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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

意外なヒット、トイレ…

ミラノ万博、その7

イタリア。
開催国ですから、パヴィリオンは一等地にあり、とても立派で大きいのですが、そのために、一体どうなっているのやら、構造がさっぱり分かりません。
そして、たどり着いたときには、激しい行列で、並ぼうという気も起きませんでした。




日本館のように、「何分待ち」という掲示が欲しいところです。せめて係員が、どのくらいか言ってくれてもいいのに。「おもてなし」という概念のない国ですから仕方ないですが、残念なことです。
すぐそばにある別館の、ワイン・パヴィリオンに移動しました。




入ってすぐは、ワイン博物館のようになっていて、イタリア・ワインのいろんな薀蓄が学べます。
色見本の展示。




すっごくきれい。わたしの好きな赤は、一番手前にあるタンニンたっぷり系のフルボディ系。これは、ただの色水だと思うのですが、それでも、色だけで、なんだかよだれが出ちゃうって言うのは、困ったもんですね。

お酒にちなんだ素敵なシーンが映像で流されていたり。




水辺に並んだスクリーンに映っていたのは、音楽とともに椿姫の乾杯の歌だったかな。きれいでした。

そして二階に移動すると、試飲ルーム。確か10ユーロで、どれでも3杯、試飲できるシステムです。入り口でチケットを買うと、グラスをくれて、そして、瓶から注ぐにはセルフ・サービスのシステム。これはちょっと面白かったです。もちろんちゃんと規定の量しか出てこないようになっています。
どうしようかと思ったのですが、高価なワインは軒並み品切れをおこしていたので、試飲はしませんでした。
そして、グラッパ・コーナーへ直行。




グラッパのボトルは、どれも個性的で美しい。大好きなマローロもありました。展示品の半分くらいは知っている(行ったことのある)ブランドだったかな。
グラッパの試飲は、残念ながら毎日はやっておらず。理由を尋ねたら、「だってこの暑さで、こんな強いお酒を飲ませちゃうと、あぶないから」ということでした。いや、確かにそれはそうだけど、試飲ですから、がぶがぶ飲む人はいないと思うんだけど~。
いずれにしても、グラッパの地位は、ワインに比べると、本当に低い。残念ですね。

ベルギー。




地味ですが、手前のスペースをビアガーデンにしているのが、ビア自慢のベルギーらしくてよいですね。
パヴィリオンは、中も地味目。
そして、こだわりは、やっぱり、ビール。




そして、もちろん。




チョコレート。
チョコレートを作っているカウンターがあったのでのぞいたところ、ちょうど、まさにそのときホワイト・チョコレートが完成したところで、ひとかけ、お味見をさせてくださいました。職人さん、とても感じのよい方で、「日本人?ぼくは、ついこの前、サロン・ド・ショコラ出展のため、東京に行ってきましたよ。日本はとてもよいお客さんがたくさんいます」と話しかけてきたので、お仕着せを見たら、超有名ノイハウスの方でした。お隣は、ゴディバの方でした。おお、チョコレート好きにはたまらないでしょうね。わたしは、ひとかけで十分満足。
それにしても、もう宣伝の必要もないくらいに有名なお店なのに、この感じのよさは特筆物と思いました。やはり、胡坐をかかずに、いろんな努力をしていかないとね。

こんなチョコも作っていましたよ。




奥のほうは物産販売となっていて、ダイヤモンドのアクセサリーなども展示されていました。そういえば、ベルギーは、ダイヤのカット技術でも有名だったね。チョコ以上に、わたしには関係ない物産…。

見学を終えたら、いよいよベルギー・ビールへ!




コクがあって、おいしいビアでした。




のんびりとグラスを傾けていたら、いきなり民族大移動的な、人の波が目に付きました。なになに?なんかイベントでも始まる?と、慌てて残りのビールを飲み干して、移動の人々の方に行きかけたところで、はっと気付きました。
わたしも以前来た、19時からのチケットでの入場者だったんです。それはすごい流れで、びっくりでした。わたしが来たときより、明らかに人が増えていました。

ビールといえば、会場には、イタリアの誇るビール・ブランドもいくつかあります。
日本館にも比較的近いモレッティの、カボチャ型店舗。




普段、わざわざ買わないような、アルコール度の高いタイプとか、品揃えが豊富で、その上、お値段はとても良心的。モレッティかよ、なんて、馬鹿にしてはいけません。




ポレッティもありました。こちらは試せませんでした。残念!




暑い日には、ビールのおいしさが身体にしみわたりますね。ビールをおいしく飲むためにも、やはりお天気のよい日がいいです。

あ、尾篭な話になりますが、いくら飲んでも大丈夫。
イタリアって、劇場とか公共の施設で、トイレが貧弱な場合が多いのですが、ここのトイレにはびっくりしました。
会場内に、サービス棟がたくさんあって、各棟に男女それぞれのだだっ広いトイレがあります。




日本の、かなり大きめの道の駅とか想像してもらえると似ていると思うのですが、とにかく個室の数が多くて、清潔で、紙も石鹸も完備。そういうのって日本では至極当たり前のことですが、イタリアでは、なかなか。ここについては、先進国レベルと思いました。
ただ、この建物内にある、というのは分かるけれど、なぜか必ず二階で、それも、エスカレーターなし、エレベーターは常時停止していて、アクセスするには階段しかないこと、場所がよくわからず、必ずうろうろ探さなければいけないことと、男女の別が分からず、みな、いいのかな?とおどおど使わざるを得ないということが、ちょっと。
あ、だめですね、やっぱり。でも、いつどこで入ってもがらがらだったんで、その辺あまり問題なかったです。

続きます。

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  1. 2015/06/30(火) 06:03:55|
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英国式庭園ならぬ草原

ミラノ万博、その6

このところ、比較的快調にアップを続けていたのに、またぞろモデムの不具合で、ストップと相成りました。5月に換えたばかりのモデムだというのに、困ったことです。それに、木曜の夜から不具合なのに、直ったのは日曜。日本だったら考えられないスピード感ではないかと思いながらも、まさか日曜日に技術者が来てくれるとは思わず、びっくり。思わず技術者の若者には感謝してしまいました。

さて、万博、続きです。欧州各国のパヴィリオンめぐり。
スペイン。




ラテン国ですから、食へのこだわりは、イタリアと共通するものがあります。また、食材の生産についても、とても共通しています。
そういう食材の一生みたいな、旅みたいな、そういうことがテーマだったのかな。




見た目が面白いと、つい展覧会的な楽しみだけを覚えてしまって、テーマとか忘れちゃうんですよね。
入り口は長いスロープになっていて、モニターとなっている旅行かばんが、床と、翼を持ったタイプが空中に展示されていました。

内部は、割と地味に、まじめなモニターや説明版、ちょっとお洒落な感じのディスプレイー。




すっごくデザイン的なオリーブ・オイルの瓶。
こういうところ、スペインって結構お洒落に出来るっていうか、一部、デザインの国イタリアの上を行くようなところがあるんですよね。意外と、ほんの一部なんだけど、マーケティングに優れた人がいるような。食に関しては、三ツ星レストランとかも多いし。イタリアは全般にレベルが高いんだけど、全体に伝統を守る路線が強いんだけど、スペインは、その辺、割と柔軟って言うか。やっぱりピカソやガウディを生んだ何かがあるかも。

最後の部屋に、おなじみ巨大モニター。




一つ一つがお皿を模したモニターで、ここでもまじめな内容のビデオでした。でもビデオって、とりあえず見ちゃうのね、どういう内容でも。
パヴィリオンの一角は、店舗になっていましたが、ハモン・セラーノもワインも、高いものばかりで、あきれました。




ハモン・セラーノ、おいしいとは言え、100グラム40ユーロは高すぎでしょう。ワインも、高いのばかりでした。来月リオハに行くので、地元でお手ごろなのを浴びてきます。

お次は、英国。ここは、気になっていたパヴィリオン。




いきなり夕暮れ時の写真ですが、本体は、メタルで出来た繭のようなスタイルで、夕暮れになると、内部に点々と光が灯ります。でも実は、手前の草原が肝。
自然の草原を模していて、壁になっているところには、ところどころ穴が開いていて、主に蜂の生態などを説明する展示を覗き込むようになっています。
そして、狭いスペースなのに、うまい具合に迷路のように草原を配置して、本体に向かうようになっています。




雑草系だから、成長も早いのではないでしょうか。日々背が伸びているような勢いがあります。虫もいるし、花も咲いているし、本当にイギリスっぽいんです。というか、イメージにあるイングランドの田舎っていうか?
ここ、好きでした。

そして、本体。




二階建て構造になっています。これは上階から天辺を見たところ。パンテオンと同じように、天辺が開いています。雨の日は雨が降ってくるんでしょうね。
床は透明。




高所恐怖症の人には、やばいかも。
面白かったのは、上から見える、草原の迷路。




すごく狭いのに、みんな、迷路を楽しんでいる感じが分かるんですよ。草の背が高いので、見通しが悪く、ぐねぐねしているから人が数珠繋ぎになっても、前の人の姿がすぐ消えるんですよね。うまいなぁ。

ルーマニア。
わらぶき屋根にびっくりでした。




木をふんだんに使って、まるで、東南アジア辺りのイメージ。ルーマニアって、こういうんだっけ?と考えたら、イタリアとは、距離も言葉も近いのに、何も知らないんだなぁ、と思いました。




この建物はカフェになっていました。周囲には、ぐるりとハーブっぽい緑。




確実に育っています。それも激しく。こういう野菜関係を、どうするのか知りませんが、ちゃんと消費するサイクルになっているといいですね。

順不同もいいところですが、スイス。
ここは、まったく行列がなかったので、通りがけに入ってみました。
なぜかバーゼル館があり、ニーチェ。ニーチェってバーゼルの人?




そして、民族衣装の人々が歌っている小さな舞台があって。




なぜか、舞台の上も客席も、民族衣装の関係者ばかり。閉鎖的なスイスっぽいというか、なんなんでしょ。おばさんたちのはいている、超ルーズソックスが印象的でした。ずるずるですよ。サンダルは木でトイレのサンダルみたいで。すごく失礼な言い方ですが。

本体は、水をテーマにしていて、巨大からくりが面白かったのです。




かなりの大きさの地形ジオラマ。サン・ゴッタルドとか地名が入っていて、ジオラマ周囲には、水の説明があるんです。説明版のある場所で、レバーを上げると、天井からさがっている木の樋を伝って、水が降り注ぐようになっています。




天井の上の方に水槽があり、レバーを操作すると、樋に水が流れ込みます。
しかし、スイスなのに、構造がかなりいい加減で、水は漏れまくりで、水浸し。わざとやってるのか?
それにしても、水が流れるのが面白く、やたらレバーを操作してしまいました。そうそう、水の流れを利用した発電システムにもなっているらしく、レバーを操作すると、その場所のパネルが光るようにもなっていたっけ。巨大おもちゃ。

続きます。

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  1. 2015/06/29(月) 02:05:35|
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遠い国のバラ

ミラノ万博、その5

遠い国をもう少し、探索。
エクアドル。




ゴクラクチョウとか、そういうイメージの、ハデハデな外観。エクアドルって、赤道が走ってる国だった?
確か、夜訪ねたとき、まだオープンしているし、行列もないから、なんとなく入ってみました。そしたら、中も、訪問者は少なく、コンパニオンが余っている状態で、かわいい女の子がぴったりと付いて、ガイドをしてくれるサービス満点のパヴィリオン。

あ、やっぱり、赤道が走っています。




床にエクアドルの地図が書いてあって、地域ごとの特産品が、その場所の上に展示されていて、壁は、四面か三面がスクリーンになっていて、やはりそれぞれの地域の、美しい画像が流されています。コンパニオンさんは、現地の方だと思いますが、イタリア語もうまくて、説明も楽しめました。ちょっとマニュアル入ってはいましたが。




ここでも、バラが産業のひとつ。




バラのオイルをとるのも、バラ産業のひとつですが、ここは確か生花生産をしているといっていたような。すっごく茎の長いバラを栽培しているみたいです。花屋さんで、すっごく高く売れるバラですよね。
それにしても、バラって、結構激しい気候が合うってことなのかな。過酷な気候の土地で、結構栽培されています。寒暖差とかあった方がいいのかな。
品種改良の方は、最近読んだ本で勉強しましたが、本来のバラの栽培に関しては、全然知らないし、バラのオイルや香料の生産にいたっては、まったく無知。考えたら、自然の香料を抽出するマーケットというのも、確実にあるはずですよねぇ。

エクアドル館は、1階部分が、カフェと展示即売の物産展となっていたのですが、物産、非常に心惹かれました。プレコロンビアーナという古代文化の彫刻やオブジェを模したものをたくさん販売していたんです。
プレコロンビアーナって、古代美術史では必ず出てくると思うのですが、これまで、ちゃんと見たことはなかったのです。しかし、これが本当にかわいらしいんです。残念ながら、撮影していないのです…。古代のかわいい系のオブジェって、とてもロマネスクのヘタウマなかわいさに通じるものがあるんですよねぇ。
値付けもなかなかうまくて、安くはないけど、決して買えない高さではないっていう…。
相当悩みましたが、石などマテリアルが重いので、次回来た時に、まだ売れ残っていたら買う、ということにして、やっと離れることに成功しました。大体、我が家には、そんなオブジェを飾る場所もないんだからね。
でも、もう一度行ったら、多分かなりやばいです。

以下、遠い国を一巡します。
ケニア。




コンパニオンさんが、とっても愛想よくて、こんにちわ~とか話しかけてくれるんですが、展示がほとんど何もなくて、一体何を話したらよいのやら、へどもどしてしまって、逃げるように通り過ぎただけ。ケニア辺りは、それなりに観光国だし、こんなでいいのか。

エチオピア。




アフリカの小国は、パヴィリオンというより、大きなひとつの建物に、一室をあてがわれて、こじんまりと展示していました。ダンボールとか廃材を使ったようなエコな造り。
こういうのをみると、ネパールなんかは、とてもお金をかけて、すごくがんばったんだな、と思うし、貧しくとも、こういうのはちゃんとやって、国の宣伝をする余裕はあるって言うことなのかな。アフリカの大変さって、やはり考えられないくらいすごいのかな。
エチオピアなんて、古代まで遡れば、すごい文化を持っていたはずですよね。

トルコ。




すごくかわいらしいオブジェがたくさん。何度も前を通っているのに、残念ながら、入るチャンスがなかったパヴィリオン。

アンゴラ。




コロンビア。




アルゼンチン。




アゼルバイジャン。




タンザニア。




モロッコ。




入れなかったパヴィリオンを、ずらりと並べてみました。
なんか、やっぱり「万国博覧会」なんですねぇ。万国博覧会って、古臭い名称だけど、まさにその通りって表現で、これを考えた人、すごいですね。イタリア語だと、Esposizione Internazionale(国際展示会)っていうつまらない名称で、英語と同様ですね。
万国って言うのが、なんだかとってもいいです。本当に万国ですからね。数えられないくらい、いっぱいっていう意味で。
実際、名前は知ってるけれど、正確に場所を示せない国が、どんだけたくさんあることかと思います。

行くとしても、せいぜいあと一、二回だけですから、とてもすべてをみることはできそうにありませんけれども、やっぱり世界を見る、一助ではあるのかな、と思ったりしています。表面的な展示に過ぎなくても、でも、普段の生活で、絶対に交わることのない土地の姿や物産を垣間見る楽しさって、確かにあるような気がします。
テーマ以前の問題っていうか。
万国、なかなか楽しいよ。

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  1. 2015/06/23(火) 06:03:35|
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砂漠の人々と野菜工場

ミラノ万博、その4

エスニックつながりで、次は中東域のパヴィリオン巡り。
まずは、日本館のお隣なので、日本館を訪ねた人の多くが、ついでに、という感じで立ち寄りそうな、オマーン。




砂漠の中にあるキャラバン・サライのようなたたずまいですねぇ。ここ、入り口のところにある噴水池が、とてもいい感じです。




さすが、こういう国は、水が大切なんだよね、と軽く楽しんでみただけですが、どうやらこれ、結構高度なシステムを使って、水を循環させて云々という展示の一環だったようです。水は、建物の反対側を流れ落ちていたのですが、それも循環の一部なんでしょう。やっぱり水が大切ってことなんですよね。




パヴィリオンの裏側は、通りにオープンな中庭ですが、オアシスのようになっていて、カフェにもなっていたようです。いい雰囲気でした。
そして、展示は、ビデオとか派手なものがなくて、どっちかと言うと文化祭のりの、ひどくまじめな展示だったんですが、結構食いついてしまいました。というのも、オマーンって、そもそもどこにあるのかすら、正確にはわからない状態で、漁の展示があったり、バラ栽培が主要産業とか蜂蜜とか、リゾートとか、つかみどころのない幅広い国の印象に、すっかり戸惑ってしまったものの、展示してある関連写真が、どれもとても印象的なんです。
一言で言えば、エキゾチック、ということになるのでしょうか。
思わず、レセプションにいたコンパニオンの方に、具体的な旅の情報を聞いていました。
今のところ、直接入れる定期空路もなく、観光開発はこれからの課題、ということでした。国内の安全性は高いようですが、移動手段はおそらくレンタカーのみとか。
いや、いきなり具体的な話、しすぎだろうよ。

いずれにしても、いつか行ってみたい土地のひとつとなりました。

あ、でも、食に関しては、ちょっと愕然としました。




日常的台所風景を、等身大ビデオにしていたんですが、お母さんが子供のお弁当を作っている風景。結構な時間をかけて作っていたのが、卵焼きで、お弁当がその巨大な卵焼きだけだった…。
そりゃ日本のお弁当は時としてやりすぎな内容もあるけど(今のキャラ弁とか)、でも、やっぱり日本のお弁当文化は素晴らしい、と、思わず力こぶ、入るような。
中東の中では、おそらくずば抜けた金持ち国ではなさそうですが、だからというわけでもなく、気候的に、食材は限定的なのかもしれません。四季があるということは、それだけで、豊富な野菜や穀物や果物が育つ環境を得やすいということなのかな。

地味な展示だけど、実は、スペクタクルなものより、いろいろ考えされられたりします。

では、スペクタクルな展示のあった金持ち国クウェート。




パヴィリオン前から、砂が敷き詰めてあり、太陽ががんがんだと砂漠からからの現地状態、炎天下に並ばされるのは、ちょっときつそう。幸い、わたしが並んだときは、ほんの10分ほどで入れましたが、それでも疲れました。

壁に入ったところで、まず水のカーテン。




これ、落ちてくる水で、文字を描けるようになっているんです。




アラビア文字で、意味は分かりませんが。このシステム、アメリカ館の前にもあって、面白かったです。
なんせ、暑いときの水は、見ているだけでも、和まされます。

この水のカーテンの前で、コンパニオンの説明があり、そして、パヴィリオンに入ります。




ここも、最初の部屋は壁中をスクリーンにした映像。国の特色をまとめたような映像でした。それなりにきれいですが、さほどのインパクトはなし。
そして、次の小部屋は、暗くて、嵐でした。




雷が光り、雷鳴がとどろき、地面まで揺れたのにはびっくり。閉所恐怖症の気のある方や、地震の経験者の方には、お勧めできない空間です。怖いと思います。

で、その小さい部屋を出ると、いきなりショッピング・モールに彷徨い出ます。




なんか不思議。
赤黒基調のチェッカー模様が、どうやら伝統的なモチーフのようでした。かわいらしいです。
壁沿いには、水耕栽培的な緑がずらり。これもまた、会期中にどんどん育ちそうです。

川魚の水槽があったり、ほうろうの薬缶がモビールみたいにつるさがっていたり、ナツメヤシの干したものがピラミッドのように積まれていたり、そういう物産の通路を抜けると、開放的なレストランになっています。そういえば、夕食難民になる前に、ここがあったんだな、と今思い出しました。雰囲気よかったのに。




中東、もうひとつ、カタール。




普通の建物の上に、蒸し器のようなものが載っているのが、かわいい。

夜の蒸し器。




ここも結構人気で、常に階段に行列が出来ています。パヴィリオン前に、小さなステージがあり、多くの時間、歌や演奏が行われているので、集客に貢献しているのかもしれません。
民族衣装のコンパニオン。この辺りでは、女性はふくよかな方が美人だったりするんでしょうか。それはインドだけの話でしたっけ。




入ると、まずいきなり合羽橋。




かなりよく出来た食品サンプルだし、こういう技術って日本以外にないはずだから、やっぱり合羽橋製ではないかと思うのですが、どうなんでしょうね。
そして、多くの人にとっては、こういう蝋細工は珍しいものらしく、みな食い入るように見学していて、なかなか近寄れないほどでした。




この後は、砂漠の中での野菜工場とか、かなりまじめな展示が続きます。砂漠の中の人工的な野菜工場プロジェクトは、興味深いジオラマがありました。コンパニオンの方に尋ねると、既に実現が近いプロジェクトということでした。海水の淡水化とセットになっているようです。おそらく、日本の技術も、入っているはず。すごいことですよね。

そして、エスカレーターで2階に移動。いきなりスペクタクルな作りになります。




円筒状のスペースになっていて、中心に塔のような形のスクリーン。訪問者は、ゆったりしたスロープとなっている周囲を回りながら降りてゆくことになっています。スクリーンには、いろんな映像が映し出されます。
でも、ゆったりしているとはいってもスロープになっているし、暗闇の中を歩かなければならないし、意外と映像を見ることが困難だったりして、若干アイディア倒れ感あり。

これで終わりかと思うと、地上階では、職人さんたちのお部屋があって、籠を編んだり、魚網をつくろったり、マジで仕事をしていました。




ヘンナで、手足に絵を描いてくれたり、いろんなサービスもありました。レストランも。
そうか、ここにもレストランあったんだ。
選択肢、結構あったのにね。ただ、広いから、ご飯を食べようと思っても、結構必ずしも近くに何かがあるわけじゃないんですよね。それに、どのパヴィリオンでも、レストランがあるのかどうか、正面からはよくわからなかったりします。

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  1. 2015/06/22(月) 05:50:03|
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なぜか、夕食難民

ミラノ万博、その3

順不同で、パヴィリオンめぐりをしたいと思います。
ネパール。




入り口から比較的近く、目が引かれるオリエンタルな寺院建築となっています。

万博開幕直前に、ネパールが大地震で大変な被害を受けてしまいました。万博では、多くのネパールの職人さんたちが、このパヴィリオン建設のために来ていたのですが、責任者を残し、ほとんどのネパール人は国に戻りました。そして、残る工事は、われもわれもと支援の声を揚げたイタリア人職人さんたちの手にゆだねられた、というような話を聞いていたのですが、実際には、未完成のまま。




実際にそのパヴィリオンを見れば、これは仕方ないな、ということが分かります。本国から持ち込んで来たに違いない、伝統的な装飾満載のとても美しい建築なんです。
これでは、ただ組み合わせるだけでも、門外漢には、とても手が出せないでしょう。
6月に行ったときは、時間がなくて近寄ることも出来ず、完成に向かっているのか、どうなのかが不明です。
いずれにしても、直接募金できたので、よかったです。今では、メイン・ストリートにも大きな募金箱が置いてあります。

それにしても、木彫り、激かわです。超わたし好み。




アジアつながりで、ベトナム。




竹で飾った外観が、とても印象的。そして、建物の周りに池が作られていて、極彩色のはではでオブジェクト。神様的な女性像多数と、蓮の花。




女性像は、ひじが曲がるようになっていて、ポーズもかわいらしいし、派手な色彩が、竹や緑に映えること。伝統的な人形なのかな。

内部には、伝統的な楽器が置かれたステージがあったので、コンサートが行われるのでしょうね。興味があります。
1階には、伝統的なオブジェクトなどが置かれ、2階は、いきなり物産展でした。




経済大国でない国のパヴィリオンでは、物産展お土産屋併設率高し、です。それも大いにありで、そういう物産を見るのも、楽しいものです。
ベトナム館では、木のお椀を買いました。薄く漆が塗ってあり、とても軽いお椀。いくらだったか忘れちゃいましたが、安いものです。

タイ。




食事をしようと思って訪ねたのですが、レストランがなく、その代わりに、コンビニのようなお店が併設されていて、そこで電子レンジで暖められるインスタントものが販売されていました(実際に暖めてくれます。まさにコンビニ)。ちょっと残念。トムヤムクム、いただきたかったけど、チンじゃねぇ。

ちょっとした行列がありましたが、入り口まで行列する通路から見える場所は、水田になっていました。




万博は10月末までだから、もしかして、ちゃんと育てて収穫するんですかねぇ。そういうのって、なんだか楽しいです。
水田の中には水牛。水牛というとすぐにモッツァレラをイメージしてしまいますが、イタリア以外の国では、水牛のミルクを、何かに使っているんでしょうかね。

最初の部屋は、360度のスクリーンとなっていて、美しいタイの風景が写ったり、今の地球の様々な問題が喚起されたりという、教育的なビデオが流されました。この「いきなりビデオ」スタイルは、多くの館で共通ですね。




次の部屋もビデオなのですが、こちらは見せ方が面白かったです。




2階から1階の中庭を見下ろすような形になっていて、見下ろす部分は全面ガラス張りで、実はビデオが写されるということも、最初は分かりません。
床部分に映像が見えるのですが、色の氾濫的な画像が反射で全体に広がり、面白い効果です。いろいろ考えるもんだな~、と感心しました。
ちなみに、クーラーが、すごく効いていたので、暑さに参った人にもお勧め。

これでおしまいかと思いきや、さらに誘導された先は、立派なシアターでした。階段状の席にゆったりと座り、映画を見ます。




それが、なんと、国王礼賛映画!
びっくりしました。冗談か、とも思ったのですが、もちろん大真面目です。
しかし、短くまとめられた国王の業績の数々は、実に目覚しく、タイの発展にいかに寄与したかということが分かりやすく、見終わったときは、素晴らしい国王なのですね、と素直にタイ人に話しかけてしまいそうな気持ちになっていました。
全然国王っぽくなくて、見た目は、「インテリぶった普通のオヤジ」って言うのが、やってることとの落差で、インパクトあります。
タイっていい国なんだな。微笑みの国っていうだけあって、ちょっと貧しくても、みんながまじめにがんばって、幸せなんだな、というイメージで、見学終了。
タイ、すごいです。

韓国。




ここも、食事を求めて行っただけ。パヴィリオンは見学せずでしたが、脇の方に、展示の一部がはみ出ていました。




缶詰の缶だと思います。保存食とか、エコとか、そういう流れの展示、かな。

さて、韓国飯、食べたかったんですが、そして、カフェテリア、とてもきれいだったんですが、調理済みのお弁当状態のものを販売しているだけでした。
先日、韓国食材店のマダムとおしゃべりしたときに、「パヴィリオンの調理所は電磁調理器しかないので、火力が弱くて、そこで調理できないので、ああいうものになったらしい」と言っていました。そういえば、日本館のレストランでも、フードコートはほとんどオープン・キッチン状態なのに、ぶわーっと蒸気が上がるとか、暑そうなイメージがほとんどなかったと思うのです。
それにしても、韓国料理も、中国料理のように、火力が必要なんですかね。知らなかったな。
キムチにはひかれたものの、他はあまり食べたいものがない。韓国風の海苔巻きなんていうもの、初めて知りましたが、海苔巻きなら日本のものがいいし。
というわけで、食がテーマで、食べるものが山ほどあるはずの万博で、まさかの食事難民。

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なぞの歌のお姉さん

ミラノ万博、その2

日本館、入り口からは一番遠いところにあり、入場して、結構わき目もふらずに向かっても、確実に30分はかかってしまいます。
それでも、行列をしないために、朝一番で向かったのですが、到着したときには既に長蛇の列。




なんと、既にして1時間10分待ちでした。
でも、さすが、おもてなしの国。




行列の並び口に、待ち時間が啓示されており、どういう状況かコンパニオンが説明してくれます。そして、行列も、日陰→日向→日陰となるように工夫して、列を作るようになっています。こういう細やかなサービスをしているパヴィリオンは、他にはありません。

それにしても、コンパニオンの制服は、確か著名デザイナーのものだと思うのですが、相変わらずダサい。
日本には、世界レベルのファッションデザイナーがたくさんいるのに、オリンピックとかこういう世界レベルのイベント絡みになると、とんでもなくダサいものが採用される傾向は、今でもあるんですねぇ。

日本館は、ヒノキ作りで、なんと釘を一本も使わずに、外壁を作っています。宮大工の世界ですねぇ。自分がやったわけでもないのに、自慢したくなります。




こういう技術、決して絶やさずに伝えていってほしいものです。技術といえば、こちらも。




メインストリートに向いた正面入り口に積み上げられた、色とりどりの酒樽ですが、酒樽も、いまや片手で数えられるほどしか製造所がないそうなんです。
そういえば、イタリアでは、もうずいぶん昔に製造者がいなくなっているのではなかったでしょうか。樽を必要とするものはたくさんあるのに、ワインもバルサミコも、いまやフランス産の樽を使わざるを得ない、悲しい現実。

外の行列が終わっても、実は建物入った時点で、やっと半分です。夜に行ったとき、さほどの行列じゃなかったのに入れなかったのは、そういう理由だったのです。

中に入ると、木の棒がずらりとさがったパーティションで通路が作られています。




棒はさがっているだけなので、動きます。みんなつい触るのですが、木と木が触れ合うと、相当うるさい音がします。拍子木なんですね、音的には。それが、ずらりと並んで、拍子木が何百組とある状態ですから、いかにうるさいか、想像していただけると思います。時々コンパニオンの方が、うるさいので、どうぞ鳴らさないでください、と言うんですけど、触りたい、という誘惑に勝つのは、なかなか大変。で、いつもうるさいです。




むくの木なので、香りが立ち上っています。ヒノキ風呂気分。

やっと最初の部屋に入ります。グループ・ツアーとなり、一回100人程度でしょうか。
外の暑さが嘘のように、ひんやりした暗闇。漢字交じりの日本語がつるされていて、ライトアップ。なんだか、中国テイストで、え?これ?と、少々戸惑いました。




全員が入った時点で、奥の壁に映像が映し出されました。




なんか、全体にやっぱり中国テイストが否めない。うーん。
その上、空気を読めない風の日本人らしき若者が、遠慮なくスクリーン前に立って、映像が隠れるので、集中できない。しゃがむなり、後ろに下がるなりしてもらおうと声をかけようとしたら、他の人が注意してくれて、ほっとしました。まったく、恥ずかしい。




作品は、チームラボというグループの製作らしいのですが、このグループ、最近、東京で「踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」というイベント的展覧会をやっていたんです。あまりの人気に、会期が延長されたというそのイベントを取り上げた記事を読んだところ、ひどく面白そうだったので、この日本館の展示に興味を持ったというわけです。

次の部屋に移動すると、ここも暗闇で、光が怪しい雰囲気を醸し出しています。




狭い通路を進むけれど、なんせ人も多いので、途中で立ち止まるしかない。そうしたら、壁に向けて映像が始まりました。

こちらは、田んぼの四季。




苗を植えて、緑になって、稲穂が実って収穫祭。




踊っている農民が映し出されています。
とても美しい演出でした。




そして、鳥居のような通路を辿り、次の部屋。




これは、最初に目に入ったときのインパクトはなかなか素敵だったのですが、内容は、何というか、がっかり感が勝つというか、意味不明って言うか。




SF映画とかのイメージ拝借って言うところですかね。水の流れの中に、日本食の写真が流れてきて、触ると止まるので、よく見ることが出来たり、スマホに取り込むと、レシピとか他の写真も引っ張ってこられるシステムになっているのだそうです。でも、これは、生まれながらのデジタル世代でないわたしなどには、どうしようもない話し出し、そもそも、日本食の写真をもらっても仕方ないので、ほぉほぉ、とコンパニオンさんのお話を聞いておりました。

そして次の展示に写る前に、通路に、おなじみ合羽橋製の食品サンプルがびっしり!




これはやっぱり楽しいです。本当に素晴らしい出来栄えだし。
そしてミニ・シアター。




ここでは、地球の温暖化や水不足を解消するための話を、文化祭的にまじめに話す映像が流されておりました。椅子が並べられていたので、多くの人が、一休みしていたのが現実と思います。映像の主人公は、愛知万博のキャラクターですね。
部屋の周囲にめぐらされたジオラマがきれいでした。




さすがにもうおしまいだろうと思ったら、次の部屋が最後にして一番の出し物的な?びっくりでした。さほど大きいとは思えないパヴィリオンなのに、うまく作ったものです。
その部屋に入り前、ロビーみたいな場所で、映像を見て、お勉強。フューチャー・レストラン。




入場。




着席させられてしまうので、全体の写真が取れなかったのですが、中央にステージが置かれた円形のスペースで、我々は、ステージを取り囲むように並べられた、ファミレスのような大きな6人掛けのテーブルに付かせられます。
テーブルの真ん中には大きな映像がおかれ、各自の前にも映像、そしてお箸がおかれています。




映像には、「是非、会話をしましょう」なんて書いてあるのですが、みんなお箸や部屋の観察に一所懸命で、そんな余裕なし。余裕ある日本人としては、同じテーブルの人に話しかけてみたんですが、思いっきり無視されました。

ステージでは、この人、一体どういう経歴でどこから湧いたの?という感じの日本人女性が出てきて、イタリア語でトークしながら、くるくる飛び回ります。




そして、イタリア人男性が加わると、なんだかNHKの、すごくお金をかけて、半分冗談みたいなことをまじめにやっているテレビ番組的なのりになっていきます。




歌ったり踊ったり、ちょっとこっちが恥ずかしくなるような演出で、他の人たちも、若干呆然としている様子で、盛り上がっているとも思えませんが、音楽とライトアップとで、なんとなく無理やりに盛り上がっている状態の演出。うむむ。何だろう。ちょっと馬鹿にされているような気分にもなりつつ。

でも、手元に展開される映像は美しいし、それなりに楽しさはありました。日本人以外の人にとっては、もっと目新しかっただろうし。
ただ、とにかく早すぎでめまぐるしくて、展開についていけない人も多かったと思います。




これで、終了。
1時間近くかな。いやはや、ご苦労様です。
期待していたものかと言うと、どうだろう、というところはありますが、ここまでがんばっているパヴィリオンはほとんどないという意味では、確かに人気があるのもうなずけます。日本人って、本当にがんばっちゃう人たちなんだな、と思います。
それにしても、特訓したに違いないイタリア語を駆使して、歌って踊ってトークする「歌のお姉さん」のような人は、一体誰なんだろう。

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  1. 2015/06/19(金) 06:08:14|
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ミラノ万博、行ってきました。

ミラノ万博、その1




ロマネスクをお待ちの皆さんには申し訳ないのですが、今しばらく寄り道が続きます。と言っても、この寄り道は、今ミラノに生活している以上、避けては通れない寄り道…。日本でもちょっとは話題になっているようなので、ご理解いただけるかと思います。

わたしにとって万博といえば、ロンドンの水晶宮であり、パリのエッフェル塔、はたまた名古屋城の鯱だったりします。これまで生きている中で、行こうと思えば行けた万博って言うのはあったにせよ、その機会に恵まれなかったために、歴史上のイベントに過ぎず、と言って、基本がミーハーでお祭り好きなわたしのことですから、興味がないことはもちろんなかったのです。
でも、まさか人生初の万博が、ミラノで、それもちょうどミラノに住んでいるときで、なんていうことは、想像すら出来なかったことです。

万博の開催が決まってからずいぶん長い時間がたち、地元ではまったく盛り上がっていない中、開催間近になって、あちこちで突貫工事が始まるに至って、あ、本気だったんだ?とみなが思う、というような、お祭り好きの日本ではありえないような展開だったので、本当に予定通り開催されるのかどうか、わたしも含めて、ミラノの人たちが一番信じていなかったのではないでしょうか。
開催二日前に、我が家最寄の地下鉄の延長工事が、いきなり一部完成したことにも、あきれるやら驚くやら。イタリア人の、掟破りの帳尻合わせは、1990年ワールドカップの顛末でもびっくりさせられたものですが、今回もまったく同様です。

遠方に住む友人と、早くから計画をしていたことと、夏休みに遊びにやってくる姉を連れて行こうという計画があるために、前売り券を買いに行った開幕前、市内にあるチケットオフィスは閑散としていて、その後3週間足らずで開幕するような雰囲気はおよそありませんでした。
最初の予定は、6月早々の週末でしたが、ミーハーなわたしとしては、少しでも早く行きたくて、まず開幕3週間目ほどの週末に、夜だけのチケットで行ってみることにしました。

会場は、10時から23時までオープンしており、一日券は30ユーロ前後しますが19時入場のナイト・チケットは、5ユーロという手軽さが、決め手でした。
お目当ては、日本館と日本食、各所ライト・アップでしたが、やはり19時からではあまりに短くて、ほとんど何もみられないことが分かっただけでした。それでも、雰囲気が分かったので、偵察としては十分で、満を持して、6月の最初の週末に行ってきたというわけです。

というわけで、以下、レポートとなりますが、写真は、上記二回の訪問が、いろいろと混じっています。

夜の際は、19時にゲートがオープンして、20分ほどで入場できましたが、朝から行ったときは、すべてのゲートが開いているにもかかわらず、結局約30分かかりました。
空港と同じような機会を、荷物も人も潜り抜ける必要があるので、ある程度時間がかかるのは仕方ないですが、それにしても、遅い。




訪問数日前からいきなり暑くなってきたところだったので、ゲートの上の日よけにたどり着くまでに、かなり消耗しました。イタリアらしく、行列が団子状になっているので、どこに並ぶのがベストかの見極めも付かず、残念ながら、我々の並んだ列は、はずれだったと思います。ここは、きちんと見極めて並ばないと、平気で10分とかの差が出来そうです。
でも、みんなウキウキしているので、お祭り気分が盛り上がってきます。外人比率、とても高いです。

目抜き通り。




ここは、日よけがあるので、日差しは避けられますが、周囲に建物がびっしりなので、風の通り抜けが悪く、空気がこもっています。8月の暑い日だと、かなり厳しいかも。

5月に行ったときは、まだあちこち準備中的な雰囲気満載だったのですが、6月には、ずいぶんといろいろ出来上がったというのか、日々様子が変わるのも戦略なのか、展示も増えていました。入ってすぐに、アルチンボルティのだまし絵を模倣した像がたくさん並んでいます。




これは、万博が決まってから、ミラノ中央駅などに展示されていたもので、結構インパクトがあります。





朝から行った日は、何はなくとも日本館は見よう、と、日本館を目指したのですが、なんせ、会場の一番奥に近い位置。歩いても歩いても、陰も形も見えません。
途中、「あ、パヴィリオン・ゼロって、ニュースでやってた」とか。




「あ~、鏡張りで面白い~。あれ、どこだろうね?」とか。




「なになに?かまくら?マレーシアだって、かわいいねぇ」とか、いろいろ騒ぎながら、それでも基本急ぎ足で、興味深いパヴィリオンを次々を通り過ぎます。




ちょっと寂しいけど、なんせ日本館の人気は高く、夜に入場したときは、21時までオープンしているというにもかかわらず長蛇の列のため、19時45分に到着した時点で、もう入れませんと言われてしまったのです。そのとき、「ほぼ常に行列があるけれど、10時から11時の間であれば、大体すぐに入れると思います、それ以外は少なくとも1時間の行列は必至です」という貴重な情報を得ていたので、もうがんばるしかないのです。

でも、歩いていれば、両脇は各国パヴィリオンなので、一応、さらりと様子を確認することは出来ます。最初の印象は、「万博って、意外と地味」。
すごくお祭り的な、大騒ぎって言うか、きらきらとか、近未来的とか、大げさなイメージがあったのですが、なんか至って普通のイベント会場的な、それも結構地味な、いる人たちも普通に町を歩いている人たちだし、イベント的な要素って、特に朝は少ないし、ちょっと気が抜ける感じ?

とは言え、こんな奇抜な建物は、普通に町にはあるもんじゃないし。




各国パヴィリオンがあるということで、イメージとしては、ベネチア・ビエンナーレだったのですが、当たらずとも遠からず。でもビエンナーレのパヴィリオンはとっても地味だし、行列はそんなに出来ないからね。




ここでは、人気のパヴィリオンは、日本館のみならず、常に長蛇の列。それも暑い中、という環境が多いので、結構厳しいです。パヴィリオン内は、かなり激しくクーラーが効いていますが。
ちなみに、上のアゼルバイジャンと、アラブ首長国連邦は、常に混んでいるパヴィリオンで、特にアラブ首長国連邦はいつも民族衣装の人がいて、かっこいいのでした。多分、ニュースで見て、これは面白そうだと思った展示は、ここではないかと思っているので、8月には、真っ先に行ってみようと思っています。




肝心なことを書き忘れていましたが、この万博のテーマは「食」。食べ物でもあり、飢餓でもあり、砂漠の緑化であり、食をベースにして、ミクロには日々の食卓の話題から、マクロには地球の荒廃を食い止めようというような、そういうこと。
エコとかにも通じるせいか、木製のパヴィリオン多数。また壁や屋上に、菜園併設パヴィリオンも多数。




日照もあるし、菜園の植物は、結構期間中に育って、収穫できるのではないかと思います。
そうそう、エコ的には、水も、ただの給水塔がたくさんあり、これは大変助かりました。




なんと、ガス入りもあって、冷たくておいしい水です。でも、何度見ても、ガスとそうでない水の見分け方(ボタンの違い)が分からず、不思議でした。イタリアでも、圧倒的多数はガスなし水を好むはずなんですが、どうも我々の試すところはガス入りばかりだったんです。
ちなみに、バールやレストランでは、2ユーロで売っているのでびっくりします。万博に行かれる方は、必ずボトルを持参しましょう。

次回から、パヴィリオンめぐりです。

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計算された泡立ちグラス

グラッパ合宿、アルト・アディジェ、最終回

友人たちと落ち合ったヴェローナ郊外へ向かう前に、ロヴェレート近くの丘の上にある、小さな村のレストランでランチを取ることとしました。




Casa del Vino della Vallagarina
Piazza San Vincenzo 1, Isera (TN)

村の広場の、湧き水のある小さな広場。地味でそっけない建物ですが、おそらく結構古いと思います。
名前から分かるように、実は半分はエノテカ(酒屋)となっている、ワイン専門のお店です。




お会計が置かれている入り口のスペースは、ワインがずらり。飴色の棚も、古さがよい感じだし、置かれているボトルが、これまたお洒落~。
そして、その先に、大きなテラスが広がっています。




外でご飯を食べるのに、ちょうどよい陽気でした。レストランの名前になっているのが、目の前に広がる谷(Vallagarina)だと思います。




お値段は、雰囲気から推して知るべし、若干高めですが、サービスは完璧だし、ワインもお皿に合わせて的確に勧めてくれるのが素敵。
前菜は、生肉に、生の白アスパラの千切り。




白アスパラは、ほんの一時期で回るだけのものだし、ミラノでわざわざ買って、食そうとは思わないので、食べない年の方が多いですが、いずれにしても、生でこうやっていただくなんて、びっくりしました。こっちでは、思わぬ野菜を結構なまで食しますね(これまで、カリフラワーとか、アーティチョークの生食べにびっくりしました)。

このお皿には、発泡性の白。




白も、ブルゴーニュ赤でも飲むみたいな大きなグラスに注いでくれて、へぇ、と思ってグラスに注目したら、不思議なことに気付きました。
泡が、等間隔に規則的に、立ち上って、そのまま表面で広がって、花びらを形作るようになるんです。あんまり不思議なので、ソムリエさんに聞いてみたら、そういうグラスを使っているんです、ということでした。




グラスの足から等間隔で、6ヶ所、傷がつけられています。そうすると化学作用で、泡がそこからしか立ち上らないようになるんだそうですよ。そういう風に泡をまとめることで、さらにワインの風味や口当たりがよくなるとか。ひぇ~、なんだか奥が深いって言うか、わたしのように、ただ飲むだけの素人には、絶対に違いが分からないと思う。

プリモは、アスパラのラザーニャ。




一人前を友人とシェアしたんですが、ちゃんとお皿に取り分けてくれて、素敵な盛り付け。
このときは、しっかりした赤。




グラスの後ろにある、何か昔の調理器具的な木製の容れ物は、パン皿。パンも自家製らしく、ふかふかのフォッカッチャ、おいしかったです。

シェアしたので、若干物足りない気がして、珍しくデザートを頼みました。




ここまで、すべてお洒落で、おいしかったのですが、このデザートはちょっと甘すぎ、見た目もいまひとつ。冷たいジェラートに、暖かい森の果物のソースで、メレンゲ乗せ。メレンゲなんて、見るだけで歯が浮きそうな気がして、ほとんど食べたことがないのですが、これ、ふんわりしていて、結構おいしいもんですね。でも全体としては、お料理のレベルに達してないのが残念。パティシエさんはいないのかも。

それにしても、お店の人々の気持ちのよいサービスには感心しました。

程よくお腹も膨れて、村の教会前の木陰で、谷の美しい緑を愛でながら一服。この後ヴェローナまでは、もうすぐでした。




今回のグラッパ修行旅も、最初から最後まで充実でした。収穫もお土産もたっぷりで、我が家のグラッパ棚は、今のところ、グラッパにかんしては、どの酒屋さんや居酒屋の棚よりも、充実しているのではないでしょうか。次の修行旅までに、どれだけ消費できるかな。
次回の旅は、晩秋のピエモンテです。お楽しみに。

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試飲で金取るって~、どうよ。

グラッパ合宿、アルト・アディジェ、番外2

南チロルに行ったら、これでしょう、というメニューを試したのは、最初の日のランチでした。




La Cacciatora
Via Carre' 133, Mezzocorona, Trento
www.lacacciatora.net

トレント郊外の村にある、ちょいとこじゃれたレストラン。自転車ツーリングのグループなんかも来ていて、気軽な雰囲気ながら、実際に、結構こじゃれていました、お値段も含めて(要は、田舎の割りには、割高な感じっていうか?)。




雰囲気はいいです。
一応、平日金曜日のランチなので、近所で働く風の人々がお昼を食べに来ていたり、というのもあったようですが、安くはないので、金曜日だから来る、的なそういう感じって言うか、または、働く人用のメニューがあるのかもしれません。

地域に根ざしたものは、食べられるときにいただくのが基本。だって、明日はどうなるか、なんて、予想付かないですからね。というわけで、いかにもチロルのメニューで攻めたわたしのランチは、以下。

カネデルリ。
おなじみですねぇ。これは、この地域に来たら、一度はいただかないと納得できません(要は、好きなのです)。これはチーズ・ソースで、若干重め。カネデルリそのものが結構小ぶりなので大丈夫、と思ったのですが、やはり結構重めでした(カネデルリは、素朴にブロードが一番かな)。




ちなみに、友人は、なぜかフレッシュ・トマトのオレッキエッティという、激しく南なメニューをオーダーしましたが、これはこれで、非常においしかったです。

そして、ランチなので、プリモの後はデザートで〆。デザートも、この地域に来たら、絶対に一度はいただきたいけれど、意外といただくタイミングが難しいアップフェル・シュトゥルーデル。




こういうところで、レストランの格って言うか文化って言うか、あり方が分かりますね。一人分を頼み、シェアするから、スプーンを二つ持ってきて、と言ったら、ちゃんとお皿で、シェアしてくれているんですよねぇ。こういう対応してくれるレストランって、本当に嬉しくなっちゃいます。
お皿の左側は、ドライ・アップルの下に、バニラ・ジェラート。正確に言えば、これが一人分ではありえないですよねぇ。いや、おいしかったです。
それに、この後、散々走り回った南チロルですが、このときの予想通り、アップル・シュトゥルーデルをいただくような時間の余裕はなかったので、ここでいただいておいて、本当によかったです。

ランチといえば、翌日のランチも、発見ではありました。
先に紹介したフォルストのすぐ近くの村にあるレストラン。




ここは、レストランでありながら、グラッパの蒸留も行う蒸留所でもあるのです。それで訪ねたところ、雰囲気もよいので、ランチをいただきましょう、ということになりました。
いただいたのは、まずは、山盛りのサラダ。




この、ドイツ・メニューには必ずある前菜的なサラダ、大好きなんです。キャベツやにんじんにもおいしい味がしみこんでいて、そもそも生野菜好きなわたしは、いくらでも食べられるって言うか。山盛りフレッシュ野菜、もりもりガシガシ、いただきました。
そして、季節のアスパラガスのリゾット。




さすが大ぐらいのドイツ人の多い地域、お皿にも、大と小があったのですが、注文でうっかりしたら、大が来て、かなりの盛でした。




おいしかったです。
でも、お皿に突っ込まれたえびの意味は不明。いらないし。ドイツ人から、動物性蛋白が必要だ、とか何とか言われた?とても不思議なえびで、正直、いらないえびでした。

で、最後に、グラッパの試飲をお願いし、三種、いただいたんですが。




よいセレクトだったし、それなりにおいしかったのですが、試飲のつもりでいたのに、しっかりメニューにある料金を徴収されたのには、がっくりしました。それは、後から領収書を見て、分かったのですけれど。
グラッパおよびリキュール、かなり多種製造していますが、比較的お値段が高かったのと、試飲でお金を取られたので、むっとして、わたしは結局買わず。
いいレストランではありましたけれどね。でもちょっとね。




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南チロルの誇る醸造所フォルスト

グラッパ合宿、アルト・アディジェ、番外1

いきなり暑くなったり、友人が訪ねてきたり、肋骨が痛かったり、なんだかんだで、どうも自宅でパソコンに向かう気にならず、とうとう丸一週間、ご無沙汰してしまいました。
というわけで、アルト・アディジェのご飯編も、既に忘却の彼方状態ではあるのですが、本気で忘れないうちに、まとめとこうと思います。

まず、今回宿泊したのは、トレンティーノのワイン街道にある小さな旅籠。




Hotel Pensione Alexandres
Via dei Vigneti 28, Appiano (San Michele), Bolzano

ホテル自体はそれなりの規模ですが、わたしの宿泊したシングル・ルームの狭さは、特筆もの。でも、さすがドイツ語圏というか、狭くてもシステマティックで、非常にうまく作られていて、それに、清潔感はばっちりでした。
ドイツ語圏のご家族経営ですが、イタリア語はちゃんと通じたし、どなたも皆さん感じがよくて、居心地はよかったです。
一番気に入ったのは、窓から見えたこいつかも。




裏のお家にあった風見。
おじさんが、一所懸命、車を漕いでいるタイプ。ちょうどすずめがお休みだったところをパチリ。
15年ほど前に、ドロミティの、おそらく当時気に入っていたヴァル・ガルデナに滞在したときだったと思いますが、このタイプの風見に目が留まり、いたく気に入って、是非ひとつ欲しいものだ、と思ったものです。村をぶらぶらしていたら、確か農機具関係のお店のショーウィンドウだったかにいくつかのタイプが陳列されていたので、思わず近寄って、実際の巨大さに度肝を抜かれたのでした。考えたら、屋根の上に置くんですから、巨大に決まっているんですよね。
いろんなタイプがあって、多くが、こうやって人が働いている姿だったりするところが、とてもかわいらしくて、今でも、こういうものがおける家に住みたいものだ、とは思います。

話をホテルに戻しますと、内装は全体にかなり古めでしたが、そもそも休めのお値段、そして、一日だけでもハーフ・ペンション(朝晩のご飯付き)にしてくれるのも、とても良心的でした(ハーフペンションは、最低三泊から、というホテルがたくさんあります)。実際、二日目はこちらでいただきました。なんということのない土地の料理ではありましたが、宿で夕食がいただける気楽さは、本当にありがたいです。

食に関して言えば、今回待望していたのがこちら。




3年前、この南チロルに中世を訪ねた際、この近所に宿泊したにもかかわらず、とうとう一度も立ち寄ることの出来なかった場所。素敵にドイツ風なここは、歴史的なビール醸造所フォルストForstです。




日本で言えば、恵比寿ビール園とか、サッポロビール園とか、そういう感じかな。まさにこの場所で生まれたフォルスト・ビールは、今でも、時々進化しながら、同じ場所で醸造を続けているんです。歴史的な建物の裏には、結構な敷地面積を有する醸造工場があります。

最初の日の夕食を、ここでいただきました。ドイツ風で、ソーセージとかハムとか、一皿料理、そして、出来立てのおいしいビール。
普段は飲めない白ビール。




初めてミュンヘンに言ったときに覚えた白ビールは、ビールがおいしいドイツ語圏では、必ずいただくことにしています。そして、これも、イタリアではこの辺りでしかおいしいのを食せないプレッツェル。外カリカリ、中はもっちり。




ご飯は、クラウトのサラダとか、ソーセージ、ポテトフライト、完全にドイツ圏で楽しみました。歴史的な建物がビヤホールとなっていますが、とても美しいバーカウンターで、ウェイター、ウェイトレスも、民族衣装を着ていて、雰囲気はドイツの田舎です。




建物は、幹線道路の両側に建っていて、道路には、木製の橋が架かっています。これまた風情があって、大変いい感じになっています。




橋を渡った側には、オープンエアのビアガーデン。
実は、翌日の夕方にも立ち寄る機会があり、そのときはこちらの方で、ビールを楽しみました。




週末の昼間、チロルらしい楽団が入り、みなが楽しくジョッキを傾ける姿は、まさにドイツ。短い時間だったけれど、とっても楽しい気分になりました。何より、出来立てのビールというのは、本当においしいモンです。




そして、オープンエアのビアガーデン側には、ちょっとした博物館とお土産屋さんがありました。ここはオープンして、まだ間がないということでしたが、とても素敵なスペース。その上、小物土産(バッジとか、タオルとか、グラスとか)の値付けが、びっくりするくらいお安い!大物は、高いんですけれど。




博物館スペースには、古い荷馬車とか、かつてのポスターとか、各種ボトルとか、全体にとってもお洒落。




ちなみに、何でイタリアでビール?と思う方もいるかもしれませんが、実はイタリアは隠れた地ビールの宝庫で、ミラノおよびその周辺だけでも、いわゆるミクロ・ブルワリーがたくさんあるくらいなんです。ビールは、アルコール度が低い分、規制が少ないとかそういう理由もあるのかもしれませんけれど、地ビールは味わい深いものが多いです。

フォルストは、もちろんそういうレベルではないですが、イタリアのビールというよりはチロルのビールであり、スーパーで売っているようなブランドでもないために、なんとなく地ビール感が強く、また特にこの、醸造所でいただく、というのは、格別なものがあります。

グラッパの旅だったのに、フォルストは、訪ねるべき目的のひとつとしておりました。いずれにしろ飲兵衛三人組の修行ですから、「アルコール」くくりで、まったく違和感なかったですが。

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