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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

どこもかしこもすごすぎる(セプルヴェダ4)

カスティーリャ・エ・レオン、セゴビア編、その28(2016年夏の旅)

セプルヴェダ、最後に紹介するのは、村の天辺にあるこちらの教会。




サン・サルバドール教会Iglesia de San Salvador。
この、転げ落ちそうな坂道、辛いアクセスながら、その先には、どうやら期待大の様子の教会が見えますから、頑張れます。

やっと到着。美しい後陣に、坂道もなんのその、報われます。




そして、ポルティカーダにも期待できそうです。
でも、はやる気持ちを抑えて、まずは、開いている以上は本堂の見学です。




超すっきり。こうなると、見どころは限定的なので、ある意味らくちんです。




すっごくデザイン的な柱頭。これはびっくりです。
素朴でもあり、ミニマリズム的な感じもあって。




副柱頭の右側なんかは、ちょっとイスラムのアラベスクっていうか、カリグラフィーのような様子ですね。
サムソンの結び目とかいうんだったかな、下段の真ん中のモチーフ。ヘタウマでこういうモチーフを彫るところなんざ、なかなか大胆な石工さん。
形も素朴なら、モチーフも素朴。ここの柱頭、かなり好みです。




ついついたくさんアップしちゃいます。




顔とか動物の姿とかが散見されるんですが、はっきり言って、すごく下手、笑!




でも、面白いです。
そして、すっごくかわいい!




修復のあとも激しい洗礼盤も、思いっきり地味でシンプルです。




後ろの壁で、うっすらしていますが、多色の切り石の並びもきれいですね。

さぁ、期待のポルティカーダへと移動します。




村のてっぺんにいるだけあって、眺めも良くて、とても気持ちの良いロケーション。
そこに、この雰囲気のあるポルティカーダ。これは幸せな教会ですよ~!ここに至るまで、登ったり下りたりの連続で、体力は消耗しますが、すべてはここに立つための過程だったと思えば、納得感100%です。




本堂内部の柱頭が、かなり修復されている様子にしては、ここの柱頭は、傷みが激しく、修復も、掃除も、ほとんどされていない様子なのが、残念です。




溶けちゃってるとか、損壊が激しいならともかく、結構それなりに保存されているだけに、お掃除するだけでも、相当よい感じになると思うんですよ。10年くらい後に再訪したら、もしかして、ピカピカになっているかも。期待したいですね。




西側からの姿。




地味なたたずまいですが、上部にある窓は、それぞれ側柱、柱頭、アーチで装飾されています。




そして、例によって、軒持ち送りが気になりますよね。




期待にたがわぬ素敵な奴らが、ずらりです。鉋屑もありますね。




家畜みたいな動物に混じって、狼みたいのや、ドラゴンみたいのや、果ては河童みたいの
まで。




壮観!




やっぱり、動物の頭と、鉋屑バリエが多いな。
側壁上部から、後陣まで、ずっとずらりずらり。たまりませんね。




信じられないくらい面白くてユニークな彫り物が次々。もっと余裕のある時期だったら、きっと3回くらいに分けて、紹介しているほどの面白さです。余裕がなくて、スミマセン~!




今、久しぶりに写真を見直して、つくづく、面白かったんだなぁ、と思っています。ここは、強烈におすすめ。このサン・サルバドール教会教会のみならず、一粒で何度もおいしい村なので、セゴビア地域に行かれる方には、絶対的お勧めです。




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  1. 2017/12/28(木) 06:50:52|
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軒持ち送り、本領発揮!(セプルヴェダ3)

カスティーリャ・エ・レオン、セゴビア編、その27(2016年夏の旅)

本当は、余裕で、ミラノのクリスマス風景などをアップしたいところですが、余裕ないんで、一気にセプルヴェダSepulveda、続き、行きます。なんか、日本人。急ぐ必要ないのに、急ぐ…。
前回見学中の教会、ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・ペーニャ教会、扉周りからです。




柱頭も、すごくちゃんと彫ってあるし、細かい。黄金のレタブロの時代も金があったんだろうし、創建当時も、かなりお金あったんだね。この前に紹介した、今は博物館みたいになっているサンチャゴ教会は、10世紀創建だけど、ここは、12世紀。その頃から、栄えるようになったのかな、村が。




全体のバランスとか、芸術的にどうかと言えばどうだけど、でもこれだけの仕事、たいしたもんだと思います。
ちなみに、これ。




現地では、細かいところまで確認できないから、とにかく写真をバシャバシャとるのが優先してしまうんですが、今改めて見て、これは、誰?と思いました。なんか、一見鎧をまとっているようにも見えるけれど、さらに見ると、もしや、洗礼者ヨハネ?例のラクダの皮衣?とか思ってしまったんですが、どう思われますか?
もし、ラクダの皮衣だったら、彫り物としてあらわされたのを見たのは、初めて!と思うんですけれど。
でも、教われてるし、キリストの試練的な感じかな。

これもちょっと面白いと思います。




スペイン大好きなケンタウロスですよね?弓を取り合ってる?なんだろう?ケンタウロスのエピソードなんて知らんわぁ。

ポルティカーダは、構造としてはオリジナルなんでしょうが、作りは、全体として修復されちゃっているのが残念。




相当面白い柱頭があったと考えられるだけに、なおさら残念です。




ポルティカーダの扉や、アーチ部分は、縁取り的な浅浮彫は残っていますが、それも、ちょっとアラブ的な雰囲気も感じられつつ、なんかユニークなんですよね。




そして、目ざとい人は、もう注目していると思いますが、軒持ち送り!
ずらずらに並んでいますよ。




軒持ち送りファンに、大放出!




奈良美智系というか、現代アートのようなフィギュアが…。




置かれている場所によって、制作年代に差がるようには思います。




でも、いずれもユニークで面白いですよね~!

この人たちは、楽師のようなんですが、テニスをしている人たちにしか見えません!




相当溶けちゃっているものも多いですが、いや、楽しいですよ。
この、取れちゃっているところにも、きっと面白いものがあったんだろうなぁ。




鐘楼。




シンプルながら、窓の大きさに工夫が見られますね。
一番下にある一連窓だけには、側柱で装飾的にされています。左に、長い首を絡ませた鶴のような鳥モチーフ、右は角っこで頭一つの身体二つの猫状動物です。




しかし、一連窓だと、どうしても薄目、というのが決まりなんですかね。




まるで、普通の建物みたいで、期待できない様子だったのに、堪能でした。ディテールが面白いというのもありですよね。

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  1. 2017/12/27(水) 02:33:58|
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こういうぎちぎち、好みだな~(セプルヴェダ2)

カスティーリャ・エ・レオン、セゴビア編、その26(2016年夏の旅)

セプルヴェダSepulveda、続きです。
坂の途中に張り付いているような、ムデハルの教会。




サンチャゴ元教会。Iglesia de Santiago。
もと、というのは、ここはすでに教会ではなくなっているからです。
近所を流れているDuraton川の成り立ちとかそういうものを展示した教育施設として使われていますが、構造は、教会のまま、残しています。




と言っても、10世紀という創建当時の姿が残っているのは、このムデハルの後陣くらいなのだと思います。他は、結構修復の結果、すべすべの新しい建物になっています。内部も、近代的な内装になっていました。

しかしこの村、小さいけれど、高低差は激しいし、建物がぎっしりで見晴らしがきかないし、地図も持っていたのに、結構迷いました。




こういう風に、塔なんかが見えても、簡単にはたどり着けなかったりするんですよね。相当体力使いました。とにかく行ったり来たり、迷いながら歩くしかないんです。

そんな感じで、登ったり下りたりの挙句、やっとたどり着いた、村の最北端にある教会。




ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・ペーニャ教会Iglesia de Nuestra Senora de la Pana。
村の壁をちょっと外に出た、整備された公園の中に建っていますが、創建当時は、おそらく、何にもない土地だったと想像します。

まずは中に。




おお!いかにもスペインって感じの、黄金のレタブロが、後陣に張り付くように置かれています。こういうのは、14世紀以降のものと思いますが、その時代に、繁栄した教会だったのですね。
でも、ひるむ必要はなくて、ちゃんとロマネスクの時代のものたちも、迎えてくれます。




素朴なダニエルさん。
腕を引っ張られていますね。

また、騎士がいました。これも、この辺り特有のモチーフって感じがしますが、どうなんでしょうか。




素敵なあみあみ装飾も。




そして、これまたおなじみのケンタウロスたちも。




そして、大好きなサムソンらしい人も。




でも、ひげ面…。サムソンは、若々しい長髪の、リンゴほっぺの美丈夫であってほしいんですが、ひげ面…。

内部はこんな感じ。
外に出て、ポルティカーダに守られた、本堂への扉口へ。




ちょっとすごい感じですよ。ぎっしりです。
タンパンには、アーモンドには見えない、四角い枠にキリスト、その周りに四福音書家のシンボル。アーキトレーブには、クリスモン。そして、タンパンを取り巻くアーキボルトには、おそらく最後の審判の長老たちが、ずらりと、ちんまりとぎちぎちに並んでいます。なんという盛りだくさんぶりの彫り物!




人物以外は、結構な浅浮彫ですが、よく残っています。




一つ一つ、好きっていうタイプでもないんですが、壮観です。
背の低い場所に、クリスモンに合わせて、それなりの大きさの人物フィギュアをはめ込むために、みんな中腰っていうか、うさぎ跳び状態の体勢になっているのが、なんかいい~!
福音書家たちも、スペースの制約の中で、何とか姿勢を探してるっていうか。




マッテオさん、マルコの背中に乗っちゃってますね。

こういうの見ると、ロマネスクって、実にスペースありきで成り立っている芸術だなぁ、と実感します。イメージやデザインは、制約を解き放されて、それまで、どこでもここでもアーカンサスだった柱頭に、聖書の場面や変なフィギュアを彫りだして、でも、勿論、場所の制約からは離れることはなく、教会に存在するスペースありきの中で発展したのが、逆に、個性や面白さを生み出している感じもします。

ぎっちぎちに並んでる人たちは、それぞれ、表情もしっかりしています。




この場所だったら、下、せめて正面を向いていたら、もっと顔もみやすいんですが、みんな揃って上を見上げています。




重くなりそうなので、一旦切ります。

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  1. 2017/12/27(水) 01:45:04|
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段差でガリガリもなんのその!(セプルヴェダ1)

カスティーリャ・エ・レオン、セゴビア編、その25(2016年夏の旅)

セプルヴェダSepulvedaという町には、参りました。
山の上の、すごく狭い場所に張り付いている町です。




セゴビアが左下にありますが、結構山に分け入った場所にある町です。
山の上にある、というロケーションはわかったので、ふもとでいったん止まり、人に聞いたところ、週末以外は車で旧市街に入れるし、その方が楽だよ、ということで、ついどんどん登ってしまいました。登りながら、これはやばい、と嫌な汗がたらたら出てきたんですが、後続車もいるし、Uターンなどとてもできない狭い道なので、とにかく進むしかなかったんです。
本来、坂道発進が超苦手の私ですが、レンタカーのときは、結構大胆。新車の坂道発進は、そんなに難しくないもんですから。
しかし、このときはやばかったです。

で、旧市街の中心、エスパーニャ広場Plaza de Espanaに入り込んでしまいました。




まさに町の中心で、人々が行きかっておりますから、停まっている車はあるとはいえ、観光の間中停めておけるはずもないのは明らか。地元っぽいおじさんに尋ねると、ここはもちろんだめだけど、ふもとまで降りなくても、すぐそこに停められるよ、と教えてくれました。
しかし、それは、路肩駐車でした。




黒いフィアット500がこのときの私の車。これ、実際には、写真で見るよりも、もっとずっとすごい坂道です。だから、確かに、ここまで車で来ただけで、体力的には相当助かったんですけれど、それにしても、この駐車、大騒ぎでした。
もうちょっと高い場所で一旦停めたんですが、路肩に、幅広の階段があったんですね。で、そこに踏み込むつもりがなかったのに、車輪が入ってしまって。下向きに駐車したから、なんと後方への坂道発進しないと、発車できない状態になってしまったんです。
帰りにそれをやるのはやだ、絶対やだ、と思い、車の下が段差に当たってがりがりいってるのも分かったけど、もう無理やり、ほとんど半泣きで、階段から抜け出して、実はふもとまで降りようかと思いながら、そろそろと下ってきたんです。でも、この辺りで、ちょいと道幅が広がっていたので、ままよ、と路肩駐車決定。地元のおじさんも大丈夫、と言っていたので、禁止されているわけではないようでしたしね。
いやはや、今思い出しても、よく後ろ向き坂道発進で、あんな状態を切り抜けられたものだ、と冷や汗が出る感じです、笑。




さて、気を取り直して、セプルヴェダの町です。




小さな町なんですが、とにかく高低差が激しいので、徒歩で回ると、普通の二倍も三倍も体力を消耗する町だと思います。でも、中世的には、絶対にお勧め。事前に、見るべき教会が複数あることはチェックしていましたが、どれもが素晴らしく、また町のたたずまいも好ましくて、ここはちょっと滞在してみたくなるような、そういう中世の雰囲気満載の町です。

町の地図で行くと、4番が、私が最初にアクセスしたエスパーニャ広場となります。中世的に、絶対に訪ねるべき教会が、私が訪ねた順番で言えば、以下となります。
5番サン・バルトロメ教会、8番サンチャゴ教会、11番ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・ペーニャ教会、10番サン・サルバドール教会となります。

普通、こんなに見どころがあると、一つくらいは見逃してもいいのかなと思いますが、ここは四つとも、必ず見た方がいいレベルです。

まずは、エスパーニャ広場からすぐのサン・バルトロメ教会を訪ねます。




Iglesia de San Bartolome。
南壁にある入り口側は、住宅に取り囲まれてしまっていて、え?本当にこれかな?と思うようなたたずまいです。広場から、目と鼻の先。
まずは入ってみます。




構造的には一身廊の小さな教会で、おそらく11世紀の創建当時の基礎はそのままながら、結構修復のあとは激しくて、まさに現役の教会だなという印象です。
それにしても、町の中心地にあったにも関わらず、この規模ということは、11世紀、この町、というより、集落的な規模だったのかな。山中だしね。これは、人里離れたような村にある教会の規模です。

ただ、傷んでしまっているとはいえ、柱頭彫り物などちゃんとあるので、それなりに手間暇かけて作られた教会ではあります。




ただ、外観を見た方が、それがよりはっきりとわかります。

住宅街に生まれてしまっている扉周りも、ちゃんと装飾があります。




地味ではありますが、アーキボルトに、二重に、植物的な文様が彫られていますし、柱頭もちゃんと装飾されています。




手裏剣的な植物文様、そしてあみあみワッフル柱頭ですね。素朴でかわいらしくて、11世紀なんだろうな、って感じさせられます。
さらにさらに感動もんなのは、外側後陣です。




こっち側は、幸いほとんどの部分が、独立建物となっていて、ぐるりと軒持ち送り。そして、円柱のつけ柱、これは大好物。切り石の積み方も、なんだかうっとりとします。間に、市松帯まで走っていて、何から何まで、私のツボにはまる後陣です。

一部、隣の建物に押し寄せられちゃっているのは、相当残念です。
あと、市松帯の下にあったはずのオリジナルの窓も、失われてしまったようですね。
押し寄せてきた建物の陰に、一部だけ残っていました。




やはりずんぐりむっくり系の、背の低い後陣と比例して、背の低い開口部に合わせた、背の低い側柱ですが、装飾は結構細かいのでした。




柱頭はシンプルですが、かわいらしいですね。特に、上部に置かれた組紐の帯が好き。




鉋屑がありますね。ちょっとフランスっぽい感じ。
超シンプルなアーカンサスの柱頭がかわいい。

壁にはめ込まれていた、チューリップのような彫り物。




楽しい!
続きます。

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  1. 2017/12/26(火) 03:29:00|
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地元職人さんと、お雇いマエストロ?(サン・ペドロ・デ・ガイリョス)

カスティーリャ・エ・レオン、セゴビア編、その24(2016年夏の旅)

次に向かった村、サン・ペドロ・デ・ガイリョスSan Pedro de Gaillosは、なんだかとっても普通の町っていうたたずまいなのですが、そこに普通然として佇む教会は、美しいものでしたよ。




サン・ペドロ教会Iglesia de San Pedro。
村の中に、普通に建っているんです、本当に普通な感じで。それが、なんかとってもよい感じで。
だって、見るからに、いい面構えでしょう。

ススキみたいな植物が生えちゃっている後陣ですが、決して、放置されているなどということはなく。




軒持ち送り、傷んでいますが、それなりに修復は施されている様子です。
全体にずんぐりむっくり系ですが、でも、好き。




わたしだけじゃなくて、この子たちも、好きみたいだった、笑。




それにしても、やっぱり、かなりのずんぐりむっくり系だよね。ちょっと妊婦さんのお腹状態っていうか。




その全体のぽってり感になじむ感じで、開口部も、背が低くて、その割に、側柱の柱頭がデカかったりして、ずんぐりむっくり感を増幅している気がします。置かれている位置も、半端に低い感じだしね。




開口部の薄目状態は相変わらずです。

軒持ち送りのアップ。




アクロバティックな人たちとかなんだけど、かなり溶けちゃってるのが、残念です。市松帯もいい感じに朽ちてます。

目ざとい人は、最初の写真でわかったかもしれませんが、ここ、残念なことに、本堂への扉どころか、ポルティカーダも鉄柵で閉ざされておりました。




この、手前にぐっとギザギザの、ギザの部分が突き出ているタイプの帯装飾は、結構あちこちで見ますが、勝手なイメージとして、イスラムっぽい感じがしています。イタリアでは見ないように思うし。どうなんでしょうかね。




鉄柵の間から、本堂の扉装飾を確認です。




いかにも好きなタイプなので、近寄れないのが残念。
特に、アーキボルトの一番内側のアーチの彫り物は、なんだかいろんなモチーフがずらずらと並んでいて、楽しいし、珍しいと思いました。




お干菓子用のお菓子の型みたいですよね。




アーチの根元にある柱頭は、かなり損壊が激しくてがっかり。
ポルティカーダの方はどうかというと。




とにかく、内側にアクセスされないための保護はすごい。アーチの間まで、執拗に鉄柵って、見たことない気がします。よほど、何かあったんでしょうかね、過去に。




なかなか細かい彫りが残っています。
副柱頭の、植物と幾何学模様交じりの帯模様は、他でもありましたね。このあたり、やはり地域的には狭いので、共通するモチーフが多いように思います。同じ職人さんが、あっちでもこっちでも活躍してたのかな。

上の鳥は、羽根の一本一本まで、かなり細かい仕事なのに、こちらは、大雑把な感じのアーカンサス。




結構高めの仕事の職人さんと、地元の、ま、そこそこはできるかも、程度の職人さんと、混ざっているような?

こんなん、アーカンサスの職人さんの仕事とは絶対思えないもんね。




本堂どころか、ポルティカーダの内側にすらアクセスできなかったのですが、ここはよい教会でした。外側だけで、十分満足でした。

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  1. 2017/12/25(月) 07:15:18|
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精一杯としても、かわいいよね、お団子…(ペドラサ)

カスティーリャ・エ・レオン、セゴビア編、その23(2016年夏の旅)

次に訪ねたペドラサPedraza、とってもかわいらしい町でした。ここは、中世に村、というくくりで、観光地として、成り立っているレベルの村だと思います。




なんと言っても、村の広場のかわいらしさ。




もう、中世まんま、という感じのポルティコ。再利用の柱も含めて、なんだか、もう、そのたたずまいだけで、来てよかったな、と思わされる村なんですよ。
ここは、バールで、トイレ休憩を兼ねて、のんびりとカフェコンレチェをいただきながら、広場を堪能してしまいました。こんなにくつろげる、というか、くつろぎたくなるロケーションって、そうないですよ。




村を歩いていても、別に観光的に作りこんだわけでもないのに、とっても絵葉書的な風景満載です。




それが、作りこんだわけじゃないっていう様子がうかがえるだけに、脱帽って感じ。
肉屋さんの店先にぶら下がった、ウサギらしい肉塊見ると、本来は、ただ生活している村なんだなぁ、って思います。




私が訪ねたのは、勿論、そういう村の日常を楽しもうってわけじゃないわけで、教会ですけれども、ここは、そういうのどかな村の生活の中に、教会も取り込まれているけれども、観光地としてフューチャーしているわけでもなく、完全に取り込まれて、建物の一部となっているっていう…。




サン・ファン教会Iglesia de San Juan。
住宅地に埋もれてしまって、その上、クローズ。見るべきものとして、洗礼盤をメモしてあったのですが、勿論中には入れず、しかし、ふと、扉の近くにあるものに、ふと気づいたんですけれど。




まさか、これじゃないだろな?でも、これはどう見ても、洗礼盤スタイル…。完全に雨風にさらされて、朽ちていますけどね。

そして、廃墟になっている、という事前情報の、こちら。




サンタ・マリア教会Iglesia de Santa Maria。
再建と崩壊との不思議なバランスの教会ですね。




実際、この村の教会はみな遺跡状態。朽ちちゃっていて、教会どころか、建物の機能も果たしていません。
ここも、建物すら朽ちている中、唯一注目するとしたら、この碑文くらいかな。読めないけど。




あとは、もしかすると、結構意味のある、下の方に見られたレンガのアーチかな。




細くて規則正しく作られたレンガのアーチ。建築的にどういう状況か、ちょっと判別しがたいのですが、でも、アラブ時代の構造物の可能性もあり、ですよね。

そして、ちょっと村はずれにある、小さな礼拝堂。




サン・ペドロまたは・デ・ラ・フロリダ隠遁所Ermita de San Pedro o de la Florida。

村とそれ以外の何もない土地との教会に建っています。




ある意味、隠遁所としては、村の近すぎる感もあるくらい。笑。

装飾的なものは、ほとんど残っていなくて、多くの部分が再建だと思われましたが、意外とさりげなく残っている、窓装飾のお団子なんかに、キュン、としたりします。




お団子文様って、技術も何もないけど、なんか飾りたい気持ちが作り出したような感じっていうか。それが、けなげにも、今まで残っているとすると、その当時の職人さんたちの気持ちというのか、思い入れというのか、気合というのか、なんかやっぱりキュン。

何かないのか、と目を皿にして見つけた軒持ち送り。




ちゃんと見つけたから!
と、なんかちゃんと言いたい気持ちになりますね。

この村でも、観光のメインは、お城だったのかもしれません。




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  1. 2017/12/23(土) 07:27:51|
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完璧なたたずまい!(レキハダ)

カスティーリャ・エ・レオン、セゴビア編、その22(2016年夏の旅)

例によって、地味なのが続きましたが、日が変わって、旅の最終日。セゴビアの北東方面に戻る感じで、夜の飛行機まで、時間が許す限り走り回る覚悟で、最初に訪ねた教会は、いろんな意味で、とても良いところでした。




レキハダRequijadaの、ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラス・ベガス隠遁所Ermita de Nuestra Senora des las Vagas。
何もない、のっぱらの真ん中を突っ切るような道を走っていると、いきなり右手に現れました。確かに村から2キロ、とあったけど、こんな幹線道路のすぐ脇にあるとは、ちょっと想像外だったので、びっくりしました。




Ermitaというだけあって、かなりこじんまりとしていますが、何とも美しいたたずまいです。ロケーションも、理想的。
そして、こんなに人里離れた教会だというのに、保存状態はかなり良いのです。

作りも、ちょっと不思議な感じ。上の写真が、おそらく真正面だと思うのですが、ちょっとずらすと。




違う構造に見えますね。
いずれにしても、かなり小さい建物です。

周囲は、牧草地になっているみたいでした。




この隠遁所ができたころは、もしかすると、うっそうとした森が広がっていたかもしれないですね。
ちなみに、村は、教会と道を挟んだ反対側の丘を登ったところにあるような様子でした。

反対側は、漆喰ぬりぬりされちゃっています。




でも、残されたアーチが気になりますね。




左側は、どう見ても扉の跡。後付けのものなのかしらん。
これは北側となります。
後陣も、見事にぬりぬり。




見た様子からは、後陣は、ほとんどを再建したもの臭いです。中に入れなかったのが、残念ですねぇ。
本堂や鐘楼の開口部は、オリジナルなんでしょうけれど。後陣開口部は、これまた、極狭薄目ですね。

塔の下部にある開口部。




薄目開口部ですが、装飾はきちんとされているので、後陣も、オリジナルは、きっとこのような窓になっていたのでしょう。

あまりきれいなので、全角度写真を載せてしまいます。




柱頭、傷みも激しいのですが、でも、きちんとした修復が施された結果なのか、それなりに判別可能なものも多いのです。
スペインお得意のケンタウロス。




同じ柱頭の反対側の方は、顔が無残にもなくなっていました。
細かいことは、やはり忘却の彼方なんですが、どうやら、同じ柱頭の外の面に、やはり有名モチーフが、いらっしゃったようですね。




胸があるようにも見えますが、女性らしさがみじんも感じられない二股人魚。

そして、ポルティカーダに隠れるようにしてある扉。




幾何学模様だったり、市松帯だったりするのに、彩色されていた様子がはっきり。これは、めちゃくちゃかわいいです!

ちなみに、これまで訪ねた多くの教会でそうであるように、ここでも、ポルティカーダの入り口と、本堂への扉は、微妙にずれた位置関係でした。




アーキボルトの根元にある柱頭。




柱頭本体の動物たちの彫りは、かなり溶けちゃっていますが、副柱頭の組紐模様は、よく残っています。ごちゃごちゃしているのが、おもちゃ箱をひっくり返したようっていうのか、いい感じです。すでに色あせている彩色が、好ましいですね。




これ、激しい色だったら、やっぱりちょっと引けちゃうと思うんです。

ところで、教会は閉まっていましたが、この日は、村まで行ってカギを探そうという気になりませんでした。村が見えるところになかったこと、最終日だから、一つでも多く訪ねたい気持ちが先に立ったこと、そんなところだったと思います。
でも、おそらく一番の理由は、この素晴らしいたたずまいに、もうお腹いっぱい気分を感じでいたからでしょう。

とか言いながら、鍵穴撮影、してました。
いや、これは、鍵穴というよりは、扉のすき間撮影ですね。




やけに色鮮やかな、ちょっと面白いテイストのフレスコ画が見えました。
内部で、事前にチェックしていたのは、初期キリスト教時代の洗礼盤だけでした。初期キリスト教時代ということは、全身浸かるタイプの大きいものだったのかな。
実際、垣間見た範囲では、壁とか柱は、かなり修復されている様子がありましたが、この不思議なフレスコ画は、見てみたかったような。

もう一度、扉に戻り、上の方にあった彫り物を。
右側。




スタイルは、マリア様祝福ですよね。
左側。



あ~、受胎告知でしたね。マリアさん、祝福じゃなくて、驚いちゃってるスタイルかぁ。

いやはや、満足度高い教会でした。超お勧め。いつか是非、中も見てみたいものです。

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たまには観光写真なども(ケリャー4)

カスティーリャ・エ・レオン、セゴビア編、その21(2016年夏の旅)

ケリャーCuellarのムデハル教会、続きです。
行ったり来たりしましたが、あとはもう、かすかな遺構を想像するだけの教会です。




サン・ペドロ教会Iglesia de San Pedro。
ここはもう、教会としての機能はなくなっているようで、南側の門は、カフェの扉となっていました。




後陣側にも門が作られていて、やはりカフェになっていました。
ちょっと無残な感じ。壊すよりはいいのでしょうけれども。

そして、駐車した場所のすぐ近くのこちらも、大きく変容していました。




サン・サルバドール教会Iglesia de San Salvador。
シンプルは後陣でも、そのまま残してくれればいいのに、ゴシック時代に、俺たちも、ちょっと時代についていきたいよなぁ、という感じで、支えを作っちゃったんですかね。




多分、建築的には、いらない支えだと思うんですけれども。
ちなみにこの教会、後陣側が、ちょっとした公園になっていたんですが、かわいらしいものがありました。




木の道に、ニットの洋服が。
虫よけか何か、実用的なものだと思うんですが、それにしてもかわいらしい編み物なんです。




ね。地元のおばちゃんたちが、せっせと編んだのかなぁ。センスありますよね。

ここで、中世修行はおしまいなんですが、このケリャー、実際に訪問できる方は限られると思いますので、ちょっと観光写真なども。




町はずれにお城があるんですが、実は、ここが、ケリャー一の観光地だと思います。このお城の一角に、観光局もありました。教会情報はないも同然で、親切とも言い難い対応ではありましたが、一応、教会は17時から開くことと、地図上で、場所を教えてくれたので、まぁ、こんなもんか、の対応とも言えましょう。
彼らにしてみたら、ケリャーに来る観光客は、このお城を見に来るもの、と思い込んでいて、教会なんで、眼中になさそうでした。




午後のオープン直後に訪ねたので、今からお城のガイドツアーがあると言われたのですが、勿論興味なしの私、ちょっとムッとされたのかもね。
お城、確かになかなか立派です。

お城から、城壁が旧市街をぐるりと取り囲んでいるのですが、お城近くの門のところから、その壁の上に出られるようになっていました。ここは無料だし、フリーで入れます。




バカと何とかで、すぐ高いところには登りたがるわたくし。早速。




たいした高さではありませんが、町全体、高い建物もありませんので、意外と見晴らしはききました。
美しく修復されたお城の姿。




そして、城壁の外、サン・アンドレス教会も認めることができました。




本当によく歩いたな。
セゴビアの町でのんびり過ごすつもりが、坂道も含めて歩き倒して、結局ホテルに戻れたのは19時過ぎで、倒れるようにシャワーを浴びて、眠りそうになりながら、夕食をとった記憶があります。
ホテルのレストランが利用できたので、普通のお店よりも早く夕食ができて、本当に助かりました。早くとも21時オープン、というスペインの夕食時間は厳しいことがあります。

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  1. 2017/12/20(水) 06:34:14|
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ここまで激しいレンガのしましまって…(ケリャー3)

カスティーリャ・エ・レオン、セゴビア編、その20(2016年夏の旅)

ケリャーCuellarのムデハル教会、続きです。




サン・アンドレス教会Iglesia de San Andres。
ここも、ちょっとした高台になっています。
もう、全体に、誇るかのようなレンガ積み!




下二段はアーチ、上二段は四角、という意匠の後陣。




どれも同じじゃん、というイメージを受けがちですが、違いますよね。

今は閉ざされている正面ファサード側。




壮大なレンガ装飾って感じですよね。こういうのって、近代の駅によく使われている雰囲気があります。イタリアだとトリノのポルタ・プリンチペとか、日本だったら東京駅とかのイメージ。
この、アップのイメージ、すごくないですか。




ちょっと、いわゆるロマネスクからは、結構遠いところに行っちゃってますけれどね。
でも、このアーチ、つけ柱的な建築的装飾を見れば、やはりあの時代なんだ、と納得できます。




内部がまた、印象的なレンガ。




レンガ積みの間の部分にも、レンガ積み状態のフレスコ画があるという徹底ぶり。




これも。こだわりすごい。




すべてが職人技。レンガ職人。こんなの見たことないです。




イタリアも、北部には、レンガ多用の建築、結構多いですが、こういうイスラム的な緻密さとは違うものですね。これは、建築のレンガというより、装飾のレンガですよね。




レンガだけにこだわって、これだけの写真をアップしたこともなかったように思います。それだけ印象が強い。




イタリアの多様なピサ様式の中で、ピストイアで多く見られる、白と緑の大理石縞々にも匹敵する印象的な縞々ですよね、こうなると。




実は、こんな洗礼盤もあったんですが。




おなじみのデザインながら、ぽってりしてかわいらしいんですが、でも、レンガの縞々に完全に圧倒されてしまって、印象が薄い…。

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ムデハルって、苦労した訪問の割には、インパクトないかも(ケリャー2)

カスティーリャ・エ・レオン、セゴビア編、その19(2016年夏の旅)

ケリャーCuellarのムデハル教会です。
まずは、こちら。




サン・エステバン教会Iglesia de San Esteban。
見事なムデハル後陣。

前回触れたように、高低差が小刻みに連なる町なので、この教会の立地も、坂道ですね。で、こういうある意味ドラマチックな後陣への出会いができるってわけです。
13世紀の建築です。




この緻密はレンガ積み、すごいですよね。
同じサイズのレンガがないとできないことだから、高度なレンガ焼成技術があったのでしょうね。
扉も、こんな。




ロマネスク・ファンとしては、何か柱頭の一個くらい、軒持ち送りの一個くらい期待したいところですが、これはこれで、完成度が高いので、おお、となってしまいます。パターンとしての美しさがあります。

内部は、確か撮影禁止となっていたと思うのですが、ちょっとだけ。




レンガ積みのアーチ構造は、ちゃんと残されています。
この教会の建つ場所、古代には墳墓として使われていたようで、その跡があります。




この辺りは、教会が建ってからも、墳墓として使われていたスペースらしい。確か、係員に説明を受けたはずだけど、うろ覚えです。
今の人たちは、こういうものよりは、もっと新しめのものが好きらしい。




こういう、ちょっと新しい時代のお墓。新しいと言っても、14世紀とかでしょうけれど。
こういう立派なお墓がいくつか並んでいて、これが今の売りって感じでした。




ヒキガエル状のライオンが、ちょっと面白いです。

シャルロット状の洗礼盤。




シンプル・イズ・ベスト、みたいな教会ですね。

墳墓と言えば、こちらも激しく。




サン・マルティン教会Iglesia de San Martin。

ここもやはり13世紀のムデハルで、似たような後陣ではありますが、微妙に異なる意匠ですよね。比べると、ちょっと面白い。

この教会、アート・センターのようなものとして使われているようで、おそらく展覧会などあるときしか開かないようでした。
前回の記事で、町の地図を掲載しましたが、それでいくと、左上の方にあるお城前の広大な広場の端っこというロケーションで、創建当時は、きっとお城とこの教会しかなかったんだろうな、と想像できます。




ここも見事なムデハルで潔いすっきり系。




六重のアーチ、ひたすらレンガ並べ。

内部には、こんな、いかにもイスラム的な装飾が残っているようでした。




さて、墳墓ですが、後陣側から、南壁に沿って、こういう状態に。




詳しいことはわかりませんが、どうやら、後陣の修復工事を行った際、古代墳墓が発掘されちゃったとか、そういう話だと思われます。




歴史は持続しているということですよね。中世の教会が、ある日突然そこに建てられることはまずなく、宗教施設とは、異教だろうがキリスト教だろうが、古代から神聖な場所とされていた場所に、連綿と建てられ続けるのですね。




発掘現場となってしまった向こう側に、おそらく後陣と同時期に修復されたであろう南門が、隠れるようにありました。




北にも南にも、同じ規模の立派なもんがあるのも珍しいです。ムデハルは、レンガ積み技術があればよいわけで、石工さんがいらない分、こういうことができたのかもね。

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