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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

レビ記とか、調べたりはしたんですが(ラノブル、その2―15カンタル)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その73

なんと、すでに廃止になったと思い込んでいた夏時間、今年はまだありまして、本日より夏時間。それとは関係なく、昨夜は、友人と深夜まで長電話してしまい、本日の起床は12時ということで、身体のバイオリズムが不明ですが、例年のごとく、しばらくは時差ボケで、朝の辛い日が続くことと思います。
とはいっても、幸い在宅のため、通常よりはずいぶん楽だろうと思いますけれどね。
しかし!次の週末はもうイースターで、変異種のおかげで、当地イタリアでは、また感染者死亡者とも増えてきていて、ほぼ一年前のデジャヴ状態。ワクチンの効果は全く見えないし、本当にどうなっていくのでしょうか。

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ラノブルLanobreのサン・ジャック・ル・マジュール教会Eglise Saint-Jacques-le-Majeur、続きです。

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今回は内部を見学です。カンタルっぽい石積みで、雰囲気ありますね。後陣に近付いてみます。

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遠目には、さらりとすっきりとした印象ですが、ここへ来ると、彫り物がかなりあることがわかります。実際、かなりあります。でも暗いので、なかなか写真の質は今一つなのが残念です。
今回は、書籍もないし、ネットでちょっと徘徊したものの、良いサイトも見当たらないので、自分の撮影した写真とを淡々と紹介していきますね。一度解説を読んだりすると、結構面白いので、調べたくもなってくるもんですね、面倒なんですが、笑。

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構造は、三身廊ですが、例によって、側廊は、この狭さ。といっても、これだけあれば、普通の人は通れるから、規模がさほど大きくない教会としては、十分な幅ということになりますかね。
このあたりの柱頭はのっぺらぼう。おそらく、もともとは何かしらの彫りがあったのではないかと想像します。

装飾的なアイテムがたくさんある教会では、フランスは比較的親切に説明版が置かれていることも多いのですが、ここは、珍しく何も置かれていませんでした。まぁ、勝手に楽しめばいいんですけどね。

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かわいいですよ。ライオンなのかどうか、かわいすぎて、ライオン的な意味が持たせられませんね。
それにしても、暗さがわかりますでしょ。いつもは撮影にフラッシュは使いませんが、ここでは何度か使用せざるを得ませんでした。でもフラッシュで撮影した写真は、変に白っぽくなってしまって、イメージが変わってしまうんですよね。
本来は、こういう明度で見られていたものですから、ご容赦ということで。

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これ、すごく楽しそうでいいですね。牛に見えるんですが、何の動物だろう。右前足で、何か踏んづけて、全身で踊っている感じするんですけど。右上の方にある組紐的な文様も相まって、ロマネスク初期的な感じします。

この教会、サン・ジャック、つまりヤコブに捧げられているということは、巡礼路に当たるということなんでしょうか。だとすると、通過する巡礼や、聖職者も多かったでしょうから、それで、比較的普及しているモチーフが多く使われているということもあるのかもしれないですね。いや、そうはいっても、私判断できないわけではありますが。

浮かれて踊ってる子の向こう側の角には、シリアスな様子の人がいます。

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くちばしで胸をつついて、自己犠牲的な表現かしらん。
この鳥の背景の装飾的な彫りも、素敵です。

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これはお猿さんですね。誘惑とかそういう意味があるんでしたかね。
様子からお猿さんですが、ポカンと口を開けた様子は、全然ずる賢さとかいやらしさが漂ってこない、ヒト的なやつですね。なわを持っている人たちの方が、やばい人風です。

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それにしても、この壁との近さときたら。せっかくここまできっちり彫っているんだから、もう少し壁から離して置くことができなかったのか、と思ってしまいます。

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こちらは、なんか場面ですね、物語的なやつ。旧約聖書のなんかの場面とかじゃないかと思ったりするんですが、王様っぽいフィギュアいるし、でもわかりません。

これまた…。

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動物背負ってるから、良き羊飼いかと思いきや、背負ってるの、ロバとか牛とかそういうやつっぽいし、お隣にはやっぱりサルっぽいやついるし、なんだろう?
食材、いや、贖罪の羊?レビ記にあるらしいけど、私旧約聖書は持ってないんですよね。ネットで調べてみようっと。
それにしても、このすっきりとしたお顔の彫り方、なんかすごいな。

右側の方は、こんな感じになっています。

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なんかこん棒みたいのを持ってる角っこの人の鼻、もげちゃったのをつけなおしたんですかね。やけにでかくて違和感ありあり。こっちから見ると、ほとんどバッターボックスの人になっているのが、クスリと来ます。

本当にひどい写真で、すみませんが、これはわかりやすい。

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こけしみたいになっているのが特徴的な受胎告知。聖母、ほぼこけしスタイルですよね。

暗いし、意味わかりにくいし、と思っていると、いきなりこんなすごいのが。

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これは、あれですかね。ハリーポッターにも出てきたマンドラゴラでしたっけ、なんか大根みたいに地下にできる毒性のやつ。あれにしか見えないですけど…。
詳細は不明でも、なんだかヴァラエティーに富んでて、面白い柱頭ですよね。

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これは、まんま悪魔なんでしょうけど、なんかほっぺたすごいし。恵比寿さんみたいだし、表情くらい上に、すっごく情けない様子で、体系も最低で、悪魔も重労働なんだろうなって思わず同情してしまう子です~。

そして、これまた独特な。

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グリーンマンじゃなくて、全身グリーンにからめとられてしまった人。これは、見たことない図像です。

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こう見ると、結構光が入っていた場所もあるのですが、場所によっては真っ暗で、残念です。そして、書籍がないのが残念です。
今、改めて見ても、ここの柱頭、楽しいですから、意味を探りたくなります。

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  1. 2021/03/28(日) 23:34:15|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
  3. | コメント:0

気を付け姿勢の先頭の人(ラノブル、その1―15カンタル)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その72

前回まで、やけにじっくりまじめに記事にしてしまったセニェの後は、行先の選択肢は複数あったのですが、この時は、とにかくまず見るべきものを見る、つまり、重要度の高いものを優先する、と決めていたので、事前に調べていた中から、最も高そうな場所を目指します。
向かう途中で、思わぬものに出会いました。

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ダムです!

下の地図でいうと、舌の方にSegnesが見えますが、その北、湖の端っこになります。北に向かうに、黄色い道じゃなくて、D979という白い道を行ったので、まさにダムの、なんていうんですが、水をせき止めている壁の上にある道を通過したことになります。その先に、駐車場があったので、ちょっと止まってみました。
別にダム好き、というわけではないですが、こういう場所って、目指してくるものでもないので、せっかくだから、みたいな、勿体ない病の一環です、笑。

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Bort-les-Orguesダムというのかな。そういうところです。立派でした。バカンス中でうろうろしている家族連れが、結構車を停めて、見ていましたよ。

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さて、そこからの、目的地です。

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ラノブルLanobreのサン・ジャック・ル・マジョール教会Eglise Saint-Jacques-le-Majeurです。
すっごく清潔感にあふれた村の中心の広場にありますので、見つけるのが簡単です。それも、駐車もし放題。こういうのはありがたいです。ちなみに、教会の裏の方に、これまた大変清潔な公衆トイレもあり、至れり尽くせりの村でしたよ。

ちなみに到着時、ランチたけなわの時間でした。フランスのこの辺りだと、ちょっと遅めになるのかな。でも、上の写真の手前左側がレストランで、かなりにぎわっていたんです。一瞬迷いましたが、この日は予定も盛りだくさんだし、手持ちのビスケットとかで簡単に済ますつもりでいたので、誘惑に負けず、レストランをしり目に、見学に向かいました。

幸い扉は開いていたので、実際は、すぐに入場して、内部の見学をしました。ランチ時だし、いつ何時どうなるかはわかりませんから、開いてるところには入る、は鉄則です。
が、記事はまず外から行きましょう。

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かなりきれいに修復されていますが、建物は、ほぼオリジナルなのかな。後陣、丸じゃなくて、かくかくしたデザインになっていますね。でも、開口部のアーチに沿ってかくかくしているから、やはりもともとこういうスタイルだったのではないかと想像します。
イタリアだと、半円以外の後陣は、時代が違わないとないと思うので、フランスでは戸惑うことが多いです。
この部分の軒持ち送りは、とてもオーヴェルニュです。

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これでもか!の鉋屑おしです。
側壁の軒持ち送りも、バリエは豊富ながら、やはりバリバリ鉋屑おし!

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でもね、時々変なのが混じっているので、お見逃し無く、ってとこですよ。
例えば、これね。良い子がよい姿勢をしているようなやつ。

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何でしょうね、頭に冠みたいなものが見えるのですが、「気を付け」姿勢で、それもお洋服をつけているようには見えないんですけれどね。
かと思うと、こういう人。

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歯をフューチャーしている軒持ち送り、前にありましたね。この人の歯並び自慢も相当ですね。そして、口を傾けて誇示しているあたり、なんかいやらしいわ、笑。悪いこと考えている顔ですよ、これは。

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見えにくいですよね。画像ソフトで、ちょっと陰影強調するとか加工できるといいのですが、そういうソフト持ってないうえに、やるのも面倒で、すみません。地内にインスタグラムではデフォルトでそういう機能がついていますので、私のしょぼい写真が、かなりかっこよく加工されています。

これh、何でしょう。普通に考えれば、ライオン系の肉食動物と、それにガジガジされる人の姿になるのかな。
でも肉食というよりは、せいぜいがグリフィン、仔馬とかにも見えてしまうし、人の人は、頭部と足ですかね?なんか、病気が治ったりすると、お礼みたいな形で治った場所の形のものを奉納するとか、そういうのって原始宗教からあると思うのですが、なんかちょっとそんなものにも見えてしまいます。

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これは鉋屑バリエに、フクフクした動物がゆったりとお散歩中。ただかわいらしいやつ。
そして、またいた!

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列の先頭の気を付けの人。
頭の周りは、光背なのかなぁ。この気を付けスタイルは、ちょっと記憶にないんだけど、光背があるということは、聖人とか天使のはずで、腰に手を当てスタイル。何だろうなぁ。

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鉋屑も、バリエはなかなか面白いものになります。そもそもデザイン的なわけですから、石工さんのセンスが出る感じします。

やばい顔二つ。

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どうですか、これ。十字架下げていますが、頭の角は、なんですか。

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これは、メルヘンに見えないこともないけど、どうでしょうか。これらは現代の再建ものかもしれないですね。石も新しそうだし、テイストが、どっちかというと現代っぽいです。

そして外側見学で、最もフランスぽいアイテムは、これじゃないかと。

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扉口の、この鉄の補強装飾です。これは、イタリアではないです。スペインでもないと思うんですけども、フランスでは大変多いスタイルですね。そして、古いものが、よく保存されて残っていますから、驚きます。木の部分はダメになっていても、この鉄なのか、鋳鉄七日の部分は、やはり残るものなんですね。
これ、一見すると、唐草文様でデザイン的な面白さだけが見えるわけなんですけど、大抵、面白いものが隠れています。

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こういうやつ。

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この、引手の飾りは、イタリアでもありますけれど、そういうのが付けられるのは、大抵青銅の扉だったりしますね。それ以外は、鍵のところに小さい鉄があるくらいで。下のタイプですね。

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これは、もう一つの小さい通用口みたいな扉の鍵部分ですね。かなり凝っています。楽しくなりますねぇ、こんな鍵。
というわけで、さすが優先度高い教会、見所たくさんなので、続きます。

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  1. 2021/03/28(日) 01:50:50|
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出た~やばいやつ(セニェ、その4―15カンタル)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その71

今週は、びっくりでした。
なんと、フィギュアスケートの世界選手権、開催してたんで。何度か言及してると思うんですが、フィギュア、ミーハーレベルで好きなんですが、今シーズンは、大会もほとんどなくて、競技をテレビ観戦することもなく、しょせんミーハーレベルですから、存在すら記憶から消えていた状態だったんですが、さらりと女子ショートが…なんてニュースが出てきたんで、えええ!とびっくりした次第です。
開催地がストックホルムのため、おかげさまで、ライブ観戦。

さて、調べるのに手間取って、すっかり時間かかりまくりですが、セニェSaignesのサンタ・クロワ教会Eglise Sainte-Croix、続きです。

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後陣の方を、見ていきますね。

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ここの装飾としては、見るからに、軒持ち送り、それから、小さな窓の側柱に置かれた柱頭などがありますが、どれも面白いんです。建物が人間的なサイズ感なので、肉眼でも、結構ちゃんと見ることができます。

まずは、窓の部分の小さな柱頭から行きますね。
窓は二つあって、上の写真の方は、植物系のモチーフで、右奥、位置としては北向きとなりますが、そちらがちょっと面白いです。

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二人の人物がいるが、傷みのため、解釈が難しい。そのうえ、私の写真の撮り方が半端で、ダメですけど。
一人の男性が、立っていて、その向かいにもう一人がいるようなんですが、上半身が欠損してしまっています。見える人は、自分の手で、自分を守るように身体に添えていて、もう一人の人が、それを包み込むようにしています。上が背中を抱くようにして、肩に出ているのが分かるというんですが…、なんで一枚しか撮影しとらんのじゃ、おれ!
なんだかんだ言って、単純な抱擁の場面であり、ちょうどこの真上に置かれた軒持ち送りと違って、性的なほのめかしは全く見受けられない、と。

ちょっと~、抱擁で済むじゃん。腕を背中の方に回して云々って、抱擁の説明かい。行数稼ぎなんですかねぇ、研究者として、どうしても難しく書きたくなるんですかねぇ。

一応、結論的に、軒持ち送りの方は、間違った形の抱擁で、この柱頭の方は、正しい抱擁、つまり、善と悪の対比として置かれているのではないか、ということで、これはまぁ納得できますが、抱擁の説明はいらんね。
この柱頭の方は、正しい抱擁らしいので、欠損しているフィギュアは、単純に女性で、ちょっと熱い抱擁を表現したということになるのでしょうかね。すっごいぎゅーってしてますもんね。

軒持ち送りの方は、これです。

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これね、「口づけ」と呼ばれているそうです。
柱頭の抱擁同様、ギューッとしています。
本当に、なぜか一枚しか撮影してなくて、これじゃわかりにくいですよね。どうぞ、ネットで他の角度からの写真も探してみてくださいね。絶対出てくるので。

一見男女が逆に見えるのではないかと思いますが、右側が女性で、左が男性です。男性の頭髪は、なんかちょっと聖職者風というか、トンスラにも見えないことないみたいな様子になっています。そんでね、短めのチュニック来ていて、下半身、なんか開けまくりの、やばい人みたいなポーズになっているみたいなんですよ。あら、恥ずかしい。

右の女性は、頭をスカーフみたいな、なんかそんなもので覆っているので、顔の周りに飾りのようなものが見えますね。イスラムのヒジャブみたいな感じです。その右手、やけにでかいですが、男性の肩にガシッと見えますね。

これね、男性側から見ると、女性のサイズがやけに大きいみたいな感じになっています。この写真だと分かりにくいですけどね、特に男性の体、女性に比べると小さく彫られています。この辺も、何か意味を持たせている可能性があるようです。

女性の左手は、男性のお股の方に伸びていて、なんかつかもうとしていると、うわ~、やばいやつだわ。本の人も、さらりと、「チュニックと男性の膝の間から飛び出している何か玉のようなもの」とか書いているんですが…。

性的なものなのか、はたまた何らかの寓意的なものなのか。寓意的なものとする場合、前述の玉は、カバンとか貴重品みたいな解釈がされるそうです。え~…。

読みだすと、やはりそれなりに面白いので、今回は、いつもよりは圧倒的に写真少なめ、解説中心です。
次は、参照している本の著者が、カンタルで最も面白く興味深い軒持ち送りだと絶賛のやつ。

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ネコ科系の動物が、エクソシストのリーガン状態で、180度首を回していて、とまぁ、ここまでは割とあるタイプですよね。しかしここでは、なんか髭の男性の顔が。髭がご丁寧に、きれいに二つにくしけずられています。
下から見ると、動物のフィギュア、前方から見ると、動物の体を持つ男性、という様子になっています。
ハイブリッドか?というと、そういうことでもなく、顔は顔、動物は動物で、すっぱりと分割していて、男性の顔は、どっちかというとマスクみたいになっています。
で、解釈としては、人と動物の違いはさして大きくなくて、人はどんなときにも動物のようになることができるということではないのか、と言います。

人が尊いとするキリスト教思想の反映ということでしょうか。動物はやっぱり人に比べると下、という考え方。

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しかし、畜生的な扱いをされているやつですが、なんか愛らしい体系で、とてもとても、人が豹変する、みたいなコンテクストで語られても、豹変して、かわいいやつになるとしか思えないです、笑。

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後はさらりと行きます。
これは、一見ぬめっとした半魚人的な頭部に見えますが、ライオンみたい。これもリーガン状態で顔を回して、自分の背中をなめているようですよ。前足は、いじらしいくらい頑張って軒送りをつかんでいる様子。力いっぱいプルプルしながら背中なめんでも…。

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植物系でも、ここの石工さんは、独特です。内部でもパン屋さん的なバリエがたくさんありましたが、見てくださいよ、このロゼッタそのものの彫り。
あ、ロゼッタというのは、確かローマのパンなんですけど、こういう花型なんでバラという意味のロゼッタと呼ばれるんです。外はパリッとしていてきつね色、中はもっちりで、こればかり食べていた時期がありました。ドイツとかにもありそうなタイプです。
それを囲むのも、なんかちょっと甘みのありそうなねじりパン。

本当の意味は、ロゼッタじゃなくて、太陽で、それを囲むのは蛇を彷彿させるネジネジ。だそうです。どこまでも善と悪がテーマになっているようですね。

これはまた。

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なんか、小学五年生の男子が作った粘土細工的な。
なんか食べてるのかと思ったら、舌らしいです。これも聖職者っぽようですが、意味とか解釈はされていません。しろよ、ですよね。

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こちらは、この地域、かなり多くの教会で見られるモチーフと。でも、割と普通にあるモチーフのバリエではないかと。この地域に特徴的なのは、人が、ひじ曲げた無理な姿勢でうつぶせになっているということなのかな。ギュッと、辛そうにうつぶせになってますよね。
そんで背中に、どっしりとライオン系の肉食動物がのしかかって、ガジガジしていこうという図ですね。
例によって写真悪いですが、人の顔はないものの、ギュっという腕の様子から辛さがわかりますし、ライオンの嬉々としたガジガジスタートはわかります。要は、罪びとの断罪ということで、ある意味わかりやすい。気の弱いしけた犯罪者だったんだろうな、この人。

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まだいくつかあるんですが、この辺りで、この教会の装飾が、如何に癖のある独特なものかわかりますよね。何度も書いていますが、こういうの見ると、これら彫り物の内容は誰が決めているんだろう、という疑問。教会全体の棟梁から、石工さんが任されるのですかね。大変興味があるんですが、そういったことが書かれた本などは、見つけたことがないのです。

長々とどまってしまいましたが、やっと次に移動です。

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  1. 2021/03/27(土) 21:14:06|
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石工さんの美的センスについて考察(セニェ、その3―15カンタル)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その70

セニェSaignesのサンタ・クロワ教会Eglise Sainte-Croix、続きです。

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急ぎ足ではありましたが、内部を見ることができたので、ほっとして、外側を見ることにしましょう。

19世紀終わりごろに、大規模な修復があったようだということを、前回書いたと思いますが、その時点では、ファサードは、すでにほぼこういう形になっていたようです。バラ窓のところにははめ込まれていた時計は取り除かれたようですが、下の方の、半端な様子のアーチは、もとに戻しようもなく、ということだったのでしょうね。
いや、分かりませんが(本を全部ちゃんと読めば、書いてあるのでは、と思うのですが、無理です、すみません)、どう考えても、アーチが三つ並んでいたと思います。両脇の突き出した構造は、支え壁みたいなものですよね、おそらく。

残された扉部分のアーチの根元には柱頭がありますから、両脇にもそれはあったでしょうし、柱頭には、中のものとも通じるタイプの彫りがあったことでしょう。

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いずれにしても、かなり傷みが激しくて、残念ながら、植物モチーフである以上のことは読み取れない状態になっていますね。

扉周辺は、大変地味。
目に留まったのが、アーチ部分にあったこれら。

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見えるかな。石の表面に、TとかRとかがうっすらと。Rがたくさんあって、その他、T、V、Iが見られるようです。
これは、フランスではよくある石工のサインでしょうが、そしてそれは、仕事の証明であり、報酬計算のため、というのが本来の目的と聞いたことがあります。
しかしここでは、記され方の偏りが、どうもそうではないのではないか、という話が、本に出ています。というのも、中央アーチは、全部の石に印があり、左側は四つだけ、右側に至っては一つもないと。

なので、ここでは、石の積み方の順番を記したものではないか、と考えられているそうですよ。

ただし、アーチ以外の部分には一つもないので、それはそれで完璧な説明にはなっていないのではないかともあります。確かにね。
で、この人の説なのか、一般的な説か知りませんが、これは、マエストロが何らかの理由で不在になる可能性を考慮して、現場にいる職人だけでも仕事を進めるために、この部分だけに印をつけたのでは、と言うんですよ。

えええ~。学者って、まじでそんな説を考えてるんだ~。結構吹き出しちゃいましたけど、私は。
そりゃ、棟梁が不在な日もあるだろうさ。教会建築は、結構時間かかる仕事だと思うしねぇ。でもさぁ、ファサードの扉周りのアーチって、教会建築的には、かなり重要度の高い部分じゃないですか。それを、棟梁不在でやるって、発想としてありえないような気がするし、そもそも、そんな要的な部分の石に、印入れまくりで、それも残しまくりって、それ、どうよ?と思いませんか。
ここの人たち、美意識、変ですよね。
ってか、そもそも、報酬のための印を残しまくる中世フランスの職人気質って、変だと思います。

ああ、長くなってしもた。なまってますが、読むもんじゃないね。っていっても、グーグル翻訳のおかげですが…。
機械翻訳はずいぶんと進歩を遂げましたが、こういう特殊単語が多い文章は、さすがに日本語訳は無理ですね。イタリア語でも微妙です。

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鐘楼に行きます。
これ、上の方は、修復で付け足されたもので、オリジナルとは石色が全然違っています。さすがに、修復当時、非難ごうごうだったらしいです。

わたしったら、ちゃんと位置関係のわかる写真を撮ってないんですけれど、この塔の上の方に、変な彫り物がはめ込まれているんですよ。多分、ファサード側から見ると、左、北側の面にあったんではと思います。

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より東寄りに、ゴシックスタイルの四葉模様。
そいから、こいつら。

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磔刑図です。
キリストの脇に聖母マリアと聖ジャンがいます。サン・ジャン?ジョバンニ、つまり洗礼者ヨハネのことですね。フランス語に関しては、人名すら簡単に翻訳できない…。

そんな古いものではなさそうです。
そもそも現場で見ているときは、細部は全く見えず状態ですね。

このまま、軒送りに行きたいのですが、脳みそ使い過ぎなんで、いや、脳みそは使ってないか、単に翻訳のために打ち込むのが、目が疲れるってだけ…。
この程度の文を、ちょっと辞書を引くくらいで理解できればなぁ、と強く思います。実際、イタリア語との共通点も多いので、ざっと見ると分かった気にはなるんですが、きちんと言葉にしようとすると、分かってないことがわかるレベルです。
というわけで、やっぱりしんどいので、一旦切ります。

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  1. 2021/03/22(月) 01:06:42|
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てんこ盛りの解釈は…(セニェ、その2―15カンタル)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その69

セニェSaignesのサンタ・クロワ教会Eglise Sainte-Croix、続きです。

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小さな合唱席に登れたので、すかさず登りました。全体の雰囲気が味わえます。
勝利のアーチのところに掲げられたキリスト像が、ぼんやり明るくなっていますね。これは、ファサードにあるバラ窓から、光がさしているのかと一瞬思いましたが、西側から光が差す時間ではないので、それはない。
おそらく、鍵守りさんが明りをつけてくれたんでしょうね。

さて、柱頭です。レベルが高そうなやつから行ってみます。

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グリフィンが角っこでごっつんこスタイルのやつ。これは勝利のアーチの根元にあります。
グリフィンは、オーヴェルニュでは、非常によく使われているフィギュアということです。グリフォンは、神聖な場所を守る門番さんのお役目を務めているために、身廊から見ることのできる二面にだけ置かれているとか。他の一面(右の方にちらりと見えるやつ)はシンプルな植物模様で、ただ場所を埋めるためだけに石工さんが彫ったもので、ロマネスクの典型的な処理の仕方、とありました。本とかあると、結構余計な感じで、どうでもよさそうなこともいっぱい書いてあって、悩ましいわ、ほんと。

向かいには、植物系のぐるぐるしたやつ。

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これ、松ぼっくりらしい。
ドヒャ~。解説読んでよかったと思いました。
この松ぼっくりのタイプ、昔、ミラノから日帰りで行ける教会で、明らかに松ぼっくり、またはパイナップル、としか思えないこの手の彫り物があったんですが、いや、これはブドウですよ、と言われて、あんまりびっくりしたのでもう忘れることができず、それ以来この手のフィギュアを見たら、どう見ても松ぼっくりだけど、これはブドウ、と思ってきたんですよ。この記事でも、結構そう書いてきたと思います。
でも、松ぼっくりもありだったんですね。いやはや、ダメだよ、全部そうだと思ったら。でも、その教会のも、本当にこういうやつだったんですよ。もしかして、あそこでブドウだと教えてくれた人も、思い込んでるだけ、という可能性もありますな。

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これがまた、なんだか盛沢山な柱頭です。
真ん中に棕櫚があって、右にライオン。これはたてがみの感じがライオンだけど、変なデフォルメの方。

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左側には鷲がいます。上の副柱頭には、前回紹介したつやつやのコッペパンみたいのがありますが、これはやはり松ぼっくりということらしいです。

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副柱頭の右側では、頭部があって、カバンがあって、蛇がそれを引っ張っています。カバン?なんのこっちゃ、と思ったら、例のあれ、守銭奴のカバンらしいです。そういえば、守銭奴のカバンって、大抵こういう風になってるね。これもオーヴェルニュでよくみられるモチーフということだけど、オーヴェルニュには守銭奴が多かったのかな。または貧しいやせた土地が多い地域とも聞くから、よそよりもさらに、独り勝ちしてほくそ笑む、みたいな罪を戒めたのかな。
副柱頭の正面は、3枚上の全体像を見てくださると出てるんですが、天使が、怪物に足をガジガジされちゃっている人に、翼を差し出しているようなシーンになっています。
複数の解釈があるようです。クジラの口から出ているヨナ、ライオンの穴のダニエルに食事を持ってきた天使、怪物に食べられそうな子供を助けようとする天使、サン・ピエトロの最初の書簡を表現した図(ペテロのお言葉?詳細不明)、など。

でもね、結局よくわからないらしいです。で、さんざん苦労して読んだ割には、最後は、天使が祝福のポーズをしているから、加護とかまじないしている場面だろう、だってさ。

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確かに指二本、祝福ポーズだけども、でも、この絶体絶命、すでに半分終わってる状態で、何か祈られてもなぁ、と思ってしまったら罰が当たるんかいな。

そんでもって、柱頭全体の意味を探るとしたら、動物の凶暴さをもって自然の摂理を表現してるとかなんとか。いや、それは違うと思うなぁ。
いずれにしても、天使の目の前で怪物が人を襲う様子というのは、善と悪の対決図に他ならないとしめてましたが。

そういえば、現場で、身廊で向き合っている柱頭それぞれが一対で、善と悪を表現しているとかいう説明を受けたんですけど、とすると、これは一つで善悪かい。

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てんこ盛り柱頭の向かいにあったのは、これだと思いますが、これは、「謎です」だそうです、笑。
謎だよねぇ。プルプルゼリーの間に、並んでる顔、それが、なんかゼリーとつながってるんだよね、綱みたいなものを口に挟まれているというか、自主的に噛んでいるというか。
書籍の著者は、植物がYという形を表していることまで気にしているようですが、なんだか、研究者も大変だな、というか、なんでも疑問にしようと思えば疑問になるよね。

でも確かにここまで不思議だと、色々考えたくなっちゃうのは、よくわかる。
職業的研究者になったら、単純に楽しむのが難しくなりそうですね。

プルプルゼリーの右の方にも、変な人がいて、これも謎ですよねぇ。

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まず、姿勢が変でしょ。で、表情も、妙に写実で、絶対モデルさんいたよね、という世俗な感じが、逆に違和感あります。これは、こういう意味です、なんて言える人は誰もいないと思うけれど、これを彫った石工さんは、何かわかって彫っていたんだろうし、教会を訪れていた多くの信者さんたちだって、きっとその意図を分かったんではないかと思うと、改めて千年というときの隔たりを感じざるを得ません。

もう疲れちゃったんで、あとはさらりと。

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こんなグリフィンもいます。むっちりタイプで、なんか暗闇でいけないことしてる二人が、いきなり見つかっちゃった、的な様子がありません?最初の方で、まじめにお役目している人たちとは偉いタイプの違うお仲間です。

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神の子羊ですね。十字架の、なんというか稚拙なしっかり感が、十字架というよりも、なんというんですか、なんか違います。美味しそう、とでもいったような…。また、不遜なこと書き連ねていますね、笑。

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この植物モチーフも、前回紹介したパン屋さんに連なるタイプ。本当にかわいらしいですよね、ふかふかつやつやのこの感じ。

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教会は12世紀の創建とありますけれど、柱頭見てると、なんかもっと古い時代のものではないのか、という疑惑が湧きます。
まぁ、すべてが、ではないですが、例えば下の奴なんて、とっても古そう。単に石工さんの技術が古くて稚拙だった、という可能性はあるんですけれども。

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でも、植物モチーフの小さい柱頭は、みんなとてもシンプルで大胆で、イメージ的には11世紀って様子でした。研究者じゃないから、言いたい放題。

お足元にも、いくつか装飾あり。

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これは、かなりお金かけた証拠だと思うし、そんな技術のない石工さんを使うようなとこではないようにも思うから、やっぱり古いはず。まさかの断定、笑。
続きます。

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パン屋さん尽くし(セニェ、その1―15カンタル)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その68

昼も近い時間、次に訪ねた村では、何かお祭りみたいで、村中に遊具やら屋台が並んでいました。

midipirenee 891

夏の真っ最中、日本でいえばお盆の頃で、多くの町村でお祭りがあるようでした。田舎って、普段楽しむ場所ないし、こういうのが地域の人たちの大きな楽しみっていう感じなんですかねぇ。大人も子供も祝祭モードで、近隣からも人々が集まってくる、みたいな。

そういう時に教会を訪ねるって、かなり浮いているし、実際、うまくいかない時もありました。
幸い、この村では、時間的にもセーフで見学できて、ラッキーでしたけど。

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セニェSaignesのサンタ・クロワ教会Eglise Sainte-Croixです(オープン:月から金=9-12/13:30-17:30、土曜=9-12、住所は15 Rue de l'Hotel de Villeですが、まさに村の教会なので、迷いようなし。車は周辺の住宅地に置くのがベストです)。

教会に近付いた時、鍵を持ったおばさんが出てくるところだったし、正午が近いのもわかっていたので、もしかしてやばい?閉まったとこ?と一瞬にして焦って、もしかしたら血相変えて小走りになったのかもしれませんね。当のおばさんが、「開いていますよ」と至極穏やかに教えてくださいました。先走りのオレ、恥ずかしい…。

先に状況を書いておきますけれど、というほどのこともないのですけれど、無事入場して、一瞬にして、村で展開されている若干安っぽいお祭りの雰囲気から、ロマネスクの世界に没入して、しばしぼーっとしていると、男性に声を掛けられまして。いや、ナンパじゃないです、笑。

なんか、にわかガイドツアーが始まったんです。

おそらくフランス語だったと思うんですが、結構丁寧にいろいろ教えてくれて、連れまわってくれて、面白くもあったんですが、見所たくさんあったし、気持ち的には一人で堪能したい気持ちもあったんですけどね。それに、時間も押していたので、このガイドの後に自分の時間があるとは思えず…。

そうなんです。にわかガイドのわけは、この方、鍵守りだったんですよ。思うに、誰もいなければ、早めに閉めちゃえ、という考えで、実際に閉まる12時より早めに来ていたのではないかと。ところが、わけのわからない東洋人が、やけにはまってみている様子を見て、長居されたら困る!ということで、適当に追い出す作戦を取ったのではないかと。
実際、いいように誘導されて、12時ぴったりに追い出されました。

でも、鍵を閉めてから、外側の装飾についても、ちょっとガイドしてくれたり、もちろん大変良い方ではあったんです。

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帰宅される姿を撮影していました。
結構お若い方。わたしと同年代、どうかするともっと若い方かもしれません。事前に調べた際、鍵は市役所管理とあったので、市役所の方ですかね。そういう雰囲気は全くありませんでしたけど。
この教会のオープン時間が、まるで会社の業務時間みたいなのは、市役所の時間と連動しているのですね、きっと。

という事情があったので、本来ならとんでもない数の撮影をしていそうな教会なんですが、意外と写真の数が少ないのです。

というわけで、訪問開始です。前置き、長すぎ、笑。

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取るものもとりあえず入場して、出会った眺め。
いかにものカンタル、の黒っぽい切り石積みが、何とも言えない落ち着いた雰囲気を醸し出しています。こじんまり感もよいし、全体のプロポーションがすごくしっくりきました。
この切り石積みも、例の白っぽい化粧石的なやつだとしらけるんですが、カンタルの石色は好みです。

かなり修復の手が入っているのは残念ですが、直近19世紀の終わりに、大規模な修復が施されたようです。当時の写真を見ると、外側は今ある姿と大きくは変わらないのですが、内部は白く塗られていて、シャンデリアとか下げられていて、もう全く違うキラキラの様子だったのがわかります。
それを往時の姿に戻すというのは、フランスには珍しい大胆な修復で、ちょっとびっくりしますね。

この教会の記事、悩ましいのが、実は現地で小冊子を買ってしまって、手元情報てんこ盛り…。でも、フランス語なのでにわかに読めず、でも読みたい、紹介したいという状態で…。

全体、一見地味そうなんですが、実は面白い柱頭がたくさんあります。
順不同で紹介しますね。

久しぶりに写真を見ていて、面白いな、と思ったのがね、なんかパン的なフィギュアがたくさんあったんです。彫りがこんもりと、つやつやと、すでにパンやお菓子的な、って変なんですけれど、またどうでもいいこと言ってるよ、と言われそうですが、でもちょっと見てください。

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卵の黄身を塗って、てからした感じまでありませんか?

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これは、変なつなぎがいますけれど、もう思いっきりゼリー型で作ったゼリー!プルンってしそうな…。

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これも、ふっくら感、またはリーフパイ的なサクサク感もありですね。美味しそうです。

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これは、まんまマドレーヌの詰め合わせです!それも小ぶりで食べやすいタイプ。

楽しいですね!
あんまりくだらない切り口で紹介しちゃったんで、一旦切ります。次回はまじめに柱頭を紹介します、ペコリ。

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縁あって、訪問完遂(イド・ブール、その3―15カンタル)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その67

しつこくなってしまいすみませんが、イド・ブールYdes Bourgのサン・ジョルジュ教会Eglise Saint-George、続きです。

実は、先にも書いたように、そして現在チェックしたところでも、この教会、夏季のオープン時間は、午後だけとなっています。それなのに、行程の都合上、午前中に訪ねてしまったわけなんですが、最大の見どころは扉付近の彫り物だったわけで、入れなくても別にいいや、という気持ちで、一度は後にしたんです。

ところが、縁があるときって、そういうところが、意図しなくても、うまくいくんですね。志ん生さんの落語の枕にもありましたけど、縁があれば、いやでもなんでも邂逅してしまうんですね。
縁って考え方、不思議だけど腑に落ちるとこもあって、面白いです。

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この日の行程は上のようになってます。出発したのは、宿泊地フォンタンジュで、印ついているのがイド・ブールとなります。
まずモーリアック、イド・ブールと見学した後、右回りのような進み方で、シェラドまで行き、トリザックという町を最後に、宿に戻る予定でしたが、なんと、トリザックから宿のあるフォンタンジュまで行けるはずの道は、通行止めになっていたんです。
で、地元の人に聞いてみると、細い道をくねくね行くよりは、無駄なようだけどイド・ブールに行って、地図上でD922となっている大きめの道路を行った方がいい、と勧められたのです。
というわけで、強く望んだわけでもないのに、結局一日のしめに、またイド・ブールに戻り、内部の見学がかなったというわけです。

結果的には、内部にも装飾があったし、なかなか味わいの深い雰囲気もあり、入れてよかったかな。でも、前の記事に張り付けた、町の観光案内的なサイトでも、内部は、外側に比べると地味です、と明記されてありました、笑。大変正直です。

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小さな切り石積みは、どこら辺までオリジナルなのかわかりませんが、地味な山の教会、という様子が、なかなか良いです。情報によれば、17世紀半ばに崩れた天井は、その後同じような手法で再建されたとあります。
後陣側がそういう形で再建されて、それ以外は、かなりシンプルに漆喰塗になっているということかな。

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地味ながら、ちょっとチャーミングな彫り物もありました。

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狐だか何だかわかりませんが、どんぐり眼がとってもかわいいです。
とてもロマネスクらしいエニグマティックなものもあります。

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こういうのって、やはりゴチック期以降には出てこなくなるんですよね。化け物系も、どんどんわかりやすい表現になってきて。

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後は、デザイン化が激しい植物モチーフの柱頭で、これはこれで楽しいですが、地味ですね。それにしても、カンタルの黒っぽい石、これは、たとえ今積まれているものがオリジナルじゃないとしても、やはりこういう色合いのこういう様子だったんだろうな、と想像できます。

時代が違うと思うんですけど、この教会ですごいと思ったのは木工関係です。

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すごい細かい仕事の祭壇。これはすごい技術ですよね、多分。どうやら19世紀のネオロマネスクの作品と思われるんですが、どこもかしこも。山の教会ならではのものなのかも。

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組紐モチーフとか、そういうのがなかなか素敵で。

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どうせ通過する道沿いだったので、時間の無駄もなく、最後に結構な満足感、達成感を与えてくれた見学となりました。
こういう縁があったせいもあるのでしょうが、教会のたたずまいもよく記憶に残っています。

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なるほど、見仏記(イド・ブール、その2―15カンタル)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その66

間が空いてしまいましたが、イド・ブールYdes Bourgのサン・ジョルジュ教会Eglise Saint-George、続きです。

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それにしても、美しく整備されています。
芝生っていうものは、中世にはなかったものだと思うんですが、だとすると、往時はどういう状態だったのかな、と思わせる、現在公園状態に整備されている場所って、結構ありますね。
ここは、前回、古い時代の町の中心が今とは違っていて、こっちの方にあったのかな、と思うように書いたと思いますが、もしかすると、町はずれの林みたいな場所だった可能性なんかもあるんでしょうね。礼拝堂規模が起源だったりしたら、すごくあり得る。
そういうことを考え出すと、先史時代、というか、せいぜいケルトくらい、時代をさかのぼってみたくもなります。欧州は、結構森林とかを切り開いて、農耕地にしてしまった歴史もあるみたいなんで、土地の成り立ちが日本とはずいぶん違うはずなんですよね。要は、切り開いたら平地になる土地と、そうじゃない土地っていうか。
ここなんか、もとは深い森でした、と言われても腑に落ちるような気もして、妄想中。

それはともかく、後陣です。

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遠目にも、プロポーション的に、かなり大きめの彫り装飾がたくさんありますよね。
ちょっとわくわくしたんだけど、実はあまり好みのものではありませんでした。ので、アップの撮影はほとんどしていません。

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こんな様子で、おそらく時代が下るものではないかと思うのですが、変に手が写実的で、私が好きじゃない写実な感じで、がっかりしたんです。
扉部分にある石工さん系だったら、おそらくもっと素朴なものが彫られていたと思うんですけど。

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壁の方の軒持ち送り送りも同様です。
わずかに、猪八戒?とか。

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かなり普通のおっちゃんぽい様子なんだけと、何かしら変な人感が取り巻いている様子のおっちゃんとか。

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多くの場合、さわやかなイケメン青年のはずなのに、まったくかっこよくないサムソン風とか。

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あ、でも人によっては、このバタ臭い顔に魅力を感じるかもしれないタイプの顔かもね。ちょっとミック・ジャガー入っているような、野生系の…笑。

他にも大好きなダニエルさんもいたにも関わらず、なんか食いつき悪くて、という彫り物の連続でした。好みの問題だから、仕方ないですよね。

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そういえば、先日ハッとしたことがあります。
在宅暮らしになってから、やったら動画を見る生活になってしまって、興味の赴くままにいろんなものを見ちゃうんですけれど、先日拝見した、みうらじゅんさんの「見仏記」についてのインタビューなんですけどね。
彼は仏像が好きで、造詣も深いようですが、見仏と銘打って仏像を見て歩くことを始めた当初は、「信仰心もないくせにとんでもないことだ」という対応で、門前払いされたことも多かった、ということを話されていたんです。

見仏って、言ってみたら、自分のやってることはそれに近いのではないか、という「はっ」と、こちらでは教会の見学に行くことが、必ずしも信仰に付随しなければいけないとはされていない、という意味での「はっ」です。
必ずしも、常に開いているわけではない田舎の教会などに、見学に行きたい旨を問い合わせたりすることがありますが、例えば、ミサの時間しか開けない教会など、ざらにあるわけです。そういう時、教会関係者の方が、見学はミサの前か後にできますよ、と言ってくださるわけです。
教会美術という美術史上のジャンルが確立されていたりすることに由来するのかな。仏教美術だって、それは美術のジャンルとして確立されていると思いますが、なんか信仰心必須、みたいな空気があるらしいのがね、興味深かったです。

おっと、また関係ない話を、笑。

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今改めて見ると、ダニエルさんとゆかいな仲間たち、なかなか味わいありますね。

いずれにしても、装飾豊富で、かなり豊かな町だったのではないかと思われますね。お足元まで、結構あちこち彫られていましたから。

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組紐帯なんて、いかしてますよね。縄目とか、アンティーク装飾に造詣の深い石工さんだったのかな。

外観最後に、南壁にあった、小さな扉装飾も。

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ドラゴン退治のサン・ジョルジョが描かれているようですが、15世紀のもののようです。
この扉は、墓地との連絡とあるので、とすると、ここは墓地があったということで、やはり町はずれの教会、という位置づけだったのかな。いや15世紀ごろに、そういう教会になったということかな。
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今更トリュフとか…

去年の秋のまま止まっていたデジカメを発見して、ちょっと寄り道するつもりが、コロナの話に終始してしまいました。というわけで、たまにはこういう記事も、ということを書いときます。

というのも、トリュフは、今後しばらく、毎年恒例になるかな、と思っているので、記録のためもあって書いておきたいのです。そう、前年に続き、去年もまたトリュフ・ランチしてきました。

前回は、同行の友人が、すでに何度か行ったことのあるレストランでしたが、今回は違う店を見つけましょう、ということで、最終的に、私が以前、グラッパ合宿の際にランチした店になりました。

tartufo 061

Campanaro'
Corso Vittorio Alfieri 36 Asti

すぐ近くに公共の無料駐車場もあり、立地は便利です。自分が以前食べたとき、シンプルだったけどおいしかったし、サービスもとても感じよかったんです。
トリュフは同行の友人のこだわりなんですが、事前に電話で問い合わせて、ちゃんと白、入荷してます、という確認もして、いざ。

まず前菜は、あったかいのと冷たいのと、それぞれ全部盛りにして、適当にシェアしました。

tartufo 062

大好きな生肉もありましたし、どれも繊細でおいしかったです。ピエモンテの名物がふんだんに、という感じ。何より、2020年は、片手で数えられるくらいしかレストランに行けていなかったので、いや、片手どころか、ここに行った時点では、夏休み中に3回行っただけじゃないのかな。そういうわけで、レストランで、サービスされて、おいしいものを食べる、というシチュエーションが、すでに非日常化していたんで、もうそれだけで感無量の気分ではあったんですよね。

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で、トリュフ、イタリア語だとタルトゥーフォですが、ここらではもちろん白でなくてはいけません。タリオリーニでシンプルに。

tartufo 064

目の前でシャーっとおろしてくれて、ストップ言うてね、というスタイルです。が。

最終的には、パスタを覆わんばかりにかけていただいたんですが。

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香りがめちゃくちゃ薄かったんです。
そういえば、この時期って、気の利いたレストランに入ると、まずはトリュフの香りが漂ってくるんですが、ここではそれがなかったんですよね。
そして、目の前ですっているのに、ほぼ香りなし。
正直がっかりでした。食感は普通だったと思いますけれど、これだけ香りがないってことは、冷凍ものとか?謎です。

セコンド(メイン)、めっちゃ庶民的。

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デザートも、かなり庶民的な家庭料理で、でもどれもおいしかったし、お値段的にもリーズナブルだと思うんですが、トリュフはね。ダメだった。そのために行っただけに、残念でした。

私は、最後に、これ。

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レヴィさんのやつ。オーナー家族の息子さんが、「僕が生まれたとき、レヴィさんとこで、ご両親がグラッパ買って、自分のためのラベルを描いてもらったんだよ」、といううらやましくも楽しいお話を伺いながらのいっぱい。さらにおいしく感じますよね。あ、もちろんこれは違いますよ。レヴィさんのグラッパでも、お値段は良心的でした。

次回は、絶対にトリュフのおいしい店を探さないとね。
それにしても、今年は、何回レストランに行けるんだろうか。いや、もちろん規制のレベルによって開いているし、のべつ行ってる人もいるし、でも、無理に行こうという気持ちにはならないという話。
夏休みも、昨年に続いて、また炊飯器持参を考えていますしね。

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今更好物だと言っても(イド・ブール、その1―15カンタル)

2017.08.ミディピレネー及びオーベルニュはカンタルの旅、その65

次に訪ねた教会は、村のはずれにあったと記憶しています。

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イド・ブールYdes Bourgのサン・ジョルジュ教会Eglise Saint-Georgeです(当時は、オープンが午後14/19時)。

公園の緑の中、一人たたずむ、という大変美しいたたずまいです。
もしかすると、居住地が、時代とともにずれていって、気付いたら孤立していた、といった歴史なのかと想像します。
まぁ、今でも小さな集落で、どこが中心なのかもよくわからないような規模ではあるんですが、でも、こういうロケーションって、なんとなく教会としては使われなくなった時代とかあるんじゃないかな、と思います。イタリアだと、放置された教会を、農家が納屋に使っていたとか、そういう歴史が結構あるんですけど、フランスではどうだったでしょうか。

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この教会で、見るべきは、まずは扉あたりの装飾です。

実は、事前にも、午後オープンという情報は持っていた節がうかがえるのですが、にも関わらず、午前中に訪ねてしまいました。なかなか行程と訪問のタイミングを合わせるのは難しく、開いていない可能性が高くても、どうせ通るのだから、と訪ねてみることはあるのですが、メインの見学目的が外側なら、さらに、入れなくてもよいと思って、訪ねたものと思います。

上の写真で、扉前のスペースがわかるでしょうか。アーチ天井で設けられた場所、両脇の壁に、素晴らしい彫り物が残されているんです。

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受胎告知ですね。間柱があるのが斬新です。さして広いスペースでもないし、ここをアーチ構造にして支える必要は、建築的にはないのではないか、と思うので、装飾的なアーチ構造であり、柱だと思うのです。
床の間的な空間で、違和感はあるのかないのか、いずれにしても、珍しいように思われます。

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でも、やっぱりちょっと変。柱をないものとして見ないとだめですよね。柱ありきだと、ガブちゃんが、扉とか押してる風にしか見えないし、聖母の方は、いやだわこんな時間に誰?的なシチュエーション。あ、でも聖母的には、これはこれで正しい心情風景か、笑。
それにしてもガブちゃん、腰高。顔はちょっと御用聞き入ってる粗野な感じもあるのですが、スタイルは、モデル並みです。

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一方、聖母の方は、現地では傷みが気になったうえに、全体の妙にすっきりした風に、実はあまり好みではなく、かなりさらりと見ていたんです。
でも、今こうやって見直すと、そのすっきり感も結構いいのでは、聖母のお顔も、傷んでるとはいえ、なんというか、楚々とした表現も感じられて、これはこれであり、という気持ちで見ています。

受胎告知の向かい側、扉に向かって右側の同じスペースは、こうなっています、

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左側にいるのは、どうやらダニエルさんみたいですね。

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ダニエルさんのモチーフは大好きなので、出会うと結構小躍りしちゃうんですが、ここは、溶けちゃっているし、インパクトが薄かったように思います。興奮の様子が、感じられない日記の記載でした。確かにね、これだけ溶けちゃってるとね。
でも、この場所って、一応屋根があるし、それなりに雨風からは、守られていると思うんだけど、なんでここまで。

ダニエルさんの右側にいる人は、何だったでしょうか。絶対に他でも見た組み合わせだもんね、と思うのですが、情けない記憶力で、思い出せず、思わず検索してしまいました。

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ハバククさんでした~!食事をお届けしている親切な預言者さんです。今からこんなでは、将来の記憶力が心底心配になります、涙。
それにしても、パンと飲み物でしょうか。ちょっと微笑ましいっていうか、ご相伴にあずかりたくなるような大きさですね。

ちなみに、こういう時は、現地語で検索するのが一番ですね。願わくば日本語で何か出てくれば、一番うれしいのですが、難しいです。今回ヒットしたのは、イド・ブールの町のページだと思うのですが、教会の説明がなかなか良いので、サイトを貼っておきますね。読みたい方は、どうぞ自動翻訳機能などで読んでみてくださいね。私は、フランス語を斜め読みするだけなので、ここでは詳しくは書きませんので~笑。

イド・ブール教会情報

扉周囲では、アーチボルトにお注目しましょうね。

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グレーの石で、アーチに、うにゅっと押し込められたような様子が見られる部分です。ここも、傷みが結構激しいですし、どうせあれだろ、変な動物だろ、みたいな印象ではあるのですが…。

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いやいや、そんなことなく、つぶらな瞳を教会訪問者に向けているこいつは、今年の干支っぽいですよ。

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と思ったら。

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これは双子ちゃん。ここでも黄道十二宮が並んでいるみたいです。
それにしても、この双子ちゃん、右の子はポコちゃんぽいし、お手手つないでいる様子と、なんだか膝を曲げて、コマのようなものの上でバランスをとっているみたいな様子もめっちゃくちゃかわいくないですか。おちゃめな子役アイドルみたいです。

いて座さんは、両性具有的で、ちょっと怖いですが、身体の文様が、古代文様ぽいのが魅力的です。

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おそらく、アーチの部分に十二宮がいて、脇の方は無関係な人たち、ということになっていると思います。

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そのわきの方で、むにゅっと押し込められている人。頭部がないので、なんだかわからないですが、鋭い爪をもった肉食系ですよね。このぬめぬめ感、半端ないです。

見所豊富じゃないですか。続きます。

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