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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

イケてなくても(テーリオ)

2020年7月ヴァルテッリーナの谷(Covid明け)、その2。

次に訪ねたのは、ちゃんと事前に調べてあった教会です。

valtellina 008

テーリオTeglioのサン・ピエトロ教会Chiesa di San Pietroです(クローズの場合は、教会至近にあるホテル・コンボロにカギを頼みます。駐車場は、教会脇や村の入り口にあり)。

美しいお姿に、まずうっとりです。
これは、まさにイタリア、それもロンバルディアのロマネスクですよね。しばらく、フランスの教会ばかり見てきた目には、こういった石積みあらわな外壁が大変新鮮で、そして、やはりこういうのが好きだなぁ、と思います。
「四角い切り石、川石とモルタルなど、コモ・ティチネーゼの影響が感じられるロマネスク様式」と解説にあります。確かに、コモ周辺にある教会と共通の様子があります。

資料によれば、11世紀前半、1020-1050ごろの創建と考えられる、とあります。
記録がなく、明確ではないようですが、建造の技術から、またこの地域の建築文化の保守性を考慮して、推定されているようです。保守性というのは、おそらくですが、山間の田舎であることを考えると、他の地域ではすでに終わっちゃってる技術なんかが遅くまで使われていた、つまり「イケてない」っていうことではないかと、笑。

まず鐘楼をじっくりと。トップの写真を見てくださると、以下が分かるかと。

解説。
「教会の右わきに鐘楼がそびえ立つ。下から、二階分にはとても細い開口部があり、三階から上は、大きさの異なる二連開口部となっているのが興味深い。」

現場ではしっかり目視で認識できても、こうやって写真になるとうっかり見逃しそうな、細い細い開口部、確かにあります。

valtellina 009

一番下は、ただ開けているだけですが、二番目は、周囲を大きなブラインド・アーチ構造みたいに、うっすらと内部にひっこめたスペースを作っていて、すでに装飾的になっていますね。

valtellina 010

こんな武骨な石積みで、こういうことやるのって、かえって難しいようにも感じてしまいます。この部分の開口部って、おそらく光を取るためだけのものですよね。でも、隙間つくっときゃいいだろ、ではなくて、きっちりとまっすぐなんですよねぇ、縦線も。石だから、毛糸と違って、手で伸ばせばなんとなくまっすぐになるし~(私が昔編み物が好きだったのは、そういういい加減技が使えたからです、笑)、というわけにはいかないんですから、イケてない職人さんも、やっぱり大したもんなんですよね。

valtellina 011

上の方は、何を言わんでも、ただ美しいです。
開口部の大きさが微妙に違うとか、そういうとこ、すごいと思います。装飾性はミニマムですが、私は、各層にあるブラインド・アーチとか、開口部を仕切る松葉杖型のシンプルな柱とか、それだけで満腹になるくらい、この古い時代の鐘楼が大好きです。

ちょっと無粋ですが、内部で下からのぞけましたので、見たところ、こんな様子になっていました。

valtellina 012

登るには、梯子をかけていたのですかね。

さて、入場する前にもう一つ。
本堂外壁にはもともと開口部はなくて、トップの写真で、後陣に見られるものは後付けで開けられたものだそうです。湿気問題とか、明り問題でなされたらしい。
唯一の明り取りは、ファサード側。

valtellina 013

この十字型の開口部は、オリジナルからあったようです。
でもこれだけじゃ、内部は真っ暗でしたでしょうねぇ。

ホテルから鍵をお借りしてきて、いざ入場です。

valtellina 014

なんと、下り階段。
扉前で小さい二段、内部では五段ですから、結構下がります。
周囲の土地が上がったなら、入り口も下のレベルになるでしょうから、これはもともとこういうスタイルだったのでしょう。どうやら、この教会の前に、中世初期に建てられた教会があったようなのですが、それとの関係もあるのかもしれませんね。

valtellina 015

今は、あちこち開口部があり、明るいです。
シンプルな一身廊、壁面にはフレスコ画が施されていますが、傷みが激しいです。

解説。
「1537年、教会はプロテスタントとなり、その際に、絵画的な装飾は、漆喰などで覆われてしまった。1980年代になって、それらが発見され修復された。
内部は装飾的要素の乏しいが、後陣に、その1300年代後半と考えられるフレスコ画があり、それは、全能のキリストのフィギュアとなっている。福音書家のシンボルや使徒のフィギュアに囲まれている。フレスコは、残念ながら傷みが激しく、全体の読み取りは難しいが、身廊の壁にも施されている。」

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個人的には、やはり後陣の眺めがベストな教会。

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好みにも寄るとは思いますが、こういうタイプにうっとりできるのって、病が重くないと難しいのかもね。どうでしょうか。


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  1. 2024/04/25(木) 17:53:09|
  2. ロンバルディア・ロマネスク
  3. | コメント:0

コロナの真っ只中でした(ベルベンノ)

2020年7月ヴァルテッリーナの谷(Covid明け)、その1。

次はどこをまとめようかと悩みましたが、やはり、時系列に沿って行くことにします。
近年忘却が激しくて、どこにしても過去の旅に関しては、記憶抜け落ちも多いのですが、この旅は、Covidの年、3月から禁足状態の後の夏休みということで、印象はとても強くて、え、もう四年もたつの?という感じもあります。
なんせ、仕事は100%在宅だったし普段は、週に一度、近所のスーパーに買い物に出るくらいの生活をしていたので、とにかくマスクなしで空気を吸える場所を散歩できるだけでもありがたいような日々でしたよねぇ。そしてそういう生活が、その後一年も続くなんて、思いもしていなかったですし…。
Covid蔓延の異常事態、有難いことに、今や昔、となりましたけれど、これから先の人生でも、折に触れてあの異常な状況を思い出したり、もしかしたら懐かしさすら覚えたりするのかもしれません。

外食すらできなかった数か月後のお出かけでしたから、普通の旅をする勇気はなく、友人の山の家ににお世話になり、その友人の土地勘もあてにして、谷を行ったり来たりしました。

ということで、ロンバルディア州の北のはずれにある山岳地域ヴァルテッリーナの谷にあるロマネスク探訪です。
基本的に、とても地味な教会ばかりです。逆に言えば、わざわざ行かなくても、という程度の教会が多いので、そこは在住者の私が行くべきだろう、という場所かとも思います。

まずは、この谷がどこにあるの?からです。

valtellina 001

左側にコモ湖が見えますよね。そこを南下したところにミラノがあります。
ミラノからはコモ湖の東岸を北上して、谷に入ることとなります。ヴァルテッリーナと印がついている場所が、地域最大の町ソンドリオとなります。

谷を、対向二車線の国道が走っており、その道を行ったり来たりすることになります。事前に、あまり細かく調べていない状態で出かけて、かなり行き当たりばったりでした。
まずは出発して、国道沿いに目に付いた教会がありましたので、そこからのスタートとなりました。

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ベルベンノBerbennoのサン・ピエトロ教会Chiesa di San Pietroです。

いくら国道沿いにあったからと言っても、このファサードでよく停まったものと思います、笑。なんとなくくさかったんですかね。
ネット検索しても、情報はほとんどなし。というのも、ファサードで分かるように、後代の手が相当入ってしまっていて、ロマネスクの面影は限りなく薄いのです。

解説。
「Berbennoのサン・ピエトロ地区にある教会で、創建は、正確には不明ながら、7世紀から10世紀終わりにかけてと考えられている。
おそらく、キリスト教初期の時期の、オープンで誰でもがアクセスできる場所に洗礼の場を設けようという考え方に従って、谷の底の、道が交差する場所が選ばれたもの。それによって、谷のどちらの側からも、信者がアクセスしやすかった。」

ということで、起源は確かに古いのでしたが、洪水等の被害も多かったために、度重なる改築があり、こういう姿になってしまったようです。

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後陣部分も、かなり改築しているようですが、オリジナルの面影は残されています。
中に何かあるかと期待しましたが…。

valtellina 004

床の写真くらいしか撮影していないところを見ると、本当に何もなかったと思います。正直ここは、立ち寄ったこと以外記憶なしです、笑。

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石は、おそらく地域産と思われますが、柱の形状なども、往時のものとは考えにくい様子です。
天井は、でもきっと、こういう木製だったのだろうなと想像します。石も木も豊富な土地ですが、なんせ山間の田舎ですから、ヴォルトなどはなかったでしょう。
装飾性もゼロ。でも、洗礼の場があったというわけですから、往時は、信者もやってきたのでしょうし、それなりの数の信者がいたのでしょうねぇ。

今でも、公共の場所や病院ではなじみの消毒液。

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そして、ソーシャル・ディスタンス。

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それまでは、気にもせずに、隣の人とぎゅうぎゅうでも座っていたのが、Covidによって、必ず人との距離を取るように強制されて、教会でも、こうやって一人分の席がしっかりと示されるようになったのですねぇ。
なんだか、Covidを回想する記録になりそうです、笑。

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  1. 2024/04/23(火) 17:26:24|
  2. ロンバルディア・ロマネスク
  3. | コメント:0

最終回にこぎつけました(レイヴォー15)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その139、最終回(オーヴェルニュ、カンタル)

さあ、いよいよ旅の最後に訪ねた教会です。
グラン・フィナーレ、とはちょっと違うんですが、ある意味最後にふさわしいような、行くとこまで行った、というロケーションの村ですよ。

france vari 3 298

グーグルさんだと、そうでもないんですが、私が持っている20万分の1の紙の地図だと、行き止まりの村、というロケーションがよく分かって、いわゆる最果て感が分かります、笑。
すでに廃村になっている様子もありましたが、そうじゃなくても、住めませんわー。さすがのグーグルさんも、ストリートビュー、撮影してません。

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レイヴォーLeyvauxのサン・ブレーズ教会Eglise Saint-Blaiseです。

このようなプランとなっています、ちょっと分かりにくいですけれど。

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編み編みの格子が10世紀と11世紀、そして黒塗りつぶしが12世紀ということで、この部分がロマネスク時代の建造物。斜め線は15世紀以降で、ゴシック以降ということになり、てんてん部分は16世紀から18世紀の建造物ということです。
ということは、トップの写真の手前側は、16世紀以降の部分ということだと思います。

france vari 3 301

印をつけた部分の、本当に全体から言ったら少しの部分の壁や構造だけに、名残があるということですね。
全体の形も増築のために、変だし、様式もめちゃくちゃですけれど、そして白く塗られちゃっているのもどうよ、ですけど、なんだか朽ちた村の緑の中で、妙にしっくりしている様子もあり、不思議なミスマッチ感です。

ちょっと歴史などを。

「教会は非常にひどい状態でした。 1979 年に歴史記念物に指定されたことにより、町民の愛着と意志により、修復に必要な補助金を獲得することが可能になり、本来のロマネスク様式の精神を聖域に復元したいと考えた建築家 J.F. グランジ シ​​ャヴァニスによって行われました。
後陣を飾るヘリンボーンの装飾 (外側にもある装飾により、建物の年代は 11 世紀、おそらくは 10 世紀であることがわかります)。その後、内陣と最初の 3 つの柱間に、それらを囲むすべてのものが何世紀にもわたって追加されました 。」

ヘリンボーンの壁は、一部見えるようになっていました。

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内部は、こういう様子です。

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南側側壁にある扉から入って、内陣を見ています。まさにロマネスク時代の構造が遺る部分となりますが、真っ白だからねぇ。とはいえ、雰囲気はあるし、真っ白の塗が新しいのか、清々しさがあったりもしますね。これ、カビが出て黒ずんだり、カピカピになってはがれたりすると、本当に情けないですけど、きれいなうちはね。

そして、西側を見ています。

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天井の下に、木の梁があるのが気になりますね。トンネル・ヴォルトがあったのか、または天井、というか屋根は木でふいていたのか。

床面も、石で仕上げて、これは良い修復をされましたね、と嬉しくなります。

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何度か書いていると思いますが、床って結構疎かにされちゃうんですよね。
ここは、オリジナルという可能性もありますけれど、どうなのかな。いずれにしても、地元産の石なんだろうな、と想像できますから、しっくりと来ます。

さて、地味な教会ですが、目を引くアイテムが一つあります。
南壁にある入り口装飾です。

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立派なアーキトレーブ、まぐさ石があります。

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解説です。
「生命は、植物や象徴的な形で、神の口から生まれます。中央の白百合の花に注目してください。

ブドウの葉 7枚
7という数字は聖書やカトリック神学の中で頻繁に登場します。世俗的な古代においても、数字の 7 が象徴的に使用された例がいくつか見つかります (世界の七不思議など)。4枚の葉(バランス数)は神の右側(向かって左)にあります。左に3つ(不吉)。
ぶどうの木は有益で霊的な象徴(主のぶどうの木)です。

クローバーの葉 5枚
5 という数字には、明確な意味合いはありません。五感は人間の状態を思い出させます。神の右側に 2 つ(バランスのとれた数)あります。 左に3つ。クローバーは傲慢さを反映しています(クラブのジャックのように、非常に横柄で、特定のゲームのマスターです)。
ケルト人にとって、クローバーは人生の時期、つまり青年、中年、老年を表します。それらの茎は、クローバーが後ろからも、下からも見られることを示しています。
物質的なものに背を向け、精神的なものに目を向ける:これは、この美しく謎めいたまぐさのメッセージなのでしょうか?」

現地にあった解説ですが、何を言いたいのかよく分かりません、笑。ただ、こういった解説がなければ、ブドウとクローバーの区別はつきませんし、考えもしなかったから、有難いことでした。
区別、つきますか?
シウマイを上から見たときのようになっているのがグローバーですよね、多分、笑。

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いわゆるグリーンマンなんでしょうけど、素朴極まりないですよね。いや、人の顔は結構ちゃんとしてるけど、植物やツルの彫りが稚拙というのか、繊細の対極というか、例えれば、パリのケーキに対するアメリカのドサドサしたケーキっていうか、笑。

france vari 3 309

アーキボルトの方も、お団子二列はシンプル極まりないわけだけど、百合の花は、結構ちゃんと細かく彫っていたり。
解説にはフルール・ド・リスとあって、それって表現として白ユリをデザイン化した、見れば誰でも知っているモチーフのことになるから、単純に白ユリと思うんですけども、確かに、めしべの部分がすごくしっかり彫られていて、すっごく香りが強そうな様子が伝わってきます。開ききってるから、さらに。そこにも意味を含めているのかしら。

というわけで、長かった旅の最後、これで終了です。
サントルから始まって、オーヴェルニュのはずれも外れまで足を延ばし、盛りだくさんな夏でした。ブログのおかげで、旅を二度も三度も楽しめるのは、とても嬉しいことだと改めて感じました。
まさに、そういった自分の楽しみのためのブログではありますが、今後各教会を訪問される方の一助になれば、それはまた嬉しいことだと思います。

長のお付き合い、ありがとうございました。

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  1. 2024/04/21(日) 11:38:29|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
  3. | コメント:2

石工さんの伝言ゲーム(オーリアック・レグリーズ15)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その138(オーヴェルニュ、カンタル)

ラストスパートです。
次に訪ねた教会はこちら。

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オーリアック・レグリーズAuriac-l'Egliseのサン・ニコラ教会Eglise Saint-Nicolasです。

この地域で、もしかしたら一番地味度高いかもしれないですね、笑。
その上、現場には何もなかったし、ネット検索しても、ほぼ何も出てこないので、今回は、見たままをさらりと行きます。

france vari 3 288

後陣は一つですが、攻めてもロマネスクのスタイルで、軒持ち送りも見られますね。
教会は12世紀創建だけど、15世紀から16世紀に相当大きな手が入ってしまって、ロマネスク的にはどうよ、という有様になったとか、そういう説明はありました。

イタリアだと、全体に石積みあらわな状態になっているものですが、漆喰上塗りが好きなフランスだから、つけ柱以外はぬりぬりしちゃったのですかね。全体に調和は取れているし、日本のぬりかべ?なんていうんですっけ、ボロボロした素材の内壁あるじゃないですか。ああいった素朴な昔の印象が結構あって、すっごく嫌ではないです。が、石積みあらわの方が嬉しいです、笑。

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長年の雨風にさらされた様子ですが、それでも石の強さよ。
動物の頭部が並んでいるのかな。これね、多分現場ではよく見えない状態だったと思うんですよ。こうやって写真でしっかり見えると、なんとなくかわいいじゃないですか。

france vari 3 290

人もいます。
動物に比べると、細いながら、結構しっかりした線彫りで、表情までくっきり。軒持ち送りは、フレスコ画と違って、後代に手が入るものではないから、この人は、千年近く、こうやってニヤニヤしながら過ごしてきたんですねぇ。
そして右側の人は、なんだか知らんが、フン!って偉ぶってる頑固ジジイをやってきたんですねぇ、笑。

france vari 3 291

この不自然なポーズの人はなんだろう?
二股人魚だったりするのかもしれないですね。脚があんなに上まで行くのは、なかなか変だしね。
動物の頭部とか、人の顔とか、そういうのは、特に決まりもないし、普通に彫ればいいけど、それだけじゃつまらんな、何かそれなりの図像が欲しいなって、ふと思った地元の石工さんが、そういえば二股人魚って聞いたことあったな、って思い出して、実際には見たことがないもんだから、伝言ゲームな形で伝わってきた情報を形にしたらこうなった、みたいなことかもしれないですね、笑。
右側のも、そういった何かの図像化も?

戯言はこの辺にしておいて、入場しましょう。

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ぬりぬりでした。
何もなさそうに見えますが、ここは、一応12世紀の名残の内陣ですから、目を皿にしますとね、ちょこっと。

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お饅頭縦列!といった感じの帯装飾が、きれいにのこされていました。

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この内陣は、表面的なぬりぬり以外は、元のままと思うので、装飾的なアイテムは、もともとこの帯くらいだったということなんでしょうかね。

帯については、ちょっとこだわりがあった関係者がいたのかな。

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柱頭は、形にバリエをつけているだけの地味なものですが、副柱頭と、そこから壁にまで、くるりんモチーフの帯があります。
これって、波から派生したモチーフと思っていたんですが、こんな内陸にあるということは、そうじゃないんですね。ここ以外でも使われていましたよね。もしかすると、植物の生まれたての様子を図像化しているのかな。波とちょっと似ちゃったみたいな。

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現場だと、上塗りの彩色もちょっと、と思っちゃうし、ちっ、これだけかよ、とか悪態をついたりするんですが、笑、こうやって写真で見ると、全体の色合いがかわいかったりして、そしてこのくるりんモチーフも、くるりんの向きなどもしっかり考えられていて、すっごくかわいいじゃん、と嬉しくなります。

ただ、何キロも走って、やっとたどり着いて、これかよ、という気持ちは常にあって、現場の気持ちはそんなもんな場合が圧倒的に多かったりするのが、この修行の常ですからね。後付で、こうやって見直すのは、石工さんへのリスペクトにもなっているかもしれません。
と言いつつ、たまたま再訪したら、やっぱり「ちっ」とかなるんですよ、笑。

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古いものなのかどうか不明ですが、味のある聖水盤がありました。

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  1. 2024/04/15(月) 13:29:11|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
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チーズの国

2019年8月夏休み、フランス中部の旅(オーヴェルニュ)、番外編その4

この夏の旅も、そろそろ終盤なので、終わる前に、最後の番外編を挿入しておきたいと思います。
当初の旅の目的地とは全く別の、カンタルでの一泊旅行の、お宿とお食事です。

france vari 3 276

Auberge de la Petite Ferme
Le Fauz S, Besse-et-Saint-Anastaise

数日前にバタバタと予約したのですが、それほどの選択肢はなくて、ロケーションとお食事ができるということで決めたと思います。結構山の中で、周りは何もない感じでしたので、食事もとれるオーベルジュというスタイルは助かりますね。

すっごい郷土料理のメニューでした。

france vari 3 277

何がメインなのかどうなのか、不明なくらい、今見てもどっさどさの重そうなお食事です。上は、ハム?前菜だったのかなぁ。

いや、これが前菜的なものかな。

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プンティPountiとかいう郷土料理だったはず。
三人で、おそらく全員同じものを頼んでいないので、何種類か料理の写真がありますが、私は、ハムみたいのを食べたんだと思います。
プンティは、カンタルの典型的な料理で、野菜とかハムが詰め込まれたキッシュみたいなやつかな。パテ?なんていうんだっけか、フランス人、前菜にこういうの好きだよね。

そんで、メインはもう…。

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まさに山の料理って感じ。
これはトリュファードTruffadeというやつで、カンタルのチーズとジャガイモどっさりってやつ。美味しかったよ。でも、すごいチーズだよね。赤ワインで流し込まないと、ちょっと無理ってやつ、笑。

一番のご馳走は、何もない美しい風景だったかもね。

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番外編最後に、この時もお世話になったフランスの別荘(友人宅)もちょっと。

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懐かしいお庭。ミラノからたどり着いてほっとして、旅の終わりに立ち寄ってホッとして、いつもいつもお世話になりました。

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畑をやっていらっしゃったので、いつも美味しいお野菜、ご馳走になりました。
トウモロコシは、取り立てが全然違う、というのを、聞いたことがありましたが(漫画、「銀の匙」で読んだと思います)、ほんっとにびっくりしました!めっちゃ甘くて、あれは別物です。
日本のお野菜も育てていて、日本のほっそりしたキュウリも、美味しいもんです。イタリアでもフランスでも、キュウリやナスは巨大化して、中はスカスカ、皮はカチカチみたいな別物なんで、そのままカリポリ食べる美味しさがないんですよねぇ。

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フランス、さすがチーズ大国。私でも食べられるチーズの量が豊富です。

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フランス人なら、食後のチーズは必至ということで、友人宅にも、常に何種類かのチーズがホールで常備。これはイタリアにはない習慣だから、びっくりします。

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イタリアでは、熟成したチーズに、はちみつやジャムをつける食べ方があって、チーズ絡みだからフランス文化と思い込んでいたら、思いっきりフランスにはない文化で、びっくりしたもんです。イタリアはまたイタリアで、違うチーズ文化があるのは面白いことですよね。
ちなみに、フランスの影響が強いピエモンテあたり、特に田舎だと、食後チーズの文化がありますが、ピエモンテですら、前菜チーズとか、そういう甘い添え物とかにもなってます。

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フランスの友人宅には、この度の後、コロナを経て、もう一度だけお邪魔していますので、今後もう一度だけ回想したいと思います。
コロナの最後の方で、日本に引き揚げられたので、今はもう私の別荘もなくなってしまって、フランスに行く度、懐かしく、また寂しい気持ちになっています。何度も訪ねたので、お家に行く道とその周辺も結構憶えていて、ただ、もう二度とあそこを通ることはないと思うので、そういったことも、なんというのか、思い出特有の、暖かいけれども、そこのない寂しさみたいな気持ちがあります。

では、ラストスパート、本編に戻ります。

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  1. 2024/04/13(土) 15:00:44|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
  3. | コメント:0

微笑みのマリア様(ローリエ15)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その137(オーヴェルニュ、カンタル)

この辺り、前回考察したように、実に小さな村ばかりなんですが、どこにもちゃんと教会があって、それが今でもそれなりに整備されていて大切にされている感にあふれています。
その山奥ぶり、村の規模のミクロ具合が興味深くて、どうしても地図を確認したくなってしまい、確認したら、やはりあきれるミクロぶり、そして山奥ぶりです、笑。
こんな土地、仲間と一緒だから、楽しく遠足が出来ましたけど、一人ではなかなか突撃しにくい場所だと思われ、つくづく誘っていただいてありがたかったことよ、と今更友人に感謝してしまいます。

さて、今回は、こちらです。

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ローリエLaurieのノートル・ダム教会Eglise Notre-Dameです。

たたずまいは、どこも似たり寄ったり、笑。この規模の村にしては、それなりに立派で、地元産の石づくりっぽくて、家並みに溶け込んでいるやつです。
後陣に塔があって、入り口は側壁に開けられているというのも、大体似通ったスタイルのようです。
そして、どこでも二階があって、どこでも寛容なことに、自由にアクセスさせてくださいます。

france vari 3 264

小さい教会でもあり、内部の全体の様子を撮影するのも難しく、以下、解説がちょっと分かりにくい可能性もあるのですが、上の写真で、ちょっと分かるかな。
下が平面図となります。二つ身廊という、ちょっと変わった様式になっているんですよ。

france vari 3 265

番号は、柱頭の解説がついているので、そのためのものです。

解説によれば、
「詩的な名前を持つローリー村は、約 1,000 メートルの高さからシアンヌ渓谷を見下ろしています。ローリーのすぐ近くにガロ・ローマ時代のネクロポリがあるため、人間の定住は確かに非常に初期であり、いずれにせよ活発であったことが想像されます。」
ということです。名称は、ローリエと聞いたように思うのですが、グーグルマップでは、シンプルに”ロリ”とあり、翻訳ではローリーと出てきて、混乱しますね。

ローリーとなると、私の中ではカラコンのギタリストだから、笑、詩的というより、おちゃめでポップでかつガチ関西イメージだわ、って、それは偏りすぎだよね。それにしても、フランス的には、詩的な響きなのかなってとこ、興味深いです。

さて、教会の構造に関しては、以下のようにあります。
「教会は、2 つの平行な側廊を持つ身廊が、 1 つの真っすぐな壁で終わるという形をしていますが、この配置がオリジナルであると思われるため、このケースはさらに珍しいものです。私たちは、単一の身廊を持つ最初の教会が 12 世紀に建てられ、その後、おそらく同じ世紀か、その直後に、スペースの理由から追加の身廊が追加されたと考えています。確かに、両側に見られるのと同じロマネスク様式ですが、柱と控え壁の対称性は尊重されていません。したがって、おそらくカルヴィニャックのように 2 段階の建設になる可能性がありますが、これはそれほど驚くべきことではありません。中世の建設現場は永続的なものが多かったからです。
ただし、1800 年頃に崩壊した最初の身廊がほぼ完全に修復されたことを考慮する必要があります。当時は南の内陣と北の身廊だけが残っており、再建は無秩序な方法で行われ、建物に対する現在の我々のビジョンを混乱させている可能性があります。いずれにせよ、この「2 つの」並行した教会はカンタルで唯一のケースです。
その後、他の作業も行われました。19世紀後半、土に埋もれていた北壁が切り開かれた。内部の同じ壁で、柱頭を隠していた一種の型枠が剥がされ、この機会を利用して 2 番目の身廊全体をペイントしました。
私たちの意見では、境界部分の壁は部分的にしか再建されておらず、最初の身廊側にあり、その壁を常に区切っている脇のアーチ型建造物は、古いものに違いありません。いずれにしても、柱とそれを支える柱頭は完全にロマネスク様式です。一方、南の壁は再建されたものですが、元の柱と柱頭が再利用されているため、全体的な印象は非常にオリジナル同様です。
内陣は、その柱、柱頭、側面のアーケードを含めて、手が触れられていません。
全体的に、教会は慎重に建てられており、建築上の装飾は主に彫刻を引き立てています。
二重柱で区切られた 2 つの柱間が身廊を形成します。2 番目の身廊も同様に分割されており、より狭く、左側は柱頭のある円柱の上に、右側はおそらく古代の控え壁である付け柱の上に、区切りアーチ壁があります。
主な内陣である南内陣は、身廊と明確に区​​別されていません。2 つのアーケードが、両端は欄間の上に、中央は柱の上にあり、側壁を飾ります。東壁を占める祭壇画のため、南側に開けられた一柱間が、中央円柱が失われたことを示しています。
2 番目の身廊はよりシンプルで、円柱が 二本あるだけです。」

実は、構造については、内壁などもかなり修復されている様子だったり、ほとんど撮影してなくて、上の解説を読んで、ちょっと後悔しました。珍しい構造なのに、なんかピンと来てなかった感じです。
珍しく、お像に食いついちゃったりしてたからね、いつもと調子が違ったのは確かです。

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教会創建の12世紀またはそのちょっと後の13世紀初頭に作られたであろうとされる聖母子が安置されていて、おそらくこの教会のイチオシアイテムだったみたいなんですよ。
とても大切な様子で、こんな高い場所に、ケースに収められていて。そりゃそうですよね。まぁ、田舎の村なので、普段変な人なんかいないだろうし、いたらすぐに見つかるだろうから、乱暴狼藉的な事件は起こりにくいとは思うけれど、それでも、常にリスクはあるわけで。こういう世の中で、オリジナルのお像が、ケース内であっても安置されているというのはすごいことだと思います。
こんな様子だから、その重要性が分かっていなかったとしても、おお、となるわけで、私も例外ではなく、まんまと「おう!」となってしまって、やたらお像を撮影してしまったわけです、笑。
根がミーハーで成り立っている女ですからね。

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なんでもこのマリアさま、うっすらとほほ笑んでいるということで、他に例をみない聖母という位置付けで、さらに重要だったり愛されたりしている存在みたいです。うーん、ほほ笑んでいるのかな。そういわれれば、かすかに口角が上がっているかもね?
そして、聖母子のお像で、うっすらでもなんでも、ほほ笑んでいる、と見える表情のマリア様は、見たことないかもね。

それにしても、よく美しく保存されて。こういうのを拝見すると、ロマネスクは奇跡だよなぁと思ってしまいます。ローマはね、基本、石の巨大建造物だから、そんなに思わないんだけど、中世以降というのは、木造も含めて繊細なものが多くなる中、そして、戦乱だったり世の中の不安が多い時期を超えていることなんかを考えるとね。特にこういったお像があるって、ほぼ奇跡。盗難も多いからね。

この他、この教会も小さいのに、しっかりと柱頭装飾はあって、やっぱりちょっと面白いです。
解説にあった説明に、自分の順不同に撮影した柱頭をマッチさせてみます。

1. 植物を吐き出すマスク。そう遠くないMoledesモレデス、そしてDiennesディエンヌなどを彷彿とします。実際、口は極端に開いており、歯がはっきりと見えます。

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2. 茎は単一の線から始まり、葉とブドウの房で終わります。構成は、利用可能なスペースをすべて占有しようとします。

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3.植物

4.アトランティス、あるいはむしろ曲芸師は、曲がった足でしっかりと座り、頭を仰向けに投げだしています。彼らは片手で枝にしがみついています。もう一方では、スペースの中心を占める水平の棒を持ちます。この棒や枝からは、果物か単純な葉っぱであるに違いない、不明瞭なアイテムが出ています。この柱頭には意味があるかもしれませんが、まったく難解です。

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5.様式化された葉。

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6. 再び様式化された葉。

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7. 6つの層の上にある小さな葉。 下の方に、白ユリの花。

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8. 球で区切られ、角を支える大きな頭部。 一人は目を閉じ、もう一人は目を開けています(画家の幻想?)。

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9. マロニエの葉 (?) で区切られた、より小さい、やはり角に置かれた頭部。

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植物のは、いくつかは間違ってマッチングしてるかも、笑。例によって、撮影はめちゃくちゃなんで、勘です、笑。

左身廊の方に、彩色があるみたいですが、正直、あまり品の良い彩色じゃないっていうか、やめてほしいよね。彩色がなかったら、きっともっとかわいいんじゃないかと思いますが、これは、毒々しすぎる。

近隣の教会と似通ったものがあるけれど、でも、目をつぶった人と目を開けた人の柱頭なんかは、オリジナリティもあって、エニグマティックなモチーフで面白いと思います。
何度も言うようでなんだけど、本当にね、こんな山奥でね、誰が彫ったんだろうか。中央で活躍するほどの腕はなさそうだけど、それなりに知識と技術を持った流しの石工が、あちこちで請け負ったんでしょうかね。
どの教会でも、割と数があるし、やるとなったら、結構な時間がかかりそうだから、旅がらすで食べていたのかな。
どうしても、そういう余計なことを考えちゃう、そういう土地です。

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  1. 2024/04/08(月) 13:40:41|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
  3. | コメント:0

さらに限界に近い(モレド15)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その136(オーヴェルニュ、カンタル)

この辺り、高地が続きます。

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全体に高地なんですが、さらに道路は尾根を行く感じで、遠くまで見晴らしがよく、美しいフランスの田舎の景色が広がります。そして、たどり着いた教会のある村の標高は、ここもまた1200メートル超え。前回のヴェーズよりもさらに50メートルほど高いみたいです。

そして、ここもまた、人口、おそらく100人はいないだろうなって規模の小さな村ですよ。いや、ヴェーズより、さらに小さい気がします。

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ちなみに、赤い印が教会で、村の中心にありますね。それにしても、この規模で、礼拝堂よりは大きいサイズの教会があることに驚愕します。
近隣に何もないならば、あちこちの村の人たちも対象にしているということで分かるけれど、例えば前回のヴェーズからは、9キロ足らずの距離なんですよね。
まぁ、クルマなら10分くらいだけど、歩いたら2時間かかるから、通うのは難しいのか。
それならいっそ、各村が競争みたいに教会を建てたって感じなのかな。そういうのって、結構あるからね。

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ところで、高地って、お花の色がとても鮮やかな印象があります。野の花でも、鉢植えでも
実際、この地味な建物を飾る花たちの鮮やかさ、すごいですよね。
かなり無秩序に放置されてる風だけど、これだけ色とりどりだから、イギリス式みたいな、自然放置のフリした丹精しまくり系の花たちかもね、笑。

それはともかく、目的はこちらです。

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モレドMoledesのサン・レジェ教会Eglise Saint-Legerです。

解説によれば、「ヴェゼにある隣の教会と同様、もともとは単純な直方体を形成していました。15 世紀 (または 16 世紀) と 19 世紀に 4 つの礼拝堂が追加されました。」ということで、現在の形は、ロマネスク時代とは大きく異なってしまっていることになります。
でも、パッと見た感じ、そういう後代の追加によるいやらしさとかなくて、好感度高いのは、おそらく地元産の石を使っているからでしょうね。周囲になじんでるよね。

では入場。

と、さらりと言えますけど、確かね、ここは鍵を探すのにうろうろしたんでした。
カフェ、多分お花がきれいなところで尋ねて、教会横のお宅、そして教会目のお宅へと回って、やっと鍵をゲットしたんでしたよ。

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だから、嬉しくて、誇らしげにカギを写真まで取っちゃって、笑。
そんな写真はどーでもよかろ!と怒られそうなので、本題に…。

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この教会でも、西側に二階席があり、自由にアクセスできるようになっていましたので、そこから。
高いと、全体の様子が分かりやすくて良いですね。

ただ、おそらくこの二階席のある西側は、後代の付けたしとなっていて、我々が見るべきロマネスク部分は、内陣とそこからの最初の柱間部分。上の写真で言うと、手前の付け柱のあるあたりまで、ということになりそうです。

解説。
「内陣と身廊の最初の柱間はロマネスク時代から残っています。4 本のオリジナルの柱が翼廊もどきの交差部分を形成し、横並びで二重柱間のある横断アーチを介して鐘楼を支えています。
すべての柱には興味深い柱頭があり、時期は不明ですが、よくあることですが、おそらく 19 世紀に、明るい色で彩色されています。」

彩色はもともとあったとしても、多くは退色してしまうでしょうから、上塗りをしているに違いないとは思っていましたが、このように明確に書かれていることは、あまりないように思います。「よくある」と書いてあるので、最近のことが多いということで、だからやけに鮮やかなものが多かったりするんですね。なんだかすっきりしました。

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「まず左側に、千里眼の古典的なシンボルである翼を広げた2羽のフクロウが見えます。向かい側には、腰に手を当てた背の低い二人の人物が、スカートをはいて上半身を裸にし、手首にタオルを掛けて、それが玉縁のところまで届いている。かなり遠くからソヴァSauvatの柱頭を思い起こさせる、解釈するのが難しいシーン。」

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「次に、右側には、大きく開いた口を持つ 2 つの人間の顔があり、その口から花の咲く葉で終わる茎が両側から伸びています。これは、ローリーLaurieやサン・ティポリットSaint-Hippolyteで、非常によく似たタイプのものが見られる、とても普遍的なテーマです。」

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「向かい側には、裸の上半身の両側に二重の尾が伸びている、2 人の厳かな様子をした人魚がいます。大きなフィンが両端にあります。 結ばれていない髪は肩のかなり下まで垂れており、とても古代の図像学によれば、おそらく堕落を示しています。
実際、半分人間、半分動物の怪物である人魚は典型的な悪の象徴であり、暴言を吐くかのような顔は言論を象徴することもありますが、彫刻家はそういったことよりも最高のロマネスク様式の伝統に従って自分の柱頭を満たそうとしました。
したがって、これらの完全にシンメトリーな二重モチーフは、各キャラクターまたは鳥が柱頭の隅を占めています。高く上げられた尾、腕、葉、広げられた翼は、中央部分と側面部分を確実に占領します。
それで、空間全体が使われましたが、柱頭に残ったわずかな空白スペースに、作家はわずかに突き出た幾何学的図形を配置しました。
柱頭の頂板も、オーリアックですでに見られたのと同じ渦巻きのフリーズで装飾されています。」

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ちょっと面白い柱頭たちですよね。でも、不思議と、可愛さが全然ないのが、残念ではあります。
彩色がなければ、もしかしたら印象はちょっと違うのかな、という感じもありますが、どうでしょうね。19世紀に彩色してるんなら、落としてもいいんじゃないかって思ったりね。

解説を読んでいて、かなり残念なことが。
軒持ち送りに、色々な彫り物があると書いてあるのですよ。建物の外観は撮影したものの、軒持ち送り、全然フューチャーしてないの。すごく小さいんですよね。で、彫りの内容まで、見えなかったのかもしれない。

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確かにあるんだけど、私の写真の解像度は、印刷を想定していないからそんなに高くなくて、画面で拡大すると荒れちゃって、とても見えない。

解説。
「建物の外装にはいくつかのモディリオンが飾られており、その中には礼拝堂の軒蛇腹の下で再利用されたもの (頬が垂れ下がり、おわん型の髪形をした人間の頭) や、他のものは後陣にあります。
南から始まって、人間の頭、大きく開いた口をくわえているグロテスクなマスク、すべての歯をむき出しにしたもの、巨大なパンまたはチーズ(おそらく美食家を風刺したもの)、美しい牛の頭、オオカミ(または犬)が見えます。 、最後に顔をしかめた人間の頭。」

内部にもあった?
なんだかもう。
いずれにしても、大いなる見逃しをしたらしいことは確からしい、涙。
でも、この辺りは、再訪も難しいところで、さらに涙…。

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  1. 2024/04/06(土) 11:17:37|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
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限界集落、でもない?(ヴェーズ15)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その135(オーヴェルニュ、カンタル)

次に訪ねたのは、標高1200メートル越えの村にある教会です。

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ヴェーズVezeのサン・カプレ教会Eglise Saint-Capraisです。

ここ、今知りましたけど、人口68人の村だそうです。すごいですよねぇ。
そんなに小さい村だったけど、結局鍵は見つからず、だったので、ここは外側だけの見学となりました。
ちょっと覚えてないんだけど、尋ねる人もいないとかそういうことだったか、または、村には鍵がなくて、どこぞ他の教区で管理しているとか、まぁ、いずれそんなことだったろうと思います。

人口68人の村って、全体どういう感じだっけ?と、グーグルで確認。

france vari 3 239

なるほどね。
驚くのは、引きで見ると、周囲はかなり何もないのです。それから、標高がかなり高いのに、畑地が多いこと。さすがフランスっていうところかな。それにしても、そういう状況で、よくぞ生き延びているものだということに感心します。
限界集落に近いのかどうか。
または、半径3キロくらいで見ると、それなりに町村があるので、全体では学校や役所や店などもあって、何とかやって行けたり、人口も保てているんだろうか。
グーグルで見ても、道もきれいだったり、豊かな様子も感じられて、とすると、標高が高いことによる特産物などがあるとか、それなりに存続して行ける理由があるのかもしれないけれども。

さて、教会は、小さいけれど、整備されている様子はあります。
地味ながら、軒持ち送りなどに、楽しい彫り物が飾られているのは、魅力的です。

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軒持ち送りの、宇宙人っぽいのもよいですが、付け根の帯もよいですよね。

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めっちゃ素朴。ただのバッテン、笑。
宇宙人の人も、この左の人も、ポカン、と口を開けていますね。

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お団子と、ただのバッテンと、どっちがより簡単なんだろう?

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お団子をつぶして、ちょっとひっかきが入っているような様子。お団子とバッテンのハイブリッドですかね、笑。

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ぶりっ子みたいな牛、でしょうか。

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入り口部分も、超地味ながら、石色を組み合わせてみたり、装飾的にしようという意図は感じます。

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そして、一番外側のアーチには、お団子、よく見ると、花形プリンとかお干菓子系、ちゃんと装飾的な形をしています、があって、付け根には小さな顔がありますね。

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上が、向かって左側、下が、向かって右側のお顔。小さいながら、それぞれちゃんと表情があって、なかなかうまいです。

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ネットで、何か出てくるか検索してみたのだけど、ほとんど何も…。
ということで、今回はさらりと。

犬がいて。

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そして、(ぶちゃかわな)猫がいて。

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平和そのものの村でした。
そういえば、当時は戦争がなかったんだな…。

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  1. 2024/04/01(月) 15:39:30|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
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