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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

記号的図像の深彫り(マルスナ15)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その134(オーヴェルニュ、カンタル)

ここから、カンタル県になります。

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マルスナMarcenatのサン・ブレーズ教会Eglise Saint-Blaiseです。
ここでもフランスあるあるで、教会の名前、検索しないと不明でした、笑。

前回の教会と同じ聖人に捧げられているということは、ブレーズさんはこの地域で信仰篤かった方なのですね。割と最近、他の教会の記事で、ブレーズさんはイタリア語だとビアージョさんらしくて、それなら動向、ということを書いた記憶がありますが、結構最近だと思いつつ、すでに忘却の彼方…。
そんなにいい加減に書いているわけでもないのだけど、本筋以外のこと、いや、本筋も含めて、記憶が長続きしないわぁ。もともと記憶力めっちゃ悪いのが、おそらく年齢のせいで、どうしようもなくなってきている感じで、怖くなります。

さて、ここもまた、こじんまりして、行ってみれば地味な教会ですが、やはり素朴柱頭があり、それはなかなかに好ましいものです。
ここでも簡単な解説は、とりあえず読んでおきましょう。

「マルスナは、標高 1070 m にあり、1790 年以来カンタルに組み込まれたにすぎません。
アンシャン レジームの下では、オービジューAubijouxの土地は同名の城に依存し、行政区域を形成していました。13 世紀の城の遺跡がいくつか残っています。この城は 1262 年にクレルモン伯爵でオービジュー領主のロベール 2 世が所有し、その後メルクール家の手に渡りました。」

かなりどうでもいいっちゃどうでもいい歴史的な言及ですが、13世紀に、クレモン伯爵の領地だったことに、ちょっとびっくりしました。このオーヴェルニュ編の最初に地図をアップしましたが、カンタルってオーヴェルニュ州ではあるものの、山隔てて、という土地になるので、文化的にはどうなんだろう?というような位置なんですよね、オーヴェルニュとして。
ちょっと繰り返しになってしまうけれど、私がカンタルの主な教会を回ったのは、トゥールーズから入った時で、それは、その方が肯定的に都合がよいからで、つまり、オーヴェルニュの王道地域からは不便ということなんです。それが、中世から領土としてクレモンに組み込まれていたというのがね、ちょっと想像と違ったので、驚いた次第。

では、教会に関して。

「マルセナのロマネスク様式の教会は、さまざまな時期にほぼ完全に再建されました。
1768 年の回想録の中で、フェニエの最後の聖職者は、1434 年から 1470 年までフェニエの修道院長であったアントワーヌ・ド・セールであり、フェニエの修道院城(1742 年に破壊)の建設とマルセナ教会の再建、近くにある要塞塔の建設に貢献したとされています。19 世紀に行われたその他に変更工事により、教会は複合的で適度に芸術的な現在の外観を与えられています。」

では、見学開始。

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上は、教会内の見るべきアイテムを、なんだかやけにかわいらしく、笑、説明してくれている図ですが、ロマネスクのアイテムは、水色で囲んだ柱頭となるかと思います。図の周囲には、数々のお像の写真があるから、教会としてはお像推しなんですかね。

柱頭と言っても、この教会の身廊分割も、束ね柱というのか、柱が幾重にもくっついてスタイルなので、どこがどうだかは分かりにくいです。

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さらりと解説を。
「中央身廊は、完全に作り直された側廊とは異なり、角柱、結合する円柱、ロマネスク様式の柱頭が保存されています。4 つの柱間は、彩色のあるアーチの迫石を備え、僅かにとんがりのある横断アーチによって分割されています。最初の 2 つはリブ付きヴォルトです。最後の二つは、トンネル・ヴォルトです。
6本の角柱がロマネスク様式。元々は両側に噛み合った柱で装飾されていましたが、そのうちのいくつかはゴシック時代と 19 世紀に取り壊されました。
それらのうち 10 個が残っており、それらはすべて興味深いものですが、柱頭は、次のように説明できます。」

「入って最初の柱間、右側: 隅に中空のリブのある葉、中央に開いた棕櫚、左: 絡み合った糸が中央に円形の十字を形成し、隅に小さな頭があります。」

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「入ってすぐの 2 番目の柱間、左: 三角の葉」

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「2 番目の柱間、通路に向かっている柱頭、右側: 深い浮き彫りによる美しい組紐モチーフ。左:渦巻きモチーフに持ち上げられた角の棕櫚。この地域の古典的なモデル(サン・サトゥルナン、ルガルド、マルカステルなどでも見られる)。」

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「内陣前の最後の区画、柱頭が通路に向かって開いている、右側:逆さまの「スペードのエース」の形をした果物または葉、左側:山形で区切られた 3 つの星を表す盾の紋章。」

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「上と同じ柱間、中央身廊を見下ろす柱頭、右側:先端が湾曲した棕櫚の葉で、その上に4つの四足動物がそれぞれ一対になって対を向いて角にあり、葉の上部が噛んでいる。左側:角に葉と中央に渦巻きがあり、それらは上部の角にあるアイテムによって持ち上げられているが、その部分は、おそらく人間の頭の輪郭です(同様のものが、Chalinarguesで見られる)。

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ちなみに、解説は、地域を紹介した書籍のもので、現地で柱頭の場所に置かれたものではありません。例によってあたふたと、手あたり次第撮影の私の写真と見比べて、おそらくこれがこれだろう、と思っていますが、間違っている可能性も大いにありです。

内容的には、地味で、かなり記号的というのでしょうか。

イタリアには、マルタ騎士団管理の教会というのが結構多くて、マルタ騎士団の図像みたいのが浮彫で施されているということもあったと思います。言ってみたら、ちょっとそういう記号的な図像という印象があります。スペードのモチーフとか。
印象的なのは、組紐や葉のモチーフが、かなりの深彫りなんですね。そのために、陰影が出て、素朴なんだけど力強さが半端ない。

というわけで、今回はまじめな感想付でした、笑。

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  1. 2024/03/26(火) 13:13:23|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
  3. | コメント:0

この場所の浮彫はレアでは(ラ・ゴディヴェル63 その2)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その134(オーヴェルニュ、ピュイ・ド・ドーム)

ラ・ゴディヴェルLa Godivelleのサン・ブレーズ教会Eglise Saint-Blaise、続きです。

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今回は内部です。
この前に訪ねた教会も同様だったのですが、ここも、ファサード側に、二階席があり、普通に開放しています。高いところにのぼりたがるアレなんで、もちろん登りました、笑。

ちなみに、こういうプランとなっています。

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後陣は正確に東向きのようです。入り口は、南壁にあり、その上部が、二階席となっているわけです。

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せっかくなので、現地にあった解説を載せておきます。

「村の中心部に建てられたその建設の歴史は 11 世紀にまで遡ります。身廊、内陣、トランセプトの一部は 11 世紀に建造されました。その建設は部分的にパリのノートルダム大聖堂(1163~1245年)の建築と同時代です。主に安山岩(火山岩)が使われています。
身廊と内陣の壁の厚さは約 1.10 メートル。 北側の礼拝堂は、1.70メートル。一方、他の礼拝堂、鐘楼、聖具室の壁の厚さは 0.70 メートルから 1 メートルの間で異なります。これは、何世紀にもわたって行われた改築や付け足しなどによって説明できます。
建物の全体寸法: 19x12m、高さは 20 メートル弱。」

「建物は11/12世紀ロマネスク期のラテン十字型です。内陣と身廊は 2 つの区画で隔てられており、翼廊があります。内陣または聖域には、半ドーム(4 分の 1 の円形で、実際には半ドームを形成する) があります。円形の壁に 4 本の柱があり、すべて 2 つの小さな窓で照らされています。これは聖具室の建設以来 3 番目のブラインド ウェーブであり、南側には三つ葉のアーチ (クローバーの形) が付いた大きな半円形の窓があります。20 世紀半ばまで教会を囲んでいた墓地へのアクセスを可能にする門を置き換えました。」

注目すべきアイテムとして、以下があげられています。
「・丸いアーチ型の身廊(トンネル状の湾曲)
・噛み合った柱を備えた 4 本の柱 (部分的に壁に食い込んでいる) - 歴史的な柱頭 (ロマネスク芸術の特徴)、教会の入り口にある火山石に浮彫がある聖水盤
・すべての窓は丸いアーチ型で、埋め込まれています (壁は斜めにカットされています)。
・西側、内陣に面してギャラリーの正面に十字架上のキリスト。」

ごちゃごちゃ言ってますが、ここでの注目アイテムは、素朴かつエニグマティックな浮彫が施されている柱頭だと思います。ここの柱頭には、彩色跡は一切見られず、清々しいです、笑。

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個々の柱頭についての解説は置かれていなかったのが残念です。
下のは、よくある二股人魚、ただし、これは男性性が異常に強い様子の人魚ですけども。そういうモチーフには、疑問もないし、良いのですが、最初のやつは、なんでしょうね。

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お魚メインのこちら、お魚はやはりキリストを示唆するものなのか。

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右脇では、思いっきり魚をつかんでる人がいます。これは、お魚とパンを何千人分にも増やしたっていうエピソードだったりしますかね?

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同じ柱頭の反対側の人は、こんな様子。

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どの人物も、手がでかいですよね。
そして、この柱頭の上の方に、これまた不思議な様子の浮彫があります。
ぱっと見、クリオネ的な得体のしれない生物感がありますが、光の当て方によっては人にも見えたり?

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なんかね、そういう位置に、あちこちに変なものがあるんですよ。

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手のひらと、それにかみつく蛇?

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こういう尻尾を持つ動物の姿、久しぶりに見る気がします。あれはどこで見たんだったか…。ウナギイヌ?そんなキャラクターいましたっけ?赤塚不二夫?確か、こういうウナギっぽい尻尾を持っているんじゃなかったか…。
以前どこかでこういう尻尾を見たとき、反射的にウナギイヌ、と思ったけど、今や昔っていうのか、すでにウナギイヌすら、記憶の中で定かではなくなっているわ…、ちょっとやばい?記憶力?

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鳩サブレ。
素朴でチャーミングだよねぇ。そして、装飾の場所が、とてもオリジナル。

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こういったフィギュア系以外にも、素朴な植物や組紐系浮彫が複数あります。

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こじんまりした教会で、もともとの柱頭の高さも低めだし、二回に上ると、一部超至近で見られるのもあって、そういう楽しさもあります。こういう素朴系が好物な方には自信をもってお勧めする教会ですね。

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  1. 2024/03/24(日) 12:54:49|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
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七つの大罪か、ただの異教系か(ラ・ゴディヴェル63 その1)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その133(オーヴェルニュ、ピュイ・ド・ドーム)

次に訪ねた村は、全体の田舎ぶりというのか、教会のたたずまいがとても印象的で、特にその外観の様子を、よく覚えております。

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ラ・ゴディヴェルLa Godivelleのサン・ブレーズ教会Eglise Saint-Blaiseです。

なぜかというと、確かに村の中心にあって、広場で、立地に違和感はないんです。下の赤いのが、教会です。

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でも、村が小さすぎて、住宅の密集感がなくて、そのために、中心地という印象がゼロなんですよ。ぽっかりと開けたスペースの中央に、その広さに比しても小さ過ぎね?ってボリューム感で建っているんです。

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言葉で伝えるのはすごく難しい感覚。
とても小さい村なのに、グーグルのストリートビューで、教会周り一帯を見ることが出来るので、ご興味あれば、是非バーチャル・トリップをしてみてください。

本当に小さな、そしてひっそりとした美しい村。観光客も来ないことはないんだろうけど、大挙して押し寄せてくるなんてないだろうし、なんとなく、どっかから観察されているかもしれない、的ははばかりも、若干感じられるような、そういう全体の空気感も含めた、ちょっとした違和感ですかね、笑。

なにはともあれ、教会です。
まず驚愕するのが、後陣部分を飾っている彫り物の面白さです。

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でかいです、なんといっても。
ちょっと押しつぶされているような様子にも見える背の低い後陣で、現場感覚から言うと、軒落ち送りは手が届きそうなくらいの高さなんだけど、にも関わらず、浮彫がでかい。縮尺としては、この倍の高さの軒持ち送りっていうくらいの贅沢さといってよいのでは。

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そして、保存状態がめっちゃ良いうえに、図像が面白い、というか、好物系。

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こういうタイプだと、性器強調系も、違和感なかったり。原始宗教系、異教ということが自然と腑に落ちるからかな。でも、そういうわけでもないみたいなのが、びっくり。

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ちょっとアフリカのプリミティブ・アートとか入っている風ですよね。ピカソとかジャコメッティがはまったようなね。

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しかし、動物の顔は、なぜこれほど手抜きなのか。
写実はまた違う方向性だから(前項で学んだばかり、笑)、単純化やデフォルメは分かるけど、それにしても、これはどうよ?レベルじゃないか?
と言いつつ、めっちゃ可愛いけど、笑。

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かと思うと、いきなりこんなん。

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これね、私は、手塚治虫先生描くところの漫画的マントヒヒに見える。ある意味写実。
でさ、これは軒持ち送りじゃなくて、後陣の壁に堂々とくっついているのはなぜなんだろうか。

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現地での解説によれば、軒持ち送りの彫り物は、以下とありました。
「東側の外側からは後陣(丸い半円部分)と、七つの大罪(色欲、妬み、怒り、怠惰、暴食、高慢、強欲)を表す7つのモディリオンの彫刻が見えます。
2 本の小円柱もそれ自身に浮彫が施されており、また、支え壁の角柱とつけ柱の上にも、よく彫刻されています。」

七つの大罪、どれがどれか、分かりますか?

でも、ほんとかな?と思ったりもします。色欲は分かるけど、性器を見せてることイコールじゃないし、全体に、異教感の方が強く感じられるけれどもなぁ。

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  1. 2024/03/20(水) 13:29:39|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
  3. | コメント:0

うまくないのは分かった、笑(エグリーズヌーヴ・ダントレギュ63 その2)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その132(オーヴェルニュ、ピュイ・ド・ドーム)

エグリーズヌーヴ・ダントレギュEgliseneuve-d'Entraigues、サントーストモワーヌ教会Eglise Saint-Austremoine、続きです。

一応、教会の来歴なども、解説から。

「ペリエ修道院長によると、この教会は玄武岩質の主要な峰と「ル・クラモール川」の上に建てられており、現在の建物の場所にはディアナとアポロを祀った異教の寺院が存在し、建物のエリア内の深い場所に、大きな水の流れも発見したという。
ロベール・ムーリーによれば、475年頃のシドワーヌ・アポリネールの時代、この地域には礼拝堂が存在し、その後最初の教会が存在し、おそらく950年にはイソワールの修道院に依存した単純な洗礼堂が存在したという。聖オーストモワーヌにも捧げられ、エクレシア・ノヴァと呼ばれています。
現在の身廊と内陣の修復が行われたのは、ブルゴーニュ出身のシトー会修道士の統治下にあった 12 世紀になって初めてであり、教区は聖フェリシテと 7 人の殉教者である子供の保護下に置かれた。
15 世紀、リムーザン地方の巡回石工たちが百年戦争で深刻な被害を受けた身廊を修復し、トランセプトの交差点にロベール ド バルザックの紋章を彫刻しました。
1746 年に聖具室の建設によって教会が拡張された可能性があります。」

ということで、起源は古く、昔からの聖地であった土地なんですね。標高が千メートル近い山間部なのに、神殿が建てられたということはちょっとびっくりしますが、定住地というよりは秘境的な聖地だったのかなぁ。
まぁ、高地とはいえ、現在の町は平地で、秘境感はないから、往時もそれなりに定住があった可能性もありますね。

では、前回に続いて、柱頭を見ていきます。

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図で、Gの柱頭です。内陣の入り口左側という位置になります。

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「この柱頭は、2 つの面で大天使聖ミカエルとドラゴンのテーマを想起させ、3 面ではライオンの表現を思い起こさせます。聖ミカエルとドラゴンは、この地域(シャンパニャック、ラノーブル、モーリアック、イーデス、メナ、ベスジュール、ロフィアック、シャウリアChampagnac, Lanobre, mauriac, Ydes, Menat, Bessuejouls, Roffiac, Chauriat) の芸術家 が好む聖書のテーマを構成しています。善と悪の闘いを巧みに描いているためです。
打ちのめされたドラゴンは大天使によって殺されず、敬意を払われているだけであることがわかります。これは、その表現を熟考するすべての人に、エネルギーが完全に消えることはなく、調和する前にすべてを習得できることを教えています。」

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「ライオンの象徴性に関して言えば、後者はキリスト教以前の文明の神話の中で特別な位置を占めていました。聖書では、この恐ろしい獣について複数の場所で言及されています。 「ライオンの巣穴のダニエル」は、初期キリスト教時代から 12 世紀までの芸術で広く活用されたテーマです。
ゴシック時代には、その重要性が大幅に増加しました。 ライオンは邪悪な獣ですが、彼らが体現する悪は、ダニエルを守る神秘的な存在に取って代わられます。」

およそドラゴンには見えない、貧相な蛇感満載のドラゴン。そして、ウマを受けるのがはばかられる、ただの「ヘタ」としか評価できないライオン状の動物、笑。
でも、ミカちゃんは、少女みたいで、やけにかわいらしい様子で、それでいてぐっさりやってるのが、なかなかシュールな図像ですよね。

その対面というか、内陣入り口の右側Hの柱頭です。

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「この柱頭の各面には、左から右に、ひざまずく聖なる女性、十字架上のキリスト、そして鷲が描かれています。Art Chretien de Brehier、158ページで、この著者は、オーヴェルニュでは私たちの教会の柱頭の1つだけが十字架で飾られていると指摘しています。教会が十字架上のキリストの表現を認めたのはそれから数世紀後のことだったようですが、やはり主は苦しむ様子はなく、落ち着いて穏やかな姿をしています。彼女の足元で、香水の入った壺のようなものを手にひざまずいているこの聖なる女性は、キリスト教の伝統においてマグダラのマリアMarie de magdalaを表しているようです。マリアは、イエスが悪霊にとり憑かれていたり、あるいは解放した女性の一人であり、イエスの宣教の間、忠実な追随者としてイエスに従い、イエスを助けることになります。イエスが復活したのを最初に見て、イエスを「ラボニRabbouni」の省略系である「ラビRabbi」と呼び、イエスは彼女にイエスの復活を告げるよう命じます。」

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「東側面には、枝に止まっている鷲が見えます。ワシはライオンの一時的な力と精神的に同等であり、太陽に向かって飛んで太陽の顔を見つめることができる太陽の鳥です。それは蛇の対極であり、光への魂の高揚の最初の動物要素である鷲は、黙示録としても知られる「啓示」を受けた使徒ヨハネの象徴です。」

上の柱頭は、空間恐怖がなく、背景に余計な彫りこみがないすっきり感が印象的です。いや、印象としてすっきりではあるけれど、彩色が盛り盛りなのは、他同様なので、これだけ見るとやはりもっさりしてますけどね。

次はJの柱頭。

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「この柱頭には、魚、ブドウ蔓、鳩の 3 つのシンボルがあります。
水の要素の果実と生命である魚は、ギリシャ語のイクサスIchthusを表意文字として使用した最初のキリスト教徒によって象徴として採用されました。この文字列は、Jesu Kristos Theou Uios Soter (神の救い主の御子イエス・キリスト) のイニシャルになりました。私たちはこれらの文字を浅浮き彫り、あるいはより頻繁には葬儀の碑文に見ることができます。魚は時には聖体と、イエスと使徒たちが網を投げた大勢のキリスト教徒や不敬な人々を表していることもあります。
ここではブドウは純粋に装飾的であり、2つの房で表現されています。それはワインに先立つシンボルであり、その消費は教育を受けるための序文です。創世記はワイン造りを族長ノアに帰し、それによって文化の古さを示しています。ワインはエルサレム神殿で毎日の全焼のいけにえとともに酒として捧げられました。飲酒のため、通常は断水され、あらゆる行き過ぎと同様に酩酊も非難された。
最後の晩餐の際、イエスは使徒たちにワインを差し出し、こう言いました。「これは私の血です」。そして今日でもキリスト教の典礼において、ワインは犠牲になったキリストの血を象徴しています。
鳩に関しては、既に柱 F に登場しており、その象徴性がそこで説明されています。」

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さかな…、なんというか、みずみずしさゼロで、どっちかと言えばたい焼き状…、要は焼き魚、調理済みのお魚。聖体の表現としては、ある意味正しいのか?これを数千人に分けたというやつで、笑。不遜なことを言ってます、相変わらず。

Kの柱頭。

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「柱頭上部には、様式化されたシダの葉が散在するアカンサスの葉が表されています。柱頭下部では、面は平らに見え、画家はアーチの上に非常に美しい花を描きました。」

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「北面には炎の中で苦しみにもがく人々が描かれており、象徴的な地獄の様子が描かれています。それは死者の住居であるのと同じように、「すべての生きとし生けるものの集まり」であると語られます。ヘブライ人は、夜に似た明快な「存在の影」の中で自分たちが生き残ることを想像します。人に共通の運命であるシェオルSheolは、数日の人生を終えて到着した人にとって、反乱の対象ではありません。
それはあなたの先祖を見つける場所です。しかし時間の経過とともに、この地獄の概念が変化します。通常の死者の住居であるが、悪霊に対する懲罰の場となる。」

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「南面では、要塞の壁の前でひざまずいている二人の人物を司教が祝福しているのが見えます。イソワールにある同じスタイルの柱頭には、キリストとペテロの二人の人物が描かれた同一の壁が描かれています。エグリスヌーヴでは、司教は確かに聖オーストルモワーヌであるが、それを肯定することはできない。城壁に関して言えば、それは確かにキリスト教徒とイスラム教徒に平等に崇拝されるユダヤ教の聖地、つまりエルサレムであり、それ自体がエルサレムと同一である。」

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そして、柱頭L

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「この柱頭で「画面に現れる」様子なのは、まさにイースターの子羊です。この柱頭で、子羊の両側に何が見えるでしょうか?子羊の上に葉の支柱のようなもので接続された植物の装飾。左側には実のなる木のように見えるもの、右側には葉の真ん中にある非常に単純化された葉で結ばれた2人の人物があり、すべて要約的に彫刻されています。考えられる仮説は、子羊の周りに配置された装飾の枠組みがエデンの園を表しているということです。左側には禁断の果実のある木、右側には神によって結ばれたアダムとイブがまだ庭にいるか、すでに果実を味わってイチジクの木の後ろに隠れています。この場合、この柱頭の象徴的な重要性は、中心的なモチーフである子羊によって表される復活祭の犠牲による原罪の贖いである可能性があります。簡素化されたデザインにもかかわらず、この子羊は確かに受難の子羊(屈折と謙虚な態度)のようであり、復活の子羊(十字架に旗がない)や黙示録の子羊(足の下に聖なる本がない)ではないようです。記録のために付け加えておきますが、結合された 2 つの頭に関しては、ビオレBiolletの教会に同じ構造の古風な柱頭があります。」

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ビオレ、この前年2018年に訪ねていて、とにかく特異で面白い柱頭のオンパレードみたいな教会でしたけど、さて、同じ構造の柱頭、ありましたかどうか。以下リンクを貼っておきます。

https://notaromanica.blog.fc2.com/blog-entry-2134.html

というわけで、ちょっと解説多すぎな内容になってしまいましたが、せっかくなんで(勿体ない病)、笑。
好きかどうかでいえば、微妙な柱頭ではありますが(彩色がなければ確実に好きな部類だとは思います)、でも面白さはあるから、遥々来た甲斐があるし、一発目としては、幸先よし、この後が楽しみになるやつらでした。

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  1. 2024/03/18(月) 13:00:16|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
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えぐい盛り盛り彩色(エグリーズヌーヴ・ダントレギュ63)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その131(オーヴェルニュ、ピュイ・ド・ドーム)

いよいよ、この時の一泊旅の目的地に潜入します。
一部、ピュイ・ド・ドーム県、そしてカンタル県となり、下の地図でいえば、真ん中あたりを横切る紫のうっすらした線の上がピュイ・ド・ドーム、下がカンタルとなります。

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現代の便宜上、県境が通っているものの、おそらく本来はこの辺り一帯がCezallierという地域でくくられていたのではないでしょうかね。
山深いというか、とにかくかなりの田舎で、この村の先は、地図上の道がない、というところまであり、ある意味秘境的な土地かもしれません。

もうちょっと引いた地図にすると、位置関係が分かりやすいかも。

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変な印になっちゃったけど、この辺り。カンタル県で、ロマネスク的に回る最初は、南の方のオーリヤックとかモーリアックになると思うので、相当山奥で、カンタルをターゲットにしても行きにくそうだし、ピュイ・ド・ドーム側からも、山があるので、いずれからも行きにくい場所である、というわけです。

オーヴェルニュの中でもカンタルは、オーヴェルニュのくくりからは行きにくい場所で、私の最初のオーヴェルニュは、カンタル以外の地域でした。その後、トゥールーズから入ってアヴェイロン地域などを回ったときに、北上してカンタルも訪問したのでした。そもそも、そういう難しい土地だから、この旅は本当にラッキーなめぐりあわせでした。

最初の地図で印をつけた八か所を回りました。土地的にはまぁまぁ狭い地域です。標高はかなり高めで、山間といってよい土地です。

最初の教会は、エグリーズヌーヴ・ダントレギュEgliseneuve-d'Entraiguesです。久しぶりに正しい発音が分かりかねる村ですね、笑。

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サントーストモワーヌ教会Eglise Saint-Austremoineです。

この聖人に捧げられた教会は、この地域に多いけど、他では聞いたことないような?と思ったら、それもそのはず、というか、Clermontの最初の司教さんとかで、地域限定に信仰の強い聖人なんですね。
でも、もともとは、ガリアへの布教のために、法王ご指名でローマから送り込まれた7人のうちの一人とウィキではありました。なんでも、ユダヤ教からの改宗者で、サンピエトロさんと一緒に、パレスティナからローマに旅をしたとか。
改宗者とはいえ、あのピエトロさんとかかわっているなら、筋金入り系かも。でもガリア専門で、全国区の知名度はあまり高くない、というタイプなんですかね。とはいえ、これだけ多くの教会が捧げられていることから、布教は大成功だったということですよね。

申し訳ないけれど、キリスト教の教義等には興味がないのだけど、その派生する部分は、幅広くて面白いから、つい脱線が広がりがち。聖人にかかわる話も面白いですよね。実在していた人々だと思うし、奇跡話も、おそらく説明のつく部分があるんだと思うし、布教をどうやってやってたのかとか、キリスト教は戦略的布教をしているから、そのあたりを想像するのも楽しいものです。

脱線終わり。長すぎますね、失礼しました。

この教会の見所は、彩色柱頭となります。現地に解説が置いてありましたので、それと一緒に見ていきたいと思います。
ちなみに、内部はこのような構造となっています。

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すごくこじんまりしたイメージだと思いますが、身廊を分割する柱が、束になっているタイプのもので、柱頭も、一本柱があって、柱頭一つ、という様子ではないのです。訪問から四年もたってしまったので、詳細の記憶がかなり曖昧で、解説に悩みました。

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身廊を分割する柱は、角柱があり、その周囲に半円柱がくっついている様子、分かるでしょうか。そのそれぞれに柱頭があり、三面が装飾されている様子となります。全体の彩色というか装飾がすごくて、ごっちゃごちゃですよね。
こういうタイプは、傷んでくると痛々しさがすごいのですが、ここは、定期的にケアをしている様子で、柱頭の彩色も、ちょっとやりすぎじゃん?という盛り盛り感満載のものも多数です、笑。

まずは、本堂中央部分にある柱頭から。図面ではCとなっているやつです(現地での説明版は、全部撮影したつもりですが、図面にあるすべてに関しての解説はなかった模様です)。

france vari 3 180

「この柱頭は、馬に乗ってサラセン人と戦争を繰り広げる戦士と牛の頭の表現を通して、2 つのテーマを呼び起こします。
1095 年 11 月 27 日、14 人の大司教、250 人の司教、400 人の修道院修道院長と非常に多くの群衆が見守る中、元クリュニー修道院院長オドン・ド・ラジェリー、教皇ウルバヌス 2 世が最初の十字軍を祝福しました。
多くの騎士は聖地へ向かいましたが、ムーア人は聖地へのアクセスを不可能ではないにしても困難にしていました。多くの人が途中で亡くなりましたが、私たちがそこで見ているように、敵と戦って戻ってきた人もいました。彼は白い馬に乗り、左手に十字のマークがついた尖った盾を持ち、もう一方の手には見えない剣を持っています。これは、キリスト教全体にインスピレーションを与えたこの共同の努力が、いくつかの間違いにもかかわらず、信仰の成果であったことを証明しています。」

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「同じ面の上には牛の頭があり、ロマネスク美術では非常に珍しい写実的なものです。力と多産の象徴である雄牛は、長い間犠牲の動物でした。図像作成者は、それを柱頭の金色の子牛と関連付けることがよくあります。ロマネスク様式のタンパンでは、雄牛は福音書記者ルカの象徴的な動物です。
この頭部の彫刻家は、人類の獣的な表現や水という要素の象徴ではなく、私たちの地域で、生育繁殖するなじみのある動物を呼び起こしたかったようです。

確かに、馬の様子がロマネスク的にかわいいのと比べると、牛の頭部、かわいくない上に縮尺でかいですよね、笑。牛の頭部って、大体こういう感じだけど、大抵表情はチャーミングだもんね。
しかし、写実にすることの意味がそういう風に解釈できるというのは、いやはや、考えたこともなかったです。

ただ、この解説を書かれた方はとても謙虚で、必ずしもすべての意味が分かっているわけではなく、他の解釈の可能性も大いにあるという認識をしていらっしゃいました。ある意味、その謙虚さにびっくりしたので、下記、訳を置いておきます。
すっごい古そうなタイプライターで書かれた文でしたので、きっと古い世代の律儀な研究者のものなんだろうなぁ、と想像します。

「イソワールと同様、柱頭は多色で、ヴェルニョールVergnolという名の芸術家によって描かれました。反対側の地図に示されているように、柱が A から N までリストされているように、教会を時計回りに歩いてそれらを発見してください。
私たちは謙虚であることを意図した説明を提供しますが、それを達成するために、主にメイベック夫妻の資料を中心としたさまざまな情報源を利用しています。
葉、果物、花を表す柱頭については説明していませんが、他の教会(たとえばトゥーレ教会)と同様に、地球生物学者によると、エネルギーの拡大を表す、葉の表現から花や果物の表現への進行が存在するようです。
我々は、柱頭のシンボルを製作者の真の意図に従って解釈することはできないことを承知しておりますので、情報に詳しい訪問者は、「エグリズヌーヴ愛好会」にコメントを送ってご意見を共有していただくようお願いしています。」

次にDの柱頭です。

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「南側面では、男性が両手に長い棕櫚の葉を持っています。ノートルダム・デュ・ポール教会eglise de Notre Dame du Portの柱頭と、ピュイ・アン・ヴレPuy en Velayのクロザティエ美術館musee Crosatierに展示されている柱頭にも同じ光景が見られます。その象徴は原罪の象徴であり、楽園の扉を閉じる登場人物です。
この表現は聖書には登場しませんが、5世紀に聖アウグスティヌスに従ってラテン系キリスト教で発展しました。西洋で「原罪」と呼ばれるもの、そしてその共通言語がよく言えばアダムとイブの不従順、悪く言えば肉の罪に帰着するものについての反省を促したのはパウロでした。
西面には組紐模様(組み合わせ)があります。
北面では、南面の象徴性とは対照的に、これが悔い改めない人に起こる危険であり、この容赦ない終わりを遅らせようと努力したにもかかわらず地獄に落ちる危険です。」

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「この柱頭西側には、悪魔が非常に表情豊かに表現されており、悪魔は右手に本のように見えるものを持っています。係合した柱の上部の柱頭には、利尿作用に使用される植物であるムカデの葉に似た、長く滑らかな葉が見えます。」

彩色、すごいですよね。こうなると、彫りは全く分からないので、どう受け止めてよいのやら、ということになってしまいます。キリスト教のテーマパーク絵巻っていうか、アート的に捉えるのが非常に難しい。

次はFです。

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「上部の柱には、対称的な尾を手に持つ 2 人の人魚が描かれています。この幻想的な存在は、半分女性で半分魚であり、その起源はギリシャ人やケルト人に見られるだけでなく、さらに遠くシュメール人にも見られます。
セイレンは異教の世界を表しており、善に向かうためにはそこから退かなければなりません。」

france vari 3 185

「下部柱頭の北面には、聖杯から水を飲む二羽の鳩が描かれており、側面には蛇が描かれています。クリスモン、魚、子羊、錨と並んで、鳩は初期のキリスト教徒が好んだテーマの 1 つです。多くの場合、2羽の鳩が天の平和の象徴であるオリーブの枝をくちばしに持ち、時には王冠を持って向かい合っていますが、最も古典的な図では、この図のように、水を飲む水盤の両側に鳩が立っています(柱頭は聖サトゥルナン教会のものと同じ)。
蛇の象徴性は聖書と同様、善と悪の間で両義的です。
西面にはシンプルな網目模様と渦巻き模様の葉が描かれています。
一方、南面は最も興味深いものですが、イソワール修道院教会の「最後の晩餐」の柱頭からインスピレーションを得ているようにも見えますが、最も謎めいています。」

france vari 3 186

「まるで空中に浮いているかのようなテーブルクロスのテーブル、この柱頭の全体的な配置、ここにある多くの要素は確かに最後の晩餐の表現を思い出させますが、福音書に想起される他の食事の表現も思い起こさせます。
パンを増やす場面、ラザロの家での食事を持つ金持ちのたとえ、カナでの結婚式、シモンの家での食事…。
中央の 2 人の後光の人物の位置と態度は、おそらくエグリズヌーヴの彫刻家のモデルとなった柱頭であるイソワールの柱頭との類似性を強化しています。しかし、これらの純粋な形の類似性が確立されているため、この柱頭には最後の晩餐のテーマやカナでの結婚式やシモンの家での食事のテーマに対応するものは何もありません。
金持ちとラザロの象徴性が残っています。中央の翼のある人物はキリストとの同一視を排除しているが、彼は善良なラザロの魂を楽園に連れて行こうとしている翼を広げた天使である可能性があり、その潰瘍を2頭の犬が舐めている(2頭の動物の頭だが、なぜこの位置?)。」

france vari 3 187

「右側の女性は、他の登場人物の一人である、悪い金持ちのパーティー参加者の妻である可能性があります。左右の両手に持つ物体は、たとえば富裕層の品揃え豊富な財布である可能性があります...」

絶対に最後の晩餐、と思っていました、今が今まで、笑。
確かに、角っこにある黒犬の意味が、ラザロなら納得ですね。なんで空中浮遊で、なんで人々は当たり前のようになでなでしているか、は謎ですが。
私思うに、単純に足元にスペースがなくて、開いてる場所を探したらここで、ということではないかと。そんなもんですよね、ロマネスク時代って。

解説も訳したし、さらっと書けると思ったのですが、図像と照合するのが意外と大変で、手こずっています。これまたいつものパターンですね、笑。
続きます。

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  1. 2024/03/16(土) 12:54:04|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
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観光地化反対!といいつつメリットもね。(ジョナ―サン・ピエール・ド・コラミーヌ63)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その130(オーヴェルニュ、ピュイ・ド・ドーム)

いよいよカンタルへ、という前に、もう一つ、同行者が案内してくださった場所があります。全然知らなかったので、びっくりしました。

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こんな眺めのいい場所で、遠くに集落が見えますが、近くには何もないのです。
グーグルで、全体が分かりやすい画像があったので、ちょっとお借りしたのが、下になります。

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ジョナの洞窟Grotte de Jonas - Saint-Pierre-de-Colamine

「ジョナの噴火で形作られた場所に、70ほどの居室が作られ、様々な階層の人々600人ほどが暮らしていた」という場所で、南イタリアのマテラに似ているかもしれません。マテラは、主に貧しい人々が、岩山を掘って住居にしたことが始まりで、それが町に発展して、現在では洞窟に暮らす人はいないけれど、名残の町並みが面白い一大観光地となっていますが、こちらは、「今は昔」状態。
おそらく、住む人が減っていって放棄され、朽ち果てていきそうなギリのところで、投資があって…というストーリーみたいです。

現地の解説には、以下とありました。

「ジョナの洞窟群
ジョナスの穴居の村は、伝統的に「ジョナス洞窟」と呼ばれています。しかし、これらの「洞窟」の出現は、自然の浸食作用(風、水、地震現象)の結果ではありません。これらの「洞窟」は、おそらくガロ・ローマ時代 (西暦 2 世紀頃)、特に中世 (9 世紀から 14 世紀) 以降、人によって作られたものです。もともとは火山活動による断崖地形だったものを、人々は村に変えていきました。したがって、この岩で掘られた住居とその住民の両方を指す「穴居」という用語が使われます。」

まぁ、これだけでは、我々の行先にはなりえないんだけど、実は、この穴居の中に、中世のフレスコ画が残された教会があるということなんです。
人々が数百人定住すれば、そりゃ教会はできますよね。建築が出来なければ、洞窟を活用するしね。

面白そう!とわくわくするんだけど、ここの嫌なところは、一帯を”中世ワールド”みたいなコンセプトで、ちょっと作り込みもして、ガイドツアーでしか見学できないの。

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我々が参加したグループは、総勢20人くらいはいたのかな。団長とか指名して、こういう砦に入るのも、わざとらしく「開けてください~」とか茶番をしなければいけないという…。お子様連れご家族の遊び場としてのコンセプトは分かるけれど、それはそれこれはこれで分けてほしいもんだよね。
フランス得意の観光地推進が、間違った方向に進んだ例かもね。茶番ルートとそれ以外に分ければいいだけだと思うんだけどもねぇ。あ、でも、そうすると、結局それ以外ルートを選ぶ人はほとんどいない、ということになるのかもな。

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岩壁に開いている穴の一つ一つが住居だったり、通路だったりします。登ったり下りたり、足腰が弱い人は、見学も不可。
そして、その中に、礼拝堂があるんです。

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驚きます。結構大きなスペースで、上の写真の左側の方が、側廊見たいになっているんですが、その天井に、フレスコ画があります。

コロナの間、南イタリアを旅して、多くの洞窟教会を見学してきたのですが、その多くがビザンチンで、そして、これほど作りこんだ洞窟はなかったと思います。ここは、岩をくりぬいた部分と、付け足しの構造物もあり、それで、側廊的なスペースまで確保できているのですね。

ここは、座る場所もあるため、ガイドが行われていたと思いますが、我々は撮影に夢中で、うろうろ。ガイドにとっては目障り極まりない嫌な東洋人だったと思います、笑。

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解説。
「12世紀の礼拝堂
キリスト教の習慣で聖域の方向を決め、祭壇を東、つまりここではファサード側に配置することが定められていました。1706 年に崩壊した隅では、ヴォルトが祭壇の上に天蓋を形成しました。 このようにして、大きな礼拝堂の中に、小さくて特徴的な礼拝堂を定義しました。おそらく、12 世紀にオーヴェルニュで人気が高まった聖母崇拝に向けられていました。サンローランに捧げられた元の聖域にこの祭壇を追加したいという願望は、おそらくこの建築プロジェクトの口実でした。
深さの観点から、この礼拝堂のために計画されていた長方形の形への掘削は続行されませんでした。正面の壁の中央には窓がなく、アーチが下がっています。ここがサンローランの祭壇が立っていた場所です。」

france vari 3 166

「描かれた画は 12 世紀のものです。フレスコという言葉は、新鮮に描くというイタリア語の表現を縮めたものです。実際、この技法は、壁に置かれたばかりの新しいコーティング(砂と石灰でできています)に直接ペイントすることで構成されています。画家は単に水で薄めた色顔料を使用します。色は、空気中の二酸化炭素との化学反応によって交換されるときに、そのようなコーティングの表面に自然に生成される保護表皮(石灰塩堆肥)の下に永久に固定されます。
Jonas では、アーティストはほんの数種類の顔料 (色の付いた物質を粉末にしたもの) を使用しただけです。 赤い黄土色、別の黄色、おそらくベンガラ、黒(焼成材料から得られる)、および白(石灰から)。
赤黄土色で下絵を描きました。
着色するために、明るい色合いを求めているか、それとも強い色合いを求めているかに応じて、色素の着色を遅らせました。
イメージの各要素 (コート、ドレス、髪、顔など) を背景色 (中間色) でペイントしました。次に、その上で、黒または白の痕跡を持つ影と光によって各表面を定義し、時には石灰と中間色を混ぜて明るくしました。
最後に、輪郭をダークブラウンで描き直しました。」

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「キリストの拷問から3日後の復活祭の朝、彼の親戚の女性たちは慣習に従って死者の体に香水を付ける許可を得た。墓に到着すると、棺が開いていて空であることに気づきました。天使がそれを示します。 キリストは復活されました。彼は神の化身でした。 この物語がキリスト教の宗教を設立しました。」

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これは、キリスト降架に見えます。

その右側では、鶏がいるので、これはどうやらペトロン(ピエトロ)…。

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目鼻立ちがはっきりしていて、スペインのベアトゥス写本を彷彿としました。
とても好みですが、残念ながら、お顔がはっきりしているのは、この二人だけ。

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左上が石棺が空っぽだった場面の一部、下は、後陣になるのかな。玉座のキリストですかね。右上は、エルサレムかなぁ。光背はキリストですね。ということは捕縛かな。顔がないのが残念。

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柱頭の上の部分にも、それぞれ絵があるのですが、保存状態が悪くて、なかなか分かりにくい状態です。

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下のは、かなり良い状態の一人。

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衣服には、解説にあったような黒い輪郭線が見られますが、顔の方は、ないですね。

ここは、現地で見た方が、印象がすごいです。もちろんどこでもそうなんだけど、やたら写真映りの良い場所もあったりはするじゃないですか。ここのフレスコは、全体には残っているんだけど、残念ながらディテールに難あり、ということで、現地での方が感動できるってことです。

フランスに、このような洞窟教会があるとは、想像もしていなかったので、お連れいただいて本当にラッキーでした。ただ、あのガイドツアーがねぇ。二度行きたいとは思えないのよねぇ…。
とか、つい愚痴っぽくなってしまいますが、笑、一方で、観光地となっている分、決まった時間にいけば必ず入れるというメリットはありますね。

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  1. 2024/03/11(月) 13:54:29|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
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12世紀の宝物たち(サン・ネクテール63 その2)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その129(オーヴェルニュ、ピュイ・ド・ドーム)

サン・ネクテールSaint-Nectaireのノートル・ダム教会Eglise Notre-Dame、続きです。ちょっと解説を見たら、なんとなく気になって、前回は柱頭をじっくりと見てしまいました。
他のものも、ちらっと備忘で書いておきたいと思います。

それにしても、やはり英語版の解説書はダメですね。
現地で、地域の教会を網羅した写真満載のガイド本を購入したのですが、変な英語が多い上に、間違いも異常に多いのが分かりました。版が古いのかもしれませんね。
以前は、本を買っても、ざっくり程度で斜め読みだったので問題を感じなかったのですが、ちゃんと読むとね、不具合満載。おそらく、あまり英語力も美術知識もないフランス人が、適当に英訳したってやつ。
最近は、自動翻訳がよくなってきたこともあり、資料は現地語で探すようにしているのですが、やはりそれが正解みたいです。
ネットも、フランス語サイトを自動的にイタリア語に変換できるので、そういう機能は実に助かりますが、専門用語的な単語は、変な訳をされてしまうので、ちゃんと読みたいときは、一文一文、自動翻訳を使いながら訳す方が、結局分かりやすかったりもしますから、やっぱり時間をかけざるを得ないのですね。
今回、英語版の簡単な解説があったので、ちょいと面倒だけどまとめとこうか、と気楽に始めたのに、結局訳が分からなくて、ネットでフランス語解説を探して、えらい時間がかかってしまって。急がば回れ、を文字通り実践してしまいましたわ。という脱線話でした、笑。長々すみません。

前回まとめた内陣の柱頭以外にも、お、となる柱頭がいくつもあります。

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やはり、総じて彩色がない方が、良さが伝わってきます。オリジナルの彩色が遺っている分には、まぁそれはそれで、と思いますが、なんとなく後代に上塗りされている部分も多いのではないかと思われて、ちょっとなぁ、ってなります。

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サル…。
毎年、年初のインスタグラム(最近激しくさぼっていますが…)で、干支にちなんだ浮彫写真をアップしたりするんだけど、申年は結構あるかもねって思いつつ、当該年になったら、ここにいたことは忘れちゃうんだろうなぁ、笑。

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これは、2016年の時にもアップしていたはず。なんとなくトローン、と自分の演奏に行っちゃってるのかクスリでもやってるのか風のヤギ?ヤギなのかな?右のはそうだけど、普通はロバだよね、楽器奏でるのって。でもこれは、サウンド・オブ・ミュージックの人形劇に出てくるヤギに薬を入れた感じ、笑。

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こういう装飾的な柱頭の彩色は、アリだな。
それにしても、左側のいたってこの辺り風と言うのか、もしかするとちょっとサントル入ってる風というのか、いずれにしてもバリロマネスクに対して、右側のは、ほとんど現代のデザイン風でびっくりします。ちょっとアシンメトリーも入ったりして、なんですかね。彩色から言って、やはり同時代のものと考えられるのに、不思議。

さて、柱頭を離れますと…。

おそらく、教会の宝物、キラキラ感のない、地味な聖母子の木彫り像がありました。

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12世紀のものらしく、ガラスケースに収められています。12世紀のものとしたら、かなり保存状態が良いですねぇ。
それにしても、キリストの頭頂部の扁平ぶりが気になる、笑。冠かなんかが乗っかっていたのかなぁ。

そしてもう一つ。

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これは、明らかにレリック・ケースだよね。
ボーディムBaudimeさんとあります。これも、12世紀とありますが、すごいお宝っぽい。現地に、以下の説明版がありました。

「サン・ボーディムの胸像:聖人は胸像で表現され、右手は祝福の仕草、左手は何かを持っている様子ですが、それすでに失われています。胸像は木製の芯に金メッキの銅板を型押しして作られています。飾られたガラス製品や半貴石の大部分は時間の経過とともに盗まれています。ロストワックスで鋳造された頭部と腕は非常に精巧に作られています。ひげと眼窩はハンマーで叩いて表現されています。木製の芯が象牙製の目を支え、虹彩は角製です。聖人は修道士のような剃髪トンスラをしており、髪はたっぷりとカールして顔の周りを囲んでいます。顔と手は、ロマネスク芸術ではめったに見られない自然主義を示しています。聖人の不可解な表情は彼の超越性を表しており、信者とあの世の間の仲介者としての役割を十分に果たし、最後の審判の際に救いをもたらします。作家は、聖ネクテールの伝説として知られる柱頭におけるその顔を、忠実に再現しました(内陣の中央に位置します)。聖ボーディムの胸像もおそらく同じ作家によって作られたものと考えられます。したがって、私たちは聖ボーディムではなく、聖ネクテールの胸像に直面することになります。」

ロストワックスって、フランス語直訳してるので、自動翻訳特有の捏造かと思ったら、そういう製法がちゃんとあるんですね。
「加工が簡単なロウで原型を作り、その原型を、砂、石膏、セラミックなど台材に仕込み、蠟を溶かして書き固めて鋳型を作る。できた空洞に溶融金属を流し込み、材料が冷え固まったら、型を割って、製品を取り出す。」というものだそうです。

最近見に行った現代美術の作品が、型取りで人型を作るタイプのもので、そういうのにちょっと興味があって、つい調べちゃいました。ネットに感謝。

12世紀にしては、写実がすごいということで、この辺りは、特に裕福な地域では、もうロマネスクの終焉だったのかもしれませんね。フランスはゴシックへの変わり身があっという間だもんね。

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同じ場所に、サン・ネクテールの聖遺物入れということで、腕型のと、プレートみたいのがあったけど、腕型のは撮影しておらず。こういう金銀細工的なものは、あまり興味がないみたいです、私。

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最後に、外観を。
石材は、地元産の明るい灰色の粗面岩ということです。オーヴェルニュに多く見られるはめ込み細工みたいな石の装飾がされています。これは、地味ながら美しいですよね。

というわけで、ディテールに面白さがあり、大き目の教会も楽しめるようになった今日この頃の感覚からは、もう一度くらい訪ねて、見直したい気持ちも沢山ありますが、さて、そういうチャンスは訪れるでしょうか。

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  1. 2024/03/09(土) 16:28:34|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
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久しぶりのトマス指突っ込み!(サン・ネクテール63 その1)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その128(オーヴェルニュ、ピュイ・ド・ドーム)

続いて、これまた超有名教会です。
サン・ネクテールSaint-Nectaireのノートル・ダム教会Eglise Notre-Dameです。

france vari 3 131

ここも、前回のオルシヴァル同様、2016年に訪ねており、その時の記事は以下となります。

2016年のサン・ネクテール

実は、今回訪ねたのは、教会目的というよりも、チーズ目的でした!
ここでは、町の名前サン・ネクテールを冠したチーズを作っていて、それは、カビ、つまり熟成系のチーズを苦手とする私でも美味しくいただけてしまう、つまりかなり食べやすい万人受けするテイストなんです。
フランスは、スーパーなどでのお値段を見るに、全体として、イタリアより若干高いかな、と思うことが多いのですが、ことチーズに関しては、かなりお安い。

なので、まず訪ねたのは、同行者がチーズを買い求めるためのチーズ屋さんでした。それが、サン・ネクテールの教会を見下ろす高台にあり、そのために、トップのような美しい風景を撮影できたのです。
下の、右端のFargesという名所にチーズ屋さんがあり、サン・ネクテールを西側に眺める感じです。

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2016年に訪ねた時の記事をみていただくと分かるのですが、サン・ネクテール、教会は丘の上にありますが、新市街みたいなのは丘の麓の幹線道路沿いに並んでいるような感じです。でも、高台から眺めると、サン・ネクテールも高台だけが見えて、とても素敵な眺めになっていますよね。

遠方から全体像を眺める、撮影するって、一人で回っていると、結構難しいのですよね。長めよりまずはアクセスするためのルートに集中するし、たとえ、「あ、ここからの眺めいいな」と思うことがあったとしても、一人だと適当な停車場所を探すこともままならなかったりしてね。
田舎道は、ギリ対向二車線、場合によってはもっと狭いケースも多いから、うかうか停車できないし、撮影できないから目に焼き付けとこうと思ったって、運転中に遠方の風景だけ見てたら脱輪するし~、涙。おひとり様ドライブ、あるあるなんだろうなぁ。

ちなみに、買い求めたかったチーズはなくて、超がっかり、という落ちでした、笑。確か他のお店で買い求めたような気がしますが、嗜好品ってね、メーカーさん大切だからね。

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ここもまた、私にとってはでかくて立派な教会です。前回のオルシヴァルと、とても似た建築ですよね。
内部もまたとても立派で、浮彫の施された柱頭が、これでもか状態です。

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この、シンプルな葉っぱモチーフだけでも、これだけ並べられると壮観で、感心してしまうのですが、内陣は、すごいことになっています。

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これでもか状態で彫りまくりですよ、笑。
解説では、以下とありました。

「慣習に従って、後陣の 6 つの柱頭は、キリストと聖ネクテールの生涯におけるいくつかのエピソードを物語り、それは成功しています。これらの大胆に描かれたシーンには、87 もの登場人物が登場します。」

87人!!!!!
ほとんど空白恐怖みたいな状態で、ぎっしり彫られていますから、確かにいそうです。数えた人も偉いなぁ。
柱頭、解説に沿って、見ていきたいと思います。が、例によってシステマティックに撮影していないので、ほとんどパズルです。頓珍漢なことを書いていたら、ごめんなさい。
っていうか、今更なんで、さらりと行きたかったのですが、部分的に浮彫の解説を見てしまったんで、どうせなら、と、まとめるのに、また異常に時間がかかってしまいました~。

内陣向かって左から、見ていきますが、すべてきっちり撮影していなかったのが、今更残念です。

一つ目は、キリストの受難をテーマとした柱頭となります。
・キリストの捕縛

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「キリストの逮捕とユダと裏切り者のキス」

・キリストのムチ打ち
・十字を持っているキリスト

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・トマスの不信仰(これ、好きなエピソードですが、意外と出会わないのです。相変わらず、トマス、いい味…、笑)

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二つ目は、キリストの変容
・キリストの変容
・パンや魚を増やす奇跡(最後の晩餐みたいな、お食事場面ですね。手にパンを持ち、存在感があり過ぎるお魚がドカン!これは珍しいほどの写実ですね。特にでかいお魚の写実がすごいわ。)

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・ラヌルフォ(下:寛大な寄付者ラヌルフォが柱にしがみつき、ヘルメットをかぶった男が彼の髪を引っ張り、天使が彼の手首を掴んでいるのだろう。 これは善と悪の闘争を象徴しているのでしょうか?)

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三つめはサン・ネクテールの生涯
・人を蘇らせるサン・ネクテール
・テヴェレ川を超える(天使の視線の下で、聖人はサタンに川を渡らせるよう強要する)

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・サン・ネクテールの説法
・ブラデゥルスの復活(下)

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サン・ネクテールさんに関しては、以下の解説がありました。
「聖オーストルモワーヌの仲間の一人である聖ネクテールはバス オーヴェルニュ低地の伝道者の一人であり、コルナドール山にある彼の墓への崇敬の念が、この場所に教会が存在したことを説明しています。」

簡単すぎだよね。
ってか、オーストルモワーヌっていう人も、フランスではしばしば出会う気がすぐけど、その人も知らんもんな、笑。
それにしてもね、ここだけの話、どうもサン・ネクテールと聞くと甘酸っぱいような濃厚なフルーツの…、あ、ネクターのイメージか、と。聖人に対して、あきれるけどもさ、笑。

四つ目は黙示録
・魂の公正さを計る
・黙示録の騎士

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・天使からの衝撃
・選ばれた人々の復活(下)

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五つ目は最後の審判
・贖い主の十字架

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・地獄に落ちた人々

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・審判

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ラッパの音による裁き

・神に選ばれた人々の復活(下)

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六つ目はキリストの復活
・キリストの地獄への降下

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・寝ている戦士
・キリストの墓
・神聖な女性たち(十字架につけられた遺体を防腐処理するために来た聖なる女性たち)

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それにしても、彩色のおかげで、なんかダサいテーマパークに並んだ塑像の変な奴らみたいになってるのが、笑、かなり残念です。内容が分かりやすくなる意義は分かるのですが、これだけしっかりとした彫りだから、今の感覚だと、石色そのままお方が、圧倒的によいですよね。

続きます。

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  1. 2024/03/04(月) 21:30:27|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
  3. | コメント:0

巡礼=観光、ですよね(オルシヴァル63)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その127(オーヴェルニュ、ピュイ・ド・ドーム)

アリエ県からカンタルを目指す一泊旅は、まず世界遺産観光から始まり、そして、通り道のピュイ・ド・ドームにあるいくつかの教会を訪ねました。
まずは、こちら。

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オルシヴァルOrcivalのノートル・ダム教会Eglise Notre-Dameです。

ロマネスクやる人なら、マストの教会ですよね。私も、初めてオーヴェルニュを回った2016年に訪ねており、その時の記事が、下となります。

2016のオルシヴァル

この記事で、いつか再訪したいと書いていたのが、たったの三年後にかなってしまったというわけです、すげーな。

再訪できてよかったと思います。
というのも、初めてのオーヴェルニュでは、実に多くの教会を訪ねることが出来たのですけれど、このオルシヴァルのような、背が高くて大きい教会って、ここにきて初めて出会う感じだったんですよ。それまでは、比較的田舎の、いかにもロマネスク、みたいなタイプばかり見ていたとこもあったので、次々と出会う規模のでかい教会に、腰が引けていたっていうか、端から引けていたっていうか…。

柱頭の浮彫など、ディテールは面白いんだけども、何かのめり込めない、味わえないところがあったのが、この三年間の経験は大きい。感覚が慣れてきたんだと思うんだけど、純粋に楽しめたところ、大いにあって。
好みでいえば、やっぱり規模の小さい、ロマネスク初期の素朴系が好物だけど、ディテールを楽しむという見方もできるようになったっていうか。大人になったっていうか、笑。

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とは言いながら、訪問時の感想としては、前回とあまり変わっていないので、そこは繰り返しません。
また、前回修行旅の頃は、事後にも、解説をきちんと読んでまとめることはあまりしていなかったので、今回手持ちの資料があれば読んでみたいと思ったのですが、非常に薄っぺらな、地域一帯を解説する本しか見当たりませんので、それに目を通すにとどめます。この教会に関しては、ネット検索で、多くの情報も出てくると思いますので。

その簡単な解説で、面白いと思ったいくつかを。
まずは、その立地です。

「なぜ、オルシヴァルの教会は、迂回が必要なシオレット川と掘削が必要な山の間にある、このような困難な場所に建てられたのでしょうか。
そのような信心のもととなった聖母像の発見後、トンボーの丘の古い礼拝堂の跡地に新しい教会を建てる責任を負った石工たちは毎朝、 前日の仕事が取り壊されているのを発見した。天の意志に反することを避けるために、棟梁はハンマーを投げ、それが落ちた場所、つまり三百歩下流の川と小川の間の場所に教会を建てることを誓いました。」

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地図で、右上の方に、礼拝堂があるんですが、そこのことなのかなぁ。そちらも、斜面っぽいんですけどもねぇ。ただ、やはり高い場所に建てるっていうのは、原則的にありますし、もともとこんなでかいものを想定していたわけではないから、あり得るのかな。
おそらく、何かしら不具合があったんでしょうね。
この町は、標高が660メートルとありましたけど、教会を中心とした町中の高低差は少なくて、教会は街道に面している立地なので、工事は丘の上より楽だったはずなので、職人さんたちが、理由を捏造した可能性もゼロではないかと、笑。

とはいえ、これは前回の記事にも写真を載せていますが、本来ならばファサードになるはずの西側が、山に迫っているなど、なんで?って思わされるんですよね。でも、一応ファサードの壁が立っているので、ギリできるしオウケイ!って感じだったのかな。

なるべく、前回の記事とかぶらない写真をあげていきたいと思います。

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この、フランス独特の木の扉、鉄の装飾が実に良いですよね。多くの場所で、その鉄にも装飾があるのが萌えますが、ここでも、愛らしいやつらがひっそりとおられます。

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こういった扉そのものへの装飾は、例えばイタリアでは見ないものなのですが、鉄などのマテリアルの有無によるとかなのかな。装飾と同時に補強でもあるし、もちろんコスト増の要因だし、そういう理由でもあるのだろうか。

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クリプト。
古い構造だとは思うのだけど、広くて背が高くて、そして修復もしっかりなされていて、若干引けてしまうタイプのクリプトです。
つい先日、ミラノの中心部にある古いクリプトを、やっと訪ねてきたのですが、それに通じる感じもあり、クリプトと言いながら、これはほぼ教会本堂だろうの規模感なんですよね。なんか、違う、的なね。やっぱり田舎の小さな教会派なんだよな、所詮、笑。

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上に戻り、中央祭壇。

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前回は、なぜか完無視していたようなんですが、中央に、キンキラの聖母子が置かれています。

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ガラスケースに収められています。衣も玉座もキラキラですごいですね。聖母のお顔がやけにリアルで、これは彩色にも寄るのだろうか?
ロマネスクであったとしても、この写実は後期だろうと思われますが、いずれにしても、よくぞこの状態で保存されたものですね。いや、修復はされたのだろうけれども。巡礼も押し寄せますよね、この美しさには。

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現場にあった図面で、各数字で、名称や柱頭のテーマを説明しているものです。
図面で、これまたちょっと面白いと思った解説がありました。

「黄金分割の幾何学
ノートルダムの建築主は、この聖堂の力強く象徴的な建築に黄金分割の比率を利用したようです。
図面で示すのは簡単なことだが、ナルテックスのない身廊は黄金の長方形を形成しているが、ナルテックスがある場合は 2 つの正方形を形成し、その共通の側面が 2 本の円柱によって強調表示されているが、明らかな有用な目的はなく、角柱に組み込まれている。このレイアウトはオーシバルとイソワールで見られます。
これらの柱の高さと身廊の幅の比率は、黄金分割と正確に一致しており、また、それらはナルテックス側の完全な小さな長方形を表しています。
教会全体を研究すると、いくつかの場所でこれらの比率がセンチメートル単位で明らかになります。その幾何学形状には、ピタゴラスの三角形と、職人が目盛線を使って構築する対応する角度も使用され、特定の点が決定されます。その一部には今でも小さな木の杭でマークが付けられています。」

訳もヘタで、テクニカルなことはよく分からないんだけど、なんか、そういうことらしい、笑。

柱頭は、前回の記事で見ていただくこととして、外部の装飾など。

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市松模様の帯や鉋屑、オーヴェルニュですよね~。

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フランスの教会は、周歩廊があり、その周りに礼拝堂がくっついたりするから、ノーズが長いっていうんですかね、笑。聖域が異常にでかい構造になりますね。

考えたら、フランスって昔から観光政策に長けてたんだね、笑。こういう構造って、巡礼者ありきって感じするし。巡礼者がくれば、要は今の観光客みたいなもんなわけだから、お金が落ちて土地が潤うわけよねぇ。
イタリアは、つい最近になって、各地で観光政策が大いに盛り上げってきているのですが、それまでは黙ってても世界遺産認定されるし、何もしなくても人が来るから、ほんと観光っていう側面はダメだったんだよね。遺跡を守るとか、そういうことは結構ちゃんとやってきてるんだけども、観光に直結させてこなかった感じ。
そうかぁ、中世からそうだったんだぁ~。新しい視点に気付いたわ、笑。

おっと、そういう脱線はともかく、オーヴェルニュの真髄ともいえるこの辺りの教会については、もう一度くらい再訪の可能性もあると思うし、ちゃんとした解説を読んでみたいものだと思います。


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