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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

巡礼者の好みが気になる(ラ・セル・コンデ18 その2)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その115(ベリー、シェール)

ラ・セル・コンデLa Celle-Condeのサン・ドニ教会Eglise Saint-Denis、続きです。
外側も、ちゃんと見ていきたいと思います。

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ファサードですが、解像度の高い状態で見たら、上部の方が、ちょっとあげられている様子が見えます。上の写真でも、そういわれれば、うっすらと線が見えますよね。

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このような地味な観察が、一体誰に興味あるのだろうか、と思いつつ、笑、せっかく気付いたので…。
内部の天井は比較的近年に修復されたようですが、こういった建物のかさ上げ的なものは、古いものだと思うんだけど、でもなぜ?疑問しかないですね。平屋を二階建てにするとかだと、新しい建物に、古い建物の輪郭線が押し花みたいに残るっていうケースは結構あると思うけど、この程度の工事って、どういうことなんだろうね?

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扉周囲の柱頭は、ちょっとかわいいですよ。内部は、全体にシンプルでしたけど、ちゃんと石工さん、働いてたんだ~って嬉しくなる柱頭たち。

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これなんて、素朴極まれり!可愛さ悶絶級!
大げさですか?でも、植物なんかもこういったシンプルなやつって、逆にわくわくしちゃうんです、個人的には。
動物も、写実一切なし、何なら幼児のお絵かきレベルのヘタウマ、うっとりにっこりしちゃう。
でもさ、扉の内側部分など、装飾的な彫りなんかもちゃんとあったりしてねぇ。

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ここも、フリーズは丸太、というよりこれはかまぼこですかね。

扉の上にある軒持ち送りも、他の教会同様にサイズはこじんまり。ここでは保存状態がなかなかよろしくて、楽しい人たちが並んでいます。

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ガジガジ系が、かなり激しい。ガジガジされている人のアルカイック・スマイルみたいのが、怖いくらいでは。腕が見えるけど、それもやけに細かいけど、あれはガジガジしてる人の、だよね?

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こっちは美容室状態になってるガジガジ君、笑。髪の毛だけ引っ張るのは、なかなかの技。

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困ってるとか悩んでる風の人。
でも、確かこういうポーズって、悲しみの表現だったような。その割に、表情に悲しみがなくて、どっちかというと困ってるよね。

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この子は、ちょっと前に出てきた舌をぎゅってやってるにゃんこ同様舌をぎゅってやってるね。

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ファサードだけじゃなくて、側壁にも、軒持ち送りは並んでいて、ちょっとだけフィギュア系も残ってます。

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外側と、内部と、時代が違うのかな。
これだけ外にあるなら、クリプトの柱頭なども、もうちょっとフィギュア系行きたいよねってならなかったのが不思議。石工さんと折り合いがつかなかったのか、または、クリプトの方が、ある意味計算された予定通りのデザイン系っていうことだったのかな。でもさ、巡礼の人などは、ちょっと寓意のある柱頭の方が引き付けられたりとかあるんじゃないかとか思うのは、現代人の発想かね。

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  1. 2024/01/31(水) 13:00:12|
  2. サントル・ロマネスク 18-36-37-41-45
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あの聖人がここに?(ラ・セル・コンデ18 その1)

あの聖人がここに?(ラ・セル・コンデ18 その1)
2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その114(ベリー、シェール)

今さっき、書いていて気付いたのですが、この辺り、実はコロナ禍の2021年に、再び訪ねています。2021年の写真の整理がいつになるか分からないのですが、その時はその時で、またまとめていきたいと思っています。が、そういうわけで、若干記憶に混乱がありますが、2021年の訪問が色濃く残っている説が有力。いや年取ると、昔の記憶の方が鮮明で、というのもあるから、正直よく分からないのですが、複数の訪問の記憶が混じっている可能性大、ということ、一応記しておきましょう。

いずれにしても、本日の教会に関しては、印象が強かったので、2019年の記憶もしっかりある、と思っています、笑。

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ラ・セル・コンデLa Celle-Condeのサン・ドニ教会Eglise Saint-Denisです。

前回の記事で、道を間違えたことを書きましたが、結果的には返ってよかったんです。というのも、目的の教会は、村からずいぶん離れたところにあったのですよ。

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この頃は、基本ナビだけに頼って回っていて、この時もラ・セル・コンデの村を目指して走っていたんです。上の地図の、D69という田舎ののどかな一本道を南下してきたわけなんですが、怪しい後陣が見えたので、急停車して、手持ちの資料と比べて、あ、これだ!となったんです。

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トップのファサードも地味ですが、後陣も円筒のないぺったりタイプで、相当地味。ただ鐘楼が見えるし、この緑の中では目立ちますよね。それにしても、こういう、予期せぬ出会いっていうのはワクワクします。だからきっと印象が強かったんだと思います。

事前の情報では、毎日開いているような様子でしたが、入り口の扉には、「下記に連絡のこと、鍵守りさんの名前と電話番号、またはPont-Chauvetという村(2キロ)まで行って探してください」とありました。

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その時は、幸いにも開いていて、先客がカギを手配したのかもしれないと思いました。ガイドをしている様子だったので、事前に予約でもしていたのかな。
ちなみに、2021年の時はどうだったか確認しましたら、やはり開いていて、でも、張り紙の様子が違ったので、上の電話が今でも有効かは不明です(張り紙の内容まで見える写真を撮っていませんでした)。

入ってすぐ、その不思議な作りにびっくりです。

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古そうです。
まずはシンプルな解説を一気に載せてしまいましょう。

「当初はマッセイ修道院、その後アンシャン レジームの下で大聖堂の参事会に従属していたこの古い教区教会は、1844 年にコンド シュル アルノンが隣接するラ セルと合併された際に放棄されました。
長方形の平面図に基づいて建てられ、平らな後陣を備えたこの教会は、11 世紀末のものと思われるきめ細かい設計により建設された構造をしています。ファサードには 2 つのバットレスで支えられ、1 つの窓と、柱で支えられた一部タンパンがかけている扉が開けられています。欄間は両側のフリーズまで伸びています。
内部の身廊は、最近修復されたパネル張りの天井で覆われています。
壁にはいくつかのフレスコ画が描かれています。北壁には 16 世紀のものと思われる死の舞踏。
身廊は一段高くなった内陣で占められており、中央の階段からアクセスでき、クリプトの上に置かれる形となっています。地下室には 2 つの傾斜した側廊を通ってアクセスできます。
平面図は長方形で、トンネルヴォルトのあるこの寺院には、巡礼者の通行を可能にする柱の上に置かれた、サン ドニの石棺と思われるものを収容する 3 つの容器があります。」

まずは、ためらうことなくクリプトに突入です。クリプタ大好きですからね、笑。

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ミクロなトンネル状の通路を抜けた先に。

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背が低くて、11世紀だよね~という様子の空間が出現しました。しかし、柱は立派で、とてもしっかりしています。相当修復がなされているのだろうか。
床面は、ちょっと覚えていないのだけど、写真で見る限り、土がむき出しになっているみたい。
これは、もしかすると、他の建造物用に、床材はがされちゃったとか、ありそうですね。

ちなみに、サン・ドニの石棺云々という部分は、上の内陣にあるのかと思いましたが、クリプトにあったこれのことかしらね?

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サン・ドニって、フランスではなんとなくかなり信仰篤い印象がありますが、実際、パリの守護聖人なんですね。聖人辞典によれば、パリの最初の司教となっています。イタリアだとディオニージDionigiとなるようですが、実際生まれはイタリアではないかと。まだキリスト教が迫害されていた時代、当時の法王によって布教のためにガリア地方へ送られて、成功しちゃうがために、皇帝に目をつけられちゃって、おなじみの拷問…。首をちょん切られて殉教、となったようですな。それで、図像的には、自分の頭部を抱えている姿がよくあらわされるということで、あれ?それってサン・ドンニーノ?
他の同姓の聖人と混同もあったりするようで、信仰に拍車がかかったりということもあるようですが、いずれにしてもパリという大都会の司教だったと思うと、ミラノのサンタンブロージョ並みの影響力があっただろうということは推測できます。
とすると、その何らかのレリックがあったとすると?
この、小さな田舎の教会に?
うさん臭いですよね、笑。
いや、バカにするわけではないですけど、どう考えても、村人が騙されたんちゃうか、と思わざるを得ません。

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でも、そのレリックのために巡礼が集まったということなんでしょうね。この、二つのトンネル通路構造も、入り口と出口ということかと。ということは、レリックのために、作られたということになるのかあ。それだけ歴史があるのに、放棄されてしまったと。レリックは、もうとっくの昔にどこかに持ち去られててしまったということなんでしょうねぇ。

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上に持ち上がった内陣の部分は、さほど面白みはなくて、結構手が入ってしまっていますしね。
両脇に、こういうブラインド・アーチ構造がありました。

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上から本堂全体の眺め。

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今でも現役なのだろう、この長い梯子が、とても印象的でした。

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写真上げ過ぎたので、続きます。

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  1. 2024/01/30(火) 13:21:06|
  2. サントル・ロマネスク 18-36-37-41-45
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100%にゃんこ(モンルイ18)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その113(ベリー、シェール)

次の教会への移動で、なんか知らんが、思いっきり道を間違えたんですよね。
走りながら、あれ、ちょっと変だなって気付いて、多分、途中で止まって紙の地図を確認もしたんじゃないのかな。

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次の目的地は、左の方にあるLa Celle-Condeという村で、まずは西にまっすぐ、みたいな道(赤線)でよかったのに、なぜか北上してて(青線)。
今見ると、結果数分の違いだったみたいなんだけど、なんでしょうね、こういう間違いって。

ま、仕方ない。そのまま道なりになんかすればよさそう、というところで、通過しようとした村。こんな感じだったと思います。

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これだけ道端にあって、状況的にも車は停め放題。となると、やはり立ち寄るしかないですよ。というわけで、停車。

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モンルイMontlouisの教会です。名前は不明です、笑。

ここね、もちろんって感じで開いてなかったですが、かなり嬉しかったの。

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これこれ、にゃんこ!
猫は、モチーフとして使われることは実際少ないし、ライオン系と見分けがつかないことも多いから、確信的に100%猫!と特定できたことはないくらいだと思うんだけど、ここの子は、100%猫だと思えました。

ちょっと前の記事で、かわいくない猫がいたと思いますけど、実際に猫が使われていることから、さらに確信できるし、実際、これってどう見てもにゃんこですよね。

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下の方の植物の彫り物も、他の教会で説明があった、ベリー様式的なものだし、猫に釘付けで、他が疎かになってますけど、フリーズが丸太モチーフてんてんというのも、そうですよね。

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よく見たら、アーチの表面も、とてもシンプルな四角の模様が入っているの。渋くておしゃれシックな、東京風とでも言ったらよいのか、モノトーンのアルマーニ風とでも?

真ん中あたりでファサードを区分している帯には、サイズ小さ目の彫り物が並んでいるけど、辛うじてフィギュアの様子が分かるのは、端っこの二つくらいでした。

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こういう程度の遺構っていうのは、実際嫌になるくらいあるはずで、全部を訪ねることはできないのが現実なんだけど、そしてもちろん、全部見る必要なんかないんだけど、でも、こういう一期一会的な出会いって、すごくうれしくなります。
この趣味って、コレクター的な要素もあるから、そういうところでも達成感みたいなものもあるのかもね。

わざわざ調べて、見つからなくて、探して、それでもだめだったこともあるし、一方で、全然探してないし、ただ来ちゃったみたいなこういう出会いもあるし、なんというか、まるで人生のような…、笑、言い過ぎか。

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  1. 2024/01/29(月) 13:02:36|
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かわいい元三大師を思い出した(イヌイユ18 その2)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その112(ベリー、シェール)

イヌイユIneuilのサン・マルタン教会Eglise Saint-Martin、続きです。
外側を見ていきます。

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前回、内部から上の方に登ったのではないか、記憶が定かではないと書きましたが、上のような写真があって、翼廊の付け根にある小さな扉が写っていて、もしかしたら、登り口のあたりに、あの扉があったから撮影したのかもなぁ、とぼんやりと思ったりしています。
訪問時はサントル地域最後の日々で、なんとなく慌ただしかったのと、その日の夜は友人宅での宿泊だったことで、記録もいい加減なんですよねぇ。そもそも撮影もいい加減なんだから、なんでもちゃんと書いとかないと忘れちゃうんですけどねぇ。

さて、外側は、軒持ち送りにちょっと面白いやつらがいるので、わざわざ続きとしました。

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全体はかなりすっきりしていて、開口部周辺も、例のフリーズが横切っているくらいの装飾しかないんですよね。でも、軒持ち送りはぎっしりびっちり並んでいます。

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サイズは小さめで、一つ一つがシンプルな図像っていう様子。植物系、動物系、人系、内容は多岐に渡ります。なんせ数が多いよね。
こんなのもあった。

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石工のマーク?こんなところに珍しいな、と一瞬思ったんだけど、これ、もしかすると修復の印のR(小文字)だろうか?

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左の女性っぽいのは、若干現代っぽい感じもして、新しいもんかもねぇ。右の牛も、どうだろうか。でもかわいいからよし!

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顔とデザインが交互のパターン。
線が刻まれている顔って、時々あるけど、あれは何?髭?なんか、ジャミラみたいで怖いんだけど…。

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左の動物の舌、やばいよね。びろーんって、下に着いちゃってるもん。てか、付けなかったら、とっくの昔に破損してるはずだから、技術的にうまい発想だわ。
右の人は、巻物を銜えてるわけじゃないのよね。なんだろう。

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こういうのは好きだな~。ほんと楽しい。左のは、鉋屑かぁと思いきや、なんか変な顔が変なもん吐き出してる風だし、真ん中のは、魔除けの元三大師みたいで、かわいいっていうか味があるよね。
そういえば、日本の寺社にも彫り物が結構あるけど、魔除けとか厄除けとか、結構実用的な図像なんだよな。ロマネスク時代だって、もちろんそういう役割の、入り口辺りで入り待ち出待ち系ライオンちゃんとか、戒め系図像っていうのもあるけど、なんだか意味があるような無いようなわけの分からない図像が実に多いわけで、やっぱり独特の世界だよねぇ。

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(めっちゃ可愛い、実家近所の元三大師)

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髭をつかんでるおじいさん系は、色々バリエがあるよね。
この人は、横から見ると、足がちゃんとあるのが、やけにかわいらしい。
右のは沙悟浄かな、笑。

とまぁ、こんな感じで、外も楽しい教会でした。再訪のチャンスがありますように。

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  1. 2024/01/28(日) 13:15:24|
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エロイさん(イヌイユ18 その1)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その111(ベリー、シェール)

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イヌイユIneuilのサン・マルタン教会Eglise Saint-Martinです。
ここは、メリーにカギをお願いしないといけないらしい教会だったのだけど、まずは教会に着いたところ、メリーの場所は不明。で、教会脇の家の人がいたので、メリーの場所を訪ねたところ、「もしかして教会の見学ですか?」と向こうから聞いてくださり、そうだというと、それなら鍵は夫が管理してますから、というラッキーがありました。
教会のファサードに向かって、左側の家の一軒で、在宅なら快くカギを開けてくだあると思います。その上、簡単なガイドまでしてくださいました。

この教会、たたずまいの雰囲気や後人の装飾も見る価値はあるけれども、やはり入ってこそ、だと思うので、こうやってご近所に鍵があるのは有難いことです。

さっそく入場します。

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内部は、かなり白く塗られており、ありがちな、石積み風の赤線書き込みとか、赤で点々と描かれた星とか、一瞬引けるのは毎度のことですが、ちょっと古そうな柱頭の浮彫装飾などがありますから、実は楽しいこととなっています。

早速、簡潔に解説を。
「イヌイユの教会は、1115 年以来デオルス修道院に所有されている、美しい教会建築です。6 つの部分からなるリブを備えたアーチ型の身廊が 13 世紀のものである一方、素晴らしい後陣は11世紀ロマネスク様式の構造を保っています。側面のある中央後陣があり、その正面には 3 つの窓があり、側面にはトランセプトの 2 つの丸い小後陣があります。」

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「内部のトランセプトの交差点はペンデンティブの上に置かれたドームで覆われています。これらは、基部の正方形とドームの楕円形の間に、ベリーの他の場所で見られる突き出した隅迫持ちよりも、滑らかな移行を形成します。」

毎度、建築的な説明が好きだよね、おフランスの案内は。

では、柱頭を見ていきますが、まずはイチオシのやつ。

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これは、解説では、以下となっています。

「彫刻された柱頭の中には、ペンチとハンマーを持った人物が描かれており、伝承では、鍛冶屋を聖エロイとみなし、天使に伴われている図像と考えられています。」

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聖エロイって誰?というところですが、もともとは金細工師で、メロヴィング朝の王宮の金細工師になった人と出て来ました。その地位を利用して、当時キリスト教の普及に積極的に努め、最後はNoyonの司教に任命されたということです。
在職中に、王から自分のために、素晴らしい金細工の作品を作れという要請があります。エロイは、それに見事にこたえ、王は、望むものをなんでも取らせるぞ、と大満足。エロイは、それなら、国中の奴隷を全員解放してほしいと頼んだそうです。エロイは、生涯を通して、貧民や奴隷などの救済に努めた人だそうです。
また、もちろん聖人ですから奇跡は欠かせません。何でも、盲目の少年や、身体障碍の少女を治癒したことが記録されているそうです。奇跡の記録に関しては、キリスト教は熱心ですよね。あとね、神に祈って遺失物を見つけるのも得意技だったそうです、笑。その能力は非常にうらやましいですね。なくしたものが出てくるなら、いくらでもお祈りしちゃうぜ。
ま、そういう人なので、金銀細工や鍛冶職、鉄鋼なんかの守護聖人で、鍛冶とつながっているのか、馬の守護聖人でもあるそうです。

イタリアでは、あまり知名度が高くない聖人と思いましたら、やはりフランス地元系聖人みたいです。
でも、サン・マルタンに捧げられている教会で、エロイさんを彫っているのは、ちょっとよく分からないけれど、特にこの地域で特別に何かがあったようにも思えないしね。鍛冶職聖人って他にもいそうだしな…。

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他は、手元に解説がないので、ずらずらと載せますが、寓意がありそうな、そしてプリミティブな様子の彫り物が多いと思います。

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下のは、ツチノコみたいなやつに耳をかじられている副柱頭が、面白い。この図像って、イタリアのトスカーナの田舎の小さな教会(コルトーナだったかな)を思い出しました。あっちの方が百倍かわいいけど。
それにしても、嚙まれている人の割れ顎がすごい。なんか、フランス人って割れ顎が多いのかもしれないとか思ったり。もしかしてフランク族系かな?

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鍵守りの人が、ここから上に登れますよ、とか言ってくれたような記憶があるような無いような。

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翼廊のあたりに、小さい扉があって、登っていいですよ、とか言われたような…。でも、写真がないから他の教会だったかもしれないし、ちょっと記憶が曖昧です。ただ、登った先は物置みたいになっていたような気がしますから、それで撮影もしてないのかもしれないし、はてさて、どうだったでしょうかねぇ。
いずれにしても、こういう場所は、たとえ開いていても、ちょっと勇気がいりますよね、入り込むのは。

写真が増えちゃったんで、続きます。

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  1. 2024/01/27(土) 16:26:58|
  2. サントル・ロマネスク 18-36-37-41-45
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正確な継ぎ目(ヴリュエール・アリシャン18)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その110(ベリー、シェール)

次に向かった村、ヴリュエール・アリシャンBruere-Allichamps、事前に二つのサイトをピックアップしていました。
一つは修道院Abbaye de Noirlacで、後代の手が入っている様子や、現在は展覧会場となっている様子だったのもあり、この時は端折って、もう一つの教会を訪ねました。

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ヴリュエール・アリシャンのサンテティエンヌ修道院教会Prieure Saint-Etienne d’Allichampsです(2019年当時は、5月から9月まで、水曜から日曜の14時半から18時半にオープン)。ここも、今は展覧会場として使われており、すでに教会機能はないようです。

私が訪ねたのは月曜日だったので、残念ながらクローズでした。
それにしても、なんという田舎ぶり。

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さっそく解説をちょこっと。

「ノワラック修道院の近くに、かつてはプレンピエの修道院に属していた小さな分院であるアリシャンの修道院がありました。12 世紀半ばの小さな建物で、十字型プランに基づいて建てられています。ファサードには古代の石が再利用されており、それらは、寺院からのものではないにしても、古代墓地ネクロポリスにあったものではあると考えられます。
革命中に放棄されたこの教会は、その保存に専念する協会の世話によって生き延びました。」

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今でも何もない土地にポツンとあるんですが、おそらく当時もそうだったと想像します。まっすぐの道があるってことは、邪魔するものがなかったってことだよね。
修道院跡みたいな建物が、その後に修復されて、農家かなんかに使われているのかな、そういう建物が二つくらい近くにありましたが、それだけです。革命で放棄された後、よく残ったな、という状態です。
教会は小さいですが、修道院の教会だっただけに、礼拝堂規模ではなくちゃんと教会で、そして、装飾的なアイテムが結構あるんです。おそらく部分できな修復はされたのでしょうけれど、それもよく残ったもんだ、と感心します。
革命時も、こんな田舎の教会を、わざわざ荒らしに来る人もいなかったかもね、幸いかな、です。

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全体に傷みがありますが、好ましいフォルムの後陣。ボリューム感も、好みのレベルですねx。そして、軒下、びっしりです。

注目しておくことは、後陣では、例の横走りのフリーズ、ちゃんと装飾的になっている様子ですかね。ファサードのトップと同じ、丸太並べです。
それにしても、ここの切り石の整然とした並び、ちょっとうっとりしますね。私の好きなアイテムである付け柱まで、びっくりするくらいに整然としています。

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こういう視点って、現場ではなかなか持てないので、あえて、マニアックな一枚、アップしておきますけど、石の継ぎ目がね、柱の上から下まで、ほぼきっちり同じ線になってるじゃん、ということ。
他でもきっとこうなんだろうけれど、おそらく注目してこなかったのではないかと思って。

なんかね、こっちって、柄を合わせる、とかに関して、割と無頓着。結構なお高い洋服でも、脇の縫い目で、私だったらこうする、みたいな柄合わせがなかったりするんだよ。それで驚いたことが結構あるんで、今、この柱に注目しちゃった。
そういえば、修行を始めたことは、目が新鮮だったことや、現場では何を見たらいいのかよく分かってないこともあって、石積みの様子とかって、今よりもずっと見ていたような気がします。
古代やローマ、日本の江戸時代とか、いずれの時代の石積みにも感心するんだけど、中世の面白さは、こういう整然とした切り石もあれば、レンガや川石混ざりとか、バリエが多いことになるのかな。いつも整然切り石積みってわけじゃないから、こうやって、当たり前のような切り石に、時々感心する、みたいな。
書いてて、あ、これが病気か、と今痛切に感じましたわ、笑。

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早速、モジリアニ系、出ました!
しかし、この教会のたたずまい、もしかすると廃墟ラバー系にもはまるやつかもね。

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修験者的耳なし芳一感満載に、すごい目力の坊さん風、そして、頭からガジガジされている人、小さいのに細かく彫っていて、局部まで残っているのはすごいわ。

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下のも、かなりモジリアニ。

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装飾的なフリーズの彫りも、なかなかに素晴らしいし、なんせ、人物フィギュアなどの保存状態、いいよね。

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ちなみに、グーグルで内部の様子をちょっと見ることが出来ました。

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これは後陣から西を見た眺めですが、両脇にベリー風の小さなアーチがあるので、もともとは三身廊だった可能性もありますね。内陣部分以外は、一旦すべて崩れちゃったのかと想像します。
革命で放棄されると同時に、きっと破壊され、自然のままに朽ちたのを、きっと地元の有志が、多目的スペースとして復活させたというところでしょう。
解説で、古代ネクロポリにあった墓碑などを再利用しているとありましたから、おそらくそういう土地だっただろうに、なぜ墓地としての活用がなくなったのか、というのはちょっと不思議。墓地があれば、教会も存続できたと思うしね。市外から離れ過ぎていたか、もしかすると同じ地域にNoirlac修道院ができたことも関係しているのかもね。

実は、今更、なぜ、Noirlacの方も行かなかったのか?と後悔しています、笑。


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  1. 2024/01/22(月) 13:51:46|
  2. サントル・ロマネスク 18-36-37-41-45
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のどの痛みには…(ラ・セル18 その2)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その109(ベリー、シェール)

ラ・セルLa Cellのサン・ブレーズ教会Eglise Saint-Blaiseで(毎日8時から18時半)続きです。
今回は、外観をさらりと。

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前回、後陣側からの美しいたたずまいをアップしましたが、ファサードは、このように簡素なものです。

真ん中あたりの左右に、とても唐突な様子で、浮彫があるのと、全体のバランスから言って、小さ過ぎね?といったボリューム感の軒持ち送りがあるくらい。
上部左右にある開口部が、ここでは丸窓ではなくて、普通のアーチを持った窓ですね。

地域の他の教会では、この開口部のアーチとか、全体を横に走るフリーズを装飾的にしていたところも多かったように思いますが、ここでは、単にフリーズ。トップの縁取りが、丸太モチーフというのか、一人市松というのか、単純に点線的な、笑、そういう装飾が施されているだけです。でもさ、ここにやるなら、他のフリーズもやった方がバランス取れてかわいいような気がするんだけど、あくまですっきりくっきりが、棟梁の意向だったんですかね。

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さて、「唐突な浮彫」と書きましたが、なぜかというと。

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向かって左。剣闘士らしき二名が戦いの最中で、下には軒持ち送りにあった風な、ちょいと間抜け面した草食動物がにょきっと突き出ていて、そのお隣には、ツボに前足を突っ込んでいる牛らしきやつ。

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向かって右はこれで、こちらも、二人の男が、鬼の形相で戦ってる風の浮彫。

左のは、結構プリミティブな様子もあるので、例によって、異教時代の浮彫を貼ってるのかな、という風にも思えるのだけど、右側のは、中世的ではある。浮彫の中には、字も彫られていて、ラテン語なんだろうか、「Troto Ardus熱い瞬間」みたいに読めるんだけど、不明。
編に長い腕だったり、既定のスペースに収めるためのデフォルメだったり、あらゆる隙間に、何か意味不明にしか見えないけどおそらく寓意だったり何かしらの意味があるんだろうと思われる動物や小道具が詰め込まれたり、というのは非常にロマネスク的に感じるのですが、頭部だけ浮いているように見えます。でも、頭部だけ挿げ替えるというのも、ちょっと違うかなとも思うので、そういうものなんですかね。

いずれにしても、ファサードに戦う人たち二連発、というのは、ちょっと意味が分からないです。

扉の上の軒持ち送り、全体を見ると小さくて、ディテールを見逃しそうなくらいなんですが、実はかなり装飾的に凝っています。

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銜えてる系の動物がずらりと並び、フリーズにも華やかな装飾的浮彫があります。

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歯並びも麗しい二人組。オムレツなのか、おしぼりなのか、単なる巻物なのか…、笑。ちょいと嬉しそうに、飼い主に差し出すワンコ系の表情ですよね。

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ここちゃう!と思わず引き返しそうになるバットレスの印象が強烈な側壁にも、よく見ると小さめの軒持ち送り浮彫がずらりと並んでいるんです。

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おなじみのような人たちがずらり。楽しいですよね。

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オーヴェルニュの鉋屑バリエでもあるんですね。場所的には、もうオーヴェルニュ近い地域ですからね。

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内部でも、場所に寄ってはすでに明らかにゴシック時代入っている柱頭などもあったのですが、外側でも同様で、いくつかの柱頭はもうロマネスクではなかった感じです。

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最後に、ちょっとだけ、解説にあった蘊蓄を記しておきます。

「聖ブレイズはアルメニア人の司教兼医師で、4世紀に斬首されましたが、その崇拝は中世に西​​洋に広く広まりました。彼は デオルス修道院に属する修道院長として、1115 年に言及された教会の守護者です。
内陣は 1100 年頃に建てられ、身廊もその直後に建てられたようです。ベリーで非常に人気のある階段状の礼拝堂は、後陣に最も美しい効果をもたらすボリュームを与えています。ファサードには、門の上にある 2 組の粗削りな闘士と軒持ち送りモディリオンを除いて、何の装飾もありません。
内部では、身廊の暗闇と後陣に拡散する 3 つの大きな窓からの光との間の強いコントラストが見られます。」

聖ブレーズという聖人も、あまり聞かないと思い、ちょいと調べてみたら、なんとイタリア語ではサン・ビアージョSan Biagio、かなり知名度の高い聖人でした。もう、これだから、欧州は厄介です。国が変わると固有名詞が分からなくなる、笑。

サン・ビアージョ、特にこの時期、ちらちらよぎる名前なんですよ。彼の祝日は2月3日、ミラノではその日に、余ったクリスマスのお菓子であるパネットーネを食べるという習慣があるんです。これね、日本の、バレンタインのお返しのホワイトディみたいに、お菓子業界がでっち上げたお話と思っていましたが、今回検索すると、意外とちゃんといわれみたいのがあって、失礼しましたって感じ。いや、それもこじつけがもっともらしくなった可能性はあるけどね、笑。

聖人辞典によれば、得意分野、というのも変ですが、のどの痛みを治すことらしいです。今の季節、サン・ビアージョさん、いや、サン・ブレーズさんにお祈りしとくとよいかもしれませんねぇ。

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  1. 2024/01/20(土) 13:47:44|
  2. サントル・ロマネスク 18-36-37-41-45
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差別化かコストか?(ラ・セル18)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その108(ベリー、シェール)

当初のルートに従って、次はこちらとなります。

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ラ・セルLa Cellのサン・ブレーズ教会Eglise Saint-Blaise(毎日8時から18時半)。

トップに置くにはふさわしくない一枚かもしれませんが、今後訪ねた人が驚かないように、という配慮です、笑。このバットレス構造見たら、間違った!と思いかねないですよねぇ。

手持ちのベリー簡易解説パンフレットにも、とても簡易なのに、わざわざこのように記してあるくらいです。

「道路に沿って走る広場の上に設置された頑丈なフライングバットレスは、教会を地面に固定しているようにも見え、建物本来の構造に反するようなゴシック様式の外観を与えています。実際は、シェールで最も美しいロマネスク様式の記念碑の 1 つです。」

ベリー地方は結構親切で、簡易解説をネットからダウンロードできることは、このシリーズ当初に言及したと思います。なので、どんな小さな教会も、ちょっとした情報は出ているのですが、ここ二回ほど、横着して、読まずに記事を書きました。プレンピエで、読み過ぎて疲れちゃったんですけども、笑、このところ、結構きちんと解説などに目を通して書くことに慣れていたので、実は好き勝手に書いているだけだと物足りない気持ちになっちゃって…。
なんせフランス語だから、読むのは時間もかかるし、自動翻訳だと専門用語などはきちんと訳されないことも多いから、イタリア語変換を経て日本語、とか、結局紙の辞書に頼って翻訳、とかね、大変なのよねぇ。
でも、そういう反復作業的なことって、癖になると、癖になるみたいですねぇ。勉強は好きだったことないのに、不思議なもんですね。

脱線終了、笑。

でも、あの連続バットレスで、それでいて最も美しいと言われても…、と思うと思うんで、これ!

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おお、確かに美しいたたずまいです。
ちなみに、堂々と風景を邪魔しているのは、俺のクルマだと思います。なんでそこに停める、オレよ…。

ここは、事前情報通りに、ちゃんと開いていたので、まずは入場しましょう。

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背が高い三身廊構造です。この教会の見所は柱頭とあっただけあって、なんだか沢山あります。

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特に、内陣に並ぶ柱頭は、背も低いしでかいし、かなり迫力があります。

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ディテールは、再建なんかも混じっているのか、ちょっと傷みが目立つものと、やけに新しい風のがありました。

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葉っぱから、人がにょきっと突き出してるモチーフ、読みこんだプレンピエに解説があったよね。ここにも複数ありました。これはモジリアニ感がないけど、モジリアニもありましたよ。

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これなどは、古いまま、あまり手を加えていない状態です。
下の方にあるのは水草モチーフかな。この、ぐるりと植物取り巻き、多様してますね。水草っていうのもキーワードだったんだけど、プレンピエの解説、端折っちゃったかもしれないな。

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身廊の方では、柱頭の様子がちょっと違います。
上と同じ鳥のモチーフ。

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首くねくねは同じだけど、全体にシンプルで、なんといっても上部しか使ってないのがね、すっきり。
場所があるのに、上だけしか使ってないっていうのが、身廊の柱頭装飾なのよ。なんで?

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こんなん、ぎちぎちに彫るだろ?

例えばこれ、人の顔なんかが彫られているやつで、これも上部だけ使ってて、でもまぁ、こういうデザインはあるかな、と思うでしょ。

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でも、内陣のでかくて同じようなモチーフのやつは、めっちゃ下の方も彫りこんでる。

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手も違ったりはするだろうけども、これは身廊と内陣の差別化なんだろうか。
それとも、植物専門の石工さんが、身廊までは無理、となったか。あ、コストの関係で、発注側が、身廊は植物ぐるぐるいいですから、ちょっとまかりまへんか、とかあったかのしれないし。
まぁ、一番が正解かな。

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ベリー様式ともされる左右の細い身廊。
これは、なんか秘密基地っていうか、洞窟感っていうか、こもり感があって、好きだな。フランスは、ベリーニかかわらず、この構造あるよね。イタリアではないと思います。こんな幅なら一身廊になっちゃうんじゃないのかな。

ただ解説によれば、この身廊を支える必要もあっての、ゴシック感満載の外付けバットレスとありました。構造的に難しいのでしょうか。

続きます。

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  1. 2024/01/19(金) 13:23:02|
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当時の村人だったら面白い(ジュシー・シャンパーニュ18)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その107(ベリー、シェール)

次ですが、本当は、別の目的地を目指していたのですが、通過する村だったので、立ち寄ってみた教会です。立ち寄るっていうか、ほんと、通り道だったんで、そうなると、止まらざるを得ないですよね。駐車し放題、みたいな田舎の村だしさ。

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右上が、前回、パン屋のバカンスで入れなかった教会のアヴォール、そして、左下のラ・セルを目指す途中です。
まずは教会正面が垣間見えるような感じで走行して、すぐ脇を通って、教会裏手に駐車して、裏側からのアクセスとなりました。

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ジュシー・シャンパーニュJussy-Champagneのサンタンドル教会Eglise Saint-Andreです(鍵はメリー)。

ちょっと見た目、面白くもなさそうだけど、レンガっぽい部分が気になりますよね、なりませんか?笑。

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一見、レンガに見える色合いですが、どうやら鉄分の多い石みたいです。オリジナルは、きっと全体がこの石だったのでは…。とすると、相当目立っていたかもね。そして、レンガの少ない地域では、ちょっと珍しい様子だったかもね。
今も、開けた場所にポツンと立っているから、全体にこの色だったら、インパクトが全然違うと思います。

事前のメモでは、見所はファサードとあったので、クローズでも構わないと思いましたが、これが、外側だけでも十分楽しいのは、嬉しい発見でした。

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地味な、土壁みたいになっちゃってる側壁だけど、軒持ち送りがずらり。建物に比して、サイズ小さ目だけど、ちょっと面白いのが並んでます。

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こーゆーおっさん、いそうだよね?っていうおっさん系顔面ずらり、笑。

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そして、まさかのダブルおっさん!!!

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これ、微妙に違うけど、めっちゃ血つながってるよね、というやつで、そして、みんな口が開いてるっていうのが共通するんだよね。何か言いたいのか。
全体に顔立ちの傾向も似てて、もしかして、そこらの村人をモデルにしたか?疑惑も…。

この人たちは、南壁なんだけど、反対側には、ちょっと違うタイプの人もいらした。

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ちょいと、鬼入ってますか?的な人。トラのパンツが似合いそうじゃなくて?
口をぎゅっと堅く結んで、あまり楽しそうじゃない人は、後陣にもいて、どうも南壁のだらーん、とした感じの村人たちとはちょっと違うっていうか。

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そしてファサード。

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ここも、サントンジュ風といってよいよね。
真っ先に、トップにある十字架に気付きますよね。前回と同じタイプの十字架がはめ込まれています。

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ここでも、古典的な組紐や市松モチーフを腕にした十字架で、真ん中の神の子羊ちゃんの保存状態は良好。子羊ちゃんと囲む組紐の円が、とても美しいですよね。
そして、羊の毛や尻尾まで、とても丹念に細かく彫られていて、びっくりします。

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中段のブラインド・アーチのアーチに囲まれたタンパンのような部分には、それぞれフィギュアが彫られています。ちょっと傷んでいるけれども、なんか逸話の絵物語風です。

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そして扉の周囲にも、多くの彫り物で飾られています。
扉を囲むアーキボルトは、やはり前回のアヴォールの教会と似ていて、地味な装飾ですけれど。

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この、星の王子様の蛇みたいになっているやつ、好き~。
でも、耳があるから、蛇じゃなくてツチノコかな、の分けないし、笑。それにしてもなんでしょう。抱き合ってるし…。

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なんと、柱の足元にも、ぐにゅっと絡まっている人たちが…。

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なんですかねぇ。もうこうなると、私なんて、少ない知識と想像力を駆使しても、まったく特定できません。中世の石工さんには、ほんと敵わないわ。

ちなみに、ここも鍵穴から、ちょっとだけ中が見えたのだけど、面白そうな様子はなかったので、無事、得意の「酸っぱい葡萄」理論で、外側だけで満足して、心穏やかに先に進みました、笑。

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  1. 2024/01/18(木) 13:22:57|
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  3. | コメント:0

年中無休のはずのパン屋のくせに~(アヴォール18)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その106(ベリー、シェール)

次に訪ねたのは、アヴォールAvordのサンテューグ教会Eglise Saint-Huguesです。

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ここは、教会前にあるパン屋さんがカギを持っているということで、パン屋さんのお休みの水曜日さえ避ければ問題ないと思っていたんです。フランスって、どんな時でもパン屋さんだけは開いてるもんな。
ところが…。

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到着したのは、13時、ちょうど昼時ではあったんですが、これは、どう見ても昼休みで閉めている、という状態ではない!
近所の家から出てきたおばちゃんに聞いてみると、「たぶんバカンスじゃないかしら~」と愛想なく突き放すように言われてしまいましたとさ。
一応メリーにも行ってみたのだけど、そしてその日は14時から開くとあったのだけど、すでに手持ちのものでランチも済ましてしまったし、1時間待ったからと言って、必ず鍵があるとは限らないので、ここはあっさりと引き下がることにしました。

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外側だけでも、一所懸命見ます。
ちょっとサントンジュが入っている風のファサードには、ここでも左右対称に丸窓が開いていますね。そして、素敵な巨大十字架が真ん中にあります。これは珍しい。

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十字架は、組紐モチーフで腕が装飾されて、中央部には神の子羊ちゃんがいるんです。組紐モチーフも相まって、古代風な様子が、なかなかよろしいわ。地味だけども。

古いと言えば、正面扉の両側に、とても大事にカバーまでかけられた石棺が二つ、安置されていて、これまたびっくり。

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こういう石棺って、掘れば出て来ちゃうレベルのものじゃね?場所によっては余ってね?くらいに思っちゃったんですが、外とはいえ、これだけ大切に展示されているっていうことは、何か大事ないわれがあるんでしょうよねぇ。書いとけよ、って話だけどさ。

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扉周りも、基本地味な作りでしたが、左側に、なぜか一つだけ、浮彫がポツンと。

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なんか、かわいい!
モニター画面とかを掃除する、周りにライオンみたいなふさふさつけてかわいくしているダスキンとか布モップみたいなやつだよね!笑。
立派な髭を蓄えたおじさんってとこですかね。
過去の経験からして、これは異教時代の彫り物で、墓石だったり別のところの石材を再利用したとかそういうことだろうと推測しますが、どうでしょうか。

で、久しぶりに鍵穴撮影に挑戦。

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内部が光であふれていて、その逆光でうまくいかなかったけど…、そのためにここに来た、フレスコ画、うっすらと見える…。残念ですね。なんとなく、うっすらの中に、自分の好物系なんじゃないかという匂いを感じます。

改めて、扉周り。

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三重にアーキボルトが取り巻いていて、地味ながら、一番内輪の石は、ちょっと細工してあるところが憎い。超絶地味だけど、奥ゆかしくて品のある装飾、と言えるかもね。
上の方には、持ち送りがあって、彫り物が見えます。

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でも、石色が暗いのと、結構傷んじゃっているから、あまりよく分からなくなっちゃってるのは残念。人や動物の頭部だったりするみたい。ここにも、プリミティブな様子が垣間見える気がするけど、どの程度古いのかは不明。

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後ろ側も回り込んでみたけど、円筒形じゃないタイプの後陣で、無装飾。面白さはなし、でこれまた残念。
滞在時間で一番使ったのは、パン屋の観察と、教会からメリーの往復だったかもね、笑。

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  1. 2024/01/16(火) 13:49:04|
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