2016.08.オーヴェルニュの旅 その25
オーゾンAuzon、サン・ローラン参事会教会Collegiale Saint‐Laurent、続きです。
内部は、石の質感がグーッと押し寄せてくるような作りです。こういうのは、好みですね~!そして、楽しい柱頭が、次々、目に入ってきますよ。
この二股人魚の愛らしさは、谷内六郎を思い起こさせる素朴さっていうか、およそ誘惑的な何かからは対極にあるっていうか。いや、でも、胸はともかく、おへそに、そこはかとない色っぽさが、ちょっと感じられますかね、笑。
両性具有的な、夢見る表情が、好き。
あれ、でも、横並び角っこの人を見ると、あれ?
男人魚~?それに尾っぽは、この男人魚のを、夢見る人が握っていますね?それも、男人魚の方は、蛇に耳をかまれているようです。ということは、単純な二股人魚じゃない?モチーフの組み合わせとしては、トスカーナはコルシニャーノのアーキトレーブを髣髴とします。
明らかに人魚風も、ちゃんといますよ。
なんだろう。この方も、何か表情で訴えているタイプのフィギュア。この方のおへそには、色っぽさがありません。穴一つ開けるにも、職人の歓声が繁栄されるのですねぇ。ちょっと感心してしまいました。
よく見ると、こちらの方々も、お隣の方の尾っぽを握っているようですね。意味があるんだろうな。
歯むき出しのグリフィンも、なんか愛らしい。
完全にすねてる風の鳥もいます。これ、明らかにすねてますよね?
こういう愛らしい動物フィギュアの一方で、いきなり、シリアス系柱頭もあるんです。
どう考えても、違う石工さんの作品。外の、聖書の場面モチーフの柱頭も、こういう人が彫っているんだろうな。そして、オリジナルは、こういうシャープな素晴らしい彫りだったんだろうと想像します。
まぁ、こちらも、多くは傷んでいますが。
一部、フレスコ画も残っていますが、こちらは、時代が下ると思います。
修復でやっとここまで、というようなギリギリの状態ですが、ま、好みではなく、よかった、というところかな。
時代が下るフレスコ画よりは、愛らしい柱頭や、こういう石積み構造の方に、思わず心を奪われる私です。
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- 2018/08/30(木) 06:04:24|
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2016.08.オーヴェルニュの旅 その25
訪ねてきたばかりの地域について、なぜか2年も前の訪問を綴る、というのも、おかしなものですが、自分の怠惰が招いた結果…。ちょっと恥ずかしいですが、続けます。
ブレスルから一山超えて、オーゾンAuzonという村にやってきました。
このときの旅では、事前に、グーグルを中心に、結構細かく地図を調べていて、それが非常に役立ったのが、例えばこの町でした。坂に張り付いているような成り立ちなので、まずは、下の平らな駐車場に駐車。
この駐車場のところに観光案内所もあるので、車で複雑な道に入り込みたくない私などのようなドライバーにとっては、大変ありがたいシステムでした。観光局の人も、実に親切でした。こういうことは、やはりトータルで行き届いているのですね。
戴いた地図を片手に、教えてもらった道を、徒歩で行けばよいのです。なんという気楽さ!
結構急な坂道ですが、10分程度で天辺にある旧市街にアクセスできます。
フランスの田舎では、よくある嬉しいことですが、ここでもにゃんこが先導してくれたりして。
車で近くまでアクセスしてしまうと、決して出会うことのできない、美しい風景です。だから、私は、できれば、最終的なアクセスは、徒歩でしたいタイプ。こういう美しい道、花や自然、にゃんこやわんこの誘い。石畳の歩きにくさなんかを、あえて感じたいです。
で、大変いい気持になって、たどり着いた、猫額の旧市街中心広場。愕然でしたね。
サン・ローラン参事会教会Collegiale Saint‐Laurent。
ほぼ全面が、工事の足場で覆われておりました…、涙。
勿論こういうことは、何年かに一度はあることなので、こうやって数を頼りに回っていれば、確率的にはどこかで出会ってしまうに違いないのですけれど、はぁぁぁぁ、となりますね、やっぱり。
ちなみに、忘れないうちに、情報として掲載しておきますが、2016年夏の時点では、オープンは以下となっておりました。
7月及び8月 月曜のぞく毎日10/12、13時半/17時半
5月、6月、9月 火曜から金曜13時半/17時半、土曜日曜10/12、13時半/17時半
前面覆われていたのですが、南側側面にあるメインの扉周りは、辛うじて、見ることができました。
この、突き出しているナルテックス上の下に、扉があります。
ナルテックス上の構造物の四隅にも、ロマネスクの柱頭が見られるので、形は違ったのではないかと想像しますが、何かこういう突き出し構造があったようですね。
扉周りは無装飾です。木製扉と、装飾的な鋳鉄は、オリジナルではないかと思われます。古びていて、よい感じですよね。
扉と向かい合う位置に、大き目の柱頭があります。
溶けちゃっている感じですが、好みのタイプです~。
この、植物だかなんだか、装飾的なモチーフに乗っかっている図像は、好きなんですよねぇ。
こちらは、身体を乗り出して撮ったような記憶が。
お誕生っぽいですよね?どうでしょうか。手はつたないようにも思えますが、きちんと場面を彫りこもうとしていますね。上の方に詰め込まれた牛と馬ですかね。間抜けで愛らしい表情で、かなり好き。
これは、受胎告知にも見えますが、さて。
扉に向いている方はいいんですが、反対側とか、撮影がかなり難しくて、全面撮るの大変なんです。その上、このレベルは、結構高い位置にあるから、下から撮るのも無理で、悩ましいポジショニングです。
これは、真ん中の人物に翼があるように見えたのですが、両脇にライオンがいるということは、大好きなダニエルさんかしら。でも祝福ポーズの上、これ以上ないっていうような幸せそうな笑顔で、イメージが違います。
ちなみに、これが外部修復工事の説明です。
かなり大規模な修復の様子ですから、何十年に一度、とかそういうレベルなんでしょうねぇ。また、ため息が出ちゃいますね。2年たって、今どうなっているのかしら。
続きます。
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- 2018/08/29(水) 02:48:11|
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今回の旅は、昨年に引き続き、フランスでした。
ブルゴーニュとオーヴェルニュをメインに、周辺地域も含めて回り、リムーザン及びサントル地域、初上陸も果たしました。
6年ほど前のイースター時期に、駆け足で回ったブルゴーニュですが、今回は、マコンやトゥルニューなど、南部地域を、マイナー教会も含めて、丹念に回りました。また、その時に縁のなかった場所の再訪も、いくつかかないました。
その後、オーベルニュに移動して、ロマネスク病仲間である友人宅に居候しつつ、彼らのアドバイスに従って、オーベルニュは勿論として、サントル地方やリムーザン地方にまで足を延ばすこととなったのでした。
目的地の選択として、州や県で区切って調べることが基本となってしまうので、なかなか複数の土地を同時に目的とすることが難しいのですが、仲間のおかげで、自分ではこの行程の中で訪ねようという発想すらない素晴らしい場所を、たくさん訪ねることができました。持つべきものは、病気仲間です、笑。
本日、やっと写真をパソコンに取り込みましたが、あまりの数に、まだ全部を見ることができない状態です。そして、前半に回ったミクロな地味な教会については、すでに訪問した事実が思い出せないような状況で…。自分の海馬が心配になる始末です。
ミラノから飛行機でリヨンに入り、レンタカーで、走行距離は、約1700キロ。数日は、友人の車で移動したので、それも含めると、2000キロは超える移動距離になりそうです。
訪ねた教会は、80を超えるくらいです。
このところ、2年前のオーベルニュの旅をアップしている最中ですが、その時に訪問しなかったところ、できなかったところ、またクローズだった場所への再訪もかないました。
その旅のアップが終了しないうちの出発となり、ちょっと複雑な気持ちです。
結論としては、やはりフランス・ロマネスクはすごいです。建物的には、どうしてもゴシック・テイストが強くて、全体が好ましい教会は少ないのですが、タンパンや柱頭などのディテールにおいては、やはり敵なし。衝撃的なものが山ほどあります。
おそらく、この旅のアップは、相当先の話となってしまうことと思いますが、どうぞ、お楽しみに。
当面は、2年前の旅のアップを継続することとします。
アップしながら、改めて思うところもあるかと、その辺も楽しみなんです。
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- 2018/08/27(月) 02:39:18|
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2016.08.オーヴェルニュの旅 その24
ブレスルの後、Auzonという町に向かったのですが、途中、通り抜けた村の街道沿いに、ちょっとそれらしい教会が目に入ったので、つい停まってしまいました。
ブレスルから、ほんの15分くらいのところです。
エスパレムの教会。Eglise de Espalem。
小さなプレートがありましたけれど、誰に捧げられたものか、その名前すらありませんでした。その通り、一見、何でもない教会でした。
でもプレートの説明によれば、「19世紀に大幅な改築がなされたものの、彩色された彫刻作品などがオリジナルのまま、残されている」とあります。が、残念ながら、クローズでした。
この扉とか、要の部分では、確かに古い構造がそのまま残されている感がありますが…。
つい停まってしまったのは、後陣部分に、大好き系が見えたからです。
こうやって、壁を漆喰でぬりぬりにしても、軒送りとかは手つかず、というのは興味深いですね。おそらく、外す方が大変だから、置いとくしかない、と言ったところなんでしょうが。
それにしても、もし、取り外すのが大変だとすると、この軒持ち送りの彫刻類は、どうやって、取り付けられているのでしょうか。一つ一つに、結構繊細な彫りがなされているケースも多く、普通に考えると、塊として石工さんが彫って、取り付けるもの、と思われるのですが、普通に漆喰とかで取り付けるだけでは、簡単に落ちてしまいますよね?
と言って、この部分だけを彫りだしているとは、考えられず…。
意外とそういう原初的なこと、わかってないもんですね。
獣が、人の頭を抱えて、考えこんじゃっています。もしくは悲しみの表現かしら?
摩耗していますが、妙に味のある彫りです。
こっちは完全に溶けそう。
溶けそうながらも、胸をつついていますので、ペリカンでしょうか。まるまるとした”らしくない”様子ですが…。
5分で見学終了、笑。目的地に向かいました。
さて、いよいよ夏休みです。
この、2年前の修行旅のアップが全然終わらないうちに、一部、同じ地域を訪ねることになってしまって、ブログのアップが、さらに面倒なことになりそうです。
今回は準備もままならず、かなり行き当たりばったり感が強いので、どうなることやらですが、そして、今の気持ち的には、ゆったりのんびり、ランチもいただきながら、バカンス的な旅を夢見ているんですが、おそらく、例によって、現地入りと同時に、修行モードに入ってしまうのではないか、と危惧しております。
旅の間は、インスタグラムで足跡を残していくつもりですので、ご興味があれば、以下リンクから、アクセスしてみてくださいね。
では、皆様も楽しい夏休みを。
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- 2018/08/14(火) 00:04:48|
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2016.08.オーヴェルニュの旅 その23
アップがなかなかできないのに、まとめて記事にできないので、長引いちゃって、なんだか悪循環ですが、一応、やる気があるためにそういうことになっちゃっているんで、お許しを。
ブレスルBlesle、サン・ピエール教会Eglise Saint Pierre、続きです。
後陣及び側壁にずらりと並ぶ、軒持ち送りや柱頭の彫り物シリーズです。
建物は、部分的に相当新しくなっていたり、近隣の建物と一体化したりと変容が激しいのですが、この部分だけは、多くが残されていて、よかった、と思います。
うまいのや、楽しいのや、笑えるのや、たくさんあって、難しいのですが、各種盛り合わせで行きたいと思います。
体育すわりから。
三頭身で、顔が怖くて、手がデカくて、足先のかわいらしさが、逆に怖さを醸し出してます。
にゃんっみたいなかわいいポーズで、てへっと舌まで出しちゃっていますが、目が笑ってなくて、全然かわいくないのが、無理している感があって、妙な緊張感を感じます、笑。
こういう半魚人風は、結構見る気がしますが、いったいどういうところから、こういう品のない感じのデフォルメが起こるんでしょうか。
同じ不思議なデフォルメでも、このぽっかん口の人は、愛らしい~!
ちょっとドラえもん入っている感が、なんとも。ナマズとかそういう印象ですが、すごい想像/創造力の賜物。
この方も、相当のお気に入りです。雄羊さんでしょうか。
そして、ぽっかん口の人と一二を争ったのが、これです!
これ、鉋屑バリエと思うのですが、そういう伝統的なモチーフを背にして、間抜けな鳥顔?なんでしょうねぇ。鉋屑を羽根に見立てたんでしょうか。これはもう、脱帽です。他でも見たことないです。
ここでは、是非、一つ一つ、じっくりと見学しときましょう。きっとお気に入りが見つかるはず。
柱頭も、楽しめます。
おっさんたちが、スペースに合わせて、無理無理姿勢で、踊っていますよ。角っこのおっさんの真面目顔が、もう辛そうで~。
これもまた、躍動感のある作品。
寓話でしょうか?おっさん、ここでも超真面目。もしかしてどこぞの聖人の逸話かしらん。指さされてますよね。
これはめちゃくちゃ痛い図です。
姦淫することなかれの図でしたか?痛いし、相当怖いです。でも、かなり見えにくい場所にある柱頭だったと思います。
騎士が、角っこでごっつんこ。
騎士の姿って、フレスコではあるけれど、柱頭の彫り物では、イタリアでは、めったに見ないように思うのですが、フランスやスペインでは、結構ありますね。
これは、柱頭の形を無視している状態で、ほとんど彫刻のモチーフ優先、というのが、珍しい大胆さです。
ということで、色付き柱頭に辟易とされた向きも、これを見たら行きたくなるかも、と期待したいところです。
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- 2018/08/13(月) 02:44:56|
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5月ごろに、友人からどっさりと本が届きまして、この時期は、それに没頭していました。と言っても、夏休み前の忙しさやら何やら、また、暑さのために、自宅ではぐったりしていましたので、読んだ量は、たかが知れています。
修道士カドフェル・シリーズ エリス・ピーターズ(現代教養文庫)
「聖女の遺骨求む」
「死体が多すぎる」
「修道士の頭巾」
「聖ペテロ祭りの殺人」
「死への婚礼」
「氷の中の処女」
「聖域の雀」
「悪魔の見習い修道士」
「死者の身代金」
「憎しみの巡礼」
「秘跡」
「門前通りのカラス」
「クリスマスのフロスト」RDウィングフィールド(創元推理文庫)
「日本の現代建築 上」藤森照信(岩波新書)
カドフェル・シリーズは、以前に半分くらい読んでいますが、今回まとめて入手したため、改めてシリーズ1巻目から通して読みました。
今となっては、趣味としているロマネスクと時代が重なる小説であり、また、しょっちゅう訪ねる教会や修道院が舞台となっているわけですから、以前読んだときよりも、興味深さが加わり、また違った印象を受けます。
実際に、中世の教会を訪ねても、創建当時の姿を思い起こすことは、必ずしも容易でないことも多いのですが、なんだかこの小説はそういったアプローチとしての役目も果たしてくれるかもしれません。
シリーズとしては、あと数冊あるようなので、この際イタリア語で読んでみてもいいかも、と思っています。
フロストものも、数冊は過去に読んでいますが、今回、どさっとシリーズでいただいたので、これまた大事に、最初から読み返すことにしました。何度読んでも面白い!でもどの一冊も分厚くて、そして途中でやめるのが辛い面白さなので、半端な時期に読み始めたくなくて、残りは、夏休み明けに、楽しみにとって置いています。
建築の本は、面白く読みました。藤森さんの著作は、いつも素人に優しい語り口で、大変勉強になるとともに、素人なりの探求心を刺激してくれます。なぜ、下巻を持っていないのか、謎。
この週末より夏休みに入っています。旅の準備で、ほとんど読めておりませんし、旅が終わればその余韻で、読めない日が続きそう。ま、毎度のことですね。
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- 2018/08/13(月) 02:08:47|
- 読書、備忘録
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2016.08.オーヴェルニュの旅 その22
ブレスルBlesle、サン・ピエール教会Eglise Saint Pierre、続きです。
前回は、極彩色系の柱頭を紹介し、多くの方の、うえ~、という賛同意見を伺いましたが、笑、実は、後陣と反対側、つまり、扉を入ってすぐのスペースには、色のない彫り物も見られるのです。
窓を取り巻くアーチ部分の、動物たちの行列。
ちょっと傷んでいますが、やっぱりこれですよね~、期待する彫り物の姿。
アカンサス・バリエだって、こっちの方が全然味があるし、すっきりと美しいと思うんです。
動物は、完全に良さが出てます。怖いけど、愛嬌があるし、色なしでも、彫りが際立っています。
彫りの良いものは、彩色によって、細部がつぶれてしまって、もったいないです。もしかして彫りが稚拙だと、彩色に助けられる部分があるかと思うんですが。
これなども、彩色されていたら、不気味なだけの「笑うセエルスマン」的顔になってますよね。
これも、色がないと、笹かまぼこ、かわいい~!って感じですが、金色とかにぬられちゃっていたら、全然イメージ違うでしょうね。
角っこにひっそりと顔があるのも、愛らしいです。
猫のガイドさんに先導されて、表へ。
この教会、外の装飾、相当面白いです。特に、後陣の軒送りは、のけぞる楽しさです。
その上ありがたいことに、もともとの土地がどうなっていたのかよくわからないのですが、入り口の扉のある場所から、後陣に向かって、緩やかな丘になっていて、教会のレベルは同じですから、自分の目線が上がるのです。そのため、軒送りが、すぐ目の前に!
これはうれしかったですね。
ということで、写真がたくさんあるので、次回に続きます。
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- 2018/08/10(金) 02:34:03|
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2016.08.オーヴェルニュの旅 その21
早朝の寒さにブルブルした後向かったのは、ブレスルです。
ブレスルBlesle、サン・ピエール教会Eglise Saint Pierre。
村の中心にある教会ですが、ここでは愛らしいガイドさんが、専属で付いてくれました。
この子、教会外で出会ったのですが、迷いなく本堂に入り、堂々とふるまっていたので、時々遭遇する教会猫さんだったようですよ。
しゃがみこんで、思いっきりズームで撮影しようとしている腕にじゃれついてきたり、足にスリスリしてきたり、さんざん愛嬌ふりまいといて、じゃあ、遊ばせてもらいますか、とその気になると、ベンチで毛づくろいとか始めちゃう、超ツンデレ状態の方でした。
ひとしきり本堂をガイドしてくださったら、またもや堂々と扉口へ先導。
そして、後陣の方にまで、いざなってくださいましたよ、笑。
色々な細かいことは忘れちゃったりしますが、こういう記憶は、かなり鮮明で、このガイドさんに結び付いて情景が浮かんできたりするので、結構しっかりと撮影させてもらいました。記憶が明確なのは、教会のディテールの楽しさもありますが、このガイドの功績、結構大きいです。
というわけで、本題です。
外側も、かなり新しくされている印象ですが、中も、いきなりこういうお姿。
ちょっと引ける派手な色彩と、シャンデリアなど、明らかに時代の下った装飾。
でも、ひるんではいけません。
本当にここまで派手な色彩だったかどうかは不明ですが、彩色があったのは、おそらく確かなんだと思います。だから、今の人は、うわーって思うけれど、オリジナルに忠実なケアをしている、そういう現役教会といえるのでしょう、きっと。
そして、この派手なアーチの根元にある、小さな柱頭たち。面白いですよ。
これ、彩色がなかったら、たぶん、素朴にかわいい柱頭でしょうね。彩色されていても、かわいさはあるんですが、なんかもうすごくて。
少なくとも、この金色は、ロマネスク時代にはないと思うんですけど、どうなんでしょうか。緑や赤は、植物性や弁柄などの染料があったと思うけれども。
どす黒い緑、どす黒い赤に金色で、全体に暗くて重たい雰囲気となっています。これも、色がなかったら、愛らしい系の動物。
この人魚もすごいです。
こうなると、江ノ島のお土産物屋さん、みたいな雰囲気で、それはそれで楽しいですけれど。しかし、こういう形で残していくというのも、なんだろう、フランスですよね。イタリアやスペインでは、こういう彩色で残しているところはないです、多分。
結局、フランス人はこれが好きなんでしょうか。
こういうの、塗る必要ありますかね。
時代は変わっているんだし、元気で、後代の付け足し装飾があるのもありなら、彩色なしもありなのでは、と思うんです。もちろん、ここをやってここをやらない、という問題が出てくるから、一様にやるんでしょうけれど、このアカンサスなどは、色が内容が、絶対に美しいですよねぇ。
可愛いけどね。
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- 2018/08/07(火) 02:08:15|
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2016.08.オーヴェルニュの旅 その20
イタリアでは、今週は、この夏最も暑い週であろうと言われておりますが、そんな中、今回紹介する村、丸二年がたった今でも、ぶるぶると震えの来る寒い早朝の空気、懐かしく思い出せます。
Leotoing、レオトワン、で、合ってるでしょうか。
小高い丘の上に塔のある、何とも雰囲気のある村です。
場所から言って、物見の塔なのでしょう。戦いの歴史が感じられる様です。
中世の頃と、ほとんど規模の変わらない村。中世の門をくぐって、訪問です。
まだ9時前で、村はシーンとして、人っ子一人いません。もしかすると、もう畑に出ていたりしていたのかもしれませんが、とにかく風がぴゅうぴゅうと吹き抜ける田舎道、寒くて、ちょっと悲しい気持ちになります。
幸いにも、この日はしっかりと朝ごはんをいただいていましたけれど、それにしても。
村道を進むと、右手に、目的が見えてきます。
サン・ヴァンサン教会Eglise de San Vincent。
創建は11世紀半ばと古いようですが、今ある建物は、12世紀後半のものを基として、その後、かなり手が入っているようです。
当然のようにクローズ。
夏の間は、ガイド・ツアーをやっているらしい、という情報は得ていましたが、早朝訪問では、期待できないし、村に人の気配もしないため、カギの探しようもありませんでした。
そういった改変を経た結果としての、かなりそっけない扉口ですが、上の方に、気になるものが並んでいます。
うそつきの戒めで、下を引っこ抜かれている図、というのは目にしますが、これは、自ら舌を引っ張って、てへっ、みたいな感じですね。
間抜けそうな様子の、立派な蹄の牛でしょうか。
こ、この人は、解釈に苦しみます。
スカート広げて踊っている女子に見えたんですが、もしかして性器みせーの変な奴でしょうか?
こんなんで、結構早朝一発目としては、上出来だろう、と満足しつつ、一応周りとぐるりと。
取り付く島もない、ペタペタ漆喰ぬり状態ですが、あれ?
鉄柵越しに、中が見えるのかも、と無理やり手を伸ばして、一枚。
ま、入れなくてもよかったか。柱頭とか、かすかにあるようでしたが、ま、いいや。
この村は、このかっこいい城跡で、よし。
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- 2018/08/03(金) 05:19:59|
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