昨年、ひどく面白かったので、やっぱりここは見たいなぁ、と思って訪ねた美術館です。
その美術館とは、ミラノのファッション・ディストリクト、ブランドのお店がずらりと並ぶモンテナポレオーネ通りからちょっと入った小路にある、Fondazione Bagatti Valeschi。古いお屋敷を、お部屋の多くの調度を置いたままに美術館にしているスペースなので、ファブリックや、古いベッドや家具、作り付けの暖炉など、そういうものも楽しく、また、現代インテリアとのミスマッチがとても面白いのです。昨年は、ガラスのVeniniが展示会をやっていたはず。
今回は、美術館併設のデザイン・ショップのオープンを記念した企画ということで、デザイン・ショップ・オーナーの方によって選択されたデザイナーさんの新作展示会ということです。
まず目を引かれたのが、書斎のような小部屋に並べられた、現代アート的なインテリア群。
写真にうまく収めるのが実に難しくて、作品全体を収められなくて。
床置きで、背が1メートルくらいある大きなものですが、からくりで小鳥のさえずりが聞こえるようになっていたのです。部屋に入ったとき、数人見学者がいたので、作動させてくれていましたが、意外とみな無関心。わたしは器械っぽく動くものが結構好きなので、じっと見入ってしまいました。
そして、棚の上にも、動く作品がたくさん。え、これはみんな動く作品なのでは!とわくわくしますけれど、どうも勝手に触ってはいけないらしく、うずうず。そのときには、部屋にいる見学者がわたしだけになったので、監視のおじさんに、これって、動くんですよねぇ?とちょっと流し目で尋ねたところ、「そうね、動くんだろうけど、どこがどう動くのか…」といいながらも、動かしてくれました。
これは右側に下穴あきビーカーがあって、そこにお砂糖を入れると、砂時計のようにしたに落ちる砂糖が、ばねのようなものに当たって、連続して動きが伝わって、最後にどらがなります。くだらない…。アニメっぽい。でも金属の感じが好き~!
こっちはもっとくだらないです。
ボタンを押すと、小さな手が拍手するんです…。
写真が見えにくいですけれど、高さは30センチ今日、手のひらは5センチくらいかな。結構両脇に大きく開いて、ぱっちん、とたたきます。なんか家で遊んだら和みそうな。
実はこの作品は、件のショップで販売していて、価格は450ユーロで、意外と安いので、しばし考えてしまいました。分不相応だし、置く場所ないし、と止めましたが、ショップにはたまに足を運ぼうかと思いました。
これは、わかりやすいですが、それにありがちな感じですが、残念ながら、そのときは動きませんでした。
もうひとつ、ずいぶんと長い間見てしまった作品が、こちら。
これは、ますます持って撮影が難しく、わかりにくいと思うのですが、ライトなんです。天井から釣り下がっているんですが、ケーブルからはなんとシャボン玉が出てくるのです。それも大きいのが次々と出てきて、泡がポンッと出てくるときに、明かりが強まるのです。
そして、次々と団子状になったり、ひとりで離れてふわふわと落ちてしまったり。明かりが当たって輝くのが素晴らしく美しい。
下はシャボンの石鹸水でびちゃびちゃですから、およそ実用とは遠いところにいるんですが、ほしいですよ、これは。
面白かったのは、最初の小部屋でいくつかの作品を作動させてくれたおじさん。あんた、こういうもんが好きなら、この先にすごく面白いのがあるよ!と、一緒についてきたのがこのシャボンライトの部屋。おじさんも、これは何度見てもすごいよ、と、他の監視のおばさんと一緒にひとしきり鑑賞しては感心しているのでした。
フオリサローネでは多くの場所で、この日のために雇われているコンパニオン風英語べらべらの美しいお兄さんお姉さんがたくさんいるのですが、この美術館では、普段からここで監視の仕事をしている人たちがこの日もいたようなんですよね。死んだような過去のお屋敷の中での日常からすると、この現代インテリアの展示って、すごく面白かったんでしょう。面白いものは誰が見ても面白いし、それを素直に楽しむおじさんおばさんたち、とってもよかったです。
ああ、本当にここは楽しかったな。
ということで、もう少し続けちゃいます。
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- 2013/04/24(水) 02:52:21|
- ミラノ・フオリサローネ
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Hちゃん
もう全然無理してみてくださらなくてよいですからね~。今年は、またモトGP関連も再開できるかも、でますますごたまぜになりそうよ。こっちもほとんどオタクの世界。
お花見の記事、楽しませていただきました。いつか吉野に行きたいよ。
- 2013/04/24(水) 20:21:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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