2019年11月ビザンチンと猫にどっぷり、テッサロニキ弾丸ツアー プロローグ
先週末、ギリシャはテッサロニキに行ってきました。
かねてビザンチンには興味があり、テッサロニキおよびその周辺を訪ねたいと考えておりましたが、目的を一度で達成するには、週末だけでは足りず、なかなか計画が実現しないままでした。
そんな折、ふとのぞいた格安エアラインのサイトで、テッサロニキ往復が50ユーロ台で出ていたのを見て、まさに目から鱗。全部一遍に見なくてもいいんだ!ということで、まずは、ユネスコの世界遺産にも登録されているテッサロニキのビザンチンおよび初期キリスト教の教会を訪ねることとしたのです。
弾丸、としたのは、三連休の初日の夕方初のエアで入り、三日目の夜便で戻るという、実質二泊二日弱、という日程のためです。

事前に、イタリア語日本語中心に検索をかけて、情報収集に努めたのですが、これがなかなか難しくて、教会の開いている時間を正確に知るのは、ほぼ無理でした。ほぼ正確に分かったのは、訪ねるべき教会と、その場所くらい。

そして、町の大きさから、おそらくすべて徒歩で回れそうだ、という確信くらいです。
結果から言うと、まるまる使える二日目の一日で、目的は達成できました。

しかし、週末だったせいもあるのだと思いますが、早朝はミサで入れないことも多く、また、午後のオープン時間がやたら遅いことも多く、一回訪ねただけで見られることはまれ、というのは、どなたかもブログで書いていらっしゃったのですが、まさにその通りで、ほとんどの教会に、二度は足を運ぶこととなりました。

全部が、2キロ、どんなに広く見積もっても3キロ程度の範囲にあるので、それぞれの距離はたいしたことがないと言っても、適当に散らばっていること、そして、町の半分は、かなりの急坂という土地のため、これは歩き甲斐があります、笑。
全教会制覇した日は、朝8時前から、19時近くまで、短時間のランチ休憩をのぞいて、延々と歩いていました。正確にはわかりませんが、25キロは歩いたと思います。それも、急坂や階段込み。

同じ道を何度も行ったり来たりして、超短時間の滞在にも関わらず、町のたたずまいがよくわかりました。そして、テッサロニキの人々の顔もよく見えました。
とにかく、めちゃくちゃ親切です。そして、驚くくらい、誰もが英語を話します。これはありがたかったです。出発前、まったく考えていなかったのですが、ギリシャ語って、話し言葉は勿論のこと、書き言葉も、読めやしないし、スマホで意味を調べようにも、入力すらできないんです!

そして、ほとんどの教会では、こんな感じで、ギリシャ語だけの張り紙しかなくて、完全にお手上げ。これは、大衆的なレストランでも同様で、メニューがあっても、さっぱりわかりません。最終的には、皆英語が堪能なので、恐れることはなかったのですが、当初はわかりませんから、ランチの場所を選ぶにも、この点で悩みました。
おいおい書いていきますが、物価もお財布に優しいです。一般的な住人が通う店は、ミラノの半額、場所によってはそれ以下の値段設定です。テッサロニキは、ギリシャ第二の都市で、田舎ではないことを考えると、驚きです。
また、ギリシャ第二の都市とは思えないくらい、たくさんの猫がいました。これは、猫好きながら、飼うのは難しい私にとって、ビザンチン以上に嬉しい発見でした、ある意味、笑。

どんな町角にも、いるんです。町の人々にも、かなりかわいがられているようでした。
そして、誰一人、耳が切られていないので、避妊処置もされていないようでした。

時々は触らせてくれる子もいるし、家族単位でいる子たちも多いので、しばらく行動を見ているのも、楽しかったりしてね。時間があれば、一日、岩合さんごっこの猫歩きをしてみたいと思いましたよ。岩合さん、きっと猫歩きしてるだろうなぁ、この町。

というわけで、にゃんこラバーにも嬉しい町。

情報、特に日本語情報は少ないように思いましたし、でも、ユネスコ世界遺産ということでそれなりの知名度はある上に、実際訪ねる価値は高い町だと思いますので、これは、早めに情報として、記事にしないと思っています。
が、ご存知のように、すべてが滞っているので、さて、どうなりますか、笑。

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- 2019/11/10(日) 20:17:01|
- ビザンチン
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2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ+α)の旅その42
期待していたトイレに裏切られて、この後は、教会を探す旅、というよりも、トイレを求めて、という様子になってしまいました、のっけから尾籠で恐縮です、ペコリ。
状況が状況なので、通過するつもりで、たどり着いた次の村です。

マルタMaltat。
ここも、街道沿いに家並みが続くタイプの村ですが、目視では、教会は見えませんでした。といっても、そちらはどうでもよくて、バールとか公衆トイレがないものか、とそっちの方が重要、笑。
バールらしいたたずまいが目についたので、先にある駐車場に入り、取るものもとりあえず駆けつけたところ、思いっきり閉まっていて、もう泣きたい気持ちになりました。
それでも、せっかく駐車したので、スマホで改めて教会を検索したのですが、まったく出てきません。
もうこれは、先へ行け、といういうことだな、とすっぱりあきらめることにして、出発。
ところが、なんでしょうねぇ。変な運というのか、病のせいなのか…。
村を出るところで、横道から出てきた車がいて、なんでだか、お互いが停車したんです。
で、ふと、窓越しに目が合ってしまったんで、教会のことを聞いたんです(さすがにトイレのことはきけません、笑)。
運転していたおやじは、「中世の教会?そんなもんあったっけか?」としばらく首をひねっていたのですが、唐突に、「あったわ!あれだろうよ!」と、道を教えてくれたのでした。
道と行っても、村の真ん中を走る街道を、ちょっと入った先、車なら3分で付いてしまうような場所です。

サン・シャグル教会Eglise Saint-Syagre。発音、多分あってないですが、この名称は、事前に調べたもので、現場では、一切名前がありませんでした。ただ、教会、とあるだけで。フランスでは、よくそういうことがあって、戸惑います。教会が奉納された先とかそういうことには、どうやらあまり興味がなさそうです。イタリアではありえないことです。
だだっ広くて何もない場所に、ポツンと教会だけがあって、とても不思議なたたずまいですが、見た目は、とてもかわいらしい教会です。
そんなロケーションにも関わらず、まぁ、村から近いせいもあるのでしょうが、きちんと開けられていたのは、感激ものです。

といっても、構造物がオリジナルの形で残っている以外は、特にロマネスク・テイストは感じられないものでした。
そういう教会にも関わらず、現地には立派な説明版が置かれていました。
それによれば、この構造、ペンデンティブとかいうんですっけ。ドームの足元のところです。

この構造が、この地域のロマネスクの特徴だとありましたが、この地域だけではなさそうな。ただ、この位置に鐘楼を持ち上げるというのが、確かにイタリアにはない構造ですね。
例によって、中も外もペタペタと上塗りされていますが、オリジナルは、ここに見えるタイプの石積みだったようで、もしかすると、むき出しだったのかもしれません。

いわゆる勝利のアーチのところから、天井の構造。
船形天井みたいな感じですね。何か職人さんの美意識のようなものが感じられる作りです。
村の教会のイメージそのまま、という感じのたたずまい、好感度高いです。
ちなみに、写真の左型に突き出ているところは、相当後付けのもので、元は縦長一身廊の、小さな建物らしいです。

この入り口とか開口部の一部の周りに遺されているレンガっぽいものが、オリジナルとありました。といっても、勿論かなり修復されているはずなので、本当にオリジナルのレンガが、どの程度あるのか、不明ですが。

異なる色のレンガが組み合わされてデザイン化されていて、とても美しいです。
多色レンガは、日本にはない文化なので、製法もよくわからないというお話を、昔学会でいらしていた化学系の方に伺った記憶があります。
この多色レンガによる壁面装飾は、イタリアなどは、中北部に結構多くて(ポンポーザやボローニャが有名です)、私は大好きなんですが、そういうものか、とびっくりしました。確かに、日本ではレンガといえば、レンガ色ですもんね。

元は、墓地教会だったとありました。
ちょっと村はずれの場所に墓地ができて、そこに教会が建ったけれど、もしかすると街道が発展して、村も移動したのかもしれませんね。今は、現役の墓地はないのです。
どうやら古い時代からの墓所だったらしく、要は、神聖な場所であったのだろうと思われます。

後陣脇に、ベンチのような設えになっていたこの石は、石棺の蓋だったりとか、そういう石ではないかと思います。
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- 2019/11/01(金) 18:21:03|
- ブルゴーニュ・ロマネスク
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