師走になると、やっぱり走っちゃいますね。
忙しい…、やはり忙しい。仕事がね。普段、やらないもんで、やる習慣がないもんで、だから、ちょっとやらないといけない、というだけで、アワアワしちゃうわけです。
今日だって、本当は半ドンの金曜日なのに、だから、同僚のほとんどはいつも同様に、昼過ぎにはいなくなっているのに、おいおい、16時だぜ、いやいや、もう17時、みたいな感じで切り上げることができず、イライラ。一方で、いや、世間の多くの皆様は、金曜日も普通に働いているだろう?と思いながらも、これではスーパーへの買出しの時間が、云々…。
日本を考えると既に、激甘なんですが、でも、金曜17時というのは、わが職場では、平日22時、という空気なんで…。
そうはいいながら、クリスマスは近い。っていうか、だからこうやって走っているわけで。
面倒だな、と思いながら、そして、ほとんど、もうやめようかと思っていたのが本音なんですが、今年も、ちゃんとクリスマス・ツリー、出しました。
点灯!
面倒と思いながらも、出す元気が出たのは、オーナメントをちくちくと作ったからなんです。
新しく作ったものは、こちら。
作ったといっても、実は、フェルトに、ビーズやボタンを縫い付けただけなんですけれどもね。
クリスマス関係を探して、あちこちうろうろしている際に、近所のよく行くメルカート(青空市場)で発見した、クリスマス向けのランチョン・マット。
一人前1ユーロを、赤白二枚購入。それを適当に切り刻んで。
ビーズをちくちくと縫い付けるのって、結構手間なんですよ。でも、元来ちくちく好きなのが、若干パッチワークにも飽きていたところで、ちょうどよい、新しいちくちくアイディアだったんで、すっかりはまってしまって。古いビーズも、いい加減、使い切ってしまいたかったし。
それに、クリスマスのオーナメントって、もちろんお金を出せば、素敵なものも一杯あるのですが、でも、すごく高かったり、それでいて、趣味が合わなかったりで、意外とほしいものってそこらであるもんじゃないんですよね。
吟味したわけではないけど、なんとなく過去に気に入って購入したものは、それなりに好きなんだけど、こういうの、最近は出会えません。
クリスマス・ツリーを抱えたサンタ・クロース。焼き物。かわいい~!
右上は、木製彩色のサンタ・クロース。左腕がピン止めしてあって、動くのがかわいらしいし、素朴感が大好き。左下は、かつて、ローテンブルグのクリスマス屋さんで求めた、本格的くるみ割り人形。
右の方は、陶器のくるみ割り人形。人相の悪いのが、いかにもって感じで、好き。手前のツリー・オーナメントは、何年も前に、友人がプレゼントしてくれたもの。
きっと、本格的なクリスマス・マーケットは、こういう風に、好きになれるオーナメントなどを探しに行く、というのが、本来の目的なんでしょうねぇ。クリスマス・マーケットの本場はやはりドイツなどの北方。ミラノだと、すぐ近所にはそういう本格マーケットはないので、なかなかね。たまには、トレントやアルト・アディジェに行くのも有りかもと思いますねぇ。
とか何とかいいながら、毎晩、ツリーの電飾をぺかぺかさせながらくつろぐ、というこの季節の雰囲気は、なかなか好ましいのですよね。
週末は特にね。乾杯。
- 2014/12/13(土) 07:47:39|
- ミラノ徒然
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グラッパ合宿、フリウリ+ベネト、番外
あちこちで何度も書いてしまいますが、ブログは、自分のための記録なので、かなり時間がたってしまったフリウリ・ベネトのグラッパ・ツアー、お泊りやお食事関係も記録しとこうと思います。
お食事編。
チヴィダーレ・ディ・フリウリでは、レストランがよりどりみどりなのは、以前夏休みに滞在したときに記事にしたかと思います。今回は、そのとき、定休日でいけなかった、ロカンダ・アル・ポモドーロでのランチが、皮切りでしたが、それは前項で記したので、割愛。
しかし、その後、あまり恵まれなくて、そんな中で、発見だったのが、このレストランです。
Antica Trattoria Al Sole
Via Fontana Fozze 2/1, Castagnero (VI)
www.anticatrattoriaalsole.com
山にも近いロケーションの田舎町。まるで普通のお家のようなたたずまいの、レストランです。内部は洗練されたお洒落なもので、地域の結婚式などのユースがありそうでした。お皿も凝っていてオサレ~。
サービスもとってもよかったし、お値段も納得感、ありました。こういう、田舎のちょっとしたレストランって、本当に満足感あります。
もひとつ、大衆的なんだけど、意外とおいしかったのが、こちら。
Azienda Agrituristica Borgo San Piero
Via San Pietro 69
Castello di Godego (Treviso)
泊まったホテルはロカンダだったので、レストランがあったのですが、ちょっと高かったので、ホテルから近かったこのアグリツーリズモにわざわざ食べに行ったのです。
見た感じ、かなり巨大なアグリで、こういうところはだめなのでは?と、ほとんど絶望気分。
メニューも、なんかとっても普通な、大衆的なものしかなかったように思います。盛り付けも、ほとんどドサドサとした昔ながらのイタリア風。
でも、おいしかったんです。タリアータをいただきましたが、適当に柔らかくて味も適切な感じで。ただ焼いただけ、って言うのがありありなんだけど、素材がよいのでしょうかね。こういうドサドサとした店、結局好きなんですよ。
宿泊編。
最初に泊まったこのB&Bは、本当にお勧め。
Casa della Fornace B&B
Eleonora e Alessandro
Via Venezia 7, San Vito di Torre, Udine
若いカップルが、割と最近始めた宿で、すべてピカピカ。と言っても、もちろん、お家は古い建物を使っていますから重厚。お部屋は天井が高くて天窓があって、洗面所も広々と取ってあって、清潔感があり、センスもいいんです。朝ごはんは、母屋のオープンスペースに置かれた大きなテーブルで、宿泊客が一緒に座るスタイルで、フランスのシャンブル・ドットみたいに、夜もお食事を出せばいいのになって思いました。母屋も、これはイケアっぽいな、というインテリアがあったりするんですが、全体にセンスがよくって、雰囲気、とても気に入りました。オーナーご夫婦も気持ちのよい人たち。そして、何より、お値段もびっくりの安さです。
とはいっても、なかなかこのような場所に行く人はいないかも、ですけれど。
ポルデノーネが比較的近いですが、でも歩いていける近所に、よいレストランがなさそうなのが、ちょっとネックです。
もうひとつのホテルは、こちら。
Locanda con cucina
Al Sole
Via San Pietro 1,Castello di Godego (Treviso)
www.locandaalsole.it
それなりにお洒落感があるホテルだったのですが、そしてお値段とのバランスも悪くはなかったのですが、レストランが意外と高かったし、ちょっとなぁ、ってとこでしょうか。
ロケーションも、写真だと、すっごく緑の中、みたいに写っていますが、実は結構大きな交差点(五差路くらい)の角っこなので、決して、勧められるような雰囲気はありません。
ロカンダは、やはりレストランが使えないと、意味ないですね。
というわけで、おまけのフリウリ・ベネト・ツアーでした。
- 2014/12/10(水) 04:07:53|
- グラッパ
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アストゥリアス・ロマネスク34(最終回)
時間的には、そろそろランチの具合などを考えて、カンタブリア方面に移動すべき頃でしたが、もうひとつ、ほぼ通り道にある教会に、立ち寄ることにしました。ゾディアックでも推奨の修道院教会、サン・アントリン・デ・ベドンMonsterio de SanAntlin de Bedonです。
しかしここでまた、場所が分からず。紙の地図には出ていたのですが、相棒のナビでは、修道院を入れても、ベドンと入れても出てきません。仕方ないので、適当な出口で高速を降り、ちょうど路肩に駐車していた車の人に尋ねてみました。
幸いにも地元の方たちだったようで、こちらにスペイン語のハンデがあるのに、とても分かりやすく指示してくれ、それが結果として、びっくりするくらい正確でした。道を教えるのって難しいし、イタリア語でもぼんやりすることも多いので、この正確さには、本当にびっくりしました。
そしてまた、ロケーションの特異さにもびっくりです。高速の真下を走る国道の脇で、両側ほとんど森状態。道端に、修道院を示す看板があったものの、あまりに木が茂っている野生状態の林に、入っていくべきかどうか、とりあえず路肩に駐車した車中で、しばらくどうしたものか、考えていました。
すると、茂みから、一人の女性が出てきました。上の写真は、茂みの中に入って、後ろを振り向いたところですが、木陰に女性がいます。自転車で、これからサンチャゴまで行くという巡礼の方でした。英語とスペイン語ちゃんぽんで、ちょっと立ち話しました。素晴らしい教会よ、いいところに来たわね!と日焼けした顔でにっこり。中年の方でしたが、一人で、自転車でなんて、勇気あるなぁ、と感心しました。昔に比べたら、巡礼の道は相当整備されているようですが、それでもここのように人気のない田舎を、自転車で旅するというのは、怖いようです。
わたしも一人旅ではありますが、少なくとも自動車ですから。
いずれにしても、この人が見てきたんだから、大丈夫、と心強くなりました。
そもそも、この修道院が、廃墟になっているとは思いも寄らなかったのです。
入り口はともかく、看板に従って進むと、すぐに廃墟が見えてきます。
修道院というよりは、農家のようです。
廃墟状態の建物の向こう側に、教会があり、そこだけは、どうやら、一部修復工事がされているようなのです。
先の女性が、「馬が二頭いて、かわいらしかったわ~」と言っていて、わたしの聞き間違いかと思ったのですが、確かに馬がいたので、びっくりしました。
教会のファサードの左側に建物がありますが、そこが馬小屋になっているのでした。
馬臭い~。馬糞とわらのにおいで、決してうっとりするようなものではありません。その上、ちょっと低くなっているファサードの入り口とこの馬小屋の建物前一帯は、おそらく以前降った雨と、そして掃除されていない馬糞で、どろどろ…。とても足を下ろせそうな状態でもなく、また、馬小屋の扉は閉ざされていないし、その上、馬がつながれている様子もない…。
かつて乗馬をしておりましたので、馬には比較的慣れているのですが、同時に、馬が本気を出したら怖いことも分かっており、とても近寄ることは出来ません。いやはや、困りました。
びくびくしながら、可能な限り近寄って、ファサード見学。
立派なファサードです。そして、相当修復されている様子が見えます。側柱は全部新しいし、アーキボルトも、装飾的に古いものは残っていません。柱頭も、同様。ただ構造だけ、古いものを再建したのでしょう。
ここで見るべきは、扉上部の軒送りです。アストゥリアスの石工さんたちは、この装飾彫り物が、本当に好きだったのですねぇ。
面白いです、動物から聖職者など、バラエティーに富むフィギュアが、怪しい変な形をしていて、なんだってこんなもの達を彫りつけたものか、と感嘆を覚えます。
南側にも扉があり、教会の大きさから言うと、やけにでかくて、プロポーション的にはどうなのだろう?というスケールです。トップの全体写真で分かると思いますが、ファサード側の扉とほぼ同じ大きさで、スタイルも同じ。
こちらにも、同じような彫り物があります。
ただ、こちらは修復がされていないようで、傷みが激しかったのです。残念。
肉眼ではよくわからなかったのですが、改めて写真で見ると、正面側と同じモチーフがたくさんあります。もしかすると、こちらを参考に、再建したのが正面?などとも思ってしまいました。というのも、扉周囲の装飾も、まったく同じだからなんです。
後陣。
付け柱はオリジナルなんでしょうか。窓の周囲と同じ石なので、本当に古いものかどうかは分かりませんが、少なくとも、最近塗られたのであろう漆喰に比べれば、古い時代の構造物であることは間違いありません。ここにも軒送りがあったかもしれないです。
この周辺は、草原となっています。あの馬も、こちらにいれば、もうちょっとこころ穏やかにファサードを観察できたんですけれどね。
しかし、馬がいるということは、これは私有地、個人の所有物となっているのでしょうね。修復の経緯も不思議ですけれど、これほどの状態になってしまったのに、よく、残っているものです。
美しい緑に、しばし、リラックス。原生花園状態で、多くの花が咲き乱れていました。蜂や蝶が飛んでいて、ちょっと夢のような。
これでアストゥリアスにお別れです。もう少し東に進み、カンタブリアに向かいます。
- 2014/12/09(火) 04:34:57|
- アストゥリアス中世
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アストゥリアス・ロマネスク33
サン・ペドロ・デ・ヴィリャヌエヴァ教会Iglesia de San Pedro de Villanueva、続きです。
往時の扉装飾です。
アーキボルト部分は、植物系のリピート文様で、重なりも重厚で凝っているけれども、面白味はないのですが、左側の側柱に載っている柱頭彫り物が、独特なんです。これ。
騎士と女性がキスしているシーンが並んでいます。この部分は、特にクローズアップされることが多いようです。
今のところ、歴史的なことは全然調べてもいないのですが、騎士ということは、ちょっと下った時代ということになるんですかね。こういうシーンって、フランスでもお目にかかったように思いますが、イタリアでは見たことのないモチーフ。フランスだと、十字軍かと思いますが、この辺りの歴史背景を考えると、イスラムとの戦いの歴史がもっと以前にあるから、十字軍を待たずして、こういうモチーフが既にあったということなのかな。
それにしても、顔くっつけまくりの濃厚接吻ですねぇ。
この教会、例によって、後陣軒送りが、これまた大変面白いです。フレンチならぬ、スパニッシュ・キスを堪能(?)した後は、おなじみの後陣鑑賞です。
三つの後陣すべての軒送り、そして、本堂の側面部分にもあり、かなりよく保存されています。小さい後陣のものは、結構低いので、鑑賞にもうってつけ。
面白い形を、一気に。
これは、男根系、とでも言うかな。
キリスト教になっても、一部、異教的な、原始宗教的なモチーフというのは、どっかに残されるもので、この地域の軒送りでは、特に、そういう系統のモチーフが多く見られます。エロチックというより、プリミティブ。まだそういう時代の名残が大いにあったんですね。キリスト教が、「清教徒」とかなっていくのは、ずいぶん先の話で、出発点は、こういう状態なんですね。
変な顔系。何だろう、意味が分からないし。
そして、そういう変なものの間には、植物系のモチーフでびっしりと装飾的な浅浮き彫り。
この、真ん中三人組、ヴァルデバルセナの彫り物に似ています。これ。
何だろう。不気味なんだけど、かわいい…。
もうきりがないくらいに、楽しいです、ここの軒送りは。離れがたいながら、いやいや、そうも言っていられないだろう、と別れを告げました。
ちょっとだけ、パラドール周辺を散策したところ、やはり村ではあるのでした。
昔の高床倉庫があちこちにあって、結構現役で使われている、そういう村。
道端で猫が遊び、おじさん達がのんびりと語らいあい、時間がゆっくりと過ぎていく。確かに、ミラノとは違う時間の流れで、アワアワして駆けずり回っている自分が、一体なんだろう、と思えてくる空気に満ち溢れていました。
この、ほんのひと時の散策が終われば、わたしはまた修行に戻り、一人ばたばたと駈けずり回るのだなぁ、などとぼんやりと考えながら、しばし、こころの休息を得たものです。
- 2014/12/07(日) 07:47:44|
- アストゥリアス中世
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時間の過ぎる速さに呆然としています。まさか師走とは。
そして、師走になると、なぜこうやって、きちんと忙しくなってしまうのか。
今年は、特に仕事の状態がひどく、本当に暮れまでに片付くのか、わたしにとっては珍しく、若干不安を覚えております。といいながら、ここはイタリアですから、本当にどうしようもなくなるまで、余計に働いたりしません!
日本だと、そういうわけにも行かないのでしょうが、皆様においても、あまり無理せずに、安らかな日々を送られますように。
まぁ、忙しかろうかどうだろうが、読書はするわけですが、スピードは日々衰えているし、やはり時間がないので、量は減る一方です…。
「新水滸伝1-4」吉川英治:めちゃくちゃ面白い~!ヘタな漫画の上を行くめちゃくちゃさで、久しぶりにのめりこみました。登場人物が異常に多いのに、みんな常軌を逸した人ばかりで、その上単純で、強烈な印象だから、混乱なく、筋を追えるのがすごい。やっぱり吉川英治はいい~!
「原始の骨」アーロン・エルキンズ(早川書房):骨の学者さんシリーズ。うまくて、あっという間に読み飛ばせてしまいます。翻訳物、というせいもあるのでしょうかね。でも軽くて、なんかちょっとハーレクイン・テイストもあって、この手の外国モノは、それなりに楽しく読むけれども、自分では買わないかな。これも借り物です。
「アンリ・ルソー楽園の鍵」岡谷公二(平凡社ライブラリー):アンリ・ルソーの評伝。ルソーは、3年前にパリで美術館めぐりをしたとき、最も印象が強かった人。というのも、好きなんだけど、あまり本物の絵を見る機会に恵まれないままだったので、オルセーの大型の絵画の迫力にたまげてしまったんです。同時に、小品でも、その緻密さと色彩の美しさ、みずみずしさに呆然としました。で、この本で、ルソーの強烈な人となりに、がっつん、とやられました。あまりに純粋で、読んでいて、時々悲しくなるくらいの人物で、彼を愛さずにいられなかった多くの人々の気持ちが伝わってくるというか。ディケンズの小説を彷彿としちゃいました。要は、大時代な人物っていうか。芸術家の評伝が、これほど琴線に触れたのは初めてかも。
「俺は中小企業のおやじ」鈴木修(日本経済新聞社):スズキ自動車の会長の自著。この会社で、この人の下で働きたいとは思わないけれど、この人のカリスマというのは、意外と好きなんですよね。やはり持ってる人は何か違うなって言うか、いまどきのこつぶな経営者とはスケールが違うって言うか。80超えても、世界を飛び回り、国籍関係なくどこの社員にも節約を説いて、毎週のようにゴルフしてるってだけでも、半端なさ過ぎて、もしかして、既に人間じゃないのか、と思ったりします。
「豆腐小僧双六道中」京極夏彦(角川文庫):この方の本は、ずいぶん前にトライしたけれど、読み終えるのが苦痛だった記憶しかないんです。この本は、また分厚くて、文庫本で3センチくらいあるんじゃないかな。病気でお休みした日に、ふとベッドに持ち込んで、半分うとうとしながら読み出したら、なんかすらすらと読めてしまって不思議でした。筆力はある人なんだな~。で、なんかやめられず、かなり早いペースで読み終えてしまいました。だから何、というような内容じゃなかったけれど、読む楽しみ、みたいなものがありました。不思議。病気だったからかな。
相変わらず、読書内容が、めちゃくちゃ。われながら、あきれますねぇ。
- 2014/12/05(金) 07:02:42|
- 読書、備忘録
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アストゥリアス・ロマネスク32
パラドール併設の、サン・ペドロ・デ・ヴィリャヌエヴァ教会Iglesia de San Pedro de Villanueva、続きです。
内部をじっくりゆっくりと、貸切状態で堪能したあと、パラドールでトイレもお借りして、当時の面影を残す部分を見学。
すべてが整然と美しく作りこまれていて、さすがパラドールは美しいです。
ここ、元は修道院で、長い時間栄えた場所のようで、よくあるパターンですが、古い時代の建物に、重層的にいくつもの建造物が重なって建てられているのです。
トップに置いた写真の中庭は、ちょっと後の時代の回廊跡のようですが、パラドールに建て替える際の工事で見つかったのか、またはそれ以前に、既に考古学的な発掘をして存在が分かっていたのか、ロマネスク時代の、より古い回廊の、礎石の一部が、そのままの姿で、見えるようになっていました。
すごく地味ですが、こういう感じ。平面図の、右下に囲ってある部分に、残したようです。教会の柱頭の素晴らしさを考えれば、回廊にも、同じように素敵な彫り物の柱頭があったはず。直近の回廊は17世紀のもののようなので、それよりもずっと前に朽ちてしまったのでしょうが、ですから今更悔やむのも変な話ではありますが、これは実に惜しいですね。
いずれにしても、ここは、いつか泊まりに来たいものです。宿泊棟は新しいですが、この元修道院部分は、あちこちに古いものが並んでいるので、雰囲気が楽しめそうです。
今回も、ばたばたとトイレをお借りするだけでなく、ゆったりとカフェでもいただきながら、歴史の中に身を置き思いを馳せたい、という、普通の人が普通に楽しむようなことを、自分もしたい気持ちがなかったわけではないのですが、修行旅には、そういう時間が許されない…。いや、自分で決めただけのことなのですが…。いつか、修行をせざるを得ない煩悩から脱して、宝に囲まれても、アワアワせずにゆったり出来る人になりたいものです。
いよいよ、本当にお宝、後陣へ見学に向かいます。
パラドールが出来る前は、何もない場所に教会だけがあったのだと思います。その当時の雰囲気を、ほんのちょっとは想起できるように、教会北側には、草原が広がります。背景には山だけですから、当時、もう3,40年昔になるでしょうが、何もなかったときは、本当に素晴らしい風景だったことでしょう。山に向かう人しか来なかったでしょうしね。
まずは、後陣のすぐ脇に置かれた、扉です。
後陣の南側に塔があり、その下から教会本堂へ入る扉です。
南側からも、アクセスできます。
じらすわけではないのですが、自分の記憶のためにも、しつこくアップ。
ここも、本堂同様に、え?というような色に壁が塗りたくられていたのですが、それでも、残すべきところを残してくれているのがありがたいです。
というところで、すみませんが、to be continued...
- 2014/12/03(水) 05:01:53|
- アストゥリアス中世
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アストゥリアス・ロマネスク31
隠されてばっかりの、アストゥリアスのロマネスクめぐりも、いよいよ佳境です。
恐れていた内陸の道は、幸いたいした山道でもなく、無事にヴィリャヌエヴァVillanuevaへと到着です。
この村の手前から、いきなり「山に入ります」風になるので、一瞬びびりましたが、幸い、「風」にとどまり、本当の山道は、ここから始まるようです。
村に入ったようだと思ったものの、どういう構造かわからない。左手に、門のようなものがあるので、立ち寄ってみることにしました。
なんだろうかと思ったら、これ、カンガス・デ・オニスのパラドールParador de Cangas de Onisの入り口でした。ということは、ホテルの私有地?入っていいのかな?と、とりあえず、門の手前に停車。夏の暑い盛りのことで、日差しをさえぎる何物もない場所。中に入った方が、圧倒的に快適な駐車場になっているようでしたが、妙なところで変に気の弱い私は、そのまま車をうっちゃって、入場しました(内部は立派な広大な駐車場。部外者も入ってオウケイでした)。
広大な敷地を進むと、確かに目的地はここでした。
サン・ペドロ・デ・ヴィリャヌエヴァ教会Iglesia de San Pedro de Villanuevaです。
左手に、近代建築のホテル棟を見ながら進むと、先に、この中世の一角が。修道院をパラドールに改装したものですね。近代的な建築部分は、もう何十年も前からパラドールとして営業していたはず。というのも、ずいぶん昔に、母がここに泊まったことを聞いているからです。でも、修道院の改装は、おそらくそんなに昔じゃない、と思い、後から尋ねたところ、1998年から、ということでした。
そう古くないといっても、15年はたっていました。
修道院つきの教会部分の外観、および本堂を残し、修道院の部分は、構造はそのままに、内装は、一部の柱や壁を再利用しているものの、ほぼ新装。パラドールは、古い構造物を残すひとつの手段ではありますが、かなり大胆な工事をしてしまうので(要は全部壊しまくる)、結果に微妙なものを感じます。とは言え、一度は泊まってみたいかな。
修道院改装部分は、共有スペースとなっているようです。
外観は、時間の制約なしにいつでも見学できそうなので、まずは内部の見学に向かいました。ホテルのレセプションに行き、見学可否を尋ねると、さすがパラドール、というか、一応博物館扱いとなっているようで、びっくりするくらい丁寧な対応でした。パラドールだけに、皆さん英語も堪能。こんなにきちんとしているんだから、何か資料があるはず、と思い確認してみましたら、残念ながら、本はないんです、と。ちょっとした説明がインターネットにあるので、ではそれをプリントアウトしておきますね、と。ネットなら、あとから見ますから、というのに、結局印刷物をくださいました。激、親切。
観光客がうろうろしていますが、ここにいる人の多くは、山リゾートに来ています。宿泊の方は、一応、と教会の見学もするのでしょうが、教会のために来る人は、おそらく決して多くはないのでしょう。
レセプションの方は、本堂にいざなってくださり、「どうぞごゆっくり」と、戻っていきました。貸切です!
とは言え、こんな感じに新しくされてますから、あら、見るものないかな、と思ったのですが。
後陣は、ちょっとよい雰囲気。
これはおそらくバロック期とかに、全体漆喰塗り塗り攻めにあったのを、後代に、内陣部分は元に戻したとか、そういうことではないか、と想像します。
そして、目を凝らすと、柱頭に彫り物が!
グリーンマンならぬ、スネークマン?口から出ているのは、蛇です。顔も、顔らしいというだけで、思いっきり変です。
上部の市松模様も、下部の縄あみあみも、好きなモチーフ~!
動物とそれを扱う人々のフィギュアものが複数。
動物は、牛、ライオン、それから、グリフィンみたいのも。
解説がほしいところです。グリフィンのは、なんか珍しいし、面白いです。
スタイルを変えつつ、モチーフが全部一緒、というのも変わってますよね。
独り占めなので、じっくり見学できたのが嬉しかったです。
でも、この教会の有名どころは、実は外部にあるんです。
- 2014/12/01(月) 03:15:36|
- アストゥリアス中世
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