2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ、+サントル)の旅その73
またまた2016年の旅のリベンジ編です。
と言っても、ここは、クローズしていたわけではなくて、苦労して訪ねた教会が、目的の教会ではなかった、という大変間抜けな話なんですけどね。
ティエールThiersという町なんですが、かなり急斜面の丘に張り付いている町で、以前は、その急斜面に入り込んでしまって、引き返すこともままならずに、何とか途中で駐車して、そのまま天辺にある旧市街の教会を訪ねる羽目になったのでした。でも、どう見ても違うよなぁ、とキツネにつままれた気分でいっぱい。
結局、その後訪ねた友人宅で、事情を説明して初めて、やはり違った、ということがわかった次第。
今回は、住所も調べてあったし、友人にも、とにかく山に登るな!と釘を刺されていたんですが、住所があだになったようで…。いきなり、上り坂ではないものの、これは山道だよね?というような田舎道に入り込んでしまったんです。
困ったなぁ、と泣きそうになりながら、何とか開けた方に向かうと、村のふもと的な、広い道に出ることができました。うっすらと記憶している場所です。
路肩が駐車場となっていたので、とりあえず停車。やはり停車していた人に尋ねると、あ、あれよあれ、と言うじゃないですか。なんと、旧市街に向かう坂道が始まる手前の、まったくの平地にある建物が、目的の教会だったのですね。

上の写真の右が目的の教会。
写真の左側の方に、山登りとなる道があったはず。2016年の苦しい登り坂は、まったく意味がなかったということで、泣けてくるような瞬間でした、笑。

ティエールThiersのサン・シンフォリアン修道院教会Abbaye Saint-Symphorienで、左側にあるお城的な建物が、修道院の居住部分Le logis abbatialだったらしいです。クリュニー系列の修道院ということです。地味なのも仕方ないですね。

中は、他でも見られた、こんなツートンカラーになっていましたが、クリュニー派で、これはないと思いますので、この彩色は後代のものなんでしょう。地域の外教会に倣った、ということなのかな。
しかし、実はこの教会、すっごく暗くて、この本来なら派手な彩色も、ほとんどわからないような状態でした。真昼間だというのに、ですよ。
一見、面白みが感じられないのですが、目が暗闇に慣れてきたら、浮かび上がってきたものが。

なんせ暗いので、ピント合わせるの大変でした。かなりぼけています。
何だろう、なぜかちょっとピエモンテの柱頭などを髣髴としました。

思いっきり彩色跡のあるやつらも。
ということは、ツートンカラーもありなのか?クリュニーというと、シトーまで行かなくても、なんとなくストイックなイメージがあるんですが、それって宗教改革とかと勝手に結び付けているだけかしらん。
同じスタイルの別柱頭。

あまりに暗くて、普通に撮影すると真っ黒になっちゃうので、禁断のフラッシュです。この暗さは、ヴォルヴィックでしたか?あそこに匹敵する。ここは、訪問者が誰もいなかったので、フラッシュできたんです。高さが、比較的低めだったせいもありますね。高いと、フラッシュ届きませんから、無駄になりますし。
でも、世間には、そういうこと考えずに、ひたすらフラッシュたく人っていますよね?あれ、絶対無駄ですよね。それとも、今のフラッシュって、相当距離があっても機能するのかしら。
フラッシュ使うと、イメージが相当変わってしまうので、そのテイストが嫌いで、なるべく使わないんですけれど、ここまで暗いとねぇ。

空間恐怖的に、細部まで彫りこんだ大作が多いだけに、残念。修道院として、成功して、お金をかけられた教会なんだと思われますね。それなりに腕のある、金をとれる石工さんですよね、これは。

建物は、全体に手が入っているし、面白みは少ないのですが、柱頭などのディテールは楽しめる教会です。
裏の方に回ってみたら、おそらくかつての修道院の一部みたいな構造物が残っていました。

確か駐車したあたりだと思うんですが、小川が流れていて、立派な水車がありました。

かつては何か工場みたいなものがあったような説明版がありましたが、読めません、笑。
なんでそんな方に行ったかというと、例によってトイレを求めて、なんです。店でもないか、と。昼時だったので、レストランがあればナイスだったのですが、水車しか見当たらず、あきらめて車に乗り込みました。
で、町のコンテクストを出たすぐのところに、ちょっとした公園があり、小さな駐車場があり、どうやらトイレらしいものがあったのですよ。
ジプシーっぽい一家がうろうろしていたんですが、停車して、駆け込んだところ、カギは壊れているし、およそ清潔とも言いかねる状態ではあったのですが、もはや背に腹は代えられない状態だったので、大急ぎで用を足して、飛び出して、急発進で離れました。
私には珍しく、走りながら積極的にレストランを探して、幸い、ティエールからさほど離れていない道沿いにちょっとした店を見つけたので、わざわざUターンして、行ってみました。この話は、番外編で。
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- 2020/02/24(月) 02:35:19|
- オーベルニュ 03-63-15-43
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2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ、+サントル)の旅その72
さて、今回も、過去のリベンジです。

グレーヌ・モンテギュGlaine-Montaigutの洗礼者ヨハネ教会Priorale Saint-Jean-Baptisteです。
これも、過去記事を張りますね。
グレーヌ・モンテギュ、過去記事やはり2016年の旅でした。夕方、開いているはずの時間だったにも拘わらず、扉は固く閉ざされていたんです。鍵は、もしかすると、教会の脇の民家にあったかもしれないですが、このときは、すごく頑張る気持ちがなく、外観の見学で、結構満足しました。
というわけで、外側については、過去記事を参照くださいね。
入場です。

どひゃあ、すごいですね。
これは、シャリアの近くにあるポン・ドゥ・シャトーPont-du-Chateauの教会を髣髴とします。
こういうのとか、真っ白漆喰ぬりぬりとか、フランス当初は結構色々精神的なダメージ(笑)を受けたものですが、慣れてくると、あまり驚かなくなるし、愕然もないし、すぐに隠されているお宝を探すモードになります。やはり時間と経験は偉大です!
ここは柱頭です。面白いですよ。

すっきり系の二股人魚さん。お顔が、両性具有のクールな様子で、全体淡々とした人魚です。
後陣の柱にも、小さい二股さんがいらっしゃいますが、こちらはもうちょっといやいや感があって、幼い方風です。勝手なこと言ってますが、いやいや感というのは、まだ、自分の役割とか立ち位置に納得してない風、みたいな感じです。

後陣にある柱頭は、結構傷みが激しいのが残念です。
善き羊飼い。いや、羊?馬を背負ってますか?

この羊飼いも、下のケンタウロスさんも、どうやらかつては目に石が入っていたんですね。今でも目ぢからを感じます。

この、三分刈りのケンタさん、どうしても聖お兄さんの大天使ウリエルに見えちゃって、ププッ。
こちらはアトラスかしらん。すっごくきれいに修復されていて、美しい彫りです。

それにしても、足が、猿状態になって、地べたをつかんでいますね、ぎゅって。ちょっと不思議。上場も、何とも独特です。右側の角にいる人も、困った顔に薄い微笑みを浮かべているような、アルカイックな微笑みみたいな。

全体にオリエンタル風味が感じられるような気もします。
足指つながりじゃないですが、その表現がそっくりな奴ら。

おさる、こうやって並んで座っているモチーフって、珍しいような気がします。こういう形だと、どうしても、角っこにそれぞれ配置したくなりますよね、石工さん。同じ方向に並べた理由は何だったんだろう。っていうか、なぜ主に、角っこに配置したんだろう。

後陣部分。石色だったら、もっと古色蒼然の美しさがあると思いますが、白いことで、明るいです。
フレスコ画は、結構古いものに見えるんですが、残念ながら、お顔がないことで、よくわかりませんでした。
顔の部分は、意図的な損傷を受けているようですが、その割には、柱頭などの保存状態は良かったのですね。ありがたいことです。

そして、今回入場することができて、嬉しかったです。やはり一回の訪問で、すべてを見学するなど、不可能なのだとしみじみ思います。

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- 2020/02/23(日) 22:05:28|
- オーベルニュ 03-63-15-43
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2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ、+サントル)の旅その71
長旅も、そろそろ佳境です。友人宅を辞して、あとは、最後のひと頑張りしながら、空港に向かう、という段取りになりました。
まずは、過去に、何らかの理由で、訪ねることがかなわなかった教会のいくつかを、再訪することとしました。
まずは、悔しかった記憶も新しい、こちらです。

シャリアChauriatの、サン・ジュリアン修道院付属教会Prieure Saint-Julien。
2016年の夏に訪ねましたが、市庁舎にカギを借りる必要がありそうだとわかっていたのに昼休みに到着して、案の定、扉が閉ざされていたという結末だったのです。その上大雨で、夏とは思えない寒さで、かなり情けない気持ちでした。その記事は、以下となります。
シャリアの過去記事この村、いわゆる旧市街はおにぎりのように小さいもので、今ではその周囲に新市街が広がっているのですが、以前は、当たり前のように、新市街の住宅地に入り込んで、駐車場を探したものです。今回は、なぜか当たり前のように、市壁の中に入り込んで、教会から徒歩15秒、みたいな小さな駐車場を利用しました。
イタリアだと、こういった小さな村は、部外者侵入禁止となっていることがほとんどなので、自動的に入れないと思い込んだのでしょうね。フランス、車に関しては、イタリアに比べるとかなり寛容です。
さて、そんなわけで、いざ。

あ、なんかきれい。
しかし、ここまで彩色が施されているということは、おそらくオリジナルでは、柱頭もバリバリ塗りたくられていたのではないか、と想像します。
でも、今は、柱頭部分は、石色になっています。

ま、こういうのもありましたけど、驚きはしませんよね。

聖書エピソードとそれ以外、いろいろなタイプの彫り物があります。複数の石工さん、それも、タイプも技術も異なる方々の作品が、入り混じっている様子で、ばらばら感が、不思議な感じ。上にある植物系モチーフは、うにゅっとした、比較的古い時代のデザインかと感じられるタイプが多かったと思います。シンプルで、大型で、確かに彩色しやすそうなタイプ。

割と好みです、こういうデザイン的なタイプ。手が込んだ、オーソドックスで繊細な彫りのアーカンサスよりも、ずっと好き。
それから、ちゃんと聖書系。

真面目な彫りですが、デフォルメ的なサイズ感とか、昔っぽくてかわいいやつ。
しかし、この柱頭はすごいです。改めて細部を見ると、細かくてびっくり。

魚までしっかり彫られています。
使徒たちの顔は、他でも共通する、古いタイプのお顔の彫り方と思うんですが、キリストだけ、なんていうのかな、そこらのおっさん的な表情に感じられて、アップにすると、下世話感が…、笑。
いずれにしても、非情に時間をかけて、しっかりと四面彫りつくした立派な柱頭です。

こちらも聖書系、ということになるのかな。

舌を抜いているようにしか見えないんですが、舌にしては、長すぎますよね、笑。それに、引っ張ってるのは天使だし。なんだろう?戦う大天使ミカエルの悪魔退治かなぁ。
これは、下世話なキリストを彫った人とは違いますよね。
天使と言えば、他にも四角四面そうなやつがいました。

名前かなんかが書かれた帯状のものを持っているんですが、融通聞かなそうな人ですよね。同じ天使でも、これまた石工さん、違いそうでしょ。
そいから、驚きの柱頭も。

これを謎と言わず、何を謎と、という感じでしょ。頭抱えちゃっている図は、他でも見たことがあるように思うのですが、どういう意味かは全く記憶なし。
しかし左にある横になっている人は、完全に意味不明です。

これは、見たことないタイプ。断言できます!
何ですかねぇ。右手で、何か包み込んで、頭の下に置いています。左手は、置く場所に困った感じで、笑、自分の身体を抱えていますね。
では、何を包み込んでいるかというと。

あごですね?他人のあごを、ぎゅううって。すごい伸びていることになってますよね、あごというか、口?
「見ざる言わざる聞かざる」的な表現なのかもね~。それにしても、すっごいよ、このあごつかみは。
ということで、3年越しにリベンジできて、本当に嬉しかったです。外観は、かなり素敵なオーベルニュ・スタイルなので、興味のある方は、過去記事の方で、ご高覧願いますね~。
大満足して車に戻ると、かわいいやつがお出迎え。

と思いきや、何やらガンつけられてました。よそ者が、こんなところに駐車するんじゃね~よ、的な威嚇?
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- 2020/02/23(日) 21:18:48|
- オーベルニュ 03-63-15-43
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2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ、+サントル)の旅その70
初めてのリムーザン地方、結構距離のあるアリエ地域からの日帰りだったので、あまり時間の余裕がなかったのですが、ビオレの後、もう一つ訪ねました。

山の斜面にへばりついているような村、モンフェルミーMontfermyの、山との境みたいな、村で一番高い場所にあるサン・レジェ教会Eglise Saint-Legerです。

こんな、すさまじいほどの緑の中を走って、たどり着くような村です。なかなかのロケーションですよね。
もうね、オーベルニュとの州境にも近いので、歴史的な位置としては、ほとんどオーベルニュなんだと思います。やっぱり、ほら、鉋屑だし。

中は、一身廊で、シンプルな様子です。

かなりきれいにされちゃっているし、後陣のフレスコは新しいものなので、先に見た二つの教会のような驚きはありません。

しっかしとした彫りのオーソドックスな柱頭。

見慣れた感じの、こなれたモチーフの柱頭。

ビオレが強烈すぎて、ここではふーん、で終わってしまいますね、笑。
あの後に訪ねられた教会は、本来の実力というか、魅力を発揮できないはず。ビオレは、一日駆けずり回って疲れて、もう打ち止めにしないと、とかいう状態で、よろよろ訪ねるのがベストな教会ではないか、と今、振り返って、感じますね~。
最後の最後に、「呼ばれちゃった~」みたいな気持ちになって、一日の充実感が百倍くらいになりそうです。今後いかれる方は、どうぞ、そのような企画で、笑。
さてこの教会は、実はちょっと離れて、見なければいけません。
後陣側に回って、その先に延びている山道に入り込む必要があります。

二つの民家の間の道を行きます。
いきなり山の中に迷い込んだみたい。

教会からすぐの場所なんですが、田舎の田舎ぶりってすごいですよね。一人だったら、ちょっとためらっちゃうような山道。それも、結構な登りです。
5分程度のことだったと思いますが、結構はぁはぁして、ちょっと木々が途切れる高台に出ました。見たかったものは、これ。

木が茂りすぎて、辛うじて、の写真となってしまいました。三つ葉型の後陣を確認したかったのですが、石の上に乗り出して、何とか隙間を見つけて、やっと見られたのがこれでした。瓦が美しいオレンジなのもあり、よいたたずまいとなっています。昔から、こんなに明るいオレンジの瓦があったのでしょうかね。だとしたら、山道のこちらの方から村にアクセスする旅人には、とても目立つランドマークであったことでしょう。
この辺りは、トップの方に乗せた写真のように、緑深い土地となっています。グーグルで確認すると、この後陣側は、小高い山となっていて、道はそれをぐるりと取り巻くようにあるので、旅人は、何もない緑の小道をぐるりと歩いてきて、この地点で、この教会の姿を見て、安心したのかも。

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- 2020/02/22(土) 02:46:34|
- ペリゴール・リムーザン 23-87-19-24-46
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2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ、+サントル)の旅その69
次に訪ねたのは、前回のリュペルサから、東方面に40分ほどのドライブでたどり着く村です。ここは、本当にたまげました。

ビオレBiolletのサン・ピエール教会Eglise Saint-Pierre(教会脇に、トイレあり)。
教会のたたずまいとしては、結構外壁ぬりぬりだったり、さしたる魅力は感じない、大変地味なものなんですが、正面にある、これまた激地味な扉に立っただけで、どひゃあああ!という驚きでしたよ。

内部もぬりぬり感があるのですが、すぐに、柱頭に目が吸い寄せられて、そんな状態はどうでもよくなります。何あれ何あれ~!?と、いきなり興奮の極みに包まれること、必至です。

ほら、どうですか、これ!
特に初期、またはプレロマネスクあたりが好きな向きには、もう感涙の浮彫ではないでしょうか。このミステリアスな、そしてハイスペックなヘタウマぶり。

トスカーナのGropinaを髣髴としたり、はたまたアフリカあたりのプリミティブアートにも通じるような、何とも不思議な、得体のしれないものたちがひしめいています。

手、なんですかね。とってもフューチャーされているんです。他のフィギュアでも、手が、とにかくでかいです。

エニグマティックというのか、ミステリアスというのか。おそらく、いろいろな研究、解釈がされていることと思うのですが、ここまで突き抜けちゃうと、もう、見てて楽しいだけでいいじゃん、と思ってしまうタイプです。意味よりなにより、とにかくかわいいんだもん~!

これは、たとえプレロマネスクだとしても、主流で活躍した石工さんではありえないですよね。技術が稚拙だったり、道具のためもあるのでしょうけれど、ヘタウマ的な中にも思想が感じられるし、こういう縁取りなんかの手法を使ってみたりという多様性もあって、なんというのか、地域に生きた孤高の石工さんがいたのかしら、とか想像してしまいます。

こういうやつ見ると、デザイン的とも感じられます。すっきりした線で、すっきりと描きたいものを描いて、うさこちゃんのディック・ブルーノ的な、そういうスタイリッシュな。宗教的な意味って、あまり感じられないのですけれど、なんだろう、これ。本当にキリスト教の教会としての彫り物だったのだろうか、と思ってしまいます。
右の人とか、一応十字架持ってるし、そうは見えなくても、やはり何かエピソードを描いているんでしょうけれど。

聖書に詳しい方なら、何か、これはあれではないか、とわかったりするんでしょうか。サン・ピエトロの逸話とかまでは、ほとんど知りませんが、もしかしてそういうことなのかな。
すっごく長い割れ顎みたいに見えるのは、おひげなんでしょうかね。

オリジナルには、どうやら彩色があったらしいと思われる、植物モチーフの柱頭もありました。

不思議な人たちの方にも色がついていたら、なんかちょっと派手な、絵としてはわかりすぎるくらいにわかってしまうどぎつい感じになりそうですけど、さてどうだったんでしょうか。シンプルな彫りは、もしかすると、彩色前提?と思えないこともないですねえ。

全然調べる気がないので、勝手なことをほざいているのは、毎度のことですが、フランス語で検索すれば、結構情報は出てくると思います。でも、解読が大変なので、あえてやりません、笑。すいません。
でも、意味とか由来とか歴史とか、そんなものは置いといて、絶対見たい!と思わされる柱頭だと思います。これを見ただけでも、リムーザン地域、もっと探求してみたい、と思いますもん。実は、それほど数はなさそうですけれど。

割と新しくなっている全体像ですが、ちょっとオーベルニュ・スタイルも入っているような雰囲気です。
さて、このときは、お弁当持参だったので、この教会前にあったベンチで、ゆったりとランチをいただきました。友人が作ってくれたのは、鳥そぼろ弁当。

すっごい田舎のはずだから、きっとレストランなんか見つからない、という危機感で、お弁当持参だったのですが、そういうときに限って、道沿いに結構レストラン、ありました、笑。でも、こういう場所で、何も気にせず、日本飯をガシガシ、というのは幸せです。孤独のグルメの五郎さん的に、本気でワシワシとかき込みました。お米っておいしい。
ちなみに教会は村の真ん中にあるので、村にたどり着きさえすれば、迷うことはありません。

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- 2020/02/22(土) 02:08:00|
- ペリゴール・リムーザン 23-87-19-24-46
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2018年8月、フランス中部(ブルゴーニュ、オーベルニュ、+サントル)の旅その68
前回の記事から、ずいぶんと間があいてしまって、ちょっとどうしていいのやら、という気持ちでいます。でも、記憶を探りながら、何とか再開していきたいと思います。
本当は、この2018年の旅、昨年内に終える予定でいたのですが、なかなか思うようにはいかず…。それでも、一応、切れ目は付けといたようです。
今回からしばらくは、初めての地域となるんです。
フランスは、結構州の統合改変が激しくて、在住の方によれば、ロマネスクをやっている人たちは、日本人であろうが、フランス人よりも、昔の区分けに詳しくて驚かれるということです。なぜかというと、ロマネスク、特にフランス・ロマネスクのバイブルともいえるゾディアック叢書が、刊行当時の州に区分されて作られているからなんですね。今では、州の名前としては消滅したものもあるのですが、ロマネスク的な区分では、どうしてもその当時の区分が目安となるわけです。
今の区分けは、政治的なものですが、当時の区分けは、もっと歴史や文化に紐づいたものであったはずなので、正しい方向性だと思います。
というわけで、今では、非情に大きな地域をまとめて、Nouvelle-Aquitaineという州にくくられていますが、今回訪ねたのは、かつてで言えば、Limousinリムーザンという地域、さらにその小さな一角にある教会で、県の区分番号で言えば23のCreuse地域となります。

遠くに、世界遺産の山などを眺めながら、緑の美しいドライブです。でも、結構細い道の連続で、一人だったら、ちょっと不安になるような道もあります。

このときは、在フランスの友人と一緒だったので、ゆったりと安心して、後部座席でドライブを楽しめました。丘の合間に村が続くといった、ある意味とてもフランス的な土地なんだと思います。

そういう道を縫うようにして、たどり着いたのが、この、童話のようにかわいらしい村リュペルサLupersatのサントラドゥー教会Eglise St-Oradouxです。

実際、この村のたたずまい、と言っても、道沿いにお家がいくつか並んでいるだけ、というものですが、とっても愛らしくて、教会の姿よりも、そちらの方が強く記憶に残っているほどです。
さて、外側は、ちょっと今一つの教会ですが、中に入ると。

例によっての白塗り状態で、一瞬ぎょっとしますけれど、心配することなかれ。面白い柱頭がたくさんあります。

惜しむらくは、あまりのすごさに興奮したせいか、多くの写真がピンボケだったことです、涙…。しばらくアワアワした後で、落ち着いて、撮影できたらしいです。毎度のことながら、自分の情けないほどのあせあせアワアワぶり、あきれますし、写真が如実にそういう状態を表しているので、自ら笑っちゃいますよ。

植物と頭のセットが結構あり、うにょうにょっとした彫りです。
それから、人のフィギュアのタイプもあります。

これなどは、未完の彫りにも見えますね。つい、ミケランジェロの最後のピエタなどを想像するようなありさまというか。建物の中の柱頭ですから、溶けるように劣化することはありえないわけで、やはり未完かな。のはずないよね。

これもね、特に右の人はどすこい的ポーズなんですが、アトラスですかね?それにしても、妙に余白がありますよね。普通だと、余白にも渦巻き入れてみたり、もうちょっと余白がなくなるように彫るように思うのですが…。
こちらはまた、手が違うような。

性器思いっきり誇示型。唐突ですよねぇ。無表情で、でもポーズにはやけに動きがあるアンバランスも、不思議。

こちらは、コルシニャーノのアーキトレーブを髣髴とさせるモチーフ!ツチノコ状の蛇に、両耳かまれていますね。コルシニャーノ(イタリア、トスカーナ)の項、参照してほしいです。意味も同じなんですかね。
これもすごいです。

余白、ツルツルに磨かれているから、確信犯的に残しているんでしょうけれど、やっぱり不思議。
その一方で、蔓的な植物モチーフなら、余白というより、すっきりしていてそれでありなのに、そこには、無理やり顔を突っ込んだりしてるんですよね~。

なんか、全体に絶対変でしょ、ここやった石工さん、複数だと思うけど、みんな変、笑。

これは、さっきの男性器の人と対になるのかな。こういうのも、他とのバランスで言うと、やはりモチーフ的には唐突感否めないです。

お祈りしながら、ふと見上げて、こういう変なものが目に入ってきたら、なんか不思議な気持ちにならなかったですかね。こういう柱頭を、当時の人々はどうとらえていたんでしょうか。しみじみと思いをいたしてしまいます。

撮影したすべてを掲載したいくらいですが、きりがないので…。
外のやつらも、ちょこっと。

外にも、変な奴ら満載ですよ。楽しいですねぇ。

美しい村のたたずまいとともに、忘れがたい教会。写真を見ていたら、もう一度行ってみたくなりました。

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- 2020/02/17(月) 02:32:06|
- ペリゴール・リムーザン 23-87-19-24-46
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2020年一時帰国の報告おしまい
ま、こんな一時帰国でありました。
母のことで、一昨年から昨年は、なんとなく落ち着かない滞在が続きましたので、久しぶりに、本当の休暇、という感じで、のんびりと過ごすことができてなによりでした。
そういうこともあるのか、今回は、時差ボケもほとんどなく、インフルエンザとぎっくり腰直後の割には、体調は良かったのです。こんなに連続で、それも結構な量のお酒を飲んだのは久しぶりだったと思います。

というのも、滞在の半分は姉の家に寄せてもらったせい…。毎晩、ビールやサワー系から始まって、日本酒やワイン、最後はグラッパという激しいちゃんぽん…。

でも、体調がいいし、お酒もいいし、ちゃんと食べるし、二日酔いはなし。よいお酒でした。

一年ぶりに会う友人、もっと久しぶりにある友人との外ご飯も、充実しました。
本場のカレーだったり、タイ料理やベトナム料理など、東京では本当に様々な食があふれていて、そして、ランチだとお安くて、びっくりしてしまいます。
これは、下北沢のカレー。最近、下北沢には、カレー屋さんがすごくあるみたいです。

こっちは錦糸町のベトナム料理だったかなぁ。チョイと重かった、これは。

東京駅を見ながらの船盛。ぜいたく~!

今回特筆すべきは、約30年ぶりという古い友人との再会。
友人、というのもはばかられると言うか、私がイタリア滞在を始めて間もなくの1992年ではなかったかと思うのですが、私の唯一のアメリカ訪問のとき、マンハッタンの道端で知り合った人なんです。
何を食べてもいまいちだなぁ、という滞在中、チャイナタウンのはずれの道端で、肉まんの屋台を見つけたんです。ホカホカの湯気に吸い寄せられるようにして、よだれをたらさんばかりにして、蒸し上がりを待っていたら、そこにいたのが、ニューヨーク在住の彼女でした。
何とはなしに話だして、どうやら住所の交換とかしたのでしょうねぇ。よくは覚えてないんですが、当時は、ネットもスマホもない時代なんですからねぇ。
で、私同様に、彼女も筆まめだったというわけで、細々と文通でつながっていたのです。
私もミラノ市内で、結構引っ越しをしたし、彼女はその後すぐ日本に帰国したりと変化があったのですが、それでも続いて、いつか会おうね、と言いながら、なんとなく機会ないまま、今日まで来たんです。で、とうとうお会いすることができました。
お互い顔もわからないだろうから、洋服で探してもらうことにしてもらって、ふふ、なんか昔の文通の時代の出会いみたいで、すごくドキドキしました。
でも、なんでしょうね。ここまで続いた縁は侮れないっていうんでしょうか。ほとんど他人、限りなく他人に近いような間柄なのに、会ってすぐ、意気投合というんですかね、違和感ゼロ。まるで長年付き合ってきた友達で、つい最近もあったばかり、というようなそういう空気感で、普通におしゃべりが始まって、すごくびっくりしました。
そういうことってあるんですね。っていうか、そういうのが縁なのかな、としみじみ思いました。
長く生きていれば、終わってしまう関係もあるけれど、同時に、新しい関係や、温故知新的な関係との再会もあって、やっぱり人生は面白い。
とはいえ、これは手紙という関係だったから、こうなったのではないか、とも思ったりします。今はつながるのが簡単な時代ですが、それだからこそ、続けるのが難しいところもあるような気もするのです。

まだまだこれからも、人でも土地でも、思いがけない出会いがあるんだろうな、と気持ちも新たに、また一年。
お時間をくださった皆様、ありがとうございました。
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- 2020/02/16(日) 02:40:25|
- 日本徒然
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2020年一時帰国の報告4
銚子の帰りに、何度もかすりながら、一度も訪ねたことのない土地に立ち寄ることにしました。

成田山新勝寺です。
節分のちょっと前、平日ですから、かなりすいていましたが、立派なお寺さんですね~!よく、ニュースで、豆まきの光景を見ますが、なるほど、この広々とした境内があるからこそ、あれだけの人出を収容できるのだな、とわかりました。
銚子の方から入って、駐車場を探してうろうろして、JR駅近くの公共駐車場へ。お寺至近にも、狭い駐車場がいくつもあるのですが、公共の駐車場は、料金が破格に安くてびっくりでした。
それにしても、これだけ立派で有名なお寺ですから、多少遠くても、広々とした駐車場があると思い込んでいましたが、日本ってやはり車社会じゃないんですね?
駅だと結構歩くのかと思っていましたが、駅前から参道が始まるくらいの感じで、楽しい商店街が続いていて、至近距離の駐車場に停めるより、よかったみたいです。
お寺に近づくほどに、参道の両脇の家並みも、再建も含めて美しくて、楽しい散歩です。

今はウナギ屋さんとなっているこの由緒正しそうな建物、かつては旅籠だったようですね。

往時の面影そのままで、うっとりのたたずまい。
上に突き出ているのは、火の見やぐらでしょうか。とすると、本元は商店だったのかもしれませんね。微妙にゆがみが見えるガラス窓にぐっと来ます。
蔵造りの頑丈そうな薬屋さん。

クスリは、今でも高価なものですが、往時はさらに高価だったのではないでしょうか。西洋の建造物の歴史に比べると、日本の建造物については、知識がないんですけれど、それで、こういった蔵造りのお店なのかなぁ、とか思ったりしましたが、どうなんでしょうか。

雰囲気のある造り酒屋さんもありました。今でもここで醸造しているらしいですよ。店頭で、スパークリングのお酒などを試飲販売していましたので、すかさずいただきました!

で、こちらを求めまして、夕食でいただきました。おいしかったです。
千葉って、あまり有名じゃないですが、結構日本酒作っているのですね。銚子でいただいた純米酒も、なかなかよかったですよ。
おっと、脱線しましたが、こんな楽しい参道をそぞろ歩きして、新勝寺につきます。トップの山門からは、結構急な階段を登ります。すると、古そうな山門がもう一つ。

この山門から、さらに登ります。同じ山門を、上の方から見ると、こんな感じ。

すごい結界張ってる感じですよね。
今は、足の不自由な方のために、どこかにエレベーターなどがあるのかしら?足腰が悪くなったら、参詣もできなくなってしまいますね。

で、天辺に着くと、立派な本堂です。中で、ミサ、ではなくて、なんというのでしょうか?お祈りの時間で、ここは誰でも入れるようでした。荘厳な様子でちょっと興味はあったのですが、靴を脱いだりなんだり面倒で、入るのはやめました。
でも、誰にでも開放しているのって、なんだかいいですね。お寺って、ちょっと閉鎖的なとこ、ありますよね、教会と違って。っていうか、お金を払わないと、何にも参加できないみたいな…。本堂って、普段は閉まっていますしね。
まぁ、経営は楽ではないのだと思います。成田山は、きっと商売がうまいんですね。
境内は、本当に広くて、がらんとしているんですが、その中に唐突に、こんな立派な塔が。

極彩色、中国的な塔です。18世紀当たりの、新しいものでしたが、彫り物、素晴らしいものでした。

色が派手なので、惑わされますが、私の愛するロマネスクだって、オリジナルはかなり派手な彩色がされていたわけで、金のあるところ、派手になっていくのが当たり前。
これも、あと200年くらいたって、彩色が剥げたりしてくると、いい味になるのかもしれませんよ。
そんなわけで、これまで何十回も、ただ通過してきた成田ですが、初めてお近づきになれて、嬉しく思います。
お寺の裏手には、庭になっているようだったので、今度はお天気の良い時に、是非そちらの方まで訪ねてみたいものです。
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- 2020/02/16(日) 01:47:29|
- 日本徒然
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2020年一時帰国の報告3
先にも言及しましたが、今回の一時帰国は、ぎっくり腰直後だったので、いつも以上に温泉を楽しみにしておりました。
姉の家から近い船橋法典、そして、弟の家から近い仙川などで、気軽に楽しめる日帰り温泉にも行ったのですが、久しぶりに、泊まりでも行ってきたんですよ~。
母が身罷って直後だった昨年は、なんだかちょっとバタバタしていたし、今回は、久しぶりにリラックスできる一時帰国だったし、ちょうどよいタイミングでの温泉旅行でした。考えると、一泊で、あれもこれも、という旅行スタイルって、すごく日本的で、これはこれですっごくいい気分転換になるなぁ、としみじみ思いました。

行き先は、銚子です。
箱根方面とか考えたのですが、天候不順で、運転が大変になる危険を避けて、房総半島にしたんです。
まずは、犬吠埼の漁師飯でランチです。
なんか、ドカンドカンで、すごかったです。

外川にある「いたこ丸」というお店です。その日に取れたお魚がメニューになっているので、人気のお皿はどんどん売り切れになっていく感じでした。11時半くらいに着いたと思うのですが、すでに最後の席でびっくりです。人気店です。
上の写真は、私が頼んだいたこ丸定食(並)、1300円。お刺身四種に、マグロ串フライ。この日のお刺身は、生マグロ、メカジキ、サワラ、マダコでした。わざわざ生、と書くということは、冷凍ものじゃない、ということなんでしょうね。房総でマグロ取れるの?と疑問でしたが、取ってるみたいです。
きょうだいは、いたこ丸定食(上)、1700円で、それぞれ、お刺身とイワシ煮、そして、お刺身とヒラメてんぷら。ヒラメてんぷらとのセットは、あっという間に売り切れになっていました。

量が半端なし。イワシが安いのはわかりますが、何もここまでたくさん盛らなくても、というボリュームです。

お刺身がおいしいのは勿論ですが、揚げ物が、てんぷらもフライも、なんだかびっくりするくらいサクサクで、おなかに優しい揚げ物でした。
お水やお茶はセルフサービスで、「孤独のグルメ」のロケ地になりそうなたたずまいです、笑。
お店の目の前が漁港です。

この辺りには船宿や漁師さんのお家が並んでいる様子でした。観光地感、ほとんどなしです。
でも、実は素敵なたたずまいの町なんですよ、この外川って。

港から、結構な急坂を登ってきて、海を振り返ったところ。ひなびた、昔ながらの家並みが、何ともしっとりとよい感じです。
極め付きは、こちら。

銚子電鉄の外川駅です。
昔ながらのたたずまいをそのままに、今でも単線で、電車が運行していますよ。古い住宅地を縫うように走る姿、とってもかわいいです。
こんなに観光地感がないのに、駅のトイレはウォシュレット付きの清潔なもので、びっくりしました。

しかしですね。外から撮影した写真に写っている大型の車。邪魔ですよねぇ。
なんか、「映え」のためなのか知りませんが、ひたすら連れの女性の写真を撮影する人がおりまして、それはそれはうっとうしかったですねぇ。大体、素晴らしい外観を壊す場所に、こんな無粋な車を置かなくても、もっと隅っこにおけるのに…。ひなびたホームでも、延々と場所を変え、角度を変え、何百枚レベルで、撮影していたと思います。プロの撮影会ならわかりますけどねぇ、ただの普通の人たち…。他人事ながら恥ずかしかった…。
何なんですかねぇ。おばさんには理解できない行動です。

柱の陰に映ってますけどね。他の人がいる時くらい、ちょっと恥じらえよ、と思ってしまいますなぁ、笑。
さて、ランチを食べたら、あとはホテルに行って、夕飯に備えるだけですが、あまり早く行ってもチェックインできないので、ちょっとぶらりとすることに。
で、小雨もぱらついてきましたが、めげずに、「地球の丸く見える丘展望館」のある公園に行ってみました。

展望館には入りませんでしたが、丸い水平線は、見ることができました。空が広いです。
写真にあるのは、日本とフィリピンの友好の碑、みたいなやつです。海の向こうに、フィリピンがあるんですね~。
観光地というか、歴史的な資産というか、この展望台からも目視できる屛風ヶ浦にも行ってみました。

タモリさんとかが大好きそうな場所で、一応、遊歩道の整備などはされているんですが、店も何もなくて、おいおい、千葉よ、少しは観光も考えようよ、と嘆きました。だって、すごくきれいな公園に整備していて、ちゃんと機能する清潔なトイレまでは作って、そして、大学があったりするのに、そして、サーファーとかが結構来るらしいのに、あるのは、広大な駐車場と自販機が2台くらい。カフェの一つもあってもいいんじゃないのか?
屛風ヶ浦の遊歩道をぶらぶらしていたら、俄かにすさまじい爆音がしました。
なんだなんだ?と海の方を見ると、グワーッとすごい勢いで、現れたのが…。

水上バイクとかいうんですかね?そりゃすごい迫力でした。
最初3台くらいだったのが、あっという間に10台以上となり、爆音もすごいし、同じ軌道を走り出したら、カーブの技術など、バイクと同じで、見ていて面白くて、屛風ヶ浦を背中に、かなりの時間、見学してしまいましたよ。私、モトGPというバイクのレースが大好きなもので、同じ匂いを感じました!
しかしこんなスポーツ知らなかった~。どうやら、そういうチームの練習時間だったようです。おそらく、彼らが全部の入り江を使える日や時間は決まっているんでしょうね。きちんとコースにブイが浮かべられていて、それで練習していたようです。
犬吠埼の灯台にも行きました。

すごく昔に来たような気がしていましたが、銚子までは来たけど、おそらくここは来てない。というのも、ここまではやはり車がないと難しそうなので。
この灯台脇には、お土産屋さんなどがしっかり並んでいて、きょうだいは結構買ってたかも。日本人、そういえばお土産好きだった、笑。
その後、夜に部屋飲みするためのお酒などを探してうろうろしていたら、結構いい時間になってしまったので、慌ててホテルへ。

地味な写真ですが、お部屋から海が広がる素晴らしいロケーションのホテルなんです。犬吠埼観光ホテルって、かなり古くて、今どきあまり流行らないスタイルのホテルかもしれないんですけれど、お部屋は広いし、海は目の前だし、そして、温泉も、この素晴らしい海を直に見ながら入れる露店があるんですよ。
1月後半の平日ですから、ガラガラで、お風呂も貸し切り状態で、本当にじっくりのんびりとつかれました。露店はいいですよねぇ。特に、私は眼鏡人間なんで、露天だと曇らないのも好きです、笑。
夜も波の音を聞きながら、という夢のようなお部屋で、古かろうが何だろうが、本当にお勧めのホテルだと思います。スタッフも、すっごく感じいいし。
本当は、食事もお勧めらしいのですが、割と食べ歩いたりしているきょうだいは、旅館飯よりは、勝手に食べる飯の方がいい、ということで、外で食べました。

「一山いけす」といういけす料理店(銚子市黒生町7387-5)。
店の真ん中に大きないけすがあって、この日は、大きなイカが悠々と泳いでいました。子供と一緒に、口を開けて見入ってしまいましたよ。水族館状態、笑。

食べる前も、食べた後も温泉に入って、地元の四合瓶をゆっくりと開けてから眠り、さて朝はまた、温泉に入って、幸せを感じました。
朝ごはんも、外食べです。
トップに乗せた写真が、まさに、朝、漁港に戻ってきた漁船の水揚げの図だったんですが、その光景を見ながら、港にあるお食事処「うおっせ」で、ブランチ的な朝ごはんです。
暖かいものがいただきたかったので、大好きなアジフライ。思わず、一口かんじゃってますが。

奥の方にあるのは、やはり魚の浜汁。
面白かったのは、背黒イワシの刺身を頼んだら、今朝はまだとどいてないんですよ~、ということで、一旦断られたのですが、その後、今、届きましたんで、お出ししますね、と。まさに、目の前の漁港で水揚げされたばっかり、ということなんだと思います。すごいですよねぇ。

ブランチの後、東京方向に戻りますが、港沿いの道を走るのは、水揚げされたばかりの魚を積んだトラックです。「垂れ流し走行禁止」という看板がありましたが、水は巻き散らかすわ、道端に点々と魚が落ちてるわ、完全に禁止、守られていませんでした、笑。
それにしても、銚子の観光地度の低さには、驚いた~!
だからいい、という人もいると思いますが、もったいないような気もしました。いずれにしても、再訪したい温泉です。
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- 2020/02/15(土) 02:18:18|
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2020年一時帰国の報告2
都心散歩、と言っても、昔で言う都心、とでもいいますか、欧州的に言うなら、旧市街とでも言いますか。
今回は、滞在の半分以上、墨田に住む姉の家に滞在したので、下町散歩を楽しみにしていました。最近、よく歩いているので、距離感がわかりやすくなりました。で、地図を調べると、姉の自宅からは、浅草までも、十分徒歩圏内なのがわかり、これは散歩だ!となったわけです。
まずはスカイツリー。

姉の家から見えるので、毎日飽かずに眺めてしまいました。600メートル以上もあるので、天候不良の時は、こんなに近いのに、まったく見えなかったり、半分しか見えなかったり。

まだ、建設途上の頃に、近くに行ったことあるけれど、完成してから近寄ったのは、初めて。よくこんな場所に、こんなものを建てたよな、それも東武…。いやはや。

眺め的には、こっちの方が絵になる。

あ、違った。これは相変わらず建材のう〇こビル、笑。ランドマークとしては見事なり。

浅草側から川を挟んだこの辺りが、フォトジェニックなポイントですね。外国からの観光客の方も、たくさん映え撮影にいそしんでいました。
墨田側は、なんとなく、田舎臭い住宅地が続く感じ。あ、こういうのも見た。

ちょっとレトロな感じもあって、かっこいい!墨田での唯一のオリンピックゲームは、ボクシングなんだそうです。国技館で、立つんだジョー!このポスター作った人、センスある~。
で、橋を渡ると、もうすぐ超観光地となります。浅草寺、すぐだしね。

すごい賑わいだったけど、平日の昼間なんで、待つこともなくお参りはできました。それでも、参道はぎっしり。長年暮らしている姉によれば、やはりこの数年の混雑ぶりはすごいそうです。いわゆるオーバーツーリズムは、もはや世界減少なんだね。
以前は、普通にふらりと立ち寄れた飲食店も、今や予約なしでは無理、と言ったことも増えたそうで、それは、暮らす側からは、嬉しくないことですよね。
商業都市だったミラノですら、今は通年観光客が増えて、夏にクローズするホテルもなくなって(ミラノは、ビジネス都市なので、ビジネスユースのホテルは、8月の一か月とか閉まっていたんです)、よい部分もあるけれど、なんだかな~、というのはあります。
地元っ子の姉に連れられて、近所のお店を見たりしながら、ホッピー通りへ。写真撮り忘れたけど、ここは、ホッピーを飲ませるオープンエアのお店が、ずらりと並んだ通り。
オープンエアと言っても、冬は、ちゃんとビニールハウス状態になっているから、寒くないですが、なんか壮観。そして、自分たちを棚に上げて言うのもなんだけど、平日の昼間にめちゃくちゃ盛り上がっている女子会とかあって、皆さんに、あなたは何をしている人なのか、尋ねたくなるような様子でした、笑。

どれもおいしかったし、昼のみすると、バカンス感が強く感じられて、じんわりと幸せになります。
その後、今回お初となる合羽橋へ。

プロ向きの店も、見てるだけで楽しいし、ここは実に面白いですね。馬毛の歯ブラシとか、珍しいので、つい買っちゃったぜ。お箸も、自分好みの細いタイプが結構あって、次回買うならここだ!と思いました。
あとは、合羽橋と言えば、やはりこれでしょう。

食品サンプル。
この特大チャーハン、でかさもすごいけど、「予約済」というのがすごい。
驚いたのはね、高いんですわ、これ。

蕎麦が5000円とか、なんかね、信じがたいお値段。ってことは、何種類も並べているレストランの、あのサンプル総額って、とんでもないお値段ってことなんじゃないか、とびっくりです。でもまぁ、一生もんだから、仕方ないんでしょうけれど、サンプル並べるだけで、数万円。飲食業も大変ですな。
とはいえ、やはりこれは便利ですよねぇ。言葉がわからない旅行者は本当に助かると思います。
浅草寺よりも、もっとずっと近い亀戸天神にも行きました。

カメは冬眠中でしたが、鯉が入れ食い状態で、怖いくらいでした。藤の季節に来てみたいものだなぁ。この棚、全部藤です。端っこの方には、梅もたくさんありました。天神だから、菅原道真ゆかりということで、そりゃ梅もありますわねぇ。

訪ねた日に、鷽替神事の幟が出ていて、結構人でも多かったんで、あら、鷽替えって聞いたことある!とお祭りを期待して嬉しくなったんですが、すっごく地味な神事でした、笑。

おそらく、古いウソを奉納して、新しいウソを求める、というだけで、なんか粛々とウソを買う人たちだけがいる神事でした。一応お神楽も出ていましたけれど。

立派な神楽堂で、細部の彫り物とか検分するのは、楽しかったですよ。そして、教会巡りにならって、隅々まで見ないと気のすまない私は、神楽堂の裏に入り込み、塩で覆われたお犬様を発見。

何でも、痛いところに塩をすり込むと、ご利益があるということでした。頭と腰、一杯いっぱいですね。
脚が痛いから、とお堂の中に潜り込んで脚に塩をすり込んでいたおばちゃんが、出る時に転びそうになったんで、ひやひやしました。転んでたら、ご利益どころか…。
裏の方には、こんな倉庫も。

こういうのは、さすが下町。実はお神輿蔵。
町を歩いていると、必ず、商店街とかに、神輿蔵があるんですよね~。ちょっと感心しちゃったな。町によって、神輿担ぎの流儀も違うんだそうですよ。趣味でプロ担ぎやっている人もいて、神輿直前に流儀を習うとか。なんか、いいねぇ。
歩いていると、すごく昭和な街並みとかあちこちにあって、下町散歩は、実に楽しいです。

お、いいねぇ、なんて惹かれて行ってみると、奥にお寺があったりとか、そういうところ。浅草寺や亀戸天神などの立派な寺社に加えて、町角のお稲荷さんとか、様々な寺社があって、どれも、頑張って経営していて、日本人の宗教観って、実に独特だと改めて思うのでした。

これは、亀戸の香取神社だったと思うけど、亀戸大根の碑。なんかすごいよね~。
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- 2020/02/09(日) 20:29:07|
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