、入ってくる人はわずかで、心行くまで堪能できました。残念ながら撮影禁止で、なんだか監視カメラとかで監視されているかもしれない雰囲気だったので、隠し撮りもやめたんですが、ちょっと撮影できないのが悔しいくらいに、かわいらしくも美しい弁財天さまがいらっしゃるんですよ。
正直、びっくりしました。
だって由来を読むと、鎌倉初期の作品らしいんです。つまり、私の普段めぐっているロマネスクと同時代。ロマネスクの石に対して、木の彫り物。お堂やお宮の各種装飾も木彫りが多くて、どれも楽しく面白くて。石のすべすべ感というのもありますけれど、触感という意味では、木のすべすべした感じが、とても好きなので、いいなぁと思いました。弁財天はすべすべというのとは、ちょっと違いましたけれど。
これは、弁財天のお堂のお隣にある小さなお社の、軒下の木彫りの狛犬。
どこもかしこも、とても日本な風景が展開されていて、日本はやっぱり自然であり、寺や神社なんだ、と思いました。色彩も、斬新なんですよね。大陸に通じるものも感じます。
おそらく、天辺まで登って、島の反対側のほうに行くと、もうちょっと観光客も減って、よりいい感じなのでは、と思いましたが、今回はパス。海に近い最新のスパのある建物で、カフェ(江ノ島珈琲)をいただき、海風に当たりつつ、島を後にしました。
思った以上に楽しい土地でした。また来年、ゆっくりと散策したいものです。
- 2013/01/20(日) 07:02:24|
- 日本徒然
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丸の内に用事があったので、ついでに、というか実はこっちの方が目的だったりしたのですが、新装なった東京駅を見学してきました。
中央線のホームから、いきなり間近に見られるドーム。ちょっとびっくり。
誰もがそそくさと地下へ降りていき、あっという間に人が消え去るホームで、これが例の、としばし見とれ、思わず写真撮影する、思いっきりおのぼりさんのわたくしでありました。
高層ビルを背景に、レトロな丸屋根。東京ですよね。
ちょっと遠すぎますが、全体を収めようとすると、これだけ離れなければならないのですね。
それにしても、これまで何度も目にしているはずの元の姿が、既に思い出せないです。変わったことはわかるけれど、実際、どこがどう変わったんだ?となると、よくわかってなかったり。
もうちょっと近づいてみます。
正面の入り口は、皇族専用なんでしたっけね。
なんだか、レゴで作ったおもちゃの建物みたいに見えます。
右側のドームに近づいて見ます。ここからも、背景は現代的な高層ビル。ギャップが面白いです。
このドームの下に出たとき、思わず息を呑みました。駅という概念とはずいぶんとかけ離れた印象で、インパクトかなり強いです。
私が普段探訪している中世の教会で、時としてバロック時代に内装が全部改装されてしまっていることがあって、こんな感じだったりします。中世を訪ねて、目にするのがこれでは、たまらないのですが、ここは駅ですから、ある意味斬新で、本当にはっとします。
漆喰装飾と思うのですが、とても細かくいろいろな装飾が施されています。色も美しい組み合わせです。西洋と日本のテイストがよい具合に混じっている、まさに和洋折衷ですね。
右よりの一角が、ステーション・ホテルです。入り口は正面側と、右側のドームから。
正面入り口を入ると、ロビーはかなり狭いので、関係者みなの視線が集まり、関係ないのに入ってすみませんね~、とちょいとどきどきしてしまうのですが、もちろん公共空間なので、誰も何も言いません。行ける所まで、とうろうろしたら、先ほどのドームの2階部分に出ることができました。
上から眺めるのも、ちょいとおつです。
この部分には、虎屋の喫茶店とか、いくつかレストランがあったようです。高そうなので、素通りしましたが。
ちなみに、左側のドームの二階部分は、ステーション・ギャラリーから出ることができます。
そのステーション・ギャラリーにも、もちろん入ってきました。
なんと現代アートの展覧会をやっておりました。面白かったです。
「始発列車を待ちながら-東京駅と鉄道をめぐる現代アート9つの物語」
2月24日まで
入場料がたった500円で、かなり堪能できます。クワクボリョウタさんという方の作品が、とても気に入りました。まだ開催中なので、お勧めです。
ギャラリー内部は、オリジナルのレンガ壁がむき出しになっているのも、大変面白い効果を生み出しています。監視員の方にちょっとお話を伺いましたが、もともとは漆喰が塗られていたのを、あえてはがして、むき出しの壁にしたんだそうです。ところどころに黒ずんだ木がのぞいているのですが、それは、釘の変わりに打ち込まれた木で、空襲の際に燃えて、炭のようになったまま、それでも今もちゃんと残っているんだそうです。戦争の歴史を、ここで目の当たりにするとは思いませんでした。
いやはや、がんばりましたね、東京駅再建。
でも、いただけないのが、駅舎前のスペースです。なんだか、ガードレールがぐるぐると、ゴーカート場かよ!状態で、何の工夫もないスペースなんで、ひどくがっかりびっくりしました。まさか、あれがあのまま残るわけじゃないよね?
- 2013/01/18(金) 06:13:19|
- 日本徒然
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