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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

最近の手仕事、ハンコ編、その2

最近、タブレット購入しました。

在宅勤務になって時間ができたこともあるし、何よりお家時間が増えたことが大きいんだと思うんですけれど、世間ですなるユーチューブに結構はまりまして、うっかりしていると、あっという間に2時間くらい過ぎてしまってり…。
よくないな、と思うんですけれど、もう習慣になってしまったんで、簡単にはやめられないし、せめて目に優しく画面を大きくした方が、ということで、満を持してのタブレット。
でもまっさらなんで、いつも見ている動画チャンネル出てこないし、実は買って数日はほとんど見なかったんですが、なんと、今年はショパンコンクールの年だったんですね!
ピアノはなんとなく好きなんで、ピアノ系ユーチューバーの動画はいくつか見てたんですが、そのうちのお一方、カティンさんという方の動画でコンクールやってることに気付いたのですが、この方が、ショパンコンクールに出場するようなガチのピアニストとはつゆ知らず…。衝撃受けました。
というわけで、仕事の合間、昼休みなどにもついライブを見てしまう日々です。タブレット、おかげさまで大活躍。良かったのかそうでないのか…。

さて、ローマ編が終了してほっと一息。次は何を整理しようかというひと時に、趣味の話で息抜きです。
先日のハンコの話で、たどり着いたテーマの話。

まずは、やっぱりライフワークだし、と思って、こっからです。

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初期は、あまり細かい彫りができなくて、サイズは大きいし、大雑把な感じだったんですけどね、これ、達成感があって、結構はまりました。

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絵にしたいので、にゃんこと組み合わせることにしてみました。意味ないけど、自分ルールです。教会はもちろん実在の、実際に訪ねたことのある教会で、これは、モンテピサーノ地域にあるピサ様式の教会です。
下手の横好きでも、わずかながらは上達するようです。あとね、見せ方っていうか押し方の工夫も出てきますので、見栄えがましになってきました。

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色を入れてみたり、教会の名前を入れたりすると、全体に絵図っぽさが高まりませんか?

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サイズは、普通のはがきにあしらうと、ちょっといい感じ、というようなサイズ感です。
教会は、基本大雑把でも雰囲気が出ればよいのですが、下が気をするときって、結構細部をちゃんと見たりするんですよ。それで、意外と色々見えることもあったりして、これはロマネスク的にも、なかなか楽しいエクササイズだったりします。

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最初は、黒一色しかもっていなかったスタンプ台も、徐々に増えてきて、例えば教会の輪郭でも、黒よりセピアが合うタイプもあったり、押したり塗ったりの楽しさもあります。ハンコの良いところは、それぞれのアイテムを別々に彫れば、色々な組み合わせや構図を作れるところです。
にゃんこを変えると、全体の雰囲気が変わったりしますよ。

で、もう一つのお気に入りアイテムがペンギンなんですけど、こっちも最初は、絵図を作ることだけやっていたんですが、ある時に啓示を受けて、笑。
最初は何だったかな、モランディだったかな。近現代アートとのコラボを思いついたんですよ。勝手にコラボ。

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カンディンスキーとか。

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ポロックとか。

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クリスト。これは、数年前に、クリストの壮大な作品を、実際に見ることができたという恩恵に感謝して、すごく考えて作りました。自分では大好きなハンコ。彫るよりも、彩色が大変でしたっけ。

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この、エッシャーにインスパイアされたペンローズの三角形も、実際にアムステルダムでエッシャー美術館に行ってから、ずっと考えていたやつ。これは、エッシャーのタグをつけたら、@エッシャー美術館がいいねをくれたのが、すごく嬉しかったなぁ。
それで調子に乗って、またエッシャー風を彫ってしまいましたよ、笑。

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いつも子供ペンギンなのは、ペンギン彫ろうと思ったときに最初に見た写真がこの子ペンで、衝撃的な愛らしさに完全にやられてしまったんで、大人も彫るし、いろんなタイプのペンちゃんを彫りますが、一番たくさん登場するのは、どうしてもこの皇帝ペンギンの子供ちゃん。

最近はさぼっちゃってますけど、この近現代アートのコラボは、すごく楽しいけれど、形にする前に、すごく考えないとアイディアが出てこないんですよね。すごくはまっている時期は、常にだれがいいかな、何かできないかな、と考えていたくらいです、ほんと馬鹿みたいに、常に。
アイディアが浮かんでも、形にしようとして無理、となったのもいくつかあるし、結構大変なんです。
って、別に、誰に強要されているわけでもないのに、趣味ってすごいですよね。

これは、別のアートにインスパイアされたんですが。

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動画に上がっているほとんどすべての辻井伸行さんのピアノを、聞いたんじゃないかな。数年前に、クライバーンコンクールで優勝したということ聞いた時、なんか盲目っていうのが変な作用してるんじゃないの、とか、勝手に胡散臭いとか思っていたんですけど、猛烈に反省したんです。本当に素敵なピアノで、純粋にすごいと思いました。
確かお母さんが書いた本のタイトルが風は何色だったかな、色の説明をしたときに、辻井君が無邪気に聞いたんだったと思います。なんか、鳥肌が立ちました。そういうのって、やはり想像もつかないわけで。
それで、これは、「音を聴く」というタイトルです。

ショパンコンクールのついでに、久しぶりにまた、彼のピアノを聞いています。

次、ノートです。やっと。

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  1. 2021/10/09(土) 16:54:00|
  2. 日曜大工、手芸
  3. | コメント:0

最後の最後まで、よく歩きましたの旅でした(サンタ・マリア・イン・ドムニカ教会、サント・ステファノ・ロトンド教会、サン・クレメンテ教会)

2017年12月の週末旅行、ローマの古代から現代まで、その26(最終回)

この時の旅の最後は、最近定番の散歩道を、急ぎ足でたどるというせわしないことになってしまいました。
前回記事の後の行程は、まず、サンタ・マリア・イン・ドムニカ教会。

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教会のある一帯が、大の付く絶賛工事中で、その上に教会はクローズでした。

どうやら、ローマ三本目の地下鉄であるC線というのを作っているようですね。あれから丸四年たちますが、どうなっていることでしょう。
ミラノですら、地下鉄の工事は超難航します。日本は、東京などの大都市でも、工事始めたら結構あっという間の感じで完成してしまうので、一時帰国中、めったに都心に出向かない身としては、例えば大江戸線とか、いまだに未知の領域となっています。そもそも、こっちがほとんど気付かないうちに、東京の地下をぐるりと回るような地下鉄ができてしまうって、すごすぎます。
ミラノでも、例えば我が家は、ミラノで最も新しい地下鉄5番線が最寄で、家を買うときには、いや、その数年前からこの一帯あちこちで大規模な工事をしていたわけですが、稼働したのは、住みだして数年が過ぎてからで、それも、一気に全線開通ではなかったはずです。実際の工事だけで、10年じゃ聞かないくらいの時間がかかっていたのではないでしょうか。
ローマの場合は、その上に、どこを掘っても、何か遺跡関係が出てきてしまいますから、その困難は想像以上と思われます。

また脱線しました、笑。
工事中のため、教会は18時からのみオープン、とありました。2020年12月までは、そういうことになっていたので、今は普通に戻っていると思います。
この教会、後陣や勝利のアーチに、とっても素敵なモザイクがあるんですが、まぁ以前しっかり見ていますので、残念ですが、仕方ないですね。

そこからすぐ近く、本当に散歩道的な感覚に、好きな教会があります。

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サント・ステファノ・ロトンド教会Basilia di Santo Stefano Rotondoです。
全然教会っぽくもないし、名前についているロトンドは円形を表す言葉ですが、こうしてみると、全然円形の様子も分からないですよね。

せっかくなので、グーグルさんからお借りして、鳥観図を。

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丸いですよね。

創建は5世紀と、ローマの教会の中でも最も古いものの一つ。
で、円形ですけれど、バジリカというだけあって、でかいです。円が三連になっている感じです。

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なんの因果か、訪ねたとき、この内部も工事中で、半分以上アクセスできなかったんですよね。工事資材とか積んであって、残念なことでした。
ただ、内部はもともと、かなり新しい感じになっていて、5世紀の姿は構造に残るものの、という印象ではあるんです。この時も床面とか引っ剥がしていたと思うんですが、さらにピカピカになっちゃうんだとしたら、なんだかなぁ。
それにしても、円形の構造物は、写真に収めるのが、とても難しいです。

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幸い、私が再会したかった方々には、工事にかかわらず、お会いすることができました。

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向かって左にプリモさん、右にフェリチアーノさんがおられます。どちらももちろん聖人で、642年から649年の期間に、ローマ郊外の墓地に葬られていたこのお二方の遺骸が、持ち込まれたて祭られたそうです。その際に、この場所に、チャペルが作られて、ビザンチン風のモザイクが施されたそうなんです。

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天上の楽園に咲き乱れる赤い花、そして、宝石がちりばめられた十字架、どれをとってもビザンチン・テイスト満載で、黄金の背景も含めて、好みのモザイクです。最もビザンチン風なのは、両聖人のお顔かもしれません。

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濃いですよね、フェリチアーノさん。
そしてプリモさんもまた、なんかある程度お年を召して、さらに色気プンプンのショーン・コネリータイプっていうか、または若ハゲが意外な色気になっているというか、笑。

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これらのモザイクは、確かにレリックを持ってきたからの記念に作られたのでしょうけれど、これだけのモザイク職人さんがいたのだから、そして、これだけ広い教会なんだし、もしかしたら、これ以外にもモザイクがあったのではないかなぁ、とも思えるんですが、今は他には痕跡すらなさそうで、壁装飾は、新しい時代の絵画とかにとってかわられてしまっています。

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毎回、必ずしも完全な形で見学できるわけではないので、やはりローマは、いつ行っても、何かしら発見があるのだと思います。この時の短い旅だけでも、修復中とかが複数あったわけで、漏れなく次回のお楽しみになるわけですから。

最後に、まぁ、わざわざではなく、ほぼ通り道なので、立ち寄ったのは、こちら。

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サン・クレメンテ教会Basilica di San Clementeです。

以前訪ねたとき、クリプタの一部のフレスコ画が修復中で、それが一番見たかったやつだったんで、もうさすがに終わっているだろうし、と期待して訪ねました。でもここって、上も下も、撮影厳禁なんですよねぇ。実は、こっそり、もう解禁になったのでは、という期待もあったんですよね。
しかし相変わらず厳禁。それも、見学者がかなり多くて、いつもにぎわっているので、隠し撮りも無理なんですよね。写真が撮れないと、結構悔しいので、一瞬ためらいましたが、というのも、クリプトは有料は、なんと10ユーロもするんです。

せこいですね。客観的に判断して、10ユーロは決して高いとは言えないんです。クリプタといっても、ここは、地下遺跡の体をなしているスペースで、ちょっと探検的な面白さも楽しめるし、フレスコ画もなかなかのものですし。でも、常に見学者が多くて、すごくアトラクション的な位置付けっていうんですかね。言ってみたら、人気のカタコンベに近いような、そういう施設になっている感じ。
だから、人の少ない場所に慣れている中世ファンにとっては、居心地が悪いし、やっぱり高いだろう、となってしまうんですね、多分。自分の心理を探ってみました、笑。

ちなみに、上物本堂の後陣、素敵な黄金モザイクがあるんですが、ここもまた修復中で、そのモザイクは、布で覆われていましたとさ。この年は、予算があっちでもこっちでも潤沢に降りてきたんですかね、バチカンから?

旅はここでおしまいです。
この後も、バスか何かに乗ろうと思いつつ、結局歩いてホテルに戻り、荷物を引き取って、列車に乗り込みました。
とにかくよく歩きました。当時は、今ほど日常的には歩いていませんでしたが、運動代わりのウォーキングを始めたころかもしれず、ミラノで、公園を目指すより、ローマの教会巡りは、ずっとずっと楽しくて、一石二鳥だな、という気持ちで歩いていたと思います。疲れはするのですが、多くの場合、バスなどに乗るよりは効率がよかったりするのも確かで。

というわけで、ローマ終了。お付き合いありがとうございました。
さて、次回はどちらにいきましょうかね?

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  1. 2021/10/07(木) 21:51:37|
  2. ローマの中世
  3. | コメント:0

ローマの映えスポットとマフィア考(サン・バルトロメオ、クレシェンツィ邸、サンティ・ジョバンニ・エ・パオロ教会)

2017年12月の週末旅行、ローマの古代から現代まで、その26

昔々、イタリアに来た当初は、ご多分に漏れず、ローマといえば帝国であり遺跡であったのは右に同じ、というところだったわけですが、そのころは、遺跡とか、いわゆる一般的な観光地を回るような散歩道を持っていたんです。ローマに行けば、大体その散歩道に沿って、ぶらぶらする、みたいな感じで。

中世を求めてローマに行くようになってからは、散歩道、というより今では修行道といった方が近い気がしますが、常々歩く道がずいぶんとかわりました。
そのうちの一つが、この辺りになります。

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左端の上の方にあるのが、サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会で、そこからかなり鋭角に右下に下がった橋の向かいが、アヴェンティーノの丘となります。結婚式ラッシュの教会群が並ぶところですね。
そして、すぐ右、テヴェレ川の中州が、テベリーナ島。

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この時の旅、12月でしたが、12月でこの青空。このところ曇天の続くミラノにいると、思わずうっとりです。冬の日差しにきらきらするローマもまた良いですねぇ。
この島、とても小さいけれど、ちゃんと建物が立ち並んでいて、そういえば、有名な産院などもあるはず。ローマっこの友人と散歩した時、彼女はそこで生まれたと言っていた気がします。グーグルで確認したら、今も健在でした。

で、ロマネスク的に見逃せない教会もあるんです。

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サン・バルトロメオ・アッリソラ教会Basilica si San Bartolomeo all’Isolaです。見た目は、例によってなんですが、そして唯一中世の遺構となっている鐘楼は引っ込んでいるし近寄れないなんですが、ここ、中に素敵な彫り物があるのですよ。必見。なので、ファサードに騙されず、絶対に入場して、ためらわずにずいずい後陣まで行ってくださいね。
と言いつつ、この時は時間の制約もあり、私は泣く泣く端折りました。時間に加えて、体力も結構きつくなっていて、橋から続くメインの道から、この小さな広場を横切って教会に入り、後陣まで行って、同じルートを戻る、というのが、とてつもなくきつい気がしちゃって。

ローマは、ミラノに比べると圧倒的に大きいですけれど、中心部は、意外と近いんですよ、どこも。教会も結構密集しているので、歩くのが一番効率よかったりするんです。でも、密集している地域ごとの間は、なるべく交通機関で移動していかないと、体力やられるんですよね、知らないうちに。
この時は、旅の終わりも近くて、ちょっとランナーズハイみたいな変なものが出ていたのもありつつ、体力すでに限界みたいな、あまり考える余裕もなく、ただ目的を目指して歩いていた感じですかね。

テヴェレ川に沿って南下して、そのまま行くと、真実の口に戻っちゃうよ、というあたりの右手、古そうな建物の残骸が。残骸って失礼ね、遺構が。

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クレシェンツィ邸Casa dei Crescenziです。

どうやら、中世に遡るお家のようです。この界隈は何度もかすっていますが、ついテヴェレ川沿いの道とか、または、この邸宅前の広い車道の反対側を通ったりしていたのかと思います。このお隣に神殿が立っていたり、その先は真実の口のあるサンタ・マリア・イン・コスメディンですから、どうしても、そっちに目が行ってしまっていたのかと思います。

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12世紀の塔をベースにして建てられたお家だそうです。2階建て、日本でいうところの3階建てですが、今は地上階とその上の一部が残っているのみ。

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12世紀に建てられたといっても、多くの装飾的なディテールは、ローマ時代などの他の建物からの転用だったりするらしく、上のなども、ビザンチン時代のものとされているようです。

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この、レンガの遊びのような柱頭とか、のこぎり文様でもなく、なんか花弁を無作為に突っ込んで並べました、みたいなフリーズとか、ある意味洗練されていないけど独創的な装飾は、面白いと思います。

さらに驚くことに、いや、イタリアでは普通なことだったりするわけですが、この建物、建築史研究所Centro di Studi per la Storia dell’Architetturaという施設になっているようで、現役です。

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建築史を形作る一端となっている建物の中で建築史を研究するって、なんかすごいな~。

それにしても、ここの写真でも気付きました。トップにあげたのは、グーグルさんからお借りした全体写真。ディテールは撮影していましたが、全体像撮影してなかった。ここも、全体を撮影できるまで、離れることがいやだったんだと思います。どんだけ体力削られていたんだろうか、と苦笑いです。
それなら、交通機関使えばいいのに、もう思考能力ゼロで、ただ、いつもの散歩道を行くことしか考えてません、笑。

せっせと歩いて、ここまで来た。ここも、中世を探すようになってから知った場所。

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クリヴォ・ディ・スカウロClivo di Scauro。
かっこいいですよね。今ならさしずめ、映えスポット、というところかな、笑。

この道、ローマ起源でとっても古いもので、ローマ時代には、すでにこのレンガのアーチがあったらしいです。

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ローマの建築技術って、ほんとすごいよね、感心します。
このアーチの連なりは、なんだかゾクゾクする。

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算数できないんで、ほんと分からないんだけどね、アーチ構造発見した人ってすごいよね。理論聞けば、ふーんって思うけど、それでもやっぱり、なんで崩れないの?としか思えないもんな~。

ここは、ローマのお家があって、今はCase Romane del Celioという博物館になっています。起源2世紀から4世紀の終わりまで、住居として使われていたもので、今はほとんどの部分が発掘されていて、立派な博物館のようです。入場料は8ユーロだったかな。先述と同じ理由で、入りませんでしたけど、笑。
写真で見ると、保存状態というか州風状態もよさそうなフレスコ画が結構残されているようで、構造的にもなかなか面白そうなドムスとなっていますね。12世紀のフレスコ画も一つでかめのがあるようだし、今後のいつか、是非訪ねてみたいと思います。

ローマは、中世に関しても、情報量が圧倒的に多いんですよね。腐ってもローマみたいなところがあって、ちょっとどうよ、と思うこともしばしば…。

この、ローマのお家の上に、今はどかん!と教会が建っております。

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サンティ・ジョバンニ・エ・パオロ教会Basilica di Santi Giovanni e Paoloです。

あら、今気付いたけど、ジョバンニとパオロって珍しくないですか。
1992年、マフィアに、立て続けに殺されたシチリアの判事二人のお名前ですね。お二人仲良しで、お二人そろってマフィアに恨まれており、すごい殺され方をしました。もうイタリアに住んでおりましたから、本当にショッキングな事件でした。考えたら、あれでマフィアは終わったというか、あの事件がきっけかとなって、一般市民の多くが立ち上がったんですよね。
それにしても、ジョヴァンニとパオロって。これまで考えたこともなかったけれど、お二人が、同時期にパレルモの同じ地域で生まれ育って、同じ職業について…という人生を考えると、兄弟聖人が彼の地に舞い降りたのか、とか思ってしまいました。お二人のことは、映画にもなっていますので、ご興味がある方は、是非見てみてください。

また得意の脱線…。笑。

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教会は4世紀終わりの創建。伝説では、聖人兄弟の住まいがあったところとされています(遺骸もここに埋葬されているようです)。起源が古いとそうなりがちではありますが、それにしても特についてない教会って感じの歴史で、まずは、410年アラリックのローマ略奪の際、破壊され、さらに442年の地震で打撃を受け、のちに1084年ノルマン人により略奪。次々と壊されて行って、きっと教会としては廃墟化していったのかもね。
12世紀になって、往時の法王パスクワーレ1世が、修復作業を指示し、その際にこの鐘楼及び、それまでにあったナルテックスに代わって、このポルティコが付けられたということです。重要な聖人が祭られているわけだから、崩壊はさえたくないよねー。
その後も多くの手が入りますけれど、時として、昔の姿を取り戻す修復なども行われた結果、今の外観となっているようです。全体に新しい感も漂うのですが、レンガ造りって、古くなっても結構そう見えなかったりするから、そういうこともあるのかと思います。

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でも、内部はもうすごいことになっていて、ローマが大好きなバロックキラキラで、これはもう戻しようもなかったんだろうな。
シャンデリアなんかもどかどか付けられちゃっていますね。このシャンデリアこれでもか状態って、ローマの他の教会(アラチェリが一番印象深い)でも見ましたが、なんでしょうね?
この教会、サイトがありましたが、このシャンデリアを点灯して、キラキラな内装が自慢、みたいな様子で、「結婚式どうでっしゃろ?やりまへんか?(なぜか関西弁風)」と強く勧めておりました。そういうことなんですかね。教会も冠婚葬祭は、商売の基本ですからね。

4世紀と起源も古いし、この立派さですから、もしかしたら、後陣とか、勝利のアーチに、素敵なモザイクがあったとしても不思議ではないですね。まぁ、地震でも崩落した可能性がありますけれど。

中世の遺構は、建物構造以外には、扉脇のこいつらくらいかな。

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入場者をチェックするというより、獲物をガシガシ食べるのを中断して、なんか呼んだ?みたいなホンワカムードの方、笑。

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こっちの方は、たてがみがすごい。

意識飛びつつ、修行ロード(散歩道からロードへ、笑)、続きます。

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  1. 2021/10/03(日) 12:04:15|
  2. ローマの中世
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最近の手仕事、ハンコ編、その1

先日、フオリサローネの記事内で、最近最もはまっている手仕事、ノート作りに言及しまして、そういえば、このところロマネスク関連の記事アップが遅れに遅れていることから、それ以外のことを書けてないよなぁ、としみじみ。もう四年くらいになりますか、消しゴムハンコにはまってから、一度は記事にしようと思いながら、なかなか実現できなかったんです。
そんなわけで、たまには、普段の記事からまったく離れて、手仕事のことなど、書いてみようと思います。

そもそもノート作りを始めたのは、ハンコからの流れです。
ハンコとは、消しゴムハンコ。なぜそれを始めたかは、これまた結構なストーリーがあるんですけれど、そこは割愛。ただ、趣味として始めたわけではなくて、諸事情から自分の名前ハンコが必要になり、買おうにも求めるようなものがなかったことから、芋版でやるか、いや待てよ、ゴム版とかないんだっけ、というようなことから始まったとだけ、しておきましょう。

いざ、普通の消しゴムとカッターでいい加減に彫ってみたところ、なかなかこれがはまるわけです、例によって。

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恥ずかしいですが、超初期のハンコ。なにを彫ろうかと思って、思いついたのが大好きなにゃんこでしたので、最初はにゃんこ単体で彫っていました。
線は太いし、そもそもサイズが大きいし、ヘタのすっごい手前の下手っていうんですか、ひどい…。

それでも、だんだん慣れてきたりして、今度は絵を作ることを覚えます。

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にゃんこのハンコと別に、ボールのハンコを作って、組み合わせると、なんか絵になる!簡単に言ってますが、この発想になるまで、結構かかっています。そもそも消しゴムハンコの世界、まだ知りませんでしたしね~。

とか言いながら、ロマネスクのアカウントを持っていたインスタグラムに、ハンコ用のアカウントも作って、そのあたりから、消しゴムハンコにはまった感じです。

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彫るのもヘタなら、押すのもヘタ、という二重苦ですが、この絵を作る、という作業は面白くて、いつも彫る絵図を考えていた感じ。
名前印もいれるようにしたら、さらにオリジナルの絵図っぽくなって、雰囲気が閉まることも発見。

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ちなみに、インスタグラムのアカウントをYuriaとしたので、そのYとなります。ユリアは、宮沢賢治の詩に出てくる動物の名前から取りました。

そうこうするうちに、テーマを作る方向に行って。
例えば和伝統文様。市松とか、矢羽根、麻の葉…。

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押し方も、色々考えて、工夫します。なんとなく物語ができそうな雰囲気をもとめて。

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消しゴムハンコの世界って、インスタグラムのアカウントを開いて、他の消しゴムハンコの人のギャラリーを見てわかったんですけど、目指すのはハンコそのもので、ハンコを販売して稼いでいる人の人口がすごい。ハンコ彫っている人の目標の多くが、「彫って売りたい」みたいな。まぁ、ギャラリー持っているのが、主にそういう人ということで、ただ趣味としてやっている人もいるんでしょうけどね。

わたしは、完全に趣味の人なので、目指す方向が全然違うし、人の彫り方動画とか見て、参考にはなっても、別に彫りを極めたいわけでも、売ろうと思っているわけでもないので、絵を作るようになってからは、どんどん違う方向に向かってきました。テーマが深まるばかり、というんですか。大げさですが、要はハンコで絵を、という方向で。

で、色々やっていく中で、なんちゃってアート系とか。

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なんちゃってモンドリアンとか。

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なんちゃってマチスとか。

これは、猫の次に選んだメイン・モチーフのペンギンとのコラボにつながっていきました。
ペンギンとの出会いも、ちょっとしたストーリーがあるんですけど、そこは端折りまして。

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あらやだ。
ノートまで全然たどり着かない…。

ハンコのインスタグラムも、貼っておきますね。
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  1. 2021/10/02(土) 16:54:30|
  2. 日曜大工、手芸
  3. | コメント:0

カルチョーフィ丸ごとはおいしいよね(ホテルとレストランの記録)

2017年12月の週末旅行、ローマの古代から現代まで、番外

ここらで、覚書として、ホテルとレストランのことを記しておこうと思います。
といっても、ローマは超の付く観光都市だから、いつだって適当なホテルは見つかるし、レストランも、最近ではとんでもない店は減ってるのではないかと思われるので、よほどの観光施設の近くでない限りは、あまり心配することもなさそうです。
修行旅に際しては、ホテルはまさに寝るためだけの場所なので、最低限のファシリティーがあればよく、できれば動くのに都合のより便利な場所が優先します。列車でアクセスする場合は、荷物をもっての移動を最小限にするために、テルミニ駅周辺が便利なので、この時も、定石通り、テルミニ近くのホテルに二泊しました。

Hotel Serena
Via Principe Amedeo 64, Roma

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ファシリティーの詳細をよく覚えていないのですが、こんな時代のかかった素敵なエレベーターを撮影していました。いいですよねぇ、こういうの。あまりに古すぎて手動感満載、逆になかなか壊れないんじゃないか、というタイプのやつ。

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窓からはこんな眺めだったので、3階とかですかね。
シングルで一泊税込み60ユーロ弱。朝ご飯は込みです。
朝ご飯は、比較的早めな7時半からでしたが、もう少し早くならないかお願いしたところ、「できるけど、有料になる」というんで、素直に、じゃあいいです、と引き下がったところ、「有料っていっても、これだけどね」と指でゼロマークを…。
そういう、どうでもいいおちゃめが隠せない、昔ながらのイタリアらしいホテルでした。

初日の夕食は、疲れていたこともあり、ホテルの目の前のレストランでいただいたのですが、今グーグルで検索してみたら、レストランの名前が変わっていました。
特に安くもなく(むしろ、内容に比して高いような気がしました)、おいしくもまずくもなく(野菜のグリルと羊)、でしたが、便利というだけで行ったので、文句もなく。

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野菜のグリルが、これで7ユーロは高いですよね?
きっと、だからお店、変わっちゃったんだろうな、笑。

次の日は、さすがにちょっと遠征して、といっても、トラステヴェレの方までわざわざ行く元気はなかったんで、いずれもホテル界隈ですが、とにかくお店の多い地域なんで、ぶらぶらとメニューを見ながら、迷いながら、最後に入った店は、確か地下に降りるようになっていたはず。

Alessio
Via del Viminale 2/g、Roma

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場所柄、観光客向けにもなっていますが、クオリティは悪くなかったし、サービスもよかったと思います。それなりに古い店みたいだし、グーグル上では、今もちゃんと営業しているようです、笑。
お値段は、安くはないですが、ローマでは、あまり安すぎるよりは、ある程度のお値段の方が、信用できるかも、という変な心理も働き…。
この、カルチョーフィ丸ごとは、ローマ名物なので、食べたかったやつ。正直、できは今一つでしたから、5.5ユーロは高いな。まぁ、ミラノにはないので、よし。

ちなみに、このレストラン、一人だからか、最奥部の狭い席に押し込められちゃったんですが、お隣が日本人ご夫婦でした。やはり日本人は文句なんか言わないだろう、ということで、そんな席に詰め込まれたのかもね。
一人でも、飲んでたら楽しくなるし、旅の記録付けるのに忙しいし、全然手持ち無沙汰にならないタイプなんですが、一期一会でおしゃべりするのは、これまた嫌いじゃないタイプなんで、お邪魔しすぎないように会話を楽しませていただいて、それも楽しかったです。

ここではセコンドにカジキマグロをいただいたと記してあるけれど、まったく覚えていない…。18ユーロしたとあるので、それなりのものだったのではないかな。それにしても、赤ワイン半リットル5ユーロが、「ネロ・ダヴォラっぽくて意外と美味しかった」とか酒のことは詳しく書いてあるというのに、我ながらあきれます。

最終日に、迷いネコのように教会に道草しながら、ランチ時間も押し迫った頃にトレステヴェレについて、以前行ったときに、それこそカルチョーフィが美味しかったレストランを探したんですが、さんざん探した後に、そのレストランは夜しか開いていないことが分かり、仕方なく、目に付いたレストランに入りました。

Trattoria La Casa Mia in Trastevere
Via della Renella 88/89 Roma

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ここは、どうやら同じ建物に、同じ名前のB&Bがあるようでした。
見た感じがかわいらしくて小ぎれいだったし、人込みざわざわ感がなかったのと、とにかく時間がすでにやばかったので、えいやっと入った後で、トリップアドバイザーとかで検索。そこで評価悪くても、どうしようもできないっていうのに、あほですよね、笑。
ちなみに、結構高評価でした。

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そういえば、食べてないな、と思って、アマトリチャーナいただきました。まるでナポリのように、かなりのアルデンテだったと記憶しています。
11ユーロで、レストランの値段としては高くはないけれど、リラの時代から考えるとやはり高いし、イタリアってレストランだと、パン代、ミネラルウォーターがかかって、実際のお会計は結構膨らんで、ランチでも15ユーロは確実に飛ぶので、なんかねぇ。あ、飲むからいかんのですな。

この時の旅では、初日は移動中だったから無理でしたけれど、二日目も三日目も、ちゃんとランチもいただいて、もちろん昼も夜もワイン付きな、リッチな食生活でした。

今年も、実は12月早々に五連休があるんですが、ローマもいいな、と今考えているんですが、でも、これだけ見てしまうと、行く場所あるんだっけ?地下ツアーでも、探してみましょうかね。

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インスタグラムに、これまでのロマネスク写真を徐々にアップしています。
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  1. 2021/10/02(土) 15:09:59|
  2. イタリアめし
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