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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ダムに沈んだ村出身、母娘三代(マンシーリャ・デ・ラ・シエラ)

2015.07.スペインの旅、La Rioja編、その9

このところ、ちょっと順調に記事をアップできていたのですが、しばらく停止してしまったのは、夏休みの計画で忙殺されたためでした。
毎年のことですが、田舎修行では、ホテル予約に苦労します。なんと言っても、まずはルートを決めないと、ホテルも取れないし、スペインやフランスは、イタリアに比べて国土が広いせいか、ホテル密度が低いというか、ちょうどいい場所にちょうどいいホテルっていうのが、結構難しいんですよね。もちろん、言葉の問題もありますしねぇ。

フランス在の友人に情報をもらったりして、何とか完了。

昔は、行き当たりばったり、という旅もしたものですが、一人修行旅では、ホテル探しの時間がもったいないので、事前予約必至です。今回は、ちょっと余裕のある行程にして、考えながら見学したいなぁ、とか思っていましたが、地図を見ていると、どうやらそれは不可能な感じです。
のんびりと気の向くまま、足の向くまま、みたいな旅。新しい土地に着いたら、まずカフェにどっかりして、ビールから始まる、みたいな旅。そういうの懐かしいし、いいなぁ、と思うのですが、なんかここにいる限りは、できそうもないです…。

さて、気を取り直して。

山からの戻り、最後に寄ったのは、湖のほとりにある村、マンシーリャ・デ・ラ・シエラのはずれに、一人ぽつんと立つ、隠遁所跡です。




サンタ・カタリーナ隠遁所Eremita de Santa Catalina。
ここ、行きに、村を通った際、道端に座り込んでしゃべっていた男性たちに、場所を聞いたもの。村はずれにあるということはわかっていたものの、ここまで外れていると、なかなかわかりにくいものなので、助かりました。まぁ、湖沿いを走っていると、表示は出てくるんですけどね。




ちょうどよい路肩に駐車スペースがあり、アクセスは楽です。このスペースから湖畔に降りていく感じ。
このスペースが、湖の見晴らし台のようになっていて、女性三人連れが先客でした。家族三代という印象でした。
なんとなく挨拶して、あの隠遁所を見に来たという話をしたら、とても親切で、この湖がダム湖であること。湖底に、本来のマンシーリャの村が沈んでいることを教えてくれました。4、50年前のことということだったので、おばあさんに当たる方は、沈んだ村で生まれたことになるのかな。孫に、そういう話をしに来たのかもしれません。
水位が下がると、村の一部が見えるんだそうですよ。そういうのって、ちょっとしんみりする。

この駐車スペースから、数百メートル、山道みたいなところを降り、湖畔に出ます。




正面は、まったく面白みがないですけれど、湖畔側に回ると。




おお!好みの後陣!と、なります。
石色もいいし、好物の軒持ち送り、そして、丸いつけ柱。ばっちりです。




小さいけれど、優美なお姿。
前部は、壊れちゃったために、小さい姿ですが、後陣の大きさを考えると、いずれにしてもかなりこじんまりした建造物です。それでいて、キチンとしてロマネスクの様式を踏襲しているのが、ある意味すごいです。

例によって愛らしい、軒持ち送りのやつら。




これって、どら焼き食している状態にしか見えないですが、もしかして、悪いことして舌になんかされちゃった系でしょうか。




おなじみ系、にやり系動物。
こっちもおなじみ系で、歯むき出しのガジガジ系。




しかし、髪の毛の描写の細かさと、ガジガジしてるのか、吐き出しているのか、にわかにわからない、ホラー入ってる系ですねぇ。おもちろい~。

地味な全部にも、柱頭が残っております。




割と正当な感じのグリーンマンだったから、かえってびっくり。

残ってたものは、きちんと残しました、みたいな感じで、彫り物のある帯とかも、ちゃんとはっつけられてあって。




前部が閉ざされていて、中には入れませんが、内側はかなり新しく修復されていて、見るべきものは、なさそうでした。
それにしても、ここ、地面がすごいことになっています。




ヤギとか羊とか、そのたぐいの方の落とし物だとおもんですが、すごいんですよ、そこら中。避けて歩くの、無理。それも、結構新しそうなものも混じっていて、困りました。放牧されているんでしょうかね。いやはや。
隠遁の時代と、あまり変わってないんじゃないか、といった塩梅です。

でも、ダム湖、ということは、本来は、ここは川が流れていたような、そういう土地だったんでしょうから、やっぱり全然違ってしまったんでしょうね。
しみじみ。

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  1. 2017/07/30(日) 20:59:03|
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猥褻物、堂々と展示中(ヴィリャヴェラジョ)

2015.07.スペインの旅、La Rioja編、その8

山の一日、最難関と思っていたカナレス・デ・ラ・シエラをクリアしたので、あとは戻りながら、途中の教会を拝観するだけなので、ちょっと気楽な気持ちで、出発です。
と言っても、狭い山道が続きますから、教会を目視で発見するのは結構難しく、また、一旦通過してしまうと、Uターンも大変な道ですから、山道嫌いの私にとっては、難関が続くことは間違いありません。

まず、立ち寄ったのは、ヴィリャヴェラジョVillaverayo。ここは、教会が高台にあるため、目視で教会を認めることができ、路肩に車を停めることができたものの、どうやって教会にアクセスするのかよくわからず、右往左往しました。
サンタ・マリア教会Iglesia de Santa Maria。




結局、これはどう考えても、人の家の敷地内だろう、と思われる道なき道を進み、変な場所から、びくびくものでアクセス。




これ、左の民家の裏側ですが、勝手に柵の扉を開けたり閉めたりして、通過です。

教会、かなり地味ですよね。でもここは、スペインお得意の軒持ち送りが、実に楽しかったです。
この一面を見るだけでも、来た~!って感じしますでしょ?




ありがちな牛状フィギュアや鉋屑は、おなじみ感が強く、よっ、また会えたね、って感じ。




一方で、もういきなりこんなの。




埴輪的な?肉眼では正直、細かいところ見えないので、わかってなかったですが、土偶みたいだなぁ程度のイメージでしたが、これって、セルヴァトス的な奴で、性器フューチャーしてますかね。




この人たちも、同じ傾向のやばいやつらっぽい。

この人は?




局部なのか、楽器なのか、不明(笑)。それにしても、とぼけた表情が、すっごくいいですわ~!

あ、決して、そういうものばかり探しているわけではなく、やはりおなじみと言ってもよい、不思議なフィギュアも、楽しめますよ。




もうこんなのってさぁ、なんだろう。かわいいって言っちゃいけないのかもしれないけど、なんだか被り物フィギュアみたいですよねぇ。
そしてこれ、いじけた感じの、体育すわり君。




軒持ち送りって、ほとんど首を直角状態に上向けて見るんで、本当に疲れちゃうんですけれど、こういうところってやめられなくて、あとで首が本気で凝ります。

それ以外に、壁にはめ込みの彫り物が、とても素朴で、古い時代のものかと思われました。




すごく好き。いかにも地元の石工さん作って感じ、します。




ワッフル型みたいな十字モチーフとなわなわで、円柱や半円を描くのが主で、あちこちにはめ込まれていました。どちらも、アストゥリアスで目にした、プレロマネスク教会、つまり西ゴート的なテイストを感じますが、如何でしょうか。
考えたら、ラ・リオハは、すっごく遠くはないんですよね、アストゥリアスと。すごく近くはないけれど、こういうものが伝播する可能性は十分ある距離だと思います。

色々と見続けていくと、記憶力の悪い私にも、カチッとつながることがありますね。これこそ現場主義の良いところかも。実際の距離や高低差を含む土地勘って、現場を歩いてこそですもんね。
と、自分を持ち上げつつ…笑。

建物全体は、ゴシックの時代に大幅に手が入って、比較的つまらない四角い箱状になってしまったようです。




でも、このレンガのように色のついた石積みは、なかなか味があります。太陽光線によって、見た目の色が変化するのも面白いです。

この窓は、古いですね。しっかりしたアーチの連なり、限りなく狭い開口部。ほっとします。




開口部にはステンドグラスですね。オリジナルは、きっとアラバスターか何かの薄板だったものでしょうねぇ。うっとり。

中には入れませんでしたが、もう完璧に満足で、引き上げましたとさ。

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  1. 2017/07/26(水) 05:57:54|
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最果てにたどり着けば大工事中(カナレス・デ・ラ・シエラ)

2015.07.スペインの旅、La Rioja編、その7

この地域では唯一、ランチにありつけそうな場所を目指して、やってきたのは、山道の最奥、カナレス・デ・ラ・シエラCanales de la Sierraです。途中には、いかにも山のリゾートっぽい土地などもありまして、山感、半端ないです。

山奥の割には、結構な規模の村で、適当に路肩に車を停めようとしたら、視線バチバチ、近所の人なのか、おやじがじーっと見ています。
縦列駐車、慎重にやればそれなりにできるんですが、見られていたりすると、上がっちゃって、たいてい失敗します。このときも一回失敗して仕切り直し。そこで、おやじ登場。細かく指示してくれて、無事、完璧に駐車。拍手をいただきました。
このおやじとは、後刻バールで再会。小さな村って、なんか逃げようないよね。逃げる必要ないけどもさ。

おいしくもないランチをさっさと済ませて、教会へ。




サン・クリストバル教会Iglesia de San Cristobal。
ここは、写真で見て、どうしても来たかったのです。
が、遠目にも、あれ?という状態が…。

近づいたら、やっぱり、でした。




外壁などなど、かなり大規模修復中らしい。夏休み中か、単に昼休み中か、誰もおらず、教会の外壁までのアクセスは、できるようになっていたので、それは助かりました。

だって、このポルティカーダ、これがなんと言っても見たかったんですから。




この部分は、すでにかなり修復なっている感じでした。いろいろな建材が散乱している中を、恐る恐る近づきます。




柱頭には、なかなか細かい彫りが施されています。
創造しすぎかも、ですが、ダニエルさんに見えないこともないやつ。




残念ながら、かなり傷んでしまっているようで、修復しても、なかなかね。再建になっちゃうのも寂しいし、これは難しいところ。
石色が、ブリオネ―とかでよく見かけた、黄色にピンクが入っているタイプの石ですね。




副柱頭部分のお花モチーフが、ふくふくした和菓子系で、かわいい。

ポルティカーダの中は、絶賛工事中。




2年前ですから、今はもう終わっているでしょうか。
ここには、素敵な扉があります。
まずは、ポルティカーダの扉。




立派な柱に柱頭。アーキボルトに施された、植物モチーフの浮彫、アーカンサス・バリエと思いますが、繊細さがなかなかよい感じです。
ちょっとアップしますと。




全体に、うにょっというか、ねりねり感満載で、重量感もあります。重心が低い感じだからかな。
そして、中の扉。




こっちは、超浅浮彫で、ねっとり感なくなります。




アーカンサス・バリエ含めて植物一辺倒な彫り物ですが、全体にすっきりシャープで、これはもしや再建さん?と思わないでもないほど、違いますよね、熱が。
表はこれ。




たぎっている感じですよね~。

軒持ち送りも、たぎってる系だと思うんですが、いかんせん、傷みが…。




ここも、でも面白くて、ポルティカーダと別の面に行くと、軒持ち送りも、なんだかクールな感じになってる~!




屋根も含めて、かなりの部分、修復中だったので、相当時間がかかっているとは思いますが、完成したら、きっと素晴らしい状態になっているのではないでしょうか。
こういうところ見ちゃうと、どうしても再訪しないと、と思いますけれど、本当に行きにくいところなので、どなたかが行ってくださり、撮影してくだされば、嬉しいところですねぇ。期待したいと思います。




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  1. 2017/07/24(月) 01:04:24|
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分け入っても分け入っても、ボコボコ道(レデズマ・デ・ラ・コゴーリャ)

2015.07.スペインの旅、La Rioja編、その6




こっからは、当初恐れていた山っぽい土地に分け入ります。
まずは、レデズマ・デ・ラ・コゴーリャLedesma de la Cogolla。




サンタ・マリア教会Iglesia de Santa Maria。
またかよ、という感じの地味な教会です。

それでも、一応見どころは、南側にある入り口の周り。




見どころといいつつ、やはり地味ですね~。
でも、子供向けの絵本に使われそうな鳥の柱頭とか、飛び出す感じのお花浮彫、独特感がいいです。




これなんかは、もう見事に溶けちゃってますけれどね、柱頭の浮彫。




お花はうまく修復できた感じ。
スペースに合わせて、花びら目いっぱい、というのが、とってもデザイン的で新鮮です。
アーキボルトにも、お花帯があるんですが、こちらもスペース一杯いっぱいで、いい感じです。




地味な中の装飾、軒持ち送りも、ちょっとかわいいんです。




にやり笑いの動物。




こいつは、歯並び自慢ですね~!

きっと、他も楽しいフィギュアがずらり、だったと思うのですが、朽ち方が激しくて、とっても残念でした。




内部に、小さい洗礼盤があるようで、見たかったのですが、畑仕事をしている人に尋ねて、教えてはもらったのですが、結局カギのありかはわからず、あきらめました。
この日は、相当先まで山道を行かねばならなかったので、潔かったです。

この後、出会ったダム湖。ここに見るべきものがあるのですが、立ち寄っているとランチをとりっぱぐれてしまいます。暑い中、そういう移動をしていると、体力的にまずいので、ランチが取れそうな、つまり店のありそうな町まで、すっ飛ばしていくこととしました。




どうせ一本道で、同じ道を戻ってくることになるから、それはそれでオウケイだったんです。

それにしてもこの一本道、道幅は結構あるものの、ボコボコに穴が開いていて、かなり怖いドライブでした。対向車も少ないので、そこは何とかなったものの、道に集中しないとボコって大変なことになりそうな、そういう道。
対症療法的な直ししかしていないので、かえって危ないって言うか。でも、行きかう車も少なかったので、こういう道がきれいになることは、なかなかないんでしょうねぇ。
これから行かれる方、どうぞお気をつけて。

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  1. 2017/07/22(土) 23:47:55|
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嘆きの石棺(カニャス修道院)

2015.07.スペインの旅、La Rioja編、その5

相変わらず、アナログな紙の地図で申し訳ないのですが、位置を特定するために、貼ってみます。




右上の方に、ログロニョ。こっち方面から入ってきて、宿泊しているのは、Ventosaという町です。地図の、中心から、右上、という位置にあります。
左下の方が、前回訪ねた、二つの修道院のあるSan Millanで、そのあと、向かったのが、北上したところにあるカニャスCanasです。




サンタ・マリア・デル・サルヴァドール修道院Monasterio de Santa Maria del Salvador。
なんだかだだっ広い敷地に、ずらずらと建物が並んでいて、いったいどうなっているんだ?というたたずまいのお迎えでした。

どこぞのサイトか何かで、ちらと見たフィギュアの写真が気になって訪ねたのですが、現場での説明版を見てすぐ、あーあ、でした。




シト―派の修道院ということですが、建物は、すべてゴシック以降のもの。
扉も。




内部の後陣も。




ゴシック的にはイケてる可能性もあるかも、ですが、私のターゲットでは全くなくて、教会の見学は、2分くらいで終了~!
一瞬食いついたのは、この図版くらいかな~。




ヨーロッパに広がるシトー派及びそれ以外の宗派の建造物一覧。こういうのは楽しい。

せっかく来たのだから、博物館となっている部分を、見学させてもらうことにしました。




私が写真で見たのは、この石棺のフィギュアだったんだと思います。
これは、この場所の目玉的なものらしく、大切に展示されている様子でした。
聖女Urraca Lopez de Haroという方の石棺のようです。13世紀、スペイン・ゴシックの宝石のような彫刻作品、とありました。

石棺の一面は、大っぴらに嘆き悲しむ聖職者たちがビチビチに彫られています。




テイスト的には、確かに時代が下るのですが、なんか、写真で見て、かわいいなぁ、と感じてしまった次第。




乗り遅れるな的な、便乗参列的な、びちびちぶりじゃないですか?聖女がどういう方だったのかわからないんですが、おそらく、相当一派に膾炙した、奇跡満載聖女だったのかも。最近のイタリアで言えば、パードレ・ピオ的な。

反対側の面には、尼さんたちもぎっしり行列しています。




やはり気になるものは、見といた方がいいので、とりあえず満足。
で、さらに行ってよかった、と思ったのは、売店で、他の地域でも購入したことのあるロマネスク・ガイドの、ラ・リオハ版を入手できたからなんです。
青い表紙の、さしてボリュームのない本なんですが、写真が豊富で、説明も結構きちんとしていて、地域で見るべき教会は、必ず押さえているシリーズで、気に入っているんですよ。
残念ながら、ナヴァラでも、アラゴンでも、同じシリーズの本は見当たらなかったので、嬉しさひとしおでした。

同じ売店で、びっくりしたもの。




中世本のコピー本みたいなんですけどね、たとえ20%引きとはいっても、1590ユーロ…。
「サント・ドミンゴ・デ・シロスの一生」とかありますが、見えるところだけ見ても、字ばかり…。でも、そういう分野の研究者だと、よだれが出ちゃうんでしょうかね。売れないものは、作らないだろうしなぁ、こんな紙すら忠実に再現したようなコピー本。

そんなわけで、やはり地味なリオハ、続きます。

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  1. 2017/07/21(金) 05:50:28|
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ガイドのおやじの滑舌が~、涙。(サン・ミリャン・デ・ラ・コゴーリャ)

2015.07.スペインの旅、La Rioja編、その4

超地味、というか、よくもそんな土地にわざわざ行ったわね~といわれちゃうレベルの地味さが続きましたが、今回の教会は、そのイメージをぐっと覆します。と思いたいですね~。
サン・ミリャン・デ・ラ・コゴーリャSan Millan de la Cogollaにある、二つの修道院です。

ユソ修道院Monasterio de Yusoと、スソ修道院Monasterio de Susoがあって、なんだか事前に情報を集めていても、名前を含めて、よくわからん、って感じでしたが、私が目的とするのはスソの方。ここは、車で直接アクセスできず、サン・ミリャンの町からシャトル・バスに乗っていく必要があり、当然の帰結として、ガイド・ツアーのみ、ということは、調べていました。そして、最初のバスが9時55分、とさすがスペイン時間で、遅めなことも。

すでに遅いので、何が何でも最初のバスに乗らねば、と気合を入れた結果、9時半過ぎには到着してしまいました。

親切にも、町の入り口に駐車場が完備なので、そこに駐車して、ぶらぶらすると、眼下に、立派な建物があります。




どうやら、これが、ユソ修道院のようです。
駐車場のところに、インフォメーションがありましたが、まだ閉まっています。うろうろしていると、スソ行きのバス停がありました。




んん?10.15?10.00?
なんだかよくわからない表示です。
いずれにしても、まだ時間があるのは間違いないので、ちょっとユソ修道院の方に、降りてみることにしました。




どうやら、こちらの修道院は、パラドール的なホテルになっているようでした。
それにしても、降りてきてよかったんです。実は駐車場のところにあるのは、このユソ修道院のインフォメーションで、スソ修道院、つまり私の目的地のインフォメーションは、この下の方にあったんです。
事前に、そこでチケットを購入する必要があるのに、バス停のところにも何も書いてないんですから、不親切ですよ~。後から上にあったインフォメーションを見ましたが、そこにも、何も書いてないし。

というわけで、今後訪ねる方は、バス停でぼーっとバスを待ってないで、下の方のインフォメーションに慌てていってくださいね。ちなみにトイレもあるので、助かりますよ。

で、なぜかバスは、事前情報通り、9.55ピッタリに出発して、ほんの10分程度で、目的地に到着。




スソ修道院Monasterio de Sa Millan de la Cogolla de Suso。
何もない緑の中に、あり、いかにも修道院というたたずまいの場所ですが、今は教会部分だけが残っている状態です。

ここは、起源が大変古くて、西ゴートといわれています。もともとは、羊飼いなどが利用していた岩窟が、隠遁所とか礼拝所に転用されて、それが発展したものとも言われているようです。

入り口部分は、かなり新しくなっていますが、それでもワクワクしますね。




入った部分は、ナルテックス的な場所となるようですが、いきなり、超のつく馬蹄形の門が!




久しぶりの西ゴート、これは興奮します。

残念だったのは、ここガイド・ツアーで、ガイドのおやじは、超早口の上、こちらがスペイン語をわかるのかどうかすら聞いてくれないフランス人タイプの人でした。ツアーは10人程度だったと思いますが、それでも、わからないガイドを聞くくらいなら、何もわからなくても、一人でじっくり見たいですよね。まぁ、仕方ないですけれど。

おやじが説明しているところの柱頭、かなり素敵ですよ。石が、大理石的なすべすべ感のある材質で、なでなでしたくなるタイプの浮彫。




内部も、馬蹄形アーチの連続です。




狭くて、装飾性は最低限で、でも、何とも言えない重量感、静謐感。時間を見るかのような、そういった空気がありますねぇ、ゴートくらいまでさかのぼると。だからプレロマネスクの世界、好きなのかなぁ。




立派な石棺。




サン・ミリャンさんの墓所だそうです。




ディテールが面白いんだと思うんですが、南下とにかく見えにくいし、説明は全然わからなかった…。この赤いのは、たぶんレーザーで、示しながら説明してたんでしょうね。おやじ、もっと滑舌よくしろよ、と心の中で悪態をついていましたね。




相当細かい繊細な彫りが施されている上に、保存状態がめちゃくちゃいい。その割に、フィギュアが判別しにくいのは、石色のせいと、そういうことをあまり考慮していない証明にも問題があるのでは?と思っています。
ワンちゃん、かわいいですよね。

こっち側に、小窓があって、そこからだと、照明の具合もよくなって、比較的ディテールがわかりやすいのでした。狭い場所なので、他の方と順番で撮影しました。やっぱり、全体の照明が間違ってるな、たぶん。




雰囲気のあるクーポラ部分の天井。




どこをとっても素敵。




ほとんどの見学者は、おそらく、観光地だから、というだけでやってきたものと思いますが、つまり、特に美術が、とか、建築が、とか、そういうのではないと思うのですが、こういう場所は、そういう人たちをも引き付ける何かを、確実に醸し出していますね。

最後に、またナルテックスのところで、壁に描かれたいたずら画きの説明。




もちろん新しいものではなく、中世期のものだったと思います。残念ながら、メモすら取ってない…。その場ではちょっと理解していたのに、完全に忘れてしまいました。




スペインは、比較的ネットで情報が集めやすいので、早めに一度検索してみたいと思います。
現場で、本を売っていたのですが、どうも字ばかりの学術的な本だったので、買いませんでした。読めませんもん。

終了。




全部で1時間くらい、とありましたが、ガイドそのものは20分くらいで終わってしまいました。おやじが端折ったと思いますけれど。
まぁ、シャトルバスも半時間ごとにあるわけですから、それほどのんびりはしてられないでしょうけれども。

次のバスの人たちと入れ替わりにようになりましたが、どっと人数が増えていたので、やはりこういう見学は、朝一番に限る、と思いました。
また山道を下って、クルマを停めたユソ修道院の駐車場まで、短い旅です。




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激しく継ぎ足しの柱が、古を髣髴させるけれど(トリシオ)

2015.07.スペインの旅、La Rioja編、その3

ナヴァッレーテに力を得て、ホテルに向かう前に、もう一つ寄り道する元気が出ました。
向かったのは、トリシオTricioという村。
しかし、村に入り込んだものの、ここでも目的地の場所はさっぱりわかりませんでした。Ermita、つまり隠遁所という性質の建造物である以上、町の中にはおそらくないはず。とりあえず、車を停めたちょうどその場所に、なんと町と周辺の地図が!

向かうべき方向を記憶して、いざ。

たどり着いた草原。そこに、真っ白な建物が。




まるで、スイスかドイツの山に中にある教会の真っ白さですよね。
これは間違っているかと一瞬思ったのですが、ちゃんと立派なプレートがあり、目的の教会の名前が記されていました。




ロス・アルコスの聖母またはサンタ・マリア隠遁所Ermita de le Virgen de los ArcosまたはErmita de Santa Maria de los Arcos。

これは、2008年7月に修復が行われたことを記念したプレートのようです。1%というのが何かはわかりませんが、例えば税金の一部を文化に向けるプロジェクトみたいなものに基づいているとか、そういうことかも。
要するに、結構最近に、外観の修復がされたようなんです。
そういえば、町の地図に出ていた写真は、もっと教会っぽい姿でした。




ガラスが反射して醜いですが、あまりそそられないながらも、教会の姿ですよね。
それが、相当傷んでしまって、真っ白ぬりにされちゃったということなのかな。

ファサードは、そのまま。




幸い、扉の所に金網の窓があり、そこから中をのぞけました。相当背伸びが必要でしたけれど。
ここは、フレスコ画があるという情報を得ていたので、必死で背伸びです。

まず、立派な柱が見えました。




以下にも、ローマ遺跡などからの転用柱ですよね。それも、継ぎ足し感がすごいです。
いかにも地震の起こらない土地の構造です。




網が結構細かくて、レンズだけも入らないため、大変難しい撮影でした。
全体はこういう感じ。残念ながら古い時代の雰囲気は、後代の手によって、かなり損なわれているようですね。




正面に、少しだけ、フレスコ画を認めることができました。




13世紀のものらしく、おそらく私の好みではなさそうですが。
いや、ガイド本には、別の絵が出ていて、それはいかにも14世紀ごろ風でしたが、こちらは、また手も時代も違うように感じられます。近くから見たかったものです。




それにしても、教育的なプログラムでもあるのか、この建物以外、何も見当たらないのに、すっごく立派な駐車場完備。




停まっているのは、私のレンタカーのみです、もちろん。
5世紀の構造がもとになっているらしいので、建築的には大変貴重だし、継ぎ足し風の柱も、研究の余地がありそうですが、しかしこの広大な駐車場の意味は、不明です。

ただ、青空が広がり、緑の草原、木陰、と大変気持ちの良い場所だったのは確か。瞑想するに最適かもね。ここに隠遁した人の気持ちも、ちょっぴりわかるロケーションかもね。




ちなみに、ここまででかなり想像がつくと思いますが、ラ・リオハ、基本的に地味~なものが多いです。小さくて地味で、それでいてアクセスしにくかったりして、何のために、とつい自分を見つめなおしてしまうような、そういう土地です。なんかやだな。
でも、時々、びっくりするようなものがあって、やっぱり一度は行く価値があるっていうか。
ということで、多くの期待をせず、お付き合いくださいね~。

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入り口だけといえども(ナヴァレーテ)

2015.07.スペインの旅、La Rioja編、その2

「こんなはずじゃなかった」的な、まぁ実際にはよくあるパターンではありますが、そういうクラヴィホ城へのドライブを完了して、素直にホテルに向かおうと思いつつ、そういうときって、何かすっきりしないというか、これで終わりたくない気持ちが強いので、ほとんど通り道だし、とナヴァッレーテNavarreteに立ち寄ることにしました。

事前情報では、「墓地教会で、今ではその入り口だけが残っている」というものだったので、墓地を目指せばいいはずだから楽勝!と思っていたのが、あにはからんや、またまたの迷走です。
それなりの規模の町で、墓地への表示も見あたりません。仕方なく路肩に駐車し、公園でくつろぐおじいさんたちに尋ねてみました。

おじいさん比率が高いのは、イタリアにも共通しますが、おばあさんたちは、家にいることが多いのですよね、おそらく。やはりおばあさん友達とだべっていたりするんですが、だべる場所は家やその周辺、というのがおばあさんで、おじいさんたちは、バールや公園で、というのが多いみたいです。

で、お爺さんたち、それは熱心に教えてくれたんです。ありがたいことですよねぇ。
それなのに、私ときたら、どうしたって迷う。なぜか迷う。
で、また後戻りして、こっちかも、などという自分の勝手な邪念を抑え込んで、おじいさんたちの言ったことに、ひたすら忠実に走ったところ、到着したんですよ~。




ナヴァッレーテ、かつて存在したサン・ファン・デ・アクレ病院Hospital San Juan de Acreの入り口。ここは、巡礼の道に当たり、かつて、巡礼宿と救護所があったそうです。

相当修復をした結果なのでしょうが、それにしても美しくてびっくりの残り方です。墓地の入り口としては、大変ぜいたくなものですね。




右側のアーチ根元。
そして左側。




12世紀とありますが、かなり後半かもね。

アーチの中央部分に、縦に、フィギュアが並べられているのは、ナヴァラ地方でもよく目にしたのと同じスタイルです。




12世紀後半かな、と思うのは、フィギュアのスタイルから、ゴシック臭が感じられないでもないからなんですが、どうでしょうか。要は、ディテールは、私好みではないということです。笑。




全体は、こうなっています。




メインの入り口の両脇にあるのは、扉ではなく窓ですが、やはり同じように装飾が施された、非常に立派な構造です。




こっちは、さらに時代が下る感が強いです。が、あまざらしで廃墟になった建物の一部と考えると、いくら修復を下にしても、よくぞここまで残っていた、という驚きに変わりはありません。




ちょっとね、ロマネスク的なかわいさは欠けるんだけど、でも、やっぱり残っていることを寿ぎたいですね~。




そして、私の中でのラ・リオハに対する期待感を高めてくれたことについても。

続きます。

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いくら9世紀のお城があるとはいっても、なぜこんな山奥にまで行くことになったのか(クラヴィホ)

2015.07.スペインの旅、La Rioja編、その1

寄り道が続きましたが、そして、いろいろとアップしたいロマネスク諸々がたまっていますが、やはり古いところから順番にあげていくことにします。

ナヴァラ地方を抜けて、ラ・リオハ地方に入ります。
ラ・リオハって言えば、思いつくのは赤ワインくらいで、ロマネスク的には、ほとんど知識なし。事前に調べた情報が頼りなんですが、それも心もとない状態で、入り込んでしまいました。
ロマネスク的には、有名な町村もあるとはいえ、ほとんどの土地は無名と言っていいと思います。でも、意外な発見というか…。
やはり、実際に訪ねてみないとわからない場所って、一杯ありますよね。
でも、試練はつきもの…。修行ですから、仕方ないですね。

というわけで、試練から始まったのが、ラ・リオハです。

ラ・リオハへは、トレス・デル・リオの延長で入り込んだのですが、まずは、州都でもあるログロニョを目指しました。が、街の片隅に入り込んだだけで、大都会ぶりがわかり、なんだか、これはいいや、と思って、周辺にある最寄りロマネスクを目指すことに、急遽目的変更。
それで目指したのはアルベルダAlberdaという、ログロニョの郊外的な町。
そこには、隠遁所が二つばかりあるような事前情報を持っていたからなのですが、隠遁所って、つまり聖者がこもる礼拝堂のような場所だから、普通は町にはなくて、郊外の何もない場所にあるっていうイメージ。そういう小さな村なのかと思えば、このアルベルダという町は、意外に新しくて、なんの変哲もない新興都市だったんです。

これは、町の人に聞いてもわかるまい、どうしようかと思い、路肩に停車して、通りすがりのお爺さんに、それでも一応尋ねてみました。

すると、さすが年の功、ですかね。目的の一つについては、丁寧に道順を教えてくれたのですが、どうにも複雑かつ、相当な田舎道のイメージで、気が進まず。
結局、彼が勧めてくれた村に行ってみよう、という気になりました。一応、事前メモにも記された場所だったし、気軽な気持ちで。




しかし、走り出すと、これがもう、山谷連続、休める村も路肩も、何もない山道を行く状態。




こんなとこ来て、どうするの、オレ?
というような道の連続でした。
どこまで続くんだろうと悩みながらも、くねくね山道の対抗二車線なので、およそ立ち止まって考える余地も余裕もなく、ただ前進する以外なし。最後に、前方に、丘から飛び出すような城砦を見た時、その堂々とした美しさに、必要以上に感動してしまいました。




クラヴィホ城Castillo de Clavijo, Clavijo

これは、本当にきれいだった~。
2時間近く、ナバラの方から連続運転してた挙句だったから、やっと到着だ、という達成感もあったんだと思います。

でも、やっとの思いで到着した、変にこぎれいなクラヴィホ村には、何も見当たらず。
修道院があるはずなんだけどね。
目についたのは、この人たちの静かな歓迎。




そして、町一番の広場沿いの家の軒先に置いたデッキチェアでウトウトするじいさん。
それでも、修道院のことを尋ねると、村から谷底へ下っていくとあるけど、廃墟だし、アクセスは徒歩のみで、片道30分はかかる、という絶望的な情報をいただけました。

さすがに、それはあきらめて、せっかくなので、創建が9世紀にもさかのぼるというお城に近寄ってみることにしました。




そもそも村自体が丘で坂道しかない土地で、お城への傾斜は半端なし。
とても建物までも近寄ることができませんでした。でも、かなり立派なお城であっただろう片鱗は想像できる気がしました。




どうやら、イスラム時代のお城がもとで、レコンキスタで征服されたものらしいです。考えたら、創建の9世紀っていうのは、そういう時代なんですよね、この辺じゃ。

しかし、こんなところまで遥々。ログロニョ見てればよかったんじゃないの、とさすがに思いました。こういうのを無駄走りというんだな。

という、ラ・リオハのスタートは、結構情けないものでした。

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ビアガーデンと言えば、やはりフォルスト最強、と確認

春のグラッパ合宿、東部編、おまけ4(最終回)

合宿は5月半ばでしたので、田舎道を歩いていると、そこかしこに、初夏の果物が実っていました。




サクランボやアマレーナ、これはプラムの一種でしょうか。山の恵みって感じでしたねぇ。そして、この春の合宿は、ちょうど白アスパラの季節でもあります。いつもうっかり忘れてしまうので、今回は意識して、アスパラ、アスパラ、と唱えながらのレストラン巡りでしたとさ、笑。

というわけで、最後に、合宿のおいしいお食事特集です。

初日のランチは、とってもアルトアディジェな山小屋風のレストランにて、これまたとても山っぽいお皿となりました。




Antica Locanda Picinin
Localita' Castelletto di Ton (TN)

鹿肉の煮込みと、やわやわのポレンタ。
こういう柔らかい出来立てアツアツのポレンタは、結構好き。地域特有のトウモロコシで作ったポレンタということでしたが、おいしかったです~。

ファミリー経営のレストランで、5月だという言うのに赤々と燃やした暖炉の前で、かなりご高齢の女性が安楽椅子に腰かけて、うとうとされていました。トイレに立った帰りに、彼女の前を横切ると、「ちょっと、あなた…」と声をかけられて、それが見た目よりもずいぶんとしっかりと元気な声だったので驚いたんですが、うっとりと見つめられて、「あなたの髪の毛、きれいねぇ…」と言われて、ますます驚きました。
寝てなかったんだ~。
直毛黒髪が、きっと珍しくて目立ったんでしょうね。なんせ、ここはイタリアじゃないから~。

こういう、模様付きのグラスも、イタリアじゃない感を盛り上げます。




そして今回もまた、こちらへお邪魔しました。




これを見て、あそこだな、と思われたとしたら、アルトアディジェのプロ!




そうです!フォルストのビア・レストランです!
Forst
Virschgauer Str. 10, Algund/Lagundo (BZ)

相変わらず素敵な店内で、楽しいビア夕食を楽しみました。




ここは、すごく安くはないんですが、どのお皿もおいしくて、居酒屋状態でシェアしながら食べるのも楽しいお店です。屋外のビアガーデンも楽しめますが、我々は、いつも落ち着いた店内です。




白ソーセージに白ビール、サラダにブレッツェル。




山なのに、立派なエビも美味でした。

ここの良さが改めてわかったのは、地域の外のビア・レストランを訪ねた時でした。宿泊した村に、結構有名らしいお店があったんで、翌日、行ってみたんですよ。




Pfefferlechner
St Martinsweb 4, Lana (BZ)

発音するのも大変な名前ですが、分解すると、「胡椒の領地」と言ったような意味だそうです。胡椒を扱う地域の領主の名前みたいです。おそらく、この敷地が、その家のものなんでしょうね。

ビアガーデンになっているし、一部にはヤギやウサギを飼っていて、子供連れも楽しめるアグリツーリズムみたいな仕様にしていたり。




それでいて、建物も、素敵な内装なんです。




食事の後で、オーナーらしい女性が、中も見ていってくださいな、と声をかけてくれたので、一通り店内ツアーをしたんですけれど、山小屋という素朴な感じのコンセプトで全体が統一されていて、雰囲気はあるんです。

でも、どうもオーナーさんの努力が空回りっていうか、スタッフのやる気がなくて、サービスには統一性がないっていうか、いい加減な感じっていうか、どっちかというとイタリア的な感じで、それでいてフレンドリーでもない、と悪いとこどりなんですよね。

食事は、まぁまぁおいしかったんです。ビールも含めて。




豚のすね肉を、友人とシェア。久しぶりに食べましたが、から揚げしてあって、これは家では食べられない料理だけに、おいしかったです。付け合わせのホースラディッシュが、これまたドイツ的で気に入りました。
サイドメニューとしてザワークラウトを頼んだところ、肉と一緒に、小ぶりのザワークラウトも来たんで、これは違います、と正直に言ったところ、これは肉の付け合わせなんです、というわけです。それって普通だったら、ザワークラウトは、肉の付け合わせでもつきますけれど、さらに頼まれますか、と確認すべきですよね。または他のものにした方がよいのでは、とアドバイスすべきですよね。
そういうことができないスタッフさんたちだったんです。

支払いも、カードはダメ、とかいうしね。ダメ。
おそらく、安月給で、こき使われているのでは、と勝手に内情を推測して盛り上がりました。あ、ちなみにブレッツェルは、小さくてがっかりしました。

ほらほら、なんだかもう忘れていますよね。
これから、やっと出てきます。




中日のランチをいただいたレストラン黒鷲。
Gasthof Schwarzer Adler/Acquila Nera, St Urbanplatz 4, Andrian




ボルツァーノ・ソースというオランデーズ・ソースみたいな卵ソースで、ひたすら湯がいた白アスパラ。芋。白いお皿ですね、どこまでも。
とにかく量が半端なくて、嬉しかったです~!

そういえば、アップルシュトゥルーデルもしばらくいただいていないなぁ、と思いつき、このときいただいたのですが、生地がビスケット系のカリカリで、好みのタイプではありませんでした。リンゴはおいしかったですけれども。




というわけで、駆け足の食レポートでした。
朝から飲んでる分、食事は結構控えめなんですが、それでも毎回はずれがないですね~。お酒のおいしい土地は、食事もおいしいってことなんですよね、きっと。

ああ、長くなってしまいました。お付き合い、ありがとうございました。
次回からはロマネスクに戻って、飛ばす予定です。とにかくたまりにたまっている上に、今年もまた8月は大修行になりそうなんで、少しでも写真を整理しないと、収拾がつかなくなっているんですよ。
でもどっから片づけだしたらいいのか、困惑しているので、それでまた取り掛かれない恐れもあり…。困ったもんです。

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  1. 2017/07/13(木) 06:15:59|
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