カタルーニャ・ロマネスクめぐり、その5
幸先よく、最初の訪問地テッラーサで、素敵なロマネスクに出会い、ルンルン気分で移動開始です。
しかし!
次は、迷いに迷いました。
ナビに従って行ったところ、途中まではよかったのですが、後ほんのわずか、という場所で示されたのは、どう見ても、歩行者用の道。というか山道というのか、あぜ道というのか、およそ車では無理でしょう、という道でした。
だけど、付近には尋ねる人もおらず、山道の手前で思案していると、どうやら、わたしとまったく同じような行動をしている車が目に付きました。
初老の夫婦。彼らは、行きつ戻りつした挙句、なんと、山道に入っていきました!ひぇ~、なんというチャレンジャー!
わたしは、結局、手前の村に戻り人々に尋ねる、という正攻法を取ったのですが、結構な田舎町だというのに、英語を話す人に出会い、その後は意外と簡単にたどり着くことが出来ました。
目的地は、サン・ベネ・デ・バージェスSan Benet de Bagesの旧修道院ex Monastirです。
しかし、ここには参りました。
まず、広大な駐車場に、駐車。
実に立派で、美しく整備された駐車場です。なぜこんなことになっているかも分からず、修道院があるらしい方向へ進むと、これまた、予期せぬ近代的な建物がどかん!
インフォメーション?ビジターセンター?なんだろうと思いながらも、実は、午前中は14時までという情報を、事前にゲットしていたのに、既に13時半を回っていましたので、気持ちはあせりまくり。そのため、目の端に飛び込んできた、トップの教会の姿を目指して、一目散に進みました。
教会の後陣側から近づくと、小さな門がありましたので、わき目も振らず、飛び込みました。
しかし、内部はがらんとしています。地図なども置いてあり、受付窓口らしい場所もあるのですが、人っ子一人いません。ままよ、と奥に進みます。
修道院の跡を近代風にした建物や、古いままの廊下などがあり、団体風の人々がガイド・ツアーをやっていましたが、誰一人、わたしに気を止める人もいません。困ったなぁ。教会と回廊を目当てに来たけれど、うろうろしても、それらしい姿がありません。
お掃除の人がいたので、尋ねると、教会は入り口の脇よ、と言うじゃありませんか。
慌てて戻りました。
大慌てで気付かなかったけれど、戻ると、確かに古い部分が多いのです。
そして、確かに入り口脇に、教会発見。
こういう時は、外観は後でも見られるので、とにかく中に入ってしまうこと。
中には、小学生の団体がいて、ガイド・ツアーの真っ最中でした。知らん顔をして、目に付いたクリプタに降りてみたものの、近代化していて、ロマネスクの痕跡、わずか。
戻って、ガラス・ケースに収められた母子像の撮影をしていたところ、ツアー・ガイドの方に、声をかけられてしまいました。
やばっ!撮影禁止だったか、ととっさに思ったら、スペイン語と英語交じりで、「いや、そうじゃなくて、今日は一般にオープンしていないので、あなたはここにいてはいけないのよ。詳しくは入り口にあるインフォメーション・センターで聞いてください」と、結構きつく言い渡されたのでした。
ええ~、こんなにスカスカに入れたのに。
納得できない気分で、それでも、入り口周りの装飾だけは、ちょっと、とほとんどつまみ出される状態だったのに、粘ってしまいました。
ガイドの方、相当憤然とした顔で、隣で怒っています。でも、このために来たんだもん!
そういう状況で撮影した割りに、ぶれることもなく、よく撮れていたのが救いです。
インフォメーションは、実に立派で、英語も堪能な娘さん多数。本日は、サン・バレンティーノで祝日扱いで、見学は予約の団体のみ、明日もクローズ、という非常についてないスケジュールにあたってしまったことが分かりました。彼女たちはてきぱきしていて大変親切で、もうしわけない、と言ってくれましたが、やっぱり納得できず。インフォメーションも、併設のお土産屋(これまた立派)も、オープンしていて、団体は見学しているんですから、一人くらい余計に参加したっていいじゃんか!と思ってしまいますよね。
もうひとつの目的である回廊が見られず、実に残念でした。
帰りに、表示されていた院内地図を見たら、おお、すごい。ホテルまでありましたよ。Hotel Mon。大きな会議場も併設。一大集客所。なるほど。
ホテルはとても現代的な建築だし、全体に新しいので、おそらく昔訪ねたっきりの方は、びっくりするのでは。
でもこれでは、もう一度行きたいという気持ちにはなれませんね。今回、全貌を拝めなかったのが、返す返すも残念です。
ちなみに、インフォメーション・センターを後にして駐車場に向かう道で、初老の夫婦とすれ違いました。疲れ果てた様子のお二人、わたしのことを振り返ってみていたので、行きに、車で山道に分け入ったチャレンジャーなお二方とお見受けしました。
今頃到着しているということは、やはりあの道はとんでもない場所につながっていたのか…。申し訳ないような、つい笑っちゃうような。ふふふ。
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- 2015/02/24(火) 06:44:15|
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カタルーニャ・ロマネスクめぐり、その4
テッラーサTerrassaその4
寄り道が若干長くなってしまいましたが、カタルーニャに戻ります。
テッラーサ続きで、最後に訪ねる教会は、サン・ペレSant Pere。
残念ながら、ここは、思いっきり修復中で、中に入ることがかないませんでした。
工事の様子から、おそらく、外観や周辺の床面までも修復していたと考えられるので、とりあえず、外観の姿が拝めただけでも、ありがたいことだったかも、と自らを慰めましたが、それでもがっかりです。
というのも、この教会の祭壇部分は、写真で見る限りでは、プレ・ロマネスク風の、石が重々しい装飾があるようだったからなんです。
扉口まで、近づくことは出来そうでしたが、盛んに職人さんが出入りされているので、やはり遠慮せざるを得ませんでした。
これがイタリアなら、お愛想のひとつも言って、うまいことのぞかせてもらうくらいはやっちゃうんですけれどね~。こういうとき、言葉の重要性を感じます。スペイン語は、フランス語よりはましとは言え、とても普通に話せるレベルではないので、へらへらするのは無理~!
仕方ないので、せめて見落としがないように、目を皿にして、外観を見学。軒送りには、小さな頭部フィギュアが並んでいます。プリミティブな装飾ですね。
起源古そうな感じ。こういうのが時代下って、北部で見られるような派手な軒送りに発展したのでしょうか。
頭部の上部には、植物などのモチーフの浮き彫りがあるのも、パターンとしては、北部で見たばかりの多くの軒送りに共通するものですよね。
見出すと、こういう地味な装飾も楽しいものですが、そろそろ引き上げないと。というわけで、もう一度、サン・ミケルとサンタ・マリアの前を通り、名残を告げます。
都合、1時間ほど見学していたようです。いつも駆け足のわたしのスケジュールとしては、結構のんびりしました。
- 2015/02/22(日) 02:45:24|
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チューリヒ、週末旅行その9、最終回
最終回は、動物園にある熱帯雨林園です。
そもそも、この短い週末旅行で、なぜに動物園に行ってみたいと思ったかといえば、この熱帯雨林。何でも、マダガスカルの自然を、そのままチューリヒに持ち込んだということで、それを、サイトで見たのですよ。
なら、直行すればよかったのにね、園の地図を見て、なんとなく最後にすれば効率がいいような気がしちゃったんですよねぇ。
というわけで、象さんたちの見学もそこそこに、小走りに、その熱帯雨林園マソアラ、Masoala Regenwald(マソアラ再現公園、ってう感じかな。マダガスカルにあるマソアラを再現しているからこその命名らしいです)へ、向かいます。
しかし!零下の世界から、いきなり、24度です。
それなのに、動物縁側から入ると、トンネルをくぐって建物に入るとは言え、特になんらの準備への喚起もなく、いきなりの熱帯雨林に入り込んでしまうんです。
熱帯地方っぽい密度の濃い空気、動物たちのざわめきに気を取られ、コートを脱ぐことも忘れ、ふらふらと扉を超えてしまうのです。そしていきなり密林にほうり込まれ、呆然としながらも、慌ててカメラを構えるわけです。
そこで、思わずびっくり。
当然なんですが、レンズがくもりまくり。で、上の写真になっちゃうわけです。
すっごい幻想的な写真が、たくさん撮れてしまいましたよ。
ぬぐってもぬぐっても、レンズのくもりは取れず、という状態が、ずいぶん長い間続きました。あまりの温度差に、もしかしてカメラがいかれてしまうかも、と思うくらい長い間。そうこうするうちに、体もなじんできて、暑い、となってきました。環境の変化があまりに唐突だと、器械も人も、完全に感覚、おかしくなるんですね。
しばらく歩いていると、当初は、「そこらにうろうろ亀とか猿が歩いていたら、怖いじゃん!」とか何とか、びくびくしていた同行者が、「さっきから、鳥とか獣っぽい叫び声がするけど、アレ、やらせだよね?何もいないじゃん!」とむっとしてきました。
そんなとき、折りよく見つけたのが、ゾウガメたち。
密林を分け入ってみると、いるじゃないですか~!かなり大型の亀。亀は静かだから、気付きませんよ。でも他の獣は?
いるんです!
最初は、全然気付けないんですが、他の人の目線を追っていくと、なにやらあそこにいそうだ、という感じがわかってきます。それを注意深く見ていると。
おお~!いるよ!確かにいる!ってことになります。それでだんだん慣れてくると、特にこの色のはっきりしたサル君は、やたらめったら飛び回っていて、数も多くて、それまで全然見えてなかった自分に驚くくらいなんですよ。
このほかにも、各種の鳥とか、カメレオン含む爬虫類が、林の中に隠れているんです。
各所に、上の方に上れる塔があったりするんですが、時間がなくて、つぶさに探検できなかったのが、本当に心残りです。カメレオンなんかは、相当目が慣れないと見つけられないような気がします。
でも、動物に出会えなくても、この熱帯の植物の中を散歩するだけでも、不足していた何かを補う、素敵な空気を吸ってきたという気がしました。
というわけで、つい長々とレポートしてしまったチューリヒ動物園、これで完了です。いつかまた、どこか素敵な動物園に出会えるといいなぁ。皆さんにも、たまには、動物園でも行ってみようか、という気になってもらえたら嬉しいです。
お付き合い有難うございました。
- 2015/02/20(金) 06:40:56|
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チューリヒ、週末旅行その8
いよいよ、入園当初からわくわく期待していた時間が近づいてきました!ということで、目的の場所へ急ぎ足です。
なんせ、入園の際、ペンギン・パレードは、13時半だからね、って念を押されていますからね!既に、入園者が三々五々と集まって来ています。きっとみんな期待してるんだな~。
こういうイベントって、日本だと旭川動物園ですよね。一度は行って見たい動物園だと長年思っていましたが、まさか、その憧れのイベントに、チューリヒで出会うなんて、予想もしなかったな~。
人々が柵の外に鈴なりになってきます。
こんな雪の日ですら、この人出!日曜だから、子供連れが集まる日でもあるのでしょうが、それにしても晴天だったら、大変なことになっていたでしょうねぇ。
ペンギンたちは、しかし、人々のざわめきなんか完全無視。毛づくろいしたり、腹ばったり、好き勝手に過ごしています。
拡声器から、ピンポーン、とお知らせが流れました。
すると、好き勝手をしていたペンギンたちが、何の指図もされていないのに、自分たちの庭で、行列を始めました。
グレーの背中を見せて、あっちに行ったかと思うと、
今度は、真っ白な腹を見せて、こっちに戻ってきます。うぉ~!小学生よりもお行儀いいかも?少なくとも、イタリアの小学生よりは、絶対だ!
出てきた~!
目の前を通り過ぎる~!
意外と早足だよ!ゆったりとシャッターチャンスを計っている暇、なし。
このあと、両側にぎっしりとギャラリーが並ぶ沿道を、ペンギンたちについて、子供を差し置いて、いい大人中心に、ペンギン行列について歩くのでした。我々も、我先に…。
ほほ、われながら浅ましい~!なんかペンギンには、不思議な魅力があるな~。
友人が、その友人のペンギン・マニアのことを、よくブログに書いているので、最近その世界のことをちょっとだけ垣間見ているのですが、うん、マニアにはならないまでも、ちょっと分かる気がするよ。何だろうねぇ。
パレードのゴールになっている小さな広場で整列。
お名残惜しい~。多分このあと、また自分たちのお家まで戻るってことなんでしょうけれど、そして、最後までついていきたいところでしたけれど、実は、どうしてもここに来たかった目的地に、まだアクセス出来ていない上に、予想外に時間がなくなりつつある状態で、泣く泣く、この整列でペンたちにお別れ…。しくしく。
でも、この動物園、ひとつの別れに悲しんでいる暇なんか、まったくないんです。急ぎ足がふと止まったのは、東屋の上のお姿に気付いて。
え?まさか、この季節にこんなところにいるはずないじゃん?と、目を凝らしたのですが、やっぱり、そうなんです。
まさかのコウノトリです!それもつがい。どうなっちゃってるの、チューリヒ?
その先には、冬に強いタイプの猿が多数。いわゆるサル山。面白いじゃんよ~!本気で喧嘩してるぞ、あいつら!
ああ、ゆっくり見たい!でも時間がない!ここを、左に曲がらなければ、と思いながら、また見えてしまった、また他の動物の姿…。本当に、悲しんでいる暇がないどころか、どうやって時間配分したらいいんだ!という目白押し展示。
ぞぉぉぉ~!象さん。
この象スペースは、丘の下の方にあり、上からアクセスするので、のしのし歩き回っている象さんの背中が見えてしまったんですよねぇ。そうなると、どうしても、一目でもちゃんと見たい、ということになり、本気の急ぎ足で、というより、ほぼ小走りで、丘を降りてみました。
ここは、本当に心残りでした。かなり広いスペースを、自由に歩き回る象さんたち。その上、これはあとから知ったので、かえってよかったんですが、その先には、屋内スペースもあり、中にも多数の象さんたちがいたようなんです(下の、象さんの奥のほうの建物。巨大なテントのような姿の建物です)。
チクショー!朝ごはんゆっくりしすぎたじゃん~、とまさに後の祭りの愚痴大会。だって、帰りの時間は近づくばかりで、そして、わたし的に一番の目玉はこれからなんだもん…。
ちなみに、ここの象さんたちには、プールもあって、ガラス越しに、象さんの水泳を見学できるそうですよ。まさか冬は、温泉でもないでしょうけども。
では、最後の大物まで、もう一度だけ、お付き合いください。写真は、意外と地味なんで、誇大宣伝ぽいですが。
- 2015/02/19(木) 06:54:52|
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チューリヒ、週末旅行その7
イタリアでは、動物虐待という思想の元に、もう30年位前に、動物園が消滅しました。といいながら、サファリ・パークはあったりするので、それもどうよ、と思いつつ、動物園って好きなので、寂しいんですよねぇ。
なので、今回久々の動物園で、それだけで、もう嬉しかったのに、雪に埋もれた動物たち、って言う特別な状況だったので、本当に楽しかったわけです。
で、ついだらだらと紹介してしまいます。
南国の猿たちは、この時期、やっぱり室内展示。
猿って、遊びたい方たちなんですねぇ。そして、もしかすると、注目もされたい?遊んでほしいのかな。どうしても、活発に飛び回る猿の方に人が集まるんですが、ガラスの前に誰もいないと、なんだか寂しそうにしている…。それで、つい見に行く。でも活発な子たちは面白いので戻る。また寂しがり屋さんに戻る…。きりがありません。
再び、さらさら雪の降る屋外へ。
アンデス・ゾーン。お、給餌中。
網に入った藁状のえさに集まるアルパカ。
思いっきり雪にさらされていますが、高地に暮らすこいつらは、雪なんて、何てことないんだろうな。大体、全身アルパカの毛に覆われているなら、あったかいだろうし~。
横っちょには、リャマ、かな?
よく見ると~、奥の方に…。
子供~!激かわ!ご両親に守られて、なんだかふにゃ~、とした様子が、たまりませんねぇ。
檻の中の鳥舎を過ぎたら、ヒマラヤ・ゾーン。この辺りは、むき出しの岩山のつくり。
見学者の方も、動物たちから見たら岩山を模した感じになっているはずで、そのところどころが洞穴のようになっています。洞穴はガラス張りになっていて、そこから、動物を観察できるんです。動物側からは、どう見えるんだろうか。
すっごいどでかい望遠レンズのカメラを構えている人の視線を追うと、おお!
岩山の中ごろに、ヒョウがいます!この写真、思いっきり望遠してますが、わたしのカメラごときでは捕らえきれない…。多分二頭、折り重なるようにして、寝入っています。
雪が深々と降っている戸外で、この人たちってゆったりとお休みになれるもんなんですねぇ。
次は、アムール・トラとあります。
見下ろすも、誰もいない…。
「やっぱり、なんだかんだ言っても、どこかにもぐりこんでるよねぇ、この雪だもんねぇ」と、説明版の絵だけ撮って、残念と思いながら、一応例の見学用洞穴に。
中央部の岩穴の中が見えるようになっていて、あれ、もしかして、いる?
動いてるよ~!
いや~、顔を上げたときはびびりました~!すごい迫力!さすが虎!本気の貫禄です。どうやら、ここでも給餌中で、2キロほどはありそうな肉塊をおいしそうに食べていました。
たいしたもんだよね~、と感心してみていると…。
左手から、唐突にもう一頭登場!びっくりした~!まさに、のっしのっし、と音がするような余裕の歩き。でも意外と早い。
見学者のガラスの前が、水場になっていて、もしかして水飲みに来る?と固唾を呑んで見守っていたら、とっとと立ち去っていくので、慌てて撮影した一枚です。
これほど近くから、まるで自然の中にいるような当たり前の虎の姿を見たのは初めてです。すごいわ~、今の動物園の展示って。
すぐ近くには、なじみのある草食獣が、なじみのない雪原で、とぼとぼしていました。
なじみがないって言うか、風景的に間違っていたのは、これ。
思いっきり道端。場違いな鮮やかさで孔雀、一人佇む。檻じゃないですよ。一人でうろうろ、のら孔雀状態…。これが当たり前なのか、それとも、本当にはぐれちゃってるのか。
次はいよいよ、アレの登場!
お楽しみに!
って言うか、ロマネスク以上のはしゃぎぶりに、皆さん引いてるかな。
- 2015/02/18(水) 06:42:09|
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チューリヒ、週末旅行その6
観光的観点から、今回のチューリヒで、一番気になっていたのが、実は動物園でした。チューリヒ動物園Zoo Zurich。あ、ちなみに、チューリヒのつづりには、本来、ウムラウトが入ります。ウムラウト…、だったよね、なつかしいなぁ。
実はこの日の朝は、かなりしんしんと雪が降っておりました。それも、いかにも積もりそうな粉雪。
スイスの人は、少なくともチューリヒの方は、雪の日、傘をささないのですね?ホテルの窓から見ていると、誰一人、本当に見事に誰一人として、傘を指す人はおりませんでした。
ホテルから、トラム一駅分、歩く間にも、多くの人とすれ違いましたが、傘を差しているのは、我々のみ。
傘をたたんだときに分かったんですが、とっても乾燥しているから、雪もからからしていて、払うと、積もったそのままに落ちてゆくのですね。パウダースノーをからからにした感じ。日本では、めったにお目にかかれないタイプの雪です。
でも、こんな雪の日、動物園ってどうよ、と、どうしても行きたいと思っていた私自身、若干ひるむものがありましたが、感謝すべきは、ミーハーな友人ですね!え?動物園でしょ?行きましょ、行きましょ。ということで、無事、当初の予定通り、朝から動物園に向かいました。ありがたかった~!
この辺り、イタリア事情を絡めますと、なんと言うんですかねぇ。動物園とかアニメとかそういうのは、お子様のものでしょ、という文化が根強くありまして、動物園に行きたい、などといおうものなら、イタリア人の大人のほとんどは、あんた、馬鹿じゃないの?という目でこちらを見下すもんなんですよ。
その上、チューリヒ動物園、入場料が半端なく高い。大人一人、26フラン=26ユーロですから…。
正直、若干びくびくしていました。面白くなかったら、どうしよう、って思って。でも、結果的には、チューリヒに行くなら、まずは動物園!というくらいに、楽しかったんです。やっぱり、自分の直感は信じるものです!
それにしても、雪は半端なく、舞っております。
入場したとき、どうなることかと思いました。だって、普通に運動靴だし。動物園の中、雪かきしているのか?そもそも動物を見ることが出来るのか?
しかし!いくつか情報を訪ねた際、「今日はペンギン・パレード、あるからね。ちなみに、ぼく、日本に遊びに行ったことあるけど、君、日本人?」という、超気になる発言アリ。後半はともかく、前半ね。ペンギン・パレード!
これはいい、と思いつつ、この雪の有様には、気持ちが若干萎えます。
夏だったら屋外でオウケイなコーナーでしょうが、いきなり、屋内に入り込みます。
実は、あとから後悔するのですが、いきなりはまりこみ、かなりの時間を使って、屋内展示にのめりこんでしまいました。
小型の猿とか、鳥とか、もういろいろ。狭い屋内展示とは言え、自然を模した展示がなかなかに素晴らしくて、宝物探し状態なんですよ。居合わせた他の見学者と一体となって、どこどこ、あそこだよ、と、言葉も通じないのに、盛り上がってしまって。この美しい鳥の居場所では、金髪の小学生女子と相当盛り上がりました。
宝探しで、一番難しかったのが、上左の毛の塊。ガラス檻の中の端っこに二つ。椰子の実のような植物系の毛かと思っていたら、なんか呼吸している様子が…。ナマケモノの一種だったと思いますけれど、とうとう丸くなったまま、呼吸している状態しか見られませんでした。
それにしても、結構難しい場所につかまって丸まっているので、あの姿勢で眠るって言うのは、かなり体力を使うのではないか、と気が気じゃなかったです。
一方、右の小型ワニは、掌を上向けて、妙にくつろぎきった姿勢で、お前は、野生を忘れすぎだろう?!という状態で、爬虫類館で、ゆったりとしておりました。
結構気持ち悪い爬虫類館も、楽しんでしまいましたね。
そうこうするうちにも、積雪、半端なく。
こんな日に、誰が来るんだ、と思いましたが、入園者は子供連れの家族中心に、結構おりますねぇ。既に、どこをどう進んだらいいのやら、というくらいに、道筋すら、分からなくなっています。
この動物園、自然の雰囲気に忠実に、ということで、展示の仕方にすごく工夫があって、ゾーン制を取っています。ヒマヤラとかアマゾンとか。それぞれのゾーンごとに、入り口とかあるんですが、積雪のため、既にそれすら認識不可能状態。何もないし、誰もいないよね~、この雪じゃ、と入り込んだゾーン。
なんかいる~!
何だろう、一人でひっそりと佇んでる~!こんな雪なのに、だいじょぶなのか~!?
でも、こういう出会い、楽しい!
で、何もいないはずの場所でまで、つい目を凝らして、何かいるんじゃないか、となってしまいます。
いません、何も。
あ、なんか思い出すだけで、楽しくなってきた。ちょいと続きます。
ロマネスクと全然関係なくて、すみません。
- 2015/02/16(月) 07:02:12|
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チューリヒ、週末旅行その5
数少ないチューリヒの観光ポイント、まずは、美術館Kunsthausです。
しかし!事前に情報は得ていたとは言え、なんと、まさにこの時期、主だった作品が日本に言っているという偶然、というか、不幸…。
これまた、惹起で言えば、「ヨーロッパ最大規模の収蔵数を誇る」ってな美術館らしいんですけどね。でも、アイスショーでもそうだったように、個人的には、かなり疑問が…。
ここに来なければ見られない、そして、一生に一度は見ておくべき、というほどのものは、ないような。ただ、それなりに、あの人の有名なあれがありますよ、的な。
とは言え、スイスの誇るジャコメッティは、かなり持っているようでしたね。その多くが、ちょうど日本に行っちゃっていたとはいえね。
アルベルト・ジャコメッティ。
飽きるじゃん、という人もいるかもですが、個人的には結構好きなんですよね。みんな同じじゃん、といわれたらその通り、と言いつつ、でも、結構好きです。飽きると言われ勝ちなだけあって、この方、作品数がやたら多いですよね。その中でも、この美術館は、相当数を持っているようですが、幸い、いや、不幸にも、結構日本に行っているようで、特別の展示室にわずかでした。
近代美術中心の展示美術館は、どうしても、有名どころ(印象派とか)の収蔵がポイントになりがち。現代ものが好きなわたしとしては、いかに天井が高いか、とか、見るポイントが全然ちがかったりして、それだけでもう、あ、近代どまりか、みたいなところあるんですけれど、それにしても、雰囲気はなかなかによい、美術館です。
個人的に、この辺りの美術は、余り興味がないんですよねぇ、残念ながら。スイスの誇る、ホドラーが、壁画なんかを手がけているようですけれど、わたしにとっては、猫に小判。
それにしても、広い。そして、館内のあり方が複雑で、経路が複雑。同行の友人とは思い切りはぐれてしまいました。わたしが、かなりわがままな、好きなものしかじっくり見ない、という見方をするせいでもあるんですけどね~。
スイス以外の作家の作品として、何があるかと言うと、ここがまた、若干半端。
それなりのものを集めているんですけどね。たとえば、こういう。
ゴッホとか、マグリットとか、セザンヌとか、ムーアとか、はたまたピカソ、ブラック、ピカビア、もう、それはいろいろ。でも、各一枚ずつね。同時に、ルーベンスとか、えっとー、俄かには名前が出てこない北方系とか、いきなり、中世ルネッサンス系の教会絵とか。かなりごちゃごちゃ。なんかコンセプトが、余り、はっきりしないのが、ある意味残念な美術館って印象です。
わたしが嬉しかったのは、数枚あったムンク。
ムンクは、まとめて見たことはないんだけど、なんか印象的で好きなんです。捉え方が、いちいち強烈で、どうしても刻み込まれる感が強いんですよねぇ。まさかチューリヒでムンクに会うとは思っていないので、ますます。
このルソーも嬉しかったな。
嬉しいといえば、このマネも、ちょっと発見的な嬉しさがあったかな。
数年前のオルセーで見たマネ、ずーっと手前に引いた、同じ構図で、海がうまいなぁ、とすごく感心した記憶があります。どっちが元かは分からないんだけど、同じ着想で描いているのが明らかなだけに、おお、と思いました。
大人のチューリヒ観光の筆頭に上げられるのが、この美術館らしいのですが、そして、惹起は結構、絶対行かなければ、的なものなんですが、意外と、そんなもんか、という程度でありましたね。
ほんの少し前まで、大好きなエゴン・シーレやってたみたいなので、そのときだったら、また印象が違ったかもしれませんが…。すごく残念。
でも物価の高いチューリヒで、入場料15フランは、かなりお買い得価格かと思います。ロビーにあるカフェのコーヒー(それも、エスプレッソ)が4フラン、というのはびっくりしましたが、日本円感覚にすれば、かなり受け入れやすいかも知れないですね。
- 2015/02/15(日) 07:26:32|
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チューリヒ、週末旅行その4
アイスショーのために出かけたチューリヒですが、そういうことがなければ、おそらくわざわざ行くことは絶対になさそうな町です。というわけで、最近、何でも修行状態にしてしまうわたしのこと、事前に、とりあえず観光すべきポイントは押さえよう、とネットで調査。
ところが、さすが、観光地ではなく金融都市。観光資源は、とてもリミテッド。週末旅行にちょうどよい程度の行き先しか見えてきません。多分、歩いているだけで楽しくなるような町でもなさそうだし、とにかく、この季節に行くべき場所だけは、しっかり観光しよう、ということで、到着早々のランチのあとに向かったのは、こちら。
旧市街にある、グロスミュンスターGROSSMUNSTER。要はカテドラル、大聖堂です。
こう見えても、オリジナルはロマネスクということだったので、二度と訪ねることはなさそうな町である以上、やはり行っておかないと、というところです。
扉は、南側に開いていて、どうやら周囲に装飾があるようです。
ほとんどすべて、後代の再建なのが明らか。それでも、モチーフが、とてもきちんと再現されていることには、好感を覚えました。
こんなん、どっかで見たような図像。膝に手を置いて、きちんと座っているライオンっぽい獣が、チャーミングです。
ロマネスク時代の一部が残っていて、そこから想像も含めて再現しているのか、それとも、ロマネスク時代の一般的なモチーフを参考にして再現しているのか、その辺が不明ですけれど、植物や幾何学装飾含めて、忠実なんですよね。この辺り、律儀なスイス気質を感じたりして。
側柱の彫りは、いかにも再建でしたから、ここは、創作だろうなぁ、と分かりましたけれども、木製の扉にも、木彫りが施されていて、とにかく全体に金かかってると思います。スイスだから、という偏見かしら~。
入り口にも、中に入ったところにも、はっきりと撮影禁止とあるんですが、ちょっとだけ、こっそり。
内部も基本、新しいのですが、ふとした片隅に、もしかして、ここだけは古いかも?と思われるようなものが、ひっそりとあるのでした。なんとなく、ですが、こういうものをありがたく思う人は、少ない町のような気もしましたけれど。
それでも、やっぱり古いモチーフをなぞっているのが、不思議な気もしました。
再び外に出て、ファサード。
扉も何もない、二本鐘楼スタイル。ゴシックのフランスの教会みたいなスタイル。
何の変哲もない再建建築。だと思うでしょ。それなのに、片隅には、多分ほとんど誰にも省みられないのに…。
変にかわいいものが~!
誰も見てくれないような場所にあるって言うのが、ロマネスク・メンタルでもあるんですよね~。
チューリヒの町って、丘の斜面にあるので、結構アップダウンが激しく、このカテドラルは、丘の高いほうに建っています。このファサード部分からは、川を挟んで栄えている旧市街が見下ろせて、ビュー・ポイントとなっていました。
そこからだと、さほど大きくもない町なのに、立派な尖塔を持つ教会が、なんだかたくさんあるので、驚きました。
要は、昔からお金が集まる場所だった、ということですかね。
- 2015/02/13(金) 06:30:36|
- イタリア以外のロマネスク
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チューリヒ、週末旅行その3
前回は、ショーのレポートでしたが、今回は、ちょっとだけ、感じたことを書いてみます。
行く前に、ネット検索等で、このショーが、主催者側の認識として、「世界最高峰」であり、そして「常に世界最高峰であることを目指している」というショーである、ということを知りましたので、わくわく感がいや増すばかりでした。
そのためもあるとは思いますが、端的に言えば、ショーとしての内容には、がっかりしたんです。
アイスショーって、初めてですから、アイスショーの本来のあり方というものを知らないわけで、だから、ある意味とても無知な、でも、素直な感想として、そういうことになります。
ちなみに、イベント系では、モダン・ダンスや現代もの、クラシック・バレーすべて含むダンス系の舞台公演や、ミラノ・スカラ座中心のオペラ公演については、ある時期、一生分に当たるくらいの数を見て来ました。もちろん、まったく違う世界と言ったらそれまでですが、ショーのあり方のベースについては、まったく何も知らないこともないと思っています。
そういう観点から言えば、今回のショーって、かなり半端で、何を目指しているのか、よくわからない内容だったように思えました。
まず、なんといっても、歌が中心で、スケートが添え物的な扱いだったこと。
リンクの一辺が舞台となっているのですが、そこにスクリーンが置かれ、舞台で、歌手の熱唱、脇の方では生バンド、という構成。そして、スケーターでもないダンサーが多数、歌手の脇でくねくねダンスをしていたりします。
あまつさえ!
歌手のいる舞台は可動式で、リンク中央まで動いていくというシステム。
リンクの片隅での歌や演奏なら、とりあえずリンクを見ていれば視界に入らないけれど、リンク中央に出て来られては、もうどうしようもありません。
スケーターたちは、その際どうしているかと言うと、舞台を避けて、周りですべるしかないわけです。歌に合わせて…。バック・ダンサー…。
え~?これって、コンサートだったの?
とまぁ、ずっとそういう感じが強くて、アイスショート銘打つのは間違っている、と思いました。
その上、観客の多くは、そういう形のイベントを見に来ている様子が明らかで、歌手に熱狂こそすれ、スケーターにはかなりクール。なんなんだ?
大体、いくら有名歌手でも、本来アイスショーであれば、歌手の方こそ添え物であるべきだと思うんですけれどねぇ。
初めから終りまで、大音響で、うるさくて、演奏のメリハリもなし。
たまには、エッジが氷を削る音だって聞きたいし、カロリーナには、しっとりと踊ってほしかったし。歌も演奏もありだとは思うけれど、ずっと同じ調子の音楽では、コンサートとしての完成度もどうかと思いました。
そして、美術的観点からは、同じようにむかついたのが照明。
一言で言えば、ダサい。
まぁ、基本すべてがダサいスイスですから(と言って、スイスを馬鹿にしているわけじゃないので、誤解なきよう。よく、おじさんが着用しているチロリアン・モチーフのサスペンダーとか、ダサいけど、かわいいですもん)、ある程度は目をつむるとしても、それにしてもダサイ。多色使えばいいってもんじゃないだろう!
それに、リンクの縁の明かりが辺にまぶしくて、言ってみたら、車のヘッドライトを真正面に向けているので、嫌でも目に突き刺さってくる状態。時々、逆光状態で、滑っている選手が見えない…。目に超悪い…。
すっごく上の方の席だったら、きっと気にならないでしょうけれど、もうちょっとなんとかならんかね?目が痛い照明なんて、おかしいだろう?
とにかく、全体に安っぽいんですよね。
ネリー・フルタード(発音はあってるのかな)が、スケーターのいないリンクに向かって歌っている際、虚しく照らされたハデハデの赤い照明で、空っぽのリンクが、場末の温泉宿のがらがらの宴会場に見えました。温泉宿でリハ中…、みたいな…。笑。
生演奏でのスケートは、踊りと演奏のバトルみたいなところがあるから、演出によっては、本来、もっと緊張感があり、なおかつ楽しめるものになるはず、と思うだけに、がっかりです。
前回も書きましたが、とにかく観客がさめているのも、がっかりでした。せっかくのイベント、盛り上がりたいのに、拍手すらしない人多数。ブラーヴォの声をかける人は完全な少数派。叫ぶこっちをちらちら見ては、何か揶揄したそうな表情の人複数。
何のために、君たちは来てるんだ~!来たくても、遠かったり、チケットが高すぎたりして来られない人たちが、たくさんいるんだぞ~!と叫びたくなりました。
おそらく、照明も演出も、それなりの人を使っているんだと思いますけれど、でも、もしかしてショービジネス、かなり不得意なんじゃないか。人材いないんじゃないか。
または、アイスショーというイベントそのものが、ショーとして、スタイルが確立していないのではないか。
有名歌手を招聘するくらいなら、もっと舞台の完成度を高めるために、舞台の基本である照明や演出に投資すべきだと思うけどね。
というわけで、いくら大ちゃんが見たくとも、このアート・オン・アイスにもう一度行くことはないと思います。
で、ミラノ戻ってから、日本のアイスショーの映像を、ユーチューブでちょっとだけ見たのですが、照明は、やっぱり余り洗練されているとは言えなかった。そういうことなのかな。
ナマ大ちゃんを見られただけで、出かけた甲斐は大いにありますけれど、もっと、スケートにフューチャーしたアイスショーでの大ちゃんを見てみたい。イタリアでやらないかな~。スケート、結構人気あるのにな~。きっと盛り上がるのにな~。
ということで、ほとんどの人に関係のない、がっかり話でした。なんか、ダサさも含めて、既に懐かしいよ。今、ローザンヌ、巡業中かな。
- 2015/02/12(木) 06:22:01|
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チューリヒ、週末旅行その2
そうなんです。実は、今回のチューリヒ行き、フィギュア・スケートの高橋大輔選手の追っかけでした。
フィギュア・スケートは、昔から、冬季観戦スポーツとしては一番好き。とは言え、すごく時々だけども、実際にライブに行くようになったのは、トリノで冬季オリンピックが開催された以降のこと。それまで、こういう競技を実際に見に行く、という発想がなかったんです。
トリノのオリンピックは2006年だから、その辺りから本気ではまれば、ナマ大ちゃんに接する機会もかなり多かったはずで、後悔していますが、今更仕方のない話。
昨年競技生活を引退された高橋選手。ああ、がっかりだな、せめてヨーロッパのアイスショーにでも出演してくれないかね、とミーハー仲間と話していたところ、このアート・オン・アイス出演の朗報をキャッチ!既に昨年10月頃、チケットをゲットし、今回いよいよ、ナマ大ちゃんにご対面(ちょっと違うか…)、という運びになったのです。
実は、ミーハー仲間共々、アート・オン・アイスというイベントについても、まったく知りませんでしたが、10月以降、どうやらアイスショーの中では相当レベルが高いものであるらしい、などということも分かってきて、ますます盛り上がり。
といいながら、つい観光にも力が入ってしまい、開場が18時だというのに、結局会場であるHallenstadionに到着したのは、19時をずいぶんと回った時間。リキが入っているんだかいないんだか。でも、舞台であるリンクはまだ整備中だし、席もガラガラ。あ、こんなもんなんだ。
それにしても、結構な入場料なんだから、出演者名を書いた紙くらいくれてもいいのに、有料プロブラムを売っているだけ(10フランは妥当な値段とは思いますが、実は、スイス・フランを一銭も持っていなかった我々…。買えるわけがない)。さすが金融大国スイス、しっかりしています。
ロビーは人でごった返していて、また、レストランやバーがあちこちにあり、皆さんショーの前の腹ごしらえに余念がなかったようです。
出演者は、われらが大ちゃん以外は、以下の面々。
スケーター
Tiziana Volosozhar & Maxim Trankov
Tessa Virtue & Scott Moir
Ksenia Stolbova & Fedor Klimov
カロリーナ・コストナー
ステファン・ランビエール
サラ・マイヤー
ジョアンナ・ロシェット
Florent Amodio
Gabriella Papadakis & Guillaum Cizeron
Fiona Gabrielle Zaldua & Dmitri Sukharov
歌手
Nelly Furtado
Tom Odell
Marc Sway
席は、リンク際から7番目か8番目ですから、かなりよい場所で、近くに来れば、肉眼で表情まで見えます。よっしゃ!
開幕間近になったら、客席は見事に埋まり、限りなく満席のようでした。
そして、ドイツ語のプレゼンテーション、始まる!あ、そうか、ここドイツ語圏だったんだ!とそのときになって思い出しました。皆さんクスクス笑っていたので、なんか面白いことを言っていたようです。ドイツ語は、見事に何も分からないからな~。
そして、照明が入り、開幕です。
長方形のリンクの、辺の短いほうの一辺がステージになっていて、いきなり生演奏がどかどかと始まり、んん?ちょっと場末のディスコ感が…。
そして、まだ、全然心の準備が出来ていないのっけに、カロリーナが登場しました。
カロリーナ、大好きなんですよね。
今回、彼女が出演することも、とても嬉しかったです。昨年、元彼のドーピング問題で、彼女も偽証罪に問われて、今シーズンは競技生活できなくなってしまっただけに…。関係ないのに、かわいそうで…。
でも、なんとなくアワアワしているうちに、演技が終わってしまいました。
しかし、演技後の観客の反応が、びっくりするくらいクール…。カロリーナは、トリノの世界選手権で見たのですが、そのときの観客の熱さ、一緒になって泣いてしまった自分、という経験があるだけに、狐につままれたような気分になりました。
いずれにしても、一応オペラグラスも抱えているし、気持ちがのめりこむに従い、写真どころではなくなってしまいました。
(大ちゃんファンの方々が、素晴らしい写真や動画をたくさんアップされていますので、ご興味のある方は、是非アート・オン・アイスで検索してみてくださいね。)
そして、いよいよ大ちゃん登場…!
あ、本当に本物の大ちゃんだ~!と呆けたような気持ちになったかと思うと、一方では心臓バクバク。わたしったら、結構はまってるのねぇ、と自分でもびっくりしてしまいました。最後まで、え~、本物だよ~、マジ、滑ってるよ~、と固唾を呑んで凝視。
素敵でした!やっぱりライブは、テレビと全然違うですよ。当たり前だけど、びっくりしちゃいます。柔らかいです。きめきめでも、切れ切れでも、同時に、とってもふわり感があるのが不思議。
叫びましたよ~、「ブラーヴォ~!!!」
ふと思ったんですが、こういうとき、日本語って不自由ですね。適切な言葉がない。歌舞伎だったら、成田屋っ!とか決まりがありますけれど、それ以外は、やはりブラーヴォ/ブラーヴァ、はたまたブラーヴィになるんでしょうかね。うーん、違和感。
といいながら、ブラーヴォ!大ちゃんイエーイ!
確かにうるさい、オレ。
我々の前に座っていた青年が、あきれた顔で、何度も振り向くのが鬱陶しかったです。そりゃ確かにうるさいが、これはそういうイベントだろう?!と思っていたもんで。
間に休憩が入って、二部でもスケーターそれぞれがすべり、最後はみんなで、おそろいのスタジャンを着て、ぐるぐる何度もご挨拶。そのときは、観客もみんなスタンディングで、拍手は盛り上がりました。叫んでいる人は少ないけれど、もちろん、叫びまくりのオレ。最後の頃は、ダイスケ~!それもどうよの呼び捨て。ま、はまったオバサンはこんなもんでしょ。
10時40分頃終了でしたかね。
ホテルは会場の目の前ですから、慌てる必要もなく、ちょっと出待ちでもしますか、と夜中12時までうろうろしていたのですが、結局誰一人出てくる気配がないので、あきらめました。
あとから知った情報では、毎晩11時ごろから、関係者や招待客で打ち上げがあり、選手の皆さんも参加されるため、会場を後にするのは、早くても深夜1時を過ぎるとか。うひゃ~、そういう情報、皆さんどこで仕入れるのか。ファンのネットワークはすごいですね。
そう、今回、多くの大ちゃんファンが、ツアーや個人手配で、このショーのために、スイスにやってきていました。この、フランが以上に高騰しているスイスに!その熱心さには、本当に頭が下がる気持ち。それも、皆さん、ルンルン気分満載、幸福絶頂の機嫌よさですから、とっても感じがよくて、あちこちで楽しい交流をしました。
それにしても、このアート・オン・アイスに対しては、正直がっかり感も大きいのが本音です。次回、がっかりをつづります。
きっと、いつも来てくださる人たちには、ほとんど興味がないだろうなぁ、と思うんですが、結局自分のメモなんで、やっぱり書こうかな。我慢してくださいね~。
- 2015/02/11(水) 07:02:05|
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