アストゥリアス・ロマネスク30
ヴィラマジョールVillamayorサンタ・マリア教会Iglesia de Santa Maria続きです。 前回記したように、概観で往時の姿が残っているのは、後陣円筒部分と、すぐ脇に置かれた南側面の扉周辺装飾。 本来の教会本堂部分は、かなり新しくされていて、ファサード側はほとんどオフィス状態です。でも、事前調査で、内部後陣装飾がよさそうなことをつかんでいましたので、中にも見るべきものがあるはず。でも扉は固く閉ざされていますし、どうしたものか、とオフィス仕様の方に行ってみました。
入り口上部(写真左端)には、旗がいくつか掲げられているところを見ると、もしかして市庁舎とか、そういう公共の事務所らしい。実際、扉は自由に入ることが出来ました。そして、声のする部屋をのぞくと、郵便局の窓口でした。 「?」と思いながらも、「教会の見学ができるでしょうか?」と尋ねたところ(もちろん、なんちゃってスペイン語ですから、そう言ったつもり、というレベルですが)、いきなり大声で「xxx!」同僚を呼んだようです。
人のよさそうなおじさんが出てきて、どうぞ~、と本堂部分に続く扉を開けてくれました。今は、講堂のようになっています。イベントに使うのでしょう。そして、内陣部分がまた壁になっていました。その扉も開けてくれて、「どうぞ~」。
びっくりした~!いきなり、これです。 仕切りの壁はこんな感じ。
サプライズもいいところですよ。 これだけでも、もう舞い上がっちゃってるのに、装飾の全体が、なんとも素敵なんです。 背の低いアーチそれぞれの縁取り装飾や、それぞれの柱頭が、もう、感動です。
異なる色が微妙に混ざった石も、とてもいいのです。 外からはとても小さく見えた開口部が、中からは意外と大きくて、まだ午前中だったこともあり、朝の光がたくさん入ってきます。光に反射する淡い色の石が、幻想的。 とても狭い部分で仕切られちゃった現在の状況を忘れて、往時の教会にどっぷりとトリップ。 ところで、ここからの窓の高さを考えると、内部の床は、相当高くなっています。前回の記事を見てもらうとよくわかりますが、後陣の窓は、かなり高い場所にあります。これは、クリプタが有った可能性が高いですね。
アーチ装飾の細部。
おなじみの市松模様や、アーチ上部の横筋には、植物モチーフを幾何学的にまとめた装飾帯。
そして、愛らしい柱頭~!
これは、他でも見たような。もしかしてルシヨンとかで見た?どこだったっけ、これ。このあと訪ねたカンタブリアだったっけ?とにかくかわいい~。
こんな興味深い彫り物も残されていました。
1003年と見えます。最初の建物が出来たときに、石工さんが記念か記録のために彫ったものなのでしょう。扉の脇の場所です。 なんか、うっとりしちゃいました。2014-1003=1011年前の記録。すごくないですか。この人がどの彫り物担当だったのかしらん。1003年には、周囲は今とは全然違う状況で、建物もまったく違う状態だったはず(この教会のスタートは修道院らしいですし)。柱頭彫刻などよりも、なんか、こういう手に、より、実際にそこにいたはずの人の存在といったようなものを感じてしまいます。
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2014/11/28(金) 05:13:20 |
アストゥリアス中世
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アストゥリアス・ロマネスク29
新しい一日。 この日は、アストゥリアスを後にして、お隣のカンタブリアに移動。三泊お世話になったオヴィエドの街とお別れです。 カンタブリアへと向かう道に、いくつか訪ねたい場所があります。
地図の左端にアラミルがありますが、そのさらに左、つまり西がオヴィエド。カンタブリアに向かうには、ひたすら東を目指すことになります。最も快適で早いのは、アラミルの辺りから北上し、ヴィラヴィシオーザを通過する海沿いの高速。要は、サンタンデールの空港からオヴィエドを目指したときの道ですが、わたしが行きたいのは、アラミルからそのまま東へ進む内陸の道。地図でみると、若干山がちのような気配があります。 それに、目指すカンガス・デ・オニスは、ピコス・デ・エウローパという山岳の国立公園の入り口…。出来れば近寄らない方がいいのではないか、とも感じます。
ホテルの人に道の状態を尋ねたところ「内陸の道も国道だし、怖い道ではないけれど、いや、やはり海沿いの高速でしょう。快適だし早いし」と。基本的に走り屋のイタリア人だったら、行きたいところあるなら内陸、問題ない、と言うと思うんですけどね、その辺ちょっと違うかも。
結構うじうじと悩んだものの、やはりここで見たいものを見とかないと後悔する、と一大決心で、内陸の道を行くことにしました。
行く手にそびえているのが、ピコス・デ・エウローパの山塊の鳥羽口でしょう。快晴です。このような広々とした対抗二車線がずっと続きました。結果的には、「案ずるより産むが安し」。目的地ヴィラマジョールVillamayorの町に入ったらしいと思った途端、左側に、特徴的な後陣を発見。
サンタ・マリア教会Iglesia de Santa Maria。 しかし、後陣以外は、ほぼ新しそうな建物です。どうやら既に教会じゃなさそうな。 路肩に駐車して、近づきます。
やっぱり、後陣と、側壁の扉のみらしいです。でも、後陣には、アラミルで一人大騒ぎ、興奮しまくったと同様の軒送り彫刻が並んでいるようです。ずらりと。
おお、シンプルですが、立派な後陣。相当修復したのでしょうが、オリジナルの地面レベルもそのままに、よい感じの保存状態です。 すぐ脇にバールがあり、ちょうど午前中の休憩時間なのか(10時過ぎ)、オヤジたちがくつろいでいましたが、このような辺境の町に一人でやってきて、おお!とか、マンマ!とかつぶやきながら後陣を眺め倒している東洋人を、奇異な目で見ていたような空気を、背中で、ちょいと感じました。ふと振り返ったとき、数人と目が合っちゃったからね。
それはともかく。 横筋にも模様入り。小さな開口部もシンプルながら装飾入り。軒送り彫刻の間や、屋根のひさし部分にも浅浮き彫り入り、とこれまでいくつか見てきた後陣同様の、一部に気合の入った装飾です。
残念ながら、彫刻は磨耗が激しくて、いまひとつでした。
扉周りの装飾の方が、若干状態がよかったかも。
黄色い石。凝灰岩かな。空気に触れるとすごく固くなるっていうやつ。だから丈夫で残っているのかな。 扉口はシンプルなアーチで、縁取りが大好きな市松模様。後陣の横筋と同じです。側柱の柱頭は植物モチーフ。
扉の上の方に並んでいる彫刻、保存がよかったら、かわいらしい感じのする、変な形をした動物モチーフだと思うのですが、残念ながら。
後陣と扉装飾だけでも、意外に喜びが大きく、満足感があったのですが、実は、サプライズがあるんです。続く…。
2014/11/27(木) 07:05:56 |
アストゥリアス中世
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ピエモンテ・グラッパ合宿、その4
今回、昨年に比べてちょっとだけ遅い時期にしたのは、蒸留している時期に合わせたからで、特に、有名な天使のグラッパ、レヴィさんとこの火入れを意識していました。前回は、訪ねた1週間または2週間後に火入れが予定されていて、ちょっと残念な気がしたのです。 今回の日程は、ちょうど火入れの儀式のある週末だったので、買うかどうかは置いといて、火入れはのぞきに行く予定にしていました。
というわけで、ベルタのあとは、レヴィさん蒸留所方面に向かいながらランチを頂き、火入れ儀式に参加する、という計画でしたが、途中でまたひとつ、予定外の蒸留所に足を止めてしまいました。
Distilleria di Balestrino Pietro Corso Acqui 176, Nizza Monferrato (AT)
敷地への鉄扉は広々と開いておりましたが、人は見当たりません。事務所らしい建物をのぞくも、誰もいません。でも、倉庫の扉も開けっ放しだし、人はいるはず、とうろうろしていると、どこかにセンサーがあるらしく、時折ピンポーンとベルが鳴ります。いい加減ベルが鳴っても反応がないので、引き上げようか、としたところに、ランチ中なのに、という風情のおじさんが出てきました。 考えたら、13時近くだったので、われわれもずいぶん失礼な時間に訪ねて、しつこく粘ったものです。 あまりに食事中というのが明らかだったので、謝ったところ、いいんだいいんだ、と販売所を開けてくれました。
雑然としたお店ですが、グラッパにくわえて、各種リキュールの類が多種。そしてお値段がお安い。ここで、キノChinoというリキュールを初めて味わいました。 いわゆるキニーネ、マラリアに効く薬として、本で目にしたことのある名称です。こういうもんだったんですねぇ。 また、コーヒーのリキュールも試飲させていただきました。どれもおいしくて、発見でした。おじさん、というか、かなりおじいさんでしたが、バレストリノさん、熱が入ってきて、あれもこれも、飲ませたがり、説明をしてくださいます。
わたしは、甘いお酒は飲まないので、結局普通のグラッパを1本お買い上げ。11.50ユーロという非常に庶民的なお値段。
レトロなラベルが、時代に追いついた感がありますね。ずっと変わってないんでしょう。キャップもスクリューで、庶民的~。
そして、バレストリーノじいさんの話は、ここで終わりません。ランチを中断してしまった以上、さっさとお暇するつもりでいるのに、是非わたしのコレクションを見ていってくれたまえ、とガイド・ツアーが始まってしまいました。
工場部分で、普通だったら製造の話などをするべき場所でしょうが、バレストリーノさんは、「壁の絵を見てくれ!」「身代つぶして食い詰めたぼくの友人が、助けてくれ、というので面倒を見たんだ。何かやらないとおかしくなりそうだったから、昔とった杵柄で絵を描かせたところ、何とか立ち直って(云々かんぬん)…」とめどなくエピソードが。ずらりと並んだ絵の、もうなんというか、ダサさというか、下手さというか、この時点で困ったな、と内心思うわたし。
次に、敷地内にある他の倉庫。
もうね、ほとんどグラッパ関係ないです。ほとんど、中古品または骨董品のお店。要はこの方、溜め込み癖のある方なんですね。そして多分、びっくりするほどの資産家。最初は、たとえば蒸留関係の古いものなど、自分の関係するものを集めていた程度と思うのですが、おそらく、何かでものがあると人が持ってくる、金があるから買っちゃう、みたいな事で、こういう、言っちゃなんですが、ガラクタ博物館のようなものが出来ちゃったのでは。
とにかく、古い家具から、家庭用品、アフリカの民芸品から、昔の消防車まで、なんでもありです。そして、どれひとつも疎かにしない、バレストリーノさんの熱心な説明が…。
いつ解放されるか分からない困った感も、若干ありましたが、面白かったですよ。グラッパの移動蒸留車なんか、初めて見たし。
荷台に蒸留器械を置いたトラックで、かつては葡萄粕を求めて、村々を回ったんだそうです。かなり巨大なものですが、館内に二台、外にももっと大型のが一台ありました…。買っちゃったんですね、きっと頼まれて。
さらに、精算会社を引き取ったから、と名残の品々の数々とか、各種ポスターやら政治的集会のお知らせやら、有名人の写真とか、いろいろ。
アル・バーノとか有名歌手のポスターがあるかと思えば(交流があるらしい)、ん?ムッソリーニ?
思いっきりファシスト~!? なんかムッソリーノの息子で、ジャズ・ピアノをやっていた人を、戦後、かなり面倒をみていたとか何とか。嬉しそうに話してくれました。
あとから検索したら、「バレストリーノさん、80過ぎて、地元の右翼団体に参加!」という前年度の記事がたくさんヒットしました。ひゃ~、やっぱり。 80過ぎてあの元気。たいしたもんです。なんつーか、信念もありそうだし。 「これは息子のお下がりなんじゃ」というだぶだぶのセーター着て、食べこぼしのしみつけて、でも、やっぱり普通の80過ぎのおじいさんではなかった。これだけの資産は、遺産なのか、何か事業の結果なのか。只者ではありません。
思想はともかくとして、いやはや、面白かったです。グラッパ、ほぼ関係ないけど。結局1時間ぐらい”バレストリーノ節”拝聴のため、ランチの時間がなくなってしまいました。 しかし、まったく知らなかったな、こんな生産者さん。今回、そんなのばっかり。でも面白い~。
2014/11/25(火) 02:41:33 |
グラッパ
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ピエモンテ・グラッパ合宿、その3
合宿二日目。一応おおよその計画はあるものの、基本行き当たりばったり。グラッパ倶楽部は、全員そういうのが大好きなアバウトな面子なので、助かります。 というわけで、目的地に向かう道筋にあった、この地域の醸造所へ立ち寄ることにしました。そう、蒸留所ではなく、ワインの醸造所です。
Cantina di Nizza Nizza di Monferrato www.nizza.it
今回、ワインは興味の対象外ですが、ここは一度も訪ねたことがなかったし、後から戻る、なんて言っていたら、絶対に無理なことが分かっていたし。 なかなか小奇麗な店内です。
最近は、やはりラベルの重要性とか、どんな生産者さんもマーケティングに熱心で、ここでも、結構お金をかけて、ラベルや箱などのデザインをしたんだろうな、という印象です。 といいながら、店内には、古い農機具などが展示されていて、それをまた熱心に説明してくれるのが、昔ながらの作り手さんという感じで、暖かいです。
今日も朝から、仕事とは言え厳しいね~、といつもの台詞を吐きながら、試飲です(仕事じゃないし!)。
ここらは赤、やはりバルベラ。わたし、バルベラはアルバ派で、モンフェッラート系のバルバラは、時々苦手なタイプがありますが、ここのはオウケイでした。そして、生産地としてはマージナルな位置にあるせいか、お値段はかなりリーズナブル。コスパに優れているので、普通のとリゼルバを1本ずつ購入。 予期せず、グラッパにも遭遇。
原料はもちろん、この地域の葡萄粕ですが、製造はベルタに依頼しているということ。うまい!そして、やはりコスパがいい!リゼルバで14.50ユーロでした。
実は、この日の最初の目的は、そのベルタです。 ベルタは、昨年訪ねたものの、なんだかいかにも大手で、商業的なにおいが強くて、高い印象もあったし、対応がいまひとつだったので、全員空手で退散したのですが、やはり行ってみようということになりました。 一度、ミラノの酒屋さんで求めたベルタのものがおいしかったし、日本でも有名なブランドだし、グラッパ倶楽部としては、やはりちゃんと評価しないと!というところです。
相変わらず立派な販売所。
駐車場と敷地の一部をつぶして、建物を増築していました。前回も今回も、駐車場はほぼ一杯という満員御礼振りですから、それもむべなるかな。ここは、海外販売にも力を入れているので、外国からのお客さんも多いようです。今回は、スイス・ナンバーの車がずらり。中には、なんとアストン・マーチンもありました。相当金持ちなツアーが来ているようです。
Distilleria Berta Via Guasti 34/36 Frazione Casalotto, Mombaruzzo (AT) www.distilleriaberta.it
今回試飲に対応してくださった女性は、てきぱきしていて、気持ちのよい方でした。やはりこちらの経験値が上がっているのも、試飲をスムーズにしているようです。ビアンカからリゼルバへと、各種味見させていただき、合間には、アマレット(地域の名産ビスケット)をぽりぽり。 やはり、おいしい!
以前、他の友人たちと、ピエモンテの田舎レストランでランチをいただいたとき、食後のグラッパがやはりベルタ製造委託のものでした。それは、リゼルバのかなり熟成したもので、ブランデーとも異なる、なんとも味わい深い逸品でした。「ビロードのような」という形容がありますが、それが一番近い感じ。グラッパ本来の葡萄の香り、樽の香り、すべてが溶け合って、アルコール度を感じさせずに、するすると喉を滑り落ちていく感じ。 テーブルに瓶を置いていったので、3杯くらい飲んじゃったと思います。 でも、確か70ユーロと言われて、さすがにそのお値段は出せない、と買えませんでした。
今回、かなりリゼルバの高級品も試飲させていただいたのですが、そのときのするする感はなかったので、ストラベッキオはやめました。
バルベラのビアンカ、ブラケットのリゼルバ(大小)をゲット。大が21ユーロで小が10ユーロ。小はお土産用ですが、大のお値段のお得感がありますね。 ラベルは、樹木の水彩で、インパクトは薄いですが、キャップの丸がかわいいです。 ここは、箱も樹木モチーフ。
箱にぐるりと樹木の画で、並べると全体になる意匠。箱は意外とペコペコで、あまりお金をかけていない様子が、かえって良心的。今回すっかり気に入りました。有名店なのに、おごってない。団体(金持ちらしいスイス人たち)への対応も、てきぱきとシステマチックで、見ていて気持ちがよかったです。 試飲所が拡張されるということなので、来年が楽しみです。
ちなみに、ミラノで買っておいしかったのは、これ。
ちょっと高めで、販売所でも28ユーロ位してたかな。 そして、いつものアマレットは、こちらです。
これ、ベルタがあるモンバルッツォの村の名産菓子で、小さな村の中心には、とてもかわいらしいお店がありました。ベルタのお店もあったはず。坂道しかない小さな村なので、一人ではとても行けませんが、それらのお店のある並びは、お洒落でした。
2014/11/24(月) 01:31:25 |
グラッパ
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長雨が上がって、やっとお日様が戻ってきた今週のミラノ。この数日立て続けに、素晴らしい朝焼けに遭遇しました。
この二枚は、昨日の朝。お日様の生まれるところは激しいオレンジと黄色の渦、それが、少しずつばら色がかって、水色と絶妙に混じりあいます。
こんな素敵な朝焼け、さぞや早起きをしたのか、と思われそうですが、実はこの時期、朝焼けハンティング(?)には絶好なんです。つまり、同じ時間(7時)に起きて、すかさず外を見ると、こういう景色に出会えるんです。というのも、冬時間になり、日照時間がどんどん短くなっているせいです。もうしばらくすると、起床時間はまだ夜中のような状態になります。
そして、今朝。
言葉を失うとはこのこと…。 会社行きたくねぇなぁ、とかだらだらしていたのを、瞬時に忘れ、馬鹿のように、うっわ~!と叫んでしまいました。
ちょっと寄せてみますと…。
なんだこれ。すごすぎ。光る水が、空を流れているみたいな。
ばら色がどんどん拡散して、根元のオレンジが拡散して、全体に広がっていきます。
お日様色になっていくんですね、どんどん。そして、背後の水色と溶け合って。 いやはや、朝っぱらからたいしたスペクタクルでした。 ミラノにも、空はあったよ、と思いました。青空はたいしたことないんですけれど、朝焼け夕焼けはなかなかのもんです。我が家は、東向きの視界は、このように広いのですが、西側は、割と近くに建物があり、視野がさえぎられ、家から夕焼けを楽しむことはできないのが、残念。
ところで、最近、ついスマホで撮影することも多いのですが、今回分かったのは、スマホって、視野が狭い?そして、デジタル・サイズなんですね。縦長って言うか、長方形過ぎて収まり悪い…。わたしのスマホ・カメラの設定のせいかもしれませんが。
今しばらく、本当にわずかの期間と思いますが、朝が楽しみです。
2014/11/22(土) 02:53:06 |
ミラノ徒然
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アストゥリアス・ロマネスク28
アラミルAramil、サン・エステバン・デ・ロス・カバッリェロス教会Iglesia de S Esteban de los Caballeros続きです。 この小さな小さな礼拝堂の本当の見所は、後陣にあります。
かなり地味な姿です。帯装飾と、ひとつの窓。 でも、ずっとこの旅を追ってきたら、どこが見所が、きっと分かるでしょう。 そうです。びっしりと並んだ、軒送りの彫刻です!
ファサード側から回り込んできて、ここに来て、そうだ、このために、ここに来たかったんだ、と思い出しました。とうとう雨が降ってきたんですが、かまっちゃいられません。 とりあえず、いくつか並べてみます。
軒送りだと、通常かなり高い位置にあるので、双眼鏡がないと細部がよく見えないことが多いですが、ここは教会が小さいので、距離が近いです。だから、それぞれのモチーフの面白さも肉眼で分かるのが嬉しかったです。興奮して、何度も行ったり来たり。 その割には、雨のせいもあって、ぶれた写真も多くて、撮影には少々がっかりでした。普通は、肉眼でよく見えない分、写真を見て感動することも多いのですが、ここについては、写真は、現地での感動にかなうものではありませんでした。
この辺りのモチーフを代表するような彫り物が、どれもかなりよい状態です。それぞれの彫り物に、つながりがなさそうなのが面白いです。変な動物がいるかと思えば、巡礼の人がいたり、植物モチーフや鉋屑などの伝統的なものと並んで、宙返りの人とか。
そして、ヴァルデバルセナのように、それぞれの彫り物の間の壁には浅浮き彫りが施されています。
全体としては、一見地味なのに、細部の装飾は、びっくりするほどの作りこみなんですね。
このあとも、軒送り彫刻には、あちこちで楽しませてもらうのですが、ここが最初の、これほどオリジナルな状態で数多く残っている教会だったと思います。だから、興奮も激しかった。小さい教会で、中にも入れなかったというのに、撮影記録を見ると、30分近くも見学していたようです。最後は、本当にひどい雨となって、傘は持っていたものの、さすがに退散を決めました。
まだ時間の余裕はあったものの、かなり幸福にお腹一杯だったので、この日はこのままホテルに向かいました。 オヴィエドの町で車を置いてから、食前酒にビールを一杯。長い一日、あちこちで出会った素敵なロマネスクを反芻しながらいただくお酒は、まさに至福ですね。ついつい至福を求めすぎてしまうのが、わたしの欠点ですが。
2014/11/21(金) 05:08:13 |
アストゥリアス中世
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アストゥリアス・ロマネスク27
ヴァルデバルセナで楽しい軒送りを発見して、ウキウキした気持ちだし、時間の余裕もあるし、もうひとつこの辺りの教会をやっつけるか!と思ったのですが、これがもう大失敗。全然違う場所に向かっていることに、ずいぶんと走ってから気付きました。この前に訪ねたプリエスカの標識が見えてきたんですから、もうびっくりです。
これまでの記事に書いたか忘れてしまいましたが、この辺り、とても狭い範囲内に、同名の村が、ひしめいているんです。 これは、旅の計画をしている段階で、薄々気付いていました。というのも、グーグル・マップで村の検索をしても、特に小さい村の場合、出てこなかったり、予想外の場所にヒットしたり、ということが多数あったのです。それで、わざわざ旅行専門の本屋さんで、この辺りの一番詳細な地図を購入したのです。20万分の1がほしかったのですが、25万分の1が限界でした。それでも、この辺りのはず、と辺りをつければ、とりあえず見つかることがほとんどなので、ネット上で検索するよりはずいぶんと役立ったのです。
で、現地へ行ったら、今度はナビが、グーグルマップ状態になってしまったわけです。地名を入れた時点で、全然違う場所を目指してしまったのです。数十キロも走って気付いたので、かなりがっくりしました。そもそも、既に夕方となっていたことだし。
気付いた地点で、自分の愚かさも、この土地の地名も、ばかばかしくなってきて、きっぱりと見切りをつけて、オヴィエド方面に戻ることとしました。 地域では、同じ聖人があがめられていたり、同じような伝説が語り継がれていたり、それで同じような名前をつけたがる傾向があるのかもしれませんが、ここまで同じ地域に同じ場所って、同じスペインでも、初めてのことと思います。もうちょっと創造力を発揮しろよ、アストゥリアスの人々よ。と思うこと仕切りでしたが、これ、お隣のカンタブリアでも、かなり似たような状況でした。ううん。どうなっているのだろう。文化?ううん。
仕方ありません。せめて、帰り道に寄れる場所に寄れれば、と前向きになり、こちら方面に来るとき、すぐに見つからなかったアラミルAramilを目指してみることにしました。ここも、ナビではうまく出てこなかったので、基本、紙の地図と、道路標示が便りです。既に失敗しているので、無理なく、見つかったら寄る、位の気持ちで行こう、と気持ちを取り直して、再出発です。
ところどころ迷いながらも、何とか、この道沿いにあるはず、という道にはたどり着くことができました。 そういえば、車に乗り出した頃は、まだナビがなかったので、紙の地図と人に尋ねる情報だけで、結構最後はたどり着いていたんだよね!と自画自賛。(現実には、たどり着かなかったことも多々あったのですが、そこは考えないようにして)のろのろ走っていたところ、左側に村の表示があるじゃないですか! やった!とすぐに左折。入り口辺りに数軒民家が立て込んでいる村で、見晴らしが利かず、方向が分かりません。村の人が歩いていたので尋ねると、この先のあれだと思う、というような頼りないアドバイス。とりあえず先に進むと、ずいぶん先の方に、教会っぽい姿が見えてきたので、確信して進みました。
しかし、確信とは裏腹に、ひどく農道状態の道で、どんどん不安になりました。そして近くまで来たら、どうやら全然別の時代の別物でした。
一応車を降りたのですが、結局また車上の人となり、狭い農道をユーターンするしかなくなったのですが、そのとき、この方が…。
どっどっど、という感じで寄ってきましたので、慌てて車に乗りました。マジで怖かった~!めったに来ない車の気配に、興味を持ったのでしょうか。到着したときには、遠くの方にいたはずなんです。牛も、近くだと、迫力ありますねぇ。
で、元に戻って、もう一度村の人に尋ねたところ、全然違う方向を指示されました。農道状態の細い道を、先に進むしかない状態です。いい加減進んだところで、これでは、他の村に入ってしまう、と気付いて引き返し、道端で樹木の剪定をしていた方に尋ねると、この道の先のあれだと思う、と。
この辺り、余裕がないので写真を撮っていないのが残念ですが、本当に田舎のでこぼこ道の連続で、先に行ったらどうなることか分からないような様相です。空も掻き曇ってきて、今にも雨が落ちてきそう。でも、道を示してくれた人が、大丈夫、車で行けるよ、というのを信じて進み、やっと開けた草原に佇む、小さな小さな礼拝堂にたどり着きました。
サン・エステバン・デ・ロス・カバッリェロス教会Iglesia de S Esteban de los Caballeros。 ほんとにこれ?こんな小さい?と思いつつ、車を停めました。もう、雨が落ちてきています。
見れば見るほど、小さい…。こんなに苦労して、牛に脅かされながら、わざわざ訪ねてくるべき価値があったんだろうか、と既にがっくりした気分。しかし!
ファサードの入り口。小さいけれど、そして取ってもシンプルだけど、素敵に装飾がされているではないですか!
再建も含まれているのは明らかですが、面白いモチーフが見られます。左側の柱頭。
グリーンマンだけど、蔓をはいているのではなくて、大きなやつでのような葉っぱをくわえてます。 右の柱頭は、植物系。
そして、右側に回りこんだら、こんなに小さい建物で、そして、ファサード側に立派な扉があるというのに、南側にもしっかりと扉があるのです。
幾何学モチーフというか、よく見ると具象的のようなアーキボルトが面白い。
アジの開き、またはモディリアニ風女性の顔、または、なんでしょう? アーキボルトは、正面扉の方も、幾何学モチーフだけど、好きなタイプでした。
そういえば、こちらは、扉の上に、どくろが置かれていたんですよね。これはロマネスク時代じゃないと思うんですけれど、こんなの初めて見ました。リアルで怖い~。ライオンを置くような感覚だったのかしら。
小さいけれど、見所満載。単純なわたしですから、すぐ嬉しくなってしまいました。実は本当の見所は、これから。
2014/11/20(木) 05:17:57 |
アストゥリアス中世
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ピエモンテ・グラッパ合宿、その2
マローロで、かなり満足のいくお買い物ができたあと、そろそろ夕暮れも迫ってきたので、宿泊するアグリツーリズモ方面に向かう途中にある蒸留所に立ち寄りました。
もう6時ごろだったけれど、まだ夏時間だから、よい感じの夕方の光に、どっさりと積まれたかぼちゃが、輝いていました。
かぼちゃって、何でこんなにきれいな色なんでしょうね。この秋、趣味で農業をやっている友人が、デコレーション用の小さなかぼちゃをいくつかプレゼントしてくれたんですが、丸や楕円や細長や、どれも形が違っていて、色がバリエーションに富む暖色系で、見ていて、あまりのかわいさににっこりしてしまいます。種を残すだけなら、こんなにいろんな形や色の必要ってあるのかしら。不思議な野菜ですね。
さて、この蒸留所、農道のような通りの先に、ひっそりと建っていて、雰囲気あります。ここでも、今まさにお仕事中。倉庫の中には葡萄粕がどっさり置かれていて、葡萄のにおいが漂っています。
Distilleria Vieux Moulin Motta di Costigliole d'Asti
まるで普通のお家の居間のような販売所+試飲所です(乳母車が置かれていたり、タオルがかけてあったり。なんか、落語のうなぎの幇間?だったかな?思い出しちゃったな。これでイメージが分かる人はいないだろうけど~)。並んだボトルのラベルを見て、友人共々、「知ってる~!」と叫んでしまいました。
これ、つい最近、その友人がプレゼントしてくれたものだったんです。もちろんとっくに飲んでいたのですが、ラベルを記録しとこうと思って、まだ瓶を捨てていませんでした。 飲んだばっかりだったので、少なくともこのバルベラはこんな感じだった、というのを覚えていたし、販売所でも2種ほど飲ませていただきましたが、わたしの好みではなかったので、購入せず。お値段はかなり安めで、地域のお手ごろな酒屋さん、という位置づけで製造しているお店と思います。
アグリツーリズムに向かおうとしつつ、一日の終わりとしては、ちょっとびしっとしないね、という感じで、結局、もうひとつ訪ねてみることにしました。実は、ランチをいただいたレストランの棚に置かれていたボトルを見て、どこの蒸留所が調べていたのですが、それが、この地域だったのです。 こういうとき、モバイルでネット接続できると、本当に便利ですねぇ。一度スマホを持ってしまうと、確実に後戻りするのは難しくなります。
結構わき道に入り込み、相当でこぼこした道を行った先、いかにも農家、というたたずまいの蒸留所です。
Distilleria Rovero Frazione San Marzanotto 216 Localita' Valdonata, Asti www.rovero.it
まさに、そろそろ仕事じまい、というような時間。18時半回っていましたから。幸いにも、ちょうど居合わせたオーナーさん、あと30分くらいで、ちょっとアポがあるんだけど、それまでなら大丈夫だよ、ということで、お疲れのところ、申し訳ないけれど、お邪魔することにしました。
農作業直後ですから、よれよれの格好しているのは当然ですが、このオーナーさん、タバコ片手で(それも古いジェネレーションらしく、指が焦げそうなくらい、フィルターぎりぎり根元まで吸う)、製造所も、整理整頓苦手な様子で、正直、どうだろう?という印象でした。でも、とても丁寧に説明してくださるのは、好感度高かったです。
左端が、その方。なんかちょっと、味のある役者さんみたいな雰囲気ですねぇ。時間があまりないというのに、ゆったりと説明してくださるのは、どこのオーナーさんも同じです。やはり自慢なんですよね。こういうのとっても楽しい。
では、と言って、販売所にいざなってくださいました。びっくりです。 だって、いきなりモダンとクラシックがうまく融合した、とても素敵な空間だったんです。農家空間と、すぐお隣なのに。
実際、ここでは、敷地の一角をアグリツーリズモにして、宿泊できるようになっていました。オーナーさん、意外とやるじゃん。お食事があるのかどうか不明でしたが、かなり素敵な雰囲気なので、今度調べてみようと思いました。
さて、試飲のお部屋もとっても素敵で、自慢のビオ・グラッパをいろいろ振舞ってくださいました。いやいや、試飲か。
ビオ、つまり有機農法で作っています。いろいろと規制も監査も厳しくて、手間がかかって大変なんだそうですが、強い信念を持って作っていることが、伝わってきました。 そして、どれをいただいても、おいしいんです!本当にびっくりしました。全然知らない蒸留所だったから、ますますです。生産量が少ないでしょうから、きっとあまり広範囲では見られないのでしょうね。
どれもおいしかったのですが、今回の目的ビアンカに中心に、結局3本。
ブラケット、ネッビオーロ、そしてバリックしたモスカート。 そうそう、今回の合宿での発見は、ブラケットですねぇ。前回はまったく気付かなかったですが(多分、どっちかと言うとリゼルバ中心だったため)、今回はビアンカ中心だったせいか、どこに行っても、勧められて。ブラケットは、ピエモンテの葡萄ですから、当然なんですが、知らずに、一年存した気分です。 ここのは、ボトルもラベルも、とても行き届いていて、かわいらしいです。開栓するのが楽しみ!
そういえば、前回の合宿も、最初に訪ねた蒸留所は、ランチを食べたレストランでいただいたグラッパがきっかけでした。われわれの合宿が、いかに行き当たりばったりか、ということではありますねぇ。でも、そんなのが、意外といい出会いだったりするのも、実際、面白いもんです。
2014/11/19(水) 05:25:18 |
グラッパ
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ピエモンテ・グラッパ合宿、その1
ピエモンテのグラッパ合宿は、昨年に続き二度目。既に昨年学習していたはずなのに、今年も計画スタートに遅れをとり、本来目指すべきアルバ近くの宿は既に満員。でも、われわれの目的はグラッパ蒸留所であって、アルバのトリュフ祭りではないのだから、と考え直して、今回は、アスティとアルバの中間くらいにある町のアグリツーリズモを拠点としました。
プロローグで暴露したように、スタートから大失態を犯したわたしのために、予定よりもピエモンテ到着が遅れてしまい、ランチから始めることとなってしまいましたが、ホテルやご飯の話は、あとでまとめて記事にしようと思います。
今回最初に向かったのは、昨年、週末完全にクローズしていたシボーネ蒸留所Distilleria Sibone。シボーネは、日本でも有名な生産者さんと思います。わたしは飲んだことないですが、日本語で「グラッパ」と検索すると、必ずここのグラッパが出てきますね。 しかし! なんというか。すっごく感じ悪いです。 前回の失敗を教訓にして、今回は平日の金曜日に訪ねたわけですが、門扉は固く閉ざされておりました。インタフォンがあったので、ベルを鳴らしたら、一応答えはしたものの、「事前予約でしか受け付けません」「今日は予定なし」「週末はクローズです」と、まったく取り付くしまのない対応で、憮然としてしまいました。
個人の客なんて、まったく眼中にないのですね。事前予約でも、きっと二人や三人ではだめ、といわれるのではないでしょうか。あまりの傲慢な態度に、本当にびっくりしました。グラッパって、地味な嗜好品だし、多くの生産者さんは、地道にファンを作っていく姿勢なのに、ここは全然違う。生産量は、おそらく普通の家族経営の蒸留所よりは多いのでしょうが、それにしても、たとえばフリウリ大手のノニーノなどと比べれば、ほんのわずかと思います。それでも、個人客よりは、日本やアメリカにどかっと売る方法でよし、と考えているんでしょうかね。いやだな~。
なんとなく寂しい気持ちになりながら、気を取り直して向かったのは、われわれにはおなじみのこちらです。
Distilleria Santa Teresa dei Fratelli Marolo Corso Canale 105/1, Frazione Mussotto Cn I, Alba マローロ~! なんか、看板が新しくなってる。ゆらゆらと風に揺れて、かわいいし! ここは、去年訪ねたとき、日本に留学してマーケティングを学びました、というイケメンの三代目が試飲を仕切ってくれて、とても楽しかったのです。そして、そのとき購入したドルチェットDolcettoのビアンカがすっごくおいしかったので、今回も買う気満々で訪ねました。
でも、残念なことに、三代目は、米国出張中とのことで、普通のスタッフの対応でした。がっかりです。でも、あとから他のお客さんの接客で二代目が出てきて、「以前いらっしゃいましたよね」と、大変嬉しい挨拶をしてくださいました。こういうところは、行き届いているなぁ。
前回合宿では、グラッパ・クラブの中でもわたしの初心者度が激しくて、よりまろやかで飲みやすいリゼルバ(樽熟成させたタイプ)中心に試飲をしていたのですが、あれから一年。さすがに毎日飲んでいると、少しは慣れてくるというか、味わいが分かってくるというか、そういうことがありまして。そうすると、グラッパの本来的なおいしさは、ビアンカにあるのではないか、という風になりまして。 そして、そういう矢先に飲んでいたのが、このマローロのドルチェットだったわけです。レトログストがスーッとして、びっくりするくらいさわやかな味わい。友人がここの大ファン、と言っていたのを、やっと納得できたんです。 というわけで、わたしの今回の目的は、基本的にビアンカ。
とは言いながら、もちろん試飲は一通りさせていただきました。
この左側の四角い瓶のが、昨年はなかったリゼルバもの。おいしかったですよ。いや、どれもこれもね。ここのはラベルもかわいいので、思わずラベル買いもしたくなっちゃいますが、結局、今回は初志貫徹、ビアンカ買い。
お買い上げ、3本プラス小瓶。モスカート、ドルチェット、バローロ種のビアンカ。小瓶は、昨年買っておいしかったモスカートの5年リゼルバ、お土産用です。箱もかわいいですよね。
あとから気付いたのですが、袋の脇にも鳥のイラストがあって、すごくかわいい~! ただ、お値段がちょっと高くなっていたことと、現金のみ、というのが、がっかりでした。何でもこの一年で酒税が高くなったりしたそうですし、相変わらずの不景気というのはありますから、値上げも致し方ないだろうとは思うんですが、現金だけって言うのはね。だって、80ユーロもの買い物ですよ。 三代目にマーケティングを勉強させて、日本や米国にビジネスで出かけさせて、なんかマローロもいろいろ変わろうとしているんでしょうが、よいところはちゃんと残していってほしいものです。
今回、裏の工場も案内してくれました。三人といえども、結構買ったしな。
今年は、昨年より2週間ほど遅い日程になっています。というのも、製造している時期に訪ねたかったから。というわけで、ここでも製造の真っ最中。原材料、葡萄粕が、どっさりです。忙しい中案内してもらうのも気が引けますが、やっぱり興味あります。
葡萄の濃厚なにおいが漂っていて、お酒を飲めない人は、それだけでくらっと来ちゃいそうな感じです。
相変わらず、仕組みがよくわかっていない蒸留の器械。
なかなか覚えられないんですが、次回の合宿までには、せめて製法やそれにかかわる単語は押さえたいものです。それにしても、蒸留の器械って、なんか愛らしい。
そして、リゼルバの樽。
細かい話忘れちゃってますけど、長いリゼルバ物は、通常アクセスできない場所に保管されています。
お酒は税金も関係してくるし、管理が厳しいんですね。この中に必要があって入る際には、きちんと当局に申請し、同行してもらわないといけないそうです。
というわけで、シボーネにがっかりしたものの、マローロで元気になりました。やっぱりいいよ、ここは。現金商売は、改めてもらわないと困るけどね。
2014/11/16(日) 03:51:20 |
グラッパ
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「闇は知っている」池波正太郎(新潮文庫) 「闇の狩人 上・下」池波正太郎(新潮文庫)どっちを、いつ先に買ったものか、既に忘却の彼方ですが、「闇は知っている」はとても薄い本で、その解説に、闇の狩人が出てきて、おお、持っているじゃないか、と思って、立て続けに読みました。同じお話なんです。久しぶりの池波小説。やはり正統派時代物。とにかく面白いんですよね。いまどきの時代小説ファンは、池波を読まないみたいなんで、がっかりします。この人の剣客商売なしに、時代小説は、ありえない…!
「サイモン・アークの事件簿①②」エドワード・D・ホック(創元推理文庫)”よき時代の推理小説的”な、ちょっとホラー的雰囲気盛り込みの大時代的な推理小説。いや、推理小説じゃないのか。ホラー?なんだろ?
「のぼうの城」和田竜(小学館)タイトルだけは知っていたので、どっかで購入したはず。漫画的に面白いけど、浅い…。いまどきの、”売るための””売れるための”マーケティング計算済みの時代小説って感じかな。
「一勝九敗」柳井正(新潮文庫)ちょっと前の本ですけどね。プロジェクトX好きですから、企業の成長話、大好きだったりします。でも、いまどきの企業人って言うのは、数字が先にありき的な人が多くて、器が小さいって言うか、夢がないって言うか、ドラマ的な面白さがないですね~。
なんだか、数がこなせないのが、辛いなぁ。何でこんなに読めなくなっちゃったんだか。
2014/11/15(土) 07:12:05 |
読書、備忘録
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