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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ポワトー/シャランテ、29

シヴレーCivray、サン・ニコラス教会 Eglise di Saint Nicolas その2
彩色が斬新な内部の見学を終えて、心穏やかに、外観をなめるように鑑賞です。

サントンジュの、ちょっと欠けたスタイルのファサード。




上の方にもうちょっと広がっていれば、別に普通にサントンジュなんですが、それがないので、なんかスタイルとして半端な感じになっています。けれども、アーチの装飾だったり、アーチの中に彫刻が置かれる、基本派手な装飾スタイルは、そのままサントンジュではあります。
派手派手な正面ファサード、正面入り口のタンパンおよびアーキヴォルト。




タンパンには、おなじみのアーモンドのキリストに四福音書家。それにしてもアーキボルトの数が半端じゃない上に、それぞれのアーチに、所狭しと浮き彫りを施すのが、なんだかもう、おなか一杯状態で。
アーモンドのキリストの上にも、同じように祝福するキリストさんがいらっしゃって、なんだかもう、そこまで強調しなくても、というくらいにしつこく執拗に彫り込まれています。




それがまたとても繊細に彫り込まれているのでびっくり、というレベルなのですね。すごく細かい細部にも、いろんな意味が読み込めそうだし。
細部を見ていくと、本当に面白いんですよ。正統派聖書系のモチーフの間に、やっぱりちゃんとロマネスク正統のわけのわからないようなモチーフみたいのがいろいろとはめ込まれていて。
人魚っぽい子とか。




光背を背負いながらも、既にペットと戯れるオヤジ化しているダニエルさんとか。




十字軍兵士の姿とか。




このあたりには、オリエンタルな雰囲気も感じられるんです。とにかく面白くて、写真とリまくりでした。
手が、時代も含めて、いくつか異なるものが入っているようなのも面白くてね。

切がないので、ちょいと裏手の後陣側にも回ってみます。
これがまた、結構立て込んでいる街中の割りには、後陣の方にはちゃんとスペースもあり、しっかりと鑑賞できるようになっていて、そして鑑賞に値するほど、美しく保たれているのですよ。これはびっくり。でも、見に来る人はほとんどいないと思いましたけれどもね。




全体としてはすっきりとして、装飾も少ないのですが、ここでも軒送りの変なものたちがうようよしています。




若干時代が下るものも入るかもしれないとはいえ、なんか面白いし、よくきれいに残ってくれました、という教会です。
シャランテからポワトー地域への移動で、いろいろチェックはしていて、どこに寄ろうかというのはそのときの行き当たりばったりだったのですが、ここは立ち寄って本当によかった教会のひとつ。とにかくいろんな意味で楽しい装飾です。
こんな、窓周囲の幾何学モチーフひとつをとってもね。




では、次に移動です。いよいよポワトーの真髄に近づきますよ。

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  1. 2013/05/20(月) 05:31:24|
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