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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

1300年前のパオロ・ディアコノ言及の町

エミリア食い倒れ3

ランチの後、向かったのは、中世の修道院跡。
モンテヴェリオ修道院教会Chiesa di Abbazia Monteveglio。




小高い丘の天辺にある小さな場所に、スペースはおそらく往時そのまま、と言う感じで、修道院の名残があります。ここは、門前町ができるような平地のスペースもないので、修道院を取り囲むような壁や門だけが残っていて、当時の、閉ざされた孤高の雰囲気が、今でも感じられる場所です。




(この村の入り口にある門は、修道院の起源よりは、ずいぶんあとの時代に作られたもののようです。)

と言っても、今は大いに観光地になっていますから、門内にレストランなんかもあったりするのですが。ただ、あまりに猫額のために、お土産屋ができるようなスペースもなく、地味な雰囲気が無理やり残されているといったところです。

こんな地味な、今でもかなり山奥というというような場所ですが、古くはローマ時代から神聖な場所として珍重されてきたようです。ローマ時代、ロンゴバルド時代それぞれに信仰の場所となり、カノッサのマチルダ女伯の時代に、修道院が建てられたようです。
それが、今でも修道院として機能しているということですから、びっくりするくらい長い時代にわたって、神聖な場所として現役としているのですね。結構な高度と思いますが、修道院が建設されたということは、水が出たということ。山っていうほどの土地でもないだけに、ちょっと不思議。

今に残る教会の外観は、かなり後代の修復の賜物となっており、ロマネスク的に目を引かれるものはないのです。そして本堂に入っても、身廊の構造に往時の面影が見られるくらいなんです。




でも、高くなっている内陣から想像できるように、クリプタがあります。ちょっと雰囲気あり。




構造的には、ロマネスク時代だと思いますが、ディテールに、大きく興味を引かれるものはありません。また、このクリプタ部分からアクセスできる回廊も、後代のものです。




回廊の一部が12世紀、と事前情報を得ていたのですが、この状態でおよそ中世期の名残があるとも思えません。首をひねりながら、回廊と本堂を行ったり来たり。
回廊で目撃した聖職者。




修道院、現役らしいし、この人たちの感じとしては、ギリシャ正教的。実はフランチェスコ会、とあったのですけれどもね。

それにしても、具体的な中世の名残が目に付かず、自分の情報が間違っていたかと首をひねりながら、本堂を出て、後陣の方へと向かいました。
長い時代の積み重ねが、建築に見て取れるような、複雑な構造になっている後陣でした。




右側後陣は、鐘楼の下部に組み込まれてしまっています。そもそも、すべてが再建で、往時の様式をしっかりと再現してはいるものの、新しいです。

その後ろの方に、鉄柵があり、覗き込むと、回廊のような構造が見えました。




緑の芝生部分には、井戸。これはかなり怪しい。で、ズームで回廊の柱を観察すると。




ロマネスク、発見~!
なるほど、これがオリジナルの回廊の一部、唯一古い時代の名残となる部分だったんです。残念ながら近くには寄れませんが、せめても鉄柵で見ることができるようにしてくれていたのは、とてもありがたかったです。
この位置に回廊があったということは、教会のある方向も違っていたんだ、というようなことがわかります。いや、そういうことがわかったからどう、ということもないわけですが…。でも、素人研究者にとっては、そういうことを納得するだけで、現地を訪ねた価値があるって言うか、まあ、そういうもんです。

この回廊発見も、重要なことで満足しましたが、教会本堂に、ロンゴバルド時代の洗礼盤があったようです。それは思いっきり見逃しました。事前にしっかり調べきれていなかったので、かなり新しい内部を見て、何もないだろう、ときちんとチェックしなかったためです。この地域一体の、特に自然をフューチャーした博物館兼インフォメーション・センターがあり、そこで、写真を目にしたのですが、改めて教会に戻ることはしませんでした。

ちなみに、ロンゴバルドの時代唯一の同時代書であるパオロ・ディアコノの「ロンゴバルドの歴史」には、このモンテヴェリオの名前が言及されているそうです。一応読んだですけどね、斜め読みだし、覚えてないです。




あまり歩く場所もなく、これじゃお腹すかないね~、といいながら、モンテヴェリオをあとにしました。車の移動って、それなりに疲れるけれど、体力は使わないんだよな。

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  1. 2014/08/13(水) 07:03:39|
  2. エミリア・ロマーニャ・ロマネスク
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フランクフルト、サッカー場、森

フランクフルト、弾丸ツアー1

この週末から、イタリアでは日本のお盆状態で、ほぼすべてがストップしています。多くの会社が夏休みでクローズするし、個人経営のお店のほとんどはお休み。ミラノの人口が、一年で最も少ない1週間です。
わたしも、本来は日本から家族が来て、一緒にエミリアやトスカーナのドライブ旅行をする予定になっていたのですが、諸事情からドタキャンとなってしまい、その代わり、というわけでもないのですが、ほとんど脈絡なく、フランクフルトに、週末弾丸旅行をすることになってしまいました。

いきなり、ドイツ、それもフランクフルト。
もちろん、目的がありまして、それはこれ。




サッカー。
8月10日、フランクフルトの、コメルツ・バンク・スタジアムが目的でした。
実は、日本代表のキャプテン長谷部のファンがおりまして、その彼女が、フランクフルトが、リーグ開幕直前の最後の親善試合を、フランクフルトで、対インテルで行う、という話をキャッチ。それも、親善試合ということ、ファン・サービスの一環なのか、チケットは、一律10ユーロという破格な安さ。

一方で、長友が、イタリア・インテルに所属してから、既に結構な時間がたっております。ミラノ在住ですから、インテル・ファンは近所に事欠かず、彼が既にインテル・ファンにしっかりと受け入れられていることもあり、一度はライブで試合を見に行かねば、と思いながらも、時間ばかりが過ぎてしまっておりました。




そういう中で、フランクフルト対インテルというカードであれば、移籍直後の長谷部、そして、ずっと気になっていた長友の両雄を一遍に見ることができるわけで、友人に誘われてすぐに、熱烈に参加表明をした、弾丸ツアー。

ミラノからフランクフルトは、約700キロ。イタリア人には、軽く一日で移動しちゃえる距離。友人ご夫婦と、その甥っこさんとわたし、というよくわからない組み合わせで土曜日の早朝に出発。寄り道をして、フランクフルトに夕方着。
試合は、日曜日の午後ですが、いろいろイベントがあるということだったので、当日昼頃にスタジアム着。

地方都市の「おらが町のチーム」って感じでしょうか。家族連れ中心のイベントという感じで、ほのぼのムードでいっぱい。スポンサー企業のブースや、ソーセージとビールの屋台が並び、スタジアム周辺は、お祭りのような賑わいでした。




ドイツですから、入場時に、無料のビール券が配られたりして、とにかく、朝からみんな飲んでます。無料のビールは、わたしももちろんいただきました。子供さんが楽しめる遊具もたくさん。美しい芝生も開放されていて、みな、のんびりとくつろいで、夏休みの週末を、フランクフルト・ファンであるフランクフルトの市民みんなで楽しむ、みたいな空気満載で、欧州でのサッカーの拠り所を目の当たりにした気分です。

先だってのワールドカップで優勝したドイツではありますが、実はフランクフルトは、成績が悪くて、昨シーズンは、トップ・リーグにぎりぎり残れた状態で、今年の成績が危ぶまれているという状態。ですから、代表チームに選ばれている選手もおらず、個人的に今のドイツ・リーグは全然知らないので、フランクフルトのチームについては未知。当日朝に、ネット情報で、乾という選手がいることを知ったくらい(乾さんファンの方がいたら、申し訳ないです)。
当日朝に、インテル長友が召集されていることを確認。うまくいけば、22人しか立てないピッチに、なんと3人の日本人選手が含まれる可能性大、ということです。

そして、見事に、思惑通り、日本人選手、そろい踏み、となりました。

ゲーム前に、ピッチに姿を現したインテルの選手たちの中の、長友選手。




ゲーム前の練習時の、長谷部選手と、乾選手。




ほとんどゲームにかかわれなかった長友選手は、前半だけのプレイ、長谷部および乾選手は、後半の終盤に交代。一番活躍したのは、乾選手。フランクフルトの3ゴールすべてにかかわる奮闘振りでした。昨シーズン、あまり結果を残せなかったということらしいので、シーズン早々、アピールって言うことでしょうか。
一応、700キロ移動した甲斐はあったかな、という感じでした。

それにしても、どこでもそうですが、ホームって実にありがたいものだよなぁ、というのが、一番感じたことかも。
試合開始前は、国家のあとにチームの応援歌をみんなで歌ったりして、それが、いかにもドイツ的な牧歌的なチロル的な民謡的な曲で、およそこれから「勝ちにいくぞ~!」的な戦闘的なものじゃないのに、フランクフルターが、チームの旗を振りながら、立ち上がって力いっぱいに歌っていたり、ゴールの後は、スタジアムのアナウンサーと一緒になって、インテルをくさすような大合唱をしたり、イタリア語で言えば「クルバ」、強烈なファンだけがそこで応援することを許される厳戒態勢のファン席がありますが、そこの人たちの定期的な拍手とかウェーブ的な応援とか、なんだかすごかったです。




みんなが一体化して盛り上がる喜び、といったものも、地元にはやはりあるのでしょうね。




インテル・ファンも、ちらほらとはいましたし、ミラノ在住である以上、気持ち的にはインテル側だったんですが、この圧倒的なホーム・ムードに、ついつい、フランクフルトの応援になってしまいました。結果、3対1でフランクフルト圧勝。ボール占有率なども優位で、古豪インテル相手に堂々の戦いぶりでした。

それにしても驚いたのは、帰り道。




スタジアムのある最寄駅から一駅のホテルに滞在したのですが、帰りは、歩いた方が早そうだったので、一駅歩くことにしたのですが、それが、森の道。




こういう森だった場所を切り開いてスタジアムを作った、ということなんでしょうかね。合間にゴルフ場があったり、馬の牧場があったり、その間はかなり本格的な森なんです。
予想外。でも一駅なのに、30分以上かかったのも予想外でした。
リスがいましたから、鹿くらいいそうな雰囲気。馬で散歩するには最適。
フランクフルトは結構な都会ですが、中央駅から電車でたった3駅ほどで森があるというのは、さすがドイツと思います。

というわけで、なんだか盛りだくさんの週末を過ごしてきました。試合以外のことなどは次回。もちろん中世は欠かせません。

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  1. 2014/08/12(火) 06:57:16|
  2. 旅歩き
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7月に読んだ本、備忘録

7月は、夏休み第一弾で出かけていたこと、その準備、そして、携帯電話すら使いこなせていなかったにもかかわらず、諸事情からスマホを購入したことなどもあり、読書量が、びっくりするくらい少なかったです。
スマホは、予想通り、電話機能だけの携帯電話よりは、圧倒的に便利。もともとモバイルにはほとんど興味のないわたしではありますが、かなり低料金のつなぎっぱなし契約のために、お試しと思って、ずいぶんネット接続をしてしまって、特に通勤時の読書時間を侵食してしまいました。スマホ、恐るべし。
まぁ、それも一段落して、今は既に元の状態に戻って、通勤時は読書三昧。たまっている積読本を片付けつつあります。

「峠越え」山本一力(PHP文庫)一力さんの時代小説は、勧善懲悪、性善説、ということで、いつも楽しく読めてしまうし、後味がよいので、ひねりがないながら好きなのですが、これはちょっと、簡単に書き飛ばしすぎでしょ、と思いました。ただ、書くために書いた、みたいな。
「たのしいムーミン一家」トーベ・ヤンソン(講談社文庫)
「ムーミン谷の彗星」トーベ・ヤンソン(講談社文庫)この2冊は、先日の本の市でゲット。久しぶりに読みましたが、懐かしくて嬉しくなりました。ムーミンの世界観、大好き。本場のフィンランドのムーミン博物館にも行ったなぁ、と懐かしく思い出しました。児童書ではあるけれど、やはりこの世界観は好きです。

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  1. 2014/08/09(土) 05:13:42|
  2. 読書、備忘録
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お腹はちきれ定食システム

エミリア食い倒れ2

モデナ観光を終えて、いよいよ食い倒れ第一弾、ランチへ向かいました。
目的地は、去年の同じような時期に、このあたりを中世とワインをテーマにうろうろしたときに、偶然見つけたアグリツーリズモ。
そのときは朝一番だったこともあり、レストランは試せなかったのですが、オーナー一家のお母さんが、ちょっと見ていってよ、とレストランを見せてくれたのでした。雰囲気がとってもよかったし、ワインはとってもお安くて普通においしかったので、次回は絶対に食事に来ます、と言いながら別れたのです。まさか、こんなに早く、その機会が来るとは、思ってもいませんでした。
それがここ。




Ca' Berti - Fratelli Vandelli
Via Spagna 60, Levizzano R., Castelvetro di Modena

このカステルヴェトロという地域は、大好きなランブルスコの中心地で、このアグリツーリズムのワインも、もちろんランブルスコです。

到着したときには、既に多くのお客さんが入っていて、にぎやかにお食事中。われわれもテーブルに案内され、とりあえず、水とワインの注文は取っていきましたが、お食事の注文を取りに来ません。
われわれと前後して到着したお隣のテーブルも、なんとなくそういう感じ。サービスがとても遅いのか、または、もしかすると…。





やっぱり!と、この前菜二皿でシステムが分かりました。定食システム。有無を言わさず、定食でいくら、というやつなので、注文取りがないのです。これはかなりやばい。というのも、夕食は、地域ではそこそこ有名なおいしいレストランの予約を入れているので、昼からおなかをパンパンに膨らませるわけには行かない事情があったんです。
でも、来ちゃったものは、いただくしない。

前菜は、揚げポレンタ薄切りラード巻きと、何の変哲もないサラミ。揚げポレンタは、この地域に来ないといただくことはないのですが、おいしいんですよね、このジャンク系スナック感が。そして、こういう場所でいただくと、普段めったにいただくことのないサラミも、何でって言うくらいおいしかったりします。
そして、一皿目も二種。





アニョロッティとトルテッリーニ。いらないと言えばいいのに、この地域の名物詰め物パスタを要らないとはやっぱり言えず。さすがにおかわりはやめましたけれど、よそわれた分は、完食。おいしくて、つるつると食べれちゃうんです。間違いなく手作り。多分、あのお母さんの。

メインはかなり地味な家庭料理。ミートローフみたいなもの。それで終わりかと思ったら、普通は前菜にするニョッコ・フリットが、生ハムどっさりと出てきたのには、びっくり。





この時点でのニョッコ・フリット、かなりやばかった。おなかパンパンなのに、エミリアに来たからには、これはいただかないと、とつい思って手が出るし、そしてこれもまた詰め物パスタ同様に、なんか収まってしまうんですよね。いやはや。
デザートは簡単なクリーム系で、それすらいただいてしまって、自分にあきれました。確かに食を求めて旅に出たけれど、まさかいきなりパンパンとは。それも時間遅いし。

夕食までに、何とかおなかを減らさないと、ということで、歩く場所を探し、しばし彷徨いました。




ああ、でもいくら車で彷徨っても、パンパンのおなかがへっこむはずもなく。

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  1. 2014/08/08(金) 04:57:08|
  2. イタリアめし
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イタリアは、やっぱり、おいしいから!

エミリア食い倒れ1
食つながりで、春に訪ねたエミリア食い倒れ週末ツアー、記録しときたいと思います。
これは、それより先に出かけたピエモンテのランチ・ツアーに満足できなかったために、友人と企画した食い倒れツアー。

まずはモデナ観光から開始しました。




モデナと言えば、まずはドゥオモですが、後陣外側の修復中でした。
以前訪ねたときは、鐘楼が思いっきり修復中だったり、ファサードとか側壁修復とか、考えたら、モデナのドゥオモ、修復のないときがなかった気がします。ミラノのドゥオモ並だな~。

友人のために、ガイドとして、自分のサイト(ロマネスクのおと)のページを印刷して持参。自画自賛っぽいですが、このページはかなり勉強したので、いいかな、と思ったんですが、サイトの誤字脱字、特に誤字のひどさには、われながらびっくりしました。
なんだかんだ言いながらも、このドゥオモの、見る場所の多さには、今更ながら唖然としました。そして、自分が書いたはずのサイトの内容について、びっくりするくらい忘れている事実にも、唖然としました。
外側には、各扉周囲の、レベルの高い彫り物があります。





そして中に入れば、内陣部分は宝の山。





こうなると、食い倒れツアーというよりは、普段の修行旅に近づいてしまいますが、一般人(?)と同行する普通の旅の場合、そういう感覚は封印、と、思いながらも、ついつい撮影に気持ちが入ってしまいます。





そういえば、以前訪ねたときは、この部分、修復していたのではなかったか。今は修復も終わり、彩色も美しく、かなりいい感じになっているので、ますます気持ち的には修行入ってしまいます。





クリプタから本堂への通り道とか、以前はこんなところ、開放していなかったんじゃないかなぁ、という場所もあり、テンション、上がります。照明とかも、以前と違うような。やっぱり修復中に来たから?
というわけで、「食い倒れ」本編前に、つい修行になってしまいました。

食い倒れに続きます。




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  1. 2014/08/03(日) 06:51:03|
  2. イタリアめし
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ルシヨンのホテルとお食事(強力にお勧め)

ラングドック、ルシヨン、番外編2

ルシヨンで、最初に泊まったのはプラドという小さい町のホテルですが、ここについては本編で触れましたので省略。
お食事は、町の広場に並ぶ一軒でいただきましたが、思いっきりスペイン料理になっていたのが、興味深かったです。定食(メニュー)のスタイルも、かなりスペイン風で、ワインのお値段もリーズナブルでした。





前菜は冷たいスープ、ガスパチョで、メインは串焼きのお肉。
そして、最後の二泊は、トゥイルThuirという村のすぐ郊外にあるシャンブルドット、ラ・フォヴェイユLa Fauvelle。




ここ、ホテルとしては最高で、強力にお勧めできます。ルシヨンで中世めぐりをするには、どこにも行きやすい、とっても便利なロケーション。

La Fauvelle
60 Avenuede la Fauvelle - Thuir

そして、もともと農場だったのかお屋敷だったのか分かりませんが、古い構造物を活用して、現代的なミニマリズムでデザインしたスタイリッシュなお部屋は、広々として超快適。バスルームも、クローゼットも、すべて素敵…。





緑滴る庭に面して、各部屋が配置されていて、お部屋の前のスペースに椅子を置いて、ゆったりと夕涼みもできます。そして、裏庭には小さいながらプールもあり、芝生も美しく整備されているんです。





わたしは、朝から晩まで駆けずり回って、夕食の時間ぎりぎりに戻る毎日だったので、プールでくつろぐ時間どころか、裏庭を見たのも、出発する日の朝、という有様だったので、ちょっと残念でした。これならもう一日、のんびりと過ごしたかったくらい。

朝食は、中庭で。




たいした朝ごはんじゃないのですが、素敵なスペースで、朝のさわやかな空気の中でお茶を飲むだけで、幸せな気持ちになること請け合い。なんといっても、ここの、オーナーさんなのか、雇われオーナーさんなのか分かりませんが、ホストの男性が、素晴らしいんです。

ハードに走り回った夕刻、たどり着いたときに、笑顔で迎えてくださったホストさん。とっても流暢な英語で、実はそれだけでも救われた気持ちになりました。実に社交的で、親切で感じがよい。そして外国が堪能。絶対にフランス人じゃないのが、すぐに分かりました。なぜそんなに英語がうまいのか尋ねたところ、「それはもちろん、ぼくがフランス人じゃないからだよ(ニヤリ)」。なるほど!
実はポルトガル人で、世界放浪の果てに、今はここに落ち着いている、ということで、母国語に加えて、英語、フランス語、北欧のどこかの言葉(忘れちゃいましたが、結構長く北欧に住まっていたとのこと)、ドイツ語、スペイン語などが、ほとんど同レベルでできるといっていました。残念ながらイタリア語は、まだだめだと。なんかある程度しゃべれない限りは使えないんだ、と言ってました。ほぉほぉ。才能あるんだね。

ここは、シャンブルドットというカテゴリーの宿で、宿泊と、希望する宿泊客に夕食を提供するシステムとなっています。わたしはまったく知らなかったので、予約をしていなかったのですが、一人なら何とかなるよ、というので、ここで食べることにしました。そもそも、村はずれなので、歩いていける場所には何もなさそうだったし。

この宿が唯一寂しいとすれば、その夕食のレベルが、ちょっとね。雰囲気は最高なんですが、お皿がどうにも…。ワイン飲み放題で三皿(前菜、メイン、デザート)で、お値段はフランスにしてはお安いですけれど(23ユーロ)、お食事を疎かにしたくない向きには、ちょっと寂しいかもしれません(宿泊客の皆さんは、基本的に満足していましたが)。この点を考えると、二泊でちょうどよかったかも。

わたしが宿泊した二泊、ちょうど、一人で宿泊されているフランス人の女性がいました。同じテーブルでサーブされたので、英語で話しかけたところ、何とか片言通じました。





さすがにフランス人で、最初は遠慮がちだったのですが、ちょっとお酒が入ったら舌が滑らかになってきて、おしゃべりが盛り上がりました。
何でも、近所に大きな酒造会社の工場(ぺルノーという会社。最近日本で、フレーバー・ワインが爆発的に売れたと自慢していました。わたしがまったく知らないというと、少々むっとしていました…)があり、彼女は本社の総務担当マネージャーで、しょっちゅう出張で来て、このホテルを定宿としているので、ホテルのホストさんともお友達。ホストさんは、特にわたしとのおしゃべりを期待して相席にしたわけではなく、逆に彼女が英語を話しているのは初めて見た、とびっくりされていました(しかし、国際的企業の総務マネージャーで、英語があまりできないというのは、さすがおフランスです)。
翌晩も、息せき切って夕食のテーブルに着くと、もし差し支えなかったら、また相席したいと彼女が言っているんだけどいいか、ということで、二晩続きで、フランスのビジネス・ウーマンと、楽しい夕べを過ごすこととなりました。そういうチャンスはなかなかないので、とてもよい体験。ホストさんの気配りのおかげです。
毎日、今日はどこに行くの、あそこはどうだった、と声をかけてくださり、そういう目的だったら、あそこを紹介してあげとけばよかったね、などと、とても親切で、こんなホストさんは、フランスでは始めて出会った気がします。
これで、夕食のレベルが上がったら、完璧なんだけどな~。
宿代は安くないけれど、ここは、ラングドックと違って、納得でした。もしこのあたりをドライブ旅行される方がいれば、是非試してみてほしいです。

というわけで、番外編もおしまい。ルシヨンは、わたしにとって、強力に再訪したい、と思う初めてのフランスです。うん、絶対また訪ねて、今回見られなかった場所を訪ねたいと思います。

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  1. 2014/08/01(金) 05:52:07|
  2. ラングドック・ルシヨン
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