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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

親方と弟子の競演―空腹のせいか、色々妄想中(サン・ミヨン63)

2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ+α)の旅その50

空腹を抱えて、20分強のドライブで、次の村に着いたと思ったら、村の入り口にあたる場所に、どう見てもレストラン的なたたずまいの建物が!
大喜びで、急停車したんですが、なんとなんと、クローズでした…。
しばし茫然と佇んでいると、お隣の家から、ぞろぞろと出てきた一族郎党。思わず声をかけたところ、一人のおばさんがとっても親切で、レストランを探しているんだけど、という話を聞いてくださいました。
結局この村には何もないということで、どこそこまでいかないと、とかそういう結論だったように思いますが、しょせんほとんど不自由なフランス語だし、何を話したのかよく覚えていないのですが、すごく親切な女性だったことだけは記憶にあります。
そして、村の名前を見てもピンとこなかったのですが、ノートに書き留めてあったこのエピソードで、あそこだな!と思い出しました。
空腹と結びついているのか何なのかわかりませんが、記憶って、本当に気まぐれ。とはいえ、やはり、周辺的なエピソードだったり、風景だったりは、確実に記憶のよすがになるようです。

仕方ないので、あきらめて、教会へ向かうことにしました。教会の場所も、その方に確認したと思います。
小さい村のはずなのに、車からは見えなくて、確か結構行ったり来たりした記憶があります。

2018 france centre 597

サン・ミヨンSaint-Myonのサン・メドゥルフ教会Egise Saint-Medulpheです。Medulpheなんて、初めて聞く聖人の名前です。今、聖人辞典(先日、購入したばかり)とか中世辞典とか調べましたが、載っていません。これは、サント・ステファノがサンテティエンヌになってしまうような、フランス特有の名前だったりするんでしょうかね。

これは、わかりにくいです。村の家々の中にすっぽりはまり込んでいる感じで、ひっそり隠れている状態。そのくらい小さくてかわいらしい教会です。

2018 france centre 598

そして、夏休みのお昼時だというのに、開いているのですから、嬉しくなってしまいます。

2018 france centre 599

上の方は新しくなっちゃっていますが、小さいのに周歩廊まである、立派な構造です。周歩廊があるということは、聖遺物があったんでしょうか、出自のわからないメドゥルフさん関連の。

2018 france centre 600

見るからに期待できそうなたたずまいに、こうなると、空腹などは忘れてしまいます。

2018 france centre 601

うひゃあ、シンプルだけど、愛らしい柱頭。彩色跡まで見えますね。まん丸の眼が、印象的です。
かと思うと、こんな立派な彫りもあるんです。

2018 france centre 602

ケンタウロス?いや、角があるし、なんだろう。

2018 france centre 603

これもまた寓話的な。カラス天狗みたいな悪魔っぽいフィギュアがあるから、何か罪を犯した人なのかな、角っこの情けない顔の若者は。

後陣の方は、彩色があります。

2018 france centre 604

おなじみのアーカンサス柱頭に混じって、こんな楽しいやつらが!

2018 france centre 605

みんな寓話が盛り込まれているタイプのモチーフですが、いくつか手が違うみたいですね。上の方のが親方作で、この蛇ガジガジは、見習い石工さんとか。
親方作。

2018 france centre 606

見習い作。

2018 france centre 607

例によって、勝手なこと言ってますが、いずれも寓話的で、面白いモチーフが多いです。聖書的なものは、一つもないのです。
これなども、意味全然分からないんだけど、何か語っているよな、という面白さを感じます。

2018 france centre 608

床面、かなり上げられちゃっているようなんですが、修復にしても使われている石の雰囲気がすごく良いです。床面を様子よく仕上げるのって、重要。変に安っぽい床になっていると、がっかりしちゃいます。

2018 france centre 609

ファサードは、トップの方にアップしていますが、ずいぶんすっきりと修復されちゃっていて、新しくなっちゃっていますが、今入り口として使われている南側扉口の方は、脇の柱頭だけ残っています。しかし、それも、ほとんど溶けてしまっている状態でした。残念です。

2018 france centre 610

柱頭の一つ、同じような様子で並んでいる三人が、もしかして、マギ?とか思っちゃって。本堂内部にはない聖書モチーフが、外にあったのかも、と妄想。

2018 france centre 611

実によい教会でした。
空腹でも何でも、やはり先に進まねばいけません。やっぱりこれは修行です。常に、煩悩に捕らわれているとはいっても。

2018 france centre 612

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  1. 2019/11/20(水) 03:28:49|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
  3. | コメント:0

パン屋でランチなんて!却下(エギュペルス63)

2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ+α)の旅その49

そろそろお昼時なので、さて、どうしよう、と紙の地図を眺めて、この辺りでは比較的大きそうな町に向かうことにしました。これまでうろうろしてきた村の規模では、レストランどころかカフェすらありませんからね。

で、たどり着いたのが、エギュペルスAigueperseという町。

2018 france centre 591

ノートルダム教会Eglise Notre-Dame。起源はそれなりに古そうで、ロマネスク的アイテムも散見されるのですが、全体はもうばりゴシックで、え~、これ~?みたいな気持ちでした。
それでも、せっかく来たんですから、一応、あちこち見ます。

2018 france centre 592

軒持ち送り。アイテムとしては、そのまま残したんでしょうけれど、ロマネスクテイストは、かなり薄まっていました。

2018 france centre 593

ゴシック的な気持ち悪さが先に立つ感じっていうか。こういうの、いまいち。
中に入ると、フレスコ画が結構よい状態のものも含めて、残っています。

2018 france centre 594

でも、時代的には、14世紀以降くらいの様子です。

2018 france centre 595

私の好みでは全然なくて。
でも、中世のフレスコ画を研究している人なら、来るべき教会なのかもね。

2018 france centre 596

他には見るべきものもなく、見学はあっという間に終了。

で、お昼です。
この町、地図であたりを付けたとおり、それなりに町でした。結構大きな道に、建物がずらりと並んでいますが、お店屋さんは、非常に少ない。そして、食べ物屋さんらしい姿は、まったく見えません。
炎天下、寂しい気持ちになりながら、その道をずっと進んでみたのですが、行けども行けども何もなくて、仕方なく教会まで戻る羽目に。

しかし、これほどの規模の町で、何もないわけはなかろう!と思えてならないので、通りすがりの女性に、スミマセンが、この町、または近所に、レストランがないか、尋ねたんです。そうしたら、「今は夏休みで、二軒とも閉まっているはず。近所と言っても…」という厳しい現実でした。
しかし、私が相当空腹状態に見えたのか、憐れむように、「でもね、あそこにパン屋さんがあるから、食べるものあるわよ」と言われたんです。
わたしったら、パン屋~?なにそれ、バカにしてるのかよ、と思ってしまったんですよね、愚かなことに。
他の記事でも書いたかもしれませんが、フランスのパン屋さんは、結構お惣菜を売っていたり、おかずパンみたいのがあったりするみたいなんですが、このとき、知らないから、イタリアのパン屋のイメージしか思い浮かばなくて。ぼそぼそしたパンだけかじれっていうのか、みたいな感じ。
親切に助言してくれた女性にはお礼を言ったもの、フン!と思いながら、また車上の人になり、何か見つけることを期待しつつ、先に進んだ次第です。

親切を素直に受け止めない人、嫌よねぇ、笑。

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  1. 2019/11/20(水) 02:30:22|
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なんだか不気味な柱頭たち(トゥレ63、その2)

2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ+α)の旅その48

2018 france centre 581

トゥレThuretのサン・マルタン教会Eglise Saint-Martine、続きです。
中の様子です。

2018 france centre 582

全体に古色蒼然感がすごい。上塗りされた漆喰が傷んではがれていたりして、ちょっと寂しい部分もありますが、そんなことよりなにより、中でも衝撃的に目を引くものがあるんです!

2018 france centre 583

今どきの不条理漫画的なタッチの柱頭。これは、なんというのか、多分、うひゃ~とか声を上げていたでしょうねぇ、私。衝撃でした。
これなんか、なんですか?蛇から果実をもらっているということはイブ?ええ~!この表現力、衝撃です。

2018 france centre 584

こちらは猿でしょうか。可愛さのかけらもない、この彫り。

2018 france centre 585

どれをとっても不気味さが先行して、テーマも謎な感じだし、外にあるものとの落差が…。
これなど、外にあるやつと同じだと思うんですが、外のは、写真でアップで見てもかわいいと思うのに、中にあるやつは、なんだか気持ち悪いです。なんででしょう。

2018 france centre 586

エピソードものもありました。縮尺が完全におかしい人形プロポーションのフィギュアたち。なんのお話だろう。

2018 france centre 587


こちらも怖いです。口から蛇とかはいているのは、悪い言葉の象徴なのかな。それにしても、フィギュアがのっぺりとして、やはり気色悪いですね。

2018 france centre 588

同じ柱頭を別角度から。

2018 france centre 589

絶対に悪いことしている人たちですよね。

2018 france centre 590

これね、現場だと、もうちょっとかわいい楽しい感がありましたけれど、アップで見たら、かなり不気味なんですね。意味は、ちょっと調べたいですね。腕のにょろりの人たちについてもね。

いずれにしても、この教会は、絶対に行くべきで、過去の私のように、何があっても端折ってはいけません。教訓。笑。

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  1. 2019/11/18(月) 03:26:40|
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薄い縁を手繰り寄せて、やっとアクセス!(サンティニャ経由トゥレ63、その1)

2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ+α)の旅その47

なんだかこの日は、調子が悪いというか、おそらく友人宅で一息ついて、気が緩みまくって、修行行程もかなりいい加減な感じで出てしまったので、まさにその結果なんでしょうが、どうも、行けども行けども、状態が続きます。
なんで来たんだっけ?と悩みながらとりあえず教会にアクセス。

2018 france centre 567

サンティニャSaint Ignatのサン・マルタン教会Eglise Saint-Martinです。
前からも後ろからも、もうどうしようもなくネオ・ゴシック的な建物で、取り付く島もなし。
実はここ、ロマネスク時代の浮彫が中にあるらしいんですね。それで、行ったわけなんですが、ここもまた引き続きクローズで、ただただ情けなくなりました。
鍵穴撮影には成功したのですが、そんなところから見えるわけもなく。

2018 france centre 568

すごすごと退散するしかありません。ここには、慰めてくれるにゃんこもおらず、寂しい限りでした。クローズ、四連発。これは初めてかもね。

やけな気持ちで、次へ向かいます。次の目的地は、前回のオーベルニュ修行で、なぜか端折ってしまった教会です。縁が薄いのか、笑。
このときも確か、村へ抜ける道に工事中のため通行止め、みたいなものが置かれていて、しばし悩んだんですよね。もう昼時でもあり、そこが通れないとなると、かなり遠回りをする必要もあり、そうなると、午前中に間に合わない可能性もあり。
ただ、通行止めなのか、単に工事中と言っているだけなのか、明確じゃなかったし、たいした距離があるわけでもないので、いいや!と思って、看板に気付かなかったことに決めて、先に進んだんでした、笑。気付かないわけないんだけど。
それで、薄い縁をつなぎとめたと思います。

2018 france centre 569

トゥレThuretの教会です。
何はともあれ、開いている!駆け込もうと思いながら、目が釘付けに。

2018 france centre 570

南側壁にある扉口のタンパンです。
もう、これ何~!衝撃的な可愛さで、のけぞりました。

2018 france centre 571

アーモンドを支える天使の腕、にょろーん。
右の方も左の方も、同様ににょろんです。

2018 france centre 572

腕は、やったら長いのに、足は、縮こまっています。どういう姿勢なんだ!
この上の、前髪ぱっつんの人は、下にミカエルとありますので、大天使ミカエルでしょうか?ぱっつんで、腕にょろん?その上、翼の片方は、稲の穂にしか見えません。

アーモンドの中のキリストもまた、何とも間抜けなおちょぼ口で、前髪はほぼぱっつんですね。

2018 france centre 573

ヘレニズム的な衣のひだひだ同様に、俺は、こういう細かい線なんか、バンバンに彫れちゃうんだぜ、という石工の自慢的な表現なんでしょうか。全体に稚拙な雰囲気もあり、時代がかなり古いのかとすると、自慢するだけの腕と道具があったということなのかな。
それにしても、全部かわいい。
もうこれを見られただけでも、この前の四連発、許す!という気持ちに包まれました。

すぐに本堂に入ったのですが、こちらでは、余裕がある様子で、外観のご紹介を。実際は、本当にアワアワしていました。だって、こんな素敵なタンパンがあるからには、他にも絶対に何かありそうですもんね。

2018 france centre 574

この教会は、外の様子も、ロマネスクらしい姿を保っていて、とても好ましいです。つけ柱の柱頭や、軒持ち送りに、期待通り、楽しい彫り物が見られます。

おなじみの鉋屑の間に、妙に大きな球を加えた動物。唇が半魚人的。

2018 france centre 575

どうやら、この石工さん、この半魚人タイプにはまっていたらしいんですよ。ほら。

2018 france centre 576

こっちも。

2018 france centre 577

怪物としては結構不気味なので、意図はわかりますが、これほど半魚人ぽいのが集積しているのは、初めてかもね。
怖いものを彫ろうとしているのに、なぜか愛らしくなってしまうみたいな感じ。
柱頭も、そういう系統です。

2018 france centre 578

鋭い牙が並んでいますけど、おおこわ、とは思えない動物ですよねぇ。
こちらは、まぁかわいくてもよござんす。

2018 france centre 579

一方、東側ファサードにも扉がありますが、そっちにもまた、のけぞるようなかわいいやつらがいました。

2018 france centre 580

何ですかねぇ。謎なモチーフですが、ここでも腕がにょろりタイプですから、同じ石工さん作品ですよね、タンパンと。
このモチーフは、中にも通じるんです。

続きます。

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  1. 2019/11/18(月) 03:01:56|
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にゃんこに救われる日々…(マランガス63)

2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ+α)の旅その46

狭い地域をうろうろしていますが次に向かったのは、Maringuesという村です。

2018 france centre 560

マランガスMaringuesのノートルダム教会Eglise Notre-Dameです。
ついてないときは、徹底的についてないみたいで、夏にこんなこと本当に珍しいのですが、なんとここもクローズで、とうとう三連発でハズレです。
まぁ、前回の場所から10分程度だからいいんですけど、でも気持ちが折れそうになります。

仕方ないので、ここでも外をなめるように。

2018 france centre 561

といっても、地味な教会で、なめてもあまりアジがないっていうか…、笑。

2018 france centre 562

これでもか!の鉋屑攻撃…。もういいよって感じです。
古い様子のは、決して嫌いじゃないのですけれど。ここのは、素朴でいい感じ。

2018 france centre 563

ふと思いましたが、このクルリンとしたモチーフって、イタリアだと、波のモチーフで、フリーズのモチーフとしてよく用いられるものですね。それで共通しているから、鉋屑としては普及しなかったとか、あるでしょうか?

幸い、というのも変ですが、それ以外の軒持ち送りも、いくつか見られました。

2018 france centre 564

これなんかは、結構立派。

2018 france centre 565

ちょっと面白いですよね。ラブラブって様子でもないですが、でも男女に見えます。しかしどちらも驚きの表情で、不思議。これがアダムとイブの楽園追放だったら、それはそれで感心するな~。

実はあまりに地味だったんで、教会の記憶はほとんどなくて、一番うれしかったのは、こいつ。

2018 france centre 566

虫かなんかを追っかけていたと思うんですが、遊びたいオーラ発進しまくりの私は完無視されました、笑。
猫好きでよかった…。三連発クローズの辛さも、癒されます。

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  1. 2019/11/17(日) 21:36:24|
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長い歴史を背負っていても(ジャルディーニ 5)


ヴェネチア・ビエンナーレ2019 13

ジャルディーニ、運河の向こう側、会場としては、入り口から最も遠い地域の続きです。

ポーランド館。

2019 biennale 182

見たまんま飛行機です。墜落した飛行機?なんかやだなぁ、と思ったんですが、このRoman Stanczakというアーティストは、普段当たり前のように使用しているものの裏表をひっくり返す、という手法で、色々ひっくり返しているらしいです。
で、今回は、プライベートジェットをひっくり返してみました、ということらしい。ちょっとわかりやすい人だよね。
プライベートジェットが、富裕層のものである点も、テーマになってるらしい。そういうポリティカルな話は、あまり持ち込まないでほしいと思ってしまうけれど、所詮アートは金なしにはあり得ないのも確かなので、現代アートがそうなってしまうのも、どうしようもないことなんだろうな。

ここのパヴィリオンは、横長の建物なんですが、ポーランド館と次のパヴィリオンの入り口の間の壁に、こんなものが。

2019 biennale 183

わかりにくいと思いますが、花瓶に生けられているのは真紅の薔薇です。キャプションに、祈りを込めて花びらを壁の穴にさしてください、と書いてあります。きっと、花びらが途切れないように、適度に花を足して、そして、訪れた人も、律義に作業しちゃっている結果なんでしょうね。祈っているのかどうかはわからないけれど、結構花びら、刺さっていました。雨でなければ、私も参加してたけど。
白い壁に人工物じゃない赤いバラのイメージは、何かを喚起しますね。

ルーマニア館。

2019 biennale 184

コインとか入っていて、民間信仰のある泉をイメージした作品らしいです。
しかし、三人のアーティストをフューチャーしていて、メイン・スペースはこの泉で、全体の雰囲気はあるんだけど、入り口のホワイエ的なスペースがこれって…。

2019 biennale 185

洗濯機三連発の上にベッド…。
その向かいに、多分もう一人のアーティストの作品。

2019 biennale 186

なんかさぁ、それなりに根底に共通するものがあるのかどうか知りませんけれど、全然感じられないし、説明を読んでみようか、と好奇心を喚起させる何かもなく、なんだろう、つまらないなぁ、と思いながら、足早に出てしまいました。
アーティストの力が第一なんだけど、キュレーターの存在も大きいよね、結果を出すには。

ギリシャ館。

2019 biennale 187

床に敷き詰められているプチプチに見えなくもないもの、実は、こんなの。

2019 biennale 188

さっぱりわからない展示でしたが、先日駆け足で訪ねたギリシャがとても面白かったし、ギリシャという国や国民性というものに、今、結構興味があります。
歴史が長い国だけど、例えば、前回紹介したエジプトでは、歴史にどうしても根差しちゃう、みたいなアート比率が高いように思うのですが、同じように長い歴史を背負いながら、ギリシャのアートは、今まで見てきた中で、そういう傾向のものはないんです。
そういう見方ってしたことなかったけど、うん、今、そう思いました、笑。
ギリシャ、っていうと、古代ギリシャのイメージで、連綿と続いてきた割りには、ダメな国になっちゃってるじゃん、という感じなんですが、今回弾丸で訪ねたテッサロニキは、マケドニアだったんですよね。そして、ギリシャを形作る多くの島々は、かつては、別々だったんだろうし、寄せ集めの国であり文化なのではないか、ということなどにも気づいたり。
あけっぴろげな感じとか、外からの影響も淡々と受け入れる感じとか、なんかラテンの明るさとは違うものがあって、意外と好みな人たちかもしれない、と感じたりね。
やっぱり、旅はするもんですよねぇ。

さて、ジャルディーニの見学は、これで終了です。そして、ビエンナーレも。
この辺りから、雨が本格的に降ってきて、逡巡しましたが、せっかくなので当初の予定通り、この際見学する!と決めていた場所に移動します。

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  1. 2019/11/17(日) 21:03:51|
  2. ヴェネチア・ビエンナーレ
  3. | コメント:0

水の上を歩ける体験、ベネチア館(ジャルディーニ 4)

ヴェネチア・ビエンナーレ2019 12

さっさとまとめてしまえ、と思っていたのに、なんと1か月も開いてしまっていました。まだ当分先だと思っていた会期終了も、すぐそこ…。その上、ベネチアは、異常なアクアアルタ(高潮による洪水被害)でひどいことになっていて、ビエンナーレも、かなり尻つぼみという状態だと思います。
日本だと、イベントでも何でも、千秋楽が盛り上がるようなトレンドがありますが、イタリアでは、常に初日が重要です。最初にバーンと打ち上げで、あとは知らないうちに終わる、みたいな、そういうところあります。ビエンナーレも会期が長い分、やはり最初の方に関連イベントも集中するし、VIPの訪問も多いし、ということで、もともと最後の方はひっそり、だと思いますが、今年は、天候不順で、本当にひっそりだろうと想像しています。
でも、記憶をとどめおくために、やはり最後まで記事にしていきますね。よろしくおつきありください。

デンマーク館。

2019 biennale 165

普段はクローズしている庭の方に、なんだか水が満タンになっている袋が下がっていて、実際に水がちろちろと流れています。雨の日だっただけに、満タンの様子が生々しくて、本来もそうなのかどうか不明な感じで。
これ、見た時、フーン、地味だけど、ちょっと面白いじゃん、と思ったのは覚えているんですが、何に対して、面白いと思ったのか、記憶なし、笑。だから、すぐ書かないとダメなんですよねぇ。かなり情けない気持ちでいます。

ベルギー館。

2019 biennale 166

これは、なんだか不気味で面白かったです。何か賞を取ったんだったと思います。Mondo Caneというタイトルで、特別賞を取っているようです。
変に無表情で不気味な等身大の人形が、伝統的な仕事をしている様子が、いくつかのシーンで表現されているんですが、からくり人形になっていて、動いています。静寂の中で、揺り椅子が揺れていたり、肉屋さんが肉を切っていたり、オバサンが編み物をしていたり、そういうこと。

2019 biennale 167

説明では、我々の過去へのこだわりや変化への恐れを表すもんだということですが、さてね。見た目は、インパクトあって、引き込まれるところがあるんですが、テーマは意外と陳腐な感じですね。っていうか、そういう風に簡単に説明されたくないっていうかなぁ。

オランダ館。

2019 biennale 168

色々釣り下がっていたりするんだけど、すっきり感とは別のもの。

2019 biennale 169

釘が刺さって、ささくれていたりして、こういうところがきっとポイントで、何か言いたいんだろうけど、全然わかりません!

ここは、なんだろう。Web Pavillionとあったのですが…。

2019 biennale 170

で、中にあったのは、蜘蛛の巣でした!

2019 biennale 171

これ、ミラノのフオリサローネで、確かヴィトンの展示であったのと同じだけど、同じ人かなぁ。今回、フオリサローネの面白さをずいぶん感じました。結局フオリサローネは商業がベースにあるから、自分のブランドの説明やイメージを売るために、人を引き付ける作品作りをしているわけで、結局わかりやすいということになるんだと思います。ビエンナーレは、ある意味純粋アートだから、勿論そこまでコンセプトが万人受けする必要はないのですが、それにしても、難解というよりは、面白さがないというのは、どうなんだろうと思うことしきり。面白さって、勿論Interestingの意味での面白さで、あ、これは何だろう、と好奇心を喚起したり、考えさせられたり、それが、アーティストの意図とは違うものであっても、何らか込められていれば、やはり感じさせられるものがあるように思うんです。が、それが、少ない。

フィンランド館。

2019 biennale 172

スカスカした展示に、ビデオモニター。歩くのに疲れた人が座っている様子、笑。
こういう状態のビデオは、つまらないに決まっています。
実際、30秒くらい見ましたが、つまらなかったです。30秒じゃ見た内に入らないかもしれませんが、それでも、他で見たビデオのように、一目見て、思わずじっくり鑑賞してしまうものもあるわけで…。

2019 biennale 173

ジャルディーニは、小さな運河で、二つに分断されていますが、その運河の向こう側へ行きます。

オーストリア館。

2019 biennale 174

セルビア館。といっても、パヴィリオンの名札は、いまだにユーゴスラビア館のまま。

2019 biennale 175

そういえば、チェコスロバキアもそのままです。名前も、建物と一体化して記されているので、物理的に変えにくい、というのはあるのでしょうけれど、そのあたりは、現代アートの会場としての主張とも思えますね。まぁ、もともと国別のパヴィリオンという考えが、ちょっと違和感あるともいえるのですが、そういう時代から綿々とやってきて、でも、今はもう政治とは一線を画す、みたいな?

エジプト館。

2019 biennale 176

スフィンクスの顔がモニター。これは、結構ありそうなイメージっていうか、作りこみが面白かったです。茶室に入るような狭い入り口を入ったりするピラミッド感もよかったです。

2019 biennale 177

ベネチア館。

2019 biennale 178

雨が結構激しくなってきて、人も少ないのに、ここは珍しく行列が出来ています。ということは体験型なのかなぁ、と思い、辛かったけど、並んでみました。結局、前の人があきらめたりしたので、一回分待つだけで、入れました。それでも20分くらいは待ったですかねぇ。

入ったら、変なトンネルがあって、靴を脱いで入るということでした。

2019 biennale 179

これは、俺の足!
面白かったですよ、これ。要は、ビニールのトンネルが、水槽に浮いている、という様子の構造物なんですけどね。水の上を歩くかのような感触、いや、それは変ですけれど、うにょうにょしていて、すごく面白い感触なんです。

2019 biennale 180

多分、ゲル状の液体だと思うんです。
割と沈み込んで、おっとっと、という感じになります。包まれるような、それでいて水だなっていうのもあって、うわーうわーとつぶやきながら、歩きました。やはり体験型は面白いです。
最後にビデオのスペースもあって、他の作品もあって。

2019 biennale 181

ベネチアは売るものがたくさんあるから、イメージも作りやすいですね。ここは、ベネチアのプロモーションのスペースだから、やはり面白くないとっていうことかな。

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  1. 2019/11/17(日) 02:37:34|
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鍵に出会えない日曜日(バルナザ63)

2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ+α)の旅その45

前回の記事のジュサから、ほぼまっすぐ南下3分ほどで、次の目的地に到着です。

2018 france centre 554

バルナザBarnazatのノートルダム教会Eglise Notre-Dame。
思いっきり道脇に建っていますので、見逃すことはありません。

しかし、この日は運が悪かったようで、ここもまたクローズでした。
最近のフランスでは、多くの教会の鍵が、役所の管理下にあり、ここもまた、そういう教会の一つ。その役所は、ファサードの先にありますが、この日は日曜だったので、勿論役所もクローズです。

2018 france centre 555

この写真に見える十字架Croix de Fanalも、ここの名物。いや、名物とは言わないですかね、重要なモニュメントのようです。でも、現場では、一見それほど古そうにも見えなかったので、この写真が唯一。細部は見学もしておりません。今更、撮影してきた説明版を読んでいるわけですが、それによれば、教会より二年も早く、国の重要文化財指定を受けているらしく、あまり明確ではないのですが(私の読解力のせいですが)、ゴシック時代のもののようですね。

せっかくなので、彫り物のある上部をアップで。

2018 france centre 556

教会は、このお尻側を道に向けています。ゴシック期の手が入っており、ちょっと残念。ささえ壁がなければ、素敵なほっそりつけ柱で、それなりにシンプルに美しい様子ですが、支えがかなり邪魔しています。

2018 france centre 557

でも、ファサード側も、かなりゴシック臭がする感じです。

2018 france centre 558

装飾的にも、ロマネスクを出てしまっている感じです。

2018 france centre 559

というわけで、中には何かがあるのかもしれませんが、役所がクローズと考えられるときは、わざわざ立ち寄らなくても良さそうな教会です。

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オーベルニュに移動します(ジュサ63)

2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ+α)の旅その44

ブルボン・ランシーで無事トイレを済ませ、向かったのは、この数年来、いろんな形で、フランス・ロマネスク中心にお世話になっている、在オーベルニュの友人宅です。ブログの縁で出会い、2015年以来、スペインやイタリアでランデブーしたり、お宅にお邪魔したりの交流を続けているロマネスク病の仲間です。

記録が長丁場になってしまったので、うっかり忘れそうになっていますが、このときの旅では、初日に虫にやられて、全身、肉体的な意味での病気のような虫刺されの水膨れ状態になっていて、毎日辛い思いをしていましたので、友人宅に宿泊して、他の人の眼を気にせずにくつろげるだけでも、実にありがたいことでした。
この旅では、五泊もさせていただく予定にしていたので、ちょっと図々しいかな、と思ったのですが、結果的には、本当に助かりました。

大歓待を受けた到着の翌日は、アドバイスも受けて、オーベルニュのロマネスクの見残しを消し込んでいく行程を作り、一人で回りました。
まずは、Jussatです。

2018 france centre 545

ジュサJussat63の教会。検索しても、名前が出てきません。また、ジュサといっても、実は、Randanという土地の名前となるようです(Rue des Suchets, Randan)。墓地にある教会です。

ところで、ジュサの後に記した数字ですが、これは、県をくくる数字となります。
昨年くらいから、意識するようになりましたが、フランスでは、この県の数字が、多くのくくりとなっていて、これを認識するかしないかで、便利さが全然違います。
例えば、車のナビで地名を入力すると、同名の土地がいくつか出てくるケースが、結構あるのですが、この県番号を知っていれば、ほぼ間違いなく正しい場所を選ぶことができる、などです。これまでは、同名の土地が出てくると、どうにも困ったものですが、仕組みがわかってから、ずいぶんと動きやすくなりました。
州のくくりは、近年大きく変わってきて、例えば、ロマネスクを求めて動く場合のバイブルであるゾディアックで使われている州のいくつかは、今では統合されてしまって、よくわからなくなっているのですが、この県レベルのくくりは、昔から変わらず、ということだと理解しています。
なので、くくりという意味で、今後は、この数字を入れていきたいと思っています。ブログのカテゴリも、これに沿って、整理したいと考えています。考えてはいますが、さて、実現はいつになることやら、笑。

63は、正確には、オーベルニュ州のピュイ・ド・ドーム県となります。

話を戻します。
ジュサの町から、さほど苦労しないでたどり着いた墓地ですが、なんだかクローズっぽい高い門扉で(写真に見える緑のやつ)、がっかりしかけましたが、そこは墓地ですからちゃんと敷地には入れました。
でも、教会の扉は、固く閉ざされていました。

2018 france centre 546

午前中半ばですから、普通だったら絶対に開いている時間なのに…。
仕方ないので、周囲を丹念に見学します。

2018 france centre 547

全体に、軒持ち送りがあるようです。
後陣側にも。

2018 france centre 548

しかし、駐車場との壁が、後陣に限りなく近くに設けられているために、後塵全体を捉える写真がとれません。駐車場スペースは、すっごく広くて、そこまで広くする必要もないと思うし、ここに壁を作る理由も、よくわからないのですが、墓荒らしみたいなことでも、過去にあったのでしょうかね。

2018 france centre 549

オーベルニュ特有の鉋屑モチーフが多かったですが、いくつかは、それ以外のものもありました。

2018 france centre 550

全体にとってもシンプル。顔や動物の頭部ですけれど、大き目の石に、さらりと一筆書き風の彫り。
後陣を取り巻くものは、見事にほとんど鉋屑。

2018 france centre 551

鉋屑も、しかしいろんなバリエがあり、時代によって、石工によって、ということだと思いますが、丹念に見ていくと面白いものがあります。これは、イタリアには来ていないモチーフと思うのですが、スペインでは見られますね。きっと鉋屑モチーフを研究している研究者の方、いらっしゃるんでしょうね。いるのかな。ちょっと飽きそう、笑。

側壁の上の方に、不思議な構造物かありました。

2018 france centre 552

なんだかわかりませんが、あとの時代に、横っちょに、変な構造物をくっつけていた跡かな、と思ったり。
最後に、恨みがましく扉を。

2018 france centre 553

扉の両脇に、一対の柱と柱頭がありましたが、いずれも、かなりシンプルなモチーフで、時代の古さを感じさせます。

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  1. 2019/11/17(日) 00:58:19|
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トイレのおかげで(ブルボン・ランシー)

2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ+α)の旅その43

なんかわからないんですが、多分、他の土地の名前と勘違いしたとか、そういうどうでもいいことだと思うんですが、この日、ブルボン・ランシーBourgon-Lancyという村に行くのを、決めていました。というか、ここは、絶対に行かねばいけない教会がある、と思い込んでいたんです。

2018 france centre 537

ブルボン・ランシーBourgon-Lancyのサン・ナゼール・エ・サン・セルス教会Ancienne Eglise Saint-Nazaire-et-Saint-Celseというよりも、サン・ナゼール博物館Musee Saint-Nazaireという方が、多分正しいのでしょう。というのも、ここは、すでに、教会ではなく、博物館という位置づけだからです(オープンは、金・土・日の14:30-18:30)。

何でしょうね、ブルボンというので、何か、ブルボネ地域と重なって、すごく重要な場所、とか思い込んでいた節があります。だから、この教会のオープンに合わせて、すごく無駄走りをして、事前に調べていたオープン時間に合わせて、到着するように計画していたんですよね。

2018 france centre 538

ただ、同時に、前回からの続きの尾籠な話で恐縮ですが、博物館となっているからには、絶対にトイレもあるはず!と思って、そこは意気揚々だったんですけどね、笑。

2018 france centre 539

入り口に受付の人がおりましたが、特に有料ということもなく、まぁ、普通に、教会のファシリティーを、そのまま博物館にしている、というたたずまいでした。

2018 france centre 540

博物館化しているだけあって、照明などは、それなりにスタディされている様子です。

2018 france centre 541

でも、あるものがあるだけですから、まぁ、あるものをより楽しめるような照明にはなっていたんですけどね。

でも、博物館、という割には、かなりしょぼい展示、といってもよいかもね、というやつでした。

2018 france centre 542

少なくとも、ここを訪ねるために無駄走りをする理由は見つけられなかったというレベルでした。何を勘違いしていたんだろう、俺?

2018 france centre 543

というわけで、ここは、勘違いする何かがあるかもしれませんが、たまたま通過する、とかそういう以外は、立ち寄る必要なしの教会です。いや、そこまではっきり言っちゃうのも、教会に申し訳ないですが、でも、病の方には、重要なことですからね。だって、週末の午後しか開いてない、とかなると、どうしてもそこに合わせていきたくなっちゃったりしますからね。行かなくて、いいです、笑。
博物館のわりに、ちゃんとトイレもありませんし。

いや、一応、ここの名誉のために記しておきますが、トイレ、あったみたいなんです。受付していたお兄ちゃんに、尋ねてみると、鍵をじゃらじゃらさせて、すぐお隣にある建物に連れて行ってくれたんですが、しばらく複数の鍵を試した挙句、「カギが合わないわ」ということで、簡単にごめんちゃい、みたいなことになっちゃったんです。
でも、結構親切で、「これからどこまで行くの?え、そんなところまで?」ということで、結局徒歩3分くらいのところにBarがあるから、そこに行け、と送り出してくれました。
こういう、どうでもいい記憶が、かえって鮮明だったりして、そのつながりで、この、正直ロマネスク的には、かなりどうでもいい教会のことも、よく記憶に残ったりしているんだから、記憶って実に不思議だし、こういう記憶はなくなってもよかろう、とイラッとしたりします。

高台を降りたところの教会で、無事、トイレを借りました。
こんなところでも、たかが、あるかなきかの国境を越えただけで、異なる文化を感じたりしてね。というのも、トイレを借りる時、コーヒーが飲めれば、それでOKなのは、どこでも共通しますけれど、コーヒーはもういらない、というとき、イタリアやスペインでは、水を所望することにしています。ところが、フランスは、お水は無料で出てくる国なので、Barで、水は所望してもダメなのですね。
そんなことを、こんな時に、認識した次第です。

結局、訪ねたBarでは、無料で、トイレだけお借りする羽目になったのでした。
しかし、ちょっと降りたおかげで、フランスの田舎らしいたたずまいの教会の姿を、しっかりと見ることができたのは、僥倖でした。

2018 france centre 544

好みはありましょうが、これは、実にフランスらしいたたずまいです。ファサード側は、町のコンテクストにはまっていましたが、こちら側からは、緑の中の、素敵なたたずまいとなっているんですねぇ。これは、車で目的的に行って、面白くなければ、さらりと立ち去るような旅では、見逃しやすい姿だと思いました。あ、私の場合です。もっと注意深い場合は、そんなことはないのでしょうが、常々、後陣は確認すること!と思いながら、うかうかと忘れて立ち去ることも多いタイプなので、これは、よかったかもね。

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  1. 2019/11/12(火) 06:41:08|
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