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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

超親切な教会守のおじさん(またはただの近所の人)

マルケ・ロマネスク、その9

サンタ・マリア・ア・ピエ・ディ・キエンティ修道院Abbazia di Santa Maria a Pie' di Chienti、続きです。中に入ります。




息を呑みました。
薄暗い中でも、石の質感がすごく、どっしりしていて、基本が古い古い建物であることが分かります。
そんな雰囲気に浸って、内部をうろうろしていたら、徐々に人が集まってきて、ミサが始まりそうな様子が濃厚になってきたので、焦りました。
側廊から、上への階段があったので、追い出される前に、と思い、慌てて、上がってみました。

構造としては、内陣部分が二層になっているので、上部から、ファサード方向に、下の中央身廊を見下ろす形になります。




両側廊の上部は、いわゆるマトロネオ様式で、全体に二階になっています。外光がほとんど入らないので、ほとんど真っ暗。
そこへ、おじさん登場。
変な人だったら嫌だな、と一瞬ひるんだのですが、なんと、明かりをつけてくださいました。




おそらく教会守の人で、ミサのために、明かりをつけようとしていたのだと思います。そして、私たちを発見して、なんか嬉しかったようで、ミサをそっちのけで、ガイドを始めてくれたのです。
上は、二階部分にもある周回廊のようなスペース。
屋根は新しく葺かれたもののようですが、壁のところどころに、古い彫り物がはめ込まれていました。おじさん、歴史にも美術にも、さほど詳しくはなさそうでしたけれど、ほら、あれをごらん、こっちにおいで、ととにかく親切。




彼が一番自慢だったのは、この二階部分の後陣に大きく描かれたフレスコ画。




絵は、かなり後代のもので(14世紀以降と思います)、まったくわたしの好みではなかったとは言え、明かりがなかったら、絵のあることすらわからない状態でしたから、見られたことが嬉しかったです。
上の写真の右の方に、窓が見えますが、アラバスター板がはめられていますね。これでは、暗いわけです。不便だけど、このアラバスターの窓に出会うと、当時の雰囲気が感じられて、とても嬉しくなります。

そうそう、写真の撮影も、かえっておじさんを喜ばせたようでした。撮るなという代わりに、あれは?ここは?と、勧められまくり。後から分かったのですが、実は明かりも、ちゃんと有料でつけられるようになっていたものでした。

フレスコ画自慢のおじさんには悪いけれど、わたしは、アラバスターの窓や、絵の下に見られる古い壁やブラインド・アーチの方に関心を奪われていました。




二階の正面には、パイプオルガン。




壁は、付け柱が美しいですが、上部は、相当修復や再建の部分が多そうですね。
パイプオルガン側まで、歩いていきました。おじさんが、正面からフレスコ画を見せたかったんです。




美しいです!フレスコ画ではなく、身廊と、仕切りの柱と壁とアーチとが、素晴らしいのです。照明で、全体がくっきりして、祝祭のような空気感に、さらに興奮しました。
このとき、既にミサが始まっています。

下に下りて、出て行こうとしたら、おじさんが、こっちは見たの?見て行きなさいよ、大丈夫だから、と小声で、内陣にいざなってくれます。
こちらが、下の後陣、周回廊の部分となります。




クリプタのような雰囲気があります。柱が太くて、石むき出し。ミサをやっているだけに、ゆっくりと静かに歩きました。回廊を隔てている柱が太いので、向こう側(つまり、ミサが行われている側)が、意外と見えなかったりするのが、不思議な感じでした。




これなんて、森、ですよね。柱頭の林を歩いている感じです。素敵~。
で、うっとりしながら、本堂に出てきました。




いつの間にこんなに集まったんだろう、という数の信者さんがいらっしゃる脇の方で、ちょっとお説教を立ち聞きしていました。どうも、興奮しちゃったし、教会の雰囲気にどっぷりとしてしまって、そのまま出て行こうという気持ちになれなかったんです。
そうしたら、いつの間にか信者席に座っていらした先ほどのおじさんが、ささっと出てきて、聖書を渡してくださいました。
Vespriのミサ、唱和のところでした。ここだから、って教えてくれた箇所を、つっかえながらも、皆さんと一緒に唱えて、とても安らいだ気持ちになりました。こうやって積極的にミサに参加したのは、小学校低学年の頃に、近所の教会に通っていた以来じゃないのかなぁ。
南チロルで、ヴェスプリのミサに参加しないと天井が見られない修道院教会で、ミサに参加しましたが、それよりもずっと嬉しい気持ちになれたミサでした。本来の信仰ってこういうもんじゃないの、とか思っちゃいました。
みんなとっても寛容で、観光客に決まっているわれわれを気にもせず、あまつさえ、自分たちの教会をちゃんと見てね、よかったらミサにも参加してね、という空気が充満しているから、こっちも、真剣に見るし、参加する。




唱和タイムが終わった頃、ミサは続行中でしたが、家路(ホテルまで、ですが)が遠いこともあり、失礼してきました。

最後にもう一度、後陣外観を。




下の回廊、上の回廊、そして天辺が、上のフレスコ画のある後陣となるわけですね。二階部分の背が、結構高いことが分かります。やっぱりイタリア的構造だったら、これはクリプタだな~。

素敵な教会、絶対お勧めです。

そういえば、この近所には靴のトッズの工場アウトレットがあったようなので、靴に興味がある人も、ついでに寄れますよ。わたしは、結局時間切れで行けませんでしたが。
いきなり下世話な話題ですが…。靴だけは好きなので、行けなかったのが、結構残念だったんですよね~。あれ、普通に買うと、すごく高いし。

いつものロマネスクは、以下でどうぞ。
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  1. 2014/01/31(金) 06:39:13|
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フランス風の後陣

マルケ・ロマネスク、その8

年末年始にかけて、ずいぶんと長いお休みになってしまいましたが、また本来の中世探訪に戻ります。すっかり忘却の彼方という感も無きにしも非ずですが、マルケの旅を再開しましょう。

アスコリ・ピチェーノで、「町のロマネスク」を堪能した後に立ち寄ったのは、何もない場所で一人佇む、サンタ・マリア・ア・ピエ・ディ・キエンティ修道院Abbazia di Santa Maria a Pie' di Chienti。




美しく修復されていますが、かなり地味なファサードと側壁。付け柱とブラインド・アーチがうっとりしますが、ファサードなどは後の時代のものとなっていて、ぱっと見たら、「なぁんだ、こんなもんか」と思うこと請け合い。
でも、そこであきらめずに、全体を確かめます。

実はこのとき、雨が結構降っていて、足場も相当悪かったのですが、そんなこと構っちゃいられません。側面に回ります(でも、同行の友人は、多分靴が汚れるのも嫌って、ついてきてくれませんでした。深く興味のない場合は、正しい選択…)。




近くから見ると、やはりかなり新しくなってしまっています。これは多分向かって右側ですね。一方で左側の方に、古い部分が残っていたと思います。




軒送りに、ぎざぎざにレンガの角を出した装飾。その下にも飛び石装飾で、ブラインド・アーチ。修復をしていても、オリジナルに忠実なのか、はたまた修復の腕なのか、その辺、実はよくわからないんですが、アーチがまちまちだったりするケース、よくありますね。ここもそのひとつで、わたしはこの不ぞろいのアーチを見ると、なんか当時の職人さんが一つ一つレンガを置いていった様子が彷彿とするというのか、なんとなくニッコリしてしまいます。
設計監督をするマエストロは、学問のあるそれなりの棟梁だったんでしょうけれど、このような土地柄を考えると、実際の作業をする職人さんは地元の人たちでしょうし、教会専門というか、大規模構造物専門というような人たちではなかったのかも知れませんよね。いや、勝手な想像ですけれども。それって、本当のところどうなんでしょう。

脱線しますが、今回一時帰国の東京の古本屋さんで、「大聖堂」という白水社の新書(文庫クセジュ)を購入したんですが、「建築様式の変遷から棟梁の報酬にいたるまで、徹底解説」というその帯の言葉に惹かれたんです。こんなニッチな本が出版されているのがすごいし、そんなものを置いている古本屋さんもすごい。そしてそれを見つけてしまう自分にも感心。いつ読むのかは不明ですが、楽しみですね。

さて、本題に戻りますが、裏に回って、びっくりです。




え~、なんと立派な後陣!
フランスはブルゴーニュの、パレ・ル・モニアルとか彷彿としてしまいました。この構造は、周回廊があるということだから、イタリアというよりフランス様式ですよね。ちょっとずんぐりして田舎っぽいですが。




装飾性はかなり控えめで、やはり付け柱とブラインド・アーチだけです。

ここは、もともと修道院で、創建は千年より以前と、かなり古いです。時代とともに、様々は改修や修復やつけたしがされて、今の姿の基礎となっていますが、おそらく周囲の建物も、当時の建物の跡の上に建っているんだと思います。かなり規模が大きく、繁栄していた時期には、修道院そのものがひとつの町のようなものだったとか。今は本当に何もないところなので、想像もしにくいのですが、定期的な市が開かれて、近隣の人々が集う商業的な場所でもあったのだそうです。

その当時の姿は、外観よりも、内部に多く感じ取ることができます。
続きます。

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  1. 2014/01/30(木) 06:18:39|
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日本酒呑み倒れ

東京の正月休暇6

最後に、大好きな日本酒のお話をちょっとだけ。
今回も、よく飲みました。とは言え、友人宅でも外食でも、適量というか、飲み過ごす事はなく、どこでも程よくほんのり程度で、その分、お酒をしっかりと味わえたというか。
これまで、馬鹿みたいに飲んでいた仲間との宴会でも、抑え気味なのは、みんな年取っちゃって、弱くなっていて、翌日にまで持ち越したくない、みたいのもあり。でもそれって大正解ですね。

実は、先週末、ミラノ友人宅の新年会で、久しぶりのワインを、うっかりとしたたかにやってしまったところ、やっぱり残るんですよねぇ。知らないうちに帰宅していて、歯も磨いて、もらった日本の雑誌も読み散らかしたようなんですが、ほとんど覚えてなかったりして、もぉ、あきれた。

東京では、外で余り飲まなかった分、家のみで、毎日少しずつ飲んだりはしていました。お正月に実家に来る姉が、大体一升瓶抱えてきちゃうので、その残りをどうしても片付けないと、実家のメンバーは普段は飲みませんのでね(言い訳ですが)。

まず元旦にいただいたのは、こちら、「亀の尾、米の力」という一升瓶。




純米辛口。まさに「米の力」。お米を飲んでいるような力強いお米感がありましたが、飲みなれるとするする。このお酒、裏ラベルが、嫌に親切でおかしかったです。




「淡い味付けの料理から、やや濃い目の料理まで、幅広い相性を見せます」ってことは、つまりなんにでも合うよ、と大上段に構えた割りに、例として、「和風、洋風、中華風」とそれぞれについて、すっごく具体的な料理名が並んでいるんです。大きなお世話って感じですよねぇ。

次の一升瓶は、おなじみのこちら、水芭蕉。




すっきり超辛口で、水の如しのお酒。米の力のあとだけに、さわやか度が気持ちよかったです。
これは、いつもお世話になる実家近所の酒屋さん一押しの蔵元さん。今回も酒屋のおじさんにはお世話になりました。正月早々、姉と甥と三人で押しかけて、あれでもないこれでもないと選んで、面白いお酒を試飲させてもらいました。
これ。




八海山で出している特別なお酒です。貴醸酒、というもので、何段階か麹にお水を注ぎいれる過程で、水の変わりに八海山のお酒を注ぎいれて発酵させるという、贅沢な製法で作られたもので、製造量が少ないので、おじさんも余り入手できなかった、というものでした。
葡萄でいえば、ヴィンサントとかパッシートとか、干し葡萄で作るような甘いお酒に近いもので、とても上品な甘さで、まさに食後酒にぴったり。小さい瓶で、結構なお値段でしたが、これは価値があると思いました。八海山のような大手醸造所も、日々努力をして、いろいろ開発しているのですねぇ。

そういう意味で、今回いいなと思ったのが、これ。




出羽桜って結構大手の醸造所と思いますが、そちらの「とび六」という発泡日本酒です。スパークリングは去年もいただきましたが、これは、味がさわやかで、濁りの味わいもよかったです。日本酒が余り得意でない人にも、とっつきやすいし、口開けのお酒に最適と思い、友人宅へのおもたせに二回も利用してしまいました。

そういうやり取りで、酒屋のおじさんがグラッパを知らないことを知って驚きました。グラッパって、まだ正式には日本に輸入できないんだそうです。しょっちゅう海外旅行をしていたり、イタリアンが好きだったりすれば、グラッパは常識かもしれませんが、そんなわけで、日本での認知度は、まだかなり低いようです。
おじさんには、いつもいろいろ試飲させてもらっているし、おいしいお酒を調達させてもらっているので、グラッパ体験してほしくて、フリウリはドメニスの携帯用グラッパを少し味見にお分けしました。
後日、あれはおいしいね~、もしできるなら、是非買ってきてよ~、と言われてしまいました。嬉しいけど、お酒は持ってくるの大変だからね~。またドメニスにいって、携帯用を仕入れないとなぁ、と思うのでした(春に行くことは決定済みだしね!)。

その他にも、友人宅でいただいたものや、お店でいただいたもの、本当にいろんな種類をいただきましたが、とにかく、どれもおいしい。
残念なのは、酒屋さんで買っても、それなりのお値段ではありますが、それにしても、外のみは高いですね。一合7/800円が当たり前では、余り飲めないですよねぇ。
それから、熱燗がないがしろにされているのも、ちょっと残念。確かに冷酒のおいしさはありますが、熱燗でおいしく飲めるお酒っていうのが、余り種類おいてないんですよね。居酒屋さんなんか、熱燗は熱燗というだけで、種類ゼロ。世の中がそうなって来ているとはいっても、余りに極端って言うか。

ま、そんな感じ。
最後に、今の東京の顔のひとつを、もう一度アップ。




ああ、もう懐かしいし、何でないのかな、どこでもドア、と思います。東京の冬休みを終えてミラノに戻ると、懐かしさとか寂しさとか、いろいろあって、なかなか本来の生活に戻れなくて、それが年々難しさを増しています。身も心も、適応能力が落ちてきてるのかな~、時差ぼけもひどいし。
とはいっても、きっと東京とミラノがあって、どっちもなじんだ街だし、好きな人も好きな場所も好きなことも、どっちにもあるから、バランスは取れているのかな。
ということで、また来年まで、日本はお預け。
ロマネスク生活に戻ることにしましょう。

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  1. 2014/01/28(火) 06:17:41|
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これも世界遺産か~、日本食食い倒れ

東京の正月休暇5

今回もまた、おいしい日本食を楽しんできました。
恒例のお節。





三段のかわいらしいお重に、和風中華風と様々なお料理がぎゅっとつまって、見た目もかわいらしいし、お味もナイスでした。彩りもよい多くのものを、少しずつまとめて、こういう日本食って芸術的。基本的にはドサドサと盛り付ける、イタリア家庭料理にはないものであるよ、と思います。そういえば、世界遺産だっけ、日本食。

お寿司、山盛り。




近所に新しくできた持ち帰り専門の、お安いお寿司屋さんの物でしたけれど、日本食に関しては、舌のレベルがかなり低いわたしには、十分すぎるおいしさでした。
やっぱりお魚は日本だと思います。どんなスーパーでも、新鮮なお魚が多種類あって、鰯ですらちゃんとお掃除してくれるなんて、すごいです。っていうか、日本の鰯の大きさにたまげました。ミラノの鰯は、せいぜい15センチ程度しかありません。

すき焼き~。




昔から実家にあるすき焼き鍋。こういうのって、一生もんですね。
それにしてもすき焼き鍋って小さい。文明開化の牛鍋時代と変わらないんじゃないか。あれ?そういえば、すき焼きを外で食べたことがないし、よそのお家でいただいたこともない気がします。つまり世間でのすき焼き鍋がどういうものなのか、知らない…。みんなこんなに小さいのか、または実家のが小さいだけなのか。

唐突ですが、パンケーキ。




これって流行のスィーツですよね。どこに行ってもあるので、連れのオーダーを味見させてもらったり、自分でもつい頼んじゃったり、ずいぶんとあちこちでいただいた気がします。スィーツは、嫌いじゃないけれど、ビールかパンケーキか、といえば間違いなくビールを選ぶタイプなので、パンケーキのおいしさ評価できる舌はありません。結局ホットケーキじゃん?と言ったら怒られるのかな、やっぱり。でも、ホットケーキをお洒落にしただけだよね。





友人宅での夕食会は、いわゆるデパ地下でいろんなお惣菜を買い込んで、簡単ご飯としました。しかしデパ地下、すごいね。あらゆるものがあって、どれも結構おいしいんだから。ミラノでも、昔と違って、今ではスーパーでも出来合いのお惣菜が結構売っています。ハムやチーズを売っている食料品店では、昔から、ちょっとしたお惣菜は売っていました。でもね、正直、その多くが、余りおいしくないんですよねぇ。日本にも出店している高級食材店のペックですら、何度もがっかりさせられました。素材はいいのに、お惣菜となると、なんかだめ。レストランはおいしいのに、何ででしょうねぇ。
そうそう、デパ地下といえば、今回ちょっとはまったのが、お菓子。パッケージが、とにかくかわいい!少量をビニール袋につめて、美しい紙袋で包装して、さらにお持ち帰りようのビニールバックに、頼めば数の分だけ別々にも入れてくれるという、非常に資源の無駄遣い、エコ的にどうよ、ではあるんですが、でも「かわいい」は、勝っちゃいますねぇ。いや、かわいくて楽しくて、デパ地下ウィンドウ・ショッピング、あちこちでやっちゃいました。

近所のお蕎麦屋さんのランチ。




実家は深大寺エリアなので、割とおいしいお蕎麦屋さんが多いのです。このお蕎麦屋さんは隣町の駅前にあって、ランチが千円でおつりが来るお値段で、ざる蕎麦、小丼、小鉢とお漬物。おいしい上に安い、早い。日本のランチって、充実してます。

今回初挑戦した沖縄料理。





スペアリブを、昆布だしで野菜と煮た一品、そして、しまラッキョウとミミガーのサラダと、あと、なんだったかな。なんせ、健康的な料理だなぁ、と思いました。素材の味第一なんですよね。癖のある野菜が多いのも、特徴的ですね。苦瓜にしろ、しまラッキョウにしろ、とっても独特。そして、泡盛!
とってもグラッパに似ています。それにしても、日本酒のように徳利とお猪口で飲むっていうのは知らなかったです。40度以上の強いお酒だし、割るのが基本と思っていました。帰り道を考えると怖いので、ちびちびびくびく飲んでいました。でもストレートでこそ、おいしいお酒だと思いました。
新橋のごちゃごちゃした場所にある、本当に小さいお店で、ロマネスクつながりの方々との会食でした。泡盛をやりながら、タブレットでロマネスクの写真を見つつ、そういうお話をして、とってもクロスオーバーっていうか、その状況が面白かったです。

めったに足を踏み入れることのない恵比寿では、おいしい和食のお店に招待されました。





駅から10分弱の場所に、レストラン街のような小路があり、その一軒なすび亭。その界隈のお店は、多くが隠れ家的な雰囲気で、素敵な店構えの小店ばかり。このなすび亭も、外からはまるで普通のおうちのような構えで、気付かずに通り過ぎてしまいそうな地味な入り口です。
コースのお料理と、日本酒たっぷり。どれもがおいしくて、お皿も美しく、気持ちのよいお店でした。おしゃべりに夢中で、写真を忘れてしまいましたが、帰り際にせめてお店を、と思ったら、シェフがお見送りに出てきて、ピース・サインをしてくれました…。気さくだ…。
ちょっと残念だったのは、お運びをする女の子たちが、お料理の説明を簡潔にしてくれるのですが、それが余りにマニュアル的だったのと、日本酒の知識がほとんどなさそうだったこと。難しいのでしょうけれどね、でも残念です。

毎年恒例の女子会。





実家近所に住んでいる友人宅に、同年代の女子四人が集まって、遅いランチから飲み始め、紅白歌合戦のビデオ鑑賞なぞを行うのが、この数年来の恒例となっています。
お宅を提供してくれる友人が、すごく多忙な方なので、人が集まったら、まず鍋の材料の買出しから始まるのですが、今回は「実は鍋がだめになっちゃったんで、まずは鍋を買わないと~」ということで、鍋そのものまで買出しリストに入っているという、女子会とも思えないようなスタートでした。笑。
皆さんが、いろいろとおいしいお惣菜を持ち寄って、今年もまた楽しい宴会となりましたが、これまでに比べるとお酒もセーブ気味で、こうやって年を取るのね、という感もあり。

わたしが持ち寄ったのは、このイチゴ。




イタリアのイチゴも、昔に比べればちょっとはマシになりましたが、でも、日本のイチゴとは比べようもなく。これは静岡出身の友人が、常々「日本のイチゴはおいしい」と言っているわたしのために、在庫がほとんどない、というハイ・シーズンに、これなら何とか、数日中に用意できると生産者に言われた、小さめの粒のイチゴを送ってくれたのです。
小さめ?いやいや、十分大きいし、やっぱりすごく甘くて、すごくおいしかったです。「あきひめ」というブランドだったようです。
日本の果物は、世界一おいしいと思います。品種改良の努力がすごい。今、毎日の生活の欠かせなくなっているりんごも、フジに出会ってから食べるようになったんですよね。イタリアのりんごはおいしくなかったけど、最近少しは品種改良も進んでいて、ずいぶんましにはなってきています。それでも、フジに勝る品種はないと思います。
でも、やっぱり日本でいただいたフジは、とってもおいしかった~。まぁ、お値段が全然違いますけどね。フジは安くてもひとつで200円とか300円はしますが、イタリアでは、1キロで2ユーロ以下ですからね。

最後に、富士吉田近辺のうどん屋さん。





なんかすごかったです、ここ。天めんとか言うお店で、お家の一角をお店にしていて、まるで誰かの御宅に伺っているような風情。セルフサービスで、お値段は400円から600円くらいで、普通盛なのに異常な大盛り(本当の大盛りは、絶句するくらいの大盛りでした)。丼が見えないほど、麺がぎゅうぎゅうに詰め込まれているので、おつゆが少ない。
若干ぬるかったんですが、うどんはおいしいし、てんぷらもかりっとしていて、これで500円だったか550円だったか、ちょっと信じがたいお値段設定でした。

時系列に沿って並べたので、脈絡のない順番となってしまいましたが、こんな食生活でありました。やっぱり日本のご飯はおいしいですねぇ。麺類など、お手軽で安い、速いの和食ファーストフードが充実しているのは、特にランチに最高です。
時々、会社の食堂とかで、何でラーメンやうどんがないんだろう、とか思ってしまいます。会社の食堂は外よりはかなり安いけれど、パスタは余りおいしくないし。そういうところ、イタリア人ってあきらめて受け入れる人たちだったりするんで、実は食へのこだわりは、日本人の方が数段上と思います。日本の社員食堂は充実していますもんね。

おっと、話がそれましたが、堪能しました。また一年、来年までお預け。それはそれで楽しいですね。

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  1. 2014/01/27(月) 06:54:50|
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祝、世界遺産

東京の正月休暇4

もう少しお散歩。
そういえば、こういう場所にも行きましたよ。




余りにも洗練された丸の内の後に、飲みに出かけた新橋。
ああ、ここは今でもやっぱりこういうオヤジ好みの町なのねぇ、とほっとしたり驚いたり。機関車の電飾がまた、おしゃれにならずに混沌を盛り上げてしまうっていうのが、なんとも新橋。
でも、ここも、数年後には、きっと何か違うような町になってしまうのかもしれません。駅もずいぶん工事中だし。

その流れでは、久しぶりにちょっとだけ歩いたこちらも。




渋谷駅。岡本太郎の壁画。
皆さんにとっては、もはやすっかりなじんでしまって、背景に過ぎなくなっているのかもしれませんが、めったに目にすることのないわたしには、毎回新鮮。これが見つかったのもすごいし、日本に持ってきて、この場所に設置された、という事実がすごいと思います。うん、この迫力はすごいよ、やっぱり。

で、渋谷ですが、待ち合わせに行く前に、ちょっと立ち寄ったんです。最近は、東京にいても、余り都心に行かないし、特に渋谷なんぞ、怖くて行けないのですが、そういえば、ヒカリエというのもできたんだよなぁ、と思ったりして。
でも情けないことに、東横線の方は、元来余りなじみがないもんで、さほどの感激もなかったんですけどね。




ここって、確か安藤さん設計で、全体はすごい構造になっているんですよねぇ。でもなんか、別に、みたいな。っていうか、設計がすごい、っていうのが見える場所があるのかもしれませんが、表面的にはまたひとつ新しい商業ビルができたのね、に過ぎないっていうか。

でも上の方に登って、ガラス張りの壁面からの眺めは、東京っぽくて、なかなかよかったです。




ここ、全面ガラス張りで、高所恐怖症の人は絶対にガラス近くには寄れなそうです。下を見下ろすと、なんだかごちゃごちゃした渋谷の町並みがあって、六本木同様、新旧入り交ざった東京の風景がそこここにありますねぇ。
反対側にはシースルーのエレベーターがあり、これもまた高所恐怖症の人には、恐怖以外の何物でもないかと思いましたが、見える風景、新旧入り混じりまくり。渋谷も、本来そういう町だもんねぇ。

青空続きで、こちらも、恒例。




正面に雲に見え隠れしているのは、もちろん富士山!
新年早々の三連休の最終日、どうかと思いながらも、弟が車を出してくれるというんで、喜んでドライブに出かけました。
びっくりするくらい、がらがらの高速で、実に気持ちよいドライブ。




富士山って、時々ふっと雲がどいて全貌が見えたりするけれど、カメラを構えるタイミングでは、多くの場合、こんな感じ。
そういえば、世界遺産になったんですよねぇ。富士吉田駅が、富士山駅に名前を変えていたようなのが、変わり身の早さが得意な日本らしくて、笑えました。いつもはなんでもない富士吉田の浅間神社前に、駐車場誘導の人が二人も出ていたり、そして実際に駐車場がかなり満杯だった様子だったり、やっぱり世界遺産効果はあるみたいですねえ。




確かにあちこちに、「祝!世界遺産」みたいな登りがあったりはしましたが、でも意外と地元は冷めている感も感じました。
別に世界遺産にならなくても、富士山はすごいしね。
でも、これはイタリアに住んで知ったことなんですが、西の人には、富士山って意外となじみがないんですね。考えたら、そうそう目にするものでもないから、仕方ないのでしょうが。東京にいると、江戸時代には比べようもないとはいえ、結構あちこちから富士山の姿って見ることができるので、身近で、かつ美しく気高い風景になっているから、日本全体がそうなんだ、位に思い込んでいたんですよ。そんなわけないのにね。
ということは、世界遺産になったことで、日本の全国区になった、というのもあるのかもね。

ま、お散歩はこのくらいで。毎度、つまらない徘徊記録ですが、こんな行き当たりばったり的なお散歩が、結構楽しいのです。

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近場の散歩もよいものです。

東京の正月休暇3

郊外もうろうろしてきました。
友人宅に近いニコタマこと二子玉川。
友人は、買い物に用事に、としょっちゅう行くようですが、とにかく最近の変わりようはすごいから、ということで連れて行かれました。




駅周辺の商業設備は、もともとかなりすごかったのですが、どうやらこういった高層マンションが建ち始めて、住宅地の様相も変わってきたということらしいのです。土地はかなり余っていますから、開発しようとすればかなりできてしまうはずで、新しい人工的な住宅ゾーン、なるほどなぁ、という感じでした。
高層マンション周辺は、公園も整備されていて、日本庭園なんかもあるのが、ある意味、今っぽい。




でも、すぐ脇には多摩川河川敷が広がって、この高層マンション以外は、一軒家や、低層の、マンションというよりはアパートっていうような建物がびっしりで、やっぱり田舎っぽい。高台から遠くの方に、高層ビルが立ち並ぶ一角が見え、どこかと思ったら、武蔵小杉というので、びっくりしました。失礼ながら、武蔵小杉なんて、すっごく田舎のイメージしかなかったけれど、いつのまにやら、すごい繁栄しているようですねぇ。

駅ビルの上の方からは、スカイツリーが見えました。




右の方の遠くにうっすら。ズームイン。




やっぱりひときわ高いです。完成してからは、まだ間近で見たことがないのですが、すごいもんです。

一方こちら、やはり友人宅近くの、仙川沿いに、今でもあったんですね。




東宝撮影所。
ゴジラ君は、人の背丈くらいのこじんまりとしたもので、着ぐるみサイズです。
後ろの壁には、「七人の侍」の壁画。この映画が作られた当時のこのあたりは、何もない土地が周辺に広がっていたようで、ロケなんかも近辺で行われたそうです。

郊外といえば、ここも、行く度に発展しているような。多摩センター。




人工的な町ですから、とにかく建物ありき、みたいな無機質な町。駅の近くだけが妙に発展しているのですが、それでも、年々ビルが増え、お店が増え、飲み屋もずいぶんとできました。
わたしの実家が京王線沿線なんですが、小田急沿線の友人と、この数年この町で落ち合って飲むのが習慣となっています。この3,4年でもずいぶん変わったような。
丸善があったので、嬉しかったです。




こういうタイプの本屋さん、なんか圧倒されます。ジュンク堂とかもそうでしたよね。図書館みたいで、迷宮的な、って言うのかな。わくわくします。でも見通しが利かないし、圧迫感もありますね。それに、日本の本屋さんって、雑誌類や、実用書関係の充実度に比べて、やっぱり専門書が少ない気がします。あ、それはわたしのやっていることが、ヨーロッパ系のことだからというのもあるでしょうけれど。

郊外ではもうひとつ。ここも初めて訪ねた場所、世田谷文学館。




住宅街の中に、新国立美術館の超ミニミニ版みたいなガラス系の建築物。でも一角は古いお屋敷の門と土蔵が一部残されていて、池には相当高価そうな巨大な錦鯉が悠々と泳いでいるという和洋折衷系。
旅をテーマにした展覧会をやっていて、世田谷にゆかりのある文人の直筆原稿、トランクや絵葉書などの地味な展示でしたが、結構面白かったです。
そして常設されているというからくり箱が、とてもよかった~。一人の作家さんの作品なんですが、文学をテーマにしたからくり箱で、音楽と語りにあわせて、箱の中の世界が動くんです。幻想的で、うっとりでした。武藤さんとか言ったかな。
10個くらいのうち、その半分を動かしてもらえました。ひとつが5分足らずのものですが、引き込まれました。お近くにお住みで、お時間があれば、是非訪ねて、体験してみてください。京王線の芦花公園近くです。

こういう地味散歩も、発見があるし、結構楽しいものですよね。でも長く住んでいる場所って、こうやって、改めて行ったことのない場所に行くことも少なくなりますよね。実際、わたしもミラノの町をうろうろすることが、ほとんどなくて、今では何も知らない状態ですから。
これはいかん!せめて美術館、博物館には定期的に行こう!と、改めて思っているところです。

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東京、無料観光

東京の正月休暇2

今回は、遠出はしなかったのですが、なんとなく近場はうろうろしてみました。
そういえば、まだ行ったことがなかった、都心のお洒落なスポット。




新国立美術館。開けた場所に建つ、のびのびとした近代的かつレトロ・テイストのある建物で、内部も斬新なデザインですね~。エントランス・ロビーに、堂々と聳え立つ逆円筒形は、ロンドンの大英博物館を彷彿としました。上の方には、やたら高額なレストランがあるらしいです。




どこも広々としていて、ゆったりと庭を眺められる場所に椅子が置かれたりしていて、都心ってお金がなくても、場所を知っていれば、水筒持参で楽しめるな~、と思ったり。発想がせこいですけれど、でも、無料で展覧会なども見ることができて、ゆっくり休めて、ってとっても素敵なことですよね。

無料だった「独立書展」をのぞいて、びっくりしました。




書なんて辛気臭い、って言うイメージがあったのですが、とんでもない。でかい!斬新!すごい迫力の作品が目白押しでした。書のこんな大きな作品って、油絵よりも厄介そうです。だって、紙って高いし、折りたたんだり立てかけたりできないから保存も大変ですよ。
おっと、どうしても焦点が貧乏たらしい視点に合ってしまいます…。

地下にあるセルフ・サービスでハヤシライスのランチをいただきました。レストランは比較的安いんですが、横にあるショップは、結構高額なグッズばかりで、なんとも。

帰りは東京ミッド・タウンの方に回りました。周辺も美しく整備されているのですね。




奥の方には、別の現代美術館があり、ミッド・タウン内部にも美術館。六本木って、そういう町になったんですねぇ。
昔六本木で働いていた頃は、まだ防衛庁があったし、映画館と青山ブック・センター、時々庶民的な麻生十番あたりが徘徊スポットでしたが、まさに隔世の感があります。そういえば、防衛庁近くのバーで、朝まで飲んだくれて、そのまま会社に行ったこともあったなぁ、なんてことを、今思い出しました。スクエア・ビルでしたっけ?六本木交差点側のビルのディスコに行っていた時代もありましたねぇ。マハラジャとかねぇ。年がばれるな~。

それにしても、東京って面白い、と思ったのが、六本木の駅から新国立美術館へいたる裏道。




ミッド・タウンとか新国立美術館とかヒルズとかの現代的ビルが建ち、周辺も美しく整備されている一方で、そこにいたる小路は、今でも場所によっては江戸時代からあるような曲がりくねった細道で、電信柱がたち、昔ながらのアパートやお店やお寺がひしめいていたり。ミッド・タウンの斜向かいには、古い商店街にあるような店構えの荒物屋さん。そういうところは、昔と全然変わってないんですよね。新しい場所が増えた分、統一感がますますなくて、その混沌が東京っぽいなぁ、と思います。

都心といえば、今回も一日お仕事で丸の内に行ったので、また東京駅にお邪魔してきました。




会社を出たり入ったりしていたので、周辺ビル内部もうろうろ。このあたりもまた、無料でゆったり休めるスペースがたくさん。新丸ビルでは、そういう休憩スペースと、清潔なおトイレ、買い物もしてないのに、ずいぶんと利用させていただきました。丸の内は通りもきれいで、戸外にたくさんの美術品が展示されているのも、楽しいです。





東京散歩、続きます。

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  1. 2014/01/23(木) 06:33:30|
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初詣、ついでに鬼太郎茶屋

東京の正月休暇2

初詣は恒例の深大寺へ、野川沿いの遊歩道をぶらぶらと歩きながら出かけました。




いつものように、あちこちに鴨がたくさん、時々白鷺。パンを投げ与えているおじさんがいて、川沿いのあちこちにポイントがあるようで、自転車で移動してはストップしてパン。それを追って飛んで歩く鴨などもいたりして、なんとものどかなもんです。東京も田舎はいいね。
今回は、かわせみに会えたのが嬉しかったです。たった一羽、一瞬でしたが、美しい瑠璃色のお背中を見ることができました。望遠レンズを構えている方が数人いらっしゃったので、割と頻繁にいるんでしょうけれど、一年に一度歩くだけのわたしが出会う確率はわずかなので、得した気分でした。

深大寺は、例年同様、かなりの人出でした。改めて見る本堂の、鮮やかな垂れ幕が下がった姿。




そもそもこのお寺の宗派はなんなんだろう?
と誰かが言い出して、スマホで調べると、天台宗とありました。密教系なんだ!本当に古いお寺さんなんですねぇ。創建は、わたしの大好きな時代です。本堂の木彫り装飾も、改めてズームアップして見ました。







そう思ってみると、大陸系かも?それにしても相当古いものと思うのですが、木造としては、びっくりするくらいによく残っていますよねぇ。レプリカなのかしらん。それに、もしかするとオリジナルは、鮮やかに彩色されていたかもしれない、とか思ったり。
専門のロマネスクと違って、今のところ日本のことは、「その後」に調べることもないので、この深大寺、もう何年にもわたって初詣に行くのに、いつまでも何も知らずにいます。

堂々とした戦争がらみの石塔があるかと思えば、歴史が古いだけに、いつのものか定かと分からぬ石仏や石塔がたくさんあります。人ごみの境内で、今回も楽しい石塔を見つけてしまいました。




なんか古そうだ~、とよく見ると、台座に石の輪がはまっていて、もしかして?と触ったら、ちゃんと回るのですよ。回る石の部分には南無妙法蓮華教と文字が彫られていました。いつの時代におかれたものか分かりませんが、チベットとかであるような、回すだけでお経を唱えたと同じだけの効力があるがらがらみたいなものなんでしょうかね。それにしては、石で重いので、お経を唱えた方がずっと楽だし、どういうものなのかな。
ここの境内、丹念に見て回ったら、面白いものがたくさん見つかりそうです。でもこれなんか、壊れて継ぎなおしたあともあるし、みんなが面白がった触ったら、おさわり禁止になりそうな代物だから、誰にも気付かれずにさりげなくほっとかれるのがいいんでしょうね。

いつもだと、お参りした後は、お気に入りのお蕎麦屋さんでお蕎麦を手繰ってから帰るのですが、今回は時間が半端だったので、ちょっとお茶でも、ということで、こんなところに寄ってみました。




境内にある鬼太郎茶屋。
グッズ販売のお店はのぞきますが、奥にある喫茶は入ったことがありませんでした。「砂掛けばばあの蜜まめ」とか、「目玉オヤジの何それ(忘れた)」とか、かなり怪しいネーミング・メニューの和風喫茶なんですが、これが意外と、どれもおいしくて、観光地の割には良心的なお値段で、ちょっと感心しました。ビールは鳥取の地ビールだったと思います。水木さんの故郷でしたよね?





胡散臭いと思っている方、どうぞ一度寄ってみて下さい。って、別にわたしが宣伝する必要もないですけどね。

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  1. 2014/01/20(月) 02:28:57|
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恒例、東京の正月休暇1

どうも~、ご無沙汰でした。週半ばには戻っていたのですが、夜中に帰宅して翌日早々から職場復帰というスケジュールだったので、ブログどころじゃなかったのでした~。
時差ぼけひどくて、今日も眠気で一杯です。

まことに遅ればせながら、本年も、どうぞよろしくお願いします~!

夜中に帰宅、というのは、実はアリタリアの策略で~!
というのも、本来は、東京-ミラノ直行便を予約していたんですが、それが出発の直前に、アリタリア都合でキャンセルとなって、ローマ経由便に振り替えされた結果。直行便なら、ミラノ・マルペンサに18時半着が、この予期せぬ変更のおかげで、22時半着、それも、長旅で疲労の挙句のローマ・トランジットですから、ただでさえむっとしているところに、ローマに着いたら、なんと、同時刻にミラノ・リナーテ空港行きが出ているじゃないですか。
リナーテなら、ミラノ市街が近いので、自宅までタクシー使用可、マルペンサは遠いので、経済的にタクシー不可能、ということで、最終的に帰宅時間に1時間以上の差が出ますから、ローマの空港、アリタリア窓口で噛み付きましたが、預けた荷物の問題があり、振り替えは無理。まぁ、これは分かっていたけど、一応言わないとね、と思っていったんですけれども。とは言え、窓口の対応は、意外と親切で、「申し訳ない」、「すまない」、と、対応した人の責任でもないのに、一応、下手に出ていました。
そうなんですよね、今回びっくりしたのが、アリタリア。っていうか、今更、今頃やっと、ですけれど。

イタリア人乗務員が片言の日本語単語を連発するとか、就寝時間中でも定期的に飲み物サービスをするとか、何もないときでも笑顔で挨拶して回るとか、他のエアラインであればとうの昔に実施していたサービスに過ぎないのですが、アリタリアでは、昨年までは、一切されていなかったことが、あたかも、これまでもそうだったかのように実施されていたんです。すごくびっくりしました。
これまでも相当ひどい業績だったが、さすがに後がない、ということが、一介の乗務員レベルまでも浸透した、ということなんでしょうかねぇ。
それにしても、自分自身のリアクションを考えても、アリタリアにサービス(実は最低限の当たり前の業務に過ぎない程度のサービス)があった!ということだけで感心してしまう、という事実が、結局イタリア的強みかも?って感じしました。
情けないけど、お得なスタンスではありますねぇ。

こういう事実を考えるにつけ、なんか、なんていうか、日本って居心地いいよねぇ、と既にホームシックって言うか。
日本は、本当に居心地いいです。やっぱり自分は日本人だし、日本好きだし!
自分で自分の首を絞めるガラパゴスの国だけど、サービスに生きるってことはやっぱりガラパゴスしかないわけで、それが自分を閉じ込めることになっているとは言え、程よいガラパゴスかって言うのは、サービス業界には絶対に必要だと思うんですよねぇ。イタリアに余りにも欠けていることだから、多分余計に感じる。
どこでも笑顔で、感じがよくて、戦闘態勢になる必要がなくて。

トランジットのローマのアリタリア・カウンターで、ある意味自然に戦闘態勢になって、そういう自分に対して、「自分って、日本人としてどうよ?」と思ったりしました。日本では、そういう構えって言うのがそもそも必要ないんだよね~。
でも、そうだから、日本人、打たれ弱くなるのかもな~。うーん。

それはともかく、毎日いそいそと日本酒を飲んで、幸せ~、の毎日でした。休肝日、あえて、ゼロ!年に一回くらいは、それもありだろうよ。ビールもうまいしねぇ。
今回は、基本のんびりだらだらで、余り何にもしてないけれど、ちょっぴり、自分記憶のために、例年並みには、写真をアップしようと思います。

では、改めまして、今年もよろしくお願いします。新年報告の後は、また、何事もなかったかのように、昨年ロマネスクめぐりに戻ります。

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  1. 2014/01/19(日) 07:48:23|
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