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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

珍しく観光です。(ピュイ・ド・ドーム63)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、番外編(オーヴェルニュ、ピュイ・ド・ドーム)

在フランスの同病仲間とアリエ県を一日回った後、今度は、同じオーヴェルニュ内でも、ちょっと行きにくい場所に一泊二日で行こう、という企画です。
これについても、仲間が調べて、企画してくださったので私はついていくだけ。現地語ができる添乗員付きのツアーみたいなもので、実にありがたいことでした。

そして行きがけに、せっかくだからオーベルニュの誇る(数少ない)世界遺産を、ということで、珍しく観光をしましたので、今回は番外編となります。

それがどこかというと。

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日本でもおなじみと思いますが、フランス産のミネラルウォーター、ヴォルヴィック。そのラベルに使われている緑の山、変な形、と思った方もいるのでは。っていうか、こういうラベルの絵なんて、あまり気にしないですよね、笑。
実は、このヴォルヴィックの水を産するのが、ユネスコの世界遺産となっている休火山密集地帯シェンヌ・デ・ピュイChaine-des-Puysなんです。

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世界遺産認定を受けるために、電車または徒歩でしかアクセスできないようなシステムを作ったそうで、上の地図のPanoramic Domesというところから、登山電車のようなもので、左側のピュイ・ド・ドームまでアクセスし、周囲の風景を楽しむ、という施設になっています。何もない場所に、いきなり巨大な駐車場が出現して、え、って感じです。

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夏休み真っ最中でしたから、沢山の観光客でにぎわっていました。往復15.10ユーロの電車で、いきなり修行を忘れ、観光気分全開になりました、笑。

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到着!
ピュイ・ド・ドームの天辺を回るように遊歩道が整えられています。360度パノラマを楽しめるのですが、この時は強風で、結構大変でした。
とはいえ、眺めは本当に素晴らしいですよ。

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羊が沢山。
お天気が良かったし、強風だったし、この日の視界は素晴らしかったと思います。遠く、アリエ県まで見ることが出来るようでした。と言っても、なかなか見分けられやしないですよねぇ。
北部だと、50キロほども離れたアリエ県の町まで見えていたようですよ。
このピュイ・ド・ドームは標高1465メートルと、それなりに高く、周囲も凸凹しているわけですが、それ以外は全体にぺったんこ、ということですよね。

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ヴォルヴィックのラベルの火口は、多分これだと思うんですけどね。

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この一帯に、なんと80もの火山があり、その多くが休火山ということなので、活動再開したら、地球最後の日みたいになっちゃうのかな。でも、そんな様子はつゆほども見えない、のどかな自然が広がっていて、オーヴェルニュらしいところです。

そして、なんか遺跡まであります。

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火山が活動してたのは、9万5千年から8千年とかまでということだから、人が出現してからは、もうこういう土地だったはず。小高い丘で、周囲をに渡せてッて、いかにも神殿にうってつけのロケーションですよね。ということで、これは異教時代のもののようです。「マーキュリーの神殿」とありました。
神殿があるということは、周囲に定住もあったんでしょうけど、今はなーんにもない一帯です。もしかして、火山が活動した時代とかあったのかな。

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観光の後は、ピュイ・ド・ドームが見える木陰を探して、手作りランチをいただきました。

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フランスの自然世界遺産を眺めながら、そぼろ弁当を喫する。なんという贅沢なことでしたでしょう。

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テーマ:フランス - ジャンル:海外情報

  1. 2024/02/28(水) 17:04:58|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
  3. | コメント:2

エニグマ全開(イッズ03)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その126(オーヴェルニュ、アリエ)

オーヴェルニュはアリエ県の一日、最後の訪問地はこちら。

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イッズHydsのサン・マルタン教会Eglise Saint-Martinです。

見ての通りの、小さな教会で、現地には何らの案内もなく、教会の名前すら、今検索したくらいです。
以前にも書いたことがありますが、フランスでは、結構「村の教会」程度の認識の教会が多いですよね。教会は、基本誰か氏らの聖人に捧げられているわけで、イタリアでは、例えばカテドラル=ドゥオモの場合は、「ミラノのドゥオモ」みたいに呼ばれるのが普通で、聖人名は認識されていなかったりしますけれど(ん?誰に捧げられてるんだっけ?)、村の教会でそれはないから、フランスの聖人無視の現実は、毎度不思議に思います。

それで検索したところ、唯一目に付いたのは、「ベリー様式のロマネスク教会」というくらいで、語りたいような蘊蓄はほぼ出てこなかったので、今回はさらりと行きます。さらりと、でも、見るべきが詰まっているチャーミングな宝石箱ですよ。

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ファサード側は、後代の増築と思われます。外も中も新しくて、つるりとしてますよね。おそらく、トップの写真の側壁で、軒持ち送りが並んでいるあたりだけが、オリジナルの建物だったのでは。

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その、オリジナルであろう後陣側は、中も外も古さが伝わってくる様子です。中の柱なんかの様子からは、11世紀とか、そういう感じ。

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クリプトなどにありそうな、こういう不安定な、下駄ばき系の柱、そそられますわ~。
そして、やはりいかにも古そうな柱頭があるんです!かわいいんです!好物ど真ん中です!

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ベリー様式ということで、身廊と内陣の仕切り部分、一身廊にもかかわらず、中央部の通路の両脇に小さい通路がありますね。物覚えの悪い私ですが、これはベリー様式でしたよね?
この先に、かわいい柱頭がいくつかあります。

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卵黄でつやつやしたデニッシュ系ですかね。何なら間にレーズンが入っているようなやつ、笑。素朴極まれりの可愛さです。

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なんだろう?道祖神みたいな三人組。すこうしだけ、彩色が遺っているようにも見えますね。しかしこれ、どういう三人でしょうか。それぞれ、手が特徴的に彫られています。そして、柱頭の基部にかかるように彫られている、小さなあんよ…、ラブ。上部に並んでいる算盤玉みたいなものすらいとおしく感じちゃうわ。

暗かったので、同行者の強烈ライトを当てざるを得ず、光の効果も出ちゃって、ちょっと分かりにくいですけど、お顔もシンプルながらしっかりと彫られていて、下からの明かりのせいなのか、うっすらとほほ笑んでいますね。

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左側には、鳥がいます。
そして右側には、植物なのか、または幾何学モチーフなのか。

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そして、これまた不思議な…。

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全体に、異教時代の浮彫という印象も感じるのだけど、柱頭だから、それはないはず。
この二人は、性器から言うと、男女に見えるから、こじつければアダムとイブ。ってか、知識なし、想像力貧弱な私には、無理です。
でも、ここでも手が強調されてるよね。なんか異教の彫り物で、手が強調されているやつ見たことあるもんで、それに引っ張られてるのね。
ここでは、算盤玉じゃなくて縄目が使われているけど、これまた古い意匠だよね。

で、左側は、この縄目模様からつながって、得体のしれないなみなみモチーフが全体に。

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これは斬新。王蟲系とも考えられるし、波?

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右側には、ここでも鳥がいますが、道具みたいなものもあって、絶対意味があるはずだけど、200%分からないわ。
こういうのって、説明があっても、ん?となることも多いけど、この二つに関しては知りたいなぁ。どなたか、意味をご存じ、または想像できるなら、どうぞ教えてくださいねぇ。

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  1. 2024/02/27(火) 17:12:15|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
  3. | コメント:0

真実の口ではないはずだが(コロンビエ03 その2)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その125(オーヴェルニュ、アリエ)

コロンビエColombierのサンピエール教会とサンパトロクル教会Eglise Saint-Pierre et Saint-Patrocle、続きです。

前回は、激レア黙示録の柱頭に終わってしまいましたが、それ以外にも、とてもロマネスクらしい柱頭がいくつかあります。特筆するまでもないってとこだとは思いますけれど、典型的なやつは、やはり好きです。

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しかし、こういった典型的な図像は、きっと図案帳みたいのがあったんだろうし、そこそこの石工さんならそれで彫れるってとこだったんだろうし、と思うんだけど、黙示録を彫る石工さんというのは、どういう人たちだったんだろう?と考えちゃう。
ちょっと前の記事で、石工も勉強していたというような解説があったと思うんだけど、確かに図像の内容を知らないと、構図もできないよね。とすると、そういう内容に精通して、図像を作って、そうすると、やはり一か所だけではもったいないから、って他の現場に売り込むみたいな図式?

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そういう人が独立して、その後、サインまでするようなスペシャリストになったのかな。こういう、いかにもいかにものロマネスク的柱頭をやってる人とは、絶対に立ち位置違う。

そしてやっぱり面白いと思うのは、黙示録なんていう大真面目なコンテンツを置く一方で、こういうやつらをしゃらっと並べる感覚。

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ちょっとだけ、歴史的な解説を。
「Colombier は、ラテン語の colombarium に由来しており、鳩の巣を守るための小さな穴、または死者の灰を納める骨壺「コロンバリウム」を意味します。
修道院から 300 メートル離れた「サン ジェネストSaint-Genest」として知られる地域にガロ ローマ時代の墓地の遺跡が存在し、その敷地内に小さな教区教会が建っていたことは、この 2 番目の仮説を裏付ける可能性があります。」

「教会の周囲でタイルや石材の破片が発見されたことは、ローマ時代またはガロ・ローマ時代の別荘が存在したことを証明しており、後に「聖パトロクルの泉」となる水源から水が供給されていたことは間違いありません。」

「聖パトロクルによって、おそらく木造で建てられた最初の教会は消滅しました。彼の死後、576 年頃に彼の弟子たちによってロマネスク様式の教会が建てられました。 聖遺物を崇拝するために遠くから来る多くの巡礼者を保護していました。」

どうやら、教会の創設者である聖人のレリックがあるようです。

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鍵守りのおじさんが説明してくれたいたのが、それかもしれません。
おじさんの解説を、分かる範囲でメモしたんだけど、自分の字が汚すぎて読めないという悲しさ…。それも四年もたってるから忘れちゃってるしさ、笑。せっかく長々と色々語ってくれたというのに、すべて無駄にして、おじさんに申し訳ない気持ちになりましたわ。

辛うじて分かったのは、昔、祭壇のところにはレタブロとか言うんだったか、金ぴかの屏風っていうか、飾り棚みたいな、よくスペインとかにあるやつがあって、レリック箱もそこにはめ込まれていたとかそういうことだったと思いますが、もちろん、まったく確信はない、笑。

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あと、一部破損しているとはいえ、堂々とした立派なこの円柱がオリジナルということだった。これはたぶん間違いないけど、だからどうよ、程度の知識ではあるな、笑(解説に、「丸天井とベイを支える 10 本の柱のうち 3 本は円筒形で非常に古く、おそらく 10 世紀以前のものと思われます」とありました)。

一つ残念と思うのがこれ。

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自分が、壁かなんかに開いた穴に手を突っ込んでるんだけど、これが何だったか思い出せず…。
奥に何かあるとかそういうことだったか、または真実の口的な、ということはないと思うけど、笑。こういう体験は忘れない、とかそんなはずないのに、きっとそう思って、メモも書いてない…。忘れるんだよ、絶対。大体、行ったことだって、見たことだって、ほとんど忘れちゃうんだから。
で、検索したけど、教会のデータは一杯出てきたけど、ざっと見ても、これに関しては見つからない感じで、いずれにしてもフラ語をざっと見て、特定の情報を選りだすほどの能力はないので、解明は無理ということになります。
どなたか現地に行かれて、同じ体験をした方がいらっしゃれば、あれはこういうことだということを教えていただければ、とても嬉しく思います。

最後に、鐘楼のディテール。

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  1. 2024/02/26(月) 17:25:31|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
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がちレアな黙示録(コロンビエ03 その1)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その124(オーヴェルニュ、アリエ)

今回は、コロンビエColombierのサンピエール教会とサンパトロクル教会Eglise Saint-Pierre et Saint-Patrocleです。

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フランスは、ある場所には本当に沢山ありますね。オーヴェルニュはずいぶん回ってきたのですが、まだまだ訪ねることがかなってない教会が山ほどあります。昨今、ネットの情報も激増していますから、今ネット検索したら、あまりに多くの未訪教会が出てきて、絶望的な気持ちになるかもしれません、笑。
とはいえ、年々、扉が閉ざされた教会は増えてきており、それはすなわち鍵にたどり着くハードルも高くなることなので、情報があっても訪問はしにくい、という非常にモヤモヤする状況でもあるのかもね。

この教会も、鍵を探しておかないと、入場がかなわないタイプですが、この時は在フランスの同行者が手配してくださっていたので、有難く訪問できました。しかし、鍵のおじさんは、手がブルブルしていて、解錠も大変なら、説明がとても長くて、フランス語ダメダメの私にはつらいパターンでしたが、これもまたフランス語堪能な同行者にお任せできて、かなりラッキーな訪問だったと思います。

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ゴシックが勝っている外観。

さほど高さがあるわけじゃないのに、沢山のフライングバットレスがずらずらと並んでいます。今は、ツタが絡まったりして、それなりに味も出ていますけれど…。
必要で編み出された技術だけど、何でもかんでもゴシック・テイストにしたいがために、無駄に付け足された教会もあるのかな、と思ったりもしてしまいますが、どうなんでしょうか。

周りをうろうろしながら、鍵を待っていたら、おじさんがやってきてくれた感じです。

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ここも、前回の教会同様、狭い側廊部分にも、構造強化的なアーチやら壁やらが作られているようです。

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お食事で、好物を最後にいただきたいタイプと、早速いただいてしまうタイプがあると思うのですが、ロマネスクに関しては、好物にアクセスできるとなったら、何が何でもとりあえず食いつくのが重要です、笑。
今回はその精神で、一気に突撃します(解説がそこそこあって、まとめるのがむずいので、漏れないように、というのが理由ですけどね。編集力の無さよ…)。

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内陣、というか、フランスお得意の、翼廊との交差部になるんですかね。そこに、見た目も興味深く、内容的にも重要な柱頭があります。解説を載せます。

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①選民の柱頭
長いローブを着た5人の登場人物は、黙示録の第20章、最初の復活、「獣を崇拝することを拒否した人々が生き返り、キリストとともに千年間統治した」を描写しています。中心人物は、海と陸から還された死者を暗示する『シロスのベアトゥス』(1109年)のように二重の顔を示しています。

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②聖母子とキリストの柱頭が選ばれた人々を取り囲んでいます。
それは誘惑の木と新しいイブ、蛇を苦しめるマリアを表しています。黙示録の女性とマリアとのこの同一性は、11 世紀に芸術において例外的な形で現れます。
北面には裸で絡み合ってキリストを囲む4人の男女が描かれている。この場面は、東側の3人の人物が剣と弓で脅しているという観点から理解できる。彼らは、「命の自由」を携えたキリストに迎えられた、殉教に直面した聖人たちです。この柱頭は、生まれ、闘い、死に、そして復活する教会に関係しています。

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③キリストの柱頭
中央には、東を向いて輝く「正義の太陽」の椅子に座る、後光を帯びた3つの光輪を持つ「人の子」が描かれています。
非常に珍しい後光のある子羊(カンタルのセニェSaignesにある子羊)を取り除いている翼を広げたワシは、復活のテーマを示しています。初期キリスト教時代の石棺のように、ワシが天使に取って代わります。右側では、ワシが男性を誘拐し、一方、他の男が、自分の石棺の外で、鷲につかまっている。
したがって、キリストの復活と人間の復活は同じ柱頭で表されます。これが二度目の復活です。洗礼と信仰によってもたらされる救いの知らせ:クリスチャンはキリストとともに生き、キリストと同じように復活します。

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④三頭の獣の柱頭
黙示録 20 章によると、サタンとサタンに従属する勢力が地上の諸国民を支配します。頭の上に蛇の尾がとぐろを巻いた獣はドラゴンである可能性があります。残りの 2 人は、悪の勢力の連合を象徴するゴグGogとマゴグMagogでしょう (Beatus de l'Escorial と Burgo de Osma (1086))。
しかし、ベアトゥスに描かれていた、最後の敗北の場面で降りてきて彼らを飲み込む天からの火は、もともと柱頭に表されていたのだろうか?

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「コロンビエのサンピエール教会とサンパトロクロス教会のロマネスク様式の柱頭の黙示録;
教会の建設時に遡る内陣の 4 つの柱頭は、中世史の博士でブルボネ出身のローランド パタンによって研究されました。図像についての膨大な研究と、9世紀から11世紀の作品との比較、特にスペイン北部の装飾写本で描かれた黙示録(またはベアトゥス)の注釈は、突然、大変質の高いにもかかわらず、これまで研究がされてこなかったこれらの柱頭に光を当てました。
聖ヨハネの作とされる文書である黙示録は、1 世紀末にギリシャ語で書かれました。彼はメシアの再来、悪の勢力の敗北、最後の審判、そして天のエルサレムの設立を予言しました。非常に珍しい、彫刻による黙示録は、サン・ブノワ・シュル・ロワールSt-Benoit-sur Loire、モワサックMoissac、サン・ピエール・ド・ショヴィニーSt Pierre-de-Chauvignyで、見られるに過ぎず、このコロンビエを含めて四例となります。」

「これらの柱頭から一貫したメッセージが生まれます。善と悪の力の闘争、善の勢力の勝利、最初の殉教者の復活、次に善の決定的な勝利、そして二番目の復活です。教会のすべての柱頭は、。生命の樹とライオンのモチーフをもって、このテーマを独自の表現で表現しています。」

黙示録は、モザイクやフレスコ画では、結構あちこちで取り上げられている図像ではないかと思うのですが、浮彫では例が少ないということなのですね。まぁ、解説中では、フランスにおける例を挙げているにすぎないと思うのですが…。

とはいえ、私のようなキリスト教知識がない者には、解説がなければ、黙示録の図像であるとは、絶対に分からなかったと思います。いや、解説があっても、なんのこっちゃ、というところではあるのですが、とりあえず、聖書を引っ張り出して、黙示録を再読しています。
しかし、何度読んでもよく分からなくて、つい聖お兄さんまで引っ張り出してしまいます、笑。

続きます。

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  1. 2024/02/24(土) 16:34:50|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
  3. | コメント:0

鳩サブレなど、素朴です(ネリ・レ・バン03 その2)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その123(オーヴェルニュ、アリエ)

ネリ・レ・バンNeri-les-Bainsのサン・ジョルジュ教会Eglise Saint-Giorges続きです。
本来なら、真っ先に載せているだろう柱頭をずらずらと並べてみますね。

ここの柱頭に関する解説はありませんでした。基本、シンプルなものが多いですが、素朴な浮彫が好きだと、萌えます、笑。久しぶりに勝手な御託、並べます!

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植物系が下段を取り巻き、上に人物とか、これはベリー風と言ってもよいような?
馬蹄みたいのが見えますが、とりとめのない意匠ですね。全体に丸っこいのがかわいいわぁ。

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まんま、鳩サブレ!
触れないけど、触感も絶対鳩サブレの自信ある!笑
上の柱頭と、上部のつぶつぶモチーフが一緒だから、同じ石工さんと思料。

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キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
これはもう基本中の基本だよね。植物系お尻尾も、超素朴で、顔もヘタウマ系で、なんかもう素朴のお手本レベル。

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こちらは、モチーフが典型的なグリーンマン。
一部が削られているのが残念。なんか、平らにしているみたいだから、梁とか?建築的に何かやっていたかやろうとしたんだろうけど、いつの時代か不明だが、大胆なことするよね。迷惑な、プンプン。

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同じグリーンマンだけど、素朴さが勝つね~。

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前回、全体をアップした祭壇後ろの、小人さん専用周歩廊の柱頭は、二つともなぜか溶けちゃってて、ドロドロな様子になっています。場所は良いのに、なぜこんなに傷んでしまったのかなぁ。もしかして後陣の開口部があまざらし状態になっていた時代とかがあるのかしらん。

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正直、大物はないのだけど、11世紀とかの古いテイストが満載で、その辺好きだと、相当楽しいよね、という柱頭でした。

では、外へ。

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解説。
「外側の特徴:
・ファサードはセメントの接合部がはみ出しすぎて地味です。扉は厳密なロマネスク様式で、タンパンはありません(ベリー風)。
・ファサードの切妻は、オーヴェルニュと同様に屋根をはるかに超えて伸びています。
・レンガが並ぶローマ時代の北壁(前回の記事をご参照)。
・注目すべき支え壁
・四角い基部の上にそびえる八角形の鐘楼はまさにオーヴェルニュらしい佇まい。3 つのピラミッドの幹を重ね合わせて形成された枠組みは屋根板で覆われています。
・鐘楼は傑出しています。八角形で、地元のピンク色の砂岩のブロックで建てられ、ブラインド アーチで装飾されています。3 つの木材を重ね合わせた栗材のこけら葺き屋根でそびえ立っており、1983 年に修復されました。」

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ファサード

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鐘楼、ディテール

鐘楼の石は、明るいですね。内部は、暗い色と思いますが、外側は、壁も、特に鐘楼は明るい色で、材質も若干違うように見えます。

以上が、教会となりますが、目の前にネクロポリスの跡があるので、言及しておきます。

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「ネクロポリス
メロヴィング朝及びカロリング朝の時代に、現在ある場所に置かれました。6世紀以降何世紀にもわたって、この墓地は論理的に教会の周囲に位置しており、地面の埋葬と石棺で構成されており、多くの場合ローマ時代のブロック(柱軸、彫刻されたコーニス)で切断されており、その一部は故人の頭と肩の形をしています(9/10世紀)。
この墓地は 1966 年に敷地の改修工事中に明るみに出ました。250平方メートルにわたって調査が行われ、発掘現場からは65個の棺が発見された。11 世紀には、町の要塞化された城が実際には墓地の上に建てられ、メロヴィング朝とカロリング朝の石棺を覆いました。そのため、基礎が脆弱だったため、17 世紀には城は急速に廃墟となってしまいました。現在、石棺がまだ埋め込まれている中世の城の壁の一部がガラスのピラミッドの下に見えます。」

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  1. 2024/02/19(月) 13:50:55|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
  3. | コメント:0

ローマの技術力と緻密さにはあきれるっていうか(ネリ・レ・バン03 その1)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その122(オーヴェルニュ、アリエ)

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次に訪ねたのは、ネリ・レ・バンNeri-les-Bainsのサン・ジョルジュ教会Eglise Saint-Giorgesです。

早速入場します。

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石肌が見えていて、良い感じです。
ここね、柱頭の浮彫が面白いので、ついそっちに気を取られつつ、この石がむき出しになっている様子が、フランスとしては珍しい部類に入ると感じたのか、結構撮影をしておりました。
解説もちょっとあるので、まずは構造的な部分を載せてみますね。

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中央身廊は、身廊を支える柱にくっついたつけ柱から、アーチが持ち上げられたトンネルヴォルトですね。
この、ヴォルトのつくりというのか、身廊の構造というのか、素人目には、これでもかの強固な作りになっているように見えて、そして、石積みが見える分ますますそういう頑固一徹!みたいな雰囲気で、ちょっと目を奪われます。

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側廊部分も、こんななんです。
柱からアーチで、そこにも仕切り壁っていうか、補強的な感じですよね。
ここまでやったのは何だろう。構造に自信がなかったのか、こういう武骨な工業的テイストを持つ棟梁だったのか(工場萌え的な、笑)。だって、建築的にはここまでの必要は絶対ないですよね?

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クーポラの持ち上げ部分、最近の記事で言及したかまぼこ状になっています。オーヴェルニュ風だったっけね。あとで触れますよ。

それにしても、このなんだかズレ感もある石積み、よいわぁ。

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図面と、各所の年代です。この教会、起源が古くて、最も古い部分は、2世紀のローマ時代の異教の教会となっているようで、一部、Romain、つまりローマ時代の名残が見られるという激しい年代物なんです。

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解説行ってみましょう。
「初期の教会:
ブルボネ最古のキリスト教の建物で、6 世紀、11 世紀、12 世紀に建てられました。それぞれの時代がそこに痕跡を残しているため、美術史にとって非常に興味深い記念碑です。
この教会は、2 世紀に建てられたローマの民間大聖堂の跡地に建てられ、4 世紀から 6 世紀にかけて再建され、北壁が残っています。この壁はローマ時代の壁の特徴をすべて示しています。厚さは 86 cm で、3 つのレンガを連ねた立方体の石を 6 列並べた小さな表面で覆われています。」

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この、ローマの壁は、イタリアでも結構あるタイプじゃないかと思いましたが、どこ、というのは思いつきません。上は内部ですが、外壁も同様の様子が見られますよ。

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建築上の必要から編み出された技術と思うのですが、見た目も美しく、さすがローマと思わされますよねぇ。

解説、続きです。
「6 世紀、ベリー出身の隠者パトロクルがネリとその地域に福音を伝えるためにやって来ました。彼はこの民間大聖堂を聖マルタンに捧げられた礼拝堂に変えました。 この長方形の建物は現在の教会と同じ幅です。」

フランスで大人気のマルタンさん。

「ロマネスク教会:
およそ 536 年から 556 年の間にパトロクルが滞在した後、ネリは宗教生活の中心地となり、その名声は古代ブールジュ教区のナルゼンヌ大助祭l'archidiacone de Narzeneの住居に選ばれるほどでした。その後、ネリの教区教会は、ブルボン王アルシャンボー 2 世によって、その再教化に着手したエヴォー修道院monastere d'Evauxの正規参事会に与えられました。しかし、ネリ修道院の財産はブルボン卿の管理下にあります。
11 世紀には、後陣、トランセプト、塔が建設されました。12 世紀後半に、元の教会、大幅に変更され盛り上がった側壁、ファサードの壁を残しながら、身廊と側廊が改修されました。聖ジョルジョに捧げられたこの教会は、長さ 31.10 m、幅 10.70 m です。後陣は北東を向き、ファサードは南西を向いています。」

ざっとこういう歴史です。
次の解説に行く前に、位置を見ておきたいと思います。というのも、解説に、「この教会は、オーヴェルニュ派、ベリー派、ブルゴーニュ派の三重の影響を受けています。」とあったからなんです。

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緑の線の向こうが、左側の方はベリーで、右側の方はブルゴーニュという感じですが、こう見ると、そう近いわけではないですね。
とはいえ、まぁまぁ境界状にある、ということにはなるのですかね。他の地域との往来が頻繁にあったと言えばあるわけで、オーヴェルニュの中でもアリエは最北に位置するので、そういう場所ということになるのでしょう。

では、それぞれの様式が、この教会にどう反映されているかというと、以下と説明されていました。

「・身廊の独創性は通路のアーチ型のプロセスにあり、各柱間は身廊の軸に対して垂直に設置されたトンネル・ヴォルトで覆われています(ブルゴーニュ様式)。
・八角形のドームは、四つの角それぞれで、水平に置かれた三角形の板で切り取られた隅迫持ちをもって、翼廊の正方形を覆っています(オーヴェルニュ様式)。
・後陣には、11 世紀の長持ちの上に 一連の三個組のブラインド アーケードが置かれています (ベリー様式)。
・柱頭には、11世紀及び12世紀の彫刻。」

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上の説明の後陣にある、小人さん用周歩廊みたいな印象もあるアーチ構造、とても好きです。確かに古いイメージですよね。
そしてその前に置かれているこれ。

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オリジナルの書見台というか、これはなんと呼ぶべきアイテムなんですかね。
柱を再利用したものかもしれませんけど、なんか植物アイテムっぽくて素敵。石色もピンクっぽくて、好みです。

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  1. 2024/02/18(日) 12:09:17|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
  3. | コメント:0

ふかふかシナモンロールと聖祖母伝説(シャップ03 その2)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その121(オーヴェルニュ、アリエ)

シャップChappesのサンタンヌ教会Eglise Sainte-Anneまたは、サント・マリー・エ・サンタンヌ教会Eglise Sainte-Marie et Saint-Anne、続きです。

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再訪なので、さらりと行きたいのに、ついついあれもこれも写真を載せたくなるし、解説にも触れたくなっちゃって、最近冗長でダメですねぇ。

でも、こういう得体のしれない柱頭を見るとね、どうしても備忘的にあげておきたくなります。

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こういう風に並んで、なんか持って、という図像、どこかで見た記憶はあるのですが、これまた意味は覚えておらず…。
それにしても、中央に置かれた女性でしょうか。クリームパン、またはコロネみたいなお下げが素敵、笑。

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横の方にいる人も、なんだか変なポーズだしね。
こういうの、意味あるに決まってると思うけれど、こうなると、当時の人たちだって、本当のところどこまで分かってたの?と疑惑です。まぁ、その土地の伝承とか地域性もあるかも知らんしなぁ。
もしかして聖アンヌだったりする?って、それは直接的すぎ?

そう、この教会は、マリアの母親であるアンヌに捧げられているのですよね。

解説。
「聖アンナは、「聖者の生涯」で伝説を紐解くと、聖母マリアの母です。20年間の不妊生活の後、彼女は母親になるという幸運を得て、偉大な計画を達成するための子供として娘を育てた。ブルターニュとすべての教育者の後援者である彼女のファーストネームは、ルイ11世の娘で最も有名なブルボン公爵夫人の名前でもあり、宮廷に滞在したブルターニュのアン女王の名前でもありました。」

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もしアンヌさんだったら、きっと解説版でも触れられているだろうから、そうではないと思いますが、何とも不思議な、そして、丸っこい彫りがチャーミングな柱頭です。

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聖母子が飾られているのは、アンヌさんへのオマージュとなるんでしょうか。
おばあ様ですもんね、キリストの。それにしても、アンヌさんは、不妊で苦労されたとか、聖人伝説というのは面白いなぁと思います。旧約聖書音人々は、何百年も生きるのが普通だったから、そこから言えば20年の不妊なんて大したことないけど、でも、あえて不妊設定する面白さ。かけがえのないという貴重感を出すためなのか…。キリスト教って、とにかく戦略的な布教をしているから、そういうところも何か布教のための戦略を感じたりもします、笑。

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鉄扉の内側に置かれていた、おそらくオリジナルの扉。
鉄扉は素通しなのですが、この木の扉が閉まる様子はないんですよね。ってことは、常時素通しなのかな?それもすごいわ。換気ができた方がいいのかもしれないけど。でも、ミサの時も素通しだったら、冬は寒いね。

外に出る前に、も一個だけ、連続系の装飾を。

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シナモンロールだよね。ふかふかで甘くて美味しそう。そして、これ、ファサードにもあったのよ。アーキボルトの根元のところね。

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こっちは傷んじゃって、あまり美味しそうじゃないけど、保存状態が良いと、あれだけふかふか感があるんですよ、ということで、笑。
ファサードは、前の訪問時に、結構見たので、今回はサラリで。

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解説。
「扉口は、アカンサスの葉に似た鉤状の柱頭が頂上についた柱で支えられた平らなアーチで構成されています。それらは張り出した軒持ち送りまで伸びており、それに沿って一連の絡み合ったアーチがあります。
タンパンはオーヴェルニュ地方に特有の、無地のまぐさで作られています。 対称的なドアは、蛇の形に作られた 12 世紀の鍛造ヒンジで支えられています。」

鐘楼の開口部装飾にもあったね、シナモンロール帯。

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軒持ち送りにも、いくつか楽しいのがあるけど、それは、2016年の記事を見てくださいね。

内部も、想像以上によかったですが、やはりこの教会の愁眉は、周囲の雰囲気も相まって、この美しい後陣の眺めですかね。

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これを眺めながら、友人手作りの素敵なランチでピクニックしました。至福ってこのことよね!

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  1. 2024/02/14(水) 13:46:04|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
  3. | コメント:2

3年後のリベンジです(シャップ03 その1)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その120(オーヴェルニュ、アリエ)

次にお連れいただいたのは、2016年にオーヴェルニュ全体を回った時に訪ねたものの、鍵が分からずに入場できなかった教会です。

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シャップChappesのサンタンヌ教会Eglise Sainte-Anneまたは、サント・マリー・エ・サンタンヌ教会Eglise Sainte-Marie et Saint-Anneです。

2016年の時は、役場を探したり、ちょっとうろうろした記憶がありますが、なんのことはない、教会至近のお家が、鍵を管理していらっしゃいました。
現場での鍵探し、いきなり人様の家の呼び鈴を押すのってためらわれますからねえ。その上、外国で言葉が不自由だと、どうしても躊躇が先に立つことも多くて、例えば、鍵のことを尋ねた方が、「あの家よ、大丈夫だから訪ねてみなさい」とか勧めてくださったりすればね、気楽ですけども、なかなか難しいですよね。
この時は、在フランスの友人が率先して、なんでもやってくださったから、そういう杞憂もなく、鍵をゲットできた次第。

前回は、中には入れなかったのですが、その分外側の撮影などはきちんとしていたので、そのあたりは、当時の記事をご参照ください。

2016年訪問の記事

今回は、内部の様子と、ちょっとだけ解説、という内容になります。

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前回、編み編み越しの撮影を試みた鉄扉。3年後に、内側から見ることが出来るなんて、感激です。

まずは、解説もあるので、構造から。

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なんでも、もともとは修道院教会だったということですが、時代を経るにしたがって、どんどん長く、つまり縦に拡張されたようです。
この時も、鍵守りさんが、ちょっとガイドをしてくださったようで、とてもわずかながら、メモ書きがありました。

上の図、分かりやすいのですが、黒塗り部分が、11世紀で、おそらく最初はこれだけの小さな教会だったのが、12世紀に、格子状及び斜線部分まで拡張されたようです。バットレスなどが、15世紀以降の付けたしということで、教会のほとんどは、ロマネスクの時代のものとなるようです。
拡張の際、良い柱頭を、手前、つまり入り口の方に移すなども行われた、とメモがあります。

構造に関する解説は、以下のように案内板に書かれていました。
「2 つの通路に隣接した 4 つの区画からなる中央身廊、後陣と 2 つの半円形の後尖塔によって延長された 3 つの直線的な区画が開いている、突き出ていない翼廊で構成されています。八角形の鐘楼が身廊の右側のベイの上にあります。 南玄関の上には「カクトワールCaquetoire」と呼ばれる大きなポーチがそびえ立っています。それは、17世紀に南壁に取り付けられたもの。
身廊と側廊全体を覆う緩やかに傾斜した屋根には瓦が使用され、階段塔は鐘楼と小さな平らな瓦で作られたCaquetoireの北東の隅に追加された。一方、尖塔は現場で手作業で形づくられた栗色の屋根板で覆われています。 1973年から1974年の冬に設置されました。南側ファサードのバットレスは、建物の補強目的で、19世紀に取り付けられました。」

カクトワールという構造物は、過去の教会でも出てきたことがあって、ちょっと意味が分からなかったんですが、ここでは英語版解説もあったおかげと、分かりやすい図版のために、やっと分かりました。ポーチのことだったんですね。

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後代のものですが、「そのカクトワールという構造物により、悪天候の日であっても、礼拝後に教区民がおしゃべりできるようになった。」とありました。歴史的または構造的な意味があるわけじゃなくて、要は井戸端会議のスペースだったのですね、笑。カクトワールを辞書で調べると、鶏の鳴き声とかおしゃべりとか出てくるので、なんのこっちゃだったんですが、まさに姦しいおしゃべりスペースだったんですねぇ。

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内部は、こじんまり感のある田舎の教会。こういうのが、やっぱりホッとするし、好ましいです、個人的には。しょせん田舎教会が好物なのよね。
そして、たたずまいにふさわしい、これまた好物系の柱頭があります。

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どすこいポーズの髭のおっさん、笑。
口がひん曲がっているのは、世良梵ぬでしたっけ、ジュベ構造の顔で、ひん曲がっているのが沢山あったことを覚えていますが、意味は何だったっけな。こうやって、肝心な知識は忘れちゃうんですよねぇ、涙。
それにしても、角っこに向かっておかれた渦巻きが、ちょっと羽根にも見えて、おじさんのくせに、妖精かよ、みたいなイメージもありますよね。

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ブランサにもありましたけど、下をビローンと突き出している変な怪物系。
これは嘘つきダメよ的なやつなのかな。それにしても、二連発はすごいな、笑。そして、ブランサの写実性に比べたら、ここはやはり11世紀なんですかね。

同じ柱頭の反対側も、すさまじいビロンチョぶりですよ。角っこのビロンチョは、なんかメインのフィギュアと絡んでも様子もあり。

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そして正面は、なんですかねぇ。衣が聖職者っぽい人と、頭巾をかぶった修道士でしょうか。

おっさんぽくて、シックスパックにも見える鍛えた系の二股人魚は、前回訪ねたとき、涙ぐましい努力で、編み編みから撮影していました。素朴感、半端なし。

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植物系も、古いやつは、刺さります。ただかわいい。

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彩色も、僅かに残っているようですね。

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単純な帯装飾も、なんだか好き。
リピートする系が好きって、縫物好きだったりすることと共通するのかなぁ。全然きちんとしてないんだけど、チマチマしたことを連続してやっていく作業が好きなんですが、そういうのって、DNAになんかあるって聞いたことがあります。面白いよね。

続きます。

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  1. 2024/02/13(火) 13:00:10|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
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どーだどーだ!のアダムとイブ(ブランサ03 その2)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その119(オーヴェルニュ、アリエ)

ブランサBransatのサン・ジョルジュ教会Eglise Saint-George、続きです。

前回、技巧に優れた柱頭と、変な味のある柱頭を見たのですが、もう一種類、場違い感の激しいやつもありました。

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ムキムキの人たちが、どーだどーだ!みたいな。

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右側の人は、胸があるから、どうやら女性らしいけど、どちらも全裸でどーだ!ポーズ。
なんかね、鍵の人、とてもおしゃべりで、沢山説明をしてくださったのだけど、なんせフランス語分からないから、ほとんど聞いてなかったの。大失敗。この柱頭の話もしてくださっていたのは記憶しているけど、内容はトンと…。勿体ないことでした。

前回紹介した音楽家の彫りのディテール。

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そして、この妙なヌード。

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写実的な裸像は、ある意味、ローマやギリシャ回帰みたいにも感じるけど、どしてだろう。
というところで、次に行こうと思ったんだけど、やっぱり調べちゃって、そしたら、単純にアダムとイブらしいね。確かにこの時代で全裸と言ったら、彼らをおいてないわ。
それにしても、なんでこんな挑戦的な様子をしているんだろうねぇ。やっぱり謎だわ~。

ちなみに、内部の状態、かなり傷みが進行しているわけですが、鍵守りさんのガイドによれば、このブランサ、今の人口は400人程度で、とても教会の修復を自分たちでする力はない、ということなんだそうです。
壁の彩色漆喰も、相当剥がれ落ちていて、カビもすごいようです。このまま放置されていたら、きっと取り返しのつかない状態まで行ってしまうかもね。剥落が進んだら、入場禁止になる危険もあるので、そうなる前に、最低限の修復のめどがつくとよいのですが。

下の、キリストの上あたり、剥落している部分は、その下にも、何か描いてあった様子が見えましたから、いっそ、表面を全部はがしてしまうのもありかもねぇ。

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では、外に出ます。

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ファサードは、革命で破壊されしまったそうです。
側壁や後陣には、軒持ち送りが並んでいます。

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建物に比して、小さ目サイズで、ほとんとは鉋屑みたいです。

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後は、ちょっとしたバリエ。いずれにしてもかなり地味ですね。

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教会の周りは、墓地になっていて、要は墓地の教会なんですね。お葬式があれば、ミサのために教会が開けられるっていう感じなんですかね。

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最後に、この教会が捧げられた聖人ジョルジュさんのことを記しておきます。
「ブランサット教区の守護聖人である聖ジョルジュは、中世に非常に賞賛された兵士の姿を表しています。ペルセとアンドロメダの古代の伝説を思い起こさせるエピソードの主人公である彼は、小アジアのトレビゾンドの街を脅かし、若い男性と若い女の子を食い荒らした悪魔を退治します。こうしてジョージは王の娘を解放したのです。それ以来、軍や十字軍によって信仰されてきました。その物語は、クレルモン大聖堂のサン ジョルジュ礼拝堂にある 2 枚の壁画と 14 世紀に遡る装飾のステンド グラスの窓によって語られます。」
別にひねりなく、あのジョルジョさんでしたね。

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  1. 2024/02/11(日) 13:24:01|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
  3. | コメント:0

プロ石工さんとノンプロ?(ブランサ03 その1)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その118(オーヴェルニュ、アリエ)

サントル修行を終えた後、オーヴェルニュの友人宅に寄せていただいて、一日、アリエ県のロマネスクを訪ねました。
友人が、普段、開いていない教会のカギを予約してくれたりしていて、私はすがるようについていくだけで、それで貴重な拝観ができるんですから、ひたすらありがたや~状態です。鍵守りさんが色々ガイドをしてくださっても、言葉が不自由ですから、その場ではちょっと分かった気になっても、実際は全然分かってないという馬に念仏状態だったのが残念でしたけれども、とにかく鍵が開くって、嬉しいことです。それも、普段閉まっていたり、また過去に突撃して入れなかったところなどもあったりしましたからねぇ。仲間っていうか、同病相憐れむ関係者って、ほんと得難いものですわ、笑。

france vari 3 001

まず訪ねたのは、ブランサBransatのサン・ジョルジュ教会Eglise Saint-Georgeです。

友人が事前に鍵の手配をしてくださいましたが、以下のようなアクセス情報が現場にありましたので、今も有効かどうかは不明ながら、備忘として載せておきます。

<年間を通じて、予約のみ見学可能。予約は市役所に以下で連絡のこと。>
電話:0470454091
ファックス:0470456997
Eメール:mairie-bransat@wanadoo.fr
月曜=12時半-18時半
火曜=9時半-12時
木曜=9時半-12時及び15時-18時半
金曜=12時半-16時

もしかすると、ファックスはもうないかもね、笑。
それにしても、コンタクト時間の複雑なこと。これさ、役所で働いている人だって覚えるの大変じゃね?って感じ、笑。これじゃ地元に住んでいても、ついうっかりして、「ああ、また今日も忘れちゃった!」とかなりそうです。実際、友人も、それでなかなか行くチャンスがなかったという話でした。
ちなみに最近は、メールでも、まぁまぁ対応がよくなっているし、英語で返信してくれるケースもあったり、時代は確実に変わってきてますね。

見学開始です。
まずは、トップの写真にある、南側の扉から、入場です。構造はこういう感じになっています。

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いきなりですが、解説を載せておきます。
「ロマネスク様式の建物であるこの教会は 11 世紀に建てられ、12 世紀に完成しました。平面図は非常にシンプルで、2 つの柱間と通路からなる身廊で構成されており、翼廊は突き出ていません。奥の方では、後陣と 2 つの半円形の小後陣が開いており、狭い側方の通路を介して互いに連通しています。身廊はberceau brise(多分、トンネルヴォルト)で覆われています。
大きなアーケードも同様に分割されており、側廊は半円形の樽型ヴォールトで覆われており、欄間はつけ柱で支えられています。オーヴェルニュ他地域と同様に翼廊の交差部では、ペンデンティブ上のキューポラが水平に置かれた石版の上に差し出ているような状態です。」

トンネルヴォルトと思う表現なんですが、直訳すると「壊れた揺りかご」となってしまいます、笑。自動翻訳や手持ちの小さい辞書では限界が…。イタリア語の助けを借りて、何とかということも多いのですが、おそらく間違った翻訳もあると思いますので、そこはご容赦くださいね。

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最初の印象は、古色蒼然、です。
こういう、彩色が褪せて、全体に傷んでいたりする様子って、建物のくたびれ感みたいなものを、より感じさせますよね。鍵守りさんがいたことで、明りが煌々とともされたことも、またそういった様子を増幅したかもね。見え過ぎるっていうか。それ、贅沢だし、笑。

ここ、ディテールが面白かったので、ついつい全体の撮影を疎かにしてしまっていて、あまりよいのがないのです。

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解説で、分かりにくかった、交差部のドームの支えの部分ですが、この、ちょっと変な構造のことを言っているのでしょうね。かまぼこみたいな形で、空洞になった部分。”オーヴェルニュではありがち”みたいに書いてあるけど、あまりに建築寄りすぎるポイントなので、気にしたこともなかった。

で、ちょっと寄り道。
すぐそうやって、寄り道したくなるから、時間が異常にかかっちゃうんですよねぇ。
オーヴェルニュを攻めた、今は昔、2016年の写真を、ざっとチェックしたんですが、見事に撮影してない部分でした、やはり。
とりあえず、一個見つけました。

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これは、石の質感がすごくて興奮した教会。オーゾンAuzonのサン・ローラン教会Eglise Saint-Laurentです。
旧市街全体が石で、なんかすごかったな。そして、外側は絶賛工事中だったんだ。今グーグルで見ると、その工事もすっかり終わっているようで、再訪したいなぁ。

と、それはともかく、確かに同じ構造になっているみたい。かまぼこ。
翼廊との交差部、ドーム、というのは、フランスの教会では定番だし、今後はちょっと気を付けるようにしてみます。

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では、ブランサに戻って、ディテールに行きましょう。
柱頭に、いろんなタイプのものがあって面白いんだけど、解説でイチオシの、その交差部のやつから。

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解説
「この翼廊交差部のスペースに置かれた柱頭は、最も精巧で、彩色もよく保存されています。優美な絡まった葉モチーフ、グリフィン、音楽家の場面で装飾されています。柱頭の 1 つは七つの大罪を表します。
それらは、信者に瞑想するための道徳的な例を与えることを目的としています。」

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音楽家のは、フィギュアだけは石色になっていて、それでもとても細かい彫りで、腕のある石工さんの作品という様子です。全体にうまいですよね。そしてオーヴェルニュっていう傾向を感じます。結構写実的っていうかね。
自分の感覚的には、「すごいな>好き」ですかね、笑。

そんな私が、あんぐり、みたいになっちゃったのがこちらさん。

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えっ…。なんですの、この人たち?

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これ、やばくない?

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後付けの彩色で、ちょっとおかしくなっちゃってる部分もあるかとは思うんだけど、いずれにしても、表現も独特だし。お手々を顔に当てて、どういう仕草なんだろうか?
そして、翼廊部の柱頭の高度な彫りに対して、なぜこのようなものが…。
それはおそらく、予算の関係で、地元の石工さんとも言えないような人が彫ったということなんだろうけれど、いや、これは私が勝手にそう思っている説なんだけど。いやはや。

これらは、主後陣の祭壇後ろの、開口部を飾る側柱の柱廊です。
信者さんの目に入りやすい場所ではなく、主に聖職者さんたちが見る場所。ますます、どゆこと?となりますよねぇ。

続きます。


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  1. 2024/02/10(土) 13:44:23|
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